JP2004191775A - 多重画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水平方向よりも鉛直方向に大きなスペースをとる縦長の形状で中間転写ベルト8を張架させた。そして、これの両脇に形成される2つのベルト側方スペースのうち、一方については、定着手段50と、紙搬送ベルト21とを配設するとともに、中間転写ベルト8の展張部分をおもて面側から押圧してベルトループ内に向けて窪ませる押圧ローラ9を設け、この窪みによって上記搬送手段とベルトとの間に形成された空間内に、第1クリーニング装置10を配設した。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、張架部材によって張架されながら無端移動せしめられるベルトの表面に複数の可視像を重ね合わせて多重像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ等の多重画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、無端移動せしめられるベルトの上(ベルト表面やこれに保持される用紙など)に、可視像たる単色トナー像を複数重ね合わせて多重像たる多色トナー像を形成する多重画像形成装置が知られている。ベルトの上に単色トナー像を重ね合わせる像重ね合わせ手段としては、転写方式のものや直接記録方式のものが知られている。
【0003】
転写方式によって単色トナー像を重ね合わせる多重画像形成装置としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。この多重画像形成装置では、中間転写ベルトに対向する複数の感光体に対してそれぞれ電子写真プロセスによって互いに異なる色の単色トナー像を形成し、これらを無端移動せしめられる中間転写ベルトの上に順次重ね合わせていく。
【0004】
また、直接記録方式によって単色トナー像を重ね合わせる多重画像形成装置としては、例えば特許文献2に記載のものが知られている。この多重画像形成装置では、静電潜像をトナーによって現像するといった電子写真プロセスを用いることなくトナー像を形成する。具体的には、複数の孔が設けられた電子基板における任意の孔を通してトナー群をドット状に飛翔させることで、ベルト部材たる中間記録ベルトにトナー像を直接記録することが可能な画像形成器を複数備えている。そして、これら画像形成器との対向位置で、無端移動する中間記録ベルトに対して互いに異なる色の単色トナー像を順次重ね合わせて記録していく。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−117384号公報
【特許文献2】
特開2000−94734号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1、特許文献2に記載の何れの多重画像形成装置においても、鉛直方向よりも水平方向にスペースをとる横長の形状でベルトを張架し、これの上方あるいは下方に各色用の複数の感光体や画像形成器を横並びに配設している。かかる構成では、画像形成装置本体も水平方向にスペースをとるいわゆる横型になり易い。横型には、設置スペースを鉛直方向に大きく確保する必要がないというメリットがある反面、設置平面積を比較的大きく確保する必要があるというデメリットがある。一方、鉛直方向にスペースをとる縦型は、この逆で、設置平面積を大きく確保する必要がない反面、鉛直方向の設置スペースを大きく確保する必要がある。ユーザーの予定している設置スペースに応じて何れかの型を選択してもらうように、横型のみならず、縦型の多重画像形成装置も設計することが望ましい。
【0007】
ところが、縦型の設計では、本体内部にデッドスペースが生じ易くなる。このことについて、転写方式による重ね合わせを例にして詳述する。図1は、転写方式の重ね合わせを実施する縦型の多重画像形成装置の要部構成図である。同図において、ベルトたる中間転写ベルト8は、複数の張架ローラによって縦長の形状で張架されながら、図中時計回りに無端移動せしめられる。中間転写ベルト8の図中右側方には、複数の感光体等から構成される重ね合わせ手段90が配設されている。この重ね合わせ手段90は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y,M,C,K)という4色のトナー像を形成するための、4つのドラム状の感光体1Y,M,C,Kを有している。これら感光体1Y,M,C,Kは、何れも中間転写ベルト8に対向するように配設される必要がある。このため、図示の例ではそれぞれ鉛直方向に並ぶように配設されている。各感光体1Y,M,C,K上には、公知の電子写真プロセスによって1Y,M,C,Kトナー像が形成され、それぞれ中間転写ベルト8上に重ね合わせて1次転写され、4色重ね合わせからなる多重像となる。そして、中間転写ベルト8の無端移動に伴って2次転写部まで搬送されて、転写紙Pに一括2次転写される。
【0008】
中間転写ベルト8の鉛直方向における張架寸法については、できるだけ装置の小型化を図るという観点から、重ね合わせ手段90の縦寸法と同程度に留めることが望ましい。そうすると、中間転写ベルト8上の多重像を転写紙Pに転写する2次転写部や、2次転写後の転写紙Pを外部まで搬送する搬送手段については、重ね合わせ手段90とは反対側となるベルト側方(図中左側方)に配設することになる。また、外部に排出される前の転写紙Pに多重像を定着せしめるための定着手段もそこに配設することになる。そこで、同図の例では、中間転写ベルト8の図中右側方に、縦長の形状で張架されながら無端移動せしめられる紙搬送ベルト21を設けて中間転写ベルト8に当接させ、当接部の付近に2次転写部80を形成している。また、両ベルトに転写紙Pを挟み込ませた転写紙Pを図中下側から上側に向けて縦搬送させた後、紙搬送ベルト21の上方に設けた定着手段50で転写紙Pに対する多重像の定着処理を実施させるようにしている。
【0009】
このようなレイアウトにより、2次転写部80、紙搬送ベルト21等によって構成される搬送手段、及び定着手段50については、中間転写ベルト8の右側方にコンパクトに配設することができる。しかし、これらの他に、2次転写後の中間転写ベルト8の表面から転写残トナーを除去する除去手段も設ける必要がある。そして、中間転写ベルト8上の転写残トナーを除去手段によって除去するためには、それに先立って中間転写ベルト8を転写紙Pから分離しなければならないが、その分離位置は両ベルトが離れる定着手段50の直下である。ここは、転写紙Pの搬送経路を確保する必要性から、除去手段を設けるだけの余裕スペースがない。そうすると、除去手段を中間転写ベルト8の上方に設ける必要にせまられ、除去手段だけを上方に図中hの高さで出っ張らせて、その左右にデッドスペースが生じてしまうのである。
