JP4456260B2 - 溶融部材用クリーニング装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は静電プリンタの溶融部材のクリーニング装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トナー像を基板に溶融(フューズ)または定着(フィックス)して完成文書を作成する静電プリンタが公知である。溶融はトナー像を基板に転写したのちに行ってもよいし、または転写と溶融とを転写定着(トランスフューズ)工程中に同時に行うこともできる。どちらの構造でも、基板が溶融ニップ中へ送られ、ここで溶融または転写定着ベルトまたはローラ等の溶融部材の組み合わせによってトナー像に熱と圧力をかけて、トナー像を基板に定着または溶融させる。溶融工程中、トナー像からのトナー粒子や基板の残屑が溶融部材に付着しうる。このトナー粒子やその他の残屑や汚染物は、溶融部材から後続の文書へと移動して印刷欠陥を生じうる。またトナー粒子が溶融部材上に堆積すると、後続の文書上へのトナー像の溶融品質を劣化させうる。トナー粒子の堆積はまた、溶融部材の動作寿命を短くする場合もある。
【0003】
従って、溶融部材をクリーニングして、最終的な印刷品質に影響しうるトナー粒子や、汚れ、繊維等のその他の微粒子状の残屑を除去するすることが好ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来型のクリーナーの一つは、フューザロールの表面に係合してトナー粒子を除去するクリーニングローラを用いる。トナー粒子は優先的にクリーナーローラに付着する。しかしクリーナーローラ上に過剰なトナー粒子が蓄積すると、クリーナーローラ表面上のトナー層が不均一になり、溶融部材を均一にクリーニングできなくなる。クリーナーローラ上のトナー層は過度に厚くなることもあり、トナー層の余剰トナー除去のメンテナンスが必要である。
【0005】
他のアセンブリでは、クリーナーローラは中空のシリンダから構成され、シリンダ中に開口が設けられて、余剰トナーを開口から内部へ導くようになっている。このため余剰トナーはシリンダ内部に集められ、クリーナーローラのサービス間隔または寿命を延ばす。しかしこの開口はローラのクリーニング表面中にギャップを生じ、クリーナーローラによって溶融部材表面を完全に掃除するには、溶融部材を複数回循環させなければならない。このため溶融部材上のトナー粒子は、除去前と同様、溶融を妨害、または後続の文書に移され続ける。
【0006】
【課題を解決するための手段】
簡潔に述べると、本発明に従うクリーナーステーションは、溶融部材にクリーニング状態に係合可能な複数のクリーナーローラアセンブリ群を支持する回転ラックまたはタレットを有する。回転ラックは、各クリーナーローラアセンブリを順に位置決めして溶融部材と接触させてクリーニングを行うように割出される。各クリーナーローラアセンブリは、例えば所定のページ数などの予め設定した動作期間の間、溶融部材表面のクリーニングを行う。予め設定した動作期間が終了すると、使用済みのクリーナーローラアセンブリは溶融部材との係合からはずされ、2番目のクリーナーローラアセンブリが溶融部材にクリーニング状態に係合させられる。第1の実施形態では、各クリーナーローラアセンブリは、回転ラック上に回転可能に設置される連続表面または固体表面クリーナーローラから構成される。溶融部材に接触したクリーナーローラは、印刷装置で用いられるトナーの粘着範囲内で加熱される。トナー粒子、および汚れや繊維等の他の微粒子は、クリーナーローラ上に形成された粘着トナー層に付着して、溶融部材から除去される。固体表面クリーニングローラを使用すれば、効果的に1回のパスで溶融部材のクリーニングが可能である。
【0007】
本発明に従うクリーニングステーションの他の実施形態では、各クリーナーローラアセンブリは、有孔クリーナーローラを有する。各クリーナーローラは内部溜部(貯蔵部)を規定する。溶融部材に接触したクリーナーローラは、印刷装置で用いられるトナーの粘着範囲内で加熱される。トナー粒子、および汚れや繊維等の他の微粒子は粘着トナー層に付着して、溶融部材から除去される。クリーナーローラ上に集められた余剰トナーは強制的に溜部へと集められ、これにより有孔クリーナーローラの動作寿命を延ばす。
【0008】
さらに他の実施形態では、各クリーニングアセンブリは、一対の回転可能に取り付けられたクリーニングローラを有する。溶融部材の進行方向に沿って第1のクリーニングローラは、有孔クリーナーローラである。第2のクリーナーローラは連続表面をもち、進行方向に沿って第1のクリーニングローラの下流に位置する。溶融部材と接触するクリーナーローラは、印刷装置で用いられるトナーの粘着範囲内で加熱される。トナー粒子、および汚れや繊維等の他の微粒子は粘着トナー層に付着して、溶融部材から除去される。少なくとも一つの連続表面クリーナーローラを使用すれば、効果的に1回のパスで溶融部材のクリーニングが可能である。
【0009】
本発明に従うクリーナーステーションは、転写定着ベルトから構成される溶融部材とともに説明される。クリーナーローラはまた、転写定着ローラ、フューザローラ、およびフューザベルト等の他の溶融部材にも適用可能である。トナー像が転写定着部材との間で周期的に転写され、溶融部材に付着する浮遊トナー粒子が生じる可能性が高い転写定着システムでは、1回のパスでクリーニングを行うことは特に重要である。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1および図2を参照すると、多色刷り切断用紙用両面電子静電写真プリンタ10は、中間転写ベルト12を含む。中間転写ベルト12は、ガイドローラ14,16,18および20上を進められ、矢印Aで示す進行方向に進む。説明のため、中間転写部材12はその一カ所をトナー領域として規定するとする。トナー領域は、中間転写部材12の周囲に配置される各ステーションによって様々な工程が行われる中間転写部材の部分である。中間転写部材12には複数のトナー領域を設けてもよいが、各トナー領域は同様に処理される。
【0011】
トナー領域は、一組の4つのトナー像形成ステーション22,24,26および28を通過して進められる。各トナー像形成ステーション22,24,26および28は、中間転写部材12のトナー像上に一つのカラートナー像を配置するように動作する。各トナー像形成ステーション22,24,26および28は同様に動作して現像トナー像を作成し、中間転写部材12へ転写する。
【0012】
ここでは受光システムに関して画像形成ステーション22,24,26および28を説明するが、当業者には、現像トナー像の形成にはイオノグラフィーシステムやその他のマーキングシステムも容易に使用可能であることが容易に理解できる。各トナー像形成ステーション22,24,26および28は、帯像部材30を有する。帯像部材30は、光受容体(ホトレセプタ)を支持するドラムまたはベルトである。
【0013】
帯像部材30は帯電ステーション32で均一に帯電される。帯電ステーションは、帯像部材30の表面上に均一に電荷を分配するコロトロンまたはスコロトロン等の電荷発生装置を有する周知の構成をしている。露光ステーション34は、帯電した帯像部材30を画像ごとに露光して、画像領域に静電潜像を形成する。説明のため、帯像部材は一つの画像領域を規定するものとする。画像領域は、帯像部材30の周囲に配置される各ステーションによって様々な工程が行われる帯像部材の部分である。帯像部材30には複数の画像領域を設けてもよいが、各画像領域には同様の処理が行われる。
【0014】
露光ステーション34は、好適には変調レーザービームを発するレーザを有する。露光ステーション34は変調レーザービームをラスタースキャンして、帯電した画像領域上に写す。または露光ステーション34は、LEDアレイもしくは当該技術分野で公知の構造を用いて光像を形成し、これを帯像部材30の画像領域上に投影してもよい。露光ステーション34は、複合カラー画像のうち1つのカラー成分の光像を画像領域上に露光して、第1の静電潜像を形成する。各画像形成ステーション22,24,26および28は、複合カラー画像のある特定のカラー成分に対応する静電潜像を形成する。
【0015】
画像領域は現像ステーション36へ進められる。現像ステーション36は、複合カラー画像のカラー成分に対応した現像装置を有する。従って一般には、個々のトナー画像形成ステーション22,24,26および28は、典型的な複合カラー画像を構成するシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックをそれぞれ現像する。ハイライトカラーやその他のカスタムカラーを含む追加または他のカラー用に、トナー画像形成ステーションを追加して設けてもよい。こうして各トナー像形成ステーション22,24,26,28は成分トナー像を現像して、中間転写部材12のトナー領域に転写する。現像ステーション36は、好適には帯電した乾式トナー粉末を用いて潜像を現像し、現像された成分トナー像を形成する。現像装置は、磁気トナーブラシ、またはその他の周知の現像構造を用いてもよい。
【0016】
