JPH10198191A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JPH10198191A
JPH10198191A JP435297A JP435297A JPH10198191A JP H10198191 A JPH10198191 A JP H10198191A JP 435297 A JP435297 A JP 435297A JP 435297 A JP435297 A JP 435297A JP H10198191 A JPH10198191 A JP H10198191A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner image
roll
recording medium
image carrier
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP435297A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Fukuda
雄一 福田
Tetsuo Yamada
哲夫 山田
Tsukasa Matsuda
司 松田
Takayuki Yamashita
孝幸 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP435297A priority Critical patent/JPH10198191A/ja
Publication of JPH10198191A publication Critical patent/JPH10198191A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、無端ベルト状のトナー像担持体上に
形成されたトナー像を、記録媒体上に転写するとともに
その転写の際に記録媒体上に定着する転写定着同時方式
を採用した、プリンタおよび複写機等の画像形成装置に
関し、色バランスが良く、高光沢でかつ画像内の光沢の
差がなく、”紙しわ”等の欠陥のないトナー画像を得る
画像形成装置を提供する。 【解決手段】加熱ロール102と加圧ロール104との
うち、図1に示すように、加熱ロール102の方に凹部
が形成されるように、ロール表面層材料等を選定した。
あるいは、加圧ロール104の方に凹部が形成されるよ
うにロール表面材料等を選定した時は、ニップ幅N、ニ
ップ部107からトナー像担持体101および用紙10
3が出てくるときの角度、摩擦係数を調整した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無端ベルト状のトナ
ー像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写
するとともにその転写の際に記録媒体上に定着する転写
定着同時方式を採用した、プリンタおよび複写機等の画
像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、従来広く用いられている、感光
体上に静電潜像を形成し、その静電潜像を乾式トナーで
トナー像として現像した後、そのトナー像を記録媒体に
静電的に転写し、定着する画像形成技術においては、画
像に濃度むらを生じたり、あるいは、転写部において粉
体トナーの飛散を生じ、解像力やドット再現性に劣ると
いう問題がある。
【0003】この原因は主に、トナー像が形成ないし保
持される媒体(感光体あるいは中間転写媒体)上のトナ
ー像を記録媒体に静電的に移行させる静電転写プロセス
に起因するところが大きい。すなわち、静電転写方式で
は、媒体上のトナー像を均一にかつ効率よく転写するこ
とができない。トナー転写効率はトナー層に印加される
電界(以降Etと表す)に比例して上昇するが、ある程
度の電界になるといわゆるパッシェン放電が生じ、Et
が低下し転写効率が低下に転ずる。つまり、転写効率は
あるEt値でピークを持つ。この転写効率のピーク値も
100%ではなく、最大で95%程度と言われている。
トナー像の転写効率はEtに依存するから、トナー層厚
や、紙で代表される記録媒体の凹凸,電気物性ムラに依
らずEtを一定にしないと、転写効率がトナー層厚や記
録媒体の転写位置で異なることになる。媒体上に形成さ
れたトナー像が単色であって、かつ層厚が薄い場合は、
主に記録媒体の凹凸,電気物性ムラによって画像ムラが
起こる。これは、媒体上に各独立に形成された単色のト
ナー像を記録媒体上に重ね転写するときも同様であり、
記録媒体の凹凸,電気物性ムラによって画像ムラが起こ
る。一方、感光体上に各独立に形成された単色のトナー
像を、凹凸なく物性の管理された中間媒体上に重ね転写
するいわゆる中間体転写方式においては、中間媒体上に
はムラがなく均一な画像が得られる。この中間媒体上の
トナー像は多層で、多いところでは3層以上、少ないと
ころでは1層以下となる。これらのトナー層を紙で代表
される記録媒体に静電的に一括して均一に転写するため
に一定の電界を印加することは困難であり、Etは不均
一となる。従って、静電転写方式では、中間媒体上で色
重ねしたカラー画像はすべてが記録媒体に転写されず、
一部中間媒体上に残留する。また、残留量は中間媒体上
に形成されたトナー層厚で異なる。このため記録媒体上
に得られるカラー画像の色バランスがずれ、所望のカラ
ー画像は得られない。また、記録媒体である紙の表面の
凹凸のために、紙と中間媒体が完全には密着せず、不均
一なギャップが生じ、転写電界が乱れたり、粉体トナー
同士のクーロン反発力を招きトナーが飛散するために、
画像の品質が劣化するのである。
【0004】この問題に対して、特公昭46−4167
9号公報には、感光体上に形成したトナー像を中間転写
体に粘着転写し、次いで、中間転写体から記録媒体にト
ナーを溶融熱転写する方法が開示されている。この方法
は、記録媒体へのトナー像の転写を非静電的に行うの
で、上記のような転写工程での画像品質の劣化が生じに
くくなっている。
【0005】また、例えば、特開平2−108072号
公報では、中間転写体に色の異なるトナー像を静電的に
重ね転写し、さらに中間転写体上で多色の多重トナー像
を溶融した後、記録媒体に、その溶融した多重トナー像
を転写してカラーコピーを得るようにした技術が開示さ
れている。この方法によっても、記録媒体へのトナー像
