JPH05225411A - 発券装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ロール紙の幅寄せ手段の簡単及び簡素化であっ
て、且つ、確実に作用させることのできる発券装置を提
供する。 【構成】幅寄せする側のロール紙を所定角度に傾けた幅
寄せローラに巻回し、同幅寄せローラの外周面に沿って
ロール紙を螺旋方向に周回させながら幅寄せして券共通
搬送路に供給するので、購入指定された乗車券の発行枚
数に対応して各券発行部を交互に繰出し動作させ、一方
がエンコード処理している間に時間を要する印字処理を
実行して交互に発券することにより、指定された発行枚
数分の乗車券を短時間で発行処理することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば、駅務で使用
される普通乗車券や回数乗車券等の乗車券を発券するよ
うな発券装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種の発券装置としては、例
えば、図６に示すように、装置本体２９の内部に一券種
のみを発行するための券発行部３０を設置し、同券発行
部３０に配設したロール紙ホルダ３１に所定長さ巻回し
てなるロール紙Ａを１本保持し、発券時に於いて、券発
行部３０から繰出されるロール紙Ａを券搬送経路３２上
に配設したカッタ３３で所定の乗車券サイズに切断し、
該券紙にプリンタ３４で券データを印字し、続いて磁気
書込みヘッド３５で券データを書込み、その磁気データ
を磁気読取りヘッド３６で読取り確認した後、受皿３７
に放出する発券装置４０がある。図中、３８は振分けソ
レノイド、３９は回収箱である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述のような発券装置
４０は、通常、ロール紙Ａの供給サイクルを長くするた
めに、例えば、券発行部３０を２組に構成して、２巻の
ロール紙Ａ，Ａを装備するように構成されている。しか
し、両ロール紙Ａ，Ａが１組のエンコード処理部３３〜
３６を共用するには、各券発行部３０，３０から繰出さ
れるロール紙Ａ，Ａを１本の券搬送経路３２上に繰出し
供給すべく構成する必要がある。

【０００４】その方法として、図７に示すように、各券
発行部３０，３０から繰出されるロール紙Ａ，Ａをカッ
タ４１で所定の乗車券サイズに切断した後、電磁ソレノ
イド４２を作動して、切断済みの券紙を幅寄せ機構４３
でエンコード処理側の券搬送経路３２側に幅寄せする方
法があるが、この場合、電磁ソレノイド４２及び幅寄せ
機構４３が機構的に複雑であり、且つ、その制御手段が
必要であるためコストアップとなる問題点を有してい
る。

【０００５】また、図８に示すように、各券発行部３
０，３０から繰出されるロール紙Ａ，Ａを筒状に形成し
た各券搬送通路４４ａ，４４ｂに挿入し、エンコード処
理部に対応しない側の券搬送通路４４ｂは、その内周面
を屈曲させてロール紙Ａを他方の券搬送通路４４ａ側に
変位させながら幅寄せして券搬送経路３２に搬送供給す
る方法があるが、幅寄せ側のロール紙Ａと券搬送通路４
４ｂとの接触抵抗が大きいため、経路途中に於いて紙詰
まりや紙折れ等の搬送障害が起きやすく、搬送手段とし
て高い信頼性が得られない。且つ、筒状の券搬送通路４
４ｂを幅寄せ方向に屈曲することが非常に困難であると
いう問題点を有している。

【０００６】この発明は、券発行部から繰出されるロー
ル紙を幅寄せローラで幅寄せして券共通搬送路に搬送供
給することにより、幅寄せ手段の構成を簡単且つ簡素に
できる発券装置の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記装置本
体の内部に保持したロール紙を繰出し供給する券発行部
を複数併設し、前記各券発行部にロール紙をエンコード
処理側に向けて搬送する券繰出し経路を夫々接続すると
共に、該各券繰出し経路の繰出し側終端部を一つに券共
通搬送路に接続し、上記券共通搬送路に対して幅寄せす
る側の券繰出し経路上に、該券繰出し経路の繰出し方向
に対してロール紙を券共通搬送路側に幅寄せする角度に
傾けて幅寄せローラを軸支し、該幅寄せローラにロール
紙を巻回した発券装置であることを特徴とする。

【０００８】

【作用】この発明は、幅寄せする側のロール紙を所定角
度に傾けた幅寄せローラに巻回して、同幅寄せローラの
外周面に沿ってロール紙を螺旋方向に周回させながら幅
寄せして券共通搬送路に供給する。

