JP2005049566A - 転写定着装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

転写定着装置及びこれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】厚紙,薄紙,コート紙の定着に起因する画像不良を防止する。
【解決手段】ヒータ23aを内蔵した定着ローラ23に対し、加圧パッド31により加圧ベルト25及び中間転写ベルト20を押圧して、ニップ幅の広い転写定着ニップ部T2を構成する。ニップ幅が広いので、厚紙を高速で通過させた場合でも、コールドオフセットを防止でき、かつ高光沢、高品位な画像が得られる。また、従来のベルト定着に比べてニップ幅を狭くし、定着温度を下げることが可能なので、薄紙のホットオフセット、画像ずれを防止し、コート紙の特有の画像欠陥を防止できる。さらに、記録材Pを入口ローラ26で加熱して吸着帯電器32で加圧ベルト25に吸着させるので、搬送を安定させて、定着後の記録材のしわや画像擦れ、後端はね等の発生を防止できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に使用される転写定着装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置において、中間転写ベルト(中間転写体)を用いてトナー像を転写する技術として、以下のようなものが知られている。
【0003】
特許文献1によれば、一次転写において静電転写を行い、二次転写において圧力転写を行う技術が開示されている。これは、布,紙等の伸縮性のある可撓性物質に多色刷りを行う場合、各色を重ねて転写する際に画像がずれるいわゆる色ずれという欠点を改良したものである。すなわち、各色のトナー像を一旦、中間的なブランケットドラムに転写して重ね合わせた後、可撓性物質に一括で転写することで、色ずれを少なくし、高速多色の画像形成を可能としている。
【0004】
特許文献2には、二次転写部において加圧・加熱手段を有することが開示されている。すなわち、転写工程と定着工程とを同時に行うものであり(以下「転写同時定着」という。)、これらが別れている場合の欠点である、
▲1▼転写工程において紙粉等が感光ドラムに悪影響を与える点、
▲2▼定着時、熱効率が悪い点、
▲3▼転写部から定着部までトナー像を担持した転写材の搬送中に画像が乱れる点、を改良したものである。
【0005】
そして、感光ドラム表面に形成されたトナー像を忠実に鮮明な画像のまま転写材に転写定着することを目的・効果としている。
【0006】
特許文献3には、一次転写を圧力で行い、二次転写で転写同時定着を行うことが開示されている。これは、同一の転写材に多重転写を行うとレジスト合わせが困難である点、転写材は転写されるトナー像を保持する力が不十分であって、次の転写時の搬送中に先のトナー像が剥離するという点等を改良したものである。この技術では中間転写体上へ各色のトナー像が転写されることから、中間転写体上への各色のトナー像の転写位置合わせ精度を取り易く、常に高品質な画像を再現性良く転写材に形成することができる。また、中間転写体への各色のトナー像の転写後に、転写材へさらに転写しているため、特に転写材の搬送時にその同期の余裕が大きくなり搬送機構を簡素化でき、信頼性も向上する。さらに、中間転写体は転写されるトナー像を強力に保持できる転写層(特にゴム系)を有するため、転写特性に優れている。
【0007】
また、ベルト定着の公知技術として以下のものがある。
【0008】
特許文献4には、定着ローラと複数のローラに張架された加圧ベルトとのニップ部で記録シートを加熱・加圧してトナー像を定着する装置において、記録シートの分離性及び記録シートと定着ローラの表面との間で生じるずれによって画像に乱れが生じる課題に対して、ニップ出口付近で加圧ベルトを介して定着ローラを押圧する圧力ローラによって定着ローラの表面の弾性層を変形させることで記録シートを分離させ、かつ、記録シート全体が定着ローラの表面速度より早い速度で搬送されるのを抑止し、画像のずれを防止するとしている。
【0009】
特許文献5には、定着ローラと複数のローラに張架された加圧ベルトとのニップ部で記録シートを加圧してトナー像を定着する圧力付与部材を備えた定着装置において、圧力付与部材の圧接面に作用する圧力が、ニップ入口から下流側に行くに従って増大し、圧力付与部材の後端部近傍で最大圧力となるように構成することで、コート紙のような透気性の低い記録シートを用いた場合にニップ内に空気が発生しても、空気は圧力の小さいニップ入口側にスムーズに流れ、空気の滞留が防止されるとされている。このようなコート紙特有の画像不良は定着ニップ幅の狭いローラ定着器では発生しないことが本発明者の実験により確認されている。
【0010】
さらに、転写同時定着の公知技術として以下のものがある。
【0011】
特許文献6には、中間転写体の表面エネルギー(付着力)、硬度、熱量が規定されている。
【0012】
特許文献7には、付加重合タイプのシリコーンゴムを含有する中間転写層が開示されている。そして、付加重合タイプのシリコーンゴムは未反応部分、浸出部分が少ないため感光層汚染が少なく、転写層の膜強度・加工性に優れ、良好な画像が得られるとしている。
【0013】
特許文献8には、一次転写を静電転写によって行い、二次転写で圧力定着することが開示されている。その目的としては、低抵抗磁性トナーを用いた普通紙コピーにおいても、また多湿時においても良好なコピー画像が得られ、かつコンパクト化の容易な装置を提供するとしている。
【0014】
特許文献9には、中間転写体がポリアミド繊維織布基材にシリコーンゴムの転写層を有することが開示されている。ここでは、中間転写体の基材としてポリアミド繊維織布を使用しているため、可撓性であり、像担持体や転写材との密着性がよいので、転写効率が向上し、またシリコーンゴム等の転写層との密着性も良好でかつエンドレスベルト化も容易であるとしている。
【0015】