の転写を非静電的に行うので、前述したような、画像品
質の劣化が生じにくくなる。
【0006】ここでは、これら、トナーを溶融して記録
媒体に転写すると共にその転写の際に記録媒体上にトナ
ー画像を定着する方式を転写定着同時方式と呼ぶことに
する。この転写定着同時方式を用いた画像形成装置につ
いては、USP2990278号公報,特開平5−19
642号公報,特開平5−107950号公報,特開平
5−249798号公報において、中間媒体から記録媒
体へのトナー像の移行が完全に行われるように中間媒体
と記録媒体を密着加熱および加圧後トナー間の凝集力が
トナーと中間媒体との接着力より大きくなるまで冷却し
た後、記録媒体を中間媒体から剥離する技術が開示され
ている。これによると、トナーの転写効率が高く色バラ
ンスが良好で高光沢度かつトナーの透明性に優れた高画
質の画像を得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、無端ベル
ト状のトナー像担持体上にトナー像を形成し、該ベルト
をロールに掛けまわし、該ロールに対向して押圧部材を
設け、ロールと押圧部材の間でトナー像担持体と記録媒
体を挟圧して密着させ、少なくともこの密着状態の下で
加熱および加圧後、像担持体と記録媒体を冷却または放
冷させ、その後、像担持体から記録媒体をトナー像とと
もに分離することで記録媒体上に画像を形成する検討を
行った。
【0008】上記画像形成条件のもとで、ロールおよび
トナー像担持体と記録媒体の挟圧部構成パラメータを振
り、紙で代表される記録媒体上にカラー画像を形成した
結果、用紙に”しわ”が発生しやすいことがわかった。
この”紙しわ”は、従来のいわゆるロール定着器でみら
れた”折れ”や、用紙進行方向に沿う形の”紙しわ”で
はなく、比較的用紙進行方向に垂直の方向に沿った10
mmかそれ以上の間隔の凹凸の”紙しわ”である。
【0009】この用紙進行方向に垂直の方向に沿った”
紙しわ”について、さらにその現象を追求した結果、”
紙しわ”はトナー像担持体と記録媒体の挟圧部(以後ニ
ップ部という)からその直後に発生していることが観察
された。このためベルト状像担持体と記録媒体およびト
ナーが冷却される以前に”紙しわ”となるので、像担持
体に対する記録媒体の密着が悪くなる部分ができること
となる。すなわち、加熱軟化溶融状態のトナーがトナー
像担持体と接触している部分と非接触の部分が生じ、そ
のまま冷却されることになる。このような状態で記録媒
体上に形成されたトナー画像においては、トナー像担持
体と接触して冷却された部分はトナー画像表面が滑らか
で高光沢であり透明性に優れた画像となるが、トナー像
担持体と非接触状態で冷却された部分はトナー画像表面
が粗く低光沢であり透明性の劣る画像となる。部分的に
高光沢部と低光沢部の存在する画像の品質は極めて低
く、受け入れられるものではない。
【0010】以上のように、ロールに掛けまわされた無
端ベルト状のトナー像担持体上に形成されたトナー像
を、該ロールに対向して設けられた押圧部材により記録
媒体に挟圧して密着させ、少なくともこの密着状態の下
で加熱および加圧後、像担持体と記録媒体を冷却または
放冷させ、その後、像担持体から記録媒体をトナー像と
ともに分離して記録媒体上にトナー画像を得る画像形成
装置においては、用紙進行方向に垂直の方向に沿った”
紙しわ”が発生しやすく、これに伴いトナー画像光沢の
不均一な低画質の画像となってしまうという問題が生じ
た。
【0011】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、像担
持体上のトナー像を記録媒体に挟圧し加熱および加圧
後、像担持体と記録媒体を冷却または放冷させ、その
後、像担持体から記録媒体をトナー像とともに分離して
記録媒体上にトナー画像を得る画像形成装置において、
色バランスが良く、高光沢でかつ画像内の光沢の差がな
く、”紙しわ”等の欠陥のないトナー画像を得る画像形
成装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の画像形成装置のうちの第1の画像形成装置は、循環
しながら表面にトナー像を担持しトナー像を所定の加熱
加圧位置に搬送する無端ベルト状のトナー像担持体、シ
ート状の記録媒体を、トナー像担持体上のトナー像が加
熱加圧位置に搬送されるタイミングに合わせて加熱加圧
位置に搬送する記録媒体搬送手段、および加熱加圧位置
においてトナー像担持体の裏面に接するロールと、トナ
ー像を間に挟んだトナー像担持体と記録媒体をロールと
の間に挟んで押圧する押圧部材とを有し、これらロール
および押圧部材によりトナー像を加熱および加圧する加
熱加圧手段を備え、加熱加圧位置を通過した記録媒体を
トナー像担持体に接した状態に保ったまま記録媒体をト
ナー像担持体により所定の剥離位置まで搬送して記録媒
体をトナー像担持体から剥離することにより、記録媒体
上に定着された画像を形成する画像形成装置において、
上記ロールの、上記押圧部材から押圧を受けた部分が平
面もしくは凹面を形成するように、上記ロールおよび上
記押圧部材の各材料および各形状が選定されてなること
を特徴とする。
【0013】また、上記目的を達成する本発明の画像形
成装置のうちの第2の画像形成装置は、循環しながら表
面にトナー像を担持しトナー像を所定の加熱加圧位置に
搬送する無端ベルト状のトナー像担持体、シート状の記
録媒体を、トナー像担持体上のトナー像が加熱加圧位置
に搬送されるタイミングに合わせて該加熱加圧位置に搬
送する記録媒体搬送手段、および加熱加圧位置において
トナー像担持体の裏面に接するロールと、トナー像を間
に挟んだトナー像担持体と記録媒体をロールとの間に挟
んで押圧する押圧部材とを有し、これらロールおよび押
圧部材によりトナー像を加熱および加圧する加熱加圧手
段を備え、加熱加圧位置を通過した記録媒体をトナー像
担持体上に接した状態に保ったまま記録媒体をトナー像
担持体により所定の剥離位置まで搬送して記録媒体をト
ナー像担持体から剥離することにより、記録媒体上に定
着された画像を形成する画像形成装置において、上記押
圧部材の、上記ロールを押圧した部分が平面もしくは凹
面を形成し、かつ、上記ロールの直径をDmm、上記ロ
ールが押圧部材により押圧されてなるニップ部のトナー
像担持体の移動方向の幅であるニップ幅をNmmとした
