JP2001056613A - 転写定着システムの剥離剤管理方法およびそれを用いた印刷装置 - Google Patents

転写定着システムの剥離剤管理方法およびそれを用いた印刷装置

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JP2001056613A
JP2001056613A JP2000218635A JP2000218635A JP2001056613A JP 2001056613 A JP2001056613 A JP 2001056613A JP 2000218635 A JP2000218635 A JP 2000218635A JP 2000218635 A JP2000218635 A JP 2000218635A JP 2001056613 A JP2001056613 A JP 2001056613A
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John S Berkes
エス バークス ジョン
Nancy Y Jia
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた剥離特性かつ望ましい転写特性を有す
る転写定着部材を用いた剥離剤管理システムを提供す
る。 【解決手段】 剥離剤管理システムは、所定量の剥離剤
を剥離剤アプリケータ88で転写定着部材50の画像領
域に供給され、トナー画像が画像領域に転写される。画
像領域は転写定着ニップ86に運ばれ、ここでトナー画
像はほぼ同時に基板70に転写及び定着され、文書を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電写真プリンタ
のための剥離剤管理、特に、トナー画像を基板に転写す
る静電写真プリンタのための剥離剤管理システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】画像支持受光部材上に静電気によりトナ
ー画像を形成する、静電写真プリンタ(electrostatogr
aphic printers)が知られている。トナー画像は、通常
紙又は他の印刷支持部材である、受像基板に転写され、
基板に定着(fuse)する。
【0003】他の静電写真プリンタには、複数のドライ
トナー撮像システムが含まれ、1つの画像支持部材を使
用して複数のカラートナー画像を現像する。各カラート
ナー画像は、画像支持部材から層状で静電気により転写
され、中間転写部材に位置合わせされる(register)。
そして、合成されたトナー画像が最終基板に転写され
る。静電転写を用いて中間基板から最終基板にトナー画
像を転写し、定着システムにおいて画像を基板に定着さ
せるかかるシステムにおいては、転写制限がある。例え
ば、より粗い紙原料(paper stock)、ホイル、紙の水
分量の変化などに起因するストレス(応力)による制限
がある。さらに、カラー合成トナー画像の層全体を基板
に転写する必要があるため、静電転写にさらなる高いス
トレスがかかる。
【0004】ストレスの多いシステム条件には、例え
ば、広い相対湿度範囲での条件に許容される用紙の使用
を望む場合や、広範囲の用紙の粗さ及び幅に対する像形
成を望む場合が含まれる。このようなストレスは、静電
転写において使用される静電界の影響により転写に重大
な影響を及ぼす可能性があり、さらには用紙の搬送に大
きく影響する。また、用紙の直接搬送の場合、繊維やタ
ルク及び他の粒状又は化学汚染物質が、静電転写領域に
直接接触する際に、用紙から撮像モジュールに容易にか
つ直接的に転写される。これにより、像形成ドラム、現
像システム、清浄システムなどが汚染され、撮像システ
ムの早期故障の原因となる。この問題は例えばある種の
再生紙を含む、ストレスの多い用紙において特に顕著で
ある。これら全ての問題及びその他の問題のために、最
終媒体への直接転写を使用するシステムでは、一般的
に、高品質プリントを取得し維持するための媒体の自由
度が狭い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】トナー画像を受光体上
に形成し、転写定着部材(transfuse member )に転写す
ることもできる。転写定着部材は、一般的に、トナー画
像の基板への転写と定着を同時に行うべく用いられる。
転写定着部材は、トナー画像を効率的に基板に転写する
ために、好ましくは優れた剥離特性(release properti
es)を備える。しかしながら、許容可能な剥離特性を備
える材料は、部品の寿命が非常に短く、その結果、部材
交換のためのコストが増すとともにプリンタの休止時間
が増加する。さらに、許容可能な剥離特性を備える材料
は、例えばより粗い基板への良好な転写のための高い整
合性(conformability)など、さらなる望ましい転写特
性を示さない可能性がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】簡略的に言えば、本発明
による印刷装置は、トナー画像を受像する支持表面を有
する。剥離剤管理システムは、剥離剤アプリケータを備
え、支持表面に剥離剤の層を供給する。この剥離剤上に
トナー画像が転写されることにより、支持表面に転写さ
れる。続いて、トナー画像は基板に転写されるが、好ま
しくは転写と同時に基板に定着し、文書を形成する。
【0007】好ましい1実施形態においては、本発明に
よる転写定着部材に係合する剥離剤管理システムを備え
る静電写真印刷装置は、それぞれが1成分カラーの現像
トナー画像を形成する、複数のトナー画像生成ステーシ
ョンを有する。現像トナー画像は、第1転写ニップにお
いて、静電気により中間転写部材に転写され、そこに合
成トナー画像を形成する。この合成トナー画像は、静電
気により、かつ第2転写ニップにおける流動学的なアシ
ストにより、転送定着部材によって形成された支持表面
に転写される。転写定着部材は、合成トナー画像の基板
への良好な転写定着、すなわちほぼ同時の転写と定着の
ために、好ましくは、高い整合性及び他の特性を備え
る。合成トナー画像と基板が共に第3転写ニップに搬送
され、ここで、トナー画像の基板に対する転写と定着が
ほぼ同時に行われ、最終文書が形成される。
【0008】剥離剤管理システムは、第2転写ニップに
先立ち、転写定着部材の表面に剥離剤を供給する。この
剥離剤により、転写定着部材から基板への合成トナー画
像の転写が改良される。剥離剤は、好ましくはシリコー
ン(珪素樹脂)オイルであり、予め設定された量が転写
定着部材の表面に供給される。剥離剤は、第3転写ニッ
プにおいて、トナー画像とともにその少なくとも一部が
基板に移動する。
【0009】転写定着部材の最上表面として好ましい1
つの材料はシリコーンである。シリコーンは、通常、材
料中のシリコーンオイルにより自然剥離特性を有する。
しかしながら、このシリコーンオイルがなくなると、転
写部材の剥離特性が減少し、転写部材の質が急激に低下
して故障につながる。したがって、剥離管理システム
は、好ましくは、印刷工程中にシリコーンオイルの損失
率とほぼ同じ割合で天然シリコーンオイルを補充する。
あるいは、シリコーンオイルの供給量を損失量より少な
くしても、剥離剤を供給しないシステムに比べて転写部
材の機能的寿命(operational life)を延ばすことがで
きる 。転写定着部材の最上表面に好ましい別の材料
は、Viton(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプ
ロピレンとのコポリマに基づく一連のフルオロエラスト
マに対するE.I.DuPon社の商標)である。Viton
(商標名)は転写定着部材の優れた特性を有し、その機
能的寿命も一般的に長い。しかしながら、Viton
(商標名)では、トナー画像に対する十分な剥離が得ら
れない。そこで、好ましくは剥離剤管理システムによっ
て、所定量の剥離剤を測定して、転写定着部材の最上表
面に供給する。剥離剤、好ましくはシリコーンオイルが
まず初期量だけViton(商標名)転写定着部材に供
給され、その後、基板に転写されるのと同量、あるいは
印刷工程における損失量だけ供給される。
【0010】中間転写部材は、画像保持部材を第3転写
ニップから緩衝する(buffer)。特に、中間転写部材
は、転写定着部材上の剥離剤から画像保持部材を保護す
ることができる。剥離剤は、シリコーンの最上層中に存
在するシリコーンオイルのように、転写定着部材の最上
層に内在させてもよいし、剥離剤管理システムにより転
写定着部材に供給してもよいし、両者を同時に適用して
もよい。
【0011】第1の好ましい剥離剤管理システムは、剥
離剤を含浸したウェブ形状の剥離剤アプリケータを備え
る。このウェブを転写定着部材に接触させて、剥離剤を
転写定着部材の表面に供給する。定着ローラ(fuser ro
ller)とともに用いられる適用可能なシステムが、米国
特許第5,749,038号(Fromme et al.)に開示
されている。または、剥離剤管理システムは、ロール形
状の剥離剤アプリケータを備えることもできる。定着ロ
ーラとともに用いられる適用可能なシステムが、米国特
許第4,214,549(Moser)及び第4,254,
732号(Moser)に開示されている。基板に剥離剤を
供給するための他の周知の方法を用いることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1及び図2において、マルチカ
ラーシート二重静電写真プリンタ10は、中間転写ベル
ト12を備える。中間転写ベルト12は、ガイドローラ
14,16,18,20上を駆動され、矢印Aで示され
る処理方向に移動する。説明の目的で、中間転写部材1
2は、その単一部分をトナー領域と定義する。トナー領
域とは、中間転写部材12の周囲に配置されたステーシ
ョンにより種々の処理を受ける中間転写部材12の部分
をいう。中間転写部材12は多数のトナー領域を備えて
もよいが、その場合各トナー領域は同様に処理される。
【0013】トナー領域は、4セットのトナー画像生成
ステーション22,24,26,28を通過して移動す
る。各トナー画像生成ステーション22,24,26,
28は、カラートナー画像を中間転写部材12のトナー
画像上に重ねるべく動作する。各トナー画像生成ステー
ション22,24,26,28は同様に動作し、中間転
