JPH05224491A - 画像記録方法 - Google Patents

画像記録方法

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JPH05224491A
JPH05224491A JP4186313A JP18631392A JPH05224491A JP H05224491 A JPH05224491 A JP H05224491A JP 4186313 A JP4186313 A JP 4186313A JP 18631392 A JP18631392 A JP 18631392A JP H05224491 A JPH05224491 A JP H05224491A
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JP
Japan
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latent image
image
writing
heating
polarization
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Application number
JP4186313A
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English (en)
Inventor
Makoto Kobu
真 小夫
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強誘電体層1cを有する誘電体ベルト1上に
文字部と地肌部とが互いに逆の方向に分極した、コント
ラストの大きい潜像を形成できる画像記録方法を提供す
る。 【構成】 先ず図1(b)のように常温近傍の温度にあ
るベルト1に、強誘電体層の分極が負極性側で飽和する
電圧(−Es)を印加して、強誘電体層を分極処理す
る。次に図1(c)のように所定の電圧(+Ek)を印
加しながら強誘電体層がキュリー点に達しないように加
熱書き込みする。この電圧(+Ek)は常温のヒステリ
シス曲線aにおける抗電界Ecaより小さく、かつキュ
リー点近傍のヒステリシス曲線bにおいて分極が正極性
側で飽和する電圧にする。これにより加熱された強誘電
体層部分と加熱されなかった強誘電体層部分とに互い逆
極性の分極が残留したコントラストの大きい潜像を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター等の画像形成装置に用いることができる
画像記録方法に係り、詳しくは、潜像担持体として強誘
電体を用いた記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の画像形成装置に用いられる
画像記録方法としては、感光体を用いた電子写真方法が
一般的である。この電子写真方法によれば、比較的高画
質の画像を安定的に得られる。ところが、感光体を用い
るので、装置内を暗室状態にするための機械構成が必要
で、かつ感光体温度を約60°C以下に保つための送風
機構なども必要である。そこで、従来から潜像担持体と
して、磁性体や誘電体を用いる記録方法が種々提案され
ている。本発明は、このうち強誘電体を用いる記録方法
に関する。強誘電体を用いる記録方法として、例えば、
特公昭41−6393号公報には次の記録方法が開示さ
れている。即ち、この公知の記録方法においては、まず
強誘電体層と原稿とを重ね、その両層に電圧を印加する
とともに赤外線を照射して、前記強誘電体層の原稿のイ
ンク部(以下、最終的な記録画像において現像剤を付着
させる部分に相当する原稿部分、該現像剤を付着させる
部分に相当する静電潜像部分、及び最終的な記録画像の
現像剤を付着させた部分を文字部という。また、原稿、
静電潜像及び最終的な記録画像における該文字部以外の
部分を地肌部という。)に接する部分のみを強誘電体の
キュリー点付近まで加熱し、該部分の誘電率の上昇を起
こさせる。次に、赤外線照射と電圧を取り去り、原稿と
強誘電体層の境界面で分離し、強誘電体層に電圧を誘起
する。このとき、原稿の文字部に接していた強誘電体層
の部分は上記誘電率の上昇が影響して原稿の地肌部に接
していた部分に比して高い電圧が誘起され、これによ
り、強誘電体層上に原稿に相当した静電潜像が形成され
る。この静電潜像に現像剤を与えて現像を行なうもので
ある。
【0003】ところが、この公知の画像記録方法におい
ては、予め強誘電体層に何らの処理も施さずに、単に電
圧印加の下で原稿の文字部に相当する強誘電体層の部分
を加熱した後に電圧と加熱を取り去って静電潜像を形成
しているので、強誘電体層の文字部相当部分と地肌部相
当部分の電位は同極性になっている。このため静電潜像
の文字部と地肌部のコントラストを大きくすることが困
難であった。また潜像形成時の印加電圧について強誘電
体層の特性からの配慮が不充分であり、強誘電体層の特
性を更に有効に活用して該コントラストを更に大きくす
る余地が残されていた。更に、強誘電体層を初期化して
繰返し画像記録に使用することが配慮されていなかっ
た。
【0004】また本出願人による特願平2−12699
7号に係る発明(以下、先願に係る発明という)も強誘
電体を用いた画像記録方法に関するものであり、その内
容は次の通りである。即ち、この先願に係る発明の画像
記録方法においては、強誘電体が印加電圧によって分極
し表面に電荷を保持する特性を利用して、予め一旦強誘
電体に電圧を印加し、以前に記録されていた情報を全て
消去するとともに、該表面の電荷を残留分極量まで均一
に減少させ、これにより、強誘電体に分極処理を施す。
次に、該強誘電体表面の任意の点をキュリー点以上に加
熱して脱分極せしめて静電潜像を形成する。この静電潜
像を現像剤により現像するものである。この先願に係る
発明によれば、強誘電体表面をクリーニング後に再び強
誘電体に上記分極処理を施すことにより初期化して、強
誘電体を繰返し画像記録に使用できる。
【0005】ところが、この先願に係る発明の画像記録
方法においては、強誘電体の任意の点をキュリー点以上
に加熱するときに何ら電圧を印加しないで脱分極をせし
めるものであるので、キュリー温度以上に加熱して脱分
極をせしめた潜像部分の分極量がほぼ0になり、この部
分以外の上記分極処理による残留分極量を維持している
非加熱部のみが電荷を保持することになる。このため、
加熱部と非加熱部との極性が逆にならない点は上記の公
知の画像記録方法と共通しており、静電潜像のコントラ
ストを大きくすることが困難であった。また、この画像
記録方法においては、強誘電体の残留分極量の維持され
る非加熱部の電荷によって現像剤を付着させるので、通
常の画像ではその大部分の面積を占める地肌部に相当す
る強誘電体部分を全て加熱する必要がある。このため、
強誘電体層全体が熱拡散により昇温してしまい、細線や
微小面積の文字部を形成するのが困難である。
【0006】また、従来、印刷版を形成し複数枚のプリ
ントを得る画像形成装置に用いられる画像記録方法とし
ては、孔版印刷、オフセット印刷が代表的なものであっ
た。ところが、孔版印刷やオフセット印刷では、その版
になるものは1枚毎の使い切りなり、印刷版の廃棄が必
要であった。また、従来の電子写真法で孔版印刷やオフ
セット印刷並みの印刷スピードを得るには、コストが高
く、大きな機械構成になってしまう。
【0007】一方、最近のデジタル化に伴って、孔版印
刷ではサーマルヘッドにより版を作成したり、オフセッ
ト印刷であれば、シート状の感光体に直接トナーを融着
して印刷版を作成する方法がある。ところが、これらの
印刷版を作成する方法においても、印刷版の廃棄が必要
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の問題点
に鑑みなされたものであり、その第1の目的は、強誘電