とき、 N≦D/10+2(mm) を満足するように、上記ロールおよび上記押圧部材の各
材料および各形状が選定されてなることを特徴とする。
【0014】さらに、上記目的を達成する本発明の画像
形成装置のうちの第3の画像形成装置は、循環しながら
表面にトナー像を担持し、トナー像を所定の加熱加圧位
置に搬送する無端ベルト状のトナー像担持体、シート状
の記録媒体を、トナー像担持体上のトナー像が加熱加圧
位置に搬送されるタイミングに合わせて加熱加圧位置に
搬送する記録媒体搬送手段、および加熱加圧位置におい
てトナー像担持体の裏面に接するロールと、トナー像を
間に挟んだトナー像担持体と記録媒体をロールとの間に
挟んで押圧する押圧部材とを有し、これらロールおよび
押圧部材によりトナー像を加熱および加圧する加熱加圧
手段を備え、加熱加圧位置を通過した記録媒体をトナー
像担持体上に接した状態に保ったまま記録媒体をトナー
担持体により所定の剥離位置まで搬送して記録媒体をト
ナー像担持体から剥離することにより、記録媒体上に定
着された画像を形成する画像形成装置において、上記押
圧部材の、上記ロールを押圧した部分が平面もしくは凹
面を形成するように、上記ロールおよび上記押圧部材の
各材料および各形状が選定されてなり、かつ、トナー像
担持体および記録媒体が、上記ロールが上記押圧部材に
より押圧されてなるニップ部から、上記ロールの回転軸
と、上記押圧部材の、上記ロール側の表面形状の中心軸
とを含む平面とのなす角が押圧部材側に鋭角をなす方向
に進むように、トナー像担持体の循環経路が定められて
なることを特徴とする。
【0015】また、上記目的を達成する本発明の画像形
成装置のうちの第4の画像形成装置は、循環しながら表
面にトナー像を担持しトナー像を所定の加熱加圧位置に
搬送する無端ベルト状のトナー像担持体、シート状の記
録媒体を、トナー像担持体上のトナー像が加熱加圧位置
に搬送されるタイミングに合わせて加熱加圧位置に搬送
する記録媒体搬送手段、および加熱加圧位置においてト
ナー像担持体の裏面に接するロールと、トナー像を間に
挟んだトナー像担持体と記録媒体をロールとの間に挟ん
で押圧する押圧部材とを有し、これらロールおよび押圧
部材によりトナー像を加熱および加圧する加熱、加圧手
段を備え、加熱加圧位置を通過した記録媒体をトナー像
担持体上に接した状態に保ったまま記録媒体をトナー像
担持体により所定の剥離位置まで搬送して記録媒体をト
ナー像担持体から剥離することにより、記録媒体上に定
着された画像を形成する画像形成装置において、上記押
圧部材の、上記ロールを押圧した部分が平面もしくは凹
面を形成するように、上記ロールおよび上記押圧部材の
各材料および各形状が選定されてなるとともに、トナー
像担持体と記録媒体との間の摩擦係数よりも記録媒体と
上記押圧部材との間の摩擦係数の方が小さな値を有する
ように、トナー像担持体および押圧部材の表面性状が選
定されてなることを特徴とする。
【0016】ここで、上記第4の画像形成装置におい
て、押圧部材は、体積電気抵抗率が1013Ωcm以下の
表面層を有するものであることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の画像形成装置の
第1実施形態の模式図であり、無端ベルト状のトナー像
担持体101上のトナー像Tを記録媒体である用紙10
3との間に挟圧し密着させて加熱し、加熱加圧後冷却装
置108により冷却し、その後剥離位置109において
トナー像担持体101から用紙103を分離することに
より、用紙上に画像を得る構成を示している。用紙10
3へのトナー画像Tの転写定着を行なうニップ部107
には、トナー像担持体101側のベルト支持ロール10
2に対向して、用紙搬送ロール110により搬送されて
きた用紙103をトナー像担持体101に押圧する押圧
部材として押圧ロール104が設けられている。また、
トナー像担持体101と用紙103をニップ部107で
加熱するためにベルト支持ロール102と押圧ロール1
04の両方、またはいずれか一方(本実施例ではベルト
支持ロール102)の内部に熱源105を備えている。
【0018】通常、転写定着が行なわれる、ベルト支持
ロール102と押圧ロール104が互いに押圧している
ニップ部107では、トナー像担持体101とトナー像
Tと用紙103は一体となって密着されるとともに加熱
され、トナーが溶融状態となり個々のトナーが融着して
一つのフィルム状となる。この時トナー像への効率的な
熱伝達のためにトナー像担持体102と用紙103との
密着が必要であり、これが実現できずところどころに空
気が入ったりすると、空気のあるところとないところで
熱容量が変わりトナー像が均一に溶融せず、転写定着ム
ラやいわゆるオフセット現象が起こり画像品質が劣化す
る。トナー像担持体101と用紙103との十分な密着
を得るための転写定着ニップ部107のニップ圧力は1
×105Pa〜1×106 Paの範囲が望ましく、この
範囲より低い圧力ではトナー像担持体101,トナー像
Tおよび用紙103の密着が不十分で上記のような不具
合が発生しやすく、この範囲より高い圧力ではトナー像
担持体101,用紙103への応力が強くなってしわが
発生したり、高圧力を支えるための機構,装置が複雑に
なるという障害が起こる。なお、押圧部材はロール形状
でなく、固定のパッド部材でもよい。転写定着ニップ部
107において、トナー像担持体101と用紙103と
の十分な密着を得るためには、上記ニップ圧力を均一に
かつ安定的に付与する必要がある。このためには、転写
定着ニップ部107の、用紙移動方向のニップ幅Nを数
mm以上とり、面接触にするのがよいことは、従来のロ
ール定着器と同様である。
【0019】転写定着ニップ部107を面接触にしニッ
プ幅Nを設定するのは、ベルト支持ロール102と押圧
ロール104の両方、またはいずれか一方を弾性を有す
るロールとすることで実現される。該弾性ロールの弾性
層はゴム硬度10度〜70度、厚さ0.5mm〜10m
m程度にすることで上記ニップ幅Nが設定できる。上述
のようにベルト支持ロール102と押圧ロール104の
両方、またはいずれか一方を弾性を有するロールとする
と、ニップ部107では実質的に柔らかいロールの弾性
層の変形量が大きく、凹状に変形する。等角速度で回転
するニップした2つのロール102,104の間を重な
