JP2004117408A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の像担持体上に互いに異なる色のトナー像を形成し、そのトナー像を第1の中間転写体上に重ねて転写して得た第1の画像を第2の中間転写体に熱転写し、その第1の画像を記録媒体の一方の面に熱転写して定着し、複数の像担持体上のトナー像を第1の中間転写体上に転写して得た第2の画像を上記記録媒体の他方の面に熱転写して定着する画像形成装置において、第1の中間転写体から第2の中間転写体への第1の画像の転写と、第2の中間転写体から記録媒体への第1の画像の転写と、第1の中間転写体から記録媒体への第2の画像の転写の効率を高める。
【解決手段】画像に対する離型性を、第1の中間転写体3、第2の中間転写体15、記録媒体Pの順に高く設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】画像に対する離型性を、第1の中間転写体3、第2の中間転写体15、記録媒体Pの順に高く設定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される複数の像担持体と、各像担持体に形成されたトナー像が重ね転写される第1の中間転写体と、該第1の中間転写体に転写された重ねトナー像より成る第1の画像が熱転写される第2の中間転写体とを具備し、該第2の中間転写体に転写された第1の画像を記録媒体の一方の面に熱転写すると共に、前記複数の像担持体にそれぞれ形成されたトナー像を第1の中間転写体に重ねて転写して得た第2の画像を前記記録媒体の他方の面に熱転写し、該記録媒体の一方の面と他方の面に第1及び第2の画像を熱転写することにより、該第1及び第2の画像を記録媒体に定着する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は既に提案されている。この形式の画像形成装置によれば、記録媒体を反転させることなく、当該記録媒体を一度給送するだけで、その記録媒体の両面にカラー画像を形成することができる。しかも、第1の中間転写体上の第1の画像を第2の中間転写体に熱転写し、かつ該第1の画像と、第1の中間転写体上の第2の画像を記録媒体の各面に熱転写するので、転写による画像の画質劣化を抑えることができる。さらに、記録媒体の一方の面と他方の面に第1および第2の画像を熱転写することによって、該第1及び第2の画像を記録媒体に定着するので、独立した定着装置を設ける必要がなく、画像形成装置の構成の簡素化とコストの低減を達成できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はの目的は、上記形式の画像形成装置において、第1の中間転写体から第2の中間転写体への第1の画像の転写効率と、第2の中間転写体から記録媒体の一方の面への第1の画像の転写効率と、第1の中間転写体から記録媒体の他方の面への第2の画像の転写効率を高めることのできる画像形成装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した形式の画像形成装置において、前記第1の画像と第2の画像を記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性を、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に高く設定したことを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項1)。
【0005】
また、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1の画像と第2の画像を記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に高くなるように、第1及び第2の中間転写体の基材に表面処理が施されていると有利である(請求項2)。
【0006】
さらに、上記請求項2に記載の画像形成装置において、第1及び第2の中間転写体の基材は同じ材料により構成されていると有利である(請求項3)。
【0007】
また、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1の画像と第2の画像を記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に高くなるように、第1の中間転写体の表面に離型剤を塗布する塗布手段を設けると有利である(請求項4)。
【0008】
さらに、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1の画像と第2の画像を記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に高くなるように、第1の中間転写体の表面と第2の中間転写体の表面にそれぞれ離型剤を塗布する第1及び第2の塗布手段を設けると有利である(請求項5)。
【0009】
また、上記請求項4又は5に記載の画像形成装置において、前記塗布手段が、離型剤ブロックと、該離型剤ブロックに接触しながら回転するブラシローラとを有し、該ブラシローラの回転によって前記中間転写体に離型剤を塗布するように構成されていると有利である(請求項6)。
【0010】
さらに、上記請求項6に記載の画像形成装置において、中間転写体への離型剤の塗布量を調整できるように、前記ブラシローラの回転数と回転時間のうちの少なくとも一方を変化させることができるように構成されていると有利である(請求項7)。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0012】
図1は画像形成装置の一例を示す垂直断面図であり、ここに示した画像形成装置は、互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される複数の像担持体が設けられている。図示した例では、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成されるドラム状の4つの像担持体2Y,2M,2C,2BKが設けられている。これらの像担持体像担持体2Y乃至2BKに対向して第1の中間転写体3が配置され、この中間転写体3に各像担持体2Y乃至2BKがそれぞれ当接している。図1に示した例では、第1の中間転写体3が、支持ローラ4,5,6に巻き掛けられて矢印A方向に回転駆動される無端ベルトより成り、かかる第1の中間転写体3上に、各像担持体2Y,2M,2C,2BK上に形成された各色のトナー像が重ねて転写される。