体を用いる画像記録方法において、潜像の文字部と地肌
部を互いに逆の方向に分極した潜像を形成することがで
きる画像形成記録方法を提供することであり、その第2
の目的は、強誘電体を初期化して繰返し使用できる画像
記録方法を提供することである。その第3の目的は、孔
版印刷やオフセット印刷並みの印刷スピードを確保し、
印刷版の1回ごとの廃棄をなくし、ランニングコストを
低減し、印刷版作成の手間を軽減できる画像記録方法を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するために、請求項1の画像記録方法は、強誘電体から
なる潜像担持体に記録すべき画像に応じた加熱書き込み
を行なって潜像を形成し、該潜像に現像剤を供給して顕
像化する画像記録方法において、潜像担持体に所定の電
圧を印加し、次いで、該加熱書き込み後に温度が低下し
た状態で該加熱書き込みで加熱された強誘電体部分に該
所定の電圧による分極方向と逆の方向の分極を残留さ
せ、且つ、該加熱書き込みで加熱されなかった部分に該
所定の電圧による分極方向と同じ方向の分極を残留させ
る所定の電圧を印加しながら、該加熱書き込みで加熱さ
れる強誘電体部分がキュリー点に達しないように潜像担
持体に該加熱書き込みを行なうことを特徴とするもので
ある。
【0010】また、上記の第1及び第2の目的を達成す
るために、請求項2の画像記録方法は、請求項1の画像
記録方法において、まず強誘電体がキュリー点以上にな
るように潜像担持体を加熱し、次に強誘電体がキュリー
点に達しない状態になった時点で上記加熱書き込みの前
に行なう潜像担持体への電圧の印加を行なうことを特徴
とするものであり、請求項3の発明は、請求項1又は2
の画像記録方法において、上記加熱書き込みの前に行な
う潜像担持体への電圧の印加を、強誘電体の分極が飽和
する電圧で行なうことを特徴とするものである。
【0011】また、上記第3の目的を達するために、請
求項4の画像記録方法は、強誘電体からなる潜像担持体
に所定の電圧を印加し、次いで、記録すべき画像に応じ
た加熱書き込み後に温度が低下した状態で該加熱書き込
みで加熱された強誘電体部分に該所定の電圧による分極
方向と逆の方向の分極を残留させ、且つ、該加熱書き込
みで加熱されなかった部分に該所定の電圧による分極方
向と同じ方向の分極を残留させる所定の電圧を印加しな
がら、該加熱書き込みで加熱される強誘電体部分がキュ
リー点に達しないように潜像担持体に該加熱書き込みを
行ない、次いで、潜像の該加熱書き込みで加熱された部
分と加熱されなかった部分の何れの分極方向も反転させ
ない電圧を現像電極に印加しながら現像剤による潜像の
顕像化を行ない、次いで、現像剤からなる顕像の転写材
への転写を行ない、以降、強誘電体がキュリー点以上に
なる潜像担持体への加熱を行なわずに、該潜像の顕像化
と転写材への転写を1回以上繰返し、これにより、1度
形成した潜像を繰返し使用することを特徴とするもので
あり、請求項5の画像記録方法は、請求項4の画像記録
方法において、上記潜像の上記加熱書き込みで加熱され
た部分と加熱されなかった部分の何れの分極方向も反転
させない電圧を転写電極に印加しながら、上記転写を行
なうことを特徴と刷るものであり、請求項6の画像記録
方法は、請求項4又は5の画像記録方法において、複数
の潜像担持体に記録すべき各色の画像をそれぞれ割り当
てて上記加熱書き込みを行なって潜像を形成し、該複数
の潜像担持体面上の該潜像に割り当てられた色の現像剤
を供給して顕像化し、各色の現像剤からなる顕像の転写
材への転写を行ない多色の画像を記録することを特徴と
するものであり、請求項6の画像記録方法は、請求項4
乃至6の画像記録方法において、上記潜像の繰返し使用
の前に、記録すべき画像の潜像形成、潜像の顕像化、顕
像の転写を行ない、その転写された画像の評価の判定結
果に基づいて上記加熱書き込みによる潜像形成の条件の
最適化を行なうことを特徴とするものである。
【0012】そして、請求項7の画像記録方法は、請求
項1乃至7の画像記録方法において、式(CF2−C
2)m−(CHF−CH2)n(但し、mが50%以
上)で示される繰返し単位を有する高分子材料の強誘電
体からなる潜像担持体を用いたことを特徴とするもので
ある。
【0013】
【作用】図1(a)は強誘電体の一般的な特性である電
界(E)と電気変位(D)のヒステリシス曲線を示すも
のである。これは強誘電体に交番電界を発生させる電圧
を印加した際の特性であり、ヒステリシス曲線aは強誘
電体を常温近傍においた場合のものであり、ヒステリシ
ス曲線bは同じ強誘電体を常誘電相に移るキュリー点付
近の温度(キュリー点の温度よりは低温)においた場合
のものである。このように、強誘電体を昇温するとヒス
テリシス曲線が変化し、高温ほど抗電界(Eca、Ec
b)が低下する現象がある。また、両ヒステリシス曲線
a、bの比較から判るように、同じ電界を発生させる電
圧を印加していながら、両ヒステリシス曲線a、b間で
互い異なる極性の分極が残留する場合がある。例えば、
ヒステリシス曲線aの温度にある強誘電体にその分極が
負極性側で飽和に達する電界(−Es)を発生させる電
圧を印加した後に、正極性の電界(+Ek)を発生させ
る電圧を印加すると、強誘電体の分極は負極性の分極量
3になり、この電界(+Ek)を取り去った後には負
極性の分極が残留する。ここで、この電界(+Ek)が
発生した状態で強誘電体の一部分を上記キュリー点付近
の温度まで加熱していたとすると、この加熱部分はヒス
テリシス曲線bの点H1に移行しその分極が正極性の分
極量になる。この電界(+Ek)が例えばヒステリシス
曲線bでの正極性側の分極が飽和に達する電界以上であ
れば、この電界(+Ek)を取り去った後には、この加
熱部に正極性の分極Dgが残留する。そして、この加熱
部が冷えて上記常温付近の温度になった段階ではヒステ
リシス曲線aに移行してその分極量は正極性の分極Dg
´になる。即ち、強誘電体の非加熱部は常時ヒステリシ
ス曲線aの特性を維持して分極の方向が負極性のまま
で、所定の電圧印加終了後にも負極性の分極が残留する
のに対し、加熱部は所定電圧印加時に加熱され、抗電界
Ecbが比較的小さいヒステリシス曲線bに移行して正
極性の分極が与えられ、所定の電圧印加終了後に常温に
なった時点では、ヒステリシス曲線aに戻って非加熱部
と逆の極性である正極性の分極が残留するのである。本
発明は以上の現象を利用して潜像の文字部と地肌部を互
い逆の方向に分極した潜像を形成するものである。
【0014】先ず、図1(b)に示すように常温近傍の
温度にある強誘電体からなる潜像担持体に、例えば強誘
電体の分極が飽和する例えば負極性の電界(−Es)を
発生させる電圧を印加し、これにより強誘電体を分極処
理する。図示の例においては、潜像担持体1を支持体1
a上に導電層1bと強誘電体層1cを積層して構成し、
かつ電圧印加用に強誘電体層1c表面に接触する分極ロ
ーラ4を用いている。なお、図中に分極による双極子の
状態を模式的に示している(図1(c)、図1(d)も
同様)。ここで電圧印加が終了した時点から強誘電体層
1cの分極が経時的に減少し、所定の分極量、例えば分
極量D2が残留する。この電圧印加を上記のように強誘
電体の分極が飽和する電圧以上の電圧で行なった場合に
は、以前に記録された情報の全てが消去されるので、潜
像担持体を初期化して繰返し使用することができる。ま
た、この分極処理に先だって一旦、強誘電体がキュリー
点以上になるように潜像担持体を加熱しておけば、この
加熱によっても以前に記録された情報に相当する分極が
除かれ、潜像担持体の初期化の完全を期すことができ
る。
【0015】次に、図1(c)に示すように例えば正極
性の所定の電圧を印加しながら加熱される強誘電体層1
c部分の厚み方向全体がキュリー点に達しないように加
熱書き込みを行ない、これにより、加熱書き込み後に温
度が低下した状態で該加熱書き込みで加熱された強誘電
