JP2009186518A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加熱加圧することによってトナー像を記録媒体に定着させる定着装置であって、記録媒体に対する高いトナー定着性を維持した状態で、記録媒体に加える熱量および圧力を下げて、定着オフセットを低減することが可能な定着装置を提供する。
【解決手段】 加熱される定着ローラ102と、定着ローラ102に圧接する加圧ローラ103と、電圧が印加されることによって自ら振動して定着ローラ102を振動させる超磁歪素子105とを含む定着装置とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、帯電状態にある感光体表面に、画像情報に基づく信号光を露光して静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成し、このトナー像を記録媒体に転写して定着させることによって、画像が形成される。
そして、トナー像の記録媒体への定着には、たとえば、定着ローラ(定着加熱ローラ)と、定着ローラに圧接する加圧ローラとを含む加熱加圧定着装置が用いられ、定着ローラと加圧ローラとの圧接部に記録媒体が導入され、加熱加圧することによってトナー像が記録媒体に定着される。このとき、定着ローラの表面に記録媒体が巻き付き、定着ローラが動作不良を起こすことがあるため、これを防止する目的で、定着ローラの表面に軽く接触するように用紙剥離爪が設けられている。
印字速度の高速化に対して、加熱加圧定着装置としては、熱量を増やす、もしくは圧力を増やして記録媒体への定着ローラ接触幅(以下、ニップと言う)を増やす方法が取られるが、熱量を増やすことは、近年のエネルギー削減に対して逆行し、また熱量を増やすと排出された記録媒体が熱く、容易に人の手で触れることができないという問題が生じ、このため、排出された記録媒体を冷却ファンなどで冷やす方法をとることも要求される。
また、熱量を増やし、ニップを増やすことは、記録媒体上のトナーが定着ローラに転写する(以下、定着オフセットと言う)という問題の要因となる。最近のカラー印刷においては、各色(イエロー、マゼンダ、シアン、黒)のトナーが記録媒体上に積層されるため、黒トナー1色のトナー積層厚みが約14μmであるのに対して、カラー3色で黒が形成されたときの積層厚みは、約40μm(空気を含むトナー積層厚)になり、粒径6μmのトナーを定着ローラ表面の熱で定着するには、熱量を上げるとともに圧力を高めて、断熱の高い空気を抜いて、定着ローラへの接触距離を小さくし、この積層トナーを記録媒体に定着させる必要がある。すなわち、特にカラー印刷においては定着オフセットが発生しやすいので、トナーへのワックス添加や、定着ローラに対するフッ素系チューブの採用で、定着オフセットの発生領域を下げているのが実状である。また、定着前のトナーは、空気も含んだ量であることから、黒一色に比べてカラー印刷においては、さらに大きな熱量と圧力とが必要である。
加えて、記録媒体の用紙は、繊維の粗いものやコート紙のように表面の良いものまで種々あるが、上述のごとく用紙へのトナー定着は、繊維の粗いものは密度が粗い分だけ余計に熱量と加圧を必要とする。
たとえば、特許文献1,2には、トナー定着性を改善するために、圧力定着方式で、ローラに振動を加えて定着させる定着装置および定着方法が提案されている。
実開昭60−36663号公報 特開昭62−59985号公報
特許文献1,2に開示される定着方式のように、定着時にローラに振動を加えることによって、トナー定着性を改善することができる。しかしながら、圧力定着方式のように、定着時に熱を加えない場合には、トナーをつぶす加圧を大きくする必要があるので、振動をローラに加えてもローラが実質振動できなくなる場合がある。
したがって本発明の目的は、加熱加圧することによってトナー像を記録媒体に定着させる加熱加圧定着方式において、記録媒体に対する高いトナー定着性を維持した状態で、記録媒体に加える熱量および圧力を下げて、定着ローラへのトナー付着である定着オフセットを低減することが可能な定着装置および画像形成装置を提供することである。
本発明は、熱および加圧によってトナー像を記録媒体に定着させる定着装置であって、
軸線回りに回転駆動可能に設けられて加熱される定着ローラと、
前記定着ローラの表面に圧接し、軸線回りに回転駆動可能に設けられる加圧ローラと、
自ら振動して前記定着ローラを振動させる振動手段とを含み、
前記振動手段は、電圧が印加されることによって振動する超磁歪素子であることを特徴とする定着装置である。
また本発明は、前記超磁歪素子の発振周波数は、前記定着ローラの固有振動周波数に設定されることを特徴とする。
