JPH05226327A - 絶縁膜の製造方法および製造装置 - Google Patents

絶縁膜の製造方法および製造装置

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JPH05226327A
JPH05226327A JP2417392A JP2417392A JPH05226327A JP H05226327 A JPH05226327 A JP H05226327A JP 2417392 A JP2417392 A JP 2417392A JP 2417392 A JP2417392 A JP 2417392A JP H05226327 A JPH05226327 A JP H05226327A
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JP
Japan
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gas
insulating film
substrate
plasma generation
generation chamber
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Application number
JP2417392A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Sasaki
光夫 佐々木
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】基板上の凹凸面に良質の絶縁膜を平坦に形成す
るための簡略な絶縁膜製造方法を提供する。 【構成】ECRプラズマCVD装置を用い、絶縁膜の原
料ガスにArガスを添加しての成膜工程のみ、原料ガス
のみによる成膜工程とArガスを添加しての成膜工程と
の両成膜工程のみ、原料ガスのみによる成膜工程とAr
ガスによるスパッタリング工程との両工程、原料ガスの
みによる成膜工程とArガスを添加しての成膜工程とA
rガスによるスパッタリング工程との組合わせ、のいず
れかの方法により膜を平坦に形成する。各工程中、ガス
圧力、形成するカスプ磁場のカスプ面位置、各ガスの流
量もしくは流量比、基板温度等の装置条件を特定の範囲
内に保ち、特に膜の残留応力とアニール前後の応力変動
量とを低減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体デバイスにお
ける層間絶縁膜または保護膜に代表される絶縁膜を基板
上の凹凸面に平坦に形成するための絶縁膜製造方法と、
この方法により絶縁膜を製造する製造装置の構成とに関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の層間絶縁膜やパッシベ
ーション膜 (表面保護膜) としては、通常、絶縁膜の原
料となるガス分子の励起に熱エネルギーを用いる熱CV
D法や、高周波電力によるプラズマ放電によりガス分子
を励起する高周波プラズマCVD法により形成された酸
化膜, 窒化膜等が用いられている。しかし、近年、半導
体装置の集積化および高密度化が進み、配線間隔や配線
幅等の構造寸法がサブミクロン領域に移行するのに伴っ
て絶縁膜の高品質化が要求されるようになり、上記成膜
方法以外の手法が種々試みられている。そのうちの1つ
として耐酸性, 緻密性にすぐれた絶縁膜を形成できるE
CRプラズマCVD法が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記プラズマCVD法
のうち、高周波プラズマCVD法では、成膜時の基板温
度が300℃より高く、膜の耐透水性は良好であるが、
基板上に形成された電極や配線 (特にアルミ配線) にお
ける熱ストレスダメージが大きく、半導体デバイスの寿
命を短くする原因となっていた。
【0004】また、ガス分子の励起にマイクロ波を用い
る従来のECRプラズマCVD法で酸化シリコン膜を形
成した場合、成膜後アニール前の膜内応力とアニール後
の膜内応力との間の応力変動量が大きく、配線が応力変
動によりダメージを受けるという問題と、耐透水性に欠
ける問題と、半導体デバイスの積層構造で必要とされる
膜の平坦度が悪いという問題と、基板上の配線等による
凹部に巣が形成されやすいという問題と、巣のない平坦
な膜を形成するのに複数種の工程が必要とされるという
問題等から、半導体デバイスの歩留まりが低下するとい
う問題点があった。