った2枚のシート部材(トナー像担持体101と用紙1
03)が通過する場合、凹状に変形したロールに接した
シート部材の方が、変形の小さい(または変形しない)
ロールに接したシート部材よりもわずかに移動速度が速
まる傾向にあることは一般的に知られている。これは、
変形の小さい(または変形しない)ロールの中心からの
各シート部材までの距離の差、すなわちシート部材の厚
さ分だけの距離の差による。変形の小さい(または変形
しない)ロールの回転角速度にそのロール中心からの距
離を乗じたものが、各シートの移動速度となるからであ
る。
【0020】トナー像担持体101は駆動ロール106
によりその移動速度が一定になるように駆動される。転
写定着ニップ部107を通過するトナー像担持体101
と用紙103という重なった2枚のシート部材のうち、
転写定着ニップ部107において用紙103がトナー像
担持体101の移動速度に対し遅くなる図1に示す構成
では、用紙103はトナー像担持体101によって引っ
張られることになる。このとき、用紙103にニップ部
107以外では外力を与えないように構成することで、
用紙103はトナー像担持体101と一体となって変形
することなく搬送される。すなわち、本発明の第1実施
形態では、用紙103をニップ部107よりも以前でた
るませるように搬送し、図1に示すように、ニップ部1
07でベルト支持ロール102が押圧ロール104より
柔らかく凹状に変形することで、用紙103がトナー像
担持体101の移動速度に対し遅くなる構成が実現で
き、”紙しわ”の欠陥なく、かつ画像内の光沢の差もな
く、均一な画像が得られる。
【0021】図2は、本発明の画像形成装置の第2の実
施形態の模式図である。転写定着にあたり、トナー像担
持体101とその上のトナー像を少ないエネルギーで効
率的に加熱するために、ベルト支持ロール102の内部
に熱源を設け、ベルト支持ロール102の弾性層を薄く
するかなくすようにして熱伝導を良くし、押圧ロール1
04の方に弾性を持たせることによりニップ部を形成す
ることが好ましい。
【0022】転写定着ニップ部107で押圧ロール10
4がベルト支持ロール102より柔らかく凹状に変形す
る構成では、用紙103がトナー像担持体101の移動
速度に対し速まり、用紙103がトナー像担持体101
を引っ張ることになる。このとき、トナー像担持体10
1は駆動ロール106により一定移動速度となるように
構成されているので、用紙103とトナー像担持体10
1の間で歪みができることとなる。この歪みが蓄積され
解放されるときに、用紙103とトナー像担持体101
の間にずれや浮きが発生する。歪みの蓄積と解放が繰り
返されると用紙103の移動に際し、トナー像担持体1
01に対し用紙103が密着している部分と密着せず浮
いている部分ができる。これにより、用紙103には移
動方向と垂直の方向に沿って”紙しわ”ができるととも
に、用紙103が浮いている部分では画像光沢が低い低
画質画像となってしまう。
【0023】本発明者は、転写定着ニップ部107にお
ける用紙103の歪みの蓄積にベルト支持ロール102
の直径とニップ幅Nが効いていることを見いだした。す
なわちニップ内での用紙103の変形は、ベルト支持ロ
ール102の直径が大きいほど、またニップ幅Nが狭い
ほど小さくなり、”紙しわ”となりにくくなる。この関
係を調べた結果が図3である。図3において、”紙し
わ”の発生がなく光沢の均一な画像が得られた条件を
○、若干の”紙しわ”はあるが気にならず画像光沢も均
一な条件を△、”紙しわ”が目立ち画像光沢にムラがあ
る条件を×としている。なお、ベルト支持ロール102
は、内部に熱源105を有し、アルミニウム管のまわり
に厚さ0.5mm,硬度50度のシリコンゴムを被覆し
たロールと、厚さ1.0mm,硬度50度のシリコンゴ
ムを被覆したロールとを使用し、押圧ロール104はア
ルミニウム管のまわりに厚さ3.0mmのシリコンゴム
を被覆し、そのシリコンゴムの硬度は20度,30度,
40度,50度,70度のものを適用した。トナー像担
持体101は、図2に示すように、ニップ出口でベルト
支持ロール102に沿うように引き回し、そのトナー担
持体101を移動速度300mm/s,150mm/s
で駆動した。この条件下では、いずれの組合せでも押圧
ロール104が凹状に変形しニップを形成した。図3の
結果より、”紙しわ”や、光沢ムラを生じさせない条件
は、ベルト支持ロール直径がD(mm)のときニップ幅
N(mm)が、N≦(D/10+2)(mm)の場合で
あり、好ましくはN≦(D/10)(mm)であること
が分かる。なお、押圧ロール104の凹状変形が比較的
小さく、ベルト支持ロール102が若干変形する条件の
方が”紙しわ”になりにくく、さらにベルト支持ロール
102と押圧ロール104の変形が同じになりニップ形
状が平らになると、ベルト支持ロール102の直径やニ
ップ幅には関係なく”紙しわ”が発生しにくいことは明
らかである。
【0024】図4は、本発明の画像形成装置の第3実施
形態の構成図である。本発明者は、転写定着ニップ部1
07で押圧ロール104がベルト支持ロール102より
柔らかく凹状に変形する構成で、トナー像担持体101
の引き回しが”紙しわ”の発生に影響することを見いだ
した。それは、図4に示すように、前述の条件で、ニッ
プ出口でのトナー像担持体101および用紙103を、
ベルト支持ロール102の回転軸と押圧ロール104の
回転軸とを含む平面(図4では直線で示される)とのな
す角が押圧ロール104側に鋭角を成すように引き回す
ことで、”紙しわ”が発生しにくくなり、さらに、トナ
ー像担持体101の移動速度が遅い方がその効果が大き
いことを確認したものである。
【0025】表1は、図4に示すように、ニップ出口で
の押圧ロール104側へのトナー像担持体101と用紙
103の巻き付き角度θを振り、ベルト移動速度との関
係から”紙しわ”の発生を調べた結果を示したものであ
る。これは、ニップ直後もトナー像担持体101と用紙
103をトナー像担持体101の張力で押圧ロール10
4へ押しつけ、トナー像担持体101と用紙103の加
圧密着状態を連続することで、ニップ内で若干速くなっ
た用紙103の速度を加圧密着状態下でトナー像担持体
101の移動速度に落ち着ける効果を持ち、ロールニッ
プ圧およびトナー像担持体101の張力による加圧が解