その後、成分トナー像を有する画像領域は、プレ転写(転写前)ステーション38へ進む。プレ転写ステーション38は、好適にはプレ転写帯電装置を有し、成分トナー像を帯電させて、帯像部材30上の表面電圧をやや平準化して、成分画像を帯像部材30から中間転写部材12へ転写しやすくする。またはプレ転写ステーション38は、プレ転写光を用いて、帯像部材30上の表面電圧を平準化してもよい。さらにこれはプレ転写帯電装置とともに使用してもよい。その後、画像領域は、帯像部材30と中間転写部材12との間に規定される第1転写ニップへ進む。帯像部材30と中間転写部材12とは、各々が第1転写ニップ40でほぼ同じ線速度をもつように同期させられる。成分トナー像は、電界発生ステーション42を用いて、帯像部材30から中間転写部材12へ静電転写される。電界発生ステーション42は、好適にはバイアスローラであり、これは電気的にバイアスされて、成分トナー像と逆極性の十分な静電界を発生して成分トナー像を中間転写部材12へ転写する。または、電界発生ステーション42はコロナ装置もしくは当該技術分野で公知の他の各種電界発生システムでもよい。プレニップ(ニップ前)転写ブレード44は、中間転写部材12を帯像部材30に対して機械的にバイアスさせて、成分トナー像の転写向上をはかる。その後、成分トナー像をもつ中間転写部材12のトナー領域は、トナー像形成ステーション22から進行方向に進む。
【0017】
成分トナー像の転写後、帯像部材30は、予備クリーニングステーション39を過ぎて画像領域を移動させ続ける。予備クリーニングステーションは、予備クリーニングコロトロンを用いてトナー電荷および帯像部材30の電荷を調整し、画像領域を良好にクリーニングできるようにする。その後、画像領域はクリーニングステーション41へと進む。クリーニングステーション41は、画像領域から残留トナー粒子または残屑を除去する。クリーニングステーション41は、好適には画像領域から残留トナー粒子を拭きとるブレードを有する。または、クリーニングステーション41は静電ブラシクリーナもしくは他の周知のクリーニングシステムを用いてもよい。クリーニングステーション41の動作によって、各トナー像形成ステーション22,24,26および28のそれぞれのトナー像形成が完了する。
【0018】
画像領域の第1成分のトナー像は、画像形成ステーション22の第1転写ニップ40からトナー像形成ステーション24の第1転写ニップ40へ進められる。トナー像形成ステーション24の第1転写ニップ40へ入る前に、画像調整ステーション46が成分トナー像を均一に帯電させ、第1の成分トナー像の一部を後続のトナー像形成ステーション24へ転写し戻す場合もある浮遊した低帯電または逆極性に帯電したトナーを減じる。画像調整ステーション、特に第1のトナー像形成ステーション22の前の画像調整ステーションは、中間転写部材12上の表面電荷の調整も行う。各第1転写ニップ40では、前の成分トナー像に次の成分トナー像がレジスター(記録、見当合わせ)され、トナー像形成ステーション28によって最後のトナー像が転写された後、複合トナー像が形成される。
【0019】
中間転写部材12と帯像部材30との界面の形状は、成分トナー像の良好な転写を保証する上で重要な役割をもつ。中間転写部材12は、電界発生ステーション42による静電界発生領域より前に、帯像部材30の表面と、好ましくはいくらかの圧力を用いて確実に接するように接触しなければならない。一般には、中間転写部材12が帯像部材30に対してニップ前にいくらか巻き付くのが好ましい。または、プレニップ圧力ブレード44もしくはその他の機械的偏向構造を設けて、かかる密接なニップ前接触を形成してもよい。この接触は、プレニップ領域で中間転写部材12と成分トナー像との間のエアーギャップに高い静電界が形成されるのを抑える重要な要因である。例えば、コロトロンを電界発生ステーション42として用いた場合、中間転写部材12は、好適には、コロナビームのプロフィール開始より十分前に、プレニップ領域中でトナー像に接触しなければならない。バイアス帯電ローラから構成される電界発生ステーション42を用いる場合は、中間転写部材12は、バイアス帯電ローラのコンタクトニップより十分前に、プレニップ領域中でトナー像に接触しなければならない。どの電界発生装置についても、「十分前に」とは、中間転写部材12と成分トナー像との間の約50μm超のエアーギャップ中の電界が、第1転写ニップ40からのプレニップ距離とともに電界が低下することによって約4ボルト/μm以下に落ちるプレニップ領域前、を意味する。電界の低下は、一部にはキャパシタンス効果によるもので、これは様々な要因に依存する。例えばバイアスローラを用いた場合は、この距離とともに変化する低下の速度は、直径が大きいバイアスローラおよび/または抵抗率が高いバイアスローラを用いた場合、および/または第1転写ニップ40における絶縁層の面積あたりのキャパシタンスが最低である場合に、もっとも遅くなる。中間転写部材12に沿った横方向の導電は、転写ベルトの抵抗率およびその他の物理的要因によっては、プレニップの転写電界領域をさらに延長しうる。抵抗率が以下に説明する好適な範囲の下限により近い中間転写部材12、および/または大バイアスローラを使用するシステム等を使用すると、ニップ前の接触距離が長いほうが好ましい。一般に望ましいプレニップ接触距離は、抵抗率が所望範囲内で、バイアスローラの直径が約12mm〜50mmの場合、約2mm〜10mmである。
【0020】
電界発生ステーション42は、発泡材料、またはデュロメータが理想的には約30ショアA未満と効果的に非常に低い他のローラ材料等の適合性のかなり高いバイアスローラを第1転写ニップ40に使用するのが好ましい。画像形成モジュールにベルトを使用するシステムでは、オプションとして第1転写ニップ40が成分トナー像を音波によってゆるめて、転写を支援するようにしてもよい。
【0021】
好適な構造では、カラー画像のレジストレーションには「スリップ転写」が用いられる。スリップ転写のためには、中間転写部材12と帯像部材30との間の接触ゾーンが、好適にはプレニップの制約に従って最小限にされる。この構造では、電界発生ステーション42を過ぎたポスト転写(転写後)接触ゾーンは、好適には小さい。一般に中間転写部材12は、中間転写部材12の張力によってバイアスローラが帯像部材の表面を持ち上げないようにする適切な構造が設けられていれば、オプションで、ポストニップ(ニップ後)領域中で電界発生ステーション42の好適なバイアスローラに沿って離れてもよい。スリップ転写システムでは、電界発生ステーション42で用いられるバイアスローラの圧力は最小限にされる。接触ゾーンおよび圧力の最小化によって帯像部材30に作用する摩擦力を最小限に抑え、これによりカラーレジストレーションを劣化させうる第1転写ニップ40間の中間転写部材12の弾性伸びの問題を最小限に抑える。これはまた、中間転写部材12の駆動と帯像部材30の駆動との間の運動相互作用も最小化する。
【0022】
スリップ転写システムでは、中間転写部材12にも、一般には後述するもっとも好適な範囲内、または該範囲の真ん中から上限までの高い抵抗率を選択し、必要なプレニップ接触距離が最小限になるようにしなければならない。またスリップ転写レジストレーションおよび移動品質アプローチでは、実行寛容度(ラチチュード)を上げるために、中間転写部材の上面材料の摩擦係数も優先的に最小化されるべきである。
【0023】
他の実施形態では、光伝導体ドラム等の帯像部材30は個別の駆動装置をもたず、代わりに第1転写ニップ40中の摩擦によって駆動される。つまり帯像部材30は中間転写部材12によって駆動される。このため第1転写ニップ40は、現像ステーション36、クリーナーステーション41、およびその他のサブシステムによって、かつ荷重を支えることによって形成される抗力を克服するのに十分な摩擦力を帯像部材上に与える。摩擦によって駆動される帯像部材30では、最適な転写設計上の考慮点は、一般にはすべり転写の場合と逆である。例えば、中間転写部材12の第1転写ゾーンまでのリードは、中間転写部材12の張力による摩擦力を最大化するために長いほうがよい。ポスト転写ゾーンでは、中間転写部材12は帯像部材30に沿って巻き付けられて接触ゾーンをさらに延ばし、これにより摩擦駆動力を上げる。静電粘着力によって圧力が高まるため、プレニップの巻き付け部分が長くなるよりは、ポストニップの巻き付けが長くなるほうがより有益である。他の実施例では、電界発生装置42によってかけられる圧力によって摩擦力をさらに高めることができる。かかるシステムでは、実行寛容度を上げるために、最終的に中間転写部材12上の一番上の層の材料の摩擦係数を優先的に高くするべきである。
【0024】