【0013】
第1乃至第4の像担持体2Y,2M,2C,2BK上にトナー像を形成する構成と、その各トナー像を第1の中間転写体3上に転写する構成は実質的に全て同一であり、形成される各トナー像の色が異なるだけである。よって、第1の像担持体2Yにトナー像を形成し、そのトナー像を第1の中間転写体3上に転写する構成と作用だけを説明する。
【0014】
この像担持体2Yは図1における時計方向に回転駆動され、このとき像担持体表面に除電装置7からの光が照射され、該像担持体2Yの表面電位が初期化される。初期化された像担持体表面は帯電装置8によって所定の極性、この例ではマイナス極性に一様に帯電される。この帯電面に、露光装置9から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、像担持体2Yの表面に書き込み情報に対応した静電潜像が形成される。図1に示した画像形成装置においてはレーザ光を出射するレーザ書き込み装置より成る露光装置9が用いられているが、LEDアレイと結像手段を有する露光装置などを用いることもできる。
【0015】
像担持体2Yに形成された静電潜像は、これが現像装置11を通るとき、イエロートナー像として可視像化される。ここに一例として示した現像装置11は、乾式の現像剤を担持して搬送する現像ローラ10を有し、この現像ローラ10に担持されて搬送される現像剤によって静電潜像がトナー像として可視像化される。
【0016】
一方、無端ベルトより成る第1の中間転写体3の内側には、その第1の中間転写体3を挟んで像担持体2Yに対向して位置する第1の転写手段の一例である転写ローラ12が配置されている。この転写ローラ12には、像担持体2Y上に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性、この例ではプラス極性の転写電圧が印加される。これにより、像担持体2Yと第1の中間転写体3との間に転写電界が形成され、像担持体2Y上のトナー像が、その像担持体2Yと同期して回転駆動される第1の中間転写体3上に静電的に転写される。このように、第1の転写手段は、像担持体2Y上のトナー像を第1の中間転写体3の表面に静電転写する用をなす。
【0017】
トナー像を第1の中間転写体3に転写したあとの像担持体2Y表面に付着する転写残トナーは、クリーニング装置14によって除去され、像担持体2Yの表面が清掃される。
【0018】
全く同様にして、第2乃至第4の各像担持体2M,2C,2BKには、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。各像担持体に対向配置された現像装置が、その各像担持体に互いに異なった色のトナー像を形成するのである。第2乃至第4の像担持体2M,2C,2BK上に形成された各色のトナー像は、転写ローラにより構成された各第1の転写手段によって、イエロートナー像の転写された第1の中間転写体3上に順次重ねて静電転写される。このようにして各像担持体に形成された互いに異なる色のトナー像が第1の中間転写体に重ねて静電転写されるが、第1の中間転写体上に転写された重ねトナー像より成るこの画像を第1の画像と称することにする。
【0019】
一方、第1の中間転写体3の右方には、第1の中間転写体3上の第1の画像が熱転写される第2の中間転写体15が配置されている。この第2の中間転写体15も複数の支持ローラ16,17,21,18に巻き掛けられて、第1の中間転写体3に同期して矢印B方向に回転駆動される無端ベルトにより構成されている。第2の中間転写体15は、支持ローラ5に巻き掛けられた第1の中間転写体3の部分に圧接している。
【0020】
本例の画像形成装置においては、上述の支持ローラ5が、例えばその内部に配置された発熱体(図示せず)によって加熱される加熱ローラより成る第2の転写手段として構成され、かかる支持ローラ5の熱によって、第1の中間転写体3上の第1の画像のトナーが軟化し、これによってその第1の画像が、第1の中間転写体3に圧接した第2の中間転写体15上に一度に熱転写される。このように、熱転写とは、少なくとも熱の作用によってトナー像を転写することである。
【0021】
第2の中間転写体15に第1の画像を転写したあとの第1の中間転写体3の表面に付着する転写残トナーは、紙粉などと共に、クリーニング装置22によって除去され、第1の中間転写体3の表面が清掃される。
【0022】
第2の中間転写体15に転写された第1の画像が、その第2の中間転写体15の回転に伴って所定のところまで移動した時、前述したところと全く同様にして、複数の像担持体2Y,2M,2C,2BK上に順次各色のトナー像がそれぞれ形成され始め、これらのトナー像が第1の転写手段によって第1の中間転写体3上に重ねて静電転写される。このようにして第1の中間転写体3上に得られた重ねトナー像より成る画像を第2の画像と称することにする。
【0023】
一方、本体筐体内の下部には、記録媒体給送装置23が設けられている。ここに例示した記録媒体給送装置23は、転写紙や樹脂シートなどから成る記録媒体Pを積載収容した2つの給紙カセット24,24Aと、その各給紙カセットから記録媒体Pを送り出す給紙ローラ25,25Aを有し、そのいずれかの給紙ローラが最上位の記録媒体上面に当接して回転することにより、その最上位の記録媒体が送り出され、該記録媒体は複数のガイド部材により構成された搬送路を通ってレジストローラ対26へ搬送される。
【0024】
レジストローラ対26は、第1の中間転写体3上の第2の画像と第2の中間転写体15上の第1の画像が記録媒体Pの各面にそれぞれ整合して転写されるタイミングで記録媒体Pを送り出す。このようにしてレジストローラ対26から送り出された記録媒体は、第1の中間転写体3と第2の中間転写体15との当接部を通過し、上方に搬送される。
【0025】