【０００９】

【発明の効果】この発明によれば、券繰出し経路上に斜
交して軸受した幅寄せローラの回転によりテープ状の券
紙を幅寄せするので、従来例に示すような幅寄せ手段と
比べて機構的に極めて簡単であり、幅寄せローラの組付
け及び製作が容易に行える。且つ、幅寄せ時の搬送抵抗
が小さく、搬送手段として高い信頼性が得られる。

【００１０】

【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は普通乗車券や回数乗車券等の乗車券を短
時間で発券するために用いられる高速発券用の発券装置
を示し、図１及び図２に於いて、この発券装置１は、同
装置を構成する装置本体２の内部に、所定長さ巻回して
なるロール紙Ａを装填する２組の券発行部３，３と、同
各券発行部３，３から繰出されるロール紙Ａ，Ａを搬送
する各券繰出し経路４ａ，４ｂと、同各券繰出し経路４
ａ，４ｂを一つに合流してロール紙Ａ，Ａを搬送する券
共通搬送路５と、所定の乗車券サイズに切断された券紙
に磁気データを印字、券データを磁気書込み、読取り、
確認のエンコード処理してから放出口６に放出するエン
コード処理部７とを備えている。

【００１１】上述の各券発行部３，３には、例えば、普
通乗車券や回数乗車券等の発券に用いられる所定長さに
巻回したロール紙Ａ，Ａを収納し、同各ロール紙Ａ，Ａ
は各ロール紙ホルダ８，８に対して繰出し自在に夫々保
持させて、各券発行部３，３から各券繰出し経路４ａ，
４ｂに繰出し供給し、且つ、同各券繰出し経路４ａ，４
ｂから券共通搬送路５に搬送供給する。

【００１２】上述の券共通搬送路５に対して一方の券繰
出し経路４ａは同一ライン上になるように設定し、他方
の券繰出し経路４ｂは券共通搬送路５にロール紙Ａを幅
寄せするようにしている。すなわち、券繰出し経路４ｂ
には、図３にも示すように、同経路４ｂの繰出し方向に
対して１本の幅寄せローラ９を所定角度に傾けて軸受し
ており、同幅寄せローラ９の軸中心部に支持シャフト９
ａを回転可能に挿通し、同支持シャフト９ａの軸端部を
経路側部のフレーム１０に挿通し、同支持シャフト９ａ
の軸端部をフレーム１０に固定したブラケット１１に挿
通して、同支持シャフト９ａの軸端部に螺合した締付け
ナット９ｂにより締付け固定することで、券繰出し経路
４ｂの繰出し方向に対して幅寄せローラ９の軸芯をθ角
度傾けて軸受している。

【００１３】この結果、幅寄せしない側の券繰出し経路
４ａ上に繰出されたロール紙Ａは券共通搬送路５に直接
搬送供給し、幅寄せする側の券繰出し経路４ｂ上に繰出
されたロール紙Ａは幅寄せローラ９に巻回し、同経路４
ｂの前後位置に配設したガイド部材（図示省略）で巻付
けガイドして、同幅寄せローラ９の外周面に沿ってロー
ル紙Ａを螺旋方向に周回させながら、上方に位置する券
繰出し経路４ａの下部に重ならないようにロール紙Ａを
幅寄せして搬送供給する。なお、幅寄せローラ９の軸中
心部に一方向クラッチ（図示省略）を介設して繰出し方
向のみに回転規制することで、発券停止時に於いて、ロ
ール紙Ａの逆転又は張力により幅寄せローラ９が逆転す
るのを防止できる。

【００１４】さらに、一方の券繰出し経路４ａ上に配設
した第１カッタ１２はロール紙Ａを所定の乗車券サイズ
に切断し、同位置直後に配設した第１印字ヘッド１３は
券紙の紙面に乗車券データを印字する。他方の券繰出し
経路４ｂ上に配設した第２カッタ１４も幅寄せされたロ
ール紙Ａを所定の乗車券サイズに切断し、同位置直後に
配設した第２印字ヘッド１５も券紙の紙面に乗車券デー
タを印字する。なお、上述の各印字ヘッド１３，１５
は、感熱印刷方式のサーマルプリンタで構成している。

