JP2002196598A - 画像定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

画像定着装置及び画像形成装置

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JP2002196598A
JP2002196598A JP2000396985A JP2000396985A JP2002196598A JP 2002196598 A JP2002196598 A JP 2002196598A JP 2000396985 A JP2000396985 A JP 2000396985A JP 2000396985 A JP2000396985 A JP 2000396985A JP 2002196598 A JP2002196598 A JP 2002196598A
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JP2000396985A
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Takeo Tsukamoto
武雄 塚本
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の定着性を維持しつつウォームアップ時
間を短縮できる画像定着装置及び該画像定着装置を用い
た画像形成装置を提供する。 【解決手段】 一次定着部110を、一次定着ローラ1
11と加圧ローラ115とから構成し、その加圧力P1
を約2MPa、温度T1を室温付近のままにする。二次
定着部120を、二次定着ローラ121と定着搬送ベル
ト125とから構成し、その加圧力P2を約20kP
a、温度T2を95℃にする。これにより、一次定着部
でトナー同士を圧縮しトナーと記録紙との密着性を高
め、二次定着部での圧力が弱くても画像を良好に定着さ
せる。この結果、二次定着ローラの熱容量を低く抑える
ことができ、従来数分かかっていたウォームアップ時間
を、20秒程度で完了させることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性の成分を
含有する像形成物質を用いて記録媒体上に作像した画像
を、加熱により軟化或いは溶融して該記録媒体上に定着
する画像定着装置及び該画像定着装置を有する画像形成
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性の成分を含有する像形成
物質を用いて記録媒体上に作像した画像の画像定着装置
としては、熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性エラストマー
等の熱可塑性の物質を含有する像形成物質からなる画像
を加熱によって軟化或いは溶融し、その像形成物質形状
を変形させて定着させるものが知られている。この種の
画像定着装置においては、加熱された像形成物質を記録
媒体表面の凹凸に応じて効率よく変形させるために、ま
た像形成物質同士の結合を高めるために、加熱と同時に
加圧も行うようになっている。
【0003】その一例としては、表面移動体として、表
面を互いに接触させながら回転する加熱ローラと押圧ロ
ーラとを備えるものが知られている。これらローラの少
なくとも一方は、その周面に弾性部を有し、これをもう
一方のローラとの接触領域で自在に変形させて両ローラ
の密着性を高めるようになっている。両ローラは、記録
紙等の記録媒体の画像形成面を加熱ローラに接触させる
ように、記録媒体を互いの接触部に挟み込む。そして、
記録媒体上で画像を構成する像形成物質を加熱ローラに
よって加熱しながら両ローラ間で押圧して記録媒体上に
定着させる。このとき、画像の定着性を良好にするため
には、両ローラ間の押圧力をある程度大きくする必要が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、両ローラ間
の押圧力を大きくするためには、ローラの強度を増加さ
せなければならなず、これらローラの芯金の体積を大き
くすることが必要となる。例えば、加熱ローラとしてハ
ロゲンヒータを内包した中空の金属ローラの表面に高離
型性のフッ素樹脂等をコーティングしたものを用いてい
る場合、金属ローラ芯金の肉厚を厚くする必要が生じ
る。この結果、加熱ローラ自身の熱容量が増大し、加熱
ローラのスイッチを入力してから定着可能な温度に昇温
するまでの時間(以下、ウォームアップ時間という)が
長くなってしまうという不具合が生じる。
【0005】尚、上記ウォームアップ時間の長時間化と
いう不具合は、加熱ローラのようなローラ形状のものに
限らず、加熱と加圧とを同時に行う構成の画像定着装置
であれば常に生じる恐れがある。
【0006】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、画像の定着性を維持
しつつウォームアップ時間を短縮できる画像定着装置及
び該画像定着装置を用いた画像形成装置を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の画像定着装置は、熱可塑性の像形成物質
によって形成された画像を担持する記録媒体に所定の温
度及び所定の圧力を加えることによって、該像形成物質
を溶融し該記録媒体上に定着させる画像定着装置におい
て、上記画像定着装置を、上記画像を担持する記録媒体
に、所定の温度T1及び所定の圧力P1を加える一次定
着手段と、該一次定着手段で所定の温度T1及び所定の
圧力P1が加えられた後の該記録媒体に、所定の温度T
2及び所定の圧力P2を加える二次定着手段とから構成
し、T1とT2との関係及び、P1とP2との関係が、 T1<T2 P1>P2 を満たすことを特徴とするものである。ここで、上記一
次定着手段における所定の温度T1とは、加熱手段によ
って所定温度に加熱する場合のみでなく、場合によって
は室温を利用する場合も考えられる。
【0008】請求項1の画像定着装置においては、一次
定着手段と二次定着手段との二段階で記録媒体に画像を
定着させるように構成し、一次定着手段で主に加圧によ