【0005】この発明の目的は、これらの問題を解決し
て高品質の絶縁膜が得られ、かつ膜の平坦化を単純な装
置操作により達成することのできる絶縁膜製造方法と、
この方法により絶縁膜を製造する絶縁膜製造装置の構成
とを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、平坦な絶縁膜の製造方法を、一
方の端面にマイクロ波透過窓を有し、導入されたガスを
プラズマ化する軸対称のプラズマ生成室と、プラズマ生
成室の他方の端面側でプラズマ生成室と連通する反応室
と、反応室内に位置して高周波電力の印加可能な基板台
と、プラズマ生成室と同軸に配設されプラズマ生成室内
に電子サイクロトロン共鳴磁場領域を形成する主コイル
と、基板台の反主コイル側に主コイルと同軸に配され基
板近傍にカスプ磁界を形成可能な補助コイルとを備えて
いるECRプラズマCVD装置を用い、基板上に形成さ
れるべき絶縁膜の成分元素の1つを有するプラズマ生成
ガスとArガスとをプラズマ生成室に導入するとともに
絶縁膜成分元素の残りの元素を有する反応ガスを反応室
に導入して成膜することにより基板上に絶縁膜を平坦に
形成する方法 (以下第1の方法という) とするか、一方
の端面にマイクロ波透過窓を有し、導入されたガスをプ
ラズマ化する軸対称のプラズマ生成室と、プラズマ生成
室の他方の端面側でプラズマ生成室と連通する反応室
と、反応室内に位置して高周波電力の印加可能な基板台
と、プラズマ生成室と同軸に配設されプラズマ生成室内
に電子サイクロトロン共鳴磁場領域を形成する主コイル
と、基板台の反主コイル側に主コイルと同軸に配され基
板近傍にカスプ磁界を形成可能な補助コイルとを備えて
いるECRプラズマCVD装置を用い、基板上に形成さ
れるべき絶縁膜の成分元素の1つを有するプラズマ生成
ガスをプラズマ生成室に導入するとともに絶縁膜成分元
素の残りの元素を有する反応ガスを反応室に導入して行
う成膜工程と、基板上に形成されるべき絶縁膜の成分元
素の1つを有するプラズマ生成ガスとArガスとをプラ
ズマ生成室に導入するとともに絶縁膜成分元素の残りの
元素を有する反応ガスを反応室に導入して行う成膜工程
とにより基板上に絶縁膜を平坦に形成する方法 (以下第
2の方法という)とするか、一方の端面にマイクロ波透
過窓を有し、導入されたガスをプラズマ化する軸対称の
プラズマ生成室と、プラズマ生成室の他方の端面側でプ
ラズマ生成室と連通する反応室と、反応室内に位置して
高周波電力の印加可能な基板台と、プラズマ生成室と同
軸に配設されプラズマ生成室内に電子サイクロトロン共
鳴磁場領域を形成する主コイルと、基板台の反主コイル
側に主コイルと同軸に配され基板近傍にカスプ磁界を形
成可能な補助コイルとを備えているECRプラズマCV
D装置を用い、基板上に形成されるべき絶縁膜の成分元
素の1つを有するプラズマ生成ガスをプラズマ生成室に
導入するとともに絶縁膜成分元素の残りの元素を有する
反応ガスを反応室に導入して行う成膜工程と、Arガス
をプラズマ生成室に導入して行うスパッタリング工程と
を交互に行うことにより基板上に平坦な絶縁膜を形成す
る方法 (以下第3の方法という)とするか、一方の端面
にマイクロ波透過窓を有し、導入されたガスをプラズマ
化する軸対称のプラズマ生成室と、プラズマ生成室の他
方の端面側でプラズマ生成室と連通する反応室と、反応
室内に位置して高周波電力の印加可能な基板台と、プラ
ズマ生成室と同軸に配設されプラズマ生成室内に電子サ
イクロトロン共鳴磁場領域を形成する主コイルと、基板
台の反主コイル側に主コイルと同軸に配され基板近傍に
カスプ磁界を形成可能な補助コイルとを備えているEC
RプラズマCVD装置を用い、基板上に形成されるべき
絶縁膜の成分元素の1つを有するプラズマ生成ガスをプ
ラズマ生成室に導入するとともに絶縁膜成分元素の残り
の元素を有する反応ガスを反応室に導入して行う成膜工
程と、基板上に形成されるべき絶縁膜の成分元素の1つ
を有するプラズマ生成ガスとArガスとをプラズマ生成
室に導入するとともに絶縁膜成分元素の残りの元素を有
する反応ガスを反応室に導入して行う成膜工程と、Ar
ガスをプラズマ生成室に導入して行うスパッタリング工
程とを組み合わせることにより基板上に平坦な膜を形成
する方法 (以下第4の方法という)とする。
【0007】そして、これらの方法による絶縁膜の製造
は、装置内ガス圧力を5×10-4〜1×10-2Torrの範
囲内に保持して行うようにすれば好適である。また、第
1, 第2または第4の方法において、Arガスを添加し
