JPH0522471U - 移動式クレーンのブーム先端側の伸縮シリンダーへの送油装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 最縮小状態でベースブームの基端から第２ブ
ームの基端部が後方へ突出するようにした伸縮ブームに
おいて、第２ブームと第３ブーム間に配置した伸縮シリ
ンダーへの送油は、従来ベースブームの外側面に配置し
たホース巻き取り器に巻き取った送油ホースを介して第
２ブーム先端部に送り、そこから伸縮シリンダーに送る
ようにしていた。この場合、ホース巻き取り器は、第２
ブームの伸縮ストロークに見合う巻き取り繰り出し量を
必要としていた。この考案は、ホース巻き取り器の巻き
取り繰り出し量が従来のものよりも少ない送油装置を提
供することを目的とする。 【構成】ベースブーム５の基端部に配置したホースガイ
ド手段２１、伸縮ブームの起伏駆動時の前記ホースガイ
ド手段の移動軌跡範囲外の旋回台２に配置したホース巻
き取り器２２、および、このホース巻き取り器２２に引
き出し可能に巻き取られた送油ホース２３であってその
引き出し側端部を前記ホースガイド手段２１に下方側か
ら巻回した後伸縮シリンダー１１に接続した送油ホース
２３とから構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、移動式クレーンのブーム先端側の伸縮シリンダーへの送油装置に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

移動式クレーンは図３に示す如く、下部走行体１上に旋回自在に搭載した旋回 台２のブーム支持ブラケット３，３に、伸縮ブーム４のベースブーム５の基端部 上側に突設したブラケット５ａを起伏支点ピン８を介して起伏自在に連結すると 共に、ベースブーム５と旋回台２の適所間に起伏シリンダー９を介装している。 前記伸縮ブーム４は、ベースブーム５に先端側の第２ブーム６を伸縮自在に嵌挿 し、第２ブーム６内にさらに先端側のブーム７を伸縮自在に嵌挿している。１０ は、ベースブーム５と第２ブーム６間に介装した基端側の伸縮シリンダー、１１ は先端側のブーム間たる第２ブーム６と第３ブーム７間に介装した先端側の伸縮 シリンダーである。

【０００３】 前記伸縮ブーム４は、伸縮ブーム４の伸縮ストロークを確保しながら格納状態 の伸縮ブーム４長さを小さくできるようにするため、その最縮小時に第２ブーム ６の基端部がベースブーム５の後端から突出する構造になっている。 旋回台２には、前記起伏シリンダー９、基端側の伸縮シリンダー１０、先端側 の伸縮シリンダー１１、旋回台旋回用の油圧モータ（図示せず）、ウインチ駆動 用油圧モータ（図示せず）等の各種油圧アクチュエータへの作動油の給排を制御 する油圧制御装置１２が取り付けられている。この油圧制御装置１２は、旋回台 ２に配置した運転室１３から操作できるようになっている。

【０００４】 ところで、この種の移動式クレーンにおいては、前記先端側のブーム間に内装 配設した先端側の伸縮シリンダー１１と油圧制御装置１２との間の作動油の送油 装置Ａの従来例は、ベースブーム５の外側に配置したホース巻き取り器１４、こ のホース巻き取り器１４に引き出し可能に巻き取られた可撓性の送油ホース１５ ，１５であってその各巻き取り側端部を回転継手１４ａ（ホース巻き取り器１４ の回転継手）を介して旋回台の油圧制御装置１２に接続しその各引き出し側端部 を第２ブーム６の外側を経由して第２ブーム６先端部に配置した配管ジョイント １６に接続した一対の送油ホース１５，１５、および配管ジョイント１６に各一 端を連結しそこから第２ブーム６と第３ブーム７の間隙を通って第２ブーム基端 部に到りその各他端を先端側の伸縮シリンダー１１に接続した一対の油圧配管１ ７，１７とで以て構成している。