写部材12に転写される現像トナー画像を生成する。
【0014】ここでは画像生成ステーション22,2
4,26,28を受光システムとして説明しているが、
イオノグラフィックシステム及び他のマーキングシステ
ムを利用して現像されたトナー画像を容易に形成できる
ことが、当業者には認識される。各トナー画像生成ステ
ーション22,24,26,28は、フォトレセプタ
(受光体)を支持するドラムまたはベルトである、画像
保持部材30を有する。
【0015】画像保持部材30は、帯電ステーション3
2において均一に帯電される。帯電ステーションは周知
の構造で、画像保持部材30の表面上に電荷を均一に分
散するコロトロン(corotrons)やセクロトロン(scor
otrons)などの電荷生成装置を備える。露光ステーショ
ン34は、帯電した画像保持部材30を画像に関連して
(image-wise fashion)露光し、画像領域に静電潜像を
形成する。なお、説明のために、画像保持部材は画像領
域を形成する。画像領域とは、画像保持部材30の周囲
に配置されたステーションによって種々の処理を受ける
画像保持部材の部分である。画像保持部材30は多数の
画像領域を備えてもよいが、その場合各画像領域は同様
に処理される。
【0016】露光ステーション34は、好ましくは、変
調されたレーザビームを発光するレーザを有し、変調レ
ーザビームによって、帯電された画像領域をラスタスキ
ャンする。あるいは、露光ステーション34が、LED
アレイ又は当業界で既知の他の構成を使用し、画像保持
部材30の画像領域に投影される光画像表示を生成する
こともできる。露光ステーション34は、合成カラー画
像の1カラー成分の光画像表示を画像領域に露光し、第
1の静電潜像を形成する。トナー画像生成ステーション
22,24,26,28のそれぞれが、合成カラー画像
の特定1カラー成分に対応する静電潜像を形成する。
【0017】画像領域は現像ステーション36に進めら
れる。現像ステーション36は、合成カラー画像のカラ
ー成分に対応する現像剤を有する。よって、通常、個々
のトナー画像生成ステーション22,24,26,28
は、一般的な合成カラー画像を構成するシアン、マゼン
タ、イエロー、及びブラックを個別に現像する。さらな
るトナー画像生成ステーションを設け、ハイライトカラ
ーや他の特別色(custom colors)を含む、追加色また
は別の色に対応することもできる。このように、トナー
画像生成ステーション22,24,26,28のそれぞ
れにおいて、中間転写部材12のトナー領域に転写され
る成分トナー画像が現像される。現像ステーション36
は、好ましくは帯電した乾燥トナー粉で潜像を現像し、
現像された成分トナー画像を生成する。現像部材には、
磁気トナーブラシまたは他の周知の現像構造を使用する
ことができる。
【0018】成分トナー画像を有する画像領域は、続い
てプレ転写(pretransfer)ステーション38に進む。
プレ転写ステーション38は、好ましくはプレ転写帯電
装置を備え、成分トナー画像を帯電させ、画像保持部材
30上部の表面電圧を水準化(leveling)することによ
り、画像保持部材30から中間転写部材12への成分画
像の転写を向上させる。あるいは、プレ転写ステーショ
ン38は、プレ転写光により画像保持部材30上部の表
面電圧を水準化することもできる。さらに、これをプレ
転写帯電装置と協働させてもよい。続いて、画像領域は
画像保持部材30と中間転写部材12との間に形成され
た第1転写ニップに進む。画像保持部材30と中間転写
部材12は、それぞれの線速度が第1転写ニップ40に
おいてほぼ同一になるように同期化されている。そし
て、成分トナー画像は、電界生成ステーション42を使
用することにより、画像保持部材30から中間転写部材
12に静電的に転写される。電界生成ステーション42
は、好ましくは、成分トナー画像と極性が逆の十分な静
電界を生成すべく電気的にバイアスをかけられたバイア
スローラであり、これにより成分トナー画像を中間転写
部材12に転写する。電界生成ステーション42は、コ
ロナ装置や当業界で知られた他の種々の電界生成システ
ムでもよい。プレニップ転写ブレード44が中間転写部
材12を画像保持部材30に抗して機械的に付勢し、こ
れにより成分トナー画像の転写を補助する。トナー画像
生成ステーション22から成分トナー画像を受像した中
間転写部材12のトナー領域は、処理方向にさらに前進
する。
【0019】成分トナー画像の転写後も、画像保持部材
30はプレクリーンステーション39を通過して画像領
域を搬送する。プレクリーンステーション39はプレク
リーンコロトロンを用いてトナー帯電及び画像保持部材
30の帯電を調整し、画像領域を効果的に清浄する。画
像領域は、続いてクリーニングステーション41に進
む。クリーニングステーション41では、残留トナーま
たはくずが画像領域から除去される。クリーニングステ
ーション41は、好ましくはブレードを有し、残留トナ
ー粒子を画像領域から除去する。あるいは、静電ブラシ
クリーナやその他の周知のクリーニングシステムを使用
することもできる。このクリーニングステーション41
の動作にて各トナー画像生成ステーション22,24,
26,28のトナー画像生成工程が完了する。
【0020】第1の成分トナー画像は、画像領域(トナ
ー領域)において、画像生成ステーション22の第1転
写ニップ40から、トナー画像生成ステーション24の
第1転写ニップ40に進められる。トナー画像生成ステ
ーション24の第1転写ニップ40への移動に先立ち、
成分トナー画像は画像調整ステーション46により均一
に帯電され、浮遊する、低い又は逆に帯電したトナーを
除去する。このようなトナーが除去されないと、第1の
成分トナー画像の一部が次のトナー画像生成ステーショ
ン24に逆転写されてしまう。画像調整ステーション、
特に第1のトナー画像生成ステーション22に先立つ画
像調整ステーション46は、中間転写部材12上の表面
電荷の調整も行う。それぞれの第1転写ニップ40にお
いて、次の成分トナー画像が前の成分トナー画像に重ね
られ、トナー画像生成ステーション28による最終トナ
ー画像の転写後に合成トナー画像が生成される。
【0021】中間転写部材12の、画像保持部材30と
の界面のジオメトリは、成分トナー画像の良好な転写を
保証するために重要な役割を有する。中間転写部材12
は、電界生成ステーション42による静電界の生成領域
の手前で、好ましくは密接な接触を保証すべくある程度
の圧力によって画像保持部材30の表面に接触すべきで
ある。一般的には、画像保持部材30に対して中間転写
部材12をプレニップ位置においてわずかに接触させる
(pre-nip wrap)のが好ましい。あるいは、プレニップ
圧力ブレード44やその他の機械的な付勢構造を設けて
このような密接なプレニップ接触を生成することもでき
る。このような接触は、プレニップ領域において中間転
写部材12と成分トナー画像との間の空隙(air gaps)
に生成される高い静電界を減少させるために重要な要因
である。例えば、電界生成ステーション42にコロトロ
ンを使用した場合、中間転写部材12は好ましくは、コ
ロナ光線プロファイルの開始より十分手前で、プレニッ
プ領域においてトナー画像に接触するべきである。バイ
アス帯電ローラを電界生成ステーション42に用いた場
合には、中間転写部材12は、好ましくは、このバイア
ス帯電ローラによる接触ニップより十分手前でプレニッ
プ領域においてトナー画像に接触すべきである。いずれ
の電界生成装置に対しても、「十分手前で」という表現
は、中間転写部材12と成分トナー画像との間の約50
μm以上の任意の空隙における電界が、第1転写ニップ
40からのプレニップ距離に伴う電界の減少により約4
ボルト/μm(ミクロン)以下に減少したプレニップ領
域より手前を意味する。電界の減少は一部静電容量効果
にも起因し、これは種々の要因に依る。例えば、バイア
スローラの場合、プレニップ距離に伴うこの電界の減少
は、バイアスローラの直径がより大きい場合、バイアス
ローラの抵抗がより高い場合、あるいは第1転写ニップ
40において絶縁層の面積当たりの静電容量が最も低い
場合の少なくともいずれかの場合に最も遅い。転写ベル
トの抵抗率及び他の物理的要因によって、中間転写部材
12に沿った横方向の導電が、転写電界領域をプレニッ
プにおいてさらに拡大する。後述する好適な範囲の下限
に近い抵抗率を有する中間転写部材12と、大型バイア
スローラを使用するシステムなどを少なくともいずれか
用いることにより、プレニップ接触距離がより大きいこ
とが好ましい。一般的に、抵抗率が所望の範囲内で、バ
イアスローラの直径が約12mmから50mmの間であ
る場合、望ましいプレニップ接触は約2〜10mmであ
る。
【0022】電界生成ステーション42は、理想的には
約30ShoreA未満の実効的に非常に低いデュロメ
ータを有する発泡剤や他のローラ材料など、極めて整合
性の高いバイアスローラを、第1転写ニップ40におい
て優先的に使用する。撮像モジュール用のベルトを使用
するシステムでは、オプションとして、第1転写ニップ
40が、転写を補助するために成分トナー画像の音響的
緩み(acoustic loosening)を含むことができる。
【0023】好ましい構成においては、カラー画像の位
置合わせに「スリップ転写(slip transfer)」が用い
られる。スリップ転写の場合、プレニップ制限により、
好ましくは中間転写部材12と画像保持部材30との接
触ゾーンを最小化する。電界生成ステーション42を通
過したポスト転写(転写後)接触ゾーンはこの構造にお
いて優先的に小さい。一般的に、適当な構造が設けら
れ、中間転写部材12の張力によりバイアスローラが画
像保持部材の表面を離れて持ち上がらないことが保証さ
れれば、中間転写部材12は、ポストニップ領域におい
て電界生成ステーション42の好ましいバイアスローラ
に沿って分離することができる。スリップ転写では、電
界生成ステーションにおいて使用されるバイアスローラ
の圧力は最小限にすべきである。接触ゾーン及び圧力を
最小化することにより、画像保持部材30に作用する摩
擦力が最小化され、これにより、色合わせ(color regi
strataion)を劣化させる第1転写ニップ40間におけ
る中間転写部材12の弾性伸張問題(elastic stretch
issues)が低減する。さらには、中間転写部材1の駆動