って像形成物質層の圧縮を行うと共に、像形成物質と記
録媒体表面構造との密着性を高めておく。一次定着手段
による一次定着部では強い圧力P1がかかるため、一次
定着部で記録媒体を挾持する部材(以下、一次定着部材
という)の機械的な強度を高める必要がある。しかし、
ここでは画像を記録媒体に完全に定着させる必要はない
ので、二次定着手段による二次定着部の温度T2より低
い温度T1で加熱すればよい。一次定着部材の機械的な
強度を高めた結果、一次定着部材の熱容量が大きくなっ
てしまうが、一次定着部材の設定温度を十分に低く抑え
ることによって一次定着部材のウォームアップ時間は二
次定着部材のウォームアップ時間と同等とすることが可
能である。一方、二次定着手段は、一次定着手段より高
い温度T2で像形成物質を加熱軟化溶融し、像形成物質
同士あるいは像形成物質と記録媒体との結合力を高めて
定着を完了させる。一次定着手段で既に像形成物質同士
を圧縮し像形成物質と記録媒体との密着性を高めている
ため、二次定着手段による二次定着部では大きな力で加
圧しなくても加熱による定着を良好に行うことができ
る。よって、二次定着部で記録媒体を挾持する部材(以
下、二次定着部材という)に大きな機械的強度が要求さ
れない。従って、二次定着部材のうちの加熱部材の熱容
量が大きくなることがなく、加熱部材を一次定着部より
高い温度に加熱するために要するウォームアップ時間が
機械的強度の影響で長くなることを避けることができ
る。
【0009】また、請求項2の画像定着装置は、請求項
1の画像定着装置において、上記二次定着手段のみに加
熱手段を設けたことを特徴とするものである。
【0010】請求項2の画像定着装置においては、二次
定着手段のみに加熱手段を設け、一次定着手段には加熱
手段を設けないようにし、一次定着手段では加熱のため
のエネルギー消費が発生しないようにする。この場合、
一次定着手段では、加熱作用による像形成物質の軟化溶
融は期待できないためにより圧力P1を大きくすること
が必要となるが、熱容量を気にせずに機械的な強度を上
げることができる。
【0011】請求項3の画像定着装置は、請求項1又は
2の画像定着装置において、上記一次定着手段に、上記
記録媒体側に向かって上記像形成物質を押さえつけるよ
うな1方向の力を発生させる1方向力発生手段を設けた
ことを特徴とするものである。
【0012】ここで、像形成物質を担持している記録媒
体を上下の一方向又は両方向から機械的に押圧すると、
像形成物質は記録媒体側に向かって押さえつけられると
共に、記録媒体とは逆側に接触している部材側にも押さ
えつけられることになる。
【0013】請求項3の画像定着装置においては、1方
向力発生手段が発生させる力によって像形成物質を記録
媒体側の1方向に向かって押さえつけ、像形成物質が静
電的な作用などによって一次定着部材や一次定着部周辺
の部材に付着することを防止する。また、像形成物質と
記録媒体との間もしくは像形成物質同士の密着力が高ま
ることも期待できる。
【0014】請求項4の画像定着装置は、請求項1,2
又は3の画像定着装置において、上記二次定着手段に、
上記記録媒体側に向かって上記像形成物質を押さえつけ
るような1方向の力を発生させる1方向力発生手段を設
けたことを特徴とするものである。
【0015】請求項4の画像定着装置においては、1方
向力発生手段が発生させる力によって像形成物質を記録
媒体側に向かって押さえつけ、像形成物質が静電的な作
用などによって二次定着部材や二次定着部周辺の部材に
付着することを防止する。また、像形成物質と記録媒体
との間もしくは像形成物質同士の密着力が高まることも
期待できる。
【0016】請求項5の画像定着装置は、請求項3又は
4の画像定着装置において、上記1方向力発生手段を、
上記記録媒体側に向かって上記像形成物質を押し付ける
ような向きの電界を形成する電界形成手段によって構成
したことを特徴とするものである。
【0017】請求項5の画像定着装置においては、電界
形成手段が形成する電界によって像形成物質を記録媒体
側に確実に押さえつけるようにし、像形成物質と記録媒
体との間もしくは像形成物質同士の密着力を高める。
【0018】請求項6の画像定着装置は、請求項1,
2,3,4又は5の画像定着装置において、上記一次定
着手段の上記圧力P1を調整する圧力調整手段を設けた
ことを特徴とするものである。
【0019】請求項6の画像定着装置においては、圧力
調整手段によって必要に応じて一次定着手段の圧力P1
を調整する。一次定着手段の圧力P1は二次定着手段の
圧力P2に比して大きいため、例えば、加圧により破壊
され易い材質の記録媒体を一次定着部材で挾持すると破
壊してしまうというような不具合を生じる場合がある。
このように一次定着部の圧力P1が強すぎるときには、
一次定着部材の圧力P1を低下させて記録媒体を破壊し
てしまわぬようにする等、記録媒体の種類に応じて圧力
P1を調整する。また、例えば定着工程が待機状態とな
っているときには、圧力P1を解除し、一次定着部で圧
接状態にある一次定着部材の永久変形等を防ぐ。
【0020】請求項7の画像形成装置は、熱可塑性の物
質を含有する像形成物質を用いて記録媒体上に画像を形
成する画像形成手段と、該画像を該記録媒体上に定着さ
せる画像定着手段とを有する画像形成装置において、上
記画像定着手段として、請求項1,2,3,4,5又は
6の画像定着装置を用いることを特徴とするものであ
る。
【0021】請求項7の画像形成装置においては、記録
媒体上に形成した画像を請求項1,2,3,4,5又は
6の画像定着装置を用いて定着することによって、画像
の定着性を維持しつつ画像形成装置内の画像定着装置に
かかるウォームアップ時間を短縮させる。これによっ
て、画像形成装置全体のウォームアップ時間を短縮させ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を画像形成装置であ
る湿式電子写真複写機と乾式電子写真複写機に適用した
実施形態1と2について説明する。
【0023】〔実施形態1〕図1は実施形態1にかかる
湿式電子写真複写機(以下、湿式プリンタという)の概
略構成図である。図において、湿式プリンタは、画像形