以上のように、多色トナー像の場合の中間転写体の例、ベルト定着の例、及び転写同時定着の例は数多く提案されている。
【0016】
多色の画像形成手段の場合は、一次転写部で静電転写を用いている例が多く見られる。転写同時定着装置は、静電転写の転写効率が80〜90%と比較的低い点、転写材の含水量変化に伴う抵抗・容量変化が転写効率に影響を与える点、飛び散りが発生する点等の問題を解決するために提案されている。
【0017】
【特許文献1】
特公昭49−209号公報
【特許文献2】
特開昭50−23234号公報
【特許文献3】
特開昭59−12576号公報
【特許文献4】
特開平8−166734号公報
【特許文献5】
特開平11−45025号公報
【特許文献6】
特開昭49−78559号公報
【特許文献7】
特開昭57−23975号公報
【特許文献8】
特開昭59−139070号公報
【特許文献9】
特開昭62−293270号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
近年、プリンタや複写機等の画像形成装置に対し、薄紙から厚紙まで、従来以上に様々な紙種の記録材(記録媒体)に未定着像を定着させることへの要求が高まってきている。
【0019】
また、各種記録材に対してスループットを落とすことなく高生産性を維持することも必要となってきている。
【0020】
しかし、高速で厚紙にトナー像を定着しようとすると、トナー及び紙に十分な熱量を与えることができない。この場合には、低温オフセット(コールドオフセット)という定着不良となったり、コールドオフセットは発生しないまでも十分な光沢を得ることができなくなったりする。
【0021】
そこで、ベルト定着器を用いてローラ定着器よりも幅広い定着ニップ部で十分な熱量を与えようとすると、薄紙に対しては熱量を与えすぎて高温オフセット(ホットオフセット)となったり、上述の特許文献4に記載の画像ずれが発生したり、特許文献5に記載のコート紙に対する画像欠陥がでたりする。
【0022】
また、薄紙は一般に紙の腰(剛性)が弱いため、ニップ部を通過する際に、紙しわが発生したり、ニップ部に導入される直前で未定着トナー像に紙が擦れてしまい、画像不良が発生したりすることがある。一方、厚紙は腰が強いため、ニップ部を通過する際に、紙の後端が反り上がってしまい、未定着トナー像をこすったり、通紙安定性が損なわれたりすることがある。
【0023】
このような、薄紙と厚紙との相反する現象を解決するために、定着ローラ又は加圧ローラの長手方向(回転軸線方向)に対して、中央部よりも両端部の外径を大きくする、いわゆる逆クラウン形状を付けることが一般には行われている。
【0024】
しかし、このような構成では、紙しわは改善されるが、むしろ後端はねや画像擦れは悪化する。このため、加圧ベルトに記録材を吸着させて、記録材を加圧ベルトに沿って搬送させることで、搬送性の向上により上述の問題を解決することができる。
【0025】
ところが、湿度が高い高湿度環境では、記録材と加圧ベルトとが接触する近傍の湿度も高くなっているために、静電的に記録材を加圧ベルトに吸着させる場合には、吸着力が低下する問題が生ずる。
【0026】
そこで、本発明は、厚い記録材に対して、高速で定着できかつ高光沢な画像を得ることができ、また薄い記録材に対してはホットオフセット、画像ずれを防止し、コート紙に対してはコート紙特有の画像欠陥の発生を防止し、さらに、様々な厚さの記録材に対して、環境の影響によらずに、定着後の記録材のしわや画像擦れ、後端はねの発生を防止することのできる転写定着装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明(転写定着装置)は、像担持体から転写された画像を担持する転写体と、前記転写体を加熱する加熱体と、回転可能なベルトと、前記ベルトを前記転写体を介して前記加熱体に押圧する加圧体と、前記転写体と前記ベルトにより形成される、記録材を挟持搬送するニップ部よりも記録材搬送方向の上流側で記録材を前記ベルトに吸着させる吸着手段と、を有し、前記加熱体の熱により前記転写体上の画像を記録材に転写定着する転写定着装置において、前記ニップ部よりも記録材搬送方向の上流側で前記ベルトを加熱するベルト加熱手段を有する、ことを特徴とする。
【0028】
請求項9に係る発明(画像形成装置)は、トナー像が形成される像担持体と、前記像担持体上のトナー像が転写される転写体と、前記像担持体上のトナー像を前記転写体に転写する転写手段と、前記転写体に転写されたトナー像を加熱・加圧により記録材に転写定着する転写定着手段と、を備えた画像形成装置において、前記転写定着手段が、請求項1ないし8のいずれか記載の転写定着装置を備える、ことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0030】
<実施の形態1>
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例として実施の形態1に係るの画像形成装置1を示す。同図に示す画像形成装置は、電子写真方式,タンデム方式の4色フルカラーの画像形成装置1であり、同図はその概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【0031】
まず、同図を参照して画像形成装置1全体の概略構成を説明する。
【0032】
同図に示す画像形成装置1は、画像形成装置本体(本体フレーム)2を備えており、この画像形成装置本体2の内側にはほぼ上方から順に画像形成部3、一次転写部4、転写定着部(転写定着装置:転写定着装置)5、給紙搬送部6が設けられている。ここで、転写定着とは、転写と同時に定着を行うことをいう。
【0033】