体部分に上記分極処理による分極方向と逆の方向の分極
を残留させ、且つ、該加熱書き込みで加熱されなかった
部分に上記分極処理による分極方向と同じ方向の分極を
残留させる。上記の所定の電圧としては、例えば、強誘
電体の分極が飽和する負極性の電圧(−Es)を印加し
て上記分極処理を行なった場合、ヒステリシス曲線aに
おける抗電界Ecaより小さい電界を発生させ、かつヒ
ステリシス曲線bにおいて正極性側で分極が飽和に達す
る電界を発生させる電圧を用いることができる。図示の
例では、このような電圧が印加された電極部材を強誘電
体層1c表面に近接させた状態で、電極部材ごしに強誘
電体層1cがキュリー点の温度に達しないように加熱書
き込みを行なう。以上により、加熱書き込みで加熱され
た強誘電体部分と加熱されなかった強誘電体部分とに互
い逆の方向の分極が残留したコントラストの大きい潜像
を形成する。
【0016】次に、図1(d)に示すようにこの潜像を
現像剤で顕像化する。図示の例においては、加熱書き込
みによって加熱した部分に現像剤を吸着させている。こ
の現像剤としては湿式現像、乾式現像剤の何れでも良
く、また一成分、二成分の何れでも良い。そして、この
強誘電体からなる潜像担持体を最終の画像担持媒体とし
て用いても良いし、潜像担持体上の現像剤からなる顕像
を転写紙等の転写材に転写して、この転写材を最終の画
像担持媒体として用いても良い。
【0017】また、潜像担持体上の現像剤からなる顕像
を転写紙等の転写材に転写する場合には、以上のように
して潜像が形成された潜像担持体を印刷版として用い、
これに対して現像剤による現像化と転写材への転写を繰
返し実行しても良い。この場合、潜像のコントラストが
低下しないように、現像剤による現像にあたって電圧が
印加された現像電極を用いるものでは、この現像電極へ
の印加電圧として潜像の該加熱書き込みで加熱された部
分と加熱されなかった部分の何れの分極方向も反転させ
ない電圧を用い、また、転写材への転写を転写電圧を印
加して行なうものでは、同様にこの転写電圧として潜像
の該加熱書き込みで加熱された部分と加熱されなかった
部分の何れの分極方向も反転させない電圧を用いる。更
に、強誘電体がキュリー点以上になる潜像担持体への加
熱を行なわないようにする。
【0018】また、上記潜像担持体を複数設け、各潜像
担持体面に記録すべき各色の画像をそれぞれ割り当てて
上記加熱書き込みを行なって潜像を形成し、各潜像担持
体面上の該潜像にそれぞれ割り当てられた色の現像剤を
供給して顕像化し、各色の現像剤からなる顕像の転写材
への転写を行なうことにより、多色の画像を記録するよ
うにしても良い。また、上記潜像を印刷版として繰返し
使用する前に、記録すべき画像の潜像形成、潜像の顕像
化、顕像の転写を行ない、その転写された画像の評価の
判定結果に基づいて、上記加熱書き込みによる潜像形成
の条件の最適化を行なっても良い。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
2(a)は本実施例に係る画像記録方法を採用する画像
記録装置の概略構成図であり、図2(b)は同記録装置
の誘電体ベルトの断面図であり、図2(c)は変形例に
係る同ベルトの断面図である。
【0020】先ず、本実施例の潜像担持体の強誘電体材
料について説明する。この強誘電体材料としては、熱書
込部と非書込部とのコントラストを大きくするために、
角形比の大きなヒステリシス曲線の特性を有するものが
好ましい。また、加熱書き込みのエネルギーが少なくす
み、更に、取扱が容易な材料が好ましい。具体的には、
前述の特願平2−126997号に記載されているよう
な薄層化し易く、可撓性を有し、製造の容易な強誘電性
高分子材料が好適である。例えば、ポリ弗化ビニリデ
ン、弗化ビニリデン及び三弗化エチレン共重合体、弗化
ビニリデン及び四弗化エチレン共重合体、弗化ビニリデ
ン及び弗化エチレン共重合体、弗化ビニリデン、四弗化
エチレン及び六弗化プロピレン三成分共重合体、ポリシ
アン化ビニリデン、シアン化ビニリデン及び酢酸ビニル
共重合体が挙げられる。このような強誘電性高分子から
なる層を支持体上に形成する製膜方法としては、浸漬、
スプレー、スピナー、ブレード、ローラ等の溶液塗布法
やキャスト法を用いることができる。また、製膜後に結
晶率を上げるためにアニール処理を行なう。この処理で
膜のピンホールを無くすことができ、画像品質の向上が
図れる。
【0021】上記強誘電性高分子の中の、弗化ビニリデ
ン及び三弗化エチレン共重合体について説明すると、こ
の構造は、(CF2−CH2)m−(CHF−CH2)n
で示され、共重合比を変えることで、キュリー点を変え
ることができる。共重合比をモル分率m/nで表す場
合、これが50/50から80/20になるとキュリー
点はおよそ70°Cから140°Cになる。このときの
分極量は室温で50乃至100mC/m2になる。mが
50%より小さいと、前述の強誘電の特性を発現しなく
なるので使用できない。融点は150°C乃至160°
Cであり、モル分率の設定でキュリー点を80°C乃至
100°Cにできるため、熱書込みの温度(キュリー点
の温度とほぼ同じか、これより10°C程度低めの温
度)と、以前の記録情報の履歴を除くための加熱による
初期化処理の温度(キュリー点以上かつ融点以下の温
度)をそれぞれ設定可能であり、強誘電体を溶融させず
に初期化して繰返し使用するのに適している。
【0022】次に、本実施例に係る画像記録方法を採用
する画像記録装置について説明する。図2(a)におい
て、誘電体からなる潜像担持体である誘電体ベルト1は
上下に並行に配設された上下引っ張りローラ2,3に掛
け渡され、図示しない駆動モータで何れか少なくとも一
方の引っ張りローラ2,3が回転駆動されることによっ
て矢印A方向に表面が無端移動される。この誘電体ベル
ト1は例えば図2(b)に示すように、引っ張り強度の
有る樹脂シートからなる支持体1a上に導電層1b、強
誘電体層1cを積層して構成することができる。この導
電層1bは支持体1aが導電性を有するときには省略す
ることができる。また強誘電体層1c上に必要に応じて
保護層を設けても良い。更に、図2(c)に示すよう
に、強誘電体層1cの中に該層1cの層厚(例えば数μ
m程度)よりも粒径が大きな絶縁性粒子1d(例えば1
0μm程度)を分散しても良い。これによれば、後述す
る導電ベルト7等の誘電体ベルト1表面と接触又は近接
される部材と強誘電体層1aの強誘電体とが直接接触す
るのを防止するスペーサとして機能して強誘電体が損傷
を受けることによる異常画像を防止することができる。
上記絶縁性粒子1dの分散量は画像に影響を与えない程
度に調整する。
【0023】上記の上引っ張りローラ2に巻き付いてい
る誘電体ベルト1表面に接触して従動するように分極ロ
ーラ4が配置されている。この分極ローラ4には電源4
aが接続されてている。この電源4aは、図1(a)の
ヒステリシス曲線aに示すように常温付近の温度にある
強誘電体層1cの分極が負極性側で飽和する負極性の電
圧(−Es)を印加するものである。この分極ローラ4
よりも誘電体ベルト1移動方向上流側には誘電体ベルト
1に対向するようにヒータ10が配置され、分極ローラ
4とともに誘電体ベルト1の初期化装置を構成してい
る。そして、ヒータ10の加熱で高温になった誘電体ベ
ルト1の強誘電体層1cがこの分極ローラ4に接触する
時点で上記の常温付近の温度まで冷えているように、図
示しない冷却装置を設けても良い。このような冷却装置
は上引っ張りローラ2の中空部にヒートパイプを配置し
て構成しても良いし、ヒートパイプを誘電体ベルト1表
面に接触又は近接するように配置して構成しても良い。
この常温付近の温度は誘電体ベルト1の強誘電体層1c
の材料による特性等できまり、例えばおよそ50°C以
下である。
【0024】また、分極ローラ4よりも表面移動方向下