【０００５】 送油装置Ａは、伸縮ブーム４が最縮小状態と最伸長状態の間で伸縮する時、当 該伸縮動に追随してホース巻き取り器１４から送油ホース１５，１５が繰り出し または巻き取られ、先端側シリンダー１１への作動油の給排を確保するものであ るが、上記の如く構成した従来の送油装置Ａにおいては、そのホース巻き取り器 １４の送油ホース１５，１５の繰り出し巻き取り量を、ベースブーム５に対する 第２ブーム６の伸縮ストロークに対応する量に設定する必要があり、ホース巻き 取り器１４を大きくしなければならないという問題があった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記従来の送油装置の問題点を解決し、ベースブーム５に対する第 ２ブーム６の伸縮ストロークよりも小さな繰り出し巻き取り量のホース巻き取り 器を使用して先端側シリンダー１２への作動油の給排を確保し得る新規な移動式 クレーンのブーム先端側の伸縮シリンダーへの送油装置を提供しようとするもの である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案の移動式クレーンのブーム先端側の伸縮シ リンダーへの送油装置は次の如く構成する。 下部走行体上１に旋回自在に搭載した旋回台２のブーム支持ブラケット３，３ に、伸縮ブーム４のベースブーム５の基端部上側に突設したブラケット５ａを起 伏支点ピン８を介して起伏自在に連結すると共に、ベースブーム５と旋回台２の 適所間に起伏シリンダー９を介装してなる移動式クレーン、特に、前記伸縮ブー ム４が、三段以上の伸縮ブームであり少なくとも第２ブーム６と第３ブーム７間 に先端側の伸縮シリンダー１１を内装配設しており且つその最縮小時に第２ブー ム６の基端部がベースブーム５の後端から突出するよう構成してなる移動式クレ ーンのブーム先端側の伸縮シリンダーへの送油装置であって、 伸縮ブーム４の最縮小状態における第２ブーム６の下側に位置するようにして ベースブーム５の後端部に配置したホースガイド手段、伸縮ブームの起伏駆動時 の前記ホースガイド手段の移動軌跡範囲外の旋回台２上に配置したホース巻き取 り器、および、このホース巻き取り器に引き出し可能に巻き取られた可撓性の送 油ホースであってその巻き取り側端部を回転継手を介して旋回台の油圧制御装置 １２に接続しその引き出し側端部を前記ホースガイド手段に下方側から巻回した 後前記先端側の伸縮シリンダー１１に接続した送油ホース１５，１５とから構成 したことを特徴とする移動式クレーンの先端側の伸縮シリンダーへの送油装置。

【０００８】

【作用】

第２ブーム６の最縮小状態と最伸長状態との間の伸縮行程は、第２ブーム６の 基端部がホースガイド手段よりも後方に位置する行程と、第２ブーム６の基端部 がホースガイド手段よりも前方に位置する行程に分けられる。そして、上記の如 く構成した本考案の移動式クレーンの先端側の伸縮シリンダーへの送油装置は、 伸縮ブーム４の伸長駆動時においては、前者の行程でホース巻き取り器により送 油ホースが巻き取られ後者の過程で送油ホースが繰り出されるのである。また、 伸縮ブーム４の縮小駆動時においては、前者の行程でホース巻き取り器から送油 ホースが繰り出され後者の過程で送油ホースが巻き取られるのである。 従って、本考案の移動式クレーンの先端側の伸縮シリンダーへの送油装置によ れば、そのホース巻き取り器の繰り出し巻き取り量を、ベースブーム５に対する 第２ブーム６の伸縮ストロークよりも小さく設定できるのである。

【０００９】

【実施例】 以下本考案の移動式クレーンの先端側の伸縮ブームへの送油装置の実施例を、 図１および図２に基づいて説明する。 図３に示し上述した符号１〜１３は、以下の説明においても同義のものとして 援用する。 本考案に係る送油装置Ｂは図１および図２に示す如く、伸縮ブーム４の最縮小 状態における第２ブーム６の下側に位置するようにしてベースブーム５の後端部 に配置したホースガイド手段２１、伸縮ブーム４の起伏駆動時の前記ホースガイ ド手段２１の移動軌跡範囲外の旋回台２上に配置したホース巻き取り器２２、お よび、このホース巻き取り器２２に引き出し可能に巻き取られた可撓性の送油ホ ース２３，２３であってその巻き取り側端部を回転継手２２ａ（ホース巻き取り 器２２の回転継手）を介して旋回台２の油圧制御装置１２に接続しその引き出し 側端部を前記ホースガイド手段２１に下方側から巻回した後前記先端側の伸縮シ リンダー１１に接続した送油ホース２３，２３とで以て構成している。 前記ホースガイド手段２１は、ベースブーム５の基端部の両側板にそれぞれ基 端側へ延出するように配置し左右一対のブラケット２１ａ，２１ａと、この左右 一対のブラケット２１ａ，２１ａ間に回転自在に支持された複数のローラ２１ｂ ，２１ｂ……とから構成されている。尚、複数のローラ２１ｂ，２１ｂ……は、 左右一対のブラケット２１ａ，２１ａ間に回転自在に支持された単一の滑車で構 成してもよい。 ２４、ベースブーム５の基端部上側に配置したウインチである。このウインチ ２４は、旋回台２に配置してもよい。