画像形成部3は、それぞれ色の異なるトナー像を形成する4個の画像形成部、すなわち第1,第2,第3,第4の画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdによって構成されている。これら画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdは、例えばこの順に、それぞれ第1色のイエロー(Y),第2色のマゼンタ(M),第3色のシアン(C),第4色のブラック(K)の各色のトナー像を形成する画像形成部であり、後述の中間転写ベルト(中間転写体)20の移動方向矢印R20方向に沿って上流側から順に(同図中では左側から順に)配設されている。
【0034】
各画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdには、それぞれ像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)11a,11b,11c,11dが配設されている。各感光ドラム11a,11b,11c,11dの周囲には、その回転方向(矢印R11方向)に沿ってほぼ順に、感光ドラム11a,11b,11c,11d表面を帯電する一次帯電器(帯電手段)12a,12b,12c,12d、帯電後の感光ドラム11a,11b,11c,11d表面を露光して静電潜像を形成する露光装置(露光手段)13a,13b,13c,13d、各静電潜像をトナー像として現像する現像装置(現像手段)14a,14b,14c,14d、各感光ドラム11a,11b,11c,11d上のトナー像を後述の中間転写ベルト(中間転写体)20に転写する転写帯電器(転写手段)15a,15b,15c,15d、トナー像転写後の感光ドラム11a,11b,11c,11d表面を清掃するクリーニング装置(クリーニング手段)16a,16b,16c,16d等が配設されている。
【0035】
一次転写部4は、上述の各画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdにおいて形成された各色のトナー像が転写される転写体としての中間転写ベルト20を備えている。中間転写ベルト20は、駆動ローラ21と従動ローラ22と加熱体としての定着ローラ(加熱ローラ)23とに掛け渡されている。また、中間転写ベルト20は、その内側に配置された上述の転写帯電器15a,15b,15c,15dによって感光ドラム11a,11b,11c,11dに押圧され、これにより感光ドラム11a,11b,11c,11dとの間に一次転写ニップ部T1を構成している。中間転写ベルト20の外側における従動ローラ22に対応する位置には、中間転写ベルト20の表面(外周面)を清掃するベルトクリーナ24が配設されている。
【0036】
転写定着部5は、上述の定着ローラ23と、中間転写ベルト20を挟んで定着ローラ23に対向する(図1中では、定着ローラ23の下方)ベルトである加圧ベルト25とを備えている。加圧ベルト25は、3本ローラ(入口ローラ26,分離ローラ27,テンションローラ28)に掛け渡されており、図1中の反時計回りに回転駆動される。ベルト加熱手段である入口ローラ(記録材加熱部材)26の内側には発熱体としてのハロゲンヒータ26aが配設されている。加圧ベルト25の内側には、支持部材30によって支持された加圧パッド(加圧体)31が配設されている。加圧ベルト25の外側における入口ローラ26に対応する位置には、記録材Pを加圧ベルト25表面(外周面)に吸着させるための吸着手段としてのコロナ帯電器(吸着帯電器)32が配設されている。なお、記録材Pは、他に記録紙,転写材,転写紙,シート材,記録媒体,記録シートと呼ばれることがあり、例えば、厚さや大きさの異なる種々のシート状の普通紙・コート紙・封筒・透明フィルム・布等がこれに相当する。
【0037】
給紙搬送部6は、記録材Pの搬送方向に沿って上流側から順に、記録材Pが収納される給紙カセット40、この給紙カセット40内から記録材Pを1枚ずつ給紙する給紙ローラ41、給紙された記録材Pを搬送ガイド42に沿って搬送する搬送ローラ43a,43b,43c、搬送されてきた記録材Pを中間転写ベルト20上のトナー像にタイミングを合わせて加圧ベルト25に供給するレジストローラ44、レジストローラ44からの記録材Pを加圧ベルト25に案内する転写定着前ガイド45、トナー像転写定着後の記録材Pを搬送する搬送ベルト46、搬送された記録材Pが排出される排紙トレイ47を備えている。以上で画像形成装置1全体の概略構成についての説明を終える。
【0038】
つづいて、図1に示す画像形成装置1の構成及び動作について詳述する。
【0039】
画像形成部3の各画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdの感光ドラム11a,11b,11c,11dは、導電性のドラム基体とその外周面に設けられた感光層(例えば、アモルファスシリコン感光層)によって構成されている。各感光ドラム11a,11b,11c,11dは、駆動手段(不図示)によってそれぞれ矢印R11方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。なお、各画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdにおける一連の画像形成プロセス、すなわち一次帯電、露光、現像、転写(一次転写)、クリーニングの各画像形成プロセスは、いずれも同様であるので、以下では、第1色のイエローの画像形成部Paにおける画像形成プロセスについて説明し、残りの3個の画像形成部、すなわち第2のマゼンタ,第3のシアン,第4色のブラックの画像形成部Pb,Pc,Pdにおける画像形成プロセスについては説明を省略するものとする。
【0040】
第1の画像形成部Paの感光ドラム11aは、その表面が一次帯電器12aによって帯電される。一次帯電器11aは、例えば感光ドラム11a上に当接された帯電ローラによって構成されている。帯電ローラには、帯電バイアス印加電源(不図示)によって帯電バイアスが印加される。これにより感光ドラム11a表面は、所定の極性・電位に一様に帯電される。
【0041】