流側で上引っ張りローラ2に巻き付いている誘電体ベル
ト1表面には上下プーリ5,6で可撓性の電極部材であ
る導電性ベルト7が押し付けられている。この導電性ベ
ルト7は一端部が供給側の従動ローラ8に巻かれ、他端
部が巻き取り側の駆動ローラ9に巻き付いており、この
駆動ローラ9が図示しない駆動モータで回転駆動され誘
電体ベルト1との接触部を同速で移動されるようになっ
ている。このような構成に代え、導電性ベルト7を無端
移動するように構成しても良いし、誘電体ベルト1表面
に近接した固定の透明電極部材(例えば図1(c)に示
すようなもの)を用いても良い。また、導電性ベルト7
は電源7aに接続されている。この電源7aは図1
(a)に示すようにヒステリシス曲線aにおける抗電界
Ecaより小さく、かつヒステリシス曲線bにおいて正
極性側で分極が飽和に達する電界(+Ek)を発生させ
る電圧を印加するものである。
【0025】そして、誘電体ベルト1に接触している導
電ベルト1の背面側に熱書き込み手段11が配設されて
いる。この熱書き込み手段11としては、サーマルプリ
ントヘッドや半導体レーザ装置を用いることができる。
半導体レーザ装置を用いる場合には導電ベルト7を透明
の導電材料で構成しても良い。また、サーマルプリント
ヘッドを用いる場合には、サーマルプリントヘッドを導
電ベルト7を介して誘電体ベルト1に密着させることが
望ましく、このために、引っ張りローラ2を弾性体で構
成したり、誘電体ベルト1の支持体1aに弾性を持たせ
る。この支持体1aに弾性を持たせるには、例えば支持
体1aをシリコンゴム等の耐熱弾性材料で形成する。上
記導電ベルト7等と熱書き込み手段11とで潜像形成装
置を構成している。
【0026】誘電体ベルト1の移動方向でこの潜像形成
装置よりも下流側に現像装置12が設けられている。こ
の例では上記熱書き込み手段11による熱書込部にトナ
ーを付着させる。このため、熱書込部の電荷が図1
(d)に示すように正極性であるので、正極性に摩擦帯
電されたトナーを用いている。
【0027】更に現像装置12よりも誘電体ベルト1移
動方向下流側である下引っ張りローラ3に巻き付いてい
る誘電体ベルト1の表面に圧接するように転写ローラ1
3が設けられている。この転写ローラ13は誘電体ベル
ト1表面に従動するように設けても良いし、誘電体ベル
ト1表面の同速度で周面が移動するように回転駆動して
も良い。この転写ローラ13には電源13aが接続さ
れ、所定の負極性の電圧が印加されている。この転写ロ
ーラ13に接触直前の誘電体ベルト1上のトナーを溶融
させる転写前ランプ14を設けて粘着転写を行なうよう
にしても良い。この場合には転写ローラ13への電圧印
加は不要である。また、転写前ランプ14を設けるのに
代え、転写ローラ13や下引っ張りローラ3の中空内部
に加熱手段を配置しても良い。このような転写装置にお
ける加熱手段に、誘電体ベルト1の初期化の為の加熱も
行なわせ、これにより、上記の専用のヒータ10を省略
することもできる。この転写ローラ13と誘電体ベルト
1との圧接部に図示しない給紙搬送装置から転写材であ
る転写紙が搬送されるようになっている。なお、この転
写ローラ13は転写紙を介しての誘電体ベルト1に密着
させることが望ましく、このために、転写ローラ13及
び/又は下引っ張りローラ3を弾性体で構成したり、誘
電体ベルト1の支持体1aとして弾性を有するものを用
いる。
【0028】転写後の誘電体ベルト1表面に対向して転
写後の残留トナーを除去するためのクリーニング装置1
5が設けられている。図示の例ではクリーニングブレー
ド15aを誘電体ベルト1表面に圧接させるクリーニン
グ方式であるが、これに限られるものではない。
【0029】以上の構成においては、まず誘電体ベルト
1がヒータ10でその強誘電体層1cがキュリー点以上
の温度になるまで昇温し、強誘電体層1cを常誘電相に
して脱分極状態にする。そして図示しない冷却装置で常
温付近の温度まで冷却し、分極ローラ4で電圧(−E
s)を印加して分極処理を行ない、図1(b)に示すよ
うに強誘電体層1cを均一に正極性に分極させる。次
に、導電ベルト7で電圧(+Ek)を印加した状態で、
熱書き込み手段11で画像情報に応じて熱書き込みを行
ない図1(c)に示すように熱書込部のみの分極方向を
反転させて負極性にし、これにより、熱書込部が負極
性、非書込部が正極性のコントラストの大きな潜像を形
成する。そして、この潜像を現像装置12に対向させ、
正極性のトナーを負極性の熱書込部に吸着させてトナー
像を形成する。このトナー像を形成するトナーを転写前
ランプ14で溶融させ、転写ローラ13上で転写紙に圧
着して転写する。転写後の誘電体ベルト1はクリーニン
グ装置15でクリーニングされて次の画像記録に備えら
れる。なお、転写ローラ13と誘電体ベルト1との圧接
部を通過した転写紙は、必要に応じて定着装置を通過さ
せて装置外に排出される。
【0030】なお、この画像記録装置は、1度潜像が形
成された誘電体ベルト1を印刷版として用い、複数回、
現像と転写を繰り返すこともできる。以下、このような
画像記録について説明する。先ず、前述の動作によって
誘電体ベルト1上に潜像を形成する。以降は、上記の誘
電体ベルト1に対する初期化装置及び潜像形成装置、具
体的には、ヒータ10、分極ローラ4、導電ベルト7、
熱書込装置11、の動作を停止し、現像装置12、転写
ローラ13(転写前ランプ14を有する場合は転写前ラ
ンプ14も含む)、及び、必要に応じてクリーニング装
置11のみを作動させて、図示しない給紙搬送装置から
送られてくる転写紙に現像装置11で現像してトナー像
を逐次転写する。但し、導電ベルト7を誘電体ベルト1
に接触させている場合には、誘電体ベルト1と同速での
駆動を続けるか、プーリ5,6を移動させて非接触にす
る。
【0031】このように1度誘電体ベルト1に形成した
潜像を繰返し使用する場合には、潜像の熱書込部及び非
書込部の分極方向が反転して両者のコントラストが低下
するのを防止するために、誘電体ベルト1に対する電圧
印加や加熱を一定の条件下で行なうことが望ましい。即
ち、現像装置11で電圧が印加された現像電極を用いる
場合や転写ローラ13に転写電圧を印加する場合には、
これの電圧を熱書込部及び非書込部の分極方向が反転し
ない電圧範囲で設定する。例えば、上記の弗化ビニリデ
ン及び三弗化エチレン共重合体を強誘電体として用いる
場合、室温での抗電界Ecaが50kV/mm程度である
ので、現像電極への印加電圧がこれ以上になって非書込
部の分極が0乃至正極性になるのを防止するために、現
像電極への印加電圧を例えば20kV/mm乃至50kV
/mmの範囲内になるように設定する。また、転写装置で
転写前ランプ14等の加熱手段を用いる場合、これが強
誘電体装置をキュリー点以上に加熱しないようにする。
従って、トナーの溶融する温度と強誘電体のキュリー点
の温度が近い場合には、トナー溶融の為の加熱によって
潜像のコントラストも低下してしまうので、加熱を要し
ないバイアス転写を行なうことが望ましい。
【0032】なお、上記実施例装置においては、潜像担
持体としてベルト状のものを用いたが、これに代え、ド
ラム状のものを用いることができる。
【0033】次に、本実施例に係る画像記録方法を採用
する別の画像記録装置について説明する。図3(a)は
同画像記録装置の概略構成図であり、図3(b)は同画
像記録装置の潜像ドラム21の表面近傍の断面図であ
り、図3(c)は変形例に係る同ドラム表面近傍の断面
図である。本実施例の潜像担持体の強誘電体材料につい
ては、図2に示す上記画像記録装置と同様であるので、
説明を省略する。
【0034】図3(a)に示すように、本実施例では潜
像担持体として強誘電体層21cからなる潜像ドラム2
1を用いており、その潜像ドラム21はプリント可能な
最長の周長を有する。潜像ドラム21面上のトナー像
は、潜像ドラム21の上方において、転写材である転写