た成膜時には、基板から補助コイル側へ15mm以内の位
置にカスプ面を有するカスプ磁場を形成するようにする
のがよい。
【0008】また、第3の方法において、Arガスによ
るスパッタリング時には、基板から主コイル側へ20mm
以内の位置にカスプ面を有するカスプ磁場を形成するよ
うにするのがよい。さらに、第1, 第2または第4の方
法において、絶縁膜がプラズマ生成ガスにO2 ガス, 反
応ガスにSiH4 ガスを用いて形成されるSiO2 膜で
ある場合には、Arガスを添加した成膜時のガス流量比
をAr/ (Ar+SiH4 +O2 )=0.1〜0.4とする
のがよい。
【0009】また、第3の方法では、Arガスの流量を
5〜45sccmとするのがよい。さらに、第1ないし第4
のいずれかの方法における成膜工程では、基板温度を室
温〜300℃と、300℃以下に保持するのがよい。ま
た、基板に印加する高周波電力は、基板の単位面積当た
り2.0〜4.0W/cm 2 とするのがよい。
【0010】さらに、第1ないし第4のいずれかの方法
における成膜時に、絶縁膜がプラズマ生成ガスにO2
ス, 反応ガスにSiH4 ガスを用いて形成されるSiO
2 膜である場合には、両ガスの流量比をSiH4 /O2
=0.5〜0.92とするのがよい。なお、第1ないし第4
のいずれかの方法により基板台上の基板に絶縁膜を平坦
に形成する絶縁膜製造装置は、基板台を熱媒体の貫流可
能に形成して,成膜時の基板温度を室温〜300℃に保
持可能な装置とする。
【0011】
【作用】この発明は、ArがN, Oと比べて原子量がは
るかに大きく、かつ電離電圧が同等に低く、しかも化学
的には不活性であることから、これをプラズマ化して基
板上の凹凸面に堆積した膜に衝突させたときの凹面の膜
のスパッタリング除去効果と比べて凸面の膜のスパッタ
リング除去効果が大きく、膜の平坦形成に顕著な効果を
示しうる可能性に着目したものである。従って、上記第
1の方法のように、Arガスを適量プラズマ生成ガスに
添加して成膜を行うことにより、スパッタリング除去効
果の小さい凹面の膜の成長速度が、スパッタリング除去
効果の大きい凸面の膜の成長速度よりも大きくなり、絶
縁膜を図3のように平坦に形成することができる。
【0012】また、第2の方法により、まず、Arガス
添加なしでの成膜を行い、次にArガスを添加した成膜
を行うようにしても、凸面の高さや凹面の幅等により、
図4のような過程で絶縁膜を平坦に形成することができ
る。スパッタリングによる膜の除去速度には、スパッタ
リング粒子であるイオンの入射角度依存性があり、図1
1に示すような特性を示す。従って、第3の方法によ
り、成膜とスパッタリングとを交互に繰り返すことによ
っても図5のような過程で膜を平坦に形成することがで
きる。
【0013】なお、Arガスを添加した成膜では、Ar
ガスの添加量が少ないと、Arガス添加なしでの成膜
後、Arガスを添加した成膜工程で凸面の膜成長が小さ
くならず、凸面の膜厚が厚くなる。従って、第4の方法
により、Arガスでスパッタリングを行うことにより、
図6のように絶縁膜を平坦化することができる。第4の
方法において、Arガス添加なしの成膜, Arをガス添
加した成膜, Arガスによるスパッタリングの各工程の
順序は、図7のように入れかえても、また図8のよう
に、最後に再びArガス添加なしの成膜を行っても、絶
縁膜を平坦に形成することができる。
【0014】絶縁膜の形成は、高活性, 高プラズマ密度
が得られかつ磁場による基板面でのプラズマ密度の制御
が容易な1×10-4〜1×10-2Torrの低ガス圧力下で
行うことが望ましい。これにより、成膜分布やスパッタ
リングによるエッチング分布の制御が容易に可能にな
る。そこで、第1, 第2または第4の方法において、A
rガスを添加した成膜時に、基板から補助コイル側へ1
5mm以内の位置にカスプ面を有するカスプ磁場を形成す
るようにすると、平坦な面上での膜厚分布を5%以下に
抑えることができる。
【0015】また、第3の方法において、Arガスによ
るスパッタリング時に、基板から主コイル側へ20mm以
内の位置にカスプ面を有するカスプ磁場を形成するよう
にすると、スパッタリングによるエッチング分布を5%
以下とすることができ、平坦度の大きい絶縁膜を形成す
ることができる。第1, 第2または第4の方法により、
絶縁膜として、プラズマ生成ガスにO2ガス, 反応ガス
にSiH4 ガスを用いて形成されるSiO2 膜を形成す
る場合、Arガスを添加した成膜時のガス流量比をAr