部と画像保持部材30の駆動部との運動相互作用も減少
する。
【0024】スリップ転写では、さらに中間転写部材1
2の抵抗率を、後述する最も好ましいほぼ範囲内さらに
はその中間値あるいは上限近く高く選択し、要求される
プレニップ接触距離を最小化すべきである。さらに、中
間転写部材の表面材料の摩擦係数を特に最小化して、ス
リップ転写位置合わせの動作自由度及び移動品質アプロ
ーチ(motion quality approach)が高められる。
【0025】別の実施形態においては、光電導ドラムな
どの画像保持部材30は別途駆動部を持たず、第1転写
ニップ40における摩擦により駆動される。言い換えれ
ば、画像保持部材30は中間転写部材12により駆動さ
れる。よって、第1転写ニップ40は、現像ステーショ
ン36、クリーナステーション41、さらなるサブシス
テム及び軸受荷重(bearing load)による抗力(drag)
を克服すべく十分な摩擦力を画像保持部材30に与え
る。摩擦駆動された画像保持部材30の場合、最適な転
写設計要件は前記スリップ転写の場合とほぼ逆である。
例えば、第1転写ゾーンに対する中間転写部材12の導
入部(lead in)をとりわけ大きくすることにより、中
間転写部材12の張力による摩擦力を最大化することが
できる。ポスト転写ゾーンにおいては、中間転写部材1
2を画像保持部材30に沿って接触させることにより、
さらに接触ゾーンを拡大して摩擦駆動力を高める。プレ
ニップの巻き付けを増大するよりも、ポストニップにお
ける巻き付けを強化した方が効果が大きいが、これはポ
ストニップにおいて静電粘着力(electrostatic tackin
g force)による圧力が高まるためである。別の例とし
ては、電界生成装置により印加された圧力が摩擦力をさ
らに高める。さらには、かかるシステムの場合には、中
間転写部材12の最上層の材料の摩擦係数は、動作自由
度を高めるべく特に高くすべきである。
【0026】続いて、トナー領域は次の第1転写ニップ
40に移動する。トナー画像生成ステーションどうしの
間には、画像調節ステーション46が設けられている。
第1転写ニップ40における電荷の移動は通常少なくと
も部分的に空気破壊(air breakdown)によるもので、
この結果トナー画像生成ステーション22,24,2
6,28では中間転写部材12における電荷パタンが不
均一になる。後述するように、中間転写部材12は任意
に絶縁最上層を含むことができ、この場合には、電荷が
不均一であると、次の第1転写ニップ40において印加
された電荷が不均一になる。この影響は、中間転写部材
12がさらに次の第1転写ニップ40を通過して進むに
つれて、さらに増大する。そこで、画像調節ステーショ
ン46は、トナー画像生成ステーション22,24,2
6,28の間で、ベルト上の電荷パタンを「平均化(le
vel)」し、次の第1転写ニップ40への移動に先立
ち、中間転写部材12の電荷パタンの均一性を高める。
画像調節ステーション46は好ましくはスコロトロンで
あるが、種々のコロナ装置にすることもできる。既に説
明したように、この画像調節ステーション46をトナー
電荷の調整のためにさらに使用することにより、トナー
の次のトナー画像生成ステーションへの再転写を防ぐ。
中間転写部材12が、後述する望ましい抵抗率の範囲内
にある半導性層だけで構成されている場合には、画像調
整ステーション46の必要性は低減する。以下にさらに
説明するように、中間転写部材12が絶縁層を含んでい
る場合でも、その絶縁層が十分に薄ければ、トナー画像
生成ステーション22,24,26,28の間に画像調
節ステーション46を設ける必要は減ずる。ガイドロー
ラ14は好ましくは調節可能で、中間転写部材12の張
力を調整する。さらに、ガイドローラ14は、中間転写
部材12の端部を検出するセンサとの組み合わせによ
り、中間転写部材12を能動的に駆動し(active steer
ing)、合成トナー画像を形成するための成分トナー画
像の位置合わせを劣化させる中間転写部材12の横断方
向のふらつき(wander)を低減する。
【0027】各トナー画像生成ステーションが中間転写
部材12のトナー領域に成分トナー画像を配置すること
により、合成トナー画像が完成する。中間転写部材12
は、この完成した合成トナー画像を最終トナー画像生成
ステーション28からプレ転写電荷調節ステーション5
2に運ぶ。中間転写部材12が絶縁層を少なくとも1層
含んでいる場合にはプレ転写電荷調節ステーション52
が中間転写部材12のトナー領域における電荷を平均化
する。プレ転写電荷調節ステーション52は、さらに、
転写定着部材50に転写されるトナー電荷の調整にも用
いられる。プレ転写電荷調節ステーション52は、好ま
しくはスコロトロンであり、種々のコロナ装置を用いて
もよい。第2転写ニップ48が中間転写部材12と転写
定着部材50との間に形成されている。第2転写ニップ
48に近接して中間転写部材12に係合する電界生成ス
テーション42及びプレ転写ニップブレード44は、第
1転写ニップ40に近接する電界生成ステーション及び
プレ転写ブレード44と同一の機能を果たす。しかしな
がら、第2転写ニップ48に位置する電界生成ステーシ
ョンは、整合可能な転写定着部材50に係合すべく、比
較的より固い。合成トナー画像は、静電的にかつ熱の補
助により転写定着部材50に転写される。
【0028】中間転写部材12の電気的特性もさらに重
要である。中間転写部材12は、選択的に単一層でも複
数層でも構成できる。いずれの場合にも、中間転写部材
12の電気的特性を、中間転写部材の横断方向の高い電
圧降下を低減すべく選択するのが好ましい。高い電圧降
下を低減するために、中間転写部材12の裏側層(back
layer)は好ましくは十分に低い抵抗率を有する。さら
には、電気的特性及び転写ジオメトリを、第1及び第2
転写ニップ40,48のプレニップ領域において高い静
電転写電界が発生しないように選択しなければならな
い。成分トナー画像と中間転写部材12との間の空隙に
おけるプレニップ電界が一般的に約50μm以上と高い
場合、空隙を通過するトナー転写により画像の歪みが発
生し、さらにはプレニップ空気破壊により画像の欠陥が
発生する。中間転写部材12のいずれの層の抵抗率も十
分に高ければ、中間転写部材12を電界生成ステーショ
ン手前の早い段階で成分トナー画像に接触させることよ
り、上記の問題を避けることができる。また、第1及び
第2転写ニップ40,48において極めて高い電流が発
生しないように、中間転写部材12はその最上層が十分
に高い抵抗率を持たなければならない。さらには、中間
転写部材12及びシステム設計によって、中間転写部材
12の第1転写ニップ40間において発生しうる高いま
たは不均一の電界の蓄積による影響を最小化する必要が
ある。
【0029】単一層の中間転写部材12の好ましい材料
は、トナー画像生成ステーション間におけるドエル(休
止)時間(dwell time)に相当またはこれより短い「帯
電緩和時間(charge relaxation time)」を有する半導
体材料、より好ましくは転写ニップドエル時間(transf
er nip dwell time)に相当するかそれより短い「ニッ
プ緩和時間(nip relaxation time)」を有する材料で
ある。ここで用いる「緩和時間」とは、中間転写部材の
層の厚さを通過する電圧降下が減衰するための特性時間
である。ドエル時間とは、中間転写部材12の基本部分
が所与の領域を通過して移動するのにかかる時間であ
る。例えば、画像生成ステーション22と24との間の
ドエル時間は、これらのステーション22,24の間の
距離を転写部材12の処理速度で割った時間である。転
写ニップドエル時間は、電界生成ステーション42の影
響により生成される接触ニップの幅を転写部材12の処
理速度で割った時間である。
【0030】「帯電緩和時間」とは、中間転写部材12
が転写ニップ40内で他の部材の静電容量の影響から実
質的に解放されている時の緩和時間である。一般的に、
帯電緩和時間は転写ニップ40の前又は後の領域に適応
し、古典的な「RC時定数」ρκε0すなわち、材料層
量誘電定数κと、抵抗率ρと、真空の誘電率ε0の積で
ある。一般的に、材料の抵抗率は、材料中の印加電界の
影響を受ける。この場合、抵抗率を、層の厚みを横切る
約25〜100ボルトに対応する印加電界において決定
すべきである。「ニップ緩和時間」とは、転写ニップ4
0などの領域内における緩和時間である。電界生成ステ
ーション42がコロナ電界生成装置であれば、「ニップ
緩和時間」は帯電緩和時間に実質的に等しい。しかしな
がら、バイアス転写装置を用いる場合には、ニップ緩和
時間は一般的に帯電緩和時間より長い。これは、ニップ
緩和時間が、中間転写部材12自体の静電容量のみなら
ず、転写ニップ40内部に存在するいずれの絶縁層の単
位面積当たりの静電容量からの影響も受けるためであ
る。例えば、画像保持部材30上の光電導コーティング
の単位面積当たりの静電容量及びトナー画像の単位面積
当たりの静電容量がニップ緩和時間に影響を及ぼす。説
明の目的で、CLによって中間転写部材12の層の単位
面積当たりの静電容量を、Ctotによって、中間転写部
材12以外の、第1転写ニップ40におけるすべての絶
縁層の単位面積当たりの合計静電容量を表す。電界生成
ステーション42がバイアスローラの場合、ニップ緩和
時間は、帯電緩和時間に量[1+(Ctot/CL)]を乗
算した時間である。
【0031】上記の説明において定義した抵抗率条件の
範囲によって、第1転写ニップ40における成分トナー
画像の転写時における中間転写部材12を通過する高電
圧降下が回避される。高プレニップ電界を避けるため
に、中間転写部材の横方向または処理方向における体積
抵抗率は低すぎてはならない。すなわち、第1転写ニッ
プ40における電界生成ステーション42間の電荷の流
れの横方向緩和時間は、第1転写ニップ40のリードイ
ン(導入部)ドエル時間より大きくなければならない。
リードインドエル時間は、量L/vで表される。ここ
で、Lは、中間転写部材12が成分トナー画像に最初に
接触するプレニップ領域から、第1転写ニップ40内で
の電界生成ステーション42のスタート位置までの距離
であり、量vは処理速度である。横方向の緩和時間は、
電界生成ステーション42と最初に接触するプレニップ