紙23が搬送ベルト22で搬送されてきて通過する際に
転写される。搬送ベルト22を挾んで潜像ドラム21に
対向する位置に転写ローラ24が設けられている。潜像
ドラム21は反時計方向に回転する。潜像ドラム21の
回転方向で転写ローラ24より下流側には、クリーニン
グ装置25が配置され、更に下流側には、潜像ドラム2
1面上の強誘電体をキューリー点以上に加熱する発熱体
26と、交番電界を強誘電体側に向けて発生させる電圧
が印加されるる電極27とが設けられている。初期化ロ
ーラ28は、加熱書き込みで加熱された強誘電体部分に
該所定の電圧による分極方向と逆の方向の分極を残留さ
せるための電界を発生させる部材である。この初期化ロ
ーラ28には、加熱体が付加されてもよく、その場合に
は印加電圧の大きさを低く抑えることができる。
【0035】また、強誘電体層21cに潜像を形成する
ためのレーザ光29が照射される潜像ドラム21面上の
位置に対向させて、書き込み電極30が固定的に配置さ
れている。書き込み電極30は、強誘電体層21c側に
向けて電界を発生させ、かつ、レーザ光29が書き込み
電極30を透過して強誘電体層21cで熱に変換される
ように構成されている。
【0036】また、現像装置31には、PRローラ3
2、第1、第2現像ローラ33,34が上方から配置さ
れている。PRローラ32には、ローラブレード32a
が当接され、強誘電体層21cとPRローラ32のギャ
ップが0.05mm〜0.2mmの範囲で保持され、第1、
第2現像ローラ33,34で現像された現像液厚を、規
定の現像液厚にする。第1、第2現像ローラ33,34
のそれぞれに第1、第2ブレード33a,34aが当接
され、その当接箇所に現像液が溜るようになっている。
また、供給される現像液が第1現像ローラ33と第1ブ
レード33aの現像液溜めに溜まるように、供給口31
aが配置されている。供給口31aは供給流路35aに
より現像液タンク35に連結され、排液口31bは排液
流路35bにより現像タンク35に連結されている。そ
して、ポンプ35cにより現像液が供給流路35aを通
して送られ、現像装置31内の排液が排液流路35bを
通して現像タンク35内へ戻されることにより、現像液
の現像タンク35から現像装置31への循環が行なわれ
る。
【0037】第1現像ローラ33が第1現像ローラ33
と第1ブレード33aの現像液溜めに溜められた現像液
に接触しながら回転することにより、第1現像ローラ3
3の表面には現像液膜が形成され、その現像液膜が強誘
電体層21cの潜像の現像に供される。第1現像ローラ
33で現像に供された現像液は第1ブレード33aでし
ごかれて、第2現像ローラ34と第2ブレード34aの
現像液溜めに溜まる。第2現像ローラ34で現像に供さ
れた現像液は、第2ブレード34aでしごかれて、排液
口31bに流れ落ちる。排液口31bからの現像液は、
排液流路35bにより現像液タンクに戻される。 ま
た、現像装置31の現像装置カバー31cは、潜像ドラ
ム21の中心から真下方向への垂線と潜像ドラム21面
との交点より左側に延びて配置されている。これによ
り、潜像ドラム21からの現像液の垂れを回収できる。
【0038】次に、潜像ドラム21の強誘電体層21c
への潜像の形成について、図1(a)乃至図1(d)及
び図3の構成を参照しながら説明をする。強誘電体層2
1cを初期化するには、発熱体26で強誘電体層21c
をキュリー点以上に加熱する。このためには、発熱体2
6が強誘電体層21cを暖められる温度になるまで待機
しており、所定温度になってから潜像ドラム21が回転
を開始する。発熱体26の強誘電体層21c側には電極
27があり、この電極27に交流電源27aにより交流
電圧を印加することにより、強誘電体層21cに対して
交番電界が形成される。この交番電界は、前に作られた
潜像をほぼゼロの電荷にし、潜像の残像を無くすもので
ある。
【0039】その後、初期化ローラ28では、図1
(a)のヒステリシス曲線aに示すように常温付近の温
度にある強誘電体層21cの分極が負極性側で飽和する
ような負極性の電界(−Es)を発生させるための電圧
が印加される。この電界(−Es)では、発熱体26で
強誘電体層21cが暖められてその温度でのヒステリシ
ス曲線が曲線bであっても、飽和の電荷が得られる。従
って、室温近傍でのヒステリシス曲線aで、電界(−E
s)を発生させるための初期化ローラ28への印加電圧
が決定される。初期化ローラ電源28aによる初期化ロ
ーラ28への電圧の印加は、電界(−Es)が得られる
直流電圧でよいが、その電圧印加の上限は、電圧印加に
より強誘電体層21cが放電破壊を起こさない範囲であ
る。直流電圧の印加以外にも、直流電圧に交流電圧を重
畳した電圧を印加しても同じ効果が得られる。
【0040】初期化ローラ28に対向する位置からレー
ザ光29の照射位置に達するまでの間に、強誘電体層2
1cが室温近傍の温度になっていることが望ましい。そ
れは、ヒステリシス曲線が曲線aになり、加熱書き込み
時のヒステリシス曲線bとの差が大きくなり、電界(+
Ek)の印加に対し余裕度が出来るためである。従っ
て、初期化ローラ28に対向する位置からレーザ光29
の照射位置に達するまでの間に強制冷却を施す装置を設
けると、目的により合致したものとなり効果的である。
【0041】書き込み電極30の位置で、強誘電体層2
1cの書き込みがされない部分のヒステリシス曲線が曲
線aであり、強誘電体層21cのレーザ光29が照射さ
れて加熱された部分のヒステリシス曲線が曲線bである
とする。まず、書き込み電極30には、書き込み電源3
0aにより電界(+Ek)が発生する電圧の印加がされ
る。この電界(+Ek)は、曲線aの抗電界Ecaより
小さく、曲線bにおいて正極性側での分極が飽和に達す
る電界である。この電界(+Ek)により、強誘電体層
21cの加熱された部分と加熱されない部分とで分極方
向が逆転する。
【0042】書き込み電極30の位置を通過した後、強
誘電体層21cの加熱された部分と加熱されない部分
は、両方の部分とも室温近傍の温度になる。このためヒ
ステリシス曲線は曲線aに戻り、加熱された部分はDg
の電荷からDg’の電荷になる。加熱されない部分は、
曲線aのままであるため、D2ないしD3の電荷である。
この分極した状態が図1(d)の強誘電体層21c(1
a)の状態である。
【0043】以上のように潜像が書き込まれた後は、現
像装置31による現像工程と、搬送ベルト22で運ばれ
る転写紙23への転写工程とが繰り返される。この潜像
の書き込みと現像工程及び転写工程との繰り返し工程で
は、潜像ドラム21の線速が異なるようにするのは容易
である。また、現像工程及び転写工程の繰り返し工程中
には、クリーニング装置25内のクリーニングブレード
25aやクリーニングローラ25b等の他のクリーニン
グ部材は、強誘電体層21c面から離され、強誘電体層
21c面に付着しているトナーをクリーニングしないよ
うに制御される。クリーニング装置25による強誘電体
層21c面のクリーニングは、所定枚数のプリントが終
了した後に、クリーニングブレード25aやクリーニン
グローラ25b等の他のクリーニング部材が強誘電体層
21c面に圧接されることにより行なわれる。
【0044】現像工程と転写工程の繰り返しの間は、先
に説明した図1(a)のヒステリシス曲線aでの抗電界
Eca以上の電界が発生しないように、現像ローラ3
3、34でのバイアス電圧や転写ローラ24での印加電
圧を設定される。抗電界Ecaを越えた電界が発生する
と、潜像のS/N比が低下するからである。この抗電界
Ecaは、強誘電体層21cの温度が上昇すると、それ
につれてヒステリシス曲線も曲線aから曲線b側に移行
するので、それにつれ次第に小さな値になる。また、強
誘電体層21cの電荷もDgからDg’と次第に小さな
値になり、これにつれてトナーの付着量も低下するので
一定な画像品質が得られなくなる。このため、現像工程