成手段として4つの画像形成ユニット1Y、1M、1
C、1Bkを備えている。また、転写装置60や画像定
着手段としての画像定着装置(以下、単に定着装置とい
う)100も備えている。
【0024】まず、これら装置のうち、画像形成ユニッ
ト1について説明する。上記画像形成ユニット1Y、1
M、1C、1Bkは、イエロー画像、マゼンタ画像、シ
アン画像、ブラック画像を形成するものであり、それぞ
れ、感光体ドラム10、帯電装置20、図示しないレー
ザー書き込みユニット、現像装置40、ドラムクリーニ
ングブレード50、除電ランプ51などを備えている
(以下、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローをそれ
ぞれBk、C、M、Yと記す)。
【0025】上記感光体ドラム10は、図示しない駆動
手段によって図中矢印方向に回転駆動されるように構成
され、この感光体ドラム10の周囲に、上記帯電装置2
0、現像装置40、ドラムクリーニングブレード50、
除電ランプ51が配設されている。
【0026】上記感光体ドラム10表面はその回転移動
に伴い、帯電装置20によって一様に帯電せしめられた
後、上記レーザー書き込みユニットからレーザー光30
が照射されてY、M、C又はBk用静電潜像を担持す
る。これら静電潜像は、液体現像剤を用いる現像装置4
0によって感光体ドラム10上でY、M、C又はBk画
像に現像された後、後述の中間転写ベルト上に転写され
る。転写終了後の感光体ドラム10表面は、ドラムクリ
ーニングブレード50によって未転写の液体現像液が除
去された後、除電ランプ51によって除電される。
【0027】画像形成ユニット1Y、1M、1C、1B
kの各現像装置40は、それぞれ、溶媒としての100
[cSt]の粘度のジメチルポリシロキサンオイル中に
Y、M、C、Bkトナーが分散された液体現像剤を用い
て、上記Y、M、C、Bk用静電潜像を上記Y、M、
C、Bk画像に現像する。
【0028】有色粒子であるこれらY、M、C、Bkト
ナーは、それぞれ、50[℃]で軟化を開始する熱可塑
性物質としての変性エポキシ系樹脂に、有色微粒子であ
る着色顔料(ジスアゾイエロー、キナクリドン、銅フタ
ロシアニン又はカーボンブラック)、電荷制御剤及び分
散剤が配合されたものである。その平均粒径は約3[μ
m]に調整されている。
【0029】各現像装置40の基本的な構成は次の通り
である。即ち、現像装置40は、液体現像剤18を収容
する現像剤タンク42、感光体ドラム10表面に接する
ように配設された現像ローラ41、塗布ローラ43、除
去ブレード44などを備えている。
【0030】上記塗布ローラ43は、現像剤タンク42
から汲み上げた液体現像剤18を現像ローラ41表面に
塗布する。この塗布により、現像ローラ41上には均一
な厚みの現像液薄層が形成される。現像ローラ41に
は、図示しない電源によって正極性の現像バイアスが印
加されている。
【0031】上記現像ローラ41と感光体ドラム10と
の当接位置である現像領域まで搬送された上記現像液薄
層中のトナー(正極性)のうち、感光体ドラム10の静
電潜像との対向位置にあるものは、現像バイアスが印加
される現像ローラ41表面から静電潜像に向けて電気泳
動する。また、感光体ドラム10の地肌部(非潜像部
分)との対向位置にあるものは、現像ローラ表面に向け
て電気泳動する。これらの電気泳動により、感光体ドラ
ム10上の静電潜像には、液体現像剤18が付着する。
【0032】現像終了後の現像ローラ41に残留する上
記現像液薄層は、上記除去ブレード44によってローラ
表面から除去され、重力によって現像剤タンク42内部
に戻る。
【0033】次に、上記転写装置60について説明す
る。この転写装置60は、中間転写ベルト61、駆動ロ
ーラ62、二次転写バイアスローラ63、2つの張架ロ
ーラ64、65、4つの1次転写バイアスローラ66、
67、68、69、ベルトクリーニングローラ70、ロ
ーラクリーニングブレード71、二次転写押圧ローラ7
2などを備えている。
【0034】無端状に形成された上記中間転写ベルト6
1は、カーボン粉末が分散された中抵抗の導電性ゴム
に、ベルト表面の平滑性を向上させるためのフッ素系樹
脂が表面コートされた無端状のベルトである。この中間
転写ベルト61は、駆動ローラ62、二次転写バイアス
ローラ63、2つの張架ローラ64、65によって張架
されながら、駆動ローラ62の回転駆動によって図中矢
印方向に無端移動せしめられる。この無端移動により、
中間転写ベルト61表面は画像形成ユニット1Y、1
M、1C、1Bkの感光体ドラム10に順次接触する。
【0035】上記1次転写バイアスローラ66、67、
68、69は、それぞれ中間転写ベルト61をその裏面
から画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Bkの感光
体ドラム10に向けて押圧するように配設されており、
1次転写ニップを形成する。このような1次転写ニップ
を形成する1次転写バイアスローラ66、67、68、
69には、図示しない電源によって負極性の一次転写バ
イアスが印加される。この1次転写バイアスの印加によ
り、各1次転写ニップには1次転写電界が形成される。
感光体ドラム上で現像された上記Y画像、M画像、C画
像、Bk画像は、上述のように正極性に帯電したYトナ
ー、Mトナー、Cトナー、Bkトナーを極めて高濃度に
含んでおり、1次転写ニップにおける上記1次転写電界
やニップ圧などの作用によって中間転写ベルト61上に
1次転写される、この1次転写は、中間転写ベルト61
表面に上記Y画像、M画像、C画像、Bk画像が順次重
ね合わせて転写されるように行われ、このような重ね合
わせの転写によって中間転写ベルト61上にはフルカラ
ー画像が形成される。
【0036】上記二次転写バイアスローラ63は、図示
のように正極性の二次転写バイアスが印加され、中間転
写ベルト61を介して二次転写押圧ローラ72に押圧さ
れている。この押圧により、両ローラ間には二次転写ニ
ップが形成されている。中間転写ベルト61上に形成さ
れた上記フルカラー画像は、ベルトの無端移動に伴って
この二次転写ニップに進入する。一方、図示しない給紙