また本発明は、前記超磁歪素子の発振周波数は、前記定着ローラの固有振動周波数に、トナーが微振動するトナーの固有振動周波数を重畳させるように設定されることを特徴とする。
また本発明は、前記超磁歪素子は、前記記録媒体が前記定着ローラと加圧ローラとの間を通過しているときに振動することを特徴とする。
また本発明は、前記超磁歪素子は、前記記録媒体が前記定着ローラと加圧ローラとの間を通過しているときに振動し、かつ通過完了してから定着ローラが少なくとも1回転するまで継続して振動することを特徴とする。
また本発明は、記録媒体上のトナー種に応じて、前記超磁歪素子の発振周波数を調整して設定するように構成され、
記録媒体上のトナーが黒単色トナーの場合よりも、複数種のカラートナーの場合の方が、前記超磁歪素子が振動するときの最大振幅が大きくなるように、超磁歪素子の発振周波数を調整することを特徴とする。
また本発明は、その表面に静電荷像が形成される感光体と、感光体の表面を帯電させるための帯電手段と、帯電状態にある感光体表面に画像情報に基づく信号光を照射して静電荷像を形成する露光手段と、感光体表面の静電荷像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写させる転写手段と、記録媒体に転写されるトナー像を定着させる定着手段とを含む画像形成装置であって、
前記定着手段が、前記定着装置であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、熱および加圧によってトナー像を記録媒体に定着させる定着装置であって、加熱される定着ローラと、定着ローラに圧接する加圧ローラと、電圧が印加されることによって自ら振動して定着ローラを振動させる超磁歪素子とを含む定着装置である。超磁歪素子が自ら振動して加熱される定着ローラを振動させるので、記録媒体が定着ローラと加圧ローラとの間を通過するとき、記録媒体上のトナーの定着ローラへの接触を高めることができるとともに、記録媒体繊維へのトナー密着性を向上させることができ、記録媒体に対するトナー定着性を向上させることができる。そのため、記録媒体に加える熱量および圧力を下げた状態においても、記録媒体に対する高いトナー定着性を維持することができ、定着オフセットを低減することができる。
また本発明によれば、超磁歪素子の発振周波数は、定着ローラの固有振動周波数に設定される。そのため、超磁歪素子は、効率よく定着ローラを振動させることができる。
また本発明によれば、超磁歪素子の発振周波数は、定着ローラの固有振動周波数に、トナーが微振動するトナーの固有振動周波数を重畳させるように設定される。そのため、超磁歪素子は、効率よく定着ローラを振動させるとともに、記録媒体上のトナーも振動させる。超磁歪素子がトナーを振動させることによって、トナーには摩擦熱が発生するので、トナーを融解させるために定着ローラに加える熱量を低減することができる。
また本発明によれば、超磁歪素子は、記録媒体が定着ローラと加圧ローラとの間を通過しているときに振動する。そのため、定着ローラと加圧ローラとの間を通過する記録媒体上のトナーの定着ローラへの接触を高めることができるとともに、記録媒体繊維へのトナー密着性を向上させることができ、記録媒体に対するトナー定着性を向上させることができる。
また本発明によれば、超磁歪素子は、記録媒体が定着ローラと加圧ローラとの間を通過しているときに振動し、かつ通過完了してから定着ローラが少なくとも1回転するまで継続して振動する。そのため、記録媒体上のトナーが定着ローラに付着する定着オフセットをさらに抑制することができる。
また本発明によれば、記録媒体上のトナー種に応じて、超磁歪素子の発振周波数を調整して設定するように構成される。そして、記録媒体上のトナーが黒単色トナーの場合よりも、複数種のカラートナーの場合の方が、超磁歪素子が振動するときの最大振幅が大きくなるように、超磁歪素子の発振周波数を調整する。黒単色トナーが記録媒体上に積層されている場合と、複数種のカラートナーが記録媒体上に積層されている場合とではトナー積層厚が異なり、カラートナーが積層されている方がトナー積層厚が大きい。カラートナーが記録媒体上に積層されている場合に、超磁歪素子が振動するときの最大振幅が大きくなるように発振周波数を調整するので、トナー積層厚が大きくても、高いトナー定着性を維持することができる。
また本発明によれば、画像形成装置が、記録媒体に対する高いトナー定着性を維持した状態で、定着オフセットを低減することが可能な定着装置を備える。したがって、記録媒体に高品質画像を形成することができる。