【００１５】前述の券共通搬送路５には、エンコード処
理部７を構成する書込みヘッド１６と読取りヘッド１７
とを配設し、これらは磁気ヘッドで構成し、書込みヘッ
ド１６は券紙の磁気面に所定の券データを書込み、且
つ、同位置直後に配設した読取りヘッド１７は前段で書
込まれた券データを読取り確認する。同時に、購入取消
し及び読取り不良の券紙ａは廃券回収通路１８を介して
廃券回収部１９に回収処理し、確認済みの正常な各券紙
ａ…のみ券共通搬送路５を介して放出口６に搬送する。

【００１６】ところで、既述した各券発行部３，３は装
置本体２の内部に効率よく並列設置して、例えば、大人
用や小人用の普通乗車券を組合わせて発行するとき又は
回数乗車券のみを発行するときに各券発行部３，３を交
互に繰出し動作され、一つの発券装置１でありながら複
数枚の乗車券を短時間で発券することのできる高発券能
力を備えている。

【００１７】図中、Ｍ1 ，Ｍ2 は券繰出し用モータ、Ｍ
3 は券搬送用モータ、Ｍ4 は券回収用モータ、２０は振
分けソレノイドであって、振分け板２１を振分け駆動す
る。

【００１８】図４は発券装置１の制御回路ブロック図を
示し、ＣＰＵ２２はＲＯＭ２３に格納されたプログラム
に沿って各回路装置を制御し、ＲＡＭ２４は券データ
と、他の必要なデータを読出し可能に記憶する。

【００１９】券購入キー２５は利用客が希望する券、例
えば、大人用及び小人用の普通乗車券、回数乗車券等を
選択して入力し、券検知センサＳ…は、各経路４ａ，４
ｂ，５を搬送される券紙の搬送状態を管理し、各種モー
タＭ1 〜Ｍ4 は、各経路４ａ，４ｂ，５を駆動制御す
る。

【００２０】図示実施例は上記の如く構成するものとし
て、以下、図５に示すフローチャートを参照して発券装
置１による発券動作を説明する。

【００２１】発券開始前の準備として、装置本体２の各
券発行部３，３には各ロール紙Ａ，Ａを予め装填してい
る。発券開始時に於いて、利用客が券購入キー２５から
普通乗車券又は回数乗車券等を選択して入力操作する
と、ＣＰＵ２２は入力指定された券種の発券動作を実行
させる（ステップｎ1 〜ｎ3 ）。

【００２２】例えば、大人用又は小人用の普通乗車券の
１枚が購入指定された場合、ＣＰＵ２２は普通乗車券の
券データを作成すると共に、１方の券繰出し用モータＭ
1 と、券搬送用モータＭ3 と、巻回収用モータＭ4 とを
駆動して、一方の券発行部３から繰出して券繰出し経路
４ａ上に連続供給すると共に、同券繰出し経路４ａに配
設した第１カッタ１２を駆動して所定の乗車券サイズに
切断し、切断された券紙の紙面に対して第１印字ヘッド
１３を駆動して乗車券データを印字する（ステップｎ4
〜ｎ6 ）。

【００２３】印字後に於いて、印字済みの券紙を券共通
搬送路５上のエンコード処理部７に搬送供給し、同券紙
の磁気面に対して書込みヘッド１６で券データを書込
み、ついで、読取りヘッド１７で書込んだ券データを読
取り確認した後、正常にエンコード処理された券紙を放
出口６に搬送して発券する（ステップｎ7 〜ｎ8 ）。な
お、エンコード処理が不良であれば、振分けソレノイド
２０を駆動して不良券紙を廃券回収部１９に回収する。

【００２４】一方、回数乗車券が購入指定された場合、
ＣＰＵ２２は回数乗車券の券データを作成すると共に、
券繰出し用モータＭ1 ，Ｍ2 を駆動して各ロール紙Ａ，
Ａが各券発行部３，３から繰出され、各券繰出し経路４
ａ，４ｂ上に連続供給される。一方の券繰出し経路４ａ
上に繰出されたロール紙Ａは第１カッタ１２で回数券サ
イズに切断されると共に、第１印字ヘッド１３で券デー
タを紙面に印字して券共通搬送路５に搬送供給する。他
方の券繰出し経路４ｂ上に繰出されたロール紙Ａは幅寄
せローラ９の外周面に沿って螺旋方向に周回させられる
ことで、一方の券繰出し経路４ａ側下部に重なる位置に
幅寄せされる。ついで、第２カッタ１４で同ロール紙Ａ
も回数券サイズに切断し、さらに、切断した券紙の紙面
に対して第２印字ヘッド１５で券データを印字する（ス
テップｎ9 〜ｎ11）。

