JP4567875B2 - 画像保持部材の伝熱方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電プリンタの転写方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感光性の画像支持部材上に静電気により単色トナー像を形成する、静電写真プリンタ(electrostatographic printers)が知られている。トナー像は、通常紙又は他のプリント受像部材である、受像基材に転写され、つづいてこの基材に定着(fuse)する。
【0003】
静電写真プリンタの1構成においては、それぞれが画像支持部材を備える複数のドライトナーイメージングシステムを使用して複数のカラートナー像を現像する。各カラートナー像は、各画像支持部材から中間転写部材に静電的に転写され、複数層から成る合成トナー像を形成する。合成トナー像は、続いて転写定着部材に静電的に転写され、最後に最終転写基材に転写されて定着する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
静電転写を利用して中間転写部材から転写定着部材にトナー像を転写する、このようなシステムでは、転写制限がある場合がある。すなわち、動作時には、転写定着部材を、中間転写部材との転写ニップより手前でトナーのガラス遷移温度以下に冷却する。転写定着部材を冷却するためには、転写定着部材を比較的薄くする必要があるが、転写定着部材が薄いと、適合性(conformance)が低くなり、転写ニップにおける転写効率が低下する。また、適合性が低いと、転写ニップにおいてトナー像のつや出しに要する電位が高くなる。さらには、転写定着部材が薄いことにより、動作寿命が縮小する場合もある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
要約すると、本発明に従って動作するプリント装置は、トナー像保持部材と転写定着部材とを備え、トナー像がトナー像保持部材から転写定着部材に転写される。トナー像保持部材から転写定着部材への転写は、流動学的な補助を用いて行われる。このような転写をさらに静電的に補助することもできる。
【0006】
転写定着部材とトナー像保持部材とが一定の温度差に保たれることにより、トナー像の転写が流動学的に強化される。すなわち、トナー像保持部材は転写部材に対して低温に保たれる。転写定着部材は好ましい温度領域内に維持され、トナー支持部材はこの転写定着部材の温度から予め選択された温度差に維持される。
【0007】
温度勾配は、トナー像保持部材と転写定着部材とで形成される転写ニップにおいて、トナー像の厚さ全体に展開される。相対的により高温の転写定着部材に接触しているトナー像の上部層は、転写定着部材の熱によって軟化し、転写定着部材との接触及び接着が強まる。一方、トナー像の下部層は、相対的により低温のトナー像保持部材との接触により比較的硬い状態を維持する。したがって、転写定着部材へのトナー像の転写は、トナー像保持部材と転写定着部材との温度差により強化される。所望であれば、転写をさらに静電的に補助することにより、転写効率をいっそう高めることができる。
【0008】
本発明によって流動学的に補助された転写は、転写定着部材とトナー像保持部材との間のトナー像の転写効率を高める。トナー像保持部材と転写定着部材とで形成される転写ニップにおいて、このように流動学的に補助された転写を行うことにより、転写定着ニップより手前で、転写基材を予熱する量又はその必要自体を低減することがさらに可能になる。
【0009】
本発明による好ましい静電写真プリント装置は、複数のトナー像生成ステーションを備え、その各々において単一成分カラーのトナー像が現像される。現像されたこれらのトナー像が、第1の転写ニップにおいて中間転写部材に静電的に転写され、中間転写部材に合成トナー像が形成される。つづいて、この合成トナー像は、第2の転写ニップにおいて、静電的かつ流動学的に補助され、転写定着部材に転写される。転写定着部材は、好ましくは高い適合性及びその他の特性を備えることにより、合成トナー像の転写基材(用紙など)への転写定着が改良される。合成トナー像及び転写基材は共に第3の転写ニップに搬送され、ここで、合成トナー像の基材への転写と定着とがほぼ同時に行われて最終文書が形成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1及び図2において、マルチカラーカットシートデュプレクス(二重)静電写真プリンタ10は、中間転写ベルト12を備える。中間転写ベルト12は、ガイドローラ14,16,18,20上を駆動され、矢印Aで示される処理方向に移動する。説明の目的で、中間転写部材12は、その単一部分にトナー領域を形成する。トナー領域とは、中間転写部材12の周囲に配置されたステーションにより種々の処理を受ける中間転写部材12の部分をいう。中間転写部材12は多数のトナー領域を備えてもよいが、その場合各トナー領域は同様に処理される。
【0011】
トナー領域は、4つのトナー像生成ステーション22,24,26,28を通過して移動する。各トナー像生成ステーション22,24,26,28は、各カラートナー像を中間転写部材12のトナー像上に重ねるべく動作する。各トナー像生成ステーション22,24,26,28は同様に動作し、中間転写部材12に転写される現像トナー像を生成する。
【0012】
ここでは画像生成ステーション22,24,26,28を感光体システムとして説明しているが、イオノグラフィックシステム及び他のマーキングシステムを利用してもトナー像を容易に現像できることが、当業者には認識されよう。各トナー像生成ステーション22,24,26,28は、感光体を支持するドラムまたはベルトである、画像支持部材30を有する。
【0013】
画像支持部材30は、帯電ステーション32において均一に帯電される。帯電ステーションは周知の構造で、画像支持部材30の表面上に電荷を均一に分散するコロトロン(corotrons)やセクロトロン(scorotrons)などの電荷生成装置を備える。露光ステーション34は、帯電した画像支持部材30を画像に関連して(image-wise fashion)露光し、画像領域に静電潜像を形成する。なお、説明のために、画像支持部材30は画像領域を形成する。画像領域とは、画像支持部材30の周囲に配置されたステーションによって種々の処理を受ける画像支持部材の部分である。画像支持部材30は多数の画像領域を備えてもよいが、その場合各画像領域は同様に処理される。
【0014】
露光ステーション34は、好ましくは、変調されたレーザビームを発光するレーザを有し、変調レーザビームによって、帯電された画像領域をラスタスキャンする。あるいは、露光ステーション34が、LEDアレイ又は当業界で既知の他の構成を使用し、画像支持部材30の画像領域に投射される光画像表示を生成することもできる。露光ステーション34は、合成カラー画像の1カラー成分の光画像表示を画像領域に露光し、第1の静電潜像を形成する。同様に、各トナー像生成ステーション22,24,26,28が、合成カラー画像の特定1カラー成分に対応する静電潜像を形成する。
【0015】
続いて、画像領域は現像ステーション36に進む。現像ステーション36は、合成カラー画像のカラー成分に対応する現像部材を有する。よって、通常、各トナー像生成ステーション22,24,26,28は、一般的な合成カラー画像を構成するシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックを個々に現像する。さらなるトナー像生成ステーションを設け、ハイライトカラーや他のカスタムカラーを含む、追加色または別の色に対応することもできる。このように、トナー像生成ステーション22,24,26,28のそれぞれにおいて、中間転写部材12のトナー領域に転写される成分トナー像が現像される。現像ステーション36は、好ましくは帯電した乾燥トナー粉で潜像を現像し、現像された成分トナー像を生成する。現像部材には、磁気トナーブラシまたは他の周知の現像構造を使用することができる。
【0016】
成分トナー像を有する画像領域は、続いてプレ転写ステーション38に進む。
プレ転写ステーション38は、好ましくはプレ転写帯電装置を備え、成分トナー像を帯電させ、画像支持部材30上部の表面電圧を一定化(leveling)することにより、画像支持部材30から中間転写部材12への成分画像の転写を向上させる。あるいは、プレ転写ステーション38は、プレ転写光により画像支持部材30上部の表面電圧を一定化することもできる。さらに、これをプレ転写帯電装置と協働させてもよい。続いて、画像領域は画像支持部材30と中間転写部材12との間に形成された第1転写ニップ40に進む。画像支持部材30と中間転写部材12は、それぞれの線速度が第1転写ニップ40においてほぼ同一になるように同期化されている。そして、成分トナー像は、電界生成ステーション42を使用することにより、画像支持部材30から中間転写部材12に静電的に転写される。電界生成ステーション42は、好ましくは、成分トナー像と極性が逆の十分な静電界を生成すべく電気的にバイアスされたバイアスローラであり、これにより成分トナー像を中間転写部材12に転写する。電界生成ステーション42は、コロナ装置や当業界で知られた他の種々の電界生成システムでもよい。プレニップ転写ブレード44が中間転写部材12を画像支持部材30に抗して機械的に付勢し、これにより成分トナー像の転写を補助する。このようにトナー像生成ステーション22から成分トナー像を受像した中間転写部材12のトナー領域は、処理方向にさらに前進する。
【0017】
成分トナー像の転写後も、画像支持部材30は、引き続き画像領域をプレクリーンステーション39を通過すべく搬送する。プレクリーンステーション39はプレクリーンコロトロンを用いてトナー電荷及び画像支持部材30の電荷を調整することにより、画像領域を効果的な清浄を可能にする。画像領域は、続いてクリーニングステーション41に進む。クリーニングステーション41では、画像領域から残留トナーまたは汚れが除去される。クリーニングステーション41は、好ましくはブレードを有し、残留トナー粒子を画像領域から除去する。あるいは、静電ブラシクリーナやその他の周知のクリーニングシステムを使用することもできる。このクリーニングステーション41の動作にて各トナー像生成ステーション22,24,26,28のトナー像生成工程が完了する。