その後、トナー領域は後続の第1転写ニップ40へと送られる。トナー像形成ステーション間には、画像調整ステーション46が設けられる。第1転写ニップ40中の電荷移動は、通常は少なくとも部分的にはエアーブレークダウン(air breakdown)によるものであり、これはトナー像形成ステーション22,24,26,28間で中間転写部材12上に不均一な帯電パターンを生じうる。後述するように、中間転写部材12はオプションで絶縁上面層を有するようにしてもよく、この場合、不均一な帯電のため後続の第1転写ニップ40中でかけられる電界が不均一になる。この影響は中間転写部材12が後続の各第1転写ニップ40を通過して進むごとに蓄積される。画像調整ステーション46は、トナー像形成ステーション22,24,26,28間のベルト上の帯電パターンを「平準化」して、後続の第1転写ニップ40へ入る前に中間転写部材12上の帯電パターンの均一性を向上させる。画像調整ステーション46は好適にはスコロトロンだが、他の各種コロナ装置を用いてもよい。上記で説明したように、電荷調整ステーション46を追加で用いてトナー電荷を調整し、後続のトナー像形成ステーションへのトナー再転写を防止する。中間転写部材12が後述する所望の範囲内の抵抗率をもつ半導電性の層だけから構成される場合は、画像調整ステーション46の必要性は減じられる。さらに後述するように、中間転写部材12が絶縁層を含む場合でも、その絶縁層が十分薄ければ、トナー像形成ステーション22,24,26,28間の画像調整ステーション46の必要性が少なくなる。
【0025】
ガイドローラ14は、中間転写部材12の張力を調整できるのが好ましい。さらにガイドローラ14は、中間転写部材12の縁を検知するセンサと組み合わせて中間転写部材12を能動的に操作して、複合トナー像形成のための成分トナー像のレジストレーションを劣化させうる中間転写部材12を横切る方向のふらつきを減じる。
【0026】
各トナー像形成ステーションは、成分トナー像を中間転写部材12のトナー領域上に配置して、完全な複合トナー像を形成する。中間転写部材12は、複合トナー像を最後のトナー像形成ステーション28からプレ転写電荷調整ステーション52へ進める。中間転写部材12が少なくとも一層の絶縁層を有する場合は、プレ転写電荷調整ステーション52は、中間転写部材12のトナー領域での電荷を平準化する。またプレ転写電荷調整ステーション52は、転写定着部材50への転写のためにトナー電荷を調整するのに用いられる。これは好適にはスコロトロンで構成されるが、各種コロナ装置でもよい。中間転写部材12と転写定着部材50との間には第2転写ニップ48が規定される。電界発生ステーション42とプレ転写ニップブレード44とが、第2転写ニップ48の隣で中間転写部材12に係合し、第1転写ニップ40に隣接する電界発生ステーションおよびプレ転写ブレード44と同じ働きをする。だが第2転写ニップ48での電界発生ステーションは、適合性のある転写定着部材50に係合するためにやや固めでもよい。複合トナー像は熱補助によって転写定着部材50へ静電転写される。
【0027】
中間転写部材12の電気的特性もまた重要である。中間転写部材12は、オプションで一層から構成してもよいし多層構造でもよい。いずれの場合も、好適には中間転写部材12の電気的特性は、中間転写部材にかかる高い電圧降下を減じるように選択される。高い電圧降下を減じるため、中間転写部材12の裏面層は好適には十分低い抵抗率をもつ。また電気的特性と転写構造は、第1転写ニップ40および第2転写ニップ48のプレニップ領域中の高い静電転写電界を防止するように選択されなければならない。成分トナー像と中間転写部材12との間の一般には約>50μmのエアーギャップ中のプレニップ電界が高いと、エアーギャップをわたってトナーが転写されることによる画像劣化、およびプレニップエアーブレークダウンによる画像欠陥につながりうる。これは、中間転写部材12のどの層の抵抗率も十分高い限りは、中間転写部材12を電界発生ステーション42より前に成分トナー像と早めに接触させることによって回避できる。中間転写部材12はまた、第1転写ニップ40および第2転写ニップ48中に非常に高い電流が流れるのを防止するために、上面層の抵抗率が十分に高くなければならない。最後に、中間転写部材12およびシステム設計は、第1の転写ニップ40間で中間転写部材12上に発生しうる高い、および/または不均一な電荷蓄積を最小限に抑える必要がある。
【0028】
単層中間転写部材12に好適な材料は、トナー像形成ステーション間のドウェル(休止)時間と同じまたは短い「電荷緩和時間(charge relaxation time)」をもつ半導電性材料、より好ましくは転写ニップのドウェル時間と同じまたは短い「ニップ緩和時間(nip relaxation time)」をもつ材料である。ここで「緩和時間」とは、中間転写部材の層の厚みにかかる電圧降下が減衰する特性時間をさす。ドウェル時間は、転写部材12の基本部分が所与の領域を通過するのに費やす時間である。例えば画像形成ステーション22−24間のドウェル時間は、画像形成ステーション22−24間の距離を転写部材12の進行速度で割ったものである。転写ニップのドウェル時間は、電界発生ステーション42の影響下で形成される接触ニップの幅を、転写部材12の進行速度で割ったものである。
【0029】
「電荷緩和時間」とは、中間転写部材が転写ニップ40内で他部材のキャパシタンスの影響から実質的に隔離される緩和時間である。一般に電荷緩和時間は、転写ニップ40の前または後ろの領域にあてはまる。これは材料層の物理量の誘電定数kと、抵抗率ρと、真空の誘電率ε0との積である古典的な「R−C時間定数」ρkε0である。一般に、材料の抵抗率は材料中の印可電界によって変化しうる。ここでは抵抗率は層の厚さにかけられる約25〜100ボルトに対応する印可電界で決定されるべきである。「ニップ緩和時間」は、転写ニップ40等の領域内の緩和時間である。42がコロナ電界発生装置ならば、「ニップ緩和時間」は電荷緩和時間とほぼ同じである。しかし、もしバイアス転写装置を使用する場合は、ニップ緩和時間は一般には電荷緩和時間より長い。これは、中間転写部材12自体のキャパシタンスだけでなく、転写ニップ40内に存在する絶縁層の単位面積あたりの余剰キャパシタンスによっても影響されるためである。例えば、帯像部材30上の光伝導体コーティングの単位面積あたりのキャパシタンスや、トナー像の単位面積あたりのキャパシタンスが、ニップ緩和時間に影響する。説明のため、CLは中間転写部材12の層の単位面積あたりのキャパシタンス、Ctotは第1転写ニップ40中の中間転写部材12以外のすべての絶縁層の単位面積あたりのキャパシタンスの合計をさすものとする。電界発生ステーション42がバイアスローラである場合は、ニップ緩和時間は、電荷緩和時間を量[1+(Ctot/CL)]で乗じたものとなる。
【0030】
上記の説明で規定した抵抗率範囲の条件により、第1転写ニップ40での成分トナー像の転写時に中間転写部材12にかかる高い電圧降下が避けられる。高いプレニップ電界を避けるには、中間転写部材の横方向すなわち進行方向の体積抵抗率はあまり低すぎてはならない。必要なのは、第1転写ニップ40中の電界発生ステーション42との間の電荷フローの横方向の緩和時間が、第1転写ニップ40のドウェル時間のリードより長いことである。ドウェル時間中のリードは量L/vである。Lは、中間転写部材12と成分トナー像とが最初に接触するプレニップ領域から、第1転写ニップ40内の電界発生ステーション42の開始位置までの距離である。量vは進行速度である。横方向の緩和時間は、電界発生ステーション42と最初の接触のプレニップ領域との間のベルトに沿った横方向の抵抗と、中間転写部材12とトナー像形成ステーション22,24,26,28の帯像部材30の基板との間の第1転写ニップ40中の絶縁層の面積あたりの総キャパシタンスCtotとに比例する。電界発生ステーション42近傍の望ましくない高プレニップ電界を避ける好適な抵抗率範囲の推定に有用な式は、[ρLVLCtot]>1である。この量は、中間転写部材12の「横抵抗率」と呼ばれるもので、これは部材の体積抵抗率を部材の厚さで除算したものである。部材12の電気的特性が等方性でない場合は、高いプレニップ電界を避けるのに興味のある体積抵抗率は、層の進行方向の抵抗率である。また、抵抗率が印可電界に依存する場合は、横抵抗率は、約500〜1500volts/cmの電界で決定すべきである。
【0031】
このように、単層中間転写部材12の好適な抵抗率範囲は、システムの構造、転写部材の厚さ、進行速度、および第1転写ニップ40中の各種材料の単位面積あたりのキャパシタンスなどの多数の要因に依存している。広範囲の一般的なシステム構造および進行速度では、単層転写ベルトの好適な抵抗率は、一般に体積抵抗率約1013ohm−cm未満、より好適には一般に<1011ohm−cmである。好適な抵抗率の下限は、一般に横抵抗率が約108ohms/square超、より好適には一般に約1010ohms/square超である。一例として、一般的な中間転写部材12の厚さである約0.01cmでは、1010ohms/square超の横抵抗率は、体積抵抗率108ohm−cm超に対応する。
【0032】
以下の説明では、第2転写ニップ48での良好な転写を可能にする転写定着部材50の好適な電気的特性の範囲を特定する。転写定着部材50は好ましくは多層からなり、転写定着部材50の一番上の層に選択される電気的特性は、単層中間転写部材12の好適な抵抗率に影響をおよぼす。転写定着部材50の一番上の層が、一般には約109ohm−cm以上の十分高い抵抗率をもつ場合は、上述した単層中間転写部材12の好適な抵抗率の下限が適用される。もし転写定着部材50の一番上の層が約109ohm−cmよりやや低い抵抗率をもつ場合は、第2転写ニップ48での転写に問題が生じるのを避けるために、単層中間転写部材12の好適な抵抗率の下限を上げなければならない。転写の問題には、中間転写部材12と転写定着部材50との間に不要に高い電流が流れることや、転写電界の減少による転写の劣化が含まれる。転写定着部材50の一番上の層の抵抗率が約109ohm−cm未満の場合は、単層中間転写部材12の体積抵抗率の好適な下限は、一般には約109ohm−cm以上となる。