図1は、本発明の実施の一形態である画像形成装置1の構成を示す図である。また、図2は、画像形成装置1が有する画像形成部2の構成を示す図である。画像形成装置1は、記録用紙などの記録媒体10の表面に画像を形成して、印刷物を得る装置である。画像形成装置1は、画像形成部2と、用紙供給部3とを含んで構成される。画像形成部2は、感光体4と、帯電手段5と、露光手段6と、現像手段7と、転写手段8と、クリーニング手段9と、定着装置100とを含んで構成され、用紙供給部3から供給される記録媒体10の表面に画像を形成する。
図3は、本発明の実施の一形態である定着装置100の構成を示す図である。また、図4は、定着装置100が有する定着ローラ102近傍に配置される部材の構成を示す図である。定着装置100は、後述する転写手段8によって記録媒体10上に担持されたトナー像を、熱および加圧によって記録媒体10に定着させる装置である。定着装置100は、定着ローラ(加熱ローラ)102と、加圧ローラ103と、超磁歪素子105と、用紙剥離爪104と、第2用紙剥離爪106と、温度センサ107とを含んで構成される。
定着ローラ102は、図示しない駆動手段によってその軸線回り、すなわち矢符Bの方向に回転駆動可能に支持され、その内部にはヒータランプ109a,109bが設けられて加熱される。また、図4に示すように、定着ローラ102の両端部は、それぞれボールベアリング110で支持されるようになっている。定着ローラ102には電子写真方式の画像形成分野(以後「この分野」と称す)で常用されるものを使用でき、たとえば、円筒状のアルミニウム製素管102aの表面にフッ素樹脂を含む被覆層102bを形成してなるローラが挙げられる。このローラの場合、アルミニウム製素管102aの内部にヒータランプ109a,109bが配置される。図示しない駆動手段には、たとえば、モータが用いられる。モータは、その駆動速度を可変に設けられ、定着ローラ102の回転速度を変更できる。また、クラッチ部を設けることによって、定着ローラ102の正回転および逆回転が可能になる。
加圧ローラ103は、定着ローラ102に対向しかつ圧接し、軸線回りに回転自在に設けられる。加圧ローラ103は、定着ローラ102の回転に従動して回転する。加圧ローラ103には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、アルミニウム製素管103aと、アルミニウム製素管103aの表面に形成される弾性体層103bとを含むローラが用いられる。弾性体層103aを構成する弾性体としては、特に制限はないけれども、シリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムを用いることによって、次のような利点が得られる。定着ローラ102の表面層の硬度が高く、一方加圧ローラ103の表層である弾性体層103aを構成するシリコーンゴムは弾性に富むため、定着ローラ102と加圧ローラ103との圧接部(以後「ニップ部」と称す)において、加圧ローラ103の表層が変形し、記録媒体10が定着ローラ102の表面にやや巻き付くような状態になり、トナー像の記録媒体10への定着が一層進行する。なお、定着ローラ2に巻き付く記録媒体10は、後述する用紙剥離爪104によって容易に定着ローラ102表面から剥離される。また、ニップ部の面積が大きくなり、記録媒体10に対する加熱容量が高まる。さらに、柔軟性のある加圧ローラ103で加圧することで、トナーの形状を変形させることなく定着させ得る。
定着ローラ102と加圧ローラ103とのニップ部には、ニップ部への記録媒体10の入紙案内を行う入紙案内板115を経由して、トナー像を担持する記録媒体10が送給される。この際、記録媒体10は、トナー像担持面が定着ローラ102表面に接触するように送給される。なお、ニップ部の出口(出紙口)側には、定着装置100からの出紙案内を行う、図示しない上下一対の出紙案内板が設けられる。
定着ローラ102と加圧ローラ103とは、圧接下のもとで回転することによって、ニップ部に供給され、トナー像を担持する記録媒体10を加熱加圧し、トナー像を記録媒体10に定着(融着)させる。
図5は、定着装置100が有する用紙剥離爪104の構成を示す図である。用紙剥離爪104は、定着ローラ102の回転方向、すなわち矢符Bの方向において、ニップ部下流側で、定着ローラ102表面に軽く接触するように設けられる。用紙剥離爪104は、本実施の形態では複数個設けられるけれども、1個だけ設けることも可能である。用紙剥離爪104は、図5に示すように、鉤状の外観形状を有し、爪部104bの楔状の先端部が、定着ローラ102の表面に接触する。用紙剥離爪104には、この分野で常用される材料を使用でき、たとえば、ポリイミド、ポリアミドイミドなどの合成樹脂が挙げられる。また、図示しないけれども、用紙剥離爪104の少なくとも先端部には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)などのフッ素樹脂を被覆することができる。