と転写工程の繰り返しの間では、強誘電体層21cの温
度をほぼ一定に保持しておく事が必要になり、そのため
の部材の追加や構成が盛り込まれる。強誘電体層21c
の温度を一定に保持する事は、できるだけ室温近傍に設
定することで、キュリー点以上に強誘電体層21cを加
熱しない事も意味する。
【0045】強誘電体層21cの温度をほぼ一定に保持
する装置例を図3(b)に示す。潜像ドラム21の表面
近傍の支持体21aをアルミニュウムの金属で構成し、
その内面をフィン21dの形状にして空冷を行なう方法
である。また、別な構成例を図3(c)に示す。支持体
21cの内面にヒートパイプ21eが配設され、潜像ド
ラム21から離れた箇所でヒートパイプ21eを冷却す
る方法である。
【0046】次に、図3(a)の潜像ドラム21周辺の
構成を有する画像記録装置の動作を、図3(a)を参照
しながら図4及び図5のフローチャートを用いて説明す
る。まず、図4を用いて説明する。同画像記録装置の動
作は、CPU(不図示)からの駆動信号によりスタート
し、潜像ドラム21と搬送ベルト22の回転及び駆動が
開始される(ステップ1)。この時の回転及び駆動の速
度は、書き込みモードである低速度である。次に、発熱
体26に通電され、発熱体26が昇温する。昇温は発熱
体26に設けられた温度検出器(不図示)で検知され、
設定温度になているかの判定がなされる。設定温度にな
っていなければ、発熱体26の通電のみが継続される。
設定温度以上になれば、発熱体電源26aと初期化ロー
ラ電源28aがONされる(ステップ2,3,4)。そ
の後、一定時間の潜像ドラム21の回転(最低1回転)
が実施され、発熱体26の通電のOFFと、発熱体電源
26aと初期化ローラ電源28aがOFFされる(ステ
ップ5)。ここまでが強誘電体層21cの潜像を初期化
する工程である。
【0047】その後、プリンタ作業継続の判定を行い、
プリント作業継続であればレーザ光29により書き込み
の工程に入る(ステップ7)。プリント作業の非継続の
場合は、潜像ドラム21と搬送ベルト22の回転及び駆
動を停止して、フローチャートのスタート位置である待
機状態になる(ステップ8,9)。このプリント作業の
継続、非継続を判断するのは、(1)新たなプリント作
業であるか、(2)試し刷りで画像評価の結果潜像形成
条件を修正した後の作業であるか、(3)必要枚数のプ
リントを終了した後の作業であるかの3項目である。プ
リント作業継続は(1)と(2)が該当し、プリント作
業の非継続は(3)が該当する。(3)の項目の場合
は、潜像ドラム21のクリーニングが終了してから発熱
体26に通電されるフローに戻る。
【0048】書き込みが開始される前に、書き込み電極
30付近の潜像ドラム21の温度を検知して、設定され
た温度になっているかの判定を行う(ステップ10)。
ここでの潜像ドラム21の温度の検知は、書き込みに当
たり室温近傍の温度に強誘電体層21cがなっている事
を検知するものである。発熱体26で潜像ドラム21が
暖められているので、潜像ドラム21が設定温度に達す
るまで冷却される(ステップ11,12)。
【0049】潜像ドラム21が設定温度になってから、
書き込み電源30aをONにして、潜像を形成するため
のレーザ光の照射を開始する(ステップ13,14)。
これにはレーザ光29を走査するためのポリゴンミラー
(不図示)の回転も含まれる。規定の大きさの画面の照
射が終了すると、レーザ光29の照射とポリゴンミラー
の回転が停止する(ステップ15)。それと同時に書き
込み電源30aがOFFされる(ステップ16)。ここ
までが潜像形成の工程である。
【0050】次に、図5を参照しながら、画像のプリン
トの工程について説明する。まず、潜像が形成された潜
像ドラム21と搬送ベルト22の回転及び駆動の線速
(駆動スピード)を、書き込みモードの低速度から、プ
リントモードの高速度にする(ステップ17)。そし
て、現像液がポンプ35cにより供給口31aに汲み上
げられ、現像装置31内の現像ローラ33,34の回転
や現像バイアス電源(不図示)がONされる(ステップ
18)。
【0051】次に、試し刷りの判定がなされる(ステッ
プ19)。試し刷り(Y)の場合は、転写材であるプリ
ント用紙の通紙が行なわれ、その通紙に合わせて転写ロ
ーラ電源24aがON/OFFされ、所定枚数のプリン
トが行なわれる(ステップ20,21,22)。所定枚
数のプリントの後、現像液のポンプ35c及び現像装置
31の部材が停止され、現像バイアス電源がOFFされ
る(ステップ23)。そして、潜像ドラム21と搬送ベ
ルト22の回転及び駆動が停止される(ステップ2
4)。次に、プリントされた画像評価の判定が行なわれ
る(ステップ25)。画像がOKであれば、潜像ドラム
21と搬送ベルト22の回転及び駆動と、現像装置31
内の部材を再度プリントモードの高速度で駆動を開始し
て、試し刷りの判定でNと判定され、本刷りのフローに
入る(ステップ17〜19,ステップ27以降)。
【0052】画像評価の判定がNであると、潜像形成条
件を修正して、プリントモードのフローの潜像ドラム2
1と搬送ベルト22の回転及び駆動の線速が、書き込み
モードの低速度になるところからの動作になる(ステッ
プ26,ステップ31)。この時点では、現像装置31
の部材は停止しており、潜像ドラム21のトナーをクリ
ーニングするための工程に入る(ステップ32)。この
クリーニング工程は、クリーニングブレード25aの潜
像ドラム21への当接や、クリーニング液の循環が開始
される。その状態で潜像ドラム21が所定の回転をした
後、クリーニングブレード25aの潜像ドラム21から
離され、クリーニング液の循環の停止がされる(ステッ
プ33,34)。
【0053】その後、加熱電源26aをONにして発熱
体26を昇温させるフローに入り(図4のステップ
2)、以降は先に説明した強誘電体層21cの潜像を初
期化する工程を行い、プリンタ作業継続の判定まで進む
(図4のステップ3〜ステップ11)。この作業継続の
判定では、現時点のフローが(2)試し刷りで画像評価
の結果潜像形成条件を修正した後の作業であるため、プ
リント作業継続(Y)の工程に入り(図4のステップ1
0〜16)、図5のフローチャートに戻って、試し刷り
の判定まで進む(ステップ17〜19)。
【0054】試し刷りの判定でNと判断されて本刷りの
フローに入る場合は、プリント用紙が通紙され、その通
紙に合わせて転写ローラ電源24aがON/OFFされ
て、設定された所定枚数のプリントが実行される(ステ
ップ27〜29)。所定枚数のプリントが行なわれた
後、現像装置31内の部材が停止され、潜像ドラム21
と搬送ベルト22の回転及び駆動の線速が書き込みモー
ドの低速度にされ、潜像ドラム21のトナーをクリーニ
ングするための工程に入る(ステップ30〜34)。
【0055】これ以降は、先に説明した強誘電体層21
cの潜像を初期化する工程を行い、プリンタ作業継続の
判定まで進む(図4のステップ2〜7)。この判定で
は、現時点のフローが(3)必要枚数のプリントを終了
した後の作業であるため、プリント作業継続(N)の工
程に入り、潜像ドラム21及び搬送ベルト22の回転が
停止されて待機状態になる(ステップ8,9)。
【0056】次に、本実施例に係る画像記録方法を採用
するフルカラー画像記録装置について説明する。図6は
同フルカラー画像記録装置の概略構成図である。本実施
例の潜像担持体の強誘電体材料については、図2に示す
上記画像記録装置と同様であるので、説明を省略する。
また、潜像ドラム周辺の構成及び基本的な動作は、図3
(a)に示す上記画像記録装置、図4及び図5のフロー
チャートに示す動作と同様であるので、説明を省略す
る。以下、異なる点を中心に説明する。
【0057】図6に示すように、搬送ベルト22に沿っ
て、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色の4色に対応す