手段は、記録媒体としての記録紙200を、フルカラー
画像に重ね合わせ得るタイミングで二次転写ニップに向
けて送り出す。二次転写ニップでは、二次転写バイアス
の影響によって形成される二次転写電界やニップ圧の作
用で、中間転写ベルト61上のフルカラー画像が記録紙
200上に二次転写される。
【0037】上記ベルトクリーニングローラ70は、接
地された上記駆動ローラ62との間に中間転写ベルト6
1を挟み込むように配設され、ベルトの画像転写面に接
触した状態で負極性のクリーニングバイアスが印加され
る。二次転写終了後の中間転写ベルト61表面に残留す
る未転写の液体現像剤18は、このクリーニングバイア
スの影響によってクリーニングローラ70上に移動す
る。そして、ローラクリーニングブレードによってクリ
ーニングローラ70から除去される。
【0038】上記二次転写ニップを通過した記録紙20
0は、上記定着装置100内でフルカラー画像が定着せ
しめられた後、機外へと排出される。
【0039】次に、上記湿式プリンタに本発明の特徴的
な構成を備える上記定着装置100を用いた実施例1〜
4について説明する。
【0040】〔実施例1〕図2は、実施例1にかかる定
着装置100の概略構成を示す平面図である。図におい
て、定着装置は、記録紙を搬送方向上流側で挾持する一
次定着手段としての一次定着部110と一次定着部11
0を通過しその挾持から開放されたところを再び挾持す
る二次定着手段としての二次定着部120とからなって
いる。一次定着部110は、一次定着ローラ111と加
圧ローラ115とからなる一次定着部材によって構成さ
れ、二次定着部120は、二次定着ローラ121と定着
搬送ベルト125とからなる二次定着部材によって構成
され、一次定着ローラ111と加圧ローラ115とのニ
ップ部、二次定着ローラ121と定着搬送ベルト125
とのニップ部でそれぞれ記録紙を挾持搬送しながら画像
を定着するようになっている。
【0041】一次定着部110について説明する。一次
定着ローラ111は、芯金として外径φ60mmのアル
ミニウムを用い、その表層を陽極酸化処理したものに、
陽極酸化処理によりアノード酸化皮膜を30μmの厚さ
で形成し、最終的にフッ素樹脂含浸によって封孔処理を
して使用した。加圧ローラ115は、芯金115aとし
て外径φ54mmのステンレスを用い、その表層に厚み
3mmのエピクロロヒドリンゴム層115bを設けた。
一次定着ローラ111に対して加圧ローラ115を押圧
し、定着ローラ表面移動方向に5mm、幅方向に320
mmのニップ領域を形成し、その加圧力p1が約2MP
aとなるようにした。また、一次定着ローラ111の表
面線速を150mm/sとし、一次定着ローラ111と
加圧ローラ115にはどちらも加熱装置を設けず、両者
の温度T1は室温付近のままにした。
【0042】二次定着部120について説明する。二次
定着ローラ121は、芯金として外径φ40mm、肉厚
が0.7mmのアルミニウムを用い、その表層に50μ
mの厚さでPFA(テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体)層を設けた。そ
の内部には加熱手段としての1000wのハロゲンラン
プ122を配設している。定着搬送ベルト125は、厚
み0.3mmのステンレスベルトの表層に厚み0.2m
mのシリコーンゴム層を設けた無端状のベルトで、2箇
所でローラ126a、bで張架し、二次定着ローラ12
1に対して、定着搬送ベルト表面移動方向に22mm、
幅方向に320mmのニップ領域を形成し、その加圧力
P2が約20kPaとなるようにした。また、二次定着
ローラ121の表面線速を150mm/s、温度T2を
95℃にした。
【0043】図3(a)〜(c)は、記録紙上に画像が
定着されていく様子を示した説明図である。図3(a)
に示すように、フルカラー画像が二次転写された直後
は、着色微粒子としてのトナーTがキャリア中に抱きこ
まれた状態となっており、トナーと記録紙との密着度が
さほど高い状態ではない。このような状態の記録紙20
0が、先ず一次定着部110の一次定着ローラ111と
加圧ローラ115との間に向けて搬送され、両ローラ間
に約2MPaの圧力で挟まれる。図3(b)に示すよう
に、一次定着部110での加圧作用によってトナーの一
部が記録紙の繊維中に押し込まれ、またトナー同士の凝
集度が高まった状態となる。同時に、画像中に存在して
いたキャリア成分も加圧の作用によって記録紙の繊維中
に浸透し、トナー粒間に介在している溶媒分も限りなく
減少する。この状態になると、次の二次定着部120で
は特に大きな加圧力を加えなくとも供給される熱エネル
ギーのみによってトナー同士、或いはトナーと記録紙と
が結合しやすくなる。この状態の記録紙を二次定着部1
20の二次定着ローラ121と定着搬送ベルト125と
の間に向けて搬送する。二次定着部120では、所定の
温度に立ち上げるためにハロゲンランプ122がONさ
れ、ウォームアップが開始されている。そして約20秒
程度かけて所定の温度に立ち上がった後、二次定着ロー
ラ121と定着搬送ベルト125との間に記録紙が挾持
搬送される。このようにして挟まれた記録紙200上の
フルカラー画像中の各色トナーは、二次定着ローラ12
1によって加熱せしめられて溶融し、図3(c)に示す
ように記録紙200に定着せしめられる。
【0044】以上実施例1の定着装置においては、一次
定着装置によってトナー同士を圧縮しトナーと記録紙と
の密着性を高めているため、二次定着部120では大き
な力で加圧しなくても加熱によってトナーを溶融し、良
好に定着させることができる。よって、二次定着ローラ
121に要求される機械的強度を十分低減させることが
でき、二次定着ローラ121の熱容量も十分に小さくす
る事ができた。その結果、従来同様の定着効果を得るた
めには数分かかっていたウォームアップ時間が、本実施
例1では20秒程度で完了させることができ、しかも定
着性を良好に維持することができた。
【0045】以上の実施例1の例では、トナーやキャリ
アの材料の選択を含む現像剤の設計条件及び、記録紙上
に形成されるトナー画像の形成条件次第ではさらに低温
での定着が可能であり、同時にウォームアップ時間を短