第2用紙剥離爪106は、定着ローラ102の回転方向と同じ方向である加圧ローラ103の回転方向において、ニップ部下流側の加圧ローラ103表面に軽く接触するように設けられ、加圧ローラ103に巻き付く記録媒体10を、加圧ローラ103表面から剥離する。第2用紙剥離爪106は、用紙剥離爪104と同様の形状に形成され、第2用紙剥離爪106によれば、加圧ローラ103に巻き付く記録媒体10を加圧ローラ103表面から剥離する。
温度センサ107は、定着ローラ102におけるニップ部の反対面に設けられ、定着ローラ102の表面温度を検出することによって、定着ローラ102の表面温度を制御する。温度センサ107には、たとえば、サーミスタが使用される。温度センサ107の検出結果は、定着装置100を含む画像形成装置の全動作を制御する図示しないCPUに送られ、CPUはその検出結果に応じて、予め定められる表面温度との差を算出し、誤差分が0になるように、ヒータランプ109a,109bに電圧を印加する図示しない電源手段に制御信号を送り、ヒータランプ109a,109bの発熱温度を制御することによって、定着ローラ102の表面温度を制御する。
超磁歪素子105は、自ら振動して定着ローラ102を振動させる部材である。定着装置100の構成によれば、トナー像を担持する記録媒体10が、定着ローラ102と加圧ローラ103とのニップ部に送給され、加熱加圧によってトナー像を記録媒体10に定着する。そのニップ形成のために、定着ローラ102と加圧ローラ103との両端部に設けられた軸は、ボールベアリング110などの軸受4個で軸支されている。超磁歪素子105は、定着ローラ102の両端部にそれぞれ配置されるボールベアリング110のうち、少なくとも1つのボールベアリング110の外輪に接触して配備される。そして、超磁歪素子105は、定着ローラ102と加圧ローラ103との間を通過して搬送される記録媒体10の紙面に対して垂直な方向Cに、電圧が印加されることによって振動する。超磁歪素子105に印加される電圧はDC5V程度であり、スイッチング回路によって超磁歪素子105の発振周波数を変化させることができる。
図6は、超磁歪素子105の発振周波数と、超磁歪素子105が振動するときの最大振幅との関係を示すグラフである。図6から明らかに、超磁歪素子105の発振周波数が約1000Hz(=1KHz)に設定された場合に、超磁歪素子105は、その先端の最大振幅が最も大きな値(約4.5μm)を示して振動する。このことから、円筒状のアルミニウム素管102aの表面にフッ素樹脂を含む被覆層102bを形成してなる定着ローラ102では、その固有振動周波数が約1KHzであることがわかる。以上の結果を考慮して、本実施の形態では、定着ローラ102を効率よく振動させることが可能となるように、超磁歪素子105の発振周波数を、定着ローラ102の固有振動周波数である1KHzに設定する。なお、超磁歪素子105の先端の最大振幅は、キーエンス社製レーザ変位計によって非接触方式で測定した。また、定着時のトナーの固有振動周波数は、記録媒体10の搬送速度によって異なるが、本実施の形態では10KHzである。
次に、超磁歪素子105を設けない場合、超磁歪素子105を設けた場合でそれぞれトナー像を担持した記録媒体10を、定着ローラ102と加圧ローラ103との間に通過させ、加熱加圧してトナー像を記録媒体10に定着させた。さらに、超磁歪素子105を設けた場合には、超磁歪素子105の発振周波数を、定着ローラ102の固有振動周波数である1KHzに設定した場合と、定着ローラ102の固有振動周波数である1KHzに定着時のトナーの固有振動周波数である10KHzを重畳して設定した場合についても検討した。図7は、定着ローラ温度と定着後の定着ローラ表面の光沢度との関係を示すグラフである。
図7から明らかに、トナー像を担持した記録媒体10が定着ローラ102と加圧ローラ103との間を通過しているときに、発振周波数1KHzの超磁歪素子105によって定着ローラ102を振動させた場合、定着ローラ102を振動させない場合に比べて、定着ローラ温度が145〜160℃の温度範囲において、定着ローラ102表面の光沢度が高いことが分かる。つまり、超磁歪素子105によって定着ローラ102を振動させることによって、記録媒体10へのトナー移行性が向上し、トナー定着性を向上させることができるとともに、定着ローラ102へのトナー付着である定着オフセットを低減することができる。そのため、記録媒体10に加える熱量および圧力を下げた状態においても、記録媒体10に対する高いトナー定着性を維持することができ、定着オフセットが発生しない定着領域を広げることができる。