【0033】
これに加えて、中間転写部材12は、弾性伸びによるトナー像形成ステーション22,24,26,28間のレジストレーションの問題を避けるために十分な横方向の剛性をもたなければならない。剛性は、中間転写部材のすべての層についてヤング率に層厚を乗じた積の和である。好適な剛性の範囲は、様々なシステムパラメータによって異なる。剛性に要求される値は、トナー像形成ステーション22,24,26,28における、および/または該ステーション間での摩擦抗力の量が増大するにつれて大きくなる。好適な剛性はまた、トナー像形成ステーション間の中間転写部材12の長さが長くなるにつれて、かつカラーレジストレーションの要件が増えるにつれて、大きくなる。好適な剛性は>800PSI−inches、より好適には>2000PSI−inchesである。
【0034】
単層中間転写部材12に好適な材料は、導電性の制御添加剤を介して良好な電気的制御が得られるポリアミドである。
【0035】
中間転写部材12はまた、オプションで多層構造でもよい。トナー領域と逆の裏面層は、好適には説明した範囲内で半導電性をもつ。多層中間転写部材12の裏面層に好適な材料は、単層中間ベルト12で説明したものと同じである。限度内であれば、上面層はオプションで「絶縁性」または半導電性でもよい。いずれの場合も利点と欠点がある。
【0036】
説明のため、ここでは電荷フローの緩和時間が、興味のあるドウェル時間より大幅に長い場合は、中間転写部材12上の層は「絶縁性」であると考えることができる。例えば、第1転写ニップ40中である層のニップ緩和時間が、その層の一部が第1転写ニップ40の通過に要する時間より大幅に長い場合は、この層は第1転写ニップ40中のドウェル時間中に「絶縁性」である。ある層の電荷緩和時間が、その層の一部がトナー像形成ステーション間の進行に要するドウェル時間より大幅に長い場合は、その層はトナー作成ステーション22,24,26,28間で絶縁性である。一方、ある層の緩和時間が適切なドウェル時間と同じかまたは短い場合は、その層はここに述べる意味で半導電性である。例えば、ニップ緩和時間が第1転写ニップ40中のドウェル時間より短い場合は、層は第1転写ニップ40のドウェル時間中に半導電性である。さらに、中間転写部材12上のある層の緩和時間がトナー像形成ステーション22,24,26,28間のドウェル時間より短かければ、この層はトナー像形成ステーション間のドウェル時間中に半導電性である。中間転写部材12上の上面層の緩和時間を決定する式は、単層中間転写部材について上述したものとほぼ同じである。従って、多層中間転写部材12上のある層が、興味のある特定のドウェル時間中に「絶縁性」であるか「半導電性」であるかは、層の電気的特性だけではなく、進行速度、システムの構造、および層厚によっても異なる。
【0037】
転写ベルトの層は、体積抵抗率が一般に約1013ohm−cmを上回る場合は、大半の転写システムにおいて一般的には「絶縁性」である。中間転写部材12上の絶縁上面層は層にかかる電圧降下を生じるため、第1転写ニップ40中で複合トナー層にかかる電圧降下を減じる。従って絶縁層が存在することは、帯電した複合トナー像上に働く同じ静電界を形成するために、第1および第2転写ニップ40,48中でより高い電圧の印可が必要となる。この電圧要求は、主としてかかる絶縁層の「誘電体厚さ」、つまり実際の層の厚さを層の誘電率で割ったものによって左右される。絶縁層に考えられる欠点の一つは、中間転写部材12上の絶縁層の誘電体厚さの和が大きすぎると、成分トナー像の良好な静電転写のために、中間転写部材12上に不要に高い電圧が必要になることである。これは特に、中間転写部材12の一回転より長いドウェル時間にわたって「絶縁性」である層をもつカラー画像形成システムにあてはまる。かかる絶縁性の上面層には、各電界発生ステーション42の電荷移動によって電荷が蓄積される。この電荷蓄積のため、後続の成分トナー像を良好に転写するために、後続の電界発生ステーション42において中間転写部材12の裏面により高い電圧が必要となる。この電荷を画像調整ステーション46のコロナ装置を用いて第1転写ニップ40間で完全に中和するには、中間転写部材12上の転写された複合トナー像の電荷を不要に中和、または場合によっては逆極性にしてしまう。従って、中間転写部材12の裏面上の許容不可な高電圧の必要性をなくすには、良好かつ安定した転写性能のために、中間転写部材12上のかかる絶縁上面層の総誘電体厚を好適には薄く維持しなければならない。許容可能な総誘電体厚さは、約50μmと厚くてもよいし、好適な値は<10μmである。
【0038】
中間転写部材12の最適な一番上の層は、好適には表面エネルギーが低いなどの良好なトナー放出特性をもち、かつ好適にはシリコンオイルなどの油に対する親和力が低い。良好なトナー放出特性をもつ望ましいオーバコート材料の例は、PFA,TEFLON(登録商標)、および各種フルオロポリマー等である。中間転写部材12の半導電性の裏面層上に絶縁コーティングをほどこす利点の一つは、コーティング材料も半導電性でなければならないという制約がなければ、良好なトナー放出特性をもつ材料がより簡単に利用できることである。抵抗率の高いコーティングに考えられる他の利点は、一番上の層の抵抗率が<<109ohm−cm程度に低い転写定着部材50の使用を望む実施形態にあてはまる。上記のとおり、単層の中間転写部材12の抵抗率は、転写定着部材50の一番上の層の抵抗率が約109ohm−cm未満ならば、第2転写ニップ48中で転写に問題が生じるのを避けるために、好適には一般に約>109ohm−cmに制限される。一番上の層の抵抗率が好適には>109ohm−cmと十分高い多層中間転写部材12では、裏面層の抵抗は低くしてもよい。
【0039】
中間転写部材12上の半導電性コーティングの利点は、画像作成ステーション22,24,26,28の前、またはその間に、中間転写部材12上の電荷を平準化する電荷平準化が不要な点である。中間転写部材上の半導電性コーティングの他の利点は、絶縁コーティングの場合よりも上面層をかなり厚くできることである。これらの利点の実現に必要な電荷緩和条件および対応する抵抗率条件の範囲は、先に裏面層についてすでに説明したものと同様である。一般に、興味のある半導電性領域は、電荷緩和時間がトナー像形成ステーション22,24,26,28間で費やされるドウェル時間より短くなる抵抗率である。より好適な抵抗率構成では層を厚くすることができ、この構成は、第1転写ニップ40中のニップ緩和時間が、中間転写部材12の一部が第1転写ニップ40の通過に要するドウェル時間より短くなるような抵抗率の範囲である。このような好適な抵抗率領域では、層の電荷伝導のため、転写ニップのドウェル時間の終了時点での層の電圧降下は小さい。
【0040】
横抵抗率に関する抵抗率の下限についての制約は、多層中間転写部材12の半導電性の一番上の層、半導電性の任意の中間層、および半導電性の裏面層にあてはまる。これらの各層に好適な抵抗率の範囲は、単層中間転写部材12について先に説明したものとほぼ同じである。また、第2転写ニップ48中の転写の問題に関するさらなる抵抗率の制約は、多層中間転写部材12の一番上の層にあてはまる。好適には、中間転写部材12の一番上の半導電性の層の抵抗率は、転写定着部材50の一番上の層の抵抗率が一般に109ohm−cmよりやや低い場合は、一般には>109ohm−cmとなるべきである。
【0041】
第2転写ニップ48中の複合トナー像の転写は、静電気と熱の組み合わせによって補助される転写によって行われる。電界発生ステーション42とガイドローラ74とが電気的にバイアスされて、帯電した複合トナー像を中間転写部材12から転写定着部材50へ静電転写する。
【0042】
第2転写ニップ48における複合トナー像の転写は、転写定着部材50の温度が十分高い最適レベルに維持され、かつ中間転写部材12の温度が第2転写ニップ48に入る前にかなり低い最適レベルに維持されていれば、熱補助されうる。熱補助転写のメカニズムは、第2転写ニップ48におけるトナー接触のドウェル時間中の複合トナー像の軟化と考えられる。トナーの軟化は、温度が高いほうの転写定着部材50と接触することによって起こる。この複合トナーの軟化により、複合トナー像と転写定着部材との界面において複合トナー像の転写定着部材50への付着性を高める。またこれは、複合トナー像の層状のトナーパイルの接着度を高める。第2転写ニップ48に入る前の中間転写部材12上の温度は、過度のトナー軟化と過度の中間転写部材12へのトナーの付着を避けるために、十分低くなければならない。転写定着部材50の温度は、第2転写ニップ48中で最適な熱補助を得るために、第2転写ニップへ入る前にはトナー軟化点よりかなり高くなければならない。さらに、第2転写ニップ48直前の中間転写部材12の温度は、第2転写ニップ48での最適な転写のために、転写定着部材50の温度よりかなり低くなければならない。
【0043】