【００２５】上述の第２印字ヘッド１５による印字後に
於いて、先の券繰出し経路４ａ側の券紙が券共通搬送路
５でエンコード処理されている間は、券繰出し経路４ｂ
の券紙は印字位置で待機しており、先の券共通搬送路５
中の券紙のエンコード処理が終了し、放出又は回収され
ることを券検知センサＳが検知すると、待機していた券
紙がエンコード処理のために券共通搬送路５に供給され
る。なお、先の券紙がエンコード処理されている間は、
券繰出し経路４ａ又は券繰出し経路４ｂでは次の券紙に
券データを印字している。この様に券データの印字はエ
ンコード処理時間より長く掛かるので、交互に印字して
エンコード処理すると処理時間が短縮され、高速発券が
可能となる。

【００２６】次に、大人用及び小人用の普通乗車券が複
数枚購入指定された場合、上述した回数乗車券の発行の
場合と同様に双方の券繰出し経路４ａ，４ｂで印字処理
された券紙を券共通搬送路５で交互にエンコード処理し
て発券する。

【００２７】以上のように、購入指定された乗車券の発
行枚数に対応して各券発行部３，３を交互に繰出し動作
させ、一方がエンコード処理している間に時間を要する
印字処理を実行して交互に発券するので、指定された発
行枚数分の乗車券を短時間で発行処理することができ、
大人用や小人用の普通乗車券を組合わせて発券又は回数
乗車券のみを発券するときの処理時間が大幅に短縮さ
れ、利用客の待ち時間が短くなり、発券能力及び顧客サ
ービスの向上を図ることができる。

【００２８】しかも、券繰出し経路４ｂ上に斜交して軸
受した幅寄せローラ９の回転によりロール紙Ａを幅寄せ
するので、従来例のような幅寄せ手段と比べて機構的に
極めて簡単であり、幅寄せローラ９の組付け及び製作が
容易に行える。且つ、幅寄せ時の搬送抵抗が小さく、搬
送手段として高い信頼性が得られると共に、製作コスト
の低減を図ることができる。

【００２９】この発明と、上述の一実施例の構成との対
応に於いて、この発明のエンコード処理は、実施例の第
１印字ヘッド１３と、第２印字ヘッド１５と、書込みヘ
ッド１６と、読取りヘッド１７とからなるエンコード処
理部７の処理動作に対応するも、この発明は上述の一実
施例の構成のみに限定されるものではない。

【００３０】上述の実施例ではロール紙Ａを繰出し供給
するときの面抵抗で幅寄せローラ９を従動回転するが、
例えば、減速機付きモータ（図示省略）の駆動力により
幅寄せローラ９を回転して、ロール紙Ａを幅寄せするも
よい。

【図面の簡単な説明】

【図１】発券装置を示す概略側面図。

【図２】券紙の繰出し状態及びロール紙の装填状態を示
す券発行部の平面図。

【図３】券紙を幅寄せする幅寄せローラの平面図。

【図４】発券装置の制御回路ブロック図。

【図５】乗車券発行時の処理動作を示すフローチャー
ト。

【図６】従来の発券装置を示す概略側面図。

【図７】券紙を幅寄せする幅寄せ機構の平面図。

【図８】券紙を幅寄せする幅寄せ通路の平面図。

【符号の説明】

Ａ…ロール紙 １…発券装置 ２…装置本体 ３…券発行部 ４ａ，４ｂ…券繰出し経路 ５…券共通搬送路 ７…エンコード処理部 ９…幅寄せローラ １２，１４…カッタ １３，１５…印字ヘッド １６…書込みヘッド １７…読取りヘッド ２２…ＣＰＵ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】装置本体内の券発行部から繰出されるロー
   ル紙を所定の乗車券サイズに切断し、同券紙の紙面に印
   字及び磁気処理等のエンコード処理を施して発券する発
   券装置であって、上記装置本体の内部に保持したロール
   紙を繰出し供給する券発行部を複数併設し、前記各券発
   行部にロール紙をエンコード処理側に向けて搬送する券
   繰出し経路を夫々接続すると共に、該各券繰出し経路の
   繰出し側終端部を一つに券共通搬送路に接続し、上記券
   共通搬送路に対して幅寄せする側の券繰出し経路上に、
   該券繰出し経路の繰出し方向に対してロール紙を券共通
   搬送路側に幅寄せする角度に傾けて幅寄せローラを軸支
   し、該幅寄せローラにロール紙を巻回した発券装置。