/ (Ar+SiH4 +O2 ) =0.1〜0.4とすると、成
膜時のArガスによるエッチング作用が平坦膜形成に適
した大きさになり、この範囲外では、可及的にArガス
によるエッチングなしで平坦膜を得ようとするArガス
添加成膜に長時間のArガススパッタリング工程が付加
されることとなり、絶縁膜製造におけるスループット向
上の点で好ましくない。
【0016】また、第3の方法において、Arガススパ
ッタリング時のArガスの流量を5〜45sccmとする
と、図9に示すように、スパッタリングが適当な高速で
行われる。流量が5sccm以下では流量が過少でスパッタ
リング速度が小さくなり、スパッタリング速度を上げよ
うとして基板をプラズマ生成室に近づけるとエッチング
分布が悪化する。また、45sccm以上では、エッチング
が高圧プロセスの領域に入り、エッチングレートが低下
する。5〜45sccmではガス圧力が数mTorrとなり、エ
ッチングレートが適度に大きい値になり、このガス流量
範囲ではエッチング分布も小さくなる。
【0017】ECRプラズマCVD法による低温成膜の
場合、絶縁膜がSiO2 膜であると、SiH4 とO2
の反応過程で生じるH2 OとH2 とがある割合でSi−
HやO−HまたはH2 Oの組成で取り込まれる。しか
し、第1ないし第4の方法による絶縁膜形成時に、基板
の温度を室温〜300℃に保つと、H2 OやH2 が取り
込まれても基板の高熱により膜中から離脱し、耐透水性
が向上し、かつ、成膜後アニール前の膜内応力とアニー
ル後の膜内応力との差が小さくなり、絶縁性が高く、配
線の応力ダメージを生じない良質の膜を得ることができ
る。
【0018】また、基板に印加する高周波電力を、基板
の単位面積当たり2.0〜4.0W/cm 2 とすることによ
り、基板表面に対地負極性のバイアス電位が安定に生
じ、基板に到達するイオンが基板に加速入射され、基板
表面のH2 O分子が熱エネルギーを得て基板から離脱
し、耐透水性が高く、配線の応力ダメージを生じない良
質の膜が得られる。
【0019】また、第1ないし第4の方法において、絶
縁膜がプラズマ生成ガスにO2 ガス, 反応ガスにSiH
4 ガスを用いて形成されるSiO2 膜である場合、両ガ
スの流量比をSiH4 /O2 =0.5〜0.92とすること
により、膜内へのH2 Oの取り込み量が減少し、耐透水
性が高く、配線の応力ダメージを生じない膜を得ること
ができる。
【0020】また、第1ないし第4のいずれかの方法に
より基板台上の基板に絶縁膜を平坦に形成する絶縁膜製
造装置は、基板台を熱媒体の貫流可能に形成すると、熱
媒体の加熱または冷却により、基板台と基板との間には
熱絶縁性の高い真空層が介在すること、基板がイオン衝
撃により温度上昇することから、基板台と基板との間に
は100℃程度の温度差が生じるものの、成膜時の基板
温度を室温から300℃までの広範囲にわたり容易に制
御することができる。
【0021】
【実施例】図12に本発明の方法により基板上に絶縁膜
を平坦に形成するECRプラズマCVD装置構成の一実
施例を示す。装置は、一方の端面にマイクロ波透過窓2
を有し、第1ガス導入系3から導入されたプラズマ生成
ガスをプラズマ化するプラズマ生成室5と、プラズマ生
成室5の他方の端面のプラズマ引出し窓5aを介してプ
ラズマ生成室5と連通する反応室6と、反応室6内に位
置してRF電源12から高周波電力を供給される基板台
10と、基板台10を介して基板温度を制御できるよう
に加熱・冷却の配管をし、この配管を通してふっ化炭素
系物質からなる熱媒体を基板台10に送るためのポンプ
16, 加熱器14および冷却器15を備えた加熱系と、
プラズマ生成室5を同軸に囲んでプラズマ生成室5内に
電子サイクロトロン共鳴 (ECR) 磁場領域を形成する
主コイル4と、基板台10の後方で主コイル4と同軸に
配設された補助コイル11とを主要構成要素として構成
されている。以下、この装置により、基板台10に載置
された基板9に絶縁膜としてSiO2 膜を形成するとき
の膜形成過程につき説明する。
【0022】成膜時に第1ガス導入系3から導入された
2 ガスは、ECR磁場領域でマイクロ波エネルギーを
共鳴吸収した電子により高密度のプラズマとなる。この
2プラズマは、主コイル4により形成された発散磁場
によりプラズマ生成室5からプラズマ引出し窓5aを通
して引き出される。この時、第2ガス導入系7からSi
4 ガスを導入すると、O2 プラズマのエネルギーによ
りSiH4 ガスが分解されて、基板台10に載置された