【００１０】 上記の実施例においては、伸縮ブーム４の最縮小状態においてベースブーム５ の後端部から後方へ突出した第２ブーム６の基端部は、伸縮ブーム４を最縮小状 態のまま当該伸縮ブーム４を起伏操作しても旋回台２のフレームに衝突すること がないようその突出量が定められている。しかしながら、第２ブーム６の後方へ の突出量を大きくしてもよいこと勿論である。この場合、移動式クレーンの走行 移動状態（図１の状態）から伸縮ブーム４を起仰するに先立ち、第２ブーム６の 基端部が旋回台２のフレームに衝突しないよう伸縮ブーム（第２ブーム６を伸長 操作するようにすればよい。 尚、ベースブーム５と当該ベースブーム５に伸縮自在に嵌挿した第２ブーム６ 間に配設した基端側の伸縮シリンダー１０への油圧制御装置１２からの送油装置 は、ホース巻き取り器を使用しない一対の可撓性の送油ホース（図示せず）で構 成されている。

【００１１】 次に作用を説明する。第２ブーム６の最縮小状態と最伸長状態との間の伸縮行 程を、便宜上、第２ブーム６の基端部がホースガイド手段よりも後方に位置する 行程（以下前者の行程という）と、第２ブーム６の基端部がホースガイド手段よ りも前方に位置する行程（以下後者の行程という）に分けて説明する。 第２ブーム６の伸長駆動時には、前者の行程でホース巻き取り器２２に送油 ホース２３，２３が巻き取られ、後者の行程でホース巻き取り器２２から送油ホ ース２３，２３が繰り出される。 第２ブーム６の縮小駆動時には、後者の行程でホース巻き取り器２２に送油 ホース２３，２３が巻き取られ、前者の行程でホース巻き取り器２２から送油ホ ース２３，２３が繰り出される。 従って、本考案の移動式クレーンの先端側の伸縮シリンダーへの送油装置によ れば、そのホース巻き取り器の繰り出し巻き取り量を、ベースブーム５に対する 第２ブーム６の伸縮ストロークよりも小さく設定できるのである。

【００１２】

【考案の効果】

以上の如く構成し作用する本考案の移動式クレーンの先端側の伸縮シリンダー への送油装置は、最縮小時に第２ブームの基端部がベースブームの後端から突出 するという伸縮ブームの特殊構造を利用して、先端側の伸縮シリンダー１１への 送油装置におけるホース巻き取り器２２の巻き取り繰り出し量を、第２ブーム６ の伸縮ストロークよりも小さくできるので、それだけ安価な送油装置を提供でき るのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る先端側の伸縮シリンダーへの送油
装置を取り付けた移動式クレーンの説明図。

【図２】図１の要部の拡大断面図。

【図３】従来の先端側の伸縮シリンダーへの送油装置を
取り付けた移動式クレーンの説明図。

【符号の説明】

１ 下部走行体 ２ 旋回台 ３，３ ブーム支持ブラケット ４ 伸縮ブーム ５ ベースブーム ５ａ ブラケット ６ 第２ブーム ７ 第３ブーム ８ 起伏支点ピン ９ 起伏シリンダー １０ 基端側の伸縮シリンダー １１ 先端側の伸縮シリンダー １２ 油圧制御装置 １３ 運転室 ２１ ホースガイド手段 ２２ ホース巻き取り器 ２２ａ 回転継手 ２３ 送油ホース

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下部走行体上に旋回自在に搭載した旋回
   台のブーム支持ブラケットに、伸縮ブームのベースブー
   ムの基端部上側に突設したブラケットを起伏支点ピンを
   介して起伏自在に連結すると共に、ベースブームと旋回
   台の適所間に起伏シリンダーを介装してなる移動式クレ
   ーン、特に、前記伸縮ブームが、三段以上の伸縮ブーム
   であり少なくとも第２ブームと第３ブーム間に先端側の
   伸縮シリンダーを内装配設しており且つその最縮小時に
   第２ブームの基端部がベースブームの後端から突出する
   よう構成してなる移動式クレーンのブーム先端側の伸縮
   シリンダーへの送油装置であって、 伸縮ブームの最縮小状態における第２ブームの下側に位
   置するようにしてベースブームの後端部に配置したホー
   スガイド手段、伸縮ブームの起伏駆動時の前記ホースガ
   イド手段の移動軌跡範囲外の旋回台上に配置したホース
   巻き取り器、および、このホース巻き取り器に引き出し
   可能に巻き取られた可撓性の送油ホースであってその巻
   き取り側端部を回転継手を介して旋回台の油圧制御装置
   に接続しその引き出し側端部を前記ホースガイド手段に
   下方側から巻回した後前記先端側の伸縮シリンダーに接
   続した送油ホースとから構成したことを特徴とする移動
   式クレーンの先端側の伸縮シリンダーへの送油装置。