【0010】
縦型の設計で本体内部にデッドスペースが生じ易くなる理由について、転写方式による重ね合わせを例にして説明したが、直接記録方式による重ね合わせでも同様にしてデッドスペースが生じ易くなる。
【0011】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものである。そして、その目的とするところは、縦型に適した内部レイアウトを採用しながら、本体内部におけるデッドスペースの発生を抑えることができる縦型の多重画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の張架部材によって張架されながら無端移動せしめられるベルトと、該ベルトのおもて面に複数の可視像を重ね合わせる像重ね合わせ手段と、重ね合わせによって得られた該ベルト上の多重像を記録体に転写する転写手段と、該多重像を該記録体に加熱定着せしめる定着手段と、該転写手段から該定着手段に記録体を搬送する搬送手段と、記録体に該多重像を転写した後の該ベルトに残留する像形成物質を除去する除去手段とを備える多重画像形成装置において、水平方向よりも鉛直方向に大きなスペースをとる縦長の形状で上記ベルトを張架させ、互いに該ベルトの反対側に位置する2つのベルト側方スペースのうち、一方については、上記定着手段と上記搬送手段とを配設するとともに、該ベルトの展張部分をおもて面側から押圧してベルトループ内に向けて窪ませる押圧部材を設け、この窪みによって上記搬送手段とベルトとの間に形成された空間内に上記除去手段を配設したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の多重画像形成装置において、鉛直方向における上記定着手段と上記除去手段との間に、、該定着手段から該除去手段への熱伝達を阻害する熱伝達阻害手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の多重画像形成装置において、上記除去手段による除去位置を通過してから、上記重ね合わせ手段による重ね合わせ位置に進入する前の上記ベルトを、多重像が転写された記録体に接触させない形状で張架したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の多重画像形成装置において、上記押圧部材による押圧位置よりもベルト移動方向上流側で像形成物質を除去させるように、上記除去手段を配設したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の多重画像形成装置において、複数の上記張架部材のうち、少なくとも上記展張部分を支持する2つの張架部材については、回転自在な張架ローラを用いるとともに、上記押圧部材として、回転自在な押圧ローラを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の多重画像形成装置において、2つの上記張架ローラのうち、上記押圧位置よりもベルト移動方向上流側にある方の上流側張架ローラと、上記除去手段との間に上記ベルトを挟み込ませるように、該除去手段を配設したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の多重画像形成装置において、上記押圧ローラを、上記上流側張架ローラよりも鉛直方向下側に配設したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6又は7の多重画像形成装置において、上記ベルトを回転駆動によって無端移動せしめるベルト駆動ローラとして、上記上流側張架ローラを機能させたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項5、6、7又は8の多重画像形成装置において、上記上流側張架ローラを転写バイアスローラ又は転写バックアップローラとして機能させて、上記転写手段の一部に用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の多重画像形成装置において、上記搬送手段として、表面を無端移動させる無端移動体に記録体を保持して搬送するものを用い、上記多重像を上記ベルトから記録体に転写する他に、該ベルトから該無端移動体へも転写するように上記転写手段を構成し、且つ、この転写手段によって該無端移動体に転写された多重像を記録体の一方の面に最終転写する最終転写手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の多重画像形成装置であって、無端移動体が、上記ベルトとは別のベルトであることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項12の多重画像形成装置において、上記上流側張架ローラよりも下方にて、2つのベルトにおける互いの対向面を鉛直方向上側から下側に向けて徐々に遠ざけるような形状で、これらベルトをそれぞれ張架したことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1乃至12の何れかの多重画像形成装置において、複数の上記可視像として互いに異なる色のものを重ね合わせるように、上記像重ね合わせ手段を構成したことを特徴とするものである。
【0013】
これらの発明においては、ベルトを縦長の形状で張架したことで、縦型に適した内部レイアウトにすることができる。
また、定着手段と搬送手段とを配設する方のベルト側方スペースについては、ベルトの展張部分をベルトループ内に向けて窪ませるように押圧する押圧部材を設けている。そして、その窪みによってベルトの展張部分を搬送手段から遠ざけたことで、搬送手段によって搬送される記録体からベルトを分離し得るだけの空間を確保するとともに、その空間内に除去手段を配設することを可能にしている。このことにより、除去手段をベルトの上方に設けて出っ張らせるといった事態を回避して、デッドスペースの発生を抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図2は、本プリンタの概略構成図である。図において、このプリンタ100は、Y、M、C、Kのトナー像を生成するための4つのプロセスユニット6Y、6M、6C、6Kを備えている。これらは、鉛直方向に並ぶように配設されている。