領域との間のベルトに沿った横方向の抵抗、及び中間転
写部材12と、トナー画像生成ステーション22,2
4,26,28の画像保持部材30の基板との間での第
1転写ニップ40における絶縁層の単位面積当たりの全
静電容量Ctotに比例する。電界生成ステーション42
付近での望ましくない高プレニップ電界を避けるための
好ましい抵抗率範囲を推定する有益な式が、[ρLVL
tot]>1として示される。ここで、量ρLは、中間転
写部材12の「横方向の抵抗率」であり、部材の体積抵
抗率を部材の厚さで割って求められる。部材12の電気
的特性が等方性でない場合、高プレニップ電界を避ける
ための問題の体積抵抗率は、処理方向における層の抵抗
率である。さらに、抵抗率が印加電界に依存する場合、
横方向の抵抗率を約500〜1500ボルト/cmの電
界において決定しなければならない。
【0032】このように、単一層からなる中間転写部材
12の好ましい抵抗率範囲は、例えば、システムジオメ
トリ、転写部材の厚さ、処理速度及び第1転写ニップ4
0における種々の材料の単位面積当たりの静電容量な
ど、多くの要因に依って決定する。広範囲にわたる通常
のシステムジオメトリ及び処理速度の場合、単一層の転
写ベルトの好ましい抵抗率は、通常約1013Ω・cm未
満の体積抵抗率であり、より好ましい範囲は通常1011
Ω・cmより小さい体積抵抗率である。好ましい抵抗率
の下限は、通常約108Ω/平方以上の横方向抵抗率で
あり、より好ましくは、通常約1010Ω/平方以上の横
方向抵抗率である。一例として、一般的な中間転写部材
12の厚さが約0.01cmである場合、1010Ω/平
方以上の横方向抵抗率が108Ω・cm以上の体積抵抗
率に相当する。
【0033】次に、第2転写ニップ48における良好な
転写を実現するために、転写定着部材50の電気的特性
の好ましい範囲を以下の説明により特定する。転写定着
部材50は好ましくは複数層を有し、このうちの最上層
について選択された電気的特性が単一層の中間転写部材
12の好ましい抵抗率に影響する。転写定着部材50の
最上表面層が十分に高い抵抗率、一般的には109Ω・
cm以上を有していれば、上述の単一層中間転写部材1
2の好ましい抵抗率の下限が適用できる。一方、転写定
着部材50の最上表面層の抵抗率が約109Ω・cmよ
り幾分低い場合には、第2転写ニップ48における転写
の問題を回避するために、単一層中間転写部材12の好
ましい抵抗率の下限を高める必要がある。前記転写の問
題には、中間転写部材12と転写定着部材50の間を流
れる望ましくない高電流、及び転写電界の低減による転
写の劣化が含まれる。よって、転写定着部材50の最上
表面層の抵抗率が約109Ω・cmより低い場合には、
単一層中間転写部材12の好ましい体積抵抗率の下限を
通常約109Ω・cm以上とする。
【0034】さらに、弾性伸張(elastic stretch)に
よるトナー画像生成ステーション22,24,26,2
8間の位置合わせ問題を回避するために、中間転写部材
12は十分な横方向の剛性を持たなければならない。剛
性は、ヤング係数と中間転写部材の全層の厚さの積の合
計である。この剛性の好ましい範囲は、種々のシステム
パラメータによって決定する。剛性の要求値は、トナー
画像生成ステーション22,24,26,28における
又はこれらの間の摩擦抗力の量が増加するにつれて増加
する。また、好ましい剛性は、トナー画像生成ステーシ
ョン間における中間転写部材12の長さが増えるにつ
れ、及びカラー位置合わせの要件が増すに連れて増加す
る。剛性は、好ましくは5.5MPa(800PSI−
インチ)より大きく、より好ましくは13.8MPa
(2000PSI−インチ)より大きい。
【0035】単一層中間転写部材12の好ましい材料
は、導電性制御添加剤(conductivitycontrolling addi
tives)を介して良好な電気的制御を行うポリイミドで
ある。
【0036】さらに、中間転写部材12は数層で構成さ
れてもよい。トナー領域に対向する裏側層は、好ましく
は上述の範囲で半導性である。複数層中間転写部材12
の裏側層の好ましい材料は、単一層中間ベルト12につ
いて上述した材料と同一である。制限範囲内において、
最上層を任意に「絶縁性」または半導性にすることもで
きる。いずれにも特定の利点および欠点がある。
【0037】電界流の緩和時間がドエル時間よりかなり
長い場合には、説明の目的で、ここでは中間転写部材1
2のある層が「絶縁性」に機能すると考えることができ
る。例えば、ある層は、その層の第1転写ニップ40に
おけるニップ緩和時間が、その層の一部が第1転写ニッ
プ40を通過して進むのに要する時間より大幅に長い場
合には、第1転写ニップ40におけるドエル時間の間
「絶縁性」として機能する。層の帯電緩和時間が、トナ
ー画像生成ステーション22,24,26,28間をそ
の層の一部が移動するドエル時間よりかなり長い場合に
は、その層はトナー画像生成ステーション22,24,
26,28間において絶縁層として機能する。一方、緩
和時間が適当なドエル時間に相当するまたはこれより短
い場合には、層はここで意味する半導層として機能す
る。例えば、第1転写ニップ40においてニップ転写時
間がドエル時間より短い場合、層は第1転写ニップ40
のドエル時間の間、半導層として機能する。さらに、中
間転写部材12のある層は、その層の緩和時間がトナー
画像生成ステーションの間におけるドエル時間より短い
場合には、トナー画像生成ステーション22,24,2
6,28の間のドエル時間のあいだ、半導層として機能
する。中間転写部材12における任意の最上層の緩和時
間を決定する式は、単一層中間転写部材に関して既に説
明した式と実質的に同一である。したがって、複数層の
中間転写部材12上にある層が、特定ドエル時間の間に
「絶縁性」として機能するか「半導性」として機能する
かは、その層の電気的特性だけでなく、処理速度、シス
テムジオメトリ、及び層の厚さによっても決定する。
【0038】体積抵抗率が一般的に約1013Ω・cmよ
り大きい場合には、転写ベルトの層はたいていの転写シ
ステムにおいて通常「絶縁性」として機能する。中間転
写部材12の絶縁最上層は、その層を横切る電圧降下を
引き起こし、それにより第1転写ニップ40において合
成トナー層を横切る電圧降下を低減する。したがって、
絶縁層がある場合には、帯電した合成トナー画像に作用
する同一の静電界を生成するために、第1及び第2の転
写ニップ40,48において、より高い印加電圧が必要
である。このような電圧要件は、ある層をその層の誘電
定数で割った実際の厚さである、かかる絶縁層の「誘電
厚さ」により主として駆動される。絶縁層の潜在的な欠
点の1つは、中間転写部材12の絶縁層の誘電厚さの合
計が大きすぎる場合に、成分トナー画像を良好に静電転
写するためには極めて高い望ましくない電圧が中間転写
部材12に要求されることである。この問題は、特に、
中間転写部材12の1周(rotation)より長いドエル時
間の間「絶縁性」として機能する層を備えたカラー画像
生成システムにおいて顕著である。各電界生成ステーシ
ョン42における電荷の移動により、この絶縁最上層に
電荷が蓄積される。次の成分トナー画像を良好に転写す
るために、このような電荷の蓄積は、次の電界生成ステ
ーション42において中間転写部材12の裏側により高
い電圧を要求する。画像調節ステーション46がコロナ
装置の場合、さらなる望ましくない中和、さらには中間
転写部材12に転写された合成トナー画像の電荷の反転
を引き起こすことなく、第1転写ニップ40の間でこの
電荷を十分に中和することはできない。したがって、中
間転写部材12の裏側において許容できない程の高電圧
を不要にするためには、中間転写部材12のかかる絶縁
性最上層の合計誘電厚さを、良好で安定した転写性能を
得るべく好ましくは小さく維持するべきである。許容可
能な合計誘電厚さは、最大約50μmであり、好ましい
値は10μm未満である。
【0039】中間転写部材12の最上層は、好ましく
は、低表面エネルギなどの優れたトナー剥離特性を有
し、好ましくは、シリコーンオイルなどのオイルに対す
る低い親和性を有する。PFA、TEFLON(商標
名)及び種々のフルオロポリマが、優れたトナー剥離特
性を有する望ましいオーバーコート材料の例である。中
間転写層12の半導性裏側層上に絶縁性のコーティング
を設ける利点の一つは、優れたトナー剥離特性を有する
これらの材料が、それを半導性にしなければならないと
いう制約がなくなることで、より簡単に得られることで
ある。高抵抗率のコーティングを設ける別の潜在的な利
点は、109Ω・cm以下(<<)などの低抵抗率の最
上層を備える転写定着部材50の使用が望まれる実施形
態に効果的である。上述のように、単一層の中間転写部
材12の抵抗率は、転写定着部材50の抵抗率が約10
9Ω・cm以下である場合、第2転写ニップ48におけ
る転写の問題を回避するために、好ましくは約109Ω
・cm以上に制限される。好ましくは109Ω・cm以
上の十分に高い抵抗率の最上層を含む多数層中間転写部
材12の場合、裏側層の抵抗率をさらに低くできる。
【0040】中間転写部材12の半導性コーティング
は、トナー画像生成ステーション22,24,26,2
8の手前かつその間で中間転写部材12上の電荷を水平
化する必要がないという効果を提供する。中間転写部材
12に設けた半導性コーティングは、絶縁性コーティン
グに比べてかなり厚い上部層が許容できるという点でも
さらに効果的である。このような効果を得るために必要
な帯電緩和条件及び対応する抵抗率範囲の条件は、既に
説明した裏側層の条件と同様である。一般的に、問題と
なる半導性の形態(regime)は、帯電緩和時間がトナー
画像生成ステーション22,24,26,28の間で要
するドエル時間より短くなるような抵抗率である。より
好ましい抵抗率の構成により厚い層が許容できる。この
ような構成は、第1転写ニップ40内のニップ緩和時間
が、中間転写部材12の一部が第1転写ニップ40を通
過して移動するのに要するドエル時間より短くなるよう
な抵抗率の範囲である。このような好ましい抵抗率の形
態では、層中の電荷の導電により、転写ニップドエル時
間の終わりには層を横切る電圧降下は小さくなる。
【0041】横方向の抵抗率に関連する抵抗率の下限に
関する制約は、複数層中間転写部材の半導性最上層、い
ずれの半導性中間層、及び半導性裏側層に適用される。