基板9の表面にSiO2 膜が形成される。このとき、基
板9には、RF電源12から基板台10を介して高周波
電力が印加されて基板表面に対地負極性のバイアス電位
が生じており、この電位により、基板に向かうイオンが
加速される。
【0023】次に、この装置を用いて基板上の凹凸面に
絶縁膜を平坦に形成する本発明の方法につき説明する。
この方法には大きく分けてArガスを添加する方法と、
Arガスでスパッタリングを行う方法とがある。Arガ
スを添加する方法は、装置内に導入するガスにArガス
を添加し、成膜工程のみで平坦な膜を形成しようとする
ものであり、Arガスでスパッタリングを行う方法は、
形成された膜の凸部をArガスでスパッタリング除去し
て膜を平坦に形成しようとするものである。以下に本発
明者が実施した方法につき説明する。
【0024】Arガスを添加して成膜する場合は、基板
近傍にカスプ磁場を形成した。このときのカスプ面の位
置は、図1に示すように、基板から補助コイル側へ15
mm以内の位置となるようにし、基板上平坦部の膜厚分布
を5%以下とすることができた。また、膜特性もArガ
ス添加による悪化は見られず、添加しない場合の特性と
同等であった。
【0025】Arガスでスパッタリングする場合は、A
rガス添加なし、あるいは添加ありでの成膜を主コイル
のみによる発散磁場を用いて行い、成膜につづくArガ
ススパッタリングをカスプ磁場を形成して行った。この
ときのカスプ面の位置は、図2に示すように、基板から
主コイル側へ20mm以内の位置となるようにし、基板上
平坦部のエッチング分布を5%以下とすることができ
た。
【0026】次にSiO2 膜を平坦に形成する場合の装
置条件を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1の条件下で膜を平坦に形成したときの
成膜工程とスパッタリング工程との組合わせを表2に示
す。
【0029】
【表2】
【0030】表2に示す成膜工程とスパッタリング工程
との組合わせは、半導体デバイス構造の配線幅や厚さや
配線間隔等により適宜に選択することができる。なお、
表2の方法により、アスペクト比 (配線の厚さと間隔と
の比) の高い配線部を巣の発生なく埋め込むことも可能
である。これらの平坦化工程により形成された膜の特性
は、図10に示すように、残留応力−2.0×109 dyne
/cm2 以下、アニール熱処理による応力変動量0.5×1
9 dyne/cm2 以下と、配線の応力ダメージが急増する
1010dyne/cm2 オーダを大きく下まわる特性が得られ
た。
【0031】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の方法によ
れば、ECRプラズマCVD装置で絶縁膜を形成する際
の絶縁膜の平坦化を、装置内に導入するガスの入れ替え
のみで行うことができ、平坦化プロセスが簡略化され
る。そして、平坦化を、装置内のガス圧力, カスプ面の
位置, 各ガス相互の流量比, 基板温度, 基板に供給する
高周波電力等の装置運転条件を適宜な範囲内に保持して
行うことにより特に膜内応力に関して膜質の良好な絶縁
膜を得ることができる。これにより、デバイス構造の配
線埋込みによる多層構造が可能になり、3次元デバイス
構造を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法におけるArガス添加成膜時のカ
スプ面位置を示す説明図
【図2】本発明の方法におけるArガススパッタリング
時のカスプ面位置を示す説明図
【図3】本発明の第1の方法を示す説明図
【図4】本発明の第2の方法を示す説明図
【図5】本発明の第3の方法を示す説明図
【図6】本発明の第4の方法の第1の実施例を示す説明
【図7】本発明の第4の方法の第2の実施例を示す説明
【図8】本発明の第4の方法の第3の実施例を示す説明
【図9】Arガススパッタリングによるエッチング速度
とエッチング分布とのArガス流量依存性を求めた線図
【図10】SiO2 膜形成時のガス流量比 (SiH4
2 ) と膜内応力との関係をアニール前とアニール後と
について示す線図
【図11】成膜速度とスパッタリングによるエッチング
速度との対イオン照射面イオン入射角依存性を示すもの
であって、同図(a) はこれらの依存性を示す線図、同図
(b) は入射角のとり方を示す説明図
【図12】本発明の方法による絶縁膜形成に用いたEC
RプラズマCVD装置の構成を示す装置縦断面図
【符号の説明】