縮する事が可能と思われる。
【0046】〔実施例2〕図4は、実施例2にかかる定
着装置の概略構成を示す平面図である。この定着装置
も、実施例1と同じく一次定着部110と二次定着部1
20とからなっており、それぞれの材質も同じものを用
いている。また、トナーがキャリア中で保持する電荷極
性は、正の極性となっている。実施例1と異なる点は、
一次定着部110の一次定着ローラ111芯金から加圧
ローラ芯金115aに向けて500μAのバイアス電流
を流すための電荷形成手段としての一次定着バイアス電
源116を設けたことである。
【0047】以上の装置において、一次定着ローラ11
1と加圧ローラ115間に流される電流によって、正電
荷を保持するトナーを記録紙側に押さえつけるような向
きの1方向力が形成される。これにより、トナーが記録
紙の構造内のさらに深層にまで押し込まれ、且つトナー
と記録紙との密着性及びトナー同士の凝集度を高める事
ができる。同時に、トナーの一次定着ローラ111への
静電的な付着力を十分に低減する事ができる。
【0048】その結果、実施例1における加圧作用のみ
の一次定着機構では極微少量のトナーが一次定着ローラ
111に付着してしまう恐れがあるのに対して、本実施
例2においては一次定着ローラ111へのトナーの付着
をほぼ皆無とする事ができる。尚、実施例1において
は、図2には図示を省略したが一次定着ローラ表面をク
リーニングする一次定着ローラクリーニング手段を設
け、トナーの付着を防止している。
【0049】以上により、二次定着工程においては特に
大きな加圧力を必要とすることなく、供給される熱エネ
ルギーのみによってトナー同士もしくはトナーと記録紙
との結合をより確実に形成する事が可能となる。
【0050】〔実施例3〕図5は、実施例3にかかる定
着装置の概略構成を示す平面図である。この定着装置
も、実施例1、2と同じく一次定着部110と二次定着
部120とからなっており、一次定着部110は実施例
1、2と同じものを用いている。また、トナーがキャリ
ア中で保持する電荷極性も正の極性となっている。
【0051】二次定着部120について説明する。この
二次定着ローラ121は、芯金として外径φ40mm、
肉厚が0.7mmのアルミニウムを用い、その表層に5
0μmの厚さで体積低効率が1012ΩcmのPFA層
を設けた。
【0052】更に、二次定着ローラ121の周面に接触
するように、3つのバックアップローラ127a、b、
cが設けられている。バックアップローラ127a、
b、cは、芯金128a、b、cとして外径φ8mmの
ステンレスを用い、その表層に厚み3mmのエピクロロ
ヒドリンゴム層129a、b、cを設けた。二次定着ロ
ーラ121に対してバックアップローラを押圧し、二次
定着ローラ表面移動方向に22mm、幅方向に320m
mの記録紙200と二次定着ローラとの接触領域を確保
し、その加圧力がバックアップローラ1本当たり約40
kPaとなるようにした。
【0053】そして、この二次定着ローラ芯金からバッ
クアップローラ芯金に向けて500μAの二次定着バイ
アス電流を流すための電荷形成手段としての二次定着バ
イアス電源130を設けた。
【0054】以上の構成の定着装置に到達した記録紙
は、一次定着部110ではトナーと記録紙との密着性及
びトナー同士の凝集度が高められて二次定着部120に
搬送される。
【0055】そして、実施例3においては、二次定着部
120で挾持する記録紙200上のフルカラー画像中の
各色トナーが、二次定着ローラ121によって加熱され
溶融されると共に、二次定着バイアス電流の影響で静電
的に記録紙200表面に引き寄せられながら記録紙20
0に定着される。このように、二次定着部120におい
て、各色トナーを溶融させながら静電的に移動させるこ
とで、二次定着ローラ121や周辺部材へのトナーの付
着を略皆無とすることができる。これは、二次定着ロー
ラ121をクリーニングするためのクリーニング部材を
設けなくて済むという装置簡素化の効果もある。
【0056】〔実施例4〕図6及び図7は、実施例4に
かかる定着装置の概略構成を示す平面図である。図6に
示すように、この定着装置の一次定着部110と二次定
着部120は、実施例3の構成に加えて、実施例2と同
様に、一次定着部110の一次定着ローラ111芯金か
ら加圧ローラ芯金115aに向けても500μAの一次
定着バイアス電流を流している。
【0057】これによって、一次定着部110では実施
例2と同様に、一次定着ローラ111へのトナーの付着
をほぼ皆無とすることができると共に、二次定着部12
0でも実施例3と同様に、二次定着ローラ121や周辺
部材へのトナーの付着を略皆無とすることができる。更
に、実施例4の定着装置には、一次定着部110の圧力
P1を調整する圧力調整手段としての圧力調整機構14
0を設けている。
【0058】圧力調整機構について図7を用いて説明す
る。この圧力調整機構は、一端が一次定着部110の加
圧ローラ回転軸115bに連結され、他端近傍が上方か
らは本体側に取り付けられたスプリング141によって
押下され長手方向中央部を支点143として本体側に回
転可能に支持されている加圧アーム150と、スプリン
グ141で押下されている側とは反対の下方から加圧ア
ーム150に接触する偏心カム142とから構成してい
る。偏心カム142には図示を省略した回転駆動部材が
設けられており、偏心カム142を回転することによっ
て、加圧アーム150の傾きを変化させ、加圧ローラ1
15の一次定着ローラ111への当接圧力P1を変化可
能にしている。以下に、上記構成を利用して当接圧力P
1を変化させる具体例について説明する。
【0059】一次定着ローラ111を回転駆動していな
いとき、偏心カム142を回転変位させて加圧アーム1
50の偏心カム142が接する側を押し上げ、結果的に
加圧ローラ回転軸を押し下げさせる。このようにするこ
とによって、加圧ローラ115の一次定着ローラ111
への加圧力を開放させる。これによって、一次定着ロー
ラ111が回転していないときに一次定着ローラ111
の決まった領域が長時間加圧ローラ115に圧接されて
局所的な永久変形が生じてしまうことを防止できる。