これらの各層に対する好ましい抵抗率範囲は、単一層の
中間転写部材12に関して既に説明した範囲とほぼ同じ
である。また、第2転写ニップ48における転写問題に
関連する抵抗率のさらなる制約は、複数層中間転写部材
12の最上層に適用される。好ましくは、転写定着部材
50の最上層が一般的に109Ω・cmより幾分小さい
場合、中間転写部材12の最上半導性層は通常109Ω
・cmより大きくすべきである。
【0042】第2転写ニップ48における合成トナー画
像の転写は、静電転写と熱補助転写との組み合わせによ
って行われる。電界生成ステーション42及びガイドロ
ーラ74が電気的にバイアスされ、帯電した合成トナー
画像を中間転写部材12から転写定着部材50に転写す
る。
【0043】転写定着部材50の温度が十分に高い最適
なレベルに維持され、中間転写部材12の温度が第2転
写ニップの手前でそれよりかなり低い最適なレベルに維
持されていれば、第2転写ニップ48における合成トナ
ー画像の転写を熱によって補助することができる。熱補
助転写のメカニズムは、第2転写ニップ48でのトナー
接触のドエル時間における合成トナー画像の軟化(soft
ening)であると考えられる。トナーの軟化は、より高
温の転写定着部材50との接触により発生する。合成ト
ナーの軟化により、合成トナー画像と転写定着部材50
との界面において、転写定着部材50に対する合成トナ
ー画像の接着力が強化される。さらには、合成トナー画
像の積層されたトナー層どうしがより強く密着する。第
2転写ニップ48の手前において、中間転写部材12の
温度を十分に下げ、トナーの軟化及びその結果として中
間転写部材12に対するトナーの接着が強すぎないよう
にする必要がある。第2転写ニップ48における最適な
熱補助を確保するために、転写定着部材50の温度を、
第2転写ニップ48の手前においてトナー軟化点よりか
なり高くしなければならない。さらには、第2転写ニッ
プにおける最適な転写のために、中間転写部材12の温
度は、第2転写ニップ48の直前で転写定着部材50の
温度よりかなり低くなければならない。
【0044】第2転写ニップ48手前の中間転写部材1
2の温度は、合成トナー画像の良好な転写を維持するた
めに重要である。中間転写部材12の温度を最適に上昇
させることにより、転写定着部材50におけるより低い
温度での第2転写ニップの静電転写を熱補助をするため
に必要な、望ましい合成トナー画像の軟化が可能にな
る。しかしながら、中間転写部材12の温度が上がりす
ぎて、第2転写ニップ48の手前で中間転写部材12上
の合成トナー画像が必要以上に軟化される危険がある。
このような状況では、合成トナー画像が中間転写部材1
2に対して許容できないほど強く接着する結果、良好な
第2の転写が得られない。よって、好ましくは、中間転
写部材12の温度は、第2転写ニップ48の手前におい
てトナーのTg(ガラス転移温度)以下又はその範囲に
維持される。
【0045】転写定着部材50は、ガイドローラ74,
76,78,80により円筒形パスをガイドされる。好
ましくは、ガイドローラ74,76は単独でまたは共に
加熱されることにより転写定着部材50を加熱する。中
間転写部材12と転写定着部材50は、転写ニップ48
においてほぼ同じ速度を有するように好ましくは同期化
される。転写定着部材50は加熱ローラ74,76によ
ってさらに加熱される。さらに、転写定着部材50は、
加熱ステーション82を追加的に設けることにより加熱
できる。加熱ステーション82は、好ましくは、転写定
着部材50によって決定するパスの内部に配置された赤
外線ランプによって形成される。あるいは、加熱ステー
ション82は、転写定着部材50の裏側に接触する加熱
されたシュー(shoe)でもよいし、転写定着部材50の
内側又は外側に配置された他の熱供給源でもよい。転写
定着部材50と圧力ローラ84とによって、これらの間
に第3転写ニップ86が形成される。
【0046】転写定着部材50からトナーが確実に剥離
できるように、剥離剤アプリケータ88はシリコーンオ
イルなどの剥離材料または薬剤を制御された均一量、転
写定着部材の表面に供給する(図3参照)。剥離剤は、
第2転写ニップ48の手前で転写定着部材50の表面に
供給される。トナー画像は、剥離剤を有する転写部材の
表面に転写されている。剥離剤は、合成トナー画像が転
写定着部材50から分離されて、第3定着ニップ86に
おいて基板に転写されるのを助ける。剥離剤は、転写定
着部材50からのトナー画像の分離を助ける弱い境界層
を形成する。シリコーンオイルは通常表面エネルギが低
いので、比較的高い表面エネルギを持つ材料の表面にお
いて簡単に拡散する。シリコーンオイルはさらに、第3
転写ニップにおいて熱に耐性がある。シリコーンから成
る最外側層又は最上層を有する転写定着部材には、材料
内に存在するシリコーンオイルによる天然の剥離特性が
あるが、このシリコーンオイルは時間とともに枯渇し剥
離特性も弱まるので、基板に対するトナー画像の転写効
率も低下する。さらには、この転写定着部材が最終的に
機能しなくなる。図7には、シリコーンから成る最上層
を有する転写定着部材を備えた転写定着システムが示さ
れる。剥離剤管理システムが設けられない場合、図示さ
れたデータから算出された直線490は、コピー数が増
すにつれて、コピーあたりのシリコーンオイルの量が減
少することを示している。コピーにおけるオイルの減少
は、転写定着部材のシリコーン中の天然オイルの消耗を
示す。このような減少の結果、転写定着部材からのトナ
ー画像の剥離及び基板への転写が劣化し、最終的には転
写定着部材が損なわれる。剥離剤アプリケータは、予め
設定した量の剥離剤、通常はシリコーンオイルを供給
し、印刷工程における天然シリコーンオイルの損失を低
下または削除する。剥離剤の供給率は、好ましくは基板
に対する剥離剤の損失率である。この供給率の結果、転
写定着部材に存在するシリコーンオイルは減少も増加も
しない。剥離剤は、基板一枚あたり約0.1−0.2m
gの割合で、紙などの基板に吸収又は接着が可能であ
る。よって、安定した動作状態では、直線491で示さ
れる好ましい供給率とは、所与の処理速度での基板に対
する剥離剤の転写率である。処理速度が低下すると、基
板による剥離剤の吸収が増加する。初期段階において
は、転写定着部材及び他の関連部品を十分に被覆するた
めに剥離剤の供給率を増加させてもよい。また、さらな
る目的で剥離剤がさらに所望される場合にも供給率を高
めることができる。しかしながら、余分な剥離剤が中間
部材及び最終的には受光体に転写される可能性があるた
め、比較的多量の剥離剤を供給することは一般的に好ま
しくない。
【0047】比較的少量の剥離剤を供給するために、剥
離剤アプリケータ88は好ましくはウェブ形状を有する
(図3参照)。剥離剤アプリケータ88は、剥離剤を浸
潤したウェブ287を有する。ウェブ287は、供給ロ
ール290から供給され、ニップロール291によって
転写定着部材50の表面に抗して付勢される。比較的表
面速度の遅いウェブ287が比較的表面速度の速い転写
定着部材50に抗して摩擦接触することにより、剥離剤
がウェブ287から転写定着部材50の表面に移動す
る。転写定着部材50との接触後、ウェブは巻き付けロ
ール292の周囲に移動し、巻き取りロール293によ
って巻き取られる。ニップロール291及び巻き取りロ
ール293は好ましくは回転自在に駆動され、ウェブ2
87を転写定着部材50を通過して移動させる。供給ロ
ール290は、好ましくは駆動されない。ウェブ287
はさらに、転写定着部材50の表面にある材料の粒子を
収集することにより、転写定着部材50の表面を清浄す
べく機能することもできる。
【0048】比較的多量の剥離剤を供給するには、剥離
剤アプリケータ88に代えてロール形状の剥離剤アプリ
ケータ188を用いることができる(図4参照)。剥離
剤アプリケータ188は、剥離剤193の浴に一部が浸
潤した調量ロール(meteringroll)190を備える。剥
離剤193は水槽(sump)192に収容され、消耗する
と補充される。調量ロール190は、調量ロール190
と転写定着部材50との間に位置するドナーロール18
9に回転により係合する。調量ロール190とドナーロ
ール189は好ましくはアイドラロールであるので、ド
ナーロール190と移動する転写定着部材50との接触
により、調量ロール190とドナーロール189が回転
する。
【0049】剥離剤193は回転する調量ロール190
の表面に供給され、調量ロール190とドナーロール1
89の間に形成されたニップにおいてドナーロール18
9に移動する。水槽192に浸水し、摺動によって調量
ロール190の表面に係合する芯(ウィック:wick)1
94が、調量ロール190の表面における空気層の形成
を防ぎ、調量ロール190への剥離剤の供給を援助す
る。調量ロール190は、好ましくはスチール表面ロー
ルで形成される。
【0050】ワイパーブレード191が調量ロール19
0に接触し、好ましい量の剥離剤を転写定着部材50に
供給するべく、調量ロール190の表面上における剥離
剤の量を予め設定した厚さに調整する。ドナーロール1
89に移動した剥離剤は、ドナーロール189と転写定
着部材50との間に形成されたニップにおいてさらに転
写定着部材50に移動する。ドナーロール189は、転
写定着部材50への剥離剤193の転写を良好にするた
めに、好ましくはシリコーンなどの整合可能な表面を有
する。
【0051】Viton(商標名)から成る最上層を有
する転写定着部材50は、転写定着部材50からのトナ
ー画像の転写を十分にするために、通常多量の剥離剤の
供給を要求する。Viton(商標名)からの天然オイ
ルの自然排出は実質的にない。したがって、好ましくは
さらなる剥離剤を供給して、転写定着部材50の最上表
面を完全に被覆する。供給量は、好ましくは基板一枚に
つき0.2〜10mgであるが、これより多くてもよ
い。
【0052】転写定着部材50は、好ましくは複数層で
構成され、第2転写ニップ48において高い静電界を生
成できるように適当な電気的特性を備えなければならな
い。許容できない程度に高い電圧を必要としないため
に、転写定着部材50は、好ましくは、第2転写ニップ
48において転写定着部材50を横切る十分に低い電圧
降下を可能にする電気的特性を備える。さらに、転写定
着部材50は、好ましくは中間転写部材12と転写定着