また、超磁歪素子105の発振周波数を、定着ローラ102の固有振動周波数である1KHzに、トナーが微振動するトナーの固有振動周波数である10KHzを重畳させるように設定した場合、さらに定着ローラ102表面の光沢度が高くなる。超磁歪素子105の発振周波数がトナーの固有振動周波数を重畳させるように設定することで、超磁歪素子105は、記録媒体10上のトナーも振動させることができる。これによって、トナーには摩擦熱が発生し、この摩擦熱と定着ローラ102からの熱とが相まって、トナー定着性をさらに向上させることができる。したがって、トナーを融解させるために定着ローラ102に加える熱量を低減することができる。なお、定着ローラ102表面の光沢度は、ハンディ型光沢計PG1M(日本電気株式会社製)を用いて測定した。
図8は、定着ローラ温度と定着後のトナーが剥離される幅との関係を示すグラフである。定着後のトナーが剥離される幅は、次のようにして測定した。記録媒体10としてA4サイズの60g紙を用い、黒ベタ印刷した後、用紙折り曲げテスト法で、定着後のトナーが剥離される幅を測定した。つまり、定着後のトナーが剥離される幅が小さいほど、定着強度が大きいことを表す。
図8から明らかに、たとえば、定着ローラ温度が140℃の場合、定着後のトナーが剥離される幅は、発振周波数1KHzの超磁歪素子105によって定着ローラ102を振動させた場合が125μmであり、定着ローラ102を振動させない場合が160μmである。このことから、超磁歪素子105によって定着ローラ102を振動させることによって、記録媒体10へのトナー定着強度が向上することがわかる。これは、超磁歪素子105が定着ローラ102を振動させることによって、記録媒体10上のトナーの定着ローラ102への接触を高めることができるとともに、記録媒体10の繊維へのトナーの染み込みが促進されて、トナー密着性を向上させることができるためである。
また、超磁歪素子105の発振周波数を、定着ローラ102の固有振動周波数である1KHzに加えて、トナーが微振動する固有振動周波数である10KHzを重畳させるように設定した場合、定着後のトナーが剥離される幅は115μmであり、さらに小さい値をとなる。これは、超磁歪素子105の発振周波数がトナーの固有振動周波数を重畳させるように設定することで、トナーが振動して摩擦熱が発生し、この摩擦熱と定着ローラ102からの熱とが相まって、トナー定着性がさらに向上したためである。
また、前述したように、超磁歪素子105が定着ローラ102を振動させることによってトナー定着性を向上させることができるが、後述する感光体4における静電潜像形成や、転写手段8における転写性に対して、超磁歪素子105の振動の影響が少なからず発生するため、記録媒体10が定着ローラ102と加圧ローラ103との間を通過している場合にのみ、定着ローラ102を振動させるのが好ましい。ただし、記録媒体10が定着ローラ102と加圧ローラ103との間を通過するのを完了してから、定着ローラ102が少なくとも1回転するまで継続して振動させることが重要である。これは、用紙剥離爪104に付着したトナーが振動によって定着ローラ102に付着することを防止できるためである。
画像形成装置1の画像形成部2が有する感光体4は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない円筒状または円柱状の導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層とを含んで構成される。感光体にはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、導電性基体であるアルミニウム素管と、アルミニウム素管の表面に形成される有機感光層とを含み、GND電位に接続される直径30mmの感光体が挙げられる。有機感光層は、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層して形成される。有機感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質とを1つの層に含むものであってもよい。有機感光層の層厚は、たとえば、30μmである。また、感光体と有機感光層との間に下地層を設けてもよい。
帯電手段5は、感光体4の表面を所定の極性および電位に帯電させる。本実施の形態では、帯電手段5には帯電ローラが用いられるけれども、それに限定されず、たとえば、ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、スコロトロンといったコロナ帯電器などが使用できる。
露光手段6は、帯電状態にある感光体4の表面に画像情報に対応する信号光を照射し、感光体4の表面に、画像情報に対応する静電潜像を形成する。露光手段6には、半導体レーザなどが用いられる。画像情報は図示しないCPUから伝達される。