除された状態でトナー像担持体101と用紙103の間
に速度差をつくらないことで、”紙しわ”を発生させて
いないと考えられる。なお、ニップ内およびニップ直後
の用紙103の速度変化による歪みは押圧ロール104
の弾性層の変形とマイクロスリップによって吸収してい
ると考えられる。
【0026】
【表1】
【0027】表1からわかるように、トナー像担持体の
移動速度にもよるが、図4に示す角度θがプラス側(押
圧ロール側)のときに”紙しわ”を発生させていないこ
とがわかる。ベルト移動速度を考慮し、用紙103が押
圧ロール104に接触している時間を求めると、この接
触時間が0.02秒以上のときに”紙しわ”がほとんど
見られなくなる。
【0028】次に、本発明の画像形成装置の第4実施形
態について説明する。本発明者は、転写定着ニップ部1
07で押圧ロール104がベルト支持ロール102より
柔らかく凹状に変形する構成で、用紙103と押圧ロー
ル104の間を低摩擦化し滑るようにすることで”紙し
わ”を抑制できることを見いだした。つまり、転写定着
ニップ部107で用紙103がトナー像担持体101の
移動速度に対して速くなろうとしても、用紙103と押
圧ロール104との摩擦力を、トナー像担持体101と
の摩擦力よりも小さくすることで、用紙103は押圧ロ
ール104との間で滑り、ニップ部でトナー像担持体1
01と同速度で移動することになる。すなわち、押圧ロ
ール104表面はトナー像担持体101の移動速度に対
して速くなるが、用紙103はトナー像担持体101と
同速度で移動するので、用紙103とトナー像担持体1
01との間には歪みは発生せず、”紙しわ”や用紙10
3の浮きによる画像光沢のムラは生じなくなる。用紙1
03の押圧ロール104との摩擦力を、トナー像担持体
101との摩擦力よりも小さくするには、用紙103と
押圧ロール104との間に液状または粉体の潤滑剤を介
在させる方法もあるが供給,回収量の制御など取扱いが
容易ではなく、押圧ロール104の表面にPFA,PT
FE,ETFEなどのフッ素樹脂のような低摩擦係数の
材料を用いるのが適当である。さらに、これらの樹脂の
電気抵抗率を1013Ωcm以下とすることで、押圧ロー
ル104表面は静電的に高く帯電することがなく用紙1
03の押圧ロール104への静電的な吸着力を小さくで
き、転写定着ニップ部107での用紙103と押圧ロー
ル104との間の摩擦力を小さく保てるので、より確実
に用紙103とトナー像担持体101を歪みなく搬送す
ることができる。
【0029】上記樹脂の電気抵抗率を1013Ωcm以下
とすることが好ましいとする根拠は以下の通りである。
樹脂の帯電電位は、時間経過によって減衰する。これは
樹脂の体積抵抗率ρと、比誘電率εと、真空の誘電率を
ε0 とをかけることでいわゆる減衰の時定数τ(秒)を
計算で求めることができる。
【0030】τ=ρ・ε・ε0 一般に高抵抗の樹脂の比誘電率は10以下であり、本実
施形態で用いた樹脂の比誘電率は3〜20である。この
範囲の比誘電率に対しては樹脂の体積抵抗率を1013Ω
以下にすれば、時定数τでは数秒以下となり、実質的に
高く帯電することがない。
【0031】図5は、本発明の画像形成装置の第5の実
施形態の構成図である。図5において、ベルト状の中間
転写体50は、ローラ6_1,6_2、および加熱ロー
ル7により支持されて矢印方向に回転を行う。加熱ロー
ル7には、加圧ロール8が対向して配置されている。加
熱ロール7と加圧ロール8は逆の配置とすることもで
き、また、加圧ロール8を内部に熱源を持つ加熱ロール
としてもよい。中間転写体50の周辺には4つの感光体
9_1,9_2,9_3,9_4が配置され、それぞれ
帯電器10_1,10_2,10_3,10_4により
一様に帯電された後、濃度信号に応じてオンオフされる
光ビームを走査する光ビーム走査装置20により露光さ
れ、静電潜像が形成される。各感光体上の静電潜像は、
それぞれ、黒、イエロー、マゼンタ、シアン色のトナー
が入った現像器11,12,13,14により現像さ
れ、面積変調により濃度を表すいわゆるディジタル画像
の各色トナー像が各感光体上に形成される。この各色ト
ナー像は、順次、転写器50_1,50_2,50_
3,50_4により、中間転写体50へ転写され、中間
転写体50上に複数色のトナー像が形成される。上記光
ビーム走査による露光は、複写機の場合、原稿の反射光
を色分解フィルターを通した露光でもよい。
【0032】加圧ロール8は、送紙ロール17による、
トレイ15からの記録紙Pの送紙に伴い、加熱ロール7
に圧接する。その後、複数色のトナー像を保持した中間
転写体50と記録紙Pが、タイミングを合わせて加熱,
加圧ロール7,8の間を移動し、加圧加熱される。溶融
温度以上に加熱されたトナーは軟化,溶融し、記録紙P
に浸透し、その後固化することで転写定着が行われる。
冷却装置16は加熱領域から一体となって搬送されてき
た中間転写体50および記録紙Pを冷却するもので、こ
れによりトナーは凝集固化し、記録紙Pとの強い接着力
が生じる。冷却装置16により冷却された中間転写体5
0および記録紙Pは搬送され、曲率半径の小さなロール
6_2において記録紙Pが記録紙P自体の腰の強さによ
って中間転写体50からトナーとともに分離され、記録
紙P上にカラー画像が形成される。記録紙Pに転写,定
着されたトナー像の表面は中間転写体50の表面になら
い平滑化され高光沢となる。
【0033】感光体9_1,9_2,9_3,9_4と
しては、各種無機感光体(Se、a−Si、a−Si
C、CdS等)の他に、各種有機感光体を用いることが
できる。トナーはイエロー、マゼンタ、シアン等の色素
を含有した熱可塑性のバインダで構成され、公知の材料
を用いることができる。本実施形態では、中間転写体5
0はベース層と表面層の2層構造のものを用いた。ベー
ス層には、カーボンブラックを添加した厚さ70μmの
ポリイミドフィルムを用い、トナー像を感光体から中間
転写体に静電的に、画像乱れなく転写するために、ベー
ス層の体積抵抗率はカーボンブラックの添加量を変化さ
せることにより、1010Ωcmに調整した。なお、ベー
ス層としては、例えば厚さ10〜300μmの耐熱性の
高いシートを使用することが可能であり、ポリエステ
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフ
ォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミ
ド、ポリイミドアミド、ポリアミドなどのポリマーシー
ト等を用いることが可能である。また、表面層は、トナ
ー像を感光体から中間転写体に静電的に画像乱れなく転
写するために、その体積抵抗率を1014Ωcmに調整
し、また、中間転写体から紙への同時転写定着を行うと
きに、トナー像を挟み中間転写体と紙の密着をよくする
ために、ゴム硬度40度、厚さ50μmのシリコーン共
重合体を用いた。シリコーン共重合体は、弾性を持ちそ
の表面が常温でトナーに対して粘着性を示し、さらに、
記録媒体へトナーを効率的に移行させるために、溶融し
て流動化したトナーを離しやすくする特性を有している
ため、表面層には最適である。なお、表面層は、例えば
厚さ1〜100μmの離型性の高い樹脂層を使用するこ
とが可能であり、例えばテトラフルオロエチレン−パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリテトラ
フルオロエチレン等を用いることが可能である。
【0034】加熱および加圧ロールとしては金属ロー
ル、または、金属ロール上にシリコーンゴム等の耐熱弾
性層を形成したものを用いることができる。加熱ロール
7の内部には熱源が配置され、その加熱温度は、加熱領
域でのトナー温度がトナー溶融温度以上となるように設
定,制御される。本実施形態では加熱ロール7として、
アルミニウムの中空ロール上に硬度50度のシリコーン
ゴムが厚さ3.0mmで積層された外径50mmのもの
を用い、加熱ロール内部の熱源としては、ハロゲンラン
プを使用し、加圧ロール8として、アルミニウムの中空
ロール上に硬度50度のシリコーンゴムを厚さ0.5m
mで積層した外径50mmのものを用いた。なお、ニッ
プ圧力は5.5×105 Paに設定した。このときのニ
ップ幅はおよそ6mmであった。
【0035】上記構成では、転写定着ニップ部におい
て、加圧ロールよりも実質柔らかい加熱ロール7の弾性
層である厚さ3.0mmのシリコーンゴム層が凹状に変
形する。これにより、ニップ内では中間転写体ベルト5
0の方が記録紙Pより移動速度が速くなる傾向がある。
この構成で紙送りロール17による送り速度をベルト移
動速度より若干速くすることで、ニップ部以降において
記録紙Pは中間転写体ベルト50と一体となって変形す
ることなく搬送される。
【0036】上述のように、本実施形態では記録紙Pが
変形することなく”紙しわ”が発生せず、画像内の光沢
差もなく均一な画像が得られた。図6は、本発明の画像
形成装置の第6の実施形態の構成図である。図6におい
て中間転写体50上には、図5に示す第5実施形態と同
様にして、複数色のトナー画像が形成される。本実施形
態では、中間転写体50とその上のトナーを効率的に加
熱するために、加熱ロール71としてアルミニウムの中
空ロール上に0.5mmの厚さで硬度50度のシリコー
ンゴムを積層したロールと、厚さ1.0mm、硬度50
度のシリコーンゴムを積層したロールを用い、加圧ロー
ル81をアルミニウムの中空ロール上に3.0.mmの
厚さでシリコーンゴムを積層した構成にした。なお、加
圧ロール81は、中間転写体ベルト50が加熱ロール7
1に巻き付いている部分で加熱ロール71に対し圧接す
るように構成されており、ニップを確実にするために加
圧ロール81は、外径80mmであってシリコーンゴム
弾性層厚さ3.0mmとした。加圧ロール81のシリコ
ーンゴム弾性層はゴム硬度が20度,30度,40度,
50度,70度のものを種々適用した。これにより、ニ
ップ部において加熱ロール71よりも実質柔らかい加圧
ロール81の弾性層である厚さ3.0mmのシリコーン
ゴム層が凹状に変形する。上記構成で、中間転写体ベル
ト50の移動速度が300mm/sと150mm/s
で、加熱ロール71の外径とニップ幅を変えて、記録紙
に画像出力し、”紙しわ”、画像光沢ムラの評価を行っ
た。なお、このときニップ圧力はニップ幅,加圧ロール
シリコーン弾性層硬度によって変化するが、転写定着性
能に影響のない1×105 Pa〜1×106 Paの範囲
で評価を行った。結果は図3に示した通りである。前述
したように、図3の結果より、”紙しわ”や、光沢ムラ
を生じさせない条件は、加熱ロール71直径がD(m
m)のときニップ幅N(mm)が、N≦(D/10)+
2(mm)の場合であり、好ましくはN≦(D/10)
(mm)である。
【0037】本実施形態において、加熱ロール71の直
径D(mm)とニップ幅N(mm)を上記範囲を満たす
ように構成し、画像出力したところ、記録紙Pが変形す
ることなく”紙しわ”が発生せず、画像内の光沢差もな
く均一な画像が得られた。図7は、本発明の画像形成装
置の第7の実施形態の構成図である。図7において中間
転写体50上には、図5に示す第5実施形態と同様にし
て、複数色のトナー画像が形成され、また、図6に示す
第6実施形態と同様に中間転写体50とその上のトナー
を効率的に加熱するために、加熱ロール71と加圧ロー
ル81は第6実施形態と同じものを適用している。これ
より、本実施形態の構成では、ニップ部において加熱ロ
ール71よりも実質柔らかい加圧ロール81の弾性層で
ある厚さ3.0mmのシリコーンゴム層が凹状に変形す
る。さらに、本実施形態では上記構成で、第6実施形態
の結果である図3において×の評価だった条件に対し、
加熱ロール71の回転軸と押圧ロール81の回転軸を含
む平面との成す角が押圧ロール81側に鋭角となるよう
に、ニップ出口での加圧ロール81側への中間転写体ベ
ルト50と記録紙Pの巻き付き角度θと、中間転写体ベ
ルト駆動速度とを振り、記録紙Pに画像出力し、”紙し
わ”、画像光沢ムラの評価を行った。その結果、いずれ
のロール構成でも、表1に示すように、角度θを大きく
とるか、中間転写体ベルト駆動速度を遅くすると、”紙
しわ”や画像光沢ムラを生じることなく均一な画像を得
ることができた。
【0038】上記結果をさらに検討したところ、転写定
着ニップ部から一体となって出てきた中間転写体ベルト
50と記録紙Pの、加圧ロール81への接触時間が”紙
しわ”抑制に効いており、この接触時間が0.02秒以
上となるとほとんど”紙しわ”が見られなくなることが
わかった。本実施形態において、ニップ出口で一体とな
っている中間転写体ベルト50および記録紙Pを、0.