部材との間に許容可能な低い電流を保証する。転写定着
部材50に対する要件は、中間転写部材12の選択され
た特性に依存する。言い換えれば、転写定着部材50が
中間転写部材12と共に、第2転写ニップ48において
十分に高い抵抗を有する。
【0053】転写定着部材50は、好ましくは、横方向
に剛性のある裏側層、厚みのある整合可能な中間ゴム
層、及び薄い外側層を有する。好ましくは、裏側層の厚
さは約0.05mm以上である。好ましくは、中間整合
層及び最上層を合わせた厚さは0.25mm以上、より
好ましくは1.0mm以上である。裏側及び中間層は、
第2転写ゾーン48において許容できない高電圧が要求
されないように、十分に低い抵抗率を持つ必要がある。
好ましい抵抗率条件は、中間転写部材12についての前
述の説明に従う。すなわち、複数層から成る転写定着部
材50の裏側及び中間層の好ましい抵抗率範囲により、
第2転写ニップ48の電界生成領域におけるこれらの層
のニップ緩和時間が、第2転写ニップ48の電界生成領
域におけるドエル時間より短いことが保証される。ニッ
プ緩和時間及びニップドエル時間を表す式は、単一層か
ら成る中間転写部材12について説明した前出の式とほ
ぼ同じである。よって、裏側及び中間層の特定の好まし
い抵抗率範囲は、システムジオメトリ、層の厚さ、処理
速度、及び転写ニップ48内における絶縁層の単位面積
当たりの静電容量によって決定する。一般的に、複数層
転写定着部材50の裏側及び中間層の体積抵抗率は、通
常約1011Ω・cm以下、より好ましくはほとんどのシ
ステムに対して約108Ω・cm以下である必要があ
る。転写定着部材50の裏側層は、任意に金属など、高
い導電性を備えることもできる。
【0054】複数層の中間転写部材12の場合と同様
に、転写定着部材50の最上層を、転写ニップ48のド
エル時間中任意に「絶縁性」(通常、1012Ω・cm以
上)にすることもできるし、または転写ニップ48の間
を半導性(通常106 〜1012Ω・cm)に機能させる
こともできる。しかしながら、最上層が絶縁性である場
合には、このような層の誘電厚さを十分に小さくして、
許容できない高電圧を不要にしなければならない。好ま
しくは、かかる絶縁性最上層の誘電厚さは、一般的に約
50μm未満にすべきであり、より好ましくは約10μ
m未満である。抵抗率が極めて高い絶縁性の最上層が用
いられ、帯電緩和時間が転写定着部材の周期時間より長
い場合、転写ニップ48における電荷の移動により転写
定着部材50に電荷が蓄積する。このため、周期的な電
荷蓄積の均一性を制御しそのレベルを低減するために、
スクロトロンや他の電荷生成装置など、周期的放電ステ
ーション77が必要である。
【0055】転写定着部材50は、さらなる中間層を備
えるとことも可能である。通常約10μm以上の高い誘
電厚さを有する任意のかかる追加中間層は、好ましくは
十分に低い抵抗率を有し、これら追加的な中間層の低い
電圧降下を保証する。
【0056】好ましくは、転写定着部材50は、例えば
シリコーンエラストマ、Viton(商標名)などのフ
ルオロエラストマ、ポリテトラフルオロエチレン、ペル
フルオラルカン(perfluoralkane)及び他のフッ素化ポ
リマなど、表面エネルギの低い材料からなる最上層を有
する。転写定着部材50は、Viton(商標名)又は
好ましくはシリコーンと炭素又は他の導電性強化添加剤
とから構成され、望ましい電気的特性を実現する中間層
を、最上層と裏側層との間に備える。裏側層は、好まし
くは望ましい電気的特性を有するべく修正された布であ
る。あるいは、裏側層はステンレススチールなどの金属
でもよい。
【0057】別の選択肢として、転写定着部材50は、
転写定着ローラ(図示せず)の形状でもよいし、好まし
くは転写定着ベルトでもよい。転写定着部材50として
の転写定着ローラは転写定着ベルトより小型にすること
ができ、カラーシステムの優れた運動品質を得るために
必要な駆動及び操作要件の複雑性が減少するために効果
的である。一方、転写定着ベルトは、円周がより長いた
めに寿命が長く、基板に対する剥離能力がより良好で、
一般的に交換費用もより安い点が転写定着ローラに勝っ
ている。
【0058】転写定着部材50の中間層は、より粗い基
板70に対して高い整合性が得られ、その結果プリンタ
10において使用可能な基板の自由度の範囲を拡大する
べく厚いことが好ましい。さらに、約0.25mm以
上、好ましくは1.0mm以上の比較的厚い中間層を使
用することにより、高い剥離性で、第3転写ニップ86
の出力から文書が排出される。別の実施形態において
は、シリコーンなどの、厚みがあり硬度の低い整合可能
な中間及び最上層を転写定着部材50に設けて動作自由
度の大きい転写定着システムによる低画像光沢(low im
age gloss)の生成を可能にする。
【0059】第2転写ニップ48の手前で転写定着部材
50を比較的高温にすることが、転写定着システムにと
って効果的である。第2転写ニップ48における転写ス
テップにおいて、合成トナー画像の単一及び積層された
複数カラートナー層が同時に転写される。転写ベルト界
面に最も近いトナー層の転写が最も難しい。任意の特定
領域に転写されるカラートナー層によって、所与の分離
カラートナー層(separation color toner layer))は
中間転写部材12の表面に最も近くすることも、または
表面から分離することもできる。例えば、マゼンタのト
ナー層が、転写ベルトに堆積した最後に積層された層で
ある場合、このマゼンタ層はあるカラープリント領域で
は中間転写部材12の表面に直接向き合い、別のカラー
領域ではシアンとイエローの少なくともいずれかの上に
重なることができる。転写効率が低すぎると、中間転写
部材12に近接するカラートナーの大部分は転写せず、
別のカラートナー層上に積層された同じ色のトナー層の
大部分が転写する。したがって、例えば合成トナー画像
の転写効率があまり高くない場合、シアントナーを中間
転写部材12の表面に直接接触して有する合成トナー画
像の領域は、イエロートナー層の上部にシアントナー層
を有する合成トナー画像の領域に比べ、転写するシアン
トナー層が少ない。第2転写ニップ48における転写効
率は95%以上であり、重大なカラーシフトを防ぐこと
ができる。
【0060】図5には、中間転写部材12に残った残留
トナーの量を転写定着部材50の温度の関数として示し
た実験データが示される。曲線90は、電界、圧力及び
熱による補助を加えた場合、曲線92は電界による補助
を加えず、圧力及び熱補助を加えた場合の結果をそれぞ
れ表す。残留トナーの量が極めて少ないのは、転写効率
が極めて高いことを意味する。実験に使用したトナー
は、約55℃のガラス転移温度範囲Tgを有する。実質
的な熱補助は、転写定着部材の温度がTg以上で観察さ
れる。電界が印加され、転写定着部材50の温度が、ト
ナーのTg範囲を大きく上回る約165℃以上で動作し
た場合に、ほぼ100%のトナー転写が起こる。好まし
い温度はトナーの特性によって変わる。一般的に、Tg
を大きく上回る動作が、多くの異なるトナー及びシステ
ム条件での静電転写に対する熱補助に、効果的であると
される。
【0061】第2転写ニップ48において転写定着部材
50の温度が高すぎると、中間転写部材側の合成トナー
層においてトナーが必要以上に軟化するため、問題が起
こりうる。よって、第2転写ニップ48手前における転
写定着部材50の温度を最適な範囲に制御しなければな
らない。第2転写ニップ48における合成トナー画像の
最適な温度は、第3転写ニップ86における合成トナー
画像の最適な温度より低い。第2転写ニップにおける熱
補助のための転写定着部材50の望ましい温度は、基板
の予熱の利用により、第3転写ニップ86におけるより
完全なトナーの溶解に必要な、望ましいより高いトナー
温度を同時に得られるとともに簡単に実現できる。基板
70に対する転写及び定着は、基板と合成トナー画像と
の間の界面温度により制御される。熱分析により、基板
70の温度上昇と転写定着部材50の温度上昇の両者に
伴って界面温度が上昇することが示されている。
【0062】第2及び第3の転写ニップ48,86にお
ける転写定着部材50のほぼ一定温度では、第2転写ニ
ップ48における転写の最適温度は、中間転写部材12
の温度調節により制御され、第3転写ニップ86におけ
る転写定着は、基板70の予熱により最適化される。あ
るいは、トナーの調剤又は動作形態によっては、基板7
0の予熱は必要ない。
【0063】基板70は、材料供給位置合わせシステム
69により、基板予熱器73に搬送されて、ここで位置
あわせされる。基板予熱器73は、好ましくは、基板7
0を加熱されたプラテンに搬送する搬送ベルトにより形
成される。または、基板予熱器73は、間に加熱ニップ
を形成する加熱ローラで形成することもできる。基板予
熱器73によって加熱された基板70は、第3転写ニッ
プ86に移動する。
【0064】図6には、基板の異なる予熱温度に対し、
クリーズ(crease)と呼ばれる定着の測定基準を転写定
着部材50の温度の関数として実験的に示した曲線9
4,96が示される。曲線94は予熱した基板を示し、
曲線96は室温の基板を示す。実験結果により、定着レ
ベルが同等の場合、転写定着部材50の温度は、低温で
予熱した基板の曲線96に比べ、より高温で予熱した基
板の曲線94で大きく下がっている。このように、第3
転写ニップ86の手前で基板70を基板予熱器73によ
って加熱することにより、転写定着部材50の温度を最
適化することができ、第2転写ニップ48における合成
トナー画像の転写を改良することができる。
【0065】したがって、基板70の温度を、第3転写
ニップ86における基板に対する良好な定着及び転写を
転写定着部材50の制御された温度で行うために必要な
対応温度に制御することにより、転写定着部材50の温
度を第2転写ニップ48における最適な転写のため望ま
しい最適温度に制御することができる。これにより、第
2転写ニップ48における最適な転写のために、第2転
写ニップ48の手前で転写定着部材50を冷却する必要
はない。すなわち、転写定着部材50は、第2及び第3
転写ニップ48,86のいずれにおいてもほぼ同じ温度
に維持することができる。
【0066】さらに、第2転写ニップ48の手前で転写
定着部材50の実質的な冷却が不要であるため、転写定
着部材50の被覆層、すなわち中間及び最上層を、比較