帯電後の感光ドラム11a表面は、露光装置13aによって静電潜像が形成される。露光装置13aは、光源装置、ポリゴンミラー、反射ミラー、fθレンズ(いずれも不図示)等を有している。露光装置13aは、光源装置により、画像情報に基づいてON/OFF制御されるレーザ光を発光し、このレーザ光をポリゴンミラーを回転させて走査し、その走査光の光束を反射ミラーによって偏向し、fθレンズにより感光ドラム11a表面の母線上に集光して露光する。これにより感光ドラム11a表面における露光部分の電荷を除去して感光ドラム11a表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する。
【0042】
この静電潜像は、現像装置14aによって現像される。現像装置14aは、現像剤としてマゼンタのトナーを収納した現像容器14a1と現像スリーブ14a2とを有している。現像スリーブ14a2は、その表面に、帯電されたトナーを担持して図1中の時計回りに回転し、このトナーを感光ドラム11a表面に対向する現像位置に搬送する。現像スリーブ14a2には、現像バイアス印加電源(不図示)によって現像バイアスが印加されて、現像スリーブ14a2上のトナーが感光ドラム11a上の静電潜像に付着される。これにより感光ドラム11aの静電潜像は、マゼンタのトナー像として現像(可視化)される。なお、現像装置14aには、トナー補給容器14a3から供給装置(不図示)により、適宜、マゼンタのトナーが補給されるようになっている。
【0043】
感光ドラム11a上に形成されたマゼンタのトナー像は、転写帯電器15aにより中間転写ベルト20に転写(一次転写)される。中間転写ベルト20は、上述のように、駆動ローラ21と従動ローラ22と定着ローラ23とに掛け渡された無端状(エンドレス)のベルトによって構成されている。中間転写ベルト20は、駆動ローラ21の矢印R21方向の回転に伴って、駆動ローラ21と従動ローラ22との間に位置する部分である転写領域20aがほぼ水平に維持された状態で、矢印R20方向に、感光ドラム11aと同じプロセススピードで回転駆動される。この転写領域20aは、感光ドラム11aと一次帯電器15aとの間に挟持されていて、感光ドラム11aと中間転写ベルト20との間には、一次転写ニップ部T1が構成されている。感光ドラム11aに形成された上述のイエローのトナー像は、感光ドラム11の矢印R11方向に回転によって一次転写ニップ部T1に搬送される。このとき、転写帯電器15a(又は中間転写ベルト20)に転写バイアス印加電源(不図示)から転写バイアスを印加することで、感光ドラム11a上のイエローのトナー像は、一次転写ニップ部T1において中間転写ベルト20上に一次転写される。
【0044】
トナー像の一次転写後の感光ドラム11a表面は、クリーニング装置16aによって清掃される。クリーニング装置16aは、感光ドラム11表面に当接されたクリーニングブレード16a1を有している。一次転写時に中間転写ベルト20に転写されないで感光ドラム11a表面に残ったトナー(残留トナー)は、クリーニングブレード16a1によって掻き落とされ、クリーニング容器16a2内に回収される。こうして表面が清掃された感光ドラム11aは、一次帯電から始まる次の画像形成に供される。
【0045】
以上説明したように、画像形成部Paにおける一連の画像形成プロセス、すなわち一次帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各画像形成プロセスにより、感光ドラム11a上にイエローのトナー像が形成され、このトナー像は、中間転写ベルト20上に一次転写される。
【0046】
イエローの以外の残りの3色、すなわちマゼンタ,シアン,ブラックの画像形成部Pb,Pc,Pdにおいても同様の一連の画像形成プロセスが行われる。これにより、中間転写ベルト20上でイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの4色のトナー像が順次に一次転写されて重ね合わされる。
【0047】
上述のようにして中間転写ベルト20上に形成された4色のトナー像は、転写定着部5において記録材Pに転写(二次転写)同時定着される。転写定着部5は、上述のように中間転写ベルト20を張架する定着ローラ23と、この定着ローラ23との間に中間転写ベルト20を挟み込む加圧ベルト25とを備えている。
【0048】
定着ローラ23は、Al(アルミニウム)、Fe(鉄)等をドラム状に形成した芯金上に、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体層を被覆して構成されている。定着ローラ23の内側には、発熱体としてのハロゲンランプ等のヒータ23aが配設されている。また、定着ローラ23には、サーミスタ(不図示)が接触又は非接触に配設されている。定着ローラ23は、このサーミスタの検出温度に基づいて、温度調節回路を介してヒータ23aへの電圧を制御することにより表面の温度調節が行われる。つまり所定の定着温度となるように制御されている。
【0049】
加圧ベルト25は、上述のように3本のローラ(入口ローラ26,分離ローラ27,テンションローラ28)に張架された無端状(エンドレス)のベルトによって構成されている。加圧ベルト25は、ポリイミド等の樹脂又はニッケル等の金属からなる基材の表面に、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体層を被覆して構成されている。上述の入口ローラ26の上方には、この入口ローラ26を対向電極とする、コロナ帯電器からなる吸着帯電器32が配置されている。この吸着帯電器32は、搬送されてきた記録材Pを、加圧ベルト25表面に静電吸着させるものである。また、記録材Pの出口に配置された分離ローラ(分離手段)27は、金属によって形成されたローラである。この分離ローラ27は、加圧ベルト25及び中間転写ベルト20を介して定着ローラ23に食い込むように加圧している。これにより、定着ローラ23の弾性体層を変形させ、転写紙Pの加圧ベルト25表面からの分離を容易にしている。
【0050】