る画像形成部が並設され、それぞれの画像形成部は、図
3(a)と同様に、潜像ドラム21c,21m,21
y,21bk、転写ローラ24y,24m,24c,24
bk、クリーニング装置25c,25m,25y,25b
k、現像装置31c,31m,31y,31bk等で構成
されている。
【0058】レーザ露光光学系36からのレーザ光29
c,29m,29yおよび29bkは、それぞれの潜像ド
ラム21c,21m,21yおよび21bk面上にに照射
される。レーザ露光光学系40は、ポリゴンミラー4
1、fθレンズ42、光路ミラー43等で構成され、レ
ーザ光29c,29m,29yおよび29bkは、コント
ロール部44で外部から入力された画像信号に基づく色
分解信号に応じて制御され、各潜像ドラム21c,21
m,21yおよび21bk面上を走査されて、各潜像ドラ
ム21c,21m,21yおよび21bkの強誘電体層に
対応する潜像が書き込まれる。
【0059】また、現像装置31c,31m,31yお
よび31bkには、フルカラー画像をプリントするため
に、それぞれシアン、マゼンタ、イエローおよびブラッ
クの現像液が注ぎ込まれ、各潜像ドラム21c,21
m,21yおよび21bkの強誘電体層に形成された潜像
が現像される。
【0060】また、プリント用紙(不図示)を潜像ドラ
ム21bkから21cの方向へ送る搬送ベルト22は、搬
送ベルトローラ22a,22bで張架されており、時計
方向に回転駆動される。プリント用紙はローラ22cに
より所定のタイミングで搬送ベルト22面上に供給され
る。搬送ベルト22面上のプリント用紙は、搬送ベルト
22の移動により、潜像ドラム21bk,21y,21m
および21cの上部を順次通過し、各潜像ドラムを通過
する間、搬送ベルト22を挾んで各潜像ドラムに対向す
る位置にある転写ローラの作用により、ブラック、イエ
ロー、マゼンタおよびシアンの各トナー像がプリント用
紙上に順次転写される。転写されたプリント用紙は、転
写ユニット(不図示)に送られ、そこでトナーがプリン
ト用紙面上に固着される。なお、搬送ベルト22面上に
残ったトナー等の汚れは、搬送ベルトクリーナ22dで
除去される。
【0061】また、試し刷り時の搬送ベルト面上に転写
された画像を評価するために、搬送ベルト22の上部の
面に対向させて、発光素子及び受光素子等からなる画像
読み取り部45が設けられている。画像読み取り部45
の出力は画像評価部46に入力され、試し刷りの画像の
評価が行なわれる。
【0062】次に、図6に示すフルカラー画像記録装置
の動作を説明する。本実施例の動作は、先に説明した図
3(a)の画像記録装置の動作(図4及び図5)と基本
的には同じである。異なる点は、試し刷り工程での画像
評価の判定(図5のステップ25)において、シアン、
マゼンタ、イエロー、ブラックの4色の画像が整合され
る必要があり、各色ごとの潜像形成条件の調整が行なわ
れる点である。すなわち、ある1色の画像形成において
その潜像形成条件を調整をする場合、他の3色の画像形
成においても潜像形成条件が修正されて、次の試し刷り
工程が実施される。
【0063】また、図6のフルカラー画像記録装置で
は、試し刷りでの画像評価の判定をプリント用紙上の画
像で行うのではなく、搬送ベルト22上に画像を転写し
て、その画像を画像読み取り部45で色情報を検知し
て、画像評価部46でその画像を評価し判定している。
その動作のフローチャートの修正部分を図7に示す。図
7のフローチャートの開始位置Cは、図5に示すフロー
チャートのステップ18の後のフローにつながり、終了
位置Bは、図4に示すフローチャート上のBにつなが
る。図7において、試し刷り(Y)の場合は、搬送ベル
ト22面上の画像の所定箇所の位置に応じて転写ローラ
電源24c,24m,24yおよび24bkがON/OF
Fされ、所定箇所の画像読み取りが行なわれる(ステッ
プ23、24)。所定箇所の読み取りの後、その読み取
り信号が画像評価部46に入力され、画像評価の判定が
行なわれる(ステップ25)。各色の画像の評価判定が
OKであれば、本刷りのフローに入る(ステップ27〜
29)。画像評価の判定がNであると、潜像形成条件を
修正して、プリントモードのフローの潜像ドラム21
c,21m,21yおよび21bkと搬送ベルト22の回
転及び駆動の線速が、書き込みモードの低速度になると
ころからの動作になる(ステップ26,ステップ3
1)。この時点では、現像装置31c,31m,31
y,31bkの部材は停止しており、潜像ドラム21c,
21m,21yおよび21bkのトナーをクリーニングす
るための工程に入る(ステップ32)。このクリーニン
グ工程は、クリーニングブレード25aの各潜像ドラム
への当接や、クリーニング液の循環が開始される。その
状態で各潜像ドラムが所定の回転をした後、クリーニン
グブレード25aの潜像ドラムから離され、クリーニン
グ液の循環の停止がされる(ステップ33,34)。
【0064】図7のフローチャートの試し刷り後の動作
によれば、潜像ドラム21と搬送ベルト22の回転及び
駆動を停止する事なく、プリントモードの高速度の線速
でフローを進行できる点にあり、作業スピードの効率化
及び高速化を図ることができる。
【0065】
【発明の効果】本発明の画像記録方法によれば、潜像担
持体に所定の電圧を印加して分極処理をした後、所定の
電圧を印加しながら加熱される強誘電体層部分の厚み方
向全体がキュリー点に達しないように加熱書き込みを行
ない、これにより、加熱書き込み後に温度が低下した状
態で該加熱書き込みで加熱された強誘電体部分に上記分
極処理による分極方向と逆の方向の分極を残留させ、且
つ、該加熱書き込みで加熱されなかった部分に上記分極
処理による分極方向と同じ方向の分極を残留させるの
で、潜像の文字部と地肌部を互いに逆の方向に分極した
潜像を形成することができ、潜像のコントラストを従来
に比して大きくすることができるという優れた効果があ
る。また、加熱書き込みで加熱した部分にも所定の分極
が残留した潜像を形成できるので、該部分に現像剤を付
着させるようにすることによって、細線や微小面積の文
字部もシャープ再現した画像を記録することができる。
また、形成した潜像を加熱書き込みで加熱された部分と
加熱されなかった部分の何れの分極方向も反転させない
電圧を現像電極に印加しながら現像剤による潜像の顕像
化を行ない、次いで、現像剤からなる顕像の転写材への
転写を行ない、以降、強誘電体がキュリー点以上になる
潜像担持体への加熱を行なわずに、該潜像の顕像化と該
転写材への転写を1回以上繰返せば、1度形成した潜像
のコントラストを確保しつつ、これを繰返し使用するこ
とができ、高速の画像記録が可能になる。また、転写剤
への転写を転写電圧を印加して行なうものでは、形成し
た潜像を加熱書き込みで加熱された部分と加熱されなか
った部分の何れの分極方向も反転させない転写電圧を転
写電極に印加しながら転写を行なえば、さらに一度形成
した潜像のコントラストを確保することができる。ま
た、上記潜像担持体を複数設け、各潜像担持体面に記録
すべき各色の画像をそれぞれ割り当てて上記加熱書き込
みを行なって潜像を形成し、各潜像担持体面上の該潜像
にそれぞれ割り当てられた色の現像剤を供給して顕像化
し、各色の現像剤からなる顕像の転写材への転写を行な
うことにより、多色の画像を記録することにより、高速
の多色画像記録が可能となる。また、強誘電体がキュリ
ー点以上になるように潜像担持体を加熱し、次に強誘電
体がキュリー点に達しない状態になった時点で上記分極
処理を行なえば、この加熱によって以前に記録された情
報に相当する分極が除かれ、潜像担持体の初期化の完全
を期すことができ、潜像担持体を初期化しながら繰返し
使用することができる。更に、像担持体を充分初期化す
るので、異常画像も生じない。また、上記分極処理にお
いて潜像担持体へ印加する電圧を、強誘電体の分極が飽