的厚く、好ましくは約1.0mm以上にすることができ
る。転写定着部材50の比較的厚い中間及び最上層によ
り整合性が高まる。転写定着部材50の整合性が高まる
と、印刷品質を実質的に低下させることなく、広い自由
度での基板70への印刷が可能になる。すなわち、合成
トナー画像を高効率で比較的粗い基板70に転写するこ
とができる。
【0067】さらに、転写定着部材50は好ましくは第
2及び第3転写ニップ48,86のいずれにおいてもほ
ぼ同じ温度である。しかしながら、合成トナー画像は、
好ましくは、第2転写ニップ48においてよりも、第3
転写ニップ86において高い温度を有する。したがっ
て、基板70は、第2転写ニップ48における中間転写
部材12の温度よりも高い温度を第3転写ニップ86に
おいて有する。あるいは、転写定着部材50を第2転写
ニップの手前で冷却することもできるが、転写定着部材
50の温度は、合成トナー画像のTg以上、好ましくは
実質的にTg以上に維持される。さらに、ある特定の動
作条件下では、転写定着部材50の上部層を、第2転写
ニップの直前で加熱することもできる。
【0068】合成トナー画像は、第3転写ニップ86に
おいて基板70に転写、定着し、完成した文書72を形
成する。第3転写ニップ86における基板70及び転写
定着部材50からの熱に、ガイドローラ76に抗して作
用する圧力ローラ84によって印加される圧力が加わ
り、基板70に合成トナー画像が転写定着される。第3
転写ニップ86における圧力は、好ましくは約0.28
MPa〜3.45MPa(40〜500psi)の範囲
であり、より好ましくは0.41MPa〜1.38MP
a(60psi〜200psi)の範囲である。転写定
着部材50は、第3転写ニップ86における圧力と転写
定着部材50の適当な硬度との組み合わせにより、第3
転写ニップ86におけるクリープを誘発し、転写定着部
材50からの合成トナー画像及び基板70の剥離をアシ
ストする。好ましいクリープは4%以上である。ガイド
ローラ76及び圧力ローラ84に対するガイドローラ7
8の配置により、好ましくは剥離がさらに強化される。
ガイドローラ78は、転写定着部材50が圧力ローラ8
4に少量重なるように配置される。ガイドローラ76,
78及び圧力ローラ84の配列により、高圧ゾーン及び
処理方向に隣接する低圧力ゾーンを有する第3転写ニッ
プ86が形成される。低圧力ゾーンの幅は、高圧力ゾー
ンの幅の好ましくは1倍から3倍、より好ましくは約2
倍である。低圧力ゾーンは効率的に2〜3%のさらなる
クリープを付加することにより剥離をさらに強化する。
さらなる剥離強化が、剥離システム87、好ましくは空
気供給システム(air puffing system)により供給でき
る。または、剥離システム87は、剥離ブレードあるい
はローラ又はベルトから文書を剥離する他の既知のシス
テムでもよい。また、圧力ローラを圧力ベルトなどの他
の圧力アプリケータで代用することもできる。
【0069】剥離した文書72は、選択的に駆動可能な
単一又は複式の光沢ステーション110に移動し、さら
にシートスタッカまたは他の既知の文書処理システム
(図示せず)に送られる。文書72を反転装置71に送
り、ここで文書を反転させてプレ転写加熱ステーション
73のほぼ中央に再導入し、文書72の反対側に印刷を
行うことにより、プリンタ10はさらに二重印刷を提供
することができる。
【0070】冷却ステーション66は、処理方向におい
て第2転写ニップ48の後に中間転写部材12を冷却す
る。冷却ステーション66は、好ましくは、第2転写ニ
ップ48の出口側における中間転写部材12の熱の一部
を、第2転写ニップ48の入り口側に位置する加熱ステ
ーション64に移す。または、冷却ステーション66
は、第2転写ニップ48の出口側における中間転写部材
12の熱の一部を、第3転写ニップ86の手前で基板に
移すこともできる。あるいは、このような熱の分配を、
複数の加熱ステーション64及び冷却ステーション66
によって行うことにより熱転写効率を高めることができ
る。
【0071】クリーニングステーション54は、中間転
写部材12に係合し、好ましくは、第2転写ニップにお
いて転写定着部材50から中間転写部材12に移動した
オイルを取り除く。例えば、好ましいシリコーン最上層
が転写定着部材50に用いられている場合、そのシリコ
ーン材料中に存在するシリコーンオイルの一部が転写定
着部材50から中間転写部材12に移動し、最終的には
画像保持部材30を汚す。クリーニングステーション5
4は、さらに中間転写部材12上に残る残留トナーを除
去し、さらに、画像保持部材30を汚す可能性のある、
剥離剤管理システム88によって転写定着部材50に堆
積したオイルをも清浄する。クリーニングステーション
54は、好ましくは単独のクリーニングブレードでもよ
いし、静電ブラシクリーナまたはクリーニングウェブに
組み合わせてもよい。
【0072】クリーニングシステム58は、第3転写ニ
ップ86を通過した転写定着部材50の表面に係合し、
転写定着部材50の表面から残留するトナー及び汚染物
を取り除く。好ましくは、クリーニングシステム58
は、部分的に溶けたトナーにより形成される粘着性の表
面を有するクリーニングローラを含む。クリーニングロ
ーラは、好ましくは転写定着部材50により加熱される
ことにより、ローラ上のトナーを部分的に溶けた状態に
維持する。クリーニングローラは、ロール80に抗して
0.06〜0.3MPa(10〜50psi)の圧力構
造に維持される。あるいは、クリーニングローラを、転
写定着部材の下部に配置された圧力ローラ(図示せず)
に対向させることもできる。動作温度範囲は、トナーを
定着すべく十分に高い一方で、トナー層の分裂を防ぐべ
く十分に低い。部分的に溶けたトナーは、転写定着部材
50と、クリーニングローラの必要な任意の加熱又は冷
却との組み合わせにより、最適な温度範囲内に維持され
る。
【0073】転写定着部材50は、周期的パスにおいて
圧力ローラ84により駆動される。あるいは、駆動ガイ
ドローラ74により、駆動が提供又は強化される。中間
転写部材12は、好ましくは転写定着部材50との圧力
接触により駆動され、さらにロール16によるトルクに
補助されて駆動される。中間転写部材12と転写定着部
材50との接着による接触を利用することにより、中間
転写部材12は、転写定着部材50によって駆動され
る。この接着的接触により、転写定着部材50と中間転
写部材12とが第2転写ニップ48において互いに同期
的に移動する。中間転写部材12とトナー画像生成ステ
ーション22,24,26,28との接着接触を利用し
て、中間転写部材12が第1転写ゾーン40においてト
ナー画像生成ステーション22,24,26,28と同
期して動くことを保証することもできる。したがって、
トナー画像生成ステーション22,24,26,28
は、中間転写部材12を介して転写定着部材50により
駆動することができる。あるいは、中間転写部材12を
独立的に駆動することもできる。中間転写部材を独立的
に駆動する場合、中間転写部材12に係合する運動緩衝
器(motion buffer)により、中間転写部材12と転写
定着部材50との相対運動を緩衝する。運動緩衝システ
ムは、フィードバック及び制御システムを備えた張力シ
ステムを含み、第2転写ニップ48において中間転写部
材12に不規則的に移される運動から独立して、第1転
写ニップ40における中間転写部材12の良好な運動を
維持することができる。フィードバック及び制御システ
ムは、中間転写部材12の運動と転写定着部材50の運
動との少なくともいずれかを検出する位置合わせセンサ
を含み、合成トナー画像を基板70に転写する位置合わ
せタイミングを調整することができる。
【0074】光沢補強ステーション110は、好ましく
は、第3転写ニップ86から処理方向における下流に配
置され、文書72の光沢特性を選択的に補強する。光沢
補強ステーション110は、単一にも二重にもできる、
光沢ニップ116を間に形成する対向する定着部材11
2,114を含む。光沢ニップ116は光沢補強を選択
的にできるよう調節可能である。特に、定着部材がカム
構造であるので(cammed)、転写定着ニップは、文書が
光沢を提供する定着部材112,114のいずれにも実
施的に接触せずに通過できるように十分に大きい。オペ
レータが光沢補強を選択すると、定着部材112,11
4は圧力に関連してカム駆動され、これにより光沢ニッ
プ116を通過する文書72の光沢レベルが補強され
る。光沢補強の量は、定着部材112,114の温度を
調節することによりオペレータが選択できる。定着部材
112,114の温度が高いほど、光沢補強も強くな
る。米国特許第5,521,688号(Hybrid Color F
user)には、放射定着器を備える光沢補強ステーション
が記載されている。
【0075】定着機能とつや出し機能とを分離すること
により、動作上の効果がある。すなわち、定着機能とつ
や出し機能を分離することにより、文書72の好ましい
光沢レベルをオペレータが選択できる。カラーシステム
の高い光沢性能を実現するためには一般的に、第3転写
ニップ86における比較的高い温度が要求される。さら
に、通常は、転写定着部材50にViton(商標名)
などのより熱及び摩耗抵抗の高い材料が要求される。過
度の摩耗は、摩耗による転写定着部材の表面粗さの変化
によって生じる光沢の差をもたらす。より高温が要求さ
れ、熱及び摩耗抵抗性のより高い材料が使用されると、
一般的に、剥離剤管理システム88によるオイル供給率
を高める必要が生じる。プリンタ10などの転写定着シ
ステムにおいては、転写定着部材50の温度上昇及びオ
イル量の増加は、受光体30の汚染の問題を招く可能性
がある。転写定着システムを備え、強い光沢を要求する
プリンタでは、整合不可能な転写定着部材又は比較的薄
い転写定着部材が使用される。しかしながら、相対的に
整合不可能な転写定着部材及び比較的薄い転写定着部材
は、例えばより粗い用紙ストックに対する好ましい印刷
に必要な高レベルの適合性を備えることができない。
【0076】光沢補強ステーション110の使用によ
り、第3転写ニップ86における光沢生成の必要が実質
的に低減又は省かれる。この結果、カラー転写定着部材
の材料の表面摩耗問題が減少するとともに、入手の容易
なシリコーンまたは他の同様の軟性転写定着部材材料を
有する寿命の長い転写定着部材50を得ることができ