第2転写ニップ48前の中間転写部材12の温度は、複合トナー像の良好な転写を維持する上で重要である。中間転写部材12の温度を最適に上げると、より低い温度の転写定着部材50で、第2転写ニップ48の静電転写を熱補助するために必要な複合トナー像を望みどおりに軟化できる。しかし、中間転写部材12の温度が高くなりすぎて、第2転写ニップ48前に中間転写部材上で複合トナー像の過剰な軟化が発生する危険性がある。この状況は、複合トナー像を中間転写部材12に不要に強く付着させ、第2の転写を劣化させうる。好適には、第2転写ニップ48前の中間転写部材12の温度は、トナーのTg(ガラス転移温度)より下またはその範囲内に維持される。
【0044】
転写定着部材50はガイドローラ74,76,78,80によって循環経路に導かれる。ガイドローラ74,76は、好適には単独またはともに加熱されて転写定着部材50を加熱する。中間転写部材12と転写定着部材50とは、好適には同期されて、転写ニップ48中でほぼ同じ速度となる。転写定着部材のさらなる加熱は、加熱ステーション82によって行われる。加熱ステーション82は、好適には転写定着部材50によって規定される経路の内側に配置される遠赤外ランプから構成される。または加熱ステーション82は、転写定着部材50の裏面に接触する加熱されたシュー、または転写定着部材50の内側もしくは外側に位置する他の熱源でもよい。転写定着部材50と圧力ローラ84とは、その間に第3の転写ニップ86を規定する。
【0045】
放出剤アプリケータ88は、制御された分量のシリコンオイル等の放出剤を転写定着部材50の表面に与える。放出剤は、第3転写ニップ86中で転写定着部材50から複合トナー像を放出するのを助ける。
【0046】
転写定着部材50は、好適には複数の層から構成される。転写定着部材50は、第2転写ニップ48中で高静電界が発生できるように適切な電気的特性をもたなければならない。過度に高い電圧を必要としなくてもよいように、転写定着部材50は、第2転写ニップ48中で転写定着部材50にかかる電圧降下を十分に低くできる電気的特性をもつのが好適である。さらに転写定着部材50は、中間転写部材12と転写定着部材50との間に許容可能な低い電流を確保するのが好適である。転写定着部材50の要件は、中間転写部材12に選択された特性によって異なる。つまり、転写定着部材50と中間転写部材12との両方で、第2転写ニップ48中で十分に高い抵抗をもつ。
【0047】
転写定着部材50は、好適には横方向に剛性のある裏面層、適合性のある分厚いゴム製の中間層、および薄い一番外側の層を有する。裏面層の厚さは好適には約0.05mm超である。中間適合層および一番外側の層の厚さは、好適には、合計で0.25mm超、より好適には約1.0mm超である。裏面層および中間層は、第2転写ゾーン48中の電圧要件が過度に高くならないように、十分低い抵抗率をもつ必要がある。好適な抵抗率条件は、中間転写部材12についての先の説明に従う。つまり、多層転写定着部材50の裏面層および中間層に好適な抵抗率範囲は、第2転写ニップ48の電界発生領域中のこれらの層のニップ緩和時間が、第2転写ニップ48の電界発生領域中で費やされるドウェル時間より短くなければならない。ニップ緩和時間およびニップドウェル時間の式は、単層中間転写部材12について説明したものとほぼ同じである。従って、裏面層および中間層に好適な特定の抵抗率範囲は、システムの構成、層厚、進行速度、および転写ニップ48内の絶縁層の単位面積あたりのキャパシタンスに依存する。一般に、多層転写定着部材50の裏面層および中間層の体積抵抗率は、大半のシステムについて、一般には約1011ohm−cm未満、より好適には約108ohm−cm未満でなければならない。オプションで、転写定着部材50の裏面層は、金属など高い導電性をもつものでもよい。
【0048】
多層中間転写部材12と同じく、転写定着部材50の一番上の層は、オプションで転写ニップ48のドウェル時間中に「絶縁性」(一般的には>1012ohm−cm)となるようにしてもよいし、転写ニップ48中で半導電性(一般的には106〜1012ohm−cm)となるようにしてもよい。しかし、上面層が絶縁性になる場合は、この層の誘電体厚さは、過度な高電圧を避けるために十分小さいのが好ましい。好適には、このような絶縁作用をもつ上面層では、絶縁層の誘電体厚さは、一般的には約50μm未満、より好適には約10μm未満である。非常に抵抗率の高い絶縁上面層を用いる場合は、電荷緩和時間は転写定着部材の循環時間より長くなり、転写ニップ48における電荷移動によって転写定着部材50上に電荷が蓄積する。このため、周期的な電荷蓄積の均一性を制御し、そのレベルを下げるために、スコロトロンまたはその他の電荷発生装置等の循環型放電ステーション77が必要となる。
【0049】
転写定着部材50は、追加の中間層を持つようにしてもよい。一般に誘電体厚さが約10μmを上回る追加中間層は、その追加中間層にかかる電圧降下を下げるように、抵抗率が十分低いのが好ましい。
【0050】
転写定着部材50は、好適には表面エネルギーが低い材料、例えばシリコンエラストマ、Viton(登録商標)等のフルオロエラストマ、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルカン、およびその他のフッ化ポリマーなどから構成される上面層をもつ。転写定着部材50は、好適にはViton(登録商標)またはシリコンに炭素その他の導電性を高める添加剤を加えて所望の電気的特性をもつように構成された中間層を上面層と裏面層との間にもつ。裏面層は、好適には所望の電気的特性をもつように修正された織物である。または、裏面層はステンレス鋼等の金属でもよい。
【0051】
転写定着部材50は、オプションで転写定着ローラ(図示せず)でもよいし、または好適には転写定着ベルト形状である。転写定着部材50には転写定着ベルトより転写定着ローラのほうがコンパクトであり、またカラーシステムにおいて移動品質を良好にするのに必要な駆動および操作要件を簡易化する点でより優れている。しかし、転写定着ベルトは、耐久年数を延ばし、基板はく離能力を高め、かつ一般に交換コストを安くするために周囲を長くできる等の点で転写定着ローラより優れている。
【0052】
転写定着部材50の中間層は好適には厚く、より粗い基板70への適合度を高め、プリンタ10で使用可能な基板の寛容度の範囲を広げられるようにする。さらに、厚さ約0.25mm超、好適には1.0mm超の比較的厚い中間層を使用すると、第3の転写ニップ86の出力部からの文書のはく離を改善するクリープが得られる。他の実施例では、転写定着部材50上にシリコン等の分厚い低デュロメータの適合性のある中間層および上面層を用いて、動作寛容度の広い転写定着システムによって画像光沢を低くできるようにする。
【0053】
第2転写ニップ48前に転写定着部材50上の温度を比較的高くすることは、転写定着システムに有利である。第2転写ニップ48中の転写ステップは、複合トナー像の単一カラートナー層および積層した多層カラートナー層を同時に転写する。転写ベルトとの界面にもっとも近いトナー層の転写がもっとも困難である。任意の特定領域中で転写されるべきカラートナー層に応じて、所与の分離カラートナー層は中間転写部材12表面にもっとも近くてもよいし、または表面から離してもよい。例えば、マゼンタトナー層が転写ベルト上に堆積された最後の積層ならば、マゼンタ層はあるカラー印刷領域では中間転写部材12の表面に直接接してもよいし、または他のカラー領域ではシアンおよび/またはイエロートナー層より上に積層されてもよい。転写効率が非常に低ければ、中間転写部材12に近接したカラートナーの大部分は転写されないが、別のカラートナー層上に積層されたこのカラートナー層の大部分は転写される。このため、例えば複合トナー像の転写効率があまり高くない場合は、シアントナーが中間転写部材12の表面に直接接している複合トナー像領域のほうが、シアントナー層がイエロートナー層上にある複合トナー像領域よりシアントナー層の転写が悪い。第2転写ニップ48中の転写効率は>95%で、重大なカラーシフトを防止する。
【0054】
図7は、中間転写部材12上に残される残留トナー量と、転写定着部材50の温度との関係についての実験データを示す。曲線92は電界、圧力、および熱によって補助した場合、曲線90は電界の補助はないが、圧力と熱によって補助した場合である。残留トナー量が非常に低いということは、転写効率が非常に高いことを意味する。実験で使用したトナーは、ガラス転移温度Tgが約55℃である。実質的な熱補助は、転写定着部材50の温度がTgを越える場合に観察される。電界が印可され、かつ転写定着部材50の温度がトナーのTg範囲を大きく上回る約165℃超で動作する場合に、ほぼ100%のトナー転写が発生する。望ましい温度はトナー特性によって異なる。一般に、多数の異なるトナーおよびシステム条件について、静電転写を熱補助するにはTgよりかなり高い温度での動作が有利であると認められる。
【0055】
第2転写ニップ48中で転写定着部材50の温度が高すぎると、複合トナー層の中間転写部材側で過度のトナー軟化による問題を生じうる。従って、第2転写ニップ48前の転写定着部材50の温度は、最適範囲内で制御されなければならない。第2転写ニップ48中の複合トナー像の最適温度は、第3転写ニップ86中の複合トナー像の最適温度より低い。第2転写ニップ48中で熱補助に望ましい転写定着部材50の温度を容易に得ると同時に、基板70を予め加熱することによって第3転写ニップ86中でより完全なトナー溶融に必要な所望のより高いトナー温度を達成できる。基板70への転写・定着は、基板と複合トナー像間の界面の温度によって制御される。熱分析の結果、界面温度は、基板70および転写定着部材50両方の温度上昇に伴って上昇することが示される。