第2の中間転写体15の内側には、第1の中間転写体3用の支持ローラ5にほぼ対向して、第3の転写手段の一例である加熱ローラ20が配置されている。記録媒体Pが、上述のように第1の中間転写体3と第2の中間転写体15との当接部を通るとき、加熱ローラ20も、例えばその内部に設けられた発熱体(図示せず)によって加熱される。このとき第2の転写手段を構成する支持ローラ5も、その内部の発熱体によって加熱されている。このため、第1の中間転写体3上の第2の画像と、第2の中間転写体15上の第1の画像が加熱されて溶融し、両中間転写体3,15の当接部を通過する記録媒体Pの一方の面に、第2の中間転写体15上に転写された第1の画像が熱転写され、第1の中間転写体3上の第2の画像が記録媒体Pの他方の面に熱転写される。このように、第1及び第2の画像を構成するトナーが溶融し、しかもそのトナーが両中間転写体3,15によって加圧されるので、記録媒体Pの各面に転写された第1及び第2の画像が、第1及び第2の中間転写体3,15の当接部を通過した後に冷却されることにより、記録媒体の各面にそれぞれ固着されて定着される。このようにして記録媒体Pの各面にカラー画像が形成され、かかる記録媒体Pは第2の中間転写体15を離れた後、矢印Bで示すように、画像形成装置本体上部の排紙部30に排出される。
【0026】
第2の画像を記録媒体に転写した後の第1の中間転写体3上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置22によって除去され、同じく第1の画像を記録媒体に転写した後の第2の中間転写体15上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置32のクリーニング部材32Aによって除去される。このクリーニング部材32Aは、第2の中間転写体15上の第1の画像がここを通過するときは、該第2の中間転写体15の表面から離間し、第1の画像の転写後の第2の中間転写体15を清掃するときだけ、第2の中間転写体15の表面に当接する。
【0027】
上述した例では、第2の転写手段としての支持ローラ5の熱によって、第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15上に熱転写し、該支持ローラ5と加熱ローラ20の熱によって第2の中間転写体15上の第1の画像と第1の中間転写体3上の第2の画像を記録媒体Pの各面にそれぞれ熱転写し、その各画像を記録媒体P上に定着するように構成したが、第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15上に熱転写するときも、支持ローラ5と加熱ローラ20の熱によってその第1の画像を第2の中間転写体15に熱転写することもできる。いずれの場合も、第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15上に熱転写するときよりも、第2の中間転写体15上の第1の画像と第1の中間転写体3上の第2の画像を記録媒体Pの各面にに熱転写するときの方が多量の熱を使用できるようにする。これにより、第1及び第2の画像を溶融させて、その各画像を記録媒体Pの各面に熱転写し、かつこれを定着することができる。
【0028】
上述のように、本例の画像形成装置においては、第1の中間転写体3から第2の中間転写体15に転写された第1の画像を記録媒体Pの一方の面に熱転写すると共に、複数の像担持体2Y乃至2BKにそれぞれ形成されたトナー像を第1の中間転写体3に重ねて転写して得た第2の画像を記録媒体Pの他方の面に熱転写し、該記録媒体Pの一方の面と他方の面に第1及び第2の画像を熱転写することにより、該第1及び第2の画像を記録媒体に定着するように構成されている。
【0029】
ここで、上述の各熱転写が効率よく行われるようにするため、第2の中間転写体15上の第1の画像と、第1の中間転写体3上の第2の画像を記録媒体Pの一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの各画像に対する離型性が、第1の中間転写体3、第2の中間転写体15、記録媒体Pの順に高くなるように構成されている。このように構成すれば、トナー像に対する第1の中間転写体3の表面の離型性が第2の中間転写体15の表面の離型性よりも大きくなるので、第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15上に効率よく熱転写することができる。同様に、第2の中間転写体15上の第1の画像を効率よく記録媒体Pの一方の面に熱転写することができる。また、上述の構成により、当然、第1の中間転写体3の表面の離型性は、記録媒体Pの表面の離型性よりも高くなるので、その第1の中間転写体3上の第2の画像を記録媒体Pの他方の面に効率よく熱転写することができる。かかる構成を採用することにより、第1及び第2の中間転写体3,15用のクリーニング装置22,32を省略することも可能となる。
【0030】
上述のように、第1及び第2の中間転写体3,15の離型性を設定するには、例えば、第1の画像と第2の画像を記録媒体Pの一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体3、第2の中間転写体15、記録媒体Pの順に高くなるように、第1及び第2の中間転写体3,15の基材に表面処理を施せばよい。より具体的に示すと、無端ベルトより成る第1及び第2の中間転写体3,15は、例えば厚みが20乃至600μmの樹脂フィルム又はゴムを基材としたベルトより成るが、かかる基材の表面に、上述の離型性が得られるように、離型層をコートして表面処理を施すのである。第2の中間転写体15よりも第1の中間転写体3の方が表面性のよい材料の離型層を用いる。その離型層としては、例えばフッ素樹脂、特にテフロン(登録商標)などを用いることができる。その際、その離型層として耐熱性に優れた材料を用いると、画像の熱転写のために第1及び第2の中間転写体3,15を加熱しても、その劣化を抑え、長期に亘って高品質な画像を得ることができる。
【0031】
また、上述のように異なった離型性を持つ離型層を各中間転写体3,15の基材にコートするのであれば、第1及び第2の中間転写体3,15の基材を同じ材料によって構成することもできる。これにより、第1及び第2の中間転写体3,15のコストを低減できる。
【0032】
また、上述した各構成に代え、又は当該構成を採用すると共に、第1の画像と第2の画像を記録媒体Pの一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体3、第2の中間転写体15、記録媒体Pの順に高くなるように、第1の中間転写体3の表面に離型剤を塗布する塗布手段を設けることもできる。すなわち、図1に示すように、第1の中間転写体3に対向して第1の塗布手段40を設ける。この塗布手段40は、例えばステアリン酸亜鉛より成る固形状の離型剤ブロック41と、この離型剤ブロック41及び第1の中間転写体3の表面に接触しながら回転するブラシローラ42と、離型剤ブロック41をブラシローラ42に一定の圧力で当接させるスプリング43とを有している。画像形成動作時に、第1の中間転写体3が回転すると共に、ブラシローラ42が図示していない駆動装置によって回転駆動され、このときそのブラシローラ42によって離型剤ブロック41から離型剤が削り取られ、その離型剤が第1の中間転写体3上に適量ずつ塗布される。このように、ブラシローラ42の回転によって、第1の中間転写体3に離型剤を塗布する。これにより、第1の中間転写体3の表面は、第2の中間転写体15の表面よりもトナー像に対する離型性が高められ、前述の各熱転写を効率よく行うことができる。またブラシローラ42を用いることにより、第1の中間転写体3上に塗布される離型剤の量を安定させることができる。