【0018】
第1の成分トナー像は、画像領域(トナー領域)において、画像生成ステーション22の第1転写ニップ40から、トナー像生成ステーション24の第1転写ニップ40に進む。トナー像生成ステーション24の第1転写ニップ40への進入に先立ち、成分トナー像を画像調整ステーション46により均一に帯電することにより、浮遊するトナーや低く又は逆に帯電したトナーが除去される。このようなトナーを除去しないと、第1の成分トナー像の一部が次のトナー像生成ステーション24に逆転写されてしまう。画像調整ステーション、特に第1のトナー像生成ステーション22の手前の画像調整ステーション46は、中間転写部材12上の表面電荷の調整も行う。それぞれの第1転写ニップ40において、次の成分トナー像が前の成分トナー像と位置合わせされ、トナー像生成ステーション28による最終トナー像の転写後に合成トナー像が完成する。
【0019】
中間転写部材12の、画像支持部材30との界面のジオメトリは、成分トナー像の良好な転写を保証するために重要な役割を有する。中間転写部材12は、電界生成ステーション42による静電界生成領域の手前で、好ましくは密接な接触を保証すべくある程度の圧力によって、画像支持部材30の表面に接触すべきである。一般的には、画像支持部材30に対して中間転写部材12をプレニップ位置においてわずかに巻き付ける(プレニップ接触:pre-nip wrap)のが好ましい。あるいは、プレニップ圧力ブレード44やその他の機械的な付勢構造を設けてこのような密接なプレニップ接触を生成することもできる。このような接触は、プレニップ領域において中間転写部材12と成分トナー像との間の空隙(air gaps)に生成される高い静電界を減少させるために重要である。例えば、バイアス帯電ローラの電界生成ステーション42にコロトロンを使用した場合、中間転写部材12は好ましくは、バイアス帯電ローラによる接触ニップより十分手前のプレニップ領域においてトナー像に接触すべきである。任意の電界生成装置に対し、「十分手前で」という表現は、中間転写部材12と成分トナー像との間の約50ミクロン以上の空隙における電界が、第1転写ニップ40からのプレニップ距離に伴う電界の減少により約4ボルト/μm(ミクロン)以下に減少したプレニップ領域より手前を意味する。電界の減少は一部静電容量効果にも起因し、これは種々の要因に依る。例えば、バイアスローラの場合、プレニップ距離に伴うこの電界の減少は、バイアスローラの直径がより大きい場合、バイアスローラの抵抗がより高い場合、あるいは第1転写ニップ40において絶縁層の面積当たりの静電容量が最も低い場合の少なくともいずれかの場合に最も遅い。中間転写部材12に沿った横方向の導電により、転写ベルトの抵抗率及び他の物理的要因によって、転写電界領域をプレニップにおいてさらに拡大できる。後述する好適な範囲の下限に近い抵抗率を有する中間転写部材12と、大型バイアスローラを使用するシステムなどを少なくともいずれかを使用し、プレニップ接触距離がより大きいことが好ましい。一般的に、抵抗率が所望の範囲内で、バイアスローラの直径が約12mmから50mmの間である場合、望ましいプレニップ接触距離は約2〜10mmである。
【0020】
電界生成ステーション42は、理想的には約30ショア(Shore)A未満の実効的に非常に低い硬度(デュロメータ)を有する発泡剤や他のローラ材料など、極めて適合性の高いバイアスローラを第1転写ニップ40において使用するのが好ましい。イメージングモジュールにベルトを使用するシステムでは、オプションとして、第1転写ニップ40が、転写を補助するために成分トナー像の音響的緩み(acoustic loosening)を含むことができる。
【0021】
好ましい構成においては、カラー画像の位置合わせに「スリップ転写(slip transfer)」が用いられる。スリップ転写では、プレニップの制約を受けると、好ましくは中間転写部材12と画像支持部材30との接触ゾーンは最小になる。
この構成では、電界生成ステーション42を通過した後のポスト転写(転写後)接触ゾーンは優先的に小さくなる。一般的に、中間転写部材12の張力によりバイアスローラが画像支持部材の表面を離れて持ち上がらないことを保証する適当な構造が設けられれば、中間転写部材12は、ポストニップ領域において、電界生成ステーション42の好ましいバイアスローラに沿って離間していてもよい。
スリップ転写では、電界生成ステーションにおいて使用されるバイアスローラの圧力は最小限にすべきである。接触ゾーン及び圧力を最小限にすることにより、画像支持部材30に作用する摩擦力が最小化され、これにより、色合わせ(color registrataion)の劣化の原因となりうる第1転写ニップ40間における中間転写部材12の弾性伸張問題(elastic stretch issues)が低減する。さらには、中間転写部材1の駆動部と画像支持部材30の駆動部との運動の相互作用も減少する。
【0022】
スリップ転写では、さらに中間転写部材12の抵抗率を、後述する最も好ましい範囲の実質的に範囲内さらにはその中間値あるいは上限近く高く選択し、要求されるプレニップ接触距離を最小限にすべきである。さらに、中間転写部材の最上表面材料の摩擦係数を特に最小化することにより、スリップ転写位置合わせ運動品質アプローチにおける動作自由度が高められる。
【0023】
別の実施形態においては、光電導ドラムなどの画像支持部材30は別途駆動部を持たず、第1転写ニップ40における摩擦により駆動される。言い換えれば、画像支持部材30は中間転写部材12により駆動される。よって、第1転写ニップ40は、現像ステーション36、クリーナステーション41、さらなるサブシステム及び軸受荷重(bearing load)によって生成される抗力(drag)を克服すべく十分な摩擦力を画像支持部材30に与える。摩擦駆動された画像支持部材30では、最適な転写設計要件は前記スリップ転写の場合とほぼ逆である。例えば、第1転写ゾーンへの中間転写部材12の導入部(lead in)をとりわけ大きくすることにより、中間転写部材12の張力による摩擦力を最大化することができる。ポスト転写ゾーンにおいては、中間転写部材12を画像支持部材30に沿って接触させることにより、接触ゾーンをさらに拡大して摩擦駆動力を高める。プレニップにおける接触を増大するよりも、ポストニップにおける接触を増大させた方が効果が大きいが、これはポストニップにおいて静電粘着力(electrostatic tacking force)による圧力が高まるためである。別の例としては、電界生成装置により印加された圧力により摩擦力をさらに高める。さらには、かかるシステムの場合には、中間転写部材12の最上層の材料の摩擦係数は、動作自由度を高めるべく特に高くすべきである。
【0024】
続いて、トナー領域は次の第1転写ニップ40に移動する。トナー像生成ステーションどうしの間には、画像調節ステーション46が設けられている。第1転写ニップ40における電荷の移動は通常少なくとも部分的に空気破壊(air breakdown)に起因し、この結果各トナー像生成ステーション22,24,26,28で中間転写部材12における電荷パタンが不均一になる。後述するように、中間転写部材12は任意に絶縁最上層を含むことができ、この場合には、電荷が不均一であると、次の第1転写ニップ40において印加される電界が不均一になる。この影響は、中間転写部材12がさらに次の第1転写ニップ40を通過して進むにつれて、さらに増大する。そこで、画像調節ステーション46は、トナー像生成ステーション22,24,26,28の間で、ベルト上の電荷パタンを「平均化(level)」し、次の第1転写ニップ40への移動に先立ち、中間転写部材12の電荷パタンの均一性を高める。画像調節ステーション46は好ましくはスコロトロンであるが、種々のコロナ装置にすることもできる。既に説明したように、この画像調節ステーション46をトナー電荷の調整のためにさらに使用することにより、トナーが次のトナー像生成ステーションへ再転写されるのを防ぐ。
中間転写部材12が、後述する望ましい抵抗率の範囲内にある半導性層だけで構成されている場合には、画像調整ステーション46の必要性は低減する。以下にさらに説明するように、中間転写部材12が絶縁層を含んでいる場合でも、その絶縁層が十分に薄ければ、トナー像生成ステーション22,24,26,28の間に画像調節ステーション46を設ける必要は低下する。
【0025】
ガイドローラ14は好ましくは、中間転写部材12の張力を調整すべく調節可能である。さらに、ガイドローラ14は、中間転写部材12の端部を検出するセンサとの組み合わせにより、中間転写部材12を能動的に駆動し(active steering)、合成トナー像を形成するための成分トナー像の位置合わせを劣化させる中間転写部材12の横断方向のふらつき(wander)を低減する。
【0026】
各トナー像生成ステーションが中間転写部材12のトナー領域に成分トナー像を配置することにより、合成トナー像が完成する。中間転写部材12は、この完成した合成トナー像を最終トナー像生成ステーション28からプレ転写電荷調節ステーション52に運ぶ。中間転写部材12が絶縁層を少なくとも1層含んでいる場合には、プレ転写電荷調節ステーション52が中間転写部材12のトナー領域における電荷を平均化する。プレ転写電荷調節ステーション52は、さらに、転写定着部材50に転写されるトナー電荷の調整にも用いられる。プレ転写電荷調節ステーション52は、好ましくはスコロトロンであるが、種々のコロナ装置を用いてもよい。第2転写ニップ48が中間転写部材12と転写定着部材50との間に形成されている。第2転写ニップ48に近接して中間転写部材12に係合する電界生成ステーション42及びプレ転写ニップブレード44は、第1転写ニップ40に近接する電界生成ステーション42及びプレ転写ブレード44と同じ機能を果たす。しかしながら、第2転写ニップ48に位置する電界生成ステーションは、適合可能な転写定着部材50に係合すべく相対的により硬いことがある。合成トナー像は、静電的にかつ熱の補助により転写定着部材50に転写される。