そして、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット6Yを例にすると、図3に示すように、ドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング手段2Y、除電手段3Y、帯電手段4Y、現像手段5Y等を備えている。感光体1Yは、直径30〜100[mm]のアルミ製円筒に、光導電性物質である有機半導体の表面層が被覆されている。アモルファスシリコン性の表面層が被覆されたものであってもよい。また、ドラム状ではなく、ベルト状のものであってもよい。帯電手段4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体1Yの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体1Yの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このYの静電潜像は、Yトナーを用いる現像手段5YによってYトナー像に現像される。そして、後述の中間転写ベルト8上に静電的に1次転写される。ドラムクリーニング手段2Yは、1次転写工程を経た後の感光体1Y表面に残留したトナーを除去する。また、除電手段3Yは、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他のプロセスユニット6M,C,Kにおいても、同様にして感光体1M,C,K上にM,C,Kトナー像が形成され、ベルトたる中間転写ベルト8上に中間転写される。
【0015】
先に示した図2において、プロセスユニット6Y,M,C,Kの図中右側方には、露光装置7が配設されている。露光装置7は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、プロセスユニット6Y,M,C,Kにおけるそれぞれの感光体に照射して露光する。この露光により、感光体1Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、露光装置7は、光源から発したレーザ光(L)を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。かかる構成の露光装置7に代えて、LEDアレイからのLED光を照射する露光手段を採用しても良い。
【0016】
上記露光装置7の図中右側方には、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいて露光装置7を駆動する露光制御部E2が配設されている。また、露光装置7の図中上方には、プリンタ内の各機器の駆動制御を司る種制御部E1が配設されている。
【0017】
プリンタ筺体の下部には、紙収容カセット41、これに組み込まれた給紙ローラ42、レジストローラ対43など有する給紙手段40が配設されている。紙収容カセット41は、記録体たる転写紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収納しており、一番上の転写紙Pに給紙ローラ42を当接させている。給紙ローラ42が図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられると、一番上の転写紙Pがレジストローラ対43のローラ間に向けて給紙される。レジストローラ対43は、転写紙Pを挟み込むべく両ローラを回転駆動するが、挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
【0018】
鉛直方向に並ぶように配設された各プロセスユニット6Y,M,C,Kの図中左側方には、中間転写ベルト8を張架しながら無端移動せしめる第1ベルトユニット16が配設されている。この第1ベルトユニット16は、中間転写ベルト8の他、押圧ローラ9や第1クリーニング装置10を有している。また、4つの1次転写バイアスローラ11Y,M,C,K、駆動ローラ12、テンションローラ13、トップローラ14、アンダーローラ15なども有している。中間転写ベルト8は、これら8つのローラに張架されながら、少なくとも駆動ローラ12の回転駆動によって図中時計回りに無端移動せしめられる。1次転写バイアスローラ11Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト8を感光体1Y,M,C,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。これら1次転写バイアスローラは、中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する方式のものであるが、電極から放電するチャージャ方式のものであってもよい。1次転写バイアスローラ11Y,M,C,Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像が重ね合わせて静電的に1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に多色トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。各プロセスユニット6Y,M,C,Kや各1次転写バイアスローラ11Y,M,C,Kなどの組合せによって重ね合わせ手段が構成されているのである。
【0019】
上記駆動ローラ12は、後述の2次転写バイアスローラ23との間に中間転写ベルト8及び紙搬送ベルト21(後述する)を挟み込んで2次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された4色トナー像は、この2次転写ニップで転写紙Pに静電的に2次転写される。2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、転写紙Pに2次転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、第1クリーニング装置10によってベルト表面から除去される。具体的には、中間転写ベルト8は、そのおもて面(ループ外面)側に配設された第1クリーニング装置10のクリーニングローラ10aと、その裏面(ループ内面)側に配設された駆動ローラ12との間に挟まれる。そして、おもて面上の転写残トナーがクリーニングローラ10aに静電的に転移することで除去される。クリーニングローラ10aに転移した転写残トナーは、掻き取りブレード10bによって掻き取られた後、搬送スクリュウ10cによって図示しない回収部に搬送される。なお、押圧ローラ9の役割については後に詳述する。
【0020】
上記第1ベルトユニット16の図中左側方には、第2ベルトたる紙搬送ベルト21を縦長の形状