02秒以上加圧ロール81に接触させるように構成し、
画像出力したところ、記録紙Pが変形することなく”紙
しわ”が発生せず、画像内の光沢差もなく均一な画像が
得られた。
【0039】次に、本発明の画像形成装置の第8の実施
形態について説明する。本実施形態は、図6に示す第6
実施形態と同様の構成であり、第6実施形態の結果であ
る図3において×の評価だった条件に対し、加圧ロール
81の表面条件を振り、記録紙に画像出力し、”紙し
わ”、画像光沢ムラの評価を行った。その結果、ニップ
部において加圧ロール81と記録紙Pとの間の摩擦力
が、記録紙Pと中間転写体50との間の摩擦力および中
間転写体50と加熱ロール71との間の摩擦力よりも小
さく、加圧ロール81表面が記録紙Pに対して滑る構成
にすると、”紙しわ”や画像光沢ムラを生じることなく
均一な画像を得ることができた。具体的には、図8に示
すように、シリコーンゴム弾性層82の表面を低摩擦材
料83で被覆した加圧ロール81を適用することで上記
効果が得られた。低摩擦材料83としては、PFA,P
TFE,ETFEなどのフッ素樹脂のような低摩擦係数
の材料が適用でき、本実施形態ではシリコーンゴム弾性
層82の表面を厚さ50μmのPFA樹脂で覆った。
【0040】このときの加圧ロール81と記録紙Pの間
の摩擦係数は0.15、記録紙Pと中間転写体50の間
の摩擦係数は2.0、中間転写体50と加熱ロール71
の間の摩擦係数は1.8であった。次に、本発明の画像
形成装置の第9実施形態について説明する。本実施形態
は、上述の第8実施形態と同様の構成であり、第8実施
形態において加圧ロール81表面の低摩擦材料83とし
て、電気抵抗率を1013Ωcm以下に制御した材料を適
用している。これにより、加圧ロール81に対する記録
紙Pの静電的な吸着力をほとんどなくすことができ、よ
り確実に加圧ロール81と記録紙Pとの間の摩擦力を低
減でき、画像出力結果も”紙しわ”や画像光沢ムラのな
い均一な画像を得ることができた。
【0041】上記低摩擦材料83の体積抵抗率は、導電
性平面上に低摩擦材料83を設け、高抵抗抵抗率計(ハ
イレスタIP、三菱油化製)にHRプローブ(内側電極
直径16mm、リング電極内径30mm、三菱油化製)
を接続し、低摩擦材料83の表裏に500vの電圧を印
加してから1分後の値より求めている。図9は本発明の
画像形成装置の第10実施形態の構成図である。
【0042】図9において、ベルト状の感光体51は、
ローラ60_1,60_2,60_3および加熱ロール
72により支持されて矢印方向に回転を行う。加熱ロー
ル72には、加圧ロール84が対向して離間して配置さ
れている。加熱ロール72と加圧ロール84は逆の配置
とすることもでき、また、加圧ロール84を内部に熱源
を持つ加熱ロールとしてもよい。感光体51は帯電器1
0により一様に帯電された後、濃度信号に応じてオンオ
フされる光ビームを走査する光ビーム走査装置20によ
り露光され、静電潜像が形成される。静電潜像は現像器
により現像され、面積変調により濃度を表すいわゆるデ
ィジタル画像のトナー像が感光体51上に形成される。
現像器11,12,13,14にはそれぞれ黒,イエロ
ー,マゼンタ,シアン色のトナーが入っており、前記帯
電、露光、現像を繰り返すことにより、感光体51上に
複数色のトナー像が形成される。
【0043】加圧ロール84は、送紙ロール17によ
る、トレイ15からの記録紙Pの送紙に伴い、加熱ロー
ル72に圧接する。その後、複数色のトナー像を保持し
た感光体51と記録紙Pが、タイミングを合わせて加
熱,加圧ロール72および84の間を移動し、加圧加熱
される。溶融温度以上に加熱されたトナーは軟化,溶融
し、記録紙Pに浸透し、その後固化することで転写定着
が行われる。冷却装置16は加熱領域から一体となって
搬送される感光体51および記録紙Pを冷却するもの
で、これによりトナーは凝集固化し、記録紙Pとの強い
接着力が生じる。冷却装置16により冷却された感光体
51および記録紙Pはさらに搬送され、曲率半径の小さ
なロール60_3において記録紙Pが記録紙P自体の腰
の強さによって感光体51からトナーとともに分離さ
れ、記録紙P上にカラー画像が形成される。記録紙Pに
転写,定着されたトナー像の表面は感光体51の表面に
ならい平滑化され高光沢となる。
【0044】感光体51としては、各種無機感光体(S
e、a−Si、a−SiC、CdS等)の他に、各種有
機感光体を用いることができる。トナーはイエロー、マ
ゼンタ、シアン等の色素を含有した熱可塑性のバインダ
で構成され、公知の材料を用いることができる。上記構
成において、加熱ロール72と加圧ロール84の構成お
よびベルト状感光体51の引き回しを、前述した第5〜
第9実施形態と同様に振って画像出力したところ、記録
紙Pが変形することなく”紙しわ”が発生せず、画像内
の光沢差もなく均一な画像が得られた。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上の構成および作用よりな
るもので、トナー像担持体上のトナー像を記録媒体に挟
圧し加熱および加圧後、トナー像担持体と記録媒体を冷
却または放冷させ、その後、トナー像担持体から記録媒
体をトナー像とともに分離して記録媒体上にトナー画像
を得る画像形成装置において、高光沢でかつ画像内の光
沢の差がなく、”紙しわ”等の欠陥のないトナー画像を
得ることができるという効果を奏する。さらに複数色の
トナー画像を形成する画像形成装置においては、高光沢
でかつ色バランスが良く均一なカラー画像を得ることが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の第1実施形態の構成図
である。
【図2】本発明の画像形成装置の第2実施形態の構成図
である。
【図3】第2実施形態の効果を示すグラフである。
【図4】本発明の画像形成装置の第3実施形態の構成図
である。
【図5】本発明の画像形成装置の第5実施形態の構成図
である。
【図6】本発明の画像形成装置の第6実施形態の構成図
である。
【図7】本発明の画像形成装置の第7実施形態の構成図
である。
【図8】本発明の画像形成装置の第8実施形態の加圧ロ
ールの構成図である。
【図9】本発明の画像形成装置の第10実施形態の構成
図である。
【符号の説明】
10,10_1,10_2,10_3,10_4 帯電
器 11,12,13,14 現像器 20 露光装置 50 中間転写体 51 感光体 7,71,72,加熱ロール 8,81,84,加圧ロール 82 弾性層 83 低摩擦材料 101 トナー像担持体 102 ベルト支持ロール 103 用紙 104 押圧ロール 105 熱源 106 ベルト駆動ロール P 記録紙 T トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 孝幸 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 循環しながら表面にトナー像を担持し該
    トナー像を所定の加熱加圧位置に搬送する無端ベルト状
    のトナー像担持体、 シート状の記録媒体を、前記トナー像担持体上のトナー
    像が前記加熱加圧位置に搬送されるタイミングに合わせ
    て該加熱加圧位置に搬送する記録媒体搬送手段、および
    前記加熱加圧位置において前記トナー像担持体の裏面に
    接するロールと、前記トナー像を間に挟んだ前記トナー
    像担持体と前記記録媒体を前記ロールとの間に挟んで押
    圧する押圧部材とを有し、これらロールおよび押圧部材
    により前記トナー像を加熱および加圧する加熱加圧手段
    を備え、 前記加熱加圧位置を通過した記録媒体を前記トナー像担
    持体上に接した状態に保ったまま該記録媒体を該トナー
    像担持体により所定の剥離位置まで搬送して該記録媒体
    を該トナー像担持体から剥離することにより、該記録媒
    体上に定着された画像を形成する画像形成装置におい
    て、 前記ロールの、前記押圧部材から押圧を受けた部分が平
    面もしくは凹面を形成するように、前記ロールおよび前
    記押圧部材の各材料および各形状が選定されてなること
    を特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 循環しながら表面にトナー像を担持し該