1 導波管 2 マイクロ波透過窓 4 主コイル 5 プラズマ生成室 6 反応室 9 基板 10 基板台 11 補助コイル 12 RF電源 14 加熱器 15 冷却器 16 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/90 P 7735−4M

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の端面にマイクロ波透過窓を有し、導
    入されたガスをプラズマ化する軸対称のプラズマ生成室
    と、プラズマ生成室の他方の端面側でプラズマ生成室と
    連通する反応室と、反応室内に位置して高周波電力の印
    加可能な基板台と、プラズマ生成室と同軸に配設されプ
    ラズマ生成室内に電子サイクロトロン共鳴磁場領域を形
    成する主コイルと、基板台の反主コイル側に主コイルと
    同軸に配され基板近傍にカスプ磁界を形成可能な補助コ
    イルとを備えているECRプラズマCVD装置を用い、
    基板上に形成されるべき絶縁膜の成分元素の1つを有す
    るプラズマ生成ガスとArガスとをプラズマ生成室に導
    入するとともに絶縁膜成分元素の残りの元素を有する反
    応ガスを反応室に導入して成膜することにより、基板上
    に絶縁膜を平坦に形成することを特徴とする絶縁膜の製
    造方法。
  2. 【請求項2】一方の端面にマイクロ波透過窓を有し、導
    入されたガスをプラズマ化する軸対称のプラズマ生成室
    と、プラズマ生成室の他方の端面側でプラズマ生成室と
    連通する反応室と、反応室内に位置して高周波電力の印
    加可能な基板台と、プラズマ生成室と同軸に配設されプ
    ラズマ生成室内に電子サイクロトロン共鳴磁場領域を形
    成する主コイルと、基板台の反主コイル側に主コイルと
    同軸に配され基板近傍にカスプ磁界を形成可能な補助コ
    イルとを備えているECRプラズマCVD装置を用い、
    基板上に形成されるべき絶縁膜の成分元素の1つを有す
    るプラズマ生成ガスをプラズマ生成室に導入するととも
    に絶縁膜成分元素の残りの元素を有する反応ガスを反応
    室に導入して行う成膜工程と、基板上に形成されるべき
    絶縁膜の成分元素の1つを有するプラズマ生成ガスとA
    rガスとをプラズマ生成室に導入するとともに絶縁膜成
    分元素の残りの元素を有する反応ガスを反応室に導入し
    て行う成膜工程とにより基板上に絶縁膜を平坦に形成す
    ることを特徴とする絶縁膜の製造方法。
  3. 【請求項3】一方の端面にマイクロ波透過窓を有し、導
    入されたガスをプラズマ化する軸対称のプラズマ生成室
    と、プラズマ生成室の他方の端面側でプラズマ生成室と
    連通する反応室と、反応室内に位置して高周波電力の印
    加可能な基板台と、プラズマ生成室と同軸に配設されプ
    ラズマ生成室内に電子サイクロトロン共鳴磁場領域を形
    成する主コイルと、基板台の反主コイル側に主コイルと
    同軸に配され基板近傍にカスプ磁界を形成可能な補助コ
    イルとを備えているECRプラズマCVD装置を用い、
    基板上に形成されるべき絶縁膜の成分元素の1つを有す
    るプラズマ生成ガスをプラズマ生成室に導入するととも
    に絶縁膜成分元素の残りの元素を有する反応ガスを反応
    室に導入して行う成膜工程と、Arガスをプラズマ生成
    室に導入して行うスパッタリング工程とを交互に行うこ
    とにより基板上に平坦な絶縁膜を形成することを特徴と
    する絶縁膜の製造方法。
  4. 【請求項4】一方の端面にマイクロ波透過窓を有し、導
    入されたガスをプラズマ化する軸対称のプラズマ生成室
    と、プラズマ生成室の他方の端面側でプラズマ生成室と
    連通する反応室と、反応室内に位置して高周波電力の印
    加可能な基板台と、プラズマ生成室と同軸に配設されプ
    ラズマ生成室内に電子サイクロトロン共鳴磁場領域を形
    成する主コイルと、基板台の反主コイル側に主コイルと
    同軸に配され基板近傍にカスプ磁界を形成可能な補助コ
    イルとを備えているECRプラズマCVD装置を用い、
    基板上に形成されるべき絶縁膜の成分元素の1つを有す
    るプラズマ生成ガスをプラズマ生成室に導入するととも
    に絶縁膜成分元素の残りの元素を有する反応ガスを反応
    室に導入して行う成膜工程と、基板上に形成されるべき