現像手段7は、トナー供給手段7aと、トナー貯留手段7bとを含んで構成される。トナー供給手段7aは、感光体4表面に圧接し、感光体4表面の静電潜像にトナーを供給し、静電潜像を現像してトナー像を形成する。トナー貯留手段7bは、トナーを貯留し、トナー供給手段7aにおけるトナー消費量に応じて、トナー供給手段7aにトナーを供給する。
転写手段8は、感光体4表面に圧接し、感光体4と転写手段8との圧接部に感光体4上のトナー像が到達するのに同期して、後述する用紙供給部3から感光体4と転写手段8との圧接部に送給される記録媒体10に、感光体4表面のトナー像を加圧により転写する。転写手段8には、たとえば、転写ローラが用いられる。
クリーニング手段9は、感光体4表面に当接するように設けられ、トナー像の記録媒体10への転写後に感光体4表面に残留するトナー、紙粉などを除去し、感光体4表面を清浄化する。
画像形成部2によれば、軸線方向に回転駆動する感光体4表面を帯電手段5によって帯電した後、露光手段6によって画像情報に対応する信号光を照射して静電潜像を形成し、これに現像手段7からトナーを供給してトナー像を得、このトナー像を転写手段8によって記録媒体10に転写する。そして、定着装置100では、超磁歪素子105が自ら振動することによって定着ローラ102を振動させ、このように定着ローラ102が振動した状態で、加熱加圧してトナー像を記録媒体10に定着させる。こうして画像が形成された記録媒体10は、排出ローラ29を介して外部の排紙トレイ30に排出される。一方、トナー像転写後の感光体4は、クリーニング手段9によりその表面が清浄化される。この一連の工程が繰り返されて画像が形成される。
画像形成装置1が有する用紙供給部3は、用紙カセット11,12,13,14と、用紙搬送路15,16,17とを含んで構成される。用紙カセット11,12,13,14は、いずれも記録媒体10を収容する。これらの用紙カセットには、同じ寸法の記録媒体10を収容してもよく、また、異なる寸法の記録媒体10を収容してもよい。用紙カセット11,12,13,14に収容される記録媒体10は、用紙搬送路15もしくは16を介して、画像形成部2における感光体4と転写手段8との当接部に送給される。用紙搬送路17は、記録媒体10の両面に画像を形成する場合に用いられる。すなわち、定着装置100によってトナー像が定着され、片面に画像が形成された記録媒体10を、用紙搬送路17経由で用紙搬送路15に戻し、もう一方の面にトナー像の転写および定着を行う。
画像形成装置1は、前述したように、記録媒体10に対する高いトナー定着性を維持した状態で、定着オフセットを低減することが可能な定着装置100を備える。したがって、記録媒体10に高品質画像を形成することができる。
また、前述の画像形成装置1は、モノクロ(黒単色)画像を印刷可能な装置であるが、モノクロ画像に加えて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、クロ(K)からなる複数種のトナーを用いて記録媒体10にカラー画像を印刷する画像形成装置においても、本発明の定着装置100を適用することができる。カラー画像を印刷可能な画像形成装置においては、カラー画像情報に含まれるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、クロ(K)の各色の画像情報に対応するために、画像形成装置1の画像形成部2が有する感光体4、帯電手段5、現像手段7、クリーニング手段9がそれぞれ4つずつ設けられる。
そして、カラー画像を印刷可能な画像形成装置においては、定着装置100は、記録媒体10上に積層されるトナー種に応じて、超磁歪素子105の発振周波数及び動作電圧を調整して設定するように構成される。
黒単色トナーが記録媒体10上に積層されている場合と、複数種のカラートナーが記録媒体10上に積層されている場合とではトナー積層厚が異なる。つまり、黒単色トナーのトナー積層厚みが約14μmに対して、カラー3色で形成した黒のトナー積層厚みは、約40μm厚(空気を含むトナー積層厚)になる。このように、トナー積層厚が大きくなるカラー印刷の場合、粒径6μm程度のトナーを定着ローラで記録媒体10に定着させるには、一般的に、熱量を上げるとともに圧力を高めて定着させるが、このような方法であっても充分なトナー定着性を得ることができない。
これに対して本発明における定着装置100は、画像形成装置においてモノクロ画像を印刷する場合よりも、カラー画像を印刷する場合において、超磁歪素子105が振動するときの最大振幅が大きくなるように、超磁歪素子105の発振周波数及び動作電圧を調整して、定着ローラ102を振動させる。カラー画像のトナー積層厚は、約40μmと厚いので、発振周波数をトナーの共振である10KHzを重畳させて振幅を大きくすると共に、超磁歪素子105の動作電圧を5Vから7Vに上げて全体の振動幅を高めることで、厚みのあるトナーをより有効に定着することができる。