【0056】
第2転写ニップ48および第3転写ニップ86中で転写定着部材50の温度がほぼ一定な場合、第2転写ニップ48中の転写の最適温度は、中間転写部材12の温度調節によって制御され、第3転写ニップ86中の転写定着は基板70の予備加熱によって最適化される。または、あるトナー組成または動作領域では、基板70の予備加熱は不要である。
【0057】
基板70は、材料供給およびレジストレーションシステム69によって基板プレヒータ73へ搬送されレジスターされる。基板プレヒータ73は、好適には加熱されたプラテン上に基板を運ぶ搬送ベルトから構成される。または、基板プレヒータ73は、その間に加熱ニップを形成する加熱されたローラ群から構成されてもよい。基板70は、基板プレヒータ73で加熱された後、第3転写ニップ86へと送られる。
【0058】
図8は、異なる基板予備加熱温度について、クリース(crease)と称する定着の大きさと、転写定着部材50の温度との関係を示す。曲線94は予備加熱した基板の場合、曲線96は基板が室温の場合である。この結果からわかるように、同じ定着レベルでは、転写定着部材50の温度は、基板の予備加熱温度が高い曲線94のほうが、基板の予備加熱温度が低い曲線96よりもかなり低くなる。第3転写ニップ86前に基板プレヒータ73によって基板70を加熱すると、第2転写ニップ48での複合トナー像の転写向上のために転写定着部材50の温度を最適化できる。このように転写定着部材50の温度を第2転写ニップ48中の最適な転写のための所望の最適温度範囲に制御することができ、これには基板70の温度を、この制御された転写定着部材50の温度において第3転写ニップ86中で基板70への良好な定着・転写に要する対応する高い要求温度に制御する。従って、第2転写ニップ48中の最適な転写のために転写定着部材50を第2転写ニップ48前に冷却する必要はない。つまり、転写定着部材50は第2転写ニップ48および第3転写ニップ86両方において、ほぼ同じ温度に維持できる。
【0059】
さらに、転写定着部材50を第2転写ニップ48前に実質的に冷却しなくてよいため、転写定着部材50を覆う層、中間層、および一番上の層を比較的厚く、好適には約1.0mmより厚くすることができる。転写定着部材50の中間層および一番上の層が比較的厚いため、適合性を上げることができる。転写定着部材50の適合性が高いと、印刷品質を実質的に劣化させることなく、より広い寛容度の基板への印刷が可能になる。つまり比較的粗い基板70上に複合トナー像をより高い効率で転写できる。
【0060】
さらに、転写定着部材50は、好適には第2転写ニップ48および第3転写ニップ86どちらにおいてもほぼ同じ温度である。しかし、複合トナー像の温度は、好適には第2転写ニップ48中よりも第3転写ニップ86中のほうが高い。従って第3転写ニップ86中の基板70の温度のほうが、第2転写ニップ48中の中間転写部材12の温度より高い。または、転写定着部材50を第2転写ニップ48前に冷却することもできるが、転写定着部材50の温度は上記のように、好適には複合トナー像のTgよりかなり高い温度に維持される。さらに、ある動作条件下では、転写定着部材50の一番上の層を、第2転写ニップ48前に加熱してもよい。
【0061】
複合トナー像は第3転写ニップ86中で基板70に転写・融着されて、完成文書72を形成する。第3転写ニップ86中の基板70および転写定着部材50からの熱と、ガイドローラ76に対する圧力ローラ84の圧力とによって、複合トナー像を基板70に転写・融着する。第3転写ニップ86中の圧力は、好適には約40psi〜500psi、より好適には約60psi〜200psiである。転写定着部材50と、第3転写ニップ86中の圧力および転写定着部材50の適切なデュロメータとによって、第3転写ニップ中でクリープを生じ、複合トナー像および基板70を転写定着部材50から放す補助を行う。好適なクリープは4%超である。はく離は、ガイドローラ78のガイドローラ76および圧力ローラ84に対する位置決めによってさらに補助される。ガイドローラ78は、圧力ローラ84上に少量の転写定着部材50を巻き付けるように位置決めされる。ガイドローラ76,78および圧力ローラ84の配列によって、高圧ゾーン、およびこれに進行方向に隣接する低圧ゾーンをもつ第3転写ニップ86を形成する。低圧ゾーンの幅は、好適には高圧ゾーンの幅の1〜3倍、より好適には約2倍である。低圧ゾーンは、クリープを効果的にさらに2〜3%加えて、はく離を促進する。はく離は、はく離システム87、好適にはエアーパフィングシステムを設けることによってさらに補助される。または、はく離システム87は、はく離ブレード、またはローラもしくはベルトから文書をはく離する他の周知のシステムでもよい。圧力ローラは、圧力ベルト等の他の圧力アプリケータに代えてもよい。
【0062】
はく離後、文書72は選択的に駆動可能なつや出しステーション110へ進み、その後、シートストッカーまたは他の周知の文書付与システム(図示せず)へ進む。プリンタ10はまた、文書72をインバータ71へ進め、文書72を反転させてプレ転写加熱ステーション73へ再送して、文書72の裏面に印刷を行う両面印刷機能を設けてもよい。
【0063】
冷却ステーション66は、中間転写部材12を進行方向に沿って第2転写ニップ48後に冷却する。冷却ステーション66は、好適には第2転写ニップ48の出口側の中間転写部材12上の熱の一部を、第2転写ニップ48の入口側の加熱ステーション64へ移す。または、冷却ステーション66は第2転写ニップ48の出口側の中間転写部材12上の熱の一部を、第3転写ニップ86前に基板に移す。または、複数の加熱ステーション64および冷却ステーション66を用いて熱共有を実現し、熱移動効率を上げるようにしてもよい。
【0064】
クリーニングステーション54は中間転写部材12に係合する。クリーニングステーション54は、好適には、第2転写ニップで転写定着部材50から中間転写部材12上に堆積しうる油を除去する。例えば、転写定着部材50の一番上の層に好適なシリコン製の層を用いる場合、シリコン材中に含まれるいくらかのシリコンオイルが転写定着部材50から中間転写部材12へ移り、最後には帯像部材39を汚染する。さらに、クリーニングステーション54は、中間転写部材12上に残っている残留トナーの除去も行う。クリーニングステーション54はまた、帯像部材30を汚染しうる、放出剤管理システム88によって転写定着部材50上に堆積したオイルの除去も行う。クリーニングステーション54は、好適には単独のクリーニングブレード、または静電ブラシクリーナの付いたもの、またはクリーニングウェブである。
【0065】
本発明に従うクリーニングステーション58(図3参照)は、第3転写ニップ86通過後に転写定着部材50の表面に係合し、転写定着部材50の表面から残留トナーと汚染物質を除去する。クリーニングステーション58は、複数のクリーナーローラアセンブリ281を支持する回転可能なタレットまたは回転ラック280を有する。クリーナーローラアセンブリ281は、クリーニング状態に転写定着部50に係合する。クリーナーローラアセンブリは回転可能なタレットまたは回転ラックに取付けられる。回転ラックは、クリーニングのために各クリーナーローラアセンブリを順に溶融部材とクリーニング状態に係合させるように割出される。第1の実施形態では、各クリーナーローラアセンブリ281は、回転可能な連続表面クリーナーローラ259から構成される。クリーナーローラ259は、転写定着部材50の進行方向に直交するように配向され、好適には転写定着部材50のほぼ全幅にかかるように延びる。クリーナーローラ259は好適には金属製の管またはシリンダから構成される。またはクリーナーローラは厚紙または他の高表面エネルギー材料から構成してもよい。一部溶融したトナーは、クリーナーローラ259の外表面上にトナー層を形成する。トナー層は温度が上昇すると付着性または粘着性をもつ。溶融部材と接触したクリーナーローラアセンブリのクリーナーローラ259は、印刷装置に用いられるトナーの粘着範囲内で加熱される。連続表面をもつクリーナーローラ259の使用により、転写定着部材50を効果的に1回のパスでクリーニングできる。クリーナーローラ259は、好適には非駆動だがトナー層262と転写定着部材50との摩擦係合から回転運動を生じるアイドラーローラである。
【0066】
クリーナーローラ259は、転写定着部材50の表面から予め設定された第1の固定距離の地点に支持される。クリーナーローラ259は転写定着部材50の表面と圧力によって接触した状態で保持される。クリーナーローラ259は好適にはガイドローラ80の反対側に配置される。または、圧力ローラ261を第1クリーナーローラ259の反対側に配置して、転写定着部材50とクリーナーローラ259との間に適切な圧力を維持してもよい。クリーナーローラ259は、転写定着部材50に回転状態に係合し、転写定着部材50に10〜50psiの圧力をかける。
【0067】