【0027】
中間転写部材12の電気的特性もさらに重要である。中間転写部材12は、選択的に単一層でも複数層でも構成できる。いずれの場合にも、中間転写部材12の電気的特性を、中間転写部材全体での高電圧降下を低減すべく選択するのが好ましい。高電圧降下を低減するために、中間転写部材12の裏側層(back layer)は好ましくは十分に低い抵抗率を有する。さらには、第1及び第2転写ニップ40,48のプレニップ領域において高い静電転写電界が発生しないように電気的特性及び転写ジオメトリを選択しなければならない。成分トナー像と中間転写部材12との間の、一般的に約50μm以上の空隙におけるプレニップ電界が高いと、空隙を通過するトナー転写により像に歪みが発生し、さらにはプレニップにおける空気破壊により像の欠陥が発生する。中間転写部材12の任意の層の抵抗率が十分に高ければ、中間転写部材12を電界生成ステーション手前の早い段階で成分トナー像に接触させることより上記の問題を避けることができる。また、第1及び第2転写ニップ40,48において極めて高い電流が発生しないように、中間転写部材12はその最上層が十分に高い抵抗率を持たなければならない。さらには、中間転写部材12及びシステムデザインにより、中間転写部材12の第1転写ニップ40間において発生しうる高電荷または不均一電荷の蓄積による影響を最小化する必要がある。
【0028】
単一層から成る中間転写部材12の好ましい材料は、トナー像生成ステーション間のドエル時間(dwell time)に相当するか、これより短い「帯電緩和時間(charge relaxation time)」を有する半導体材料、より好ましくは転写ニップドエル時間(transfer nip dwell time)に相当するかそれより短い「ニップ緩和時間(nip relaxation time)」を有する材料である。ここで用いる「緩和時間」とは、中間転写部材の層の厚さ全体で電圧降下が減衰するための特性時間である。ドエル時間とは、中間転写部材12の基本部分が所与の領域を通過して移動するのにかかる時間である。例えば、画像生成ステーション22と24との間のドエル時間は、これらのステーション22,24の間の距離を転写部材12の処理速度で割った時間である。転写ニップドエル時間は、電界生成ステーション42の影響により生成される接触ニップの幅を転写部材12の処理速度で割った時間である。
【0029】
「帯電緩和時間」とは、中間転写部材12が転写ニップ40内で他の部材の静電容量の影響から実質的に解放されている時の緩和時間である。一般的に、帯電緩和時間は転写ニップ40の前又は後の領域に適応し、古典的な「RC時定数」すなわち、誘電定数K1と、抵抗率PLと、真空誘電率e0の積KLPLEOである。一般に、材料の抵抗率は、材料中の印加電界によって決定できる。この場合、抵抗率は、層の厚み全体で約25〜100ボルトに相当する電界を印加した場合に決定すべきである。「ニップ緩和時間」とは、転写ニップ40などの領域内における緩和時間である。電界生成ステーション42がコロナ電界生成装置であれば、「ニップ緩和時間」は帯電緩和時間に実質的に等しい。しかしながら、バイアス転写装置を用いる場合には、ニップ緩和時間は一般的に帯電緩和時間より長い。これは、ニップ緩和時間が、中間転写部材12自体の静電容量のみならず、転写ニップ40内に存在するいずれの絶縁層の単位面積当たりの静電容量にも影響されるためである。例えば、画像支持部材30上の光電導コーティングの単位面積当たりの静電容量及びトナー像の単位面積当たりの静電容量がニップ緩和時間に影響を及ぼす。ここで、中間転写部材12の層の単位面積当たりの静電容量をCI、第1転写ニップ40における中間転写部材12以外のすべての絶縁層の単位面積当たりの合計静電容量をCIOIで表す。電界生成ステーション42がバイアスローラの場合、ニップ緩和時間は、帯電緩和時間に量[1+(CIOI/CI)]を乗算した時間である。
【0030】
上記の説明において定義した抵抗率条件の範囲によって、第1転写ニップ40での成分トナー像の転写時における中間転写部材12全体の高電圧降下が回避される。プレニップにおける高い電界を避けるために、中間転写部材12の横方向または処理方向における体積抵抗率は低すぎてはならない。すなわち、第1転写ニップ40における電界生成ステーション42間の電荷の流れの横方向緩和時間は、第1転写ニップ40のリードイン(導入)ドエル時間より大きくなければならない。リードインドエル時間は、量L/vで表される。ここで、Lは、中間転写部材12が成分トナー像に最初に接触するプレニップ領域から、第1転写ニップ40内での電界生成ステーション42のスタート位置までの距離であり、量vは処理速度である。横方向の緩和時間は、電界生成ステーション42と、最初に接触するプレニップ領域との間のベルトに沿った横方向の抵抗、及び中間転写部材12と、トナー像生成ステーション22,24,26,28の画像支持部材30の基材との間での第1転写ニップ40における絶縁層の単位面積当たりの全静電容量CIOIに比例する。電界生成ステーション42付近での望ましくないプレニップ高電界を避けるための好ましい抵抗率範囲を推定する有効な式を、[LvPLIOI]>1で示す。ここで、この量は、中間転写部材12の「横方向の抵抗率」であり、部材の体積抵抗率を部材の厚さで割って求められる。部材12の電気的特性が等方性でない場合、高いプレニップ電界を避けるための体積抵抗率は、処理方向における層の抵抗率である。さらに、抵抗率が印加電界に依存する場合、横方向の抵抗率を、約500〜1500ボルト/cmの印加電界で決定しなければならない。
【0031】
このように、単一層で構成される中間転写部材12の好ましい抵抗率範囲は、例えば、システムジオメトリ、転写部材の厚さ、処理速度及び第1転写ニップ40における種々の材料の単位面積当たりの静電容量など、多くの要因に依って決定する。広範囲の一般的なシステムジオメトリ及び処理速度に対して、単一層の転写ベルトの好ましい抵抗率は、通常約1013Ω・cm未満の体積抵抗率であり、より好ましい範囲は通常1011Ω・cmより小さい体積抵抗率である。好ましい抵抗率の下限は、通常約108Ω/平方以上の横方向抵抗率であり、より好ましくは、通常、108Ω・cm以上の体積抵抗率に相当する約1010Ω/平方以上の横方向抵抗率である。
【0032】
次に、第2転写ニップ48における良好な転写を実現するために、転写定着部材50の電気的特性の好ましい範囲を以下の説明により特定する。転写定着部材50は好ましくは複数層を有し、このうちの最上層について選択された電気的特性が単一層から成る中間転写部材12の好ましい抵抗率に影響する。転写定着部材50の最上表面層が十分に高い抵抗率、一般的には109Ω・cm以上を有していれば、上述の単一層から成る中間転写部材12の好ましい抵抗率の下限が適用できる。一方、転写定着部材50の最上表面層の抵抗率が約109Ω・cmより幾分低い場合には、第2転写ニップ48における転写の問題を回避するために、単一層の中間転写部材12の好ましい抵抗率の下限を高める必要がある。前記転写の問題には、中間転写部材12と転写定着部材50の間を流れる望ましくない高電流、及び転写電界の低下による転写の劣化が含まれる。よって、転写定着部材50の最上表面層の抵抗率が約109Ω・cmより低い場合には、単一層の中間転写部材12の好ましい体積抵抗率の下限を通常約109Ω・cm以上とする。
【0033】
さらに、中間転写部材12は、弾性伸張(elastic stretch)によるトナー像生成ステーション22,24,26,28間の位置合わせ問題を回避するために、十分な横方向の剛性を持たなければならない。剛性は、ヤング係数と中間転写部材の各層の厚さの積の総和である。この剛性の好ましい範囲は、種々のシステムパラメータによって決定する。要求される剛性値は、トナー像生成ステーション22,24,26,28における又はこれらの間の摩擦抗力の量が増大するに連れて増加する。また、好ましい剛性は、トナー像生成ステーション間における中間転写部材12の長さの増加及びカラー位置合わせ要件の増大とともに増加する。剛性は、好ましくは800PSI−インチより大きく、より好ましくは.2000PSI−インチより大きい。
【0034】
単一層中間転写部材12の好ましい材料は、導電率制御添加剤(conductivity controlling additives)を介して良好な電気的制御を行うポリイミドである。
【0035】
さらに、中間転写部材12を複数層で構成してもよい。ここで、トナー領域に対向する裏側層は、好ましくは上述の範囲で半導性である。複数層中間転写部材12の裏側層の好ましい材料は、単一層中間ベルト12について上述した材料と同一である。制限範囲内において、最上層を任意に「絶縁性」または半導性にすることもできるが、いずれにも特定の利点および欠点がある。
【0036】
電界流の緩和時間がそのドエル時間よりかなり長い場合には、説明の目的で、ここでは中間転写部材12のある層が「絶縁性」を有すると考えることができる。例えば、ある層の第1転写ニップ40におけるニップ緩和時間が、その層の一部が第1転写ニップ40を通過するのに要する時間より大幅に長い場合には、第1転写ニップ40におけるドエル時間の間その層は「絶縁性」として機能する。
また、ある層の帯電緩和時間が、トナー像生成ステーション22,24,26,28間をその層の一部が移動するドエル時間よりかなり長い場合には、その層はトナー像生成ステーション22,24,26,28間において絶縁層として機能する。一方、緩和時間が適当なドエル時間に相当するまたはこれより短い場合には、層はここで意味する半導層として機能する。例えば、第1転写ニップ40においてニップ転写時間がドエル時間より短い場合、層は第1転写ニップ40のドエル時間の間、半導層として機能する。さらに、中間転写部材12のある層は、その層の緩和時間がトナー像生成ステーションの間におけるドエル時間より短い場合には、トナー像生成ステーション22,24,26,28の間のドエル時間のあいだ、半導層として機能する。中間転写部材12における任意の最上層の緩和時間を決定する式は、単一層で成る中間転写部材に関して既に説明した式と実質的に同一である。よって、複数層の中間転写部材12上のある層が、特定ドエル時間の間に「絶縁性」として機能するか「半導性」として機能するかは、その層の電気的特性だけでなく、処理速度、システムジオメトリ、及び層の厚さにも依存する。