【0060】また、記録紙としてエンボス紙等の加圧に
よって質感を損ねてしまうと判断されるような材質のも
のを用いるときにも、偏心カム142を回転変位させて
一次定着部110での圧力P1を低下させる。これによ
って、記録紙200の質感を損ねることなく画像の定着
を行うことができる。
【0061】但し、一次定着部110の圧力P1を低下
させるために定着性が低下してしまう恐れもある。この
低下した定着性を補うために、一次定着部110のプロ
セス線速を遅くしたり、二次定着部120の温度T2を
若干高めに設定するなどの方法によって対応することが
可能である。
【0062】〔実施形態2〕本発明を画像形成装置であ
る乾式カラー画像形成装置(以下、乾式プリンタとい
う)に適用した一実施形態について説明する。図8は、
乾式プリンタ200の概略構成図である。この装置に
は、電子写真方式によるカラー画像形成プロセスでカラ
ー画像を形成するための画像形成ユニットA、B、C、
Dが設けられている。各画像形成ユニットは、後述する
ような感光体ドラム10、転写ローラ、露光装置、帯電
ローラ、現像ユニット、クリーニングユニット、除電ラ
ンプ、などをそれぞれ備えている。また、各画像形成ユ
ニットA、B、C、Dは、その感光体ドラム10上に、
それぞれ印字色の異なるイエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の画像を形成
するように構成されている。これらの感光体ドラム10
は、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の高硬度
の材料によって表面が被覆されている。また、各感光体
ドラム10は、それぞれの周面の一部が、各画像形成ユ
ニットA、B、C、Dの筺体の開口部から露出し、且
つ、それぞれの露出部が、ほぼ鉛直方向の同一平面に対
して、下方からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シア
ン(C)、ブラック(Bk)用の感光体ドラム10の順
に位置するようにそれぞれ回転自在に配置されている。
【0063】一方、各画像形成ユニットA、B、C、D
の側方には、各感光体ドラム10の露出部の周面に接触
するように、駆動ローラ206aと従動ローラ206b
とによって回転自在に張架された転写ベルト207が配
設されている。この転写ベルト207は、例えば、ポリ
エチレンテレフタレートなどの誘電体により形成され、
転写手段としての転写チャージャ208によって分極さ
れて記録紙200を静電作用により吸引するエンドレス
のベルトで構成されている。前記転写チャージャ208
は各感光体ドラム10に1つずつ対応するように設けら
れ、それぞれ転写ベルト207を挟んで感光体ドラム1
0に対向配置されている。
【0064】また、各感光体ドラム10の側方には、そ
れぞれの感光体ドラム10上に各色毎の静電潜像を書き
込むための潜像書き込みユニット209が設けられてい
る。この潜像書き込みユニット209としては、例え
ば、スキャナなどによって色分解された画像情報に対応
する光信号を半導体レーザから出射させ、回転駆動され
るポリゴンミラーにより該レーザ光を走査し、該レーザ
光の走査光路中に配設された収束用及びポリゴンミラー
の面倒れ補正用のレンズやレーザ光を偏向するミラーな
どを通して、感光体ドラム10上に色分解された画像情
報に対応する光信号を書き込むものを用いることができ
る。更に、各感光体ドラム10のそれぞれの外周には、
現像手段としての乾式の現像ユニットY,M,C,B
k,と、図示を省略した帯電チャージャ、各感光体ドラ
ム10上から残留トナーを除去するためのクリーニング
ユニット、除電ランプなどが配設されている。
【0065】一方、図1において、転写ベルト207の
回転方向上流側(最下位に位置する感光体ドラム10の
下部側)には、給紙カセット217に収納された記録紙
200を一枚ずつ分離給送するための給紙ローラ219
と、該給紙ローラ219により給送された記録紙200
を、転写ベルト207の手前で一旦待機させた後、感光
体ドラム10上に形成された黄色画像の先端と該記録紙
200の先端とを所定のタイミングで給送させるための
レジストローラ220とが設けられている。また、転写
ベルト207の回転方向下流側の駆動ローラ6aの上部
には、定着装置100も設けられている。また、該定着
装置100の記録紙搬送方向の下流側には、記録紙20
0を排紙トレイ227に排出するための互いに圧接回転
する一対の排紙ローラ228が設けられている。
【0066】上述の現像ユニットYには黄色画像を形成
するためのイエロー現像剤が、現像ユニットMには赤色
画像を形成するためのマゼンタ現像剤が、また、現像ユ
ニットCには青色画像を形成するためのシアン現像剤
が、更に、現像ユニットBkには黒色画像を形成するた
めのブラック現像剤が、それぞれ収容されている。
【0067】これら現像剤は、熱可塑性の有色微粒子で
ある75[℃]で軟化を開始する変性エポキシ系樹脂に、
着色顔料を配合したものである。この平均粒径は約7
[μm]となっている。
【0068】また、各カラー現像ユニットY,M,C,
Bkは、感光体ドラム10表面に接するように設けられ
た現像ローラ231、現像剤を撹拌して感光体ドラム1
0表面の極性と反対の所定の極性に帯電させるためのア
ジテータ(図示せず)、及び、該現像ローラ231上に
供給されたトナーを薄層化するためのドクタ(図示せ
ず)などをそれぞれ備えている。
【0069】このような構成において、各感光体ドラム
10には、周知のカラー画像形成プロセスによって、そ
れぞれ印字色が異なる画像が形成される。ここでは、図
1において最下位に位置する感光体ドラム10に対する
画像形成プロセスについてのみ説明する。
【0070】まず、感光体ドラム10は回転中に帯電ロ
ーラ(図示せず)からの電荷により一様に帯電される。
次いで、イエロー(黄色)の印字色に色分解された画像
情報に基づいて前記露光装置が駆動され、これにより、
この感光体ドラム10の帯電部分に静電潜像としてのイ
エロー潜像が形成される。このイエロー潜像はイエロー
現像ユニットYのイエロー現像剤により現像されて黄色