和する電圧にすれば、以前に記録された情報に相当する
分極が除かれ、像担持体の初期化の完全を期すことがで
き、潜像担持体を初期化しながら繰返し使用することが
できる。更に、像担持体を充分初期化するので、異常画
像も生じない。また、潜像担持体面上の顕像をクリーニ
ングして潜像担持体を繰返し使用することにより、孔版
印刷やオフセット印刷で行なわれるような1回ごとの印
刷版の廃棄をなくせるので、ランニングコストを低減す
ることができ、印刷版作成の手間を軽減できる。また、
潜像担持体面上に潜像を形成した後試し刷り及びその画
像評価を行ない、画像品質を確認した上で、その後の該
潜像の顕像化と該転写材への転写を1回以上繰返す際
に、安定した高品質の画像が得られる。また、上記試し
刷りにおいて画像評価を行なう際に、潜像担持体面上の
顕像を転写する転写部材として搬送ベルトを用いること
により、画像記録装置の動作を停止させることなく、作
業スピードの効率化及び高速化を図ることができる。 また、式(CF2−CH2)m−(CHF−CH2)n (但し、mが50%以上)で示される繰返し単位を有す
る高分子材料からなる強誘電体からなる潜像担持体を用
いれば、角形比の大きなヒステリシス曲線の特性によっ
て潜像のコントラストを大きくできる。また、強誘電体
層の層厚を薄くでき、加熱書き込みのエネルギーを少な
くできる。更に、支持体への塗布による製膜が容易であ
る。また、製膜後にも可撓性を有するので弾性支持体上
に製膜することによって圧着転写方式を用いるのに好適
な像担持体を構成できる。更に、キュリー点を超えない
範囲でトナーへの加熱ができるので、転写時のトナーチ
リが無い高画質が得られ、またトナーを加熱溶融させて
の圧力転写が可能な像担持体を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は強誘電体の特性を示す特性図、(b)
乃至(d)は本発明の画像記録方法の原理を説明するた
めの説明図。
【図2】(a)は本実施例に係る画像記録方法を採用す
る画像記録装置の概略構成図、(b)は同記録装置の誘
電体ベルトの断面図、(c)は変形例に係る同ベルトの
断面図。
【図3】(a)は本実施例に係る画像記録方法を採用す
る別の画像記録装置の概略構成図、(b)は同記録装置
の潜像ドラムの表面近傍の断面図、(c)は変形例に係
る同ドラムの表面近傍の断面図。
【図4】同記録装置の潜像書き込みまでの動作のフロー
チャート図。
【図5】同記録装置の顕像化以降の動作のフローチャー
ト図。
【図6】本実施例に係る画像記録方法を採用するフルカ
ラー画像記録装置の概略構成図。
【図7】同記録装置の変形例に係る試し刷り以降の動作
のフローチャート図。
【符号の説明】
1 誘電体ベルト 1a,21a 支持体 1b,21b 導電層 1c,21c 強誘電体層 4 分極ローラ 7 導電ベルト 10 ヒータ 11 熱書込手段 12,31 現像装置 13,24 転写ローラ 14 転写前ランプ 15,25 クリーニング装置 21 潜像ドラム 26 発熱体 28 初期化ローラ 30 書き込み電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強誘電体からなる潜像担持体に記録すべき
    画像に応じた加熱書き込みを行なって潜像を形成し、該
    潜像に現像剤を供給して顕像化する画像記録方法におい
    て、潜像担持体に所定の電圧を印加し、 次いで、該加熱書き込み後に温度が低下した状態で該加
    熱書き込みで加熱された強誘電体部分に該所定の電圧に
    よる分極方向と逆の方向の分極を残留させ、且つ、該加
    熱書き込みで加熱されなかった部分に該所定の電圧によ
    る分極方向と同じ方向の分極を残留させる所定の電圧を
    印加しながら、該加熱書き込みで加熱される強誘電体部
    分がキュリー点に達しないように潜像担持体に該加熱書
    き込みを行なうことを特徴とする画像記録方法。
  2. 【請求項2】まず強誘電体がキュリー点以上になるよう
    に潜像担持体を加熱し、次に強誘電体がキュリー点に達
    しない状態になった時点で上記加熱書き込みの前に行な
    う潜像担持体への電圧の印加を行なうことを特徴とする
    請求項1の画像記録方法。
  3. 【請求項3】上記加熱書き込みの前に行なう潜像担持体
    への電圧の印加を、強誘電体の分極が飽和する電圧で行
    なうことを特徴とする請求項1又は2の画像記録方法。
  4. 【請求項4】強誘電体からなる潜像担持体に所定の電圧
    を印加し、 次いで、記録すべき画像に応じた加熱書き込み後に温度
    が低下した状態で該加熱書き込みで加熱された強誘電体
    部分に該所定の電圧による分極方向と逆の方向の分極を
    残留させ、且つ、該加熱書き込みで加熱されなかった部
    分に該所定の電圧による分極方向と同じ方向の分極を残
    留させる所定の電圧を印加しながら、該加熱書き込みで
    加熱される強誘電体部分がキュリー点に達しないように
    潜像担持体に該加熱書き込みを行ない、 次いで、潜像の該加熱書き込みで加熱された部分と加熱
    されなかった部分の何れの分極方向も反転させない電圧
    を現像電極に印加しながら現像剤による潜像の顕像化を
    行ない、 次いで、現像剤からなる顕像の転写材への転写を行な
    い、 以降、強誘電体がキュリー点以上になる潜像担持体への
    加熱を行なわずに、該潜像の顕像化と転写材への転写を
    1回以上繰返し、これにより、1度形成した潜像を繰返
    し使用することを特徴とする画像記録方法。
  5. 【請求項5】上記潜像の上記加熱書き込みで加熱された
    部分と加熱されなかった部分の何れの分極方向も反転さ
    せない電圧を転写電極に印加しながら、上記転写を行な
    うことを特徴とする請求項4の画像記録方法。
  6. 【請求項6】複数の潜像担持体に記録すべき各色の画像
    をそれぞれ割り当てて上記加熱書き込みを行なって潜像
    を形成し、該複数の潜像担持体面上の該潜像に割り当て
    られた色の現像剤を供給して顕像化し、各色の現像剤か
    らなる顕像の転写材への転写を行なうことにより、多色
    の画像を記録することを特徴とする請求項4又は5の画
    像記録方法。
  7. 【請求項7】上記潜像の繰返し使用の前に、記録すべき
    画像の潜像形成、潜像の顕像化、顕像の転写を行ない、
    その転写された画像の評価の判定結果に基づいて上記加
    熱書き込みによる潜像形成の条件の最適化を行なうこと
    を特徴とする請求項4乃至6の画像記録方法。
  8. 【請求項8】 式(CF2−CH2)m−(CHF−CH2)n (但し、mが50%以上)で示される繰返し単位を有す
    る高分子材料の強誘電体からなる潜像担持体を用いたこ
    とを特徴とする請求項1乃至7の画像記録方法。
JP4186313A 1991-09-25 1992-06-18 画像記録方法 Pending JPH05224491A (ja)

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JP3-355959 1991-12-20
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0777861A (ja) * 1993-08-20 1995-03-20 Man Roland Druckmas Ag 強誘電体を利用する印刷方法
JPH08123164A (ja) * 1994-09-29 1996-05-17 Man Roland Druckmas Ag 印刷版の画線部形成を補助する方法および該方法において用いられる印刷版

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