クリーナーローラ259は、好適には鋼などの剛性のある材料から構成されるが、銅、アルミニウムステンレス鋼、厚紙等でもよい。クリーナーローラ259は、好適には転写定着部材50によって加熱され、これによりクリーニングローラ259上のトナー層262を一部溶融状態で維持する。または、トナー層を外部のヒータで加熱してもよい。トナー層262の動作温度範囲は、トナーを溶融する十分高い温度、一般には100℃超である。トナー層の温度が低すぎると、トナーおよび他の汚染物質がクリーナーローラ259に付着できない。トナー層262の温度範囲は、トナー層の分離を防ぐため180℃超の高温まで上げてはいけない。一部溶融したトナーは、こうして好適には100〜180℃の最適温度範囲内に維持される。トナー層262は、転写定着部材50からの熱、および必要に応じてクリーニングヒータ265からの追加加熱によって、最適温度範囲内に維持される。
【0068】
クリーナーローラ259は、好適にはまずトナー層262で覆われる。その後、トナー層262は、最適温度範囲内になるまで加熱される。または、クリーナーローラ259は当初からトナー層をもたず、転写定着部材50と接触する際に裸状態である。クリーナーローラ259が最適範囲内に加熱されると、転写定着部材50からのトナー粒子がクリーナーローラ259に付着する。こうして転写定着部材50上の過剰なトナー粒子からトナー層262が構成される。また転写定着部材50上の他の粒子および汚染物質もクリーナーローラ259上の粘着性のあるトナー層に付着し、転写定着部材から除去される。
【0069】
クリーナーローラ259は好適には連続表面をもち、予め設定した動作期間、例えば予め設定したページ数だけ転写定着部材表面のクリーニングを行う。予め設定した動作期間の終了時に、使用済みのクリーナーアセンブリ281は転写定着部材とのクリーニング状態の係合からはずされ、第2のクリーニングアセンブリ281が溶融部材50とクリーニング状態に係合される。大半の動作環境では、クリーニングステーション58は1回のパスで転写定着部材50を掃除し、転写定着部材50が新たな複合トナー像を受け取る準備をする。
【0070】
本発明に従うクリーニングステーション58の他の実施形態では、各クリーナーロールアセンブリ281は、連続表面ローラ259の代わりに有孔クリーナーローラ260を有する(図5参照)。有孔クリーナーローラ260は、内部溜部(貯蔵部)264を規定する管または中空のシリンダである。有孔クリーナーローラ260は、ローラ表面を貫通する開口266をもつ。開口266は一連の穴、または好適には有孔クリーナーローラ260の長さに沿って軸方向に延びる1本のらせん状に巻かれた切り込みでもよい。
【0071】
有孔クリーナーローラ260上には、上記と同じく粘着性のトナー層が維持される。転写定着部材50からのトナー粒子の蓄積によってトナー層263の厚みが増すと、余剰トナーは有孔クリーナーローラ260の内部溜部264中へ圧搾される。有孔クリーナーローラ260と転写定着部材50間の圧力によって、トナー層263からの余剰トナーを内部溜部264中へ移動させる。開口266は、トナー層263の余剰トナーをクリーナーローラ260の内部溜部264中へ圧搾または移動させ、これによりクリーナーローラ260表面上のトナー層263の好適な厚さを維持する。この結果、余剰トナーおよび微粒子が内部溜部264中に蓄積されて、各クリーナーアセンブリ281の動作寿命、ひいてはルーチンサービス間のクリーニングステーション58全体の動作寿命を延ばす。この開口は、開口が転写定着部材の表面上を通過する際に、転写定着部材のクリーニングが行われないクリーニングギャップを形成する。
【0072】
本発明のさらに他の実施形態では、各クリーニングアセンブリ281は、間隔を空けて回転可能に取り付けられた連続表面クリーナーローラ259および有孔クリーナーローラ260(図6参照)を有する。有孔クリーナーローラ260は、転写定着部材の進行方向の最初に配置される。連続表面クリーナーローラ259は、有孔クリーナー260から進行方向下流に配置される。クリーナーローラ260,259はそれぞれ転写定着部材50にクリーニング状態に係合できる。第1の有孔クリーナーローラ260および第2の連続表面クリーナーローラ259は、上述した有孔クリーナーローラ260および連続表面クリーナーローラ259と同じ態様で機能する。有孔クリーナーローラ260は、余剰トナーおよび微粒子が内部溜部264中に蓄積されるため、動作寿命がやや長い。しかし有孔クリーナーローラ260は、一般には開口266のため、転写定着部材50の表面全体を1回のパスではクリーニングできない。連続表面クリーナ259は、一般に転写定着部材50の表面全体をクリーニングする。連続表面クリーナーローラ259は、有孔クリーナーローラ260が転写定着部材50を汚染しているトナーおよび微粒子の大半を除去するため、動作寿命が長い。このためクリーナーローラアセンブリ281は、転写定着部材を1回のパスでクリーニングでき、かつ動作寿命が比較的長い。1回のパスでクリーニングを行うことは、トナー像が転写定着部材との間で周期的に転写され、浮遊トナー粒子が転写定着部材に付着する可能性が高い転写定着システムでは、特に重要である。タレットの動作によって未使用のクリーナーローラアセンブリを転写定着部材と接触させることによって、動作寿命をさらに延ばす。クリーニングアセンブリの動作寿命が延びると、必要なルーチンメンテナンスの回数が少なくなる。
【0073】
転写定着部材50は圧力ローラ84によって循環経路中を運ばれる。またはガイドローラ74を駆動することによって駆動力を得るか、または駆動力が高められる。中間転写部材12は、好適には転写定着部材50との圧力接触によって駆動される。中間転写部材12への駆動力は、中間転写部材12と転写定着部材50との間の付着性の接触を利用して、転写定着部材50の駆動力から得られる。この付着性の接触により、転写定着部材50と中間転写部材12とは第2転写ニップ48中で互いに同期して移動する。中間転写部材12とトナー像形成ステーション22,24,26,28との間の付着性の接触により、中間転写部材12は各第1転写ゾーン40中でトナー像形成ステーション22,24,26,28と同期して移動する。従って、トナー像形成ステーション22,24,26,28は、中間転写部材12を介して転写定着部材50によって駆動されうる。または中間転写部材12は独立駆動されてもよい。中間転写部材が独立駆動される場合は、中間転写部材12に係合する運動バッファ(図示せず)が、中間転写部材12と転写定着部材50との間の相対運動を緩衝する働きをする。運動バッファシステムは、フィードバックおよび制御システムのついた張力システムを含んで、第2転写ニップ48で中間転写部材12に移される運動の不規則性とは関係なく、第1転写ニップ40中の中間転写部材12の良好な移動を維持する。フィードバックおよび制御システムは、中間転写部材12の移動および/または転写定着部材50の移動を検出するレジストレーションセンサを含み、複合トナー像を基板70へ転写するレジストレーションタイミングを与えるようにしてもよい。
【0074】
つや出しステーション110は、好適には第3転写ニップ86から進行方向下流に配置され、書類72の光沢特性を選択的に大きくする。つや出しステーション110は、その間につや出しニップ116を規定する対向する溶融部材112,114を有する。つや出しニップ116はつや出しが選択できるように調整可能である。特に、これらの溶融部材はカム駆動され、このため転写定着ニップは、光沢を生じうる溶融部材112,114のいずれかにほとんど接触せずに文書が通過できるように十分広い。オペレータがつや出しを選択すると、溶融部材112,114がカム駆動されて圧力関係に入り、つや出しニップ116を通過する文書72の光沢レベルを上げるように駆動される。つや出しの量は、溶融部材112,114の温度調整によってオペレータが選択できる。溶融部材112,114の温度が高いほうが、つや出し量が多い。本願に引用して援用する米国特許第5,521,688号(発明の名称「ハイブリッドカラーフューザ」)は、放射性フューザを用いるつや出しステーションを記載している。
【0075】
定着機能とつや出し機能とを分離していることは、動作上、有利である。定着機能とつや出し機能の分離により、オペレータが文書72上に好適なレベルの光沢を選択できる。カラーシステムにおいて高いつや出し性能を達成するには、一般に第3転写ニップ86中の温度が比較的高くなければならない。また一般的に、摩耗による転写定着部材の表面粗さの変化によって光沢を不均一にする摩耗の問題を避けるため、転写定着部材50上にViton(登録商標)等の高い熱抵抗および摩耗抵抗をもつ材料も必要である。高温要件、および熱や摩耗抵抗性の高い材料の使用により、一般には放出剤管理システム88によるオイル塗布量増大が必要となる。プリンタ10などの転写定着システムでは、転写定着部材50上の温度上昇およびオイル量の増大は、光受容体30の汚染問題を生じる可能性がある。転写定着システムを有し、強い光沢を必要とするプリンタは、分厚い適合性のない転写定着部材か、または比較的薄い転写定着部材を用いる。しかし、やや適合性のない転写定着部材および比較的薄い転写定着部材は、きめの粗い用紙ストック等上への良好な印刷に必要な高い適合性に欠ける。
【0076】