【0033】
さらに、第1の画像と第2の画像を記録媒体Pの一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体3、第2の中間転写体15、記録媒体Pの順に高くなるように、第1の中間転写体3の表面と第2の中間転写体15の表面にそれぞれ離型剤を塗布する第1及び第2の塗布手段を設けることもできる。すなわち、前述の塗布手段40を第1の塗布手段としたとき、第2の中間転写体15の表面に離型剤を塗布する第2の塗布手段40Aを設けるのである。この第2の塗布手段40Aは、第1の塗布手段40と実質的に同じく構成され、例えばステアリン酸亜鉛より成る固形状の離型剤ブロック41Aと、この離型剤ブロック41A及び第2の中間転写体15の表面に接触しながら回転するブラシローラ42Aと、離型剤ブロック41Aをブラシローラ42Aに一定の圧力で当接させるスプリング43Aとを有し、ブラシローラ42Aの回転によって第2の中間転写体15に離型剤を塗布する。
【0034】
第1及び第2の中間転写体3,15が回転するとき、両ブラシローラ42,42Aも回転し、第1及び第2の中間転写体3,15の表面にそれぞれ離型剤が塗布される。その際、第1の塗布手段40により第1の中間転写体3の表面に塗布される離型剤の量の方が、第2の塗布手段40Aにより第2の中間転写体15に塗布される離型剤の量よりも多くなるように構成する。例えば、第1の塗布手段40のブラシローラ42の回転数を、第2の塗布手段40Aのブラシローラ42Aの回転数よりも高く設定するのである。これにより、第1の中間転写体3の表面の離型性が、第2の中間転写体15の表面の離型性よりも高くなり、前述のように第1及び第2の画像を熱転写するときの転写効率を高めることができる。
【0035】
なお、第2の中間転写体15上の第1の画像が第2の塗布手段40Aを通過するとき、そのブラシローラ42Aが第2の中間転写体15の表面から離間するように構成し、ブラシローラ42によって第1の画像が乱される不具合を阻止する。クリーニング装置32によって清掃された後の第2の中間転写体15の表面にブラシローラ42Aを当接させて離型剤を塗布することが好ましい。また、離型剤として耐熱性に優れたものを使用し、熱転写に伴い離型剤が加熱されても、これが熱劣化して異常画像が発生しないようにすることが好ましい。
【0036】
前述した塗布手段を用いると、第1及び第2の中間転写体3,15自体を構成する材料として同じものを用いることもでき、これにより両中間転写体の製造コストを低減できる。また、第1及び第2の中間転写体3,15の表面が経時的に削れてその表面の特性が変わってしまったときも、その表面に離型剤を塗布するので、第1及び第2の中間転写体3,15の表面の離型性を前述の要求を満足できる状態に維持することができる。
【0037】
さらに、中間転写体3,15への離型剤の塗布量を調整できるように、第1及び第2の塗布手段40,40Aの少なくとも一方のブラシローラ42,42Aの回転数と、これを駆動するときの回転時間のうちの少なくとも一方を変化させることができるように構成すると、離型剤の特性が変化して、その塗布量が減少したときも、ブラシローラ42,42Aの回転数や、その回転時間を制御することにより、中間転写体3,15への離型剤の塗布量の減少を補って、実際に中間転写体3,15上に塗布される離型剤の量を安定させることができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の中間転写体から第2の中間転写体への第1の画像の転写効率と、第2の中間転写体から記録媒体の一方の面への第1の画像の転写効率と、第1の中間転写体から記録媒体の他方の面への第2の画像の転写効率を簡単な構成によって高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す垂直断面図である。
【符号の説明】
2Y 像担持体
2M 像担持体
2C 像担持体
2BK 像担持体
3 第1の中間転写体
15 第2の中間転写体
40,40A 塗布手段
41,41A 離型剤ブロック
42,42A ブラシローラ
P 記録媒体
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される複数の像担持体と、各像担持体に形成されたトナー像が重ね転写される第1の中間転写体と、該第1の中間転写体に転写された重ねトナー像より成る第1の画像が熱転写される第2の中間転写体とを具備し、該第2の中間転写体に転写された第1の画像を記録媒体の一方の面に熱転写すると共に、前記複数の像担持体にそれぞれ形成されたトナー像を第1の中間転写体に重ねて転写して得た第2の画像を前記記録媒体の他方の面に熱転写し、該記録媒体の一方の面と他方の面に第1及び第2の画像を熱転写することにより、該第1及び第2の画像を記録媒体に定着する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は既に提案されている。この形式の画像形成装置によれば、記録媒体を反転させることなく、当該記録媒体を一度給送するだけで、その記録媒体の両面にカラー画像を形成することができる。しかも、第1の中間転写体上の第1の画像を第2の中間転写体に熱転写し、かつ該第1の画像と、第1の中間転写体上の第2の画像を記録媒体の各面に熱転写するので、転写による画像の画質劣化を抑えることができる。さらに、記録媒体の一方の面と他方の面に第1および第2の画像を熱転写することによって、該第1及び第2の画像を記録媒体に定着するので、独立した定着装置を設ける必要がなく、画像形成装置の構成の簡素化とコストの低減を達成できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はの目的は、上記形式の画像形成装置において、第1の中間転写体から第2の中間転写体への第1の画像の転写効率と、第2の中間転写体から記録媒体の一方の面への第1の画像の転写効率と、第1の中間転写体から記録媒体の他方の面への第2の画像の転写効率を高めることのできる画像形成装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した形式の画像形成装置において、前記第1の画像と第2の画像を記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性を、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に高く設定したことを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項1)。