【0037】
体積抵抗率が一般的に約1013Ω・cmより大きい場合には、転写ベルトの層はたいていの転写システムにおいて通常「絶縁性」として機能する。中間転写部材12の絶縁最上層は、その層全体の電圧降下を引き起こし、それにより第1転写ニップ40において合成トナー層全体の電圧降下を低減する。したがって、絶縁層がある場合には、帯電した合成トナー像に作用する同一の静電界を生成するために、第1及び第2の転写ニップ40,48において、より高い印加電圧が必要である。このような電圧要件は、ある層をその層の誘電定数で割った実際の厚さである、かかる絶縁層の「誘電厚さ」により主として決定する。絶縁層の潜在的な問題の1つは、中間転写部材12の絶縁層の誘電厚さの合計が大きすぎる場合、成分トナー像を良好に静電転写するために、望ましくない極めて高い電圧が中間転写部材12に要求されることである。この問題は、特に、中間転写部材12の1周(rotation)より長いドエル時間のあいだ「絶縁性」として機能する層を備えたカラーイメージングシステムにおいて顕著である。各電界生成ステーション42における電荷の移動により、この絶縁最上層に電荷が蓄積する。次の成分トナー像を良好に転写するために、このような電荷の蓄積は、次の電界生成ステーション42において中間転写部材12の裏側により高電圧を要求する。画像調節ステーション46がコロナ装置の場合、第1転写ニップ40の間でこの電荷を十分に中和するためには、さらなる望ましくない中和、または中間転写部材12に転写された合成トナー像の電荷の反転を避けることができない。したがって、中間転写部材12の裏側において許容できない程の高電圧を不要にするためには、中間転写部材12のかかる絶縁性最上層の合計誘電厚さを、良好で安定した転写性能を得るべく小さく維持するべきである。許容可能な合計誘電厚さは、最大約50μmであり、好ましくは10μm未満である。
【0038】
中間転写部材12の最上層は、好ましくは、低表面エネルギなどの優れたトナー剥離特性を有し、好ましくは、シリコーンオイルなどのオイルに対して親和性が低い。PFA、TEFLON(登録商標)及び種々のフルオロポリマが、優れたトナー剥離特性を有する望ましいオーバーコート材料の例である。中間転写層12において、半導性裏側層より絶縁性コーティング層が優る点は、半導性としても同時に機能しなければならない制約がなければ、良好なトナー剥離特性を有するこのような材料は入手がより簡単であることである。抵抗率の高いコーティングを設ける別の潜在的な利点は、低い抵抗率、例えば109Ω・cm以下(<<)の最上層を含む転写定着部材50の使用が望まれる実施形態に適用する。上述のように、単一層の中間転写部材12の抵抗率は、転写定着部材50の最上層の抵抗率が約109Ω・cm以下である場合、第2転写ニップ48における転写の問題を回避するために、好ましくは約109Ω・cm以上に制限される。一方、複数層から成る中間転写部材12では、好ましくは109Ω・cm以上の十分に高い抵抗率の最上層を含む場合には裏側層の抵抗率をさらに低くできる。
【0039】
中間転写部材12の半導性コーティングは、トナー像生成ステーション22,24,26,28の手前かつその間で中間転写部材12上の電荷を平均化する必要がないという点で効果的である。中間転写部材12に設けた半導性コーティングは、絶縁性コーティングに比べてかなり厚い上部層を許容できるという点でもまた効果的である。このような効果を得るために必要な帯電緩和条件及び対応する抵抗率範囲の条件は、既に説明した裏側層の条件と同様である。一般的に、半導性の形態として、帯電緩和時間がトナー像生成ステーション22,24,26,28の間で要するドエル時間より短くなるような抵抗率を備える。抵抗率の構成がより好ましければ、厚い層を許容できる。このような構成は、第1転写ニップ40内のニップ緩和時間が、中間転写部材12の一部が第1転写ニップ40を通過するのに要するドエル時間より短くなるような抵抗率の範囲である。このような好ましい抵抗率の形態では、層における電荷の伝導により、転写ニップドエル時間の終わりには層全体の電圧降下は小さい。
【0040】
横方向の抵抗率に関連する抵抗率の下限についての制約は、複数層から成る中間転写部材12の半導性最上層、任意の半導性中間層、及び半導性裏側層に適用される。これらの各層に対する好ましい抵抗率範囲は、単一層の中間転写部材12に関して既に説明した範囲とほぼ同じである。また、第2転写ニップ48における転写問題に関連する抵抗率のさらなる制約は、複数層中間転写部材12の最上層に適用される。好ましくは、転写定着部材50の最上層が一般的に109Ω・cmより幾分小さい場合、中間転写部材12の最上半導性層は通常109Ω・cmより大きくすべきである。
【0041】
第2転写ニップ48における合成トナー像の転写は、静電転写と熱補助転写との組み合わせによって行われる。電界生成ステーション42及びガイドローラ74が電気的にバイアスされ、帯電した合成トナー像を中間転写部材12から転写定着部材50に転写する。
【0042】
転写定着部材50の温度が十分に高い最適なレベルに維持され、中間転写部材12の温度が第2転写ニップの手前でそれよりかなり低い最適なレベルに維持されていれば、第2転写ニップ48における合成トナー像の転写を熱によって補助することができる。熱補助転写のメカニズムは、第2転写ニップ48でのトナー接触のドエル時間における合成トナー像の軟化(softening)であると考えられる。トナーの軟化は、より高温の転写定着部材50との接触により起こる。合成トナーの軟化により、合成トナー像と転写定着部材50との界面において、転写定着部材50に対する合成トナー像の接着力が強化される。さらには、合成トナー像のトナー積層どうしがより強く密着する。第2転写ニップ48の手前においては、中間転写部材12の温度を十分に下げ、トナーの軟化及びその結果として中間転写部材12に対するトナーの接着が強すぎないようにする必要がある。第2転写ニップ48における最適な熱補助を確保するために、転写定着部材50の温度は、第2転写ニップ48の手前においてトナー軟化点よりかなり高くしなければならない。さらには、第2転写ニップにおける最適な転写のために、中間転写部材12の温度を、第2転写ニップ48の直前で転写定着部材50の温度よりかなり低くなければならない。
【0043】
第2転写ニップ48手前の中間転写部材12の温度は、合成トナー像の良好な転写を維持するために重要である。中間転写部材12の温度を最適に上昇させることにより合成トナー像の望ましい軟化が可能になる。合成トナー像の軟化は、転写定着部材50において、より低温で第2転写ニップの静電転写を熱補助をするために必要である。しかしながら、中間転写部材12の温度が上がりすぎると、第2転写ニップ48の手前で中間転写部材12上の合成トナー像が必要以上に軟化する危険がある。このような状況では、合成トナー像が中間転写部材12に対して許容できないほど強く接着する結果、良好な第2の転写が得られない。よって、好ましくは、中間転写部材12の温度は、第2転写ニップ48の手前においてトナーのTg(ガラス転移温度)以下又はその範囲に維持される。
【0044】
転写定着部材50は、ガイドローラ74,76,78,80により円筒形パスをガイドされる。好ましくは、ガイドローラ74,76は単独でまたは共に加熱されることにより転写定着部材50を加熱する。中間転写部材12と転写定着部材50は、転写ニップ48においてほぼ同じ速度を有するように好ましくは同期化される。転写定着部材50は加熱ステーション82によってさらに加熱される。加熱ステーション82は、好ましくは、転写定着部材50によって決定するパスの内部に配置された赤外線ランプによって形成される。あるいは、加熱ステーション82は、転写定着部材50の裏側に接触する加熱されたシュー(shoe)でもよいし、転写定着部材50の内側又は外側に配置された他の熱供給源でもよい。転写定着部材50と圧力ローラ84とによって、これらの間に第3転写ニップ86が形成される。
【0045】
剥離剤アプリケータ88は、シリコーンオイルなどの剥離材料を、制御された量だけ転写定着部材50の表面に供給する。剥離剤は、合成トナー像が第3の転写ニップ86において転写定着部材50から剥離するのを助ける。
【0046】
転写定着部材50は、好ましくは複数層で構成され、第2転写ニップ48において高い静電界を生成できるように適当な電気的特性を備えなければならない。
許容できない程の高電圧を必要としないために、転写定着部材50は、好ましくは、第2転写ニップ48において転写定着部材50全体で十分に低い電圧降下を可能にする電気的特性を備える。さらに、転写定着部材50は、好ましくは中間転写部材12との間に許容可能な低電流を保証する。転写定着部材50に対する要件は、中間転写部材12の選択された特性に依存する。言い換えれば、転写定着部材50は中間転写部材12と共に、第2転写ニップ48において十分に高い抵抗を有する。
【0047】
転写定着部材50は、好ましくは、横方向に剛性のある裏側層、厚みのある適合可能な中間ゴム層、及び薄い外側層を有する。好ましくは、適合可能な中間層と最上層とを合わせた厚さは0.25mm以上、より好ましくは1.0mm以上である。第2転写ゾーン48で許容できない高電圧が要求されないように、裏側及び中間層の抵抗率は十分に低い必要がある。好ましい抵抗率条件は、中間転写部材12についての前述の説明に従う。すなわち、複数層から成る転写定着部材50の裏側層及び中間層の好ましい抵抗率範囲は、第2転写ニップ48の電界生成領域におけるこれらの層のニップ緩和時間が、第2転写ニップ48の電界生成領域におけるドエル時間より短いことを保証する。ニップ緩和時間及びニップドエル時間を表す式は、単一層から成る中間転写部材12について説明した前出の式と実質的に同じである。よって、裏側層及び中間層の特定の好ましい抵抗率範囲は、システムジオメトリ、層の厚さ、処理速度、及び転写ニップ48内における絶縁層の単位面積当たりの静電容量によって決定する。一般的に、複数層転写定着部材50の裏側層及び中間層の体積抵抗率は、通常約1011Ω・cm以下、より好ましくはほとんどのシステムに対して約108Ω・cm以下である必要がある。あるいは、転写定着部材50の裏側層は、金属など、高い導電性を備えることもできる。