    トナー像を所定の加熱加圧位置に搬送する無端ベルト状
    のトナー像担持体、 シート状の記録媒体を、前記トナー像担持体上のトナー
    像が前記加熱加圧位置に搬送されるタイミングに合わせ
    て該加熱加圧位置に搬送する記録媒体搬送手段、およ
    び、 前記加熱加圧位置において前記トナー像担持体の裏面に
    接するロールと、前記トナー像を間に挟んだ前記トナー
    像担持体と前記記録媒体を前記ロールとの間に挟んで押
    圧する押圧部材とを有し、これらロールおよび押圧部材
    により前記トナー像を加熱および加圧する加熱加圧手段
    を備え、 前記加熱加圧位置を通過した記録媒体を前記トナー像担
    持体上に接した状態に保ったまま該記録媒体を該トナー
    像担持体により所定の剥離位置まで搬送して該記録媒体
    を該トナー像担持体から剥離することにより、該記録媒
    体上に定着された画像を形成する画像形成装置におい
    て、 前記押圧部材の、前記ロールを押圧した部分が平面もし
    くは凹面を形成し、かつ、前記ロールの直径をDmm、
    前記ロールが前記押圧部材により押圧されてなるニップ
    部の前記トナー像担持体の移動方向の幅であるニップ幅
    をNmmとしたとき、 N≦D/10+2(mm) を満足するように、前記ロールおよび前記押圧部材の各
    材料および各形状が選定されてなることを特徴とする画
    像形成装置。
  3. 【請求項3】 循環しながら表面にトナー像を担持し該
    トナー像を所定の加熱加圧位置に搬送する無端ベルト状
    のトナー像担持体、 シート状の記録媒体を、前記トナー像担持体上のトナー
    像が前記加熱加圧位置に搬送されるタイミングに合わせ
    て該加熱加圧位置に搬送する記録媒体搬送手段、および
    前記加熱加圧位置において前記トナー像担持体の裏面に
    接するロールと、前記トナー像を間に挟んだ前記のトナ
    ー像担持体と前記記録媒体を前記ロールとの間に挟んで
    押圧する押圧部材とを有し、これらロールおよび押圧部
    材により前記トナー像を加熱および加圧する加熱加圧手
    段を備え、 前記加熱加圧位置を通過した記録媒体を前記トナー像担
    持体上に接した状態に保ったまま該記録媒体を該トナー
    像担持体により所定の剥離位置まで搬送して該記録媒体
    を該トナー像担持体から剥離することにより、該記録媒
    体上に定着された画像を形成する画像形成装置におい
    て、 前記押圧部材の、前記ロールを押圧した部分が平面もし
    くは凹面を形成するように、前記ロールおよび前記押圧
    部材の各材料および各形状が選定されてなり、、かつ、 前記トナー像担持体および前記記録媒体が、前記ロール
    が前記押圧部材により押圧されてなるニップ部から、前
    記ロールの回転軸と、前記押圧部材の、前記ロール側の
    表面形状の中心軸とを含む平面とのなす角が前記押圧部
    材側に鋭角をなす方向に進むように、前記トナー像担持
    体の循環経路が定められてなることを特徴とする画像形
    成装置。
  4. 【請求項4】 循環しながら表面にトナー像を担持し該
    トナー像を所定の加熱加圧位置に搬送する無端ベルト状
    のトナー像担持体、 シート状の記録媒体を、前記トナー像担持体上のトナー
    像が前記加熱加圧位置に搬送されるタイミングに合わせ
    て該加熱加圧位置に搬送する記録媒体搬送手段、および
    前記加熱加圧位置において前記トナー像担持体の裏面に
    接するロールと、前記トナー像を間に挟んだ前記トナー
    像担持体と前記記録媒体を前記ロールとの間に挟んで押
    圧する押圧部材とを有し、これらロールおよび押圧部材
    により前記トナー像を加熱および加圧する加熱加圧手段
    を備え、 前記加熱加圧位置を通過した記録媒体を前記トナー像担
    持体上に接した状態に保ったまま該記録媒体を該トナー
    担持体により所定の剥離位置まで搬送して該記録媒体を
    該トナー像担持体から剥離することにより、該記録媒体
    上に定着された画像を形成する画像形成装置において、 前記押圧部材の、前記ロールを押圧した部分が平面もし
    くは凹面を形成するように、前記ロールおよび前記押圧
    部材の各材料および各形状が選定されてなるとともに、 前記トナー像担持体と前記記録媒体との間の摩擦係数よ
    りも該記録媒体と前記押圧部材との間の摩擦係数の方が
    小さな値を有するように、前記トナー像担持体および前
    記押圧部材の表面性状が選定されてなることを特徴とす
    る画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記押圧部材は、体積電気抵抗率が10
    13Ωcm以下の表面層を有するものであることを特徴と
    する請求項4記載の画像形成装置。
JP435297A 1997-01-14 1997-01-14 画像形成装置 Pending JPH10198191A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP435297A JPH10198191A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP435297A JPH10198191A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10198191A true JPH10198191A (ja) 1998-07-31

Family

ID=11582031

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP435297A Pending JPH10198191A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10198191A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2646444B2 (ja) 画像加熱定着装置
JP4586392B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JPH0810376B2 (ja) 定着装置
JP3221355B2 (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2004226815A (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JPH0519642A (ja) 画像形成方法
JP2003091201A (ja) 画像形成装置および定着装置
JP2001331043A (ja) 画像形成装置及び定着装置
JP2621449B2 (ja) 定着装置
JP2006235041A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2002099159A (ja) 画像形成装置及びトナー像転写定着方法
JP3191727B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
JPH0915933A (ja) 画像形成装置及び加熱装置
JPH10198191A (ja) 画像形成装置
JP2542079B2 (ja) 定着装置
JPH10207259A (ja) 画像形成装置
JP3772580B2 (ja) 画像形成装置
JP2001166610A (ja) 画像形成装置
JP3633262B2 (ja) 画像形成装置
JP2002123089A (ja) 画像形成装置
JP2005049566A (ja) 転写定着装置及びこれを備えた画像形成装置
JPH06308839A (ja) 画像形成装置
JP2005049565A (ja) 転写定着装置及びこれを備えた画像形成装置
JPH10319755A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2001166620A (ja) 画像形成装置および画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20031007