【0005】
また、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1の画像と第2の画像を記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に高くなるように、第1及び第2の中間転写体の基材に表面処理が施されていると有利である(請求項2)。
【0006】
さらに、上記請求項2に記載の画像形成装置において、第1及び第2の中間転写体の基材は同じ材料により構成されていると有利である(請求項3)。
【0007】
また、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1の画像と第2の画像を記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に高くなるように、第1の中間転写体の表面に離型剤を塗布する塗布手段を設けると有利である(請求項4)。
【0008】
さらに、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1の画像と第2の画像を記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に高くなるように、第1の中間転写体の表面と第2の中間転写体の表面にそれぞれ離型剤を塗布する第1及び第2の塗布手段を設けると有利である(請求項5)。
【0009】
また、上記請求項4又は5に記載の画像形成装置において、前記塗布手段が、離型剤ブロックと、該離型剤ブロックに接触しながら回転するブラシローラとを有し、該ブラシローラの回転によって前記中間転写体に離型剤を塗布するように構成されていると有利である(請求項6)。
【0010】
さらに、上記請求項6に記載の画像形成装置において、中間転写体への離型剤の塗布量を調整できるように、前記ブラシローラの回転数と回転時間のうちの少なくとも一方を変化させることができるように構成されていると有利である(請求項7)。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0012】
図1は画像形成装置の一例を示す垂直断面図であり、ここに示した画像形成装置は、互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される複数の像担持体が設けられている。図示した例では、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成されるドラム状の4つの像担持体2Y,2M,2C,2BKが設けられている。これらの像担持体像担持体2Y乃至2BKに対向して第1の中間転写体3が配置され、この中間転写体3に各像担持体2Y乃至2BKがそれぞれ当接している。図1に示した例では、第1の中間転写体3が、支持ローラ4,5,6に巻き掛けられて矢印A方向に回転駆動される無端ベルトより成り、かかる第1の中間転写体3上に、各像担持体2Y,2M,2C,2BK上に形成された各色のトナー像が重ねて転写される。
【0013】
第1乃至第4の像担持体2Y,2M,2C,2BK上にトナー像を形成する構成と、その各トナー像を第1の中間転写体3上に転写する構成は実質的に全て同一であり、形成される各トナー像の色が異なるだけである。よって、第1の像担持体2Yにトナー像を形成し、そのトナー像を第1の中間転写体3上に転写する構成と作用だけを説明する。
【0014】
この像担持体2Yは図1における時計方向に回転駆動され、このとき像担持体表面に除電装置7からの光が照射され、該像担持体2Yの表面電位が初期化される。初期化された像担持体表面は帯電装置8によって所定の極性、この例ではマイナス極性に一様に帯電される。この帯電面に、露光装置9から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、像担持体2Yの表面に書き込み情報に対応した静電潜像が形成される。図1に示した画像形成装置においてはレーザ光を出射するレーザ書き込み装置より成る露光装置9が用いられているが、LEDアレイと結像手段を有する露光装置などを用いることもできる。
【0015】
像担持体2Yに形成された静電潜像は、これが現像装置11を通るとき、イエロートナー像として可視像化される。ここに一例として示した現像装置11は、乾式の現像剤を担持して搬送する現像ローラ10を有し、この現像ローラ10に担持されて搬送される現像剤によって静電潜像がトナー像として可視像化される。
【0016】
一方、無端ベルトより成る第1の中間転写体3の内側には、その第1の中間転写体3を挟んで像担持体2Yに対向して位置する第1の転写手段の一例である転写ローラ12が配置されている。この転写ローラ12には、像担持体2Y上に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性、この例ではプラス極性の転写電圧が印加される。これにより、像担持体2Yと第1の中間転写体3との間に転写電界が形成され、像担持体2Y上のトナー像が、その像担持体2Yと同期して回転駆動される第1の中間転写体3上に静電的に転写される。このように、第1の転写手段は、像担持体2Y上のトナー像を第1の中間転写体3の表面に静電転写する用をなす。
【0017】
トナー像を第1の中間転写体3に転写したあとの像担持体2Y表面に付着する転写残トナーは、クリーニング装置14によって除去され、像担持体2Yの表面が清掃される。
【0018】