【0048】
複数層から成る中間転写部材12の場合と同様に、転写定着部材50の最上層を、転写ニップ48のドエル時間あいだ選択的に「絶縁性」(通常、1012Ω・cm以上)にもできるし、転写ニップ48の間を半導性(通常106 〜1012Ω・cm)に機能させることもできる。しかしながら、最上層が絶縁性である場合には、このような層の誘電厚さを十分に小さくして、許容できない高電圧を不要にしなければならない。好ましくは、かかる絶縁性最上層の誘電厚さは、一般的に約50μm未満にすべきであり、より好ましくは約10μm未満である。抵抗率が極めて高い絶縁性の最上層が用いられ、帯電緩和時間が転写定着部材の周期時間より長い場合、転写ニップ48における電荷の移動のために転写定着部材50に電荷が蓄積する。このため、スコロトロンや他の電荷生成装置などの周期的放電ステーション77により、電荷の均一性を制御し、周期的な電荷蓄積レベルを低減する必要がある。
【0049】
転写定着部材50は、中間層をさらに備えることもできる。通常約10μm以上の高い誘電厚さを有する任意のかかる追加中間層は、好ましくは十分に低い抵抗率を有し、これら追加的な中間層の低い電圧降下を保証する。
【0050】
好ましくは、転写定着部材50は、例えばシリコーンエラストマ、Viton(登録商標)などのフルオロエラストマ、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルカン(perfluoroalkane)及び他のフッ素化ポリマなど、表面エネルギの低い材料から成る最上層を有する。転写定着部材50は、Viton(登録商標)又は好ましくはシリコーンと炭素又は他の導電性強化添加剤とから構成され、望ましい電気的特性を実現する中間層を、最上層と裏側層との間に備える。
裏側層は、好ましくは望ましい電気的特性を有するべく修正された布帛でもよいし、ステンレススチールなどの金属でもよい。
転写定着部材50は、選択的に転写定着ローラ(図示せず)の形状でもよいし、好ましくは転写定着ベルトでもよい。転写定着部材50として転写定着ローラを使用した場合、転写定着ベルトに比べて小型化が可能であるとともに、カラーシステムの優れた動きの品質を得るために必要な駆動及び操作要件が簡素化する点が優る。一方、転写定着ベルトは転写ローラに比べて、円周がより長いために寿命が長く、基材に対する剥離能力がより良好で、一般的に交換費用も安い。
【0051】
転写定着部材50の中間層は、より強固な基材70に対して高い適合性を持ち、その結果プリンタ10に使用できる基材の自由度の範囲を広げるべく厚いことが好ましい。さらに、約0.25mm以上、好ましくは1.0mm以上の比較的厚い中間層を使用することにより、第3転写ニップ86の出力から文書が良好に排出される。別の実施形態においては、シリコーンなどの、厚みがあり硬度の低い適合可能な中間及び最上層を転写定着部材50に設け、動作自由度(operating latitude)の大きい転写定着システムによる低画像光沢(low image gloss)の生成を可能にする。
【0052】
第2転写ニップ48の手前で転写定着部材50を比較的高温にすることが、転写定着システムにとって効果的である。第2転写ニップ48における転写ステップでは、合成トナー像の単一カラートナー層と複数カラートナー積層が同時に転写される。ここで転写ベルト界面に最も近いトナー層の転写が最も難しい。任意の特定領域に転写されるカラートナー層に応じて、所与のカラートナー層が中間転写部材12の表面に最も近く位置する場合もあるし、この層が該表面から離れている場合もある。例えば、マゼンタのトナー層が、最後に転写ベルトに積層された層である場合、このマゼンタ層はあるカラープリント領域では中間転写部材12の表面に直接対向し、別のカラー領域ではシアンとイエローの少なくともいずれかの上に重なっている可能性がある。転写効率が低すぎると、中間転写部材12に近接するカラートナーの大部分が転写されず、別のカラートナー層上に積層された同じ色のトナー層は大部分が転写される。したがって、例えば合成トナー像の転写効率があまり高くない場合、シアントナーが中間転写部材12の表面に直接接触する合成トナー像の領域は、イエロートナー層の上部にシアントナー層が重なる合成トナー像の領域に比べ、転写されるシアントナー層が少ない。本発明では、第2転写ニップ48における転写効率は95%以上であり、かかる重大なカラーシフト問題を防ぐことができる。
【0053】
図4には、中間転写部材12の残留トナー量を転写定着部材50の温度の関数として示した実験データが示される。曲線92は、電界、圧力及び熱による補助を加えた場合、曲線90は電界による補助を加えず、圧力及び熱補助を加えた場合の結果をそれぞれ表す。残留トナーの量が極めて少ないのは、転写効率が極めて高いことを意味する。実験に使用したトナーは、約55℃のガラス転移温度範囲Tgを有する。実質的な熱補助は、転写定着部材の温度がTg以上で観察される。電界が印加され、転写定着部材50の温度が、トナーのTg範囲を大きく上回る約165℃以上で作動した場合に、ほぼ100%のトナー転写が起こる。好ましい温度はトナーの特性によって変わるが、一般的に、Tgを上回る温度での作動が、多種にわたるトナー及びシステム条件での静電転写における熱補助に効果的であるとされる。
【0054】
第2転写ニップ48において転写定着部材50の温度が高すぎると、合成トナー層の中間転写部材側においてトナーが必要以上に軟化するため、問題が起こりうる。よって、第2転写ニップ48手前において、転写定着部材50の温度を最適な範囲に制御しなければならない。第2転写ニップ48における合成トナー像の最適な温度は、第3転写ニップ86における合成トナー像の最適な温度より低い。第2転写ニップにおける熱補助のための望ましい転写定着部材50の温度は簡単に実現でき、さらに同時に、第3転写ニップ86におけるより完全なトナー溶解に必要な、望ましいより高いトナー温度を基材の予熱を利用することによって実現できる。基材70への転写及び定着は、基材70と合成トナー像との界面温度により制御される。熱分析により、基材70の温度上昇と転写定着部材50の温度上昇の両者に伴って界面温度が上昇することが示されている。
【0055】
第2及び第3の転写ニップ48,86において転写定着部材50がほぼ一定温度であれば、第2転写ニップ48における転写の最適温度は、中間転写部材12の温度調節により制御される。第2転写ニップにおける中間転写部材12の温度は、熱シェアリング(heat sharing)によって調整できる。すなわち、中間転写部材のポスト第2転写ニップ領域における部分の温度を、中間転写部材のプレ第2転写ニップ領域における部分に移動することができる。
【0056】
第3転写ニップ86における転写定着は、基材70の予熱により最適化される。しかしながら、トナーの調合又は動作の形態によっては、基材70の予熱は必要ない。
【0057】
基材(転写用紙)70は、給紙及び位置合わせシステム69により、基材予熱器73に搬送されて、ここに位置あわせされる。基材予熱器73は、好ましくは、基材70を加熱されたプラテンに搬送する搬送ベルトにより形成される。または、基材予熱器73は、間に加熱ニップを形成する加熱ローラで形成することもできる。基材予熱器73によって加熱された基材70は、第3転写ニップ86に移動する。
【0058】
図5には、基材の異なる予熱温度に対し、クリース(折り曲げ性:crease)と呼ばれる定着の基準を、転写定着部材50の温度の関数として実験的に示した曲線94,96が示される。曲線94は予熱した基材を示し、曲線96は室温の基材を示す。実験結果により、定着レベルが同等の場合、転写定着部材50の温度は、低温で予熱した基材の曲線96に比べ、より高温で予熱した基材の曲線94で大きく下がっている。このように、第3転写ニップ86の手前で基材70を基材予熱器73によって加熱することにより、第2転写ニップ48における好ましい合成トナー像の転写のために転写定着部材50の温度を最適化することができる。したがって、基材70の温度を、第3転写ニップ86において基材への良好な定着転写を転写定着部材50の制御された温度で行うために必要な対応温度に制御することにより、転写定着部材50の温度を第2転写ニップ48における最適な転写のための望ましい温度に制御することができる。これにより、第2転写ニップ48における最適な転写のために、第2転写ニップ48の手前で転写定着部材50を冷却する必要はない。すなわち、転写定着部材50は、第2及び第3転写ニップ48,86のいずれにおいてもほぼ同じ温度に維持することができる。
【0059】
さらに、第2転写ニップ48の手前で転写定着部材50の実質的な冷却が不要であるため、転写定着部材50の被覆層、すなわち中間及び最上層を、比較的厚く、好ましくは約1.0mm以上にすることができる。転写定着部材50の中間及び最上層が比較的厚ければ適合性が高まり、その結果、プリント品質を実質的に低下させることなく、より広範囲の基材70への印刷が可能になる。すなわち、合成トナー像を非常に効率よく、比較的粗い基材70に転写できる。
【0060】
さらに、転写定着部材50は好ましくは第2及び第3転写ニップ48,86のいずれにおいてもほぼ同じ温度であるが、合成トナー像は、好ましくは、第2転写ニップ48より、第3転写ニップ86において高温を有する。したがって、第3転写ニップ86において、基材70の温度は、第2転写ニップ48における中間転写部材12の温度よりも高い。あるいは、転写定着部材50を第2転写ニップの手前で冷却することもできるが、転写定着部材50の温度は、合成トナー像のTg以上、実質的にTg以上に維持されるのが好ましい。さらに、ある特定の動作条件下では、転写定着部材50の上部層を、第2転写ニップの直前で加熱することもできる。
【0061】