    絶縁膜の成分元素の1つを有するプラズマ生成ガスとA
    rガスをプラズマ生成室に導入するとともに絶縁膜成分
    元素の残りの元素を有する反応ガスを反応室に導入して
    行う成膜工程と、Arガスをプラズマ生成室に導入して
    行うスパッタリング工程とを組み合わせることにより基
    板上に平坦な絶縁膜を形成することを特徴とする絶縁膜
    の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項第1項, 第2項, 第3項または第4
    項に記載の方法において、成膜時の装置内ガス圧力を5
    ×10-4〜1×10-2Torrの範囲内に保持することを特
    徴とする絶縁膜の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項第1項, 第2項または第4項に記載
    の方法において、絶縁膜がSiO2 膜である場合、Ar
    ガスを添加した成膜時に、基板から補助コイル側へ15
    mm以内の位置にカスプ面を有するカスプ磁場を形成する
    ことを特徴とする絶縁膜の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項第3項に記載の方法において、Ar
    ガスによるスパッタリング時に、基板から主コイル側へ
    20mm以内の位置にカスプ面を有するカスプ磁場を形成
    することを特徴とする絶縁膜の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項第1項, 第2項または第4項に記載
    の方法において、絶縁膜がプラズマ生成ガスにO2
    ス, 反応ガスにSiH4 ガスを用いて形成されるSiO
    2 膜である場合、Arガスを添加した成膜時のガス流量
    比をAr/ (Ar+SiH4 +O2 ) =0.1〜0.4とす
    ることを特徴とする絶縁膜の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項第3項に記載の方法において、Ar
    ガスの流量を5〜45sccmとすることを特徴とする絶縁
    膜の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項第1項, 第2項, 第3項または第
    4項に記載の方法において、成膜時の基板温度を室温〜
    300℃とすることを特徴とする絶縁膜の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項第1項, 第2項, 第3項または第
    4項に記載の方法において、基板に印加する高周波電力
    を基板の単位面積当たり2.0〜4.0W/cm2とすること
    を特徴とする絶縁膜の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項第1項, 第2項, 第3項または第
    4項に記載の方法において、絶縁膜がプラズマ生成ガス
    にO2 ガス, 反応ガスにSiH4 ガスを用いて形成され
    るSiO2 膜である場合、両ガスの流量比をSiH4
    2 =0.5〜0.92とすることを特徴とする絶縁膜の製
    造方法。
  13. 【請求項13】請求項第1項, 第2項, 第3項または第
    4項に記載の方法により基板台上の基板に絶縁膜を平坦
    に形成する絶縁膜製造装置であって、基板台が熱媒体の
    貫流可能に形成され、成膜時の基板温度が室温〜300
    ℃に保たれるような温度に保持されることを特徴とする
    絶縁膜の製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08119793A (ja) * 1994-10-25 1996-05-14 Niyuuraru Syst:Kk 結晶性薄膜形成装置、結晶性薄膜形成方法、プラズマ照射装置、およびプラズマ照射方法
JPH10144782A (ja) * 1996-11-07 1998-05-29 Lg Semicon Co Ltd 隔離領域の形成方法
JP2005026656A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Hynix Semiconductor Inc 半導体素子の製造方法

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