加圧ベルト25の内側には、支持部材30によって支持された加圧パッド31が配置されている。この加圧パッド31は、加圧ベルト25のうちの、入口ローラ26と分離ローラ27との間に位置する部分を内側から外側に向けて押して、加圧ベルト25と中間転写ベルト20とを定着ローラ23に押圧している。これにより、中間転写ベルト20と加圧ベルト25との間に、転写定着ニップ部T2が構成される。すなわち、中間転写ベルト20と加圧ベルト25とは、定着ローラ23と加圧パッド31とに挟持されて転写定着ニップ部T2を構成した状態で、それぞれ矢印R20方向、矢印R25方向に回転するようになっている。
【0051】
上述のように、定着ローラ23と加圧ベルト25、加圧パッド31によって転写定着ニップ部T2を構成することにより、定着ローラ23の外周面に巻きつくように幅(加圧ベルト25の回転方向に沿った方向の幅)の広い転写定着ニップ部T2を構成することが可能となるため、トナー像に対して十分な熱量を付与することができるので、画像形成装置1の高速化に対して有利となる。また、従来のローラ対(定着ローラと加圧ローラ)による定着装置の場合は、ニップ幅を広くとる場合は弾性体層を厚くしなければならず、省エネに対して不利になっていたのに対し、上述のような加圧ベルト25を用いた転写定着部5では、定着ローラ23の弾性体層を厚くすることなく幅の広いニップ部を形成することが可能となるので、弾性体層による熱伝達のロスを防ぐことが可能となり、省エネに有効である。
【0052】
上述の転写定着部5における転写同時定着は次のようにして行われる。給紙カセット40内に収納されていた記録材Pは、給紙ローラ41によって1枚給紙され、さらに搬送ローラ43a,43b,43cにより、搬送ガイド42に沿ってレジストローラ44に搬送される。搬送された記録材Pは、停止中のレジストローラ44によって一旦停止されることで斜行が矯正される。斜行が矯正された記録材Pは、中間転写ベルト20上の4色のトナー像と同期を取って回転されるレジストローラ44により、加圧ベルト25に供給される。この際、記録材Pは、転写定着前ガイド45を通過して加圧ベルト25上に所定のタイミングで給送され、同時に吸着帯電器32によりしっかりと加圧ベルト25上に静電吸着されるとともに入口ローラ26のハロゲンヒータによって加熱されながら、転写定着ニップ部T2へ搬送される。転写定着ニップ部T2において、転写ベルト24上の記録材P及び中間転写ベルト20上の4色の未定着トナー像は、加圧・加熱され、4色の未定着トナー像は溶融されて記録材P上に転写定着される。これにより、4色のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が転写定着された記録紙Pは、分離ローラ27によって曲率分離され、搬送ベルト46によって画像形成装置本体2外部の排紙トレイ47上に排出される。なお、加圧ベルト25は、分離ローラ27からテンションローラ28を介して入口ローラ26へ移動する間に、除電部(不図示)によって除電されるようになっている。
【0053】
上述のようにして4色のトナー像の転写同時定着を終了した中間転写ベルト20は、転写定着されなかったトナー(残留トナー)や他の異物が表面に残る。これらは、ベルトクリーナ24により、不織布からなるクリーニングウェブ24aが摺擦されることで中間転写ベルト20表面から拭い取られる。
【0054】
次に、本実施の形態における転写定着部5について、具体的な数字を挙げながら更に詳述する。
【0055】
定着ローラ23は、外径78.0mmのFeからなる芯金の外周面に、シリコーンゴムを1.0mm被覆し、さらにその表面を30μmの厚みのPFAチューブで被覆して、外径80mmとした。また定着ローラ23の内側に、ヒータ23aとしてハロゲンヒータを配設し、このハロゲンヒータによって、定着ローラ23の表面温度が170℃になるように温度調整(温調)を行った。なお、上述のPFAチューブは汚れ防止のために設けたが、熱伝導率を下げないためには設けないほうがよい場合もある。
【0056】
また、加圧ベルト25は、厚み100μmのポリイミド基層にシリコーンゴム層を厚み0.5mmで被覆した、外径100mmのシームレスベルトを用いた。加圧ベルト25は、入口ローラ26、分離ローラ27、テンションローラ28の3本のローラに張架させた。入口ローラ26は、転写定着部5の入口のローラであり、記録材Pが進入してくる箇所に配置されているため、位置は固定されている。分離ローラ27は、直径20mmの金属ローラを用い、総圧10kg(98N)で定着ローラ23に加圧を行った。テンションローラ28は加圧ベルト25にテンションを与えるようにばね(不図示)によって付勢されている。
【0057】
加圧パッド31は、支持部材30を介して定着ローラ23に対して加圧されている。加圧パッド31は、加圧ベルト当接面(加圧ベルト25の裏面が摺擦される面)が定着ローラ23表面の曲率とほぼ同等の曲率をなすシリコーンゴムによって形成されている。支持部材30は剛性の高いSUS(ステンレス)ブロックで構成した。これらにより、転写定着ニップ部T2の幅(ニップ幅)が20mmとなるようにして、総圧40kg(392N)の加圧を行った。
【0058】
吸着帯電器32としては、コロナ帯電器を使用した。コロナ帯電器は、電源(不図示)に接続され、金属のシールド板32a内に放電ワイヤ32bを備えている。放電ワイヤ32bはスラスト方向(入口ローラ26の回転軸に沿った方向)に張設されており、放電ワイヤ32bの片側端部にスプリング(不図示)を設けることで張力を保っている。放電ワイヤ32bへの給電は、画像形成装置本体2側のコネクタ(不図示)より給電端子、給電ピン、スプリング(いずれも不図示)を介して行われる。また、入口ローラ26の基体は、画像形成装置本体2のアースに接続されて、放電ワイヤ32bの対向電極の機能を兼ねている。本実施の形態では、コロナ帯電器と加圧ベルト25との距離が10mmであり、シールド板32aに流れ込む電流をフィードバックし、対向電極へ流れる電流を500μAの差電流制御とした。吸着帯電器バイアスは、トナーと同極性が好ましい。本例ではトナーの極性がマイナスのときに、吸着帯電器バイアスをマイナス極性とし、トナーの極性と吸着帯電器バイアスの極性を同じ極性にした。上述の入口ローラ26は、直径40mmのアルミニウムの中空ローラによって構成されており、その内側には、ハロゲンヒータ26aが内包されている。この入口ローラ26は、吸着帯電器32の対向電極を兼ねているため、画像形成装置本体2のアースに接続されている。