全く同様にして、第2乃至第4の各像担持体2M,2C,2BKには、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。各像担持体に対向配置された現像装置が、その各像担持体に互いに異なった色のトナー像を形成するのである。第2乃至第4の像担持体2M,2C,2BK上に形成された各色のトナー像は、転写ローラにより構成された各第1の転写手段によって、イエロートナー像の転写された第1の中間転写体3上に順次重ねて静電転写される。このようにして各像担持体に形成された互いに異なる色のトナー像が第1の中間転写体に重ねて静電転写されるが、第1の中間転写体上に転写された重ねトナー像より成るこの画像を第1の画像と称することにする。
【0019】
一方、第1の中間転写体3の右方には、第1の中間転写体3上の第1の画像が熱転写される第2の中間転写体15が配置されている。この第2の中間転写体15も複数の支持ローラ16,17,21,18に巻き掛けられて、第1の中間転写体3に同期して矢印B方向に回転駆動される無端ベルトにより構成されている。第2の中間転写体15は、支持ローラ5に巻き掛けられた第1の中間転写体3の部分に圧接している。
【0020】
本例の画像形成装置においては、上述の支持ローラ5が、例えばその内部に配置された発熱体(図示せず)によって加熱される加熱ローラより成る第2の転写手段として構成され、かかる支持ローラ5の熱によって、第1の中間転写体3上の第1の画像のトナーが軟化し、これによってその第1の画像が、第1の中間転写体3に圧接した第2の中間転写体15上に一度に熱転写される。このように、熱転写とは、少なくとも熱の作用によってトナー像を転写することである。
【0021】
第2の中間転写体15に第1の画像を転写したあとの第1の中間転写体3の表面に付着する転写残トナーは、紙粉などと共に、クリーニング装置22によって除去され、第1の中間転写体3の表面が清掃される。
【0022】
第2の中間転写体15に転写された第1の画像が、その第2の中間転写体15の回転に伴って所定のところまで移動した時、前述したところと全く同様にして、複数の像担持体2Y,2M,2C,2BK上に順次各色のトナー像がそれぞれ形成され始め、これらのトナー像が第1の転写手段によって第1の中間転写体3上に重ねて静電転写される。このようにして第1の中間転写体3上に得られた重ねトナー像より成る画像を第2の画像と称することにする。
【0023】
一方、本体筐体内の下部には、記録媒体給送装置23が設けられている。ここに例示した記録媒体給送装置23は、転写紙や樹脂シートなどから成る記録媒体Pを積載収容した2つの給紙カセット24,24Aと、その各給紙カセットから記録媒体Pを送り出す給紙ローラ25,25Aを有し、そのいずれかの給紙ローラが最上位の記録媒体上面に当接して回転することにより、その最上位の記録媒体が送り出され、該記録媒体は複数のガイド部材により構成された搬送路を通ってレジストローラ対26へ搬送される。
【0024】
レジストローラ対26は、第1の中間転写体3上の第2の画像と第2の中間転写体15上の第1の画像が記録媒体Pの各面にそれぞれ整合して転写されるタイミングで記録媒体Pを送り出す。このようにしてレジストローラ対26から送り出された記録媒体は、第1の中間転写体3と第2の中間転写体15との当接部を通過し、上方に搬送される。
【0025】
第2の中間転写体15の内側には、第1の中間転写体3用の支持ローラ5にほぼ対向して、第3の転写手段の一例である加熱ローラ20が配置されている。記録媒体Pが、上述のように第1の中間転写体3と第2の中間転写体15との当接部を通るとき、加熱ローラ20も、例えばその内部に設けられた発熱体(図示せず)によって加熱される。このとき第2の転写手段を構成する支持ローラ5も、その内部の発熱体によって加熱されている。このため、第1の中間転写体3上の第2の画像と、第2の中間転写体15上の第1の画像が加熱されて溶融し、両中間転写体3,15の当接部を通過する記録媒体Pの一方の面に、第2の中間転写体15上に転写された第1の画像が熱転写され、第1の中間転写体3上の第2の画像が記録媒体Pの他方の面に熱転写される。このように、第1及び第2の画像を構成するトナーが溶融し、しかもそのトナーが両中間転写体3,15によって加圧されるので、記録媒体Pの各面に転写された第1及び第2の画像が、第1及び第2の中間転写体3,15の当接部を通過した後に冷却されることにより、記録媒体の各面にそれぞれ固着されて定着される。このようにして記録媒体Pの各面にカラー画像が形成され、かかる記録媒体Pは第2の中間転写体15を離れた後、矢印Bで示すように、画像形成装置本体上部の排紙部30に排出される。
【0026】
第2の画像を記録媒体に転写した後の第1の中間転写体3上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置22によって除去され、同じく第1の画像を記録媒体に転写した後の第2の中間転写体15上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置32のクリーニング部材32Aによって除去される。このクリーニング部材32Aは、第2の中間転写体15上の第1の画像がここを通過するときは、該第2の中間転写体15の表面から離間し、第1の画像の転写後の第2の中間転写体15を清掃するときだけ、第2の中間転写体15の表面に当接する。
【0027】
上述した例では、第2の転写手段としての支持ローラ5の熱によって、第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15上に熱転写し、該支持ローラ5と加熱ローラ20の熱によって第2の中間転写体15上の第1の画像と第1の中間転写体3上の第2の画像を記録媒体Pの各面にそれぞれ熱転写し、その各画像を記録媒体P上に定着するように構成したが、第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15上に熱転写するときも、支持ローラ5と加熱ローラ20の熱によってその第1の画像を第2の中間転写体15に熱転写することもできる。いずれの場合も、第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15上に熱転写するときよりも、第2の中間転写体15上の第1の画像と第1の中間転写体3上の第2の画像を記録媒体Pの各面にに熱転写するときの方が多量の熱を使用できるようにする。これにより、第1及び第2の画像を溶融させて、その各画像を記録媒体Pの各面に熱転写し、かつこれを定着することができる。
【0028】