る。これにより、転写定着部材50上に比較的厚い層を
使用でき、結果として転写定着部材の材料の動作寿命が
延び、かつより粗い基板への撮像のための高い整合性が
実現する。さらに、転写定着材料に対する温度要求が低
減してその寿命が延びるとともに、第3転写ニップ86
におけるオイル要求が実質的に減少する。
【0077】光沢補強ステーション110は、第3転写
ニップ86における文書の温度上昇を利用できるよう、
好ましくは第3転写ニップ86に十分に近接して配置さ
れる。文書72の上昇温度により、光沢補強ステーショ
ン110に必要な動作温度を低めることができる。光沢
補強ステーションの温度が下がると、光沢補強材料の寿
命及び信頼性が高まる。
【0078】整合性の高いシリコーン転写定着部材50
の使用は、低い光沢で良好な動作定着自由度を実現する
1つの重要な手段として示した一例である。ここで重大
なパラメータは、好ましくはゴム製の転写定着部材50
の最上層のデュロメータが十分に低く、同じく好ましく
はゴム製の転写定着部材50の中間層の厚さが比較的厚
いことである。好ましいデュロメータ範囲は、25〜5
5ShoreAであり、35〜45ShoreAの範囲
が一般的に好ましい。したがって、好ましい材料には多
くのシリコーン材料製剤が含まれる。転写定着部材50
の中間及び最上層の厚さ範囲は、好ましくは約0.25
mm以上であり、より好ましくは1.0mm以上であ
る。トナー剥離寿命の延長、粗い基板への整合性、ニッ
プドエル時間の拡大、文書剥離の向上を可能にするため
に、低光沢に対して一般的により厚い層の方が好まし
い。任意の実施形態では、転写定着部材50の表面にわ
ずかな表面粗さを導入し、低い転写定着光沢を生成する
ための、許容される転写定着材料の剛性範囲を強化す
る。特に、デュロメータのより高い材料と厚さの薄い層
の場合には、転写定着部材の表面テクスチャが再生され
る傾向がある。よって、転写定着部材50の表面粗さの
一部を、高硬度ではなく低光沢に向ける。転写定着部材
の表面光沢数が30GU(ガードナー光沢単位:GU:
Gardner Gloss Units)未満が好ましい。
【0079】転写定着において低い光沢での良好な定着
を得るための狭い動作範囲自由度は、トナーの比較的高
い質量/面積状態において示された。約1mg/cm2
のトナー質量を要する約7μmのトナーは、30GU未
満の光沢レベルを達成し、同時に40未満の許容可能な
クリーズレベルを達成するために、110〜120℃の
転写定着部材50の温度及び約85℃までの用紙の予熱
を必要とする。しかしながら、低い質量/面積トナー状
態は、定着及び低光沢のための動作転写定着システム温
度範囲を高めることが示された。顔料添加(loading)
の高い小径トナーと、整合可能な転写定着部材50と組
み合わせて使用することにより、カラーシステムのトナ
ー質量/面積を低くすることができ、この結果第3転写
ニップ86において低光沢のために動作温度の自由度を
高めることができる。約0.4mg/cm2のトナー質
量を要する約3μmのトナーは、30GU未満の光沢レ
ベルを達成し、同時に40未満の許容可能なクリーズレ
ベルを達成するために、110〜150℃の転写定着部
材50の温度及び約85℃までの用紙の予熱を必要とす
る。
【0080】光沢補強ステーション110は、好ましく
は、Viton(商標名)からなる定着部材112,1
14を有する。あるいは、剛性ローラまたはベルト上に
設けられた厚みの小さい及び大きいテフロン(商標名)
製のスリーブ/オーバーコート、またはゴムの下部層上
に設けたこのようなオーバーコートを転写定着光沢強化
に用いてもよい。定着部材112,114は、好ましく
は、転写定着部材50の最上層より硬い最上定着層を有
し、その表面平滑度が高レベルである(表面光沢が好ま
しくは50GU以上、より好ましくは70GU以上)。
または、最上表面を織り込んで、文書72にテクスチャ
を供給することもできる。光沢補強ステーション110
は、好ましくは剥離剤管理供給システム(図示せず)を
含む。光沢補強ステーションは、定着部材112,11
4からの文書72の剥離を補助するための空気パフ(ai
r puffer)などの剥離機構をさらに含むことができる。
【0081】また、トナー製剤がワックスを含み、光沢
補強ステーション110のオイル要求を低減させてもよ
い。
【0082】中間転写部材12及び転写定着部材50を
有するプリンタに組み合わせて光沢補強ステーション1
0を説明したが、光沢補強ステーション110は、低光
沢の文書72を生成する転写定着システムを有するあら
ゆるプリンタに適用できる。特に、単一の転写/転写定
着部材を用いる転写定着システムを含むことができる。
【0083】システムの例として、転写定着部材50は
第3転写ニップ86において好ましくは120℃であ
り、基板70は85℃に予熱されている。この結果、光
沢値が10〜30GUの文書が生成される。定着部材は
好ましくは120℃に加熱されている。オペレータの選
択に応じて異なる程度またはレベルの光沢を異なるプリ
ント周期に提供できるように、定着部材112,114
の温度は好ましくは調節自在である。定着部材112,
114の温度が高いほど光沢補強が高まり、低温になれ
ば、文書72における光沢強化の量が低減する。
【0084】光沢部材112、114は好ましくは定着
ローラであるが、定着ベルトでもよい。各光沢部材11
2,114の最上層は、比較的非整合性であり、好まし
くは55ShoreA以上のデュロメータを有する。光
沢補強ステーション110は、第3転写ニップ86にお
いて低光沢で作用する転写定着システムを用いたプリン
タ10を通過して光沢強化を提供する。プリンタ10
は、好ましくは、第3転写ニップ86の後に、10〜3
0ガードナー光沢単位(GU:Gardner Gloss Units)
を有する文書72を生成する。文書72上の光沢は、単
位面積当たりのトナー質量に応じて変化する。光沢補強
ユニット100は、好ましくは、SD Warren Companyか
ら市販されるLustro Gloss(商標名)用紙において、文
書72の光沢を約50GU以上まで高める。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による二重切断シート静電写真プリン
タの概略側面図である。
【図2】 図1のプリンタの転写ニップの拡大概略側面
図である。
【図3】 図2のプリンタの剥離剤管理システムの拡大
概略側面図である。
【図4】 図2のプリンタの別の実施形態による剥離剤
管理システムの拡大概略側面図である。
【図5】 転写定着部材の温度の関数として残留トナー
を示したグラフである。
【図6】 残留基板温度の所与の表示に対する転写定着
部材の温度の関数としてクリーズを示したグラフであ
る。
【図7】 コピー数の関数としてコピー上のオイルを示
したグラフである。
【符号の説明】
10 プリンタ、12 中間転写ベルト、14,16,
18,20 ガイドローラ、22,24,26,28
トナー画像生成ステーション、30 画像保持部材、3
2 帯電ステーション、34 露光ステーション、36
現像ステーション、38 プレ転写ステーション、4
0 第1転写ニップ、41 クリーニングステーショ
ン、42 電界生成ステーション、46 画像調整ステ
ーション、48 第2転写ニップ、50 転写定着部
材、52 プレ転写電荷調節ステーション、66 冷却
ステーション、64 加熱ステーション、69 材料供
給位置合わせシステム、70 基板、71 反転装置、
72 文書、73 基板予熱器、74,76,78,8
0 ガイドローラ、82 加熱ステーション、84 圧
力ローラ、86 第3転写ニップ、88,188 剥離
剤アプリケータ、110光沢補強ステーション、11
2,114 定着部材、 116 光沢ニップ、189
ドナーロール、190 調量ロール、191 ワイパ
ーブレード、192 水槽、287 ウェブ、290
供給ロール、292 巻き付けロール、293 巻き取
りロール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ナンシー ワイ ジア アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ウェブ スター フィールドクレスト ドライブ 1462 (72)発明者 ガールド エム フレッチャー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ピッツ フォード カレッジ コート 19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー画像を第1の表面から第2の表面
    に転写する方法であって、 前記第1の表面に剥離剤を供給するステップと、 前記剥離剤上にトナー画像を供給するステップと、 前記トナー画像を前記第2の表面に転写するステップ
    と、を含む方法。
  2. 【請求項2】 プリントされた文書を生成する印刷装置
    であって、 第1の位置、第2の位置、及び第3の位置を含む画像領
    域を有するトナー画像支持部材と、 所定量の剥離剤を前記第1の位置において画像領域に供
    給する剥離剤アプリケータと、 前記第2の位置において前記剥離剤を有する前記画像領
    域に、トナー画像を転写する第1の転写ステーション
    と、 前記画像領域から基板にトナー画像を転写する第2の転
    写ステーションと、を含む装置。
  3. 【請求項3】 画像領域を有する転写定着部材によっ
    て、プリントされた文書を形成する方法であって、 前記画像領域を第1の位置に移動するステップと、 前記第1の位置において前記画像領域に剥離剤を供給す
    るステップと、 前記画像領域を第2の位置に移動するステップと、 前記第2の位置において前記剥離剤上にトナー画像を供
    給するステップと、 前記画像領域を第3の位置に移動するステップと、 前記トナー画像を基板に転写し、ほぼ同時に定着させ、
    最終文書を形成するステップと、 を含む方法。
JP2000218635A 1999-07-26 2000-07-19 転写定着システムの剥離剤管理方法およびそれを用いた印刷装置 Pending JP2001056613A (ja)

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