トナー像となる。
【0071】一方、給紙ローラ219により給紙カセッ
ト217から引き出された記録紙200は、その先端が
レジストローラ220のニップ部に当接した状態で待機
状態に維持され、レジストローラ20と転写ベルト20
7により転写位置に搬送され、該転写位置で感光体ドラ
ム10上の黄色トナー像が記録紙200に転写される。
同様の原理により、次にマゼンタ、シアン、ブラックの
トナー像が感光体ドラム10に形成され記録紙200に
重ね転写されてカラー画像が得られる。このようにして
各色画像が順次重ねて転写された記録紙200は、転写
ベルト207から分離され、定着装置100内でフルカ
ラー画像が定着された後、排紙ローラ28により排紙ト
レイ27上に排紙される。
【0072】次に、上記乾式プリンタに本発明の画像定
着装置を用いた実施例5について説明する。
【0073】〔実施例5〕上記乾式プリンタの定着装置
100の構成について説明する。この定着装置100
は、実施例1と同様に、一次定着部110が、一次定着
ローラ111と加圧ローラ115とからなる一次定着部
材によって構成され、二次定着部120が、二次定着ロ
ーラ121と定着搬送ベルト125とからなる二次定着
部材によって構成され、一次定着ローラ111と加圧ロ
ーラ115とのニップ部、二次定着ローラ121と定着
搬送ベルト125とのニップ部でそれぞれ記録紙を挾持
搬送しながら画像を定着するようになっている。
【0074】尚、一次定着部110の構成は、実施例1
と同じなので、説明を省略する。二次定着部120につ
いては、二次定着ローラ121の表面温度を実施例1で
は95℃にしていたのに対して、実施例5では120℃
にしている。
【0075】図9(a)〜(c)は、実施例5におい
て、記録紙上に画像が定着されていく様子を示した説明
図である。図9(a)に示すように、フルカラー画像が
二次転写された直後は、着色微粒子としてのトナーT同
士、或いはトナーと記録紙との密着度がさほど高い状態
ではない。このような状態の記録紙200が、先ず一次
定着部110の一次定着ローラ111と加圧ローラ11
5との間に向けて搬送され、両ローラ間に約2MPaの
圧力で挟まれる。図9(b)に示すように、一次定着部
110での加圧作用によってトナーの一部が記録紙の繊
維中に押し込まれ、またトナー同士の凝集度が高まった
状態となる。また、トナー同士の凝集密度も高まる。こ
の状態になると、次の二次定着部120では特に大きな
加圧力を加えなくとも供給される熱エネルギーのみによ
ってトナー同士、或いはトナーと記録紙とが結合しやす
くなる。この状態の記録紙を二次定着部120の二次定
着ローラ121と定着搬送ベルト125との間に向けて
搬送する。二次定着部120では、所定の温度に立ち上
げるために1000Wのハロゲンランプ122がONさ
れ、ウォームアップが開始されている。このとき、二次
定着部120の熱容量を十分低くできるため、約40秒
程度のウォームアップ時間で所定の温度に立ち上げるこ
とができる。そして、二次定着ローラ121と定着搬送
ベルト125との間に記録紙が挾持搬送され、記録紙2
00上のフルカラー画像中の各色トナーは、二次定着ロ
ーラ121によって加熱されて溶融し、図9(c)に示
すように記録紙200に定着される。
【0076】以上実施例5のように、乾式プリンタに本
発明の定着装置を用いた場合においても、実施例1と同
様に、二次定着ローラ121に要求される機械的強度を
十分低減させることができ、二次定着ローラ121の熱
容量も十分に小さくする事ができた。その結果、従来同
様の定着効果を得るためには数分かかっていたウォーム
アップ時間が、本実施例5では40秒程度で完了させる
ことができ、しかも定着性を良好に維持することができ
た。
【0077】以上、実施例5は、乾式プリンタに実施例
1の構成を適用させたものであるが、上記実施例2乃至
4の構成を適用させても、同様の効果をそれぞれの実施
例に対応する効果と同様の効果を得ることができる。
【0078】更に、上記乾式プリンタにおいても、トナ
ー材料の選択を含む現像剤の設計条件及び、記録紙上に
形成されるトナー画像の形成条件次第ではさらに低温で
の定着が可能であり、同時にウォームアップ時間を短縮
する事が可能と思われる。
【0079】尚、上記実施形態1及び2のプリンタは、
どちらもカラープリンタを例に説明したものであるが、
本発明が適用できるのは、これらの構成に限るものでは
なく、モノクロ画像形成用のプリンタ等にも適用するこ
とができる。ただ、上記実施形態1及び2のプリンタの
ように、着色微粒子からなるカラートナーの各色画像を
順次重ね合わせて1つの画像を形成しこの重ね合わせ画
像を記録紙上に担持させたものを、定着部において加熱
溶融し、下層から上層までの各色トナーを均一化するこ
とで所望のカラー画像が得られるものにおいては特に有
効である。
【0080】
【発明の効果】請求項1乃至6の画像定着装置によれ
ば、加熱と加圧によって画像を定着させる画像定着装置
を一次定着手段と二次定着手段との二段階で構成するこ
とにより、画像の定着性を維持しつつウォームアップ時
間を短縮できるという優れた効果がある。また、一次定
着手段は主に像形成物質層の圧縮を行うためのものなの
で、積極的に加熱する必要はなく、一次定着部を加熱す
るためのエネルギーは低く押さえることができる。ま
た、二次定着部を加熱するウォームアップ時間を短縮す
ることができる。これらのことから、1つの工程で加熱
と加圧を行って画像の定着を行う構成の画像定着装置に
比して低消費エネルギーを実現できるという優れた効果
もある。
【0081】請求項2の画像定着装置によれば、一次定
着手段には加熱手段を設けていないので、一次定着手段
に加熱手段を設けている場合に比して消費電力を低減す
ることができるという優れた効果がある。また、一次定
着部材は熱容量を気にせずに機械的な強度を上げること
ができ、像形成物質をより確実に圧縮することができる
という優れた効果もある。
【0082】請求項3の画像定着装置によれば、一次定
着を行う部材や一次定着を行う位置周辺の部材の像形成
物質による汚染を防止することができ、高画質での定着
が可能となるという優れた効果がある。また、像形成物