上述のように、本例の画像形成装置においては、第1の中間転写体3から第2の中間転写体15に転写された第1の画像を記録媒体Pの一方の面に熱転写すると共に、複数の像担持体2Y乃至2BKにそれぞれ形成されたトナー像を第1の中間転写体3に重ねて転写して得た第2の画像を記録媒体Pの他方の面に熱転写し、該記録媒体Pの一方の面と他方の面に第1及び第2の画像を熱転写することにより、該第1及び第2の画像を記録媒体に定着するように構成されている。
【0029】
ここで、上述の各熱転写が効率よく行われるようにするため、第2の中間転写体15上の第1の画像と、第1の中間転写体3上の第2の画像を記録媒体Pの一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの各画像に対する離型性が、第1の中間転写体3、第2の中間転写体15、記録媒体Pの順に高くなるように構成されている。このように構成すれば、トナー像に対する第1の中間転写体3の表面の離型性が第2の中間転写体15の表面の離型性よりも大きくなるので、第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15上に効率よく熱転写することができる。同様に、第2の中間転写体15上の第1の画像を効率よく記録媒体Pの一方の面に熱転写することができる。また、上述の構成により、当然、第1の中間転写体3の表面の離型性は、記録媒体Pの表面の離型性よりも高くなるので、その第1の中間転写体3上の第2の画像を記録媒体Pの他方の面に効率よく熱転写することができる。かかる構成を採用することにより、第1及び第2の中間転写体3,15用のクリーニング装置22,32を省略することも可能となる。
【0030】
上述のように、第1及び第2の中間転写体3,15の離型性を設定するには、例えば、第1の画像と第2の画像を記録媒体Pの一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体3、第2の中間転写体15、記録媒体Pの順に高くなるように、第1及び第2の中間転写体3,15の基材に表面処理を施せばよい。より具体的に示すと、無端ベルトより成る第1及び第2の中間転写体3,15は、例えば厚みが20乃至600μmの樹脂フィルム又はゴムを基材としたベルトより成るが、かかる基材の表面に、上述の離型性が得られるように、離型層をコートして表面処理を施すのである。第2の中間転写体15よりも第1の中間転写体3の方が表面性のよい材料の離型層を用いる。その離型層としては、例えばフッ素樹脂、特にテフロン(登録商標)などを用いることができる。その際、その離型層として耐熱性に優れた材料を用いると、画像の熱転写のために第1及び第2の中間転写体3,15を加熱しても、その劣化を抑え、長期に亘って高品質な画像を得ることができる。
【0031】
また、上述のように異なった離型性を持つ離型層を各中間転写体3,15の基材にコートするのであれば、第1及び第2の中間転写体3,15の基材を同じ材料によって構成することもできる。これにより、第1及び第2の中間転写体3,15のコストを低減できる。
【0032】
また、上述した各構成に代え、又は当該構成を採用すると共に、第1の画像と第2の画像を記録媒体Pの一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体3、第2の中間転写体15、記録媒体Pの順に高くなるように、第1の中間転写体3の表面に離型剤を塗布する塗布手段を設けることもできる。すなわち、図1に示すように、第1の中間転写体3に対向して第1の塗布手段40を設ける。この塗布手段40は、例えばステアリン酸亜鉛より成る固形状の離型剤ブロック41と、この離型剤ブロック41及び第1の中間転写体3の表面に接触しながら回転するブラシローラ42と、離型剤ブロック41をブラシローラ42に一定の圧力で当接させるスプリング43とを有している。画像形成動作時に、第1の中間転写体3が回転すると共に、ブラシローラ42が図示していない駆動装置によって回転駆動され、このときそのブラシローラ42によって離型剤ブロック41から離型剤が削り取られ、その離型剤が第1の中間転写体3上に適量ずつ塗布される。このように、ブラシローラ42の回転によって、第1の中間転写体3に離型剤を塗布する。これにより、第1の中間転写体3の表面は、第2の中間転写体15の表面よりもトナー像に対する離型性が高められ、前述の各熱転写を効率よく行うことができる。またブラシローラ42を用いることにより、第1の中間転写体3上に塗布される離型剤の量を安定させることができる。
【0033】
さらに、第1の画像と第2の画像を記録媒体Pの一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体3、第2の中間転写体15、記録媒体Pの順に高くなるように、第1の中間転写体3の表面と第2の中間転写体15の表面にそれぞれ離型剤を塗布する第1及び第2の塗布手段を設けることもできる。すなわち、前述の塗布手段40を第1の塗布手段としたとき、第2の中間転写体15の表面に離型剤を塗布する第2の塗布手段40Aを設けるのである。この第2の塗布手段40Aは、第1の塗布手段40と実質的に同じく構成され、例えばステアリン酸亜鉛より成る固形状の離型剤ブロック41Aと、この離型剤ブロック41A及び第2の中間転写体15の表面に接触しながら回転するブラシローラ42Aと、離型剤ブロック41Aをブラシローラ42Aに一定の圧力で当接させるスプリング43Aとを有し、ブラシローラ42Aの回転によって第2の中間転写体15に離型剤を塗布する。
【0034】
第1及び第2の中間転写体3,15が回転するとき、両ブラシローラ42,42Aも回転し、第1及び第2の中間転写体3,15の表面にそれぞれ離型剤が塗布される。その際、第1の塗布手段40により第1の中間転写体3の表面に塗布される離型剤の量の方が、第2の塗布手段40Aにより第2の中間転写体15に塗布される離型剤の量よりも多くなるように構成する。例えば、第1の塗布手段40のブラシローラ42の回転数を、第2の塗布手段40Aのブラシローラ42Aの回転数よりも高く設定するのである。これにより、第1の中間転写体3の表面の離型性が、第2の中間転写体15の表面の離型性よりも高くなり、前述のように第1及び第2の画像を熱転写するときの転写効率を高めることができる。
【0035】
なお、第2の中間転写体15上の第1の画像が第2の塗布手段40Aを通過するとき、そのブラシローラ42Aが第2の中間転写体15の表面から離間するように構成し、ブラシローラ42によって第1の画像が乱される不具合を阻止する。クリーニング装置32によって清掃された後の第2の中間転写体15の表面にブラシローラ42Aを当接させて離型剤を塗布することが好ましい。また、離型剤として耐熱性に優れたものを使用し、熱転写に伴い離型剤が加熱されても、これが熱劣化して異常画像が発生しないようにすることが好ましい。