【0059】
また、図2に、比較例として、転写同時定着ではない従来のベルト定着の画像形成装置1Aを示した。定着装置5Aは、定着ローラ23Aと、3本のローラに張設されるとともに、定着ローラ23Aに接触する加圧ベルト25Aと、この加圧ベルト25Aを定着ローラ23Aに押圧して定着ローラ2Aと加圧ベルト25Aとの間に定着ニップ部T3を構成する加圧ローラ50Aとを有している。このような定着装置5Aにおいて、定着ニップ部T3のニップ幅は30mmを形成し、総圧40kgの加圧を行い、定着温度を180℃とした。
【0060】
このような条件で、A4サイズの坪量250g/mの普通紙、及び310g/mのコート紙の2種類に、画像比率300%(単色最大トナーのり量を100%とし、4色で最大400%としたとき)の画像を毎分100枚、プロセススピード500mm/sec、室温15℃、湿度10%の環境下で画像形成した。
【0061】
上述の実験条件では、比較例の画像形成装置1A、本実施の形態の画像形成装置1ともに良好な定着が行われるのみならず、十分に光沢のある画像を得ることが可能であることが確認できた。
【0062】
次に、A3サイズの坪量64g/mの普通紙に画像比率10〜100%の範囲で10%毎に、合計10段階の階調画像を、紙先端付近に毎分100枚、プロセススピード500mm/sec、室温23℃、湿度5%の環境下で表裏両面に画像形成した。
【0063】
上述の実験条件では、比較例の画像形成装置1Aでは紙上の先端の画像から定着ローラの1周後にホットオフセットトナーが発生し、特に両面画像形成時の2面目(裏面)のレベルが悪くなったが、本実施の形態の画像形成装置1では表裏両面ともホットオフセットは発生しなかった。
【0064】
次に、A4サイズの坪量105g/mのコート紙に画像比率100%、200%のべた画像を毎分100枚、プロセススピード500mm/sec、室温30℃、湿度80%の環境下で画像形成した。
【0065】
上述の実験条件では、比較例の画像形成装置1Aでは紙に対してトナー像の位置がずれる画像ずれや水蒸気の抜けによる画像欠陥が発生したが、本実施の形態の画像形成装置1では発生しなかった。
【0066】
次に、A3サイズの坪量52g/m及び300g/mの2種類にて紙しわ、画像擦れ、及び後端はねの評価を、室温23℃、湿度60%の環境下で行った。
【0067】
本実施の形態の定着動作を説明すると、記録材Pは、入口ローラ26上に搬送され、吸着帯電器32により加圧ベルト25上に静電的に吸着されながら、入口ローラ26のハロゲンヒータ26aによって加熱される。記録材Pは加圧ベルト25にしっかりと固定(静電吸着)されたまま転写定着ニップ部T2で加熱・加圧が行われ、分離ローラ27により、曲率分離されて排紙された。
【0068】
本実施の形態の構成により、吸着帯電器32が無い場合に発生していた紙しわ、画像擦れ、及び後端はねが片面画像形成/両面画像形成とも発生しなくなった。なお、吸着手段は、記録材Pと加圧ベルト25とが接触する部分よりも記録材搬送方向の上流側に配置されることが好ましい。また、ベルト加熱手段は、記録材Pと加圧ベルト25とが接触する部分よりも記録材搬送方向の上流側に配置されることにより、記録材Pが加圧ベルト25に接触する以前に加圧ベルト上の水分をできるだけ、熱により除去できるために、環境によらずに吸着力をあげることができる。
【0069】
以上のように、加圧ベルト25及び加圧パッド31によって転写定着ニップ部T2のニップ幅を広くして、記録材Pに十分な熱を加える構成とすることにより、十分な定着性、高光沢性が得られ、坪量300g/m程度の超厚紙であっても高生産性を得ることが可能となるのみならず、環境によらずに薄紙やコート紙など他の記録材Pに対してもホットオフセットや画像ずれ等の画像不良のでない画像形成装置を得ることが可能となった。
【0070】
さらに、吸着帯電器32によって記録材Pを加圧ベルト25に固定(吸着)することによって十分な吸着力が得られ、記録材Pの搬送不良や浮き、後端はねに伴う画像不良を抑えることができた。さらに記録材Pを、転写定着ニップ部T2に搬送する前に、入口ローラ26のハロゲンヒータ26aによってプレヒート(事前に加熱)することができるので、環境によらずに記録材Pを乾燥させて加圧ベルト25への吸着性を向上させて搬送性をより安定させ、かつプレヒートの効果で厚紙でも十分な定着性、光沢性を得ることが可能となる。
【0071】
なお、本実施の形態では、加圧ベルト25を加圧する加圧体として加圧パッド31を使用したが、これに代えて、図3に示すように1本の加圧ローラ50や、図4に示すように複数(同図では2本)の加圧ローラ51,52を使用することも可能である。
【0072】
<実施の形態2>
図5に、実施の形態2に係る画像形成装置1Bを示す。なお、図1〜図4を参照して既に説明した部材等と同一の部材等には同一の符号を付してある。
【0073】
上述の実施の形態1では、加圧ベルト25に記録材Pを吸着されるための吸着帯電器32としてコロナ帯電器を使用したが、本実施の形態では、コロナ帯電器に代えて、導電性ローラ53を使用している。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0074】