合成トナー像は、第3転写ニップ86において基材70に転写、定着し、文書72が完成する。第3転写ニップ86における基材70及び転写定着部材50からの熱に、ガイドローラ76に抗して作用する圧力ローラ84によって印加される圧力が加わり、合成トナー像が基材70に転写定着される。第3転写ニップ86における圧力は、好ましくは約40〜500psiの範囲であり、より好ましくは60psi〜200psiの範囲である。転写定着部材50は、第3転写ニップ86における圧力と転写定着部材50の適当な硬度との組み合わせにより、第3転写ニップ86におけるクリープを誘発し、転写定着部材50からを合成トナー像及び基材70を剥離する。好ましいクリープは4%以上である。好ましくは、ガイドローラ78をガイドローラ76及び圧力ローラ84に対して配置することにより、剥離がさらに強化される。ガイドローラ78は、転写定着部材50が圧力ローラ84に少量重なるように配置される。ガイドローラ76,78及び圧力ローラ84の配列により、高圧力ゾーン及び処理方向に隣接する低圧力ゾーンを有する第3転写ニップ86が形成される。低圧力ゾーンの幅は、高圧力ゾーンの幅の好ましくは1倍から3倍、より好ましくは約2倍である。低圧力ゾーンでは2〜3%のさらなるクリープが効果的に追加されることにより剥離がさらに強化される。加えて、剥離システム87、好ましくは給気システム(air puffing system)によってさらに剥離が強化される。または、剥離システム87は、剥離ブレードあるいはローラ又はベルトから文書を剥離する他の既知のシステムでもよい。また、圧力ローラを圧力ベルトなどの他の圧力アプリケータで代用することもできる。
【0062】
剥離した文書72は、選択的に駆動可能な光沢ステーション110に移動し、さらにシートスタッカまたは他の既知の文書処理システム(図示せず)に送られる。文書72を反転装置71に送り、ここで文書を反転させて、文書72の反対側に印刷を行うべくプレ転写加熱ステーション73に再導入することにより、プリンタ10は二重印刷を追加的に行うことができる。
【0063】
伝熱ステーション66は、処理方向において第2転写ニップ後に中間転写部材を冷却し、第2転写ニップ48の手前で中間転写部材を加熱する。伝熱ステーション66は、中間転写部材12の熱の一部を、第2転写ニップ48の出口側から入り口側に移す。中間転写部材12は、第2転写ニップにおいては転写定着部材によって加熱されるが、感光体に接触する前に冷却されなければならない。これは、摂氏50度以上に加熱されると、有機感光体は動作寿命が短くなったり、他の性能上の問題を生じるためである。伝熱ステーション66は熱交換器である。
伝熱ステーション66は、処理方向において第2転写ニップ後に中間転写部材12と接触する冷却プラテンを有し、処理方向において第2転写ニップより手前で中間転写部材12に接触すべく加熱プラテンをさらに有する。加熱プラテンと冷却プラテンとは、熱パイプにより熱的に接続されている。
【0064】
伝熱ステーション66(図3参照のこと)は、処理方向において第2転写ニップ後に中間転写部材12を冷却し、第2転写ニップ48の手前で中間転写部材12を加熱する。伝熱ステーション66は、中間転写部材12の熱の一部を、第2転写ニップ48の出口側またはポスト転写領域から入り口側またはプレ転写領域に移す。中間転写部材12は、第2転写ニップにおいては転写定着部材によって加熱され、好ましくはトナー像生成ステーションの感光体に接触する前に冷却される。これは、摂氏50度以上に加熱されると、有機感光体は動作寿命が短くなったり、他の性能劣化の問題を生じる可能性があるためである。したがって、第1転写ニップより手前で、中間転写部材から熱を移動させることにより、プリンタ装置の性能全体を高めることができる。
【0065】
伝熱ステーション66は熱交換器であり、処理方向において第2転写ニップ後に中間転写部材12と接触する冷却プラテン268を有し、処理方向において第2転写ニップより手前で中間転写部材12に接触する加熱プラテン270をさらに有する。好ましくは、熱は液体274の蒸発と凝縮により、加熱プラテン270と冷却プラテン268の間を移動する。液体274は、実質的には、水、アルコール、または他の蒸発しやすい液体から生成することができる。
【0066】
熱パイプ272が加熱プラテン270と冷却プラテン268とを接続し、液体274及び蒸発した液体274の通路を提供する。熱パイプ272どうしは、熱パイプ272の壁部における蒸発液体の凝縮を防止または低減するため、好ましくは絶縁されている。熱は、中間転写部材から冷却プラテン268に熱伝導により移動する。冷却プラテン268は、液体274の収容部となる内側チャンバを形成している。中間転写部材12から熱を吸収すると、冷却プラテン268は液体274を加熱して液体を蒸発させる。蒸発した液体は、対流によって上昇し、少なくとも1つの熱パイプ272を通過して加熱プラテン270に移動する。加熱プラテンは、蒸発した液体274を収容するチャンバを形成する。加熱プラテン270に進入した蒸発液体は、凝縮して熱を加熱プラテンに移す。そして、中間転写部材12が加熱プラテン270による熱伝導で加熱される。凝縮した液体274は、本来の重力により、熱パイプ272を通過して下降し、再び冷却プラテン268の収容部に収集される。
【0067】
本発明の好ましい実施形態においては、加熱プラテン270と冷却プラテン268の間で効率的に熱を移動するために可動部材は必要ないので、システム全体でエネルギを節約できる。蒸発した液体が移動できるように加熱プラテンと冷却プラテンを互いに対して配置できない場合には、ポンプ(図示せず)を使用することにより、蒸着した液体を循環させる、より好ましくは蒸発周期を利用しないで液体を循環させることが可能である。本発明の本実施形態では、ポンプによって、液体274を加熱プラテンと冷却プラテンの間で循環させ、これらの間で熱を移動させている。
【0068】
第2転写ニップにおける適温により、転写定着部材がより低い温度で、流動学的転写を実現できる。中間転写部材が周囲温度以上であれば、第2転写ニップにおける流動学的に補助された転写は、より低い転写定着部材温度で行われる。例として、下記の表により、63msという長いドエル時間のあいだ流動学的転写が120度で起こることが示されている(長いドエル時間では、転写ベルトはより高温となる。)
【表1】
Figure 0004567875
上記のデータ表中の値は、第2転写における残留トナー質量濃度の光学的濃度である。転写定着部材の温度は120℃、第2転写ニップにおけるドエル時間は63msであった。長いドエル時間のデータが示すように、流動学的転写(E=0)はトナー転写全体に大きく貢献し、プロセスブラックについては100%の流動学的転写が達成された。
【0069】
同様に、図6から図9には、中間転写部材及び転写定着部材の異なる温度に対して種々のトナーの転写効率が示されている。図6は、転写定着部材の温度に対して、第2転写ニップにおけるトナーの単位面積当たりの残留質量を示し、ライン610がトナーAの面積当たりの残留質量を表している。転写定着部材が165℃を超えると、流動学的な補助によって100%のトナー転写が得られる。ライン612は、3umのポリエステルイエロートナーに関して、転写定着部材の温度に対する第2転写ニップにおけるトナーの面積当たりの残留質量を示し、流動学的に補助された転写は、130℃から150℃のあいだで起こる。
【0070】
図7は、中間転写部材の温度が33℃と一定の場合、転写定着部材の温度に対する第2転写ニップにおける特定トナーの残留質量を示している。ライン710はプロセスブラックトナーの残留質量を表し、ライン712はレッドトナーの残留質量、ライン714はシアントナーの残留質量を示している。これらのライン710,712,714により、実質的に160℃以上、より好ましくは約170℃以上で流動学的転写が実現することが示されている。
【0071】
図9は、中間転写部材の温度が50℃で一定の場合、転写定着部材の温度に対する第2転写ニップにおける特定トナーの残留質量を示している。ライン910はプロセスブラックトナーの残留質量を表し、ライン912はレッドトナーの残留質量、ライン914はシアントナーの残留質量を示している。これらのライン910,912,914により、実質的に150℃以上、より好ましくは約160℃以上で流動学的転写が実現することが示されている。
【0072】
図8は、中間転写部材の温度が65℃の場合の、転写定着部材の温度に対する第2転写ニップにおける特定トナーの残留質量を示している。ライン810はプロセスブラックトナーの残留質量を表し、ライン812はレッドトナーの残留質量、ライン814はシアントナーの残留質量を示している。これらのライン810,812,814により、実質的に140℃から160℃のあいだ、より好ましくは約155℃以上で流動学的転写が実現することが示されている。
【0073】
このように、中間転写部材を第2転写ニップの手前で加熱することにより、転写定着部材を比較的低温で作用させることができる。中間転写部材を周囲温度以上に加熱すれば、合成トナー像は中間転写部材によって加熱できる。従って、第2転写ニップにおける流動学的補助に必要な熱をすべて転写定着部材によって供給する必要はない。そのため、転写定着部材は比較的低温での作用が可能である。図7から図9に示されるように、中間転写部材を33℃から65℃に加熱することによって、実質的にに100%の転写効率での流動学的な補助を実現できる転写定着部材の温度が170℃より低温の155℃になる。転写定着部材の温度が低温であれば、転写定着部材の動作寿命が延びる。さらに、転写定着部材の加熱を弱めることにより、プリント装置の全体的な電力消費を低減できる。加えて、中間転写部材のポスト第2転写ニップ部からの熱回収も、プリント装置全体の全体的な電力低減の1要因になっている。伝熱ステーション66は、ドライ粉末トナー及び液体インク現像システムのいずれにも適用が可能である。