このように、カラートナーが記録媒体10上に積層されている場合に、超磁歪素子105が振動するときの最大振幅が大きくなるように、発振周波数および動作電圧が調整されるので、トナー積層厚が大きくても、記録媒体10上のトナーの定着ローラ102への接触を高めることができるとともに、記録媒体10の繊維へのトナー密着性を向上させることができる。そのため、記録媒体10に対して高いトナー定着性を維持することができ、記録媒体10に加える熱量および圧力を上げる必要がない。したがって、記録媒体10に対して高いトナー定着性を維持した状態で、定着オフセットを低減することができる。
本発明の実施の一形態である画像形成装置1の構成を示す図である。 画像形成装置1が有する画像形成部2の構成を示す図である。 本発明の実施の一形態である定着装置100の構成を示す図である。 定着装置100が有する定着ローラ102近傍に配置される部材の構成を示す図である。 定着装置100が有する用紙剥離爪104の構成を示す図である。 超磁歪素子105の発振周波数と、超磁歪素子105が振動するときの最大振幅との関係を示すグラフである。 定着ローラ温度と定着後の定着ローラ表面の光沢度との関係を示すグラフである。 定着ローラ温度と定着後のトナーが剥離される幅との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 画像形成装置
2 画像形成部
3 用紙供給部
4 感光体
5 帯電手段
6 露光手段
7 現像手段
8 転写手段
9 クリーニング手段
100 定着装置
102 定着ローラ
103 加圧ローラ
105 超磁歪素子

Claims (7)

  1. 熱および加圧によってトナー像を記録媒体に定着させる定着装置であって、
    軸線回りに回転駆動可能に設けられて加熱される定着ローラと、
    前記定着ローラの表面に圧接し、軸線回りに回転駆動可能に設けられる加圧ローラと、
    自ら振動して前記定着ローラを振動させる振動手段とを含み、
    前記振動手段は、電圧が印加されることによって振動する超磁歪素子であることを特徴とする定着装置。
  2. 前記超磁歪素子の発振周波数は、前記定着ローラの固有振動周波数に設定されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記超磁歪素子の発振周波数は、前記定着ローラの固有振動周波数に、トナーが微振動するトナーの固有振動周波数を重畳させるように設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記超磁歪素子は、前記記録媒体が前記定着ローラと加圧ローラとの間を通過しているときに振動することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の定着装置。
  5. 前記超磁歪素子は、前記記録媒体が前記定着ローラと加圧ローラとの間を通過しているときに振動し、かつ通過完了してから定着ローラが少なくとも1回転するまで継続して振動することを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 記録媒体上のトナー種に応じて、前記超磁歪素子の発振周波数を調整して設定するように構成され、
    記録媒体上のトナーが黒単色トナーの場合よりも、複数種のカラートナーの場合の方が、前記超磁歪素子が振動するときの最大振幅が大きくなるように、超磁歪素子の発振周波数を調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の定着装置。
  7. その表面に静電荷像が形成される感光体と、感光体の表面を帯電させるための帯電手段と、帯電状態にある感光体表面に画像情報に基づく信号光を照射して静電荷像を形成する露光手段と、感光体表面の静電荷像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写させる転写手段と、記録媒体に転写されるトナー像を定着させる定着手段とを含む画像形成装置であって、
    前記定着手段が、請求項1〜6のいずれか1つに記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013011647A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Ishida Co Ltd 印字装置

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