導電性ローラ53は、直径30mmの芯金の表層に導電性ゴム層を設けて構成されている。この導電性ローラ53は、DC電源(不図示)に接続されるとともに、定着ローラ25における入口ローラ26に掛け渡されている部分の表面側に当接されている。入口ローラ26は、上述の実施の形態1と同様、直径40mmのアルミニウムの中空ローラによって構成されており、その内側にはハロゲンヒータ26aが配設されている。この入口ローラ26は、吸着帯電器としての導電性ローラ53の対向電極を兼ねているので、画像形成装置本体2のアースに接続されている。すなわち本実施の形態では、吸着帯電器を導電性ローラ対(入口ローラ26と導電性ローラ53)によって構成し、一方のローラである入口ローラ26の内側にハロゲンヒータ26aを配設している。
【0075】
本実施の形態の構成により、上述の実施の形態1と同様の実験を行ったところ、実施の形態1と同様の効果に加え、さらに、コロナ帯電器を導電性ローラ53に代えたことで、オゾンの発生量を抑えることも可能となった。
【0076】
<実施の形態3>
図6に、実施の形態3に係る画像形成装置1Cを示す。なお、図1〜図5を参照して既に説明した部材等と同一の部材等には同一の符号を付してある。
【0077】
上述の実施の形態2では、吸着帯電器を導電性ローラ対(入口ローラ26と導電性ローラ53)によって構成し、一方のローラである入口ローラ26にのみ内側にハロゲンヒータ26aを配設したが、本実施の形態では、他方のローラである導電性ローラ(記録材加熱部材)56の内側にもハロゲンヒータ56aを配設して、記録材Pにより多くの熱量を与える構成とした。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0078】
導電性ローラ56は、直径30mmの芯金の表層に導電性ゴム層を設けて構成されている。この導電性ローラ56は、DC電源(不図示)に接続されるとともに、定着ローラ25における入口ローラ26に掛け渡されている部分の表面側に当接されている。入口ローラ26は、上述の実施の形態2と同様、直径40mmのアルミニウムの中空ローラによって構成されており、その内側にはハロゲンヒータ26aが配設されている。この入口ローラ26は、吸着帯電器としての導電性ローラ56の対向電極を兼ねているので、画像形成装置本体2のアースに接続されている。すなわち本実施の形態では、吸着帯電器を導電性ローラ対(入口ローラ26と導電性ローラ56)によって構成し、双方のローラである入口ローラ26と導電性ローラ56のそれぞれの内側にハロゲンヒータ26a,56aを配設している。
【0079】
本実施の形態の構成により、上述の実施の形態1と同様の実験を行ったところ、実施の形態1と同様の効果に加え、さらに、記録材Pが転写定着ニップ部T2に供給(搬送)される前に、この記録材Pを導電性ローラ56及び入口ローラ26によって表裏から加熱するようにしたので、記録材Pを乾燥させて加圧ベルト25への吸着性を向上させて安定して搬送を実現し、かつプレヒートの効果で厚紙でも十分な定着性、光沢性を得ることが可能となる。
【0080】
<実施の形態4>
図7に、実施の形態4に係る画像形成装置1Dを示す。なお、図1を参照して既に説明した部材等と同一の部材等には同一の符号を付してある。
【0081】
同図に示す画像形成装置1Dにおいては、1個の感光ドラム1と、4個の現像器、すなわち第1色のイエロー(Y)の現像器14a,第2色のマゼンタ(M)の現像器14b,第3色のシアン(C)の現像器14c,第4色のブラック(K)の現像器14dとを備えている。このうちカラーの現像器14a,14b,14cはロータリ14Aに搭載されていて、現像に供される色の現像器が、ロータリ14Aの矢印R14方向の回転によって感光ドラム1に対向する現像位置に配置されて感光ドラム1上の静電潜像を現像するようになっている。なお、ブラックの現像器14dは独立して固定的に配置されている。
【0082】
上述の画像形成装置1Dにおいては、感光ドラム11は、矢印R11方向に回転駆動され、その表面が一次帯電器12によって所定の極性・電位に一様に帯電される。帯電後の感光ドラム1表面は、露光装置13によってイエローの画像情報に対応した露光が行われ、静電潜像が形成される。この静電潜像は、イエローの現像器14aによってイエローのトナー像として現像される。このイエローのトナー像は、転写帯電器15によって、矢印R20方向に回転している中間転写ベルト20上に一次転写される。一次転写後に中間転写ベルト20上に残ったトナー(残留トナー)はクリーニング装置16によって除去される。
【0083】
上述と同様の一連の画像形成プロセス、すなわち一次帯電、露光、現像、一次転写、クリーニングの各画像形成プロセスが、イエロー以外の他の3色であるマゼンタ,シアン,ブラックについても同様に行われて、中間転写ベルト20上で4色のトナー像が重ね合わされる。これら4色のトナー像は、転写定着部5において、前述の実施の形態1と同様にして、記録材P上に転写同時定着される。
【0084】
本実施の形態に係る画像形成装置1Dにおいても、実施の形態1〜3とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、ベルト加熱手段によりベルトをプレートヒートすることができ、また転写体と加圧ベルトとの間に、幅の広い転写定着ニップ部を確保することができるので、厚紙を高速で通過させた場合でも、未定着トナー像をプレヒートして十分な熱量を付与することができるので、コールドオフセットを防止して十分な定着性を得ることができ、かつ高光沢、高品位な画像を得ることができる。また、従来のベルト定着に比べて定着ニップ部のニップ幅を狭くしたり、定着温度を下げたりすることができるので、薄紙に対しては、ホットオフセット、画像ずれを防止し、コート紙に対してはコート紙特有の画像欠陥を防止することができる。さらに、種々の厚さに記録材に対して、環境によらずにこれら記録材を静電吸着手段によって加圧ベルトに吸着させて搬送を安定させることができるので、定着後の記録材のしわや画像擦れ、後端はね等の発生を防止することができる。