質と記録媒体との間もしくは像形成物質同士の密着力が
高まった場合は、二次定着手段による加熱定着の効率を
高める事ができるという優れた効果もある。
【0083】請求項4の画像定着装置によれば、二次定
着部材や二次定着部周辺の部材の像形成物質による汚染
を防止することができ、高画質での定着が可能となると
いう優れた効果がある。特に、一次定着部材やその周辺
の部材の像形成物質による汚染を防止することができる
請求項3に従属する態様では、一次定着部及び二次定着
部ならびに両定着部周辺の部材の汚染を防止することが
でき、より高画質での定着が可能となるという優れた効
果がある。
【0084】請求項5の画像定着装置によれば、加圧力
に加えて電気的な作用によって、像形成物質を記録媒体
側に確実に押さえつけることができるという優れた効果
がある。
【0085】請求項6の画像定着装置によれば、必要に
応じて一次定着手段の圧力P1を調整できるので、一次
転写をより良好に行うことができるという優れた効果が
ある。
【0086】請求項7の画像形成装置によれば、画像の
定着性を維持しつつウォームアップ時間を短縮できると
いう優れた効果がある。また、画像定着装置にかかる消
費エネルギーを低く抑えることができるため、画像形成
装置全体の消費エネルギーを低く抑えることができると
いう優れた効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1にかかる湿式プリンタの概略構成
図。
【図2】実施例1にかかる定着装置の概略構成を示す平
面図。
【図3】(a)(b)(c)は、湿式プリンタにおいて
記録紙上に画像が定着されていく様子を示した説明図。
【図4】実施例2にかかる定着装置の概略構成を示す平
面図。
【図5】実施例3にかかる定着装置の概略構成を示す平
面図。
【図6】実施例4にかかる定着装置の概略構成を示す平
面図。
【図7】実施例4にかかる圧力調整機構の説明図。
【図8】実施形態2にかかる乾式プリンタの概略構成
図。
【図9】(a)〜(c)は、乾式プリンタにおいて記録
紙上に画像が定着されていく様子を示した説明図。
【符号の説明】
1 画像形成ユニット 10 感光体ドラム 18 液体現像剤 20 帯電装置 40 現像装置 41、231 現像ローラ 51 除電ランプ 60 転写装置 62 駆動ローラ 100 定着装置 101 加熱ローラ 102 押圧ローラ 110 一次定着部 111 一次定着ローラ 115 加圧ローラ 116 一次定着バイアス電源 120 二次定着部 121 二次定着ローラ 122 ハロゲンランプ 125 定着搬送ベルト 130 二次定着バイアス電源 140 圧力調整機構 141 スプリング 150 加圧アーム 200 記録紙

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性の像形成物質によって形成された
    画像を担持する記録媒体に所定の温度及び所定の圧力を
    加えることによって、該像形成物質を溶融し該記録媒体
    上に定着させる画像定着装置において、 上記画像定着装置を、上記画像を担持する記録媒体に、
    所定の温度T1及び所定の圧力P1を加える一次定着手
    段と、該一次定着手段で所定の温度T1及び所定の圧力
    P1が加えられた後の該記録媒体に、所定の温度T2及
    び所定の圧力P2を加える二次定着手段とから構成し、
    T1とT2との関係及び、P1とP2との関係が、 T1<T2 P1>P2 を満たすことを特徴とする画像定着装置。
  2. 【請求項2】請求項1の画像定着装置において、 上記二次定着手段のみに加熱手段を設けたことを特徴と
    する画像定着装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の画像定着装置において、 上記一次定着手段に、上記記録媒体側に向かって上記像
    形成物質を押さえつけるような1方向の力を発生させる
    1方向力発生手段を設けたことを特徴とする画像定着装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1,2又は3の画像定着装置におい
    て、 上記二次定着手段に、上記記録媒体側に向かって上記像
    形成物質を押さえつけるような1方向の力を発生させる
    1方向力発生手段を設けたことを特徴とする画像定着装
    置。
  5. 【請求項5】請求項3又は4の画像定着装置において、 上記1方向力発生手段を、上記記録媒体側に向かって上
    記像形成物質を押し付けるような向きの電界を形成する
    電界形成手段によって構成したことを特徴とする画像定
    着装置。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4又は5の画像定着装
    置において、 上記一次定着手段の上記圧力P1を調整する圧力調整手
    段を設けたことを特徴とする画像定着装置。
  7. 【請求項7】熱可塑性の物質を含有する像形成物質を用
    いて記録媒体上に画像を形成する画像形成手段と、該画
    像を該記録媒体上に定着させる画像定着手段とを有する
    画像形成装置において、 上記画像定着手段として、請求項1,2,3,4,5又
    は6の画像定着装置を用いることを特徴とする画像形成
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6850727B2 (en) * 2002-03-19 2005-02-01 Fuji Xerox Co., Ltd. Image-forming apparatus with standard and gloss fixing devices
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JP2012247772A (ja) * 2011-05-25 2012-12-13 Xerox Corp 下地媒体を操作するための画像固定

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