クリーニングステーション54は、中間転写部材12に係合し、好ましくは、第2転写ニップにおいて転写定着部材50から中間転写部材12に移動したオイルを取り除く。例えば、転写定着部材50に好ましいシリコーン最上層が用いられている場合、そのシリコーン材料中に存在するシリコーンオイルの一部が転写定着部材50から中間転写部材12に移動し、最終的には画像支持部材30を汚す可能性がある。さらに、クリーニングステーション54は中間転写部材12に残る残留トナーを取り除く。また、クリーニングステーション54は、剥離剤管理システム88によって転写定着部材50上に堆積して画像支持部材30を汚す可能性のあるオイルの清浄も行う。クリーニングステーション54は、好ましくは単独のクリーニングブレードでもよいし、静電ブラシクリーナまたはクリーニングウェブに組み合わせてもよい。
【0074】
クリーニングシステム58は、第3転写ニップ86を通過した転写定着部材50の表面に係合し、転写定着部材50の表面から残留トナー及び汚れを取り除く。クリーニングシステム58は、好ましくは金属製のチューブ又は円筒で形成された第1のクリーナローラ259を含む。
クリーナローラの好適な実施形態が図10,11,12に示されている。部分的に溶けたトナーが、第1のクリーナローラ259の外表面上に第1のトナー層を形成する。部分的に溶解した第1のトナー層は、接着性又は粘着性を持つ。第1のクリーナローラ259は、転写定着部材50の処理方向に直交して配置され、好ましくは転写定着部材50のほぼ全幅にわたって延びている。第1のクリーナローラは好ましくは、駆動されるのではなく、第1トナー層と転写定着部材50との摩擦係合により回転運動するアイドラローラである。
【0075】
第1のクリーナローラ259は、転写定着部材50の表面に圧力により接触して保持されている。第1のクリーナローラは、ガイドローラ80に対向して配置されている。あるいは、圧力ローラ261を第1のクリーナローラ259に対向して配置することにより、転写定着部材50と第1のクリーナローラ259との間に十分な圧力が維持される。第1のクリーナローラ259は、回転しながら転写定着部材50に係合し、10〜50psiの圧力を転写定着部材50に与える。第2のクリーナローラ260が、回転しながら第1のクリーナローラ259に係合する。好ましくは、第2のクリーナローラ260も同様に、第1のクリーナローラとの接触摩擦によって動くアイドラローラである。第1及び第2のクリーナローラにより、ほぼ平行な回転軸が形成される。第2のクリーナローラ260の外表面には第2トナー層が形成され、第1及び第2のトナー層が互いに接触している。
【0076】
第2のクリーナローラ260は、内部収容部264を有する管又は中空円筒であり、また表面を通過する複数のアパーチャを有する円筒形でもある。このアパーチャは、第2クリーナローラ260の長さに沿って軸方向に延びる、一連の穴または単一の螺旋状に形成されたカット部である。このアパーチャ266を通過して、第2トナー層の余分なトナーが第2クリーナローラ260の内部収容部264に送り込まれる結果、第2クリーナローラ260の表面上の第2トナー層263の厚さが維持される。
【0077】
第1のクリーナローラ259は、転写定着部材50の表面から、予め設定された第1の一定距離だけ隔てて支持される。ここで、第1のクリーナローラ259の第1トナー層の厚さが実際的に前記予め設定された距離に相当する。第1クリーナローラ259の第1トナー層の余分なトナーは、第2クリーナローラ260の第2トナー層に移される。第2トナー層263の余分なトナーは、アパーチャ266を通って第2クリーナローラ260の内部収容部264に送られる。このように、第2クリーナローラ260の内部収容部264は、第1及び第2のクリーナローラ259,260からの余分なトナーの収容部として機能する。
【0078】
第1及び第2のクリーナローラ259,260は、それぞれがまず第1及び第2トナー層262,263によりコーティングされる。クリーニングステーション58を作動する際には、第1及び第2トナー層262,263が粘着力又は接着力を持つまでこれらのローラ259,260を加熱する。第1及び第2のクリーナローラは、転写定着部材50によって加熱でき、さらには、放射クリーニングヒータ265によって加熱できる。転写定着部材50上のトナー粒子及びその他の粒子や汚れは、第1クリーナローラ259の粘着性の第1トナー層262に付着する。転写定着部材50からのトナー粒子が蓄積して第1トナー層262の厚みが増すと、余分なトナーは第2クリーナローラ260の第2トナー層263に移動する。この余分なトナーは、第1クリーナローラ259と第2クリーナローラ260との間に生じる圧力によって第2クリーナローラ260の内部収容部264に送り込まれる。こうして、第2クリーナローラ260の内部収容部264は、ルーチンサービスを行いながらクリーニングシステム58の動作寿命を延ばしている。ほとんどの動作環境においては、クリーナシステム58は一周のうちに転写定着部材50をクリーニングし、転写定着部材50が新しい合成トナー像を受け取るべく準備する。
【0079】
第1及び第2のクリーナローラ259,260は、好ましくは、スチールなどの耐摩耗性で熱伝導性の材料で形成されるが、真鍮、アルミニウムステンレス鋼などで生成することもできる。いずれかのローラをエラストマ材料で被覆してもよい。第1のクリーナローラ259は好ましくは転写定着部材50によって加熱され、第1クリーナローラ259の第1トナー層262を部分的な溶解状態に維持する。第1トナー層262の動作温度範囲は、通常100℃以上と、トナーを溶融すべく十分に高い。トナー層の温度が低すぎると、トナーが第1クリーナローラに接着しなかったり、あるいはトナー層自体にトナーが付着できない。同時に、トナー層の分裂を防ぐためには、トナーの温度は一般的に80℃未満と、十分に低い。部分的に溶解したトナーは、転写定着部材50の温度によって、さらに、必要であればクリーニングヒータ265によるさらなる加熱を組み合わせて、100〜180℃の最適な温度範囲に保たれる。第2トナー層263は好ましくは、第1トナー層262との接触により、第1トナー層262とほぼ同じ温度範囲に保たれる。さらなるクリーニングヒータ(図示せず)によって、さらに加熱を加えることもできる。2つのクリーナローラは、非作動時には、離間させてもよい。動作モードの一つの可能性としては、第2のローラ260を周期的にのみ係合させて余分なトナーの集積を除去することができる。第1のローラ259から余分なトナーを周期的に除去する間、第1のローラ259は転写定着部材50から離間する。
【0080】
転写定着部材50は、圧力ローラ84により循環パスを駆動される。あるいは、駆動ガイドローラ74により、駆動されるか、駆動を強化される。中間転写部材12は、好ましくは転写定着部材50との圧力接触により駆動される。中間転写部材12は、中間転写部材12と転写定着部材50との付着力による接触を利用することにより、転写定着部材50に駆動される。この付着的接触により、転写定着部材50と中間転写部材12とが第2転写ニップ48において互いに同期して移動する。また、中間転写部材12とトナー像生成ステーション22,24,26,28との付着的接触は、中間転写部材12を介して転写定着部材50により実現できる。あるいは、中間転写部材12を独立的に駆動することもできる。中間転写部材12を独立的に駆動する場合は、中間転写部材12に係合する運動緩衝器(motion buffer)により、中間転写部材12と転写定着部材50との相対運動を緩衝する。運動緩衝システムは、フィードバック及び制御システムを備えた張力システムを含み、第2転写ニップ48において中間転写部材12に移される動きの不規則性から独立して、第1転写ニップ40における中間転写部材12の良好な運動を維持することができる。フィードバック及び制御システムは、中間転写部材12の運動と転写定着部材50の運動の少なくともいずれかを検出する位置合わせセンサを含み、合成トナー像を基材70に転写する位置合わせタイミングを調整できる。
【0081】
光沢補強ステーション110は、好ましくは、第3転写ニップ86から処理方向下流に配置され、文書72の光沢特性を選択的に補強する。光沢補強ステーション110は、光沢ニップ116を間に形成する、互いに向き合う溶融(fusing)部材112,114を有する。光沢ニップ116は光沢補強が選択的にできるよう調節が可能である。特に、溶融部材のカム構造(cammed)により、転写定着ニップ116は十分な大きさを有し、光沢を提供する溶融部材112,114のいずれにも文書が実質的に接触せずに通過できる。オペレータが光沢補強を選択すると、溶融部材112,114は圧力によりカム駆動され、光沢ニップ116を形成する。光沢補強の量は、溶融部材112,114の温度調節によりオペレータが選択できる。溶融部材112,114の温度が高いほど、光沢補強も強くなる。米国特許第5,521,688号(Hybrid Color Fuser)には、放射溶融器を備える光沢補強ステーションが記載されている。
【0082】
定着(固着)機能とつや出し機能とを分離することにより、以下の動作上の効果がある。すなわち、このような機能の分離により、文書72の好ましい光沢レベルをオペレータが選択できる。カラーシステムの高い光沢性能を実現するためには、一般的に、第3転写ニップ86で比較的高温が要求される。さらに、通常は、転写定着部材50としてViton(登録商標)などの、熱及び摩耗抵抗のより高い材料が要求される。これは、摩耗により転写定着部材50の表面粗度が変化して生じる光沢差の原因である摩耗の問題を防ぐためである。このように高温が要求され、熱及び摩耗抵抗性の高い材料が使用されると、一般的に、剥離剤管理システム88によるオイル供給速度を速める必要がある。プリンタ10などの転写定着システムにおいては、転写定着部材50の温度が上昇し、オイル量が増加すると、強い光沢が要求され、システムは厚く適合性のない転写定着部材又は比較的薄い転写定着部材を用いることになる。しかしながら、相対的に適合不可能な転写定着部材及び比較的薄い転写定着部材は、例えばより粗い用紙ストックなどの好ましい印刷に必要な高レベルの適合性を備えることができない。
【0083】