そして、記録材加熱部材を設けることで、転写定着前の記録材を乾燥させて加圧ベルトへの吸着性を向上させることができるので、搬送性を安定化させ、かつプレヒートの効果で厚紙でも十分な定着性、光沢性を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写定着部における吸着帯電器にコロナ帯電器、加圧体に加圧パッドを使用し、また転写定着前の記録材Pを入り口ローラで加熱する画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図2】従来の、加圧ベルトを使用する定着装置を備えた画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図3】転写定着部における吸着帯電器にコロナ帯電器、加圧体に1本の加圧ローラを使用し、また転写定着前の記録材Pを入り口ローラで加熱する画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図4】転写定着部における吸着帯電器にコロナ帯電器、加圧体に複数(2本)の加圧ローラを使用し、また転写定着前の記録材Pを入り口ローラで加熱する画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図5】転写定着部における吸着帯電器に導電性ローラ、加圧体に加圧パッドを使用し、また転写定着前の記録材Pを入り口ローラで加熱する画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図6】転写定着部における吸着帯電器に導電性ローラ、加圧体に加圧パッドを使用し、また転写定着前の記録材Pを導電性ローラ及び入り口ローラで表裏から加熱する画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図7】実施の形態4の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B画像形成装置
2 画像形成装置本体
3 画像形成部
4 一次転写部(転写手段)
5 転写定着装置(転写定着装置:転写定着部)
6 給紙搬送部
11a,11b,11c,11d像担持体(感光ドラム)
14a,14b,14c,14d現像装置
20 転写体(中間転写体:中間転写ベルト)
23 加熱ローラ(定着ローラ)
25 加圧ベルト
26 ベルト加熱手段(入口ローラ:記録材加熱部材)
27 分離手段(分離ローラ)
31 加圧体(加圧パッド)
32 吸着手段(吸着帯電器:コロナ帯電器)
50,51,52加圧体(加圧ローラ)
53 吸着手段(導電性ローラ)
56 ベルト加熱手段(導電性ローラ:記録材加熱部材)
P 記録材
Pa 第1(イエロー)の画像形成部
Pb 第2(マゼンタ)の画像形成部
Pc 第3(シアン)の画像形成部
Pd 第4(ブラック)の画像形成部
T2 ニップ部(転写定着ニップ部)

Claims (11)

  1. 像担持体から転写された画像を担持する転写体と、前記転写体を加熱する加熱体と、回転可能なベルトと、前記ベルトを前記転写体を介して前記加熱体に押圧する加圧体と、前記転写体と前記ベルトにより形成される、記録材を挟持搬送するニップ部よりも記録材搬送方向の上流側で記録材を前記ベルトに吸着させる吸着手段と、を有し、前記加熱体の熱により前記転写体上の画像を記録材に転写定着する転写定着装置において、
    前記ニップ部よりも記録材搬送方向の上流側で前記ベルトを加熱するベルト加熱手段を有する、
    ことを特徴とする転写定着装置。
  2. 前記加圧体が、加圧パッドである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の転写定着装置。
  3. 前記加圧体が、加圧ローラである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の転写定着装置。
  4. 前記加圧体が、複数の加圧ローラである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の転写定着装置。
  5. 前記吸着手段が、コロナ帯電器である、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の転写定着装置。
  6. 前記吸着手段が、導電性ローラである、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の転写定着装置。
  7. 前記ベルト加熱手段が、加熱ヒータを有する導電性ローラ対である、
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の転写定着装置。
  8. 前記転写体が、中間転写ベルトである、
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の転写定着装置。
  9. トナー像が形成される像担持体と、前記像担持体上のトナー像が転写される転写体と、前記像担持体上のトナー像を前記転写体に転写する転写手段と、前記転写体に転写されたトナー像を加熱・加圧により記録材に転写定着する転写定着手段と、を備えた画像形成装置において、
    前記転写定着手段が、請求項1ないし8のいずれか記載の転写定着装置を備える、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記像担持体にそれぞれ異なる色のトナー像を形成する複数の現像装置を有し、これら複数の現像装置によって前記像担持体上に順次に形成されたトナー像が前記転写体上に順次に転写される、
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記像担持体と、前記像担持体にトナー像を形成する現像装置とを複数有し、それぞれの前記現像装置によってそれぞれの前記像担持体上に形成されたトナー像が前記転写体上に順次に転写される、
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
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