つや出しステーション110の使用により、第3転写ニップ86での光沢作成の必要性が低減または排除される。第3転写ニップ86中のつや出し必要性の低減または排除によって、カラー転写定着部材の材料の表面摩耗問題が最小限に抑えられ、かつ簡単に利用可能なシリコンまたはその他の同様の柔らかい転写定着部材材料を用いて寿命の長い転写定着部材50が得られる。またこれにより、転写定着部材50上に比較的厚い層が使用でき、その結果、転写定着部材材料の動作寿命が延び、かつきめの粗い基板上への画像形成の適合性が高くなる。またこれにより、転写定着部材に必要な温度要件を下げて転写定着材料の寿命をさらに延ばし、かつ第3転写ニップ86中のオイル要件をかなり下げる。
【0077】
つや出しステーション110は、好適には第3転写ニップ86の十分近くに配置され、第3転写ニップ86中で生じる文書72の温度上昇を利用出来るようにする。上昇した文書72の温度により、つや出しステーション110に必要な動作温度は低くなる。つや出しステーション110の温度が低いため、つや出し材料の寿命と信頼性が向上する。
【0078】
適合性の高いシリコン転写定着部材50の使用は、低光沢で良好な動作定着寛容度を達成する重要な一手段の一例である。重要なパラメータは、転写定着部材50の一番上の層のデュロメータが十分に低く、好適にはゴム製であること、かつ転写定着部材50の中間層の厚さが比較的厚く、やはり好適にはゴム製であることである。好適なデュロメータ範囲は、複合トナー層の厚さ、および転写定着部材50の厚さによって異なる。好適な範囲は約25〜55ショアAであり、一般に約35〜45ショアAが好ましい。従って、好適な材料には多くのシリコン材料組成物が含まれる。転写定着部材50を覆う層の厚さ範囲は、好適には約0.25mm超、より好適には1.0mm超である。低光沢については、トナー放出寿命を延ばし、粗い基板への適合性を高め、ニップドウェル時間を長くし、良好な文書はく離を可能にするため、一般にはより厚い層が好ましい。オプションの実施形態では、転写定着光沢を下げるため、転写定着部材50の表面を少し粗くして、転写定着部材の剛性の許容範囲を上げる。特にデュロメータの高い材料および/または薄い層では、転写定着部材の表面組織を再現する傾向がある。このため転写定着部材50の表面がやや粗いと、剛性が高くても光沢が下がる傾向がある。転写定着部材の表面光沢数は<30GUが好ましい。
【0079】
トナーの面積あたりの質量が比較的高い条件では、転写定着中に良好な定着と低光沢を得る動作温度の範囲が狭いことが実証されている。必要なトナー質量が約1mg/cm2である大きさ約7μmのトナーでは、光沢レベル<30GUかつ許容可能なクリースレベル40未満を達成するために、必要な転写定着部材50の温度は110〜120℃、用紙の予備加熱は約85℃である。しかし、トナーの面積あたりの質量が低い条件では、定着かつ低光沢のための転写定着システムの動作温度範囲は広くなる。顔料充填の高い小さなトナーを適合性のある転写定着部材50と組み合わせて使用することによって、カラーシステムのトナーの面積あたりの質量を下げ、第3転写ニップ86中の低光沢のための動作温度範囲を広げる。必要トナー質量が約0.4mg/cm2の大きさ約3μmのトナーでは、光沢レベル<30GUかつ許容可能なクリースレベル40未満となるためには、必要な転写定着部材50の温度は110〜150℃、かつ用紙の予備加熱は約85℃である。
【0080】
つや出しシステム110は、好適にはViton(登録商標)製の溶融部材112,114を含む。または転写定着後のつや出しの他のオプションは、剛性のあるローラもしくはベルト上にTeflon(登録商標)製の薄厚のスリーブ/オーバコーティングを施すか、またはかかるオーバーコーティングをゴム製の下層に施した硬い溶融部材である。溶融部材112,114の一番上の定着層は、好適には転写定着部材50の一番上の層に使用されるものより硬く、高い表面平滑さレベルをもつ(表面光沢は好適には>50GU、より好適には>70GU)。または一番上の表面は、文書72に質感を与えるようにテクスチャをもたせてもよい。つや出しステーション110は、好適には放出剤管理アプリケーションシステム(図示せず)を含む。つや出しステーションはさらに、エアーパッファー等のはく離機構を含み、文書72を溶融部材112,114からはく離するのを補助する。
【0081】
オプションで、トナー組成物はつや出しステーション110のオイル要件を下げるためにワックスを含んでもよい。
【0082】
つや出しステーション110を、中間転写部材12および転写定着部材50を有するプリンタ10との組み合わせで説明したが、つや出しステーション110は、低光沢の文書72を作成する転写定着システムを有するすべてのプリンタに適用できる。特に、これは転写/転写定着部材を一つだけ用いる転写定着システムを含みうる。
【0083】
システムの一例として、転写定着部材50は好適には第3転写ニップ86中では120℃であり、基板70は85℃に予備加熱される。この結果、光沢値20〜30GUの文書72が得られる。溶融部材は、好適には120℃に加熱される。溶融部材112,114の温度は好適には調節可能で、オペレータの選択に応じて異なる印刷ランに異なる程度およびレベルの光沢を適用できる。溶融部材112,114の温度が高いほうがつや出しが促進され、一方、低温では、文書72上のつや出し量は減少する。
【0084】
溶融部材112,114は好適には溶融ローラだが、溶融ベルトでもよい。各溶融部材112,114の一番上の表面はやや非適合性で、好適には約55ショアA超のデュロメータをもつ。つや出しステーション110は、第3転写ニップ86中で低光沢で動作する転写定着システムを用いるプリンタ10を過ぎてからつや出しを行う。プリンタ10は、好適には第3転写ニップ86後に10〜30ガードナーグロス単位(GU)をもつ文書72を作成する。文書72上の光沢は単位面積あたりのトナー質量によって異なる。つや出し装置110は、好適には文書72の光沢を、SD Warren Company社製のLustro Gloss(登録商標)紙上で約50GU超に上げる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従うクリーニングステーションを有する両面切断用紙用電子静電写真プリンタの概略側面図である。
【図2】 図1のプリンタの転写ニップの概略側面図の拡大図である。
【図3】 図2のクリーニングステーションの概略側面断面図の拡大図である。
【図4】 クリーニングステーション58のクリーナーローラアセンブリの拡大概略図である。
【図5】 図3のクリーナーローラアセンブリの他の実施形態の拡大概略図である。
【図6】 図3のクリーナーローラアセンブリのさらに他の実施形態の拡大概略図である。
【図7】 残留トナーと転写定着部材の温度との関係を示すグラフである。
【図8】 所定の基板温度についてのクリースと転写定着部材の温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 プリンタ、12 中間転写部材、50 転写定着部材、58 クリーニング装置、259 第1クリーニングローラ、260 第2クリーニングローラ、261 圧力ローラ、262 トナー層、264 内部溜部、266 開口、281 クリーナーローラアセンブリ。
Claims (3)
- 溶融部材用クリーニング装置であって、
溶融部材に回転可能に係合でき、ローラ表面および内部溜部をもち、前記ローラ表面と前記内部溜部とを流体接続する一連の穴またはローラ軸方向に沿って延びる1本のらせん状の切り込みからなる開口を規定する有孔クリーニングローラと、
前記有孔ローラ表面上の粘着性のある第1のトナー層と、
前記有孔クリーニングローラと同時に前記溶融部材に回転可能に係合でき、連続表面をもち、前記溶融部材の進行方向に関して前記有孔ローラの下流側に配置される連続表面クリーニングローラと、
前記連続表面上の粘着性のある第2のトナー層と、
を含むクリーニング装置。 - 請求項1に記載の溶融部材用クリーニング装置において、
前記第1および第2のトナー層を加熱するヒータが設けられていることを特徴とするクリーニング装置。 - クリーニング装置による溶融部材のクリーニング方法であって、
前記クリーニング装置は、ローラ表面および内部溜部をもち、前記ローラ表面と前記内部溜部とを流体接続する一連の穴またはローラ軸方向に沿って延びる1本のらせん状の切り込みからなる開口を規定する有孔クリーニングローラと、前記有孔ローラ表面上の粘着性のある第1のトナー層と、連続表面をもち、前記溶融部材の進行方向に関して前記有孔ローラの下流側に配置される連続表面クリーニングローラと、前記連続表面上の粘着性のある第2のトナー層とを含み、
前記方法は、
前記溶融部材を進行方向に移動させるステップと、
前記有孔クリーニングローラを前記溶融部材に回転可能に接触させて、前記溶融部材を前記第1のトナー層でクリーニングし、前記開口のところで前記溶融部材のクリーニングされない部分を規定するステップと、
前記有孔クリーニングローラと同時に前記連続表面クリーニングローラを前記溶融部材に回転可能に接触させるステップと、
前記有孔クリーニングローラによってクリーニングされない部分を含めて前記溶融部材の表面全体を前記第2のトナー層でクリーニングするステップとを含む方法。
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