光沢補強ステーション110の使用により、第3転写ニップ86における光沢生成の必要が実質的に低減又は省かれる。この結果、カラー転写定着部材の材料の表面摩耗問題が減少するとともに、入手の容易なシリコーンまたは他の同様の軟性転写定着部材材料で生成される寿命の長い転写定着部材50を得ることができる。これにより、転写定着部材50上に比較的厚い層を使用できる結果、転写定着部材の材料の動作寿命が延び、かつより粗い基材での画像生成に要する高い適合性が得られる。さらに、転写定着材料に対する温度要求が低減してその寿命が延びるとともに、第3転写ニップ86における要求オイル量が実質的に減少する。光沢補強ステーション110は、第3転写ニップ86における文書の温度上昇を利用できるよう、好ましくは第3転写ニップ86に十分に近接して配置される。文書72の上昇温度により、光沢補強ステーション110に必要な動作温度を低くすることができる。光沢補強ステーションの温度が下がることにより、光沢補強材料の寿命及び信頼性が高まる。
【0084】
適合性の高いシリコーン製の転写定着部材50の使用は、低光沢で良好な動作定着自由度を実現する1つの重要な手段の一例である。ここで重大なパラメータは、好ましくはゴム製の転写定着部材50の最上層の硬度(デュロメータ)が十分に低く、同じく好ましくはゴム製の転写定着部材50の中間層の厚さが比較的厚いことである。好ましい硬度範囲は、合成トナー層の厚さ及び転写定着部材50の厚さに依って決まる。具体的には、好ましい範囲は25〜55ショア(Shore)Aであり、35〜45ショア(Shore)Aの範囲が一般的に好ましい。したがって、好ましい材料には多くのシリコーン生成物(silicone material formulations)が含まれる。転写定着部材50の中間及び最上層の厚さ範囲は、好ましくは約0.25mm以上であり、より好ましくは1.0mm以上である。トナー剥離寿命の延長、粗い基材への適合、ニップドエル時間の拡大、文書剥離の増強を実現するために、低光沢に対して一般的により厚い層の方が好ましい。任意の実施形態では、転写定着部材50の表面にわずかな表面粗度を導入し、許容される転写定着材料の剛性範囲を広げ、低い転写定着光沢を実現する。特に、材料の硬度がより高く、層の厚さが薄くなると、転写定着部材の表面テクスチャが再生される傾向がある。よって、転写定着部材50の表面粗度の一部が、高硬度ではなく低光沢の実現に利用される。転写定着部材の表面光沢数が30GU未満が好ましい。
【0085】
面積当たりのトナー質量が比較的高いという条件では、転写定着において、低光沢で良好な定着を得るための動作範囲自由度は狭かった。例えば、約7μmのトナーは、約1mg/cm2のトナー質量を要し、30GU未満の光沢レベルを達成すると同時に40未満の許容可能なクリースレベルを達成するために、110〜120℃の転写定着部材50の温度及び約85℃までの用紙の予熱を必要とする。しかしながら、面積当たりのトナー質量が低い場合は、良好な定着及び低光沢のための動作転写定着システムの温度範囲を広げることができた。顔料添加量(loading)の高い小径トナーと、適合可能な転写定着部材50と組み合わせて使用することにより、カラーシステムの面積当たりのトナー質量を低減することができ、この結果、第3転写ニップ86において低光沢を得るべく動作温度の自由度を高めることができる。その結果、約3μmのトナーでは、約0.4mg/cm2のトナー質量を要し、30GU未満の光沢レベルを達成すると同時に40未満の許容可能なクリースレベルを達成するために、110〜150℃の転写定着部材50の温度及び約85℃までの用紙の予熱を必要とする。
【0086】
光沢補強ステーション110は、好ましくは、Viton(登録商標)からなる溶融部材112,114を有する。あるいは、剛性ローラまたはベルト上に設けられた厚みの小さい及び大きいテフロン(登録商標)製のスリーブ/オーバーコート、またはゴムの下部層上に設けたこのようなオーバーコートなどの硬い溶融部材を、転写定着後の光沢強化に用いてもよい。溶融部材112,114は、好ましくは、転写定着部材50の最上層より硬い最上定着層を有し、その表面平滑度が高レベルである(表面光沢が好ましくは50GU以上、より好ましくは70GU以上)。または、最上表面を織布とし、文書72にテクスチャを供給することもできる。光沢補強ステーション110は、好ましくは剥離剤管理供給システム(図示せず)を含む。光沢補強ステーションは、溶融部材112,114からの文書72の剥離を補助するためのエアパフ(air puffer)などの剥離機構をさらに含むことができる。
【0087】
また、トナー剤にワックスを含ませ、光沢補強ステーション110に要するオイルを低減させてもよい。
【0088】
なお、光沢補強ステーション110を、中間転写部材12及び転写定着部材50を有するプリンタに組み合わせて説明したが、光沢補強ステーション110は、低光沢の文書72を生成する、転写定着システムを備えたあらゆるプリンタに適用できる。特に、単一の転写/転写定着部材を用いる転写定着システムを含むことができる。
【0089】
システムの1例として、転写定着部材50は第3転写ニップ86において好ましくは120℃であり、基材70は85℃に予熱されている。この結果、光沢値が10〜30GUの文書72が生成される。溶融部材112,114は好ましくは120℃に加熱されている。オペレータの選択に応じて異なる程度またはレベルの光沢を各プリント毎に提供できるように、好ましくは溶融部材112,114の温度は調節自在である。溶融部材112,114の温度が高いほど光沢補強が高まり、低温になるほど文書72における光沢強化の量が低減する。
【0090】
溶融部材112、114は好ましくは溶融ローラであるが、溶融ベルトでもよい。各溶融部材112,114の最上層は比較的適合性に乏しく、好ましくは55ショアA以上の硬度を有する。光沢補強ステーション110は、第3転写ニップ86において低光沢を実現すべく動作する転写定着システムを用いたプリンタ10を通過後に光沢強化を提供する。プリンタ10は、好ましくは、第3転写ニップ86の後に、10〜30ガードナー光沢単位(GU:Gardner Gloss Units)を有する文書72を生成する。文書72上の光沢は、単位面積当たりのトナー質量に応じて変化する。光沢補強ユニット100は、好ましくは、SD Warren Companyから市販されるLustro Gloss(登録商標)用紙において、文書72の光沢を約50GU以上まで高める。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による伝熱ステーションを備えるデュプレクス(二重)カットシート静電写真プリンタの概略側面図である。
【図2】 図1のプリンタの転写ニップの拡大概略側面図である。
【図3】 図2の伝熱ステーションの拡大概略断面図である。
【図4】 転写定着部材の温度の関数として残留トナーを示したグラフである。
【図5】 所与の基材温度に対する転写定着部材の温度の関数としてクリースを示したグラフである。
【図6】 転写定着部材の温度の対して、第2転写時の面積当たりの残留トナー質量を示したグラフである。
【図7】 転写定着ベルトの温度に対して、残留トナー質量を示したグラフである
【図8】 中間転写部材の温度が一定の場合の、転写定着部材の温度に対する残留トナー質量を示したグラフである。
【図9】 転写定着部材の温度に対して、残留トナー質量を示したグラフである。
【図10】 第1のクリーナローラを概略的に示す断面図である。
【図11】 第2のクリーナローラを概略的に示す断面図である。
【図12】 第1のクリーナローラ及び第2のクリーナローラを概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
10 プリンタ、12 中間転写ベルト、14,16,18,20 ガイドローラ、22,24,26,28 トナー像生成ステーション、30 画像支持部材、32 帯電ステーション、34 露光ステーション、36 現像ステーション、38 プレ転写ステーション、40 第1転写ニップ、41 クリーニングステーション、42 電界生成ステーション、46 画像調整ステーション、48 第2転写ニップ、50 転写定着部材、52 プレ転写電荷調節ステーション、66 伝熱ステーション、69 供紙及び位置合わせシステム、70 基材、71 反転装置、72 文書、73 基材予熱器、74,76,78,80 ガイドローラ、77 放電ステーション、82 加熱ステーション、84 圧力ローラ、86 第3転写ニップ、88,188 剥離剤アプリケータ、110 光沢補強ステーション、112,114 溶融部材、116 光沢ニップ、259 第1のクリーナローラ、260 第2のクリーナローラ、261 圧力ローラ、262 第1のトナー層、263 第2のトナー層、264 内部収容部、265 放射クリーニングヒータ、266 アパーチャ、268 冷却プラテン、270 加熱プラテン、272 熱パイプ、274 液体。

Claims (3)

  1. トナー像を転写ニップにおいて中間転写部材から転写定着部材に転写する方法であって、
    前記中間転写部材を、周囲温度より高い第1の予め設定した温度に加熱するステップと、
    前記転写定着部材を、前記第1の温度より高い第2の予め設定した温度に加熱するステップと、
    前記転写ニップにおいて、前記中間転写部材から前記転写定着部材にトナー像を、前記転写定着部材の熱によって軟化したトナーが前記転写定着部材への接着が強まる流動学的な作用によって転写するステップと、
    前記転写ニップを通過した後の前記中間転写部材の部分から前記転写ニップへの進入前の前記中間転写部材の部分に伝熱ステーションを介して伝熱することにより前記転写ニップにおける前記中間転写部材の温度を調節するステップと、
    を含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記転写ニップにおいて前記トナー像全体に温度差を生成することを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、前記第2の予め設定した温度は160℃未満であることを特徴とする方法。
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