【0036】
前述した塗布手段を用いると、第1及び第2の中間転写体3,15自体を構成する材料として同じものを用いることもでき、これにより両中間転写体の製造コストを低減できる。また、第1及び第2の中間転写体3,15の表面が経時的に削れてその表面の特性が変わってしまったときも、その表面に離型剤を塗布するので、第1及び第2の中間転写体3,15の表面の離型性を前述の要求を満足できる状態に維持することができる。
【0037】
さらに、中間転写体3,15への離型剤の塗布量を調整できるように、第1及び第2の塗布手段40,40Aの少なくとも一方のブラシローラ42,42Aの回転数と、これを駆動するときの回転時間のうちの少なくとも一方を変化させることができるように構成すると、離型剤の特性が変化して、その塗布量が減少したときも、ブラシローラ42,42Aの回転数や、その回転時間を制御することにより、中間転写体3,15への離型剤の塗布量の減少を補って、実際に中間転写体3,15上に塗布される離型剤の量を安定させることができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の中間転写体から第2の中間転写体への第1の画像の転写効率と、第2の中間転写体から記録媒体の一方の面への第1の画像の転写効率と、第1の中間転写体から記録媒体の他方の面への第2の画像の転写効率を簡単な構成によって高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す垂直断面図である。
【符号の説明】
2Y 像担持体
2M 像担持体
2C 像担持体
2BK 像担持体
3 第1の中間転写体
15 第2の中間転写体
40,40A 塗布手段
41,41A 離型剤ブロック
42,42A ブラシローラ
P 記録媒体
Claims (7)
- 互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される複数の像担持体と、各像担持体に形成されたトナー像が重ね転写される第1の中間転写体と、該第1の中間転写体に転写された重ねトナー像より成る第1の画像が熱転写される第2の中間転写体とを具備し、該第2の中間転写体に転写された第1の画像を記録媒体の一方の面に熱転写すると共に、前記複数の像担持体にそれぞれ形成されたトナー像を第1の中間転写体に重ねて転写して得た第2の画像を前記記録媒体の他方の面に熱転写し、該記録媒体の一方の面と他方の面に第1及び第2の画像を熱転写することにより、該第1及び第2の画像を記録媒体に定着する画像形成装置において、
前記第1の画像と第2の画像を記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性を、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に高く設定したことを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1の画像と第2の画像を記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に高くなるように、第1及び第2の中間転写体の基材に表面処理が施されている請求項1に記載の画像形成装置。
- 第1及び第2の中間転写体の基材は同じ材料により構成されている請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記第1の画像と第2の画像を記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に高くなるように、第1の中間転写体の表面に離型剤を塗布する塗布手段を設けた請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記第1の画像と第2の画像を記録媒体の一方の面と他方の面にそれぞれ熱転写するときの当該画像に対する離型性が、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に高くなるように、第1の中間転写体の表面と第2の中間転写体の表面にそれぞれ離型剤を塗布する第1及び第2の塗布手段を設けた請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記塗布手段が、離型剤ブロックと、該離型剤ブロックに接触しながら回転するブラシローラとを有し、該ブラシローラの回転によって前記中間転写体に離型剤を塗布する請求項4又は5に記載の画像形成装置。
- 中間転写体への離型剤の塗布量を調整できるように、前記ブラシローラの回転数と回転時間のうちの少なくとも一方を変化させることができるように構成した請求項6に記載の画像形成装置。
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Cited By (2)
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JP2007025302A (ja) * | 2005-07-15 | 2007-02-01 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2009008818A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Ricoh Co Ltd | 潤滑剤塗布装置、画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び、潤滑剤塗布装置の制御方法 |
-
2002
- 2002-09-24 JP JP2002276428A patent/JP2004117408A/ja active Pending
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JP2009008818A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Ricoh Co Ltd | 潤滑剤塗布装置、画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び、潤滑剤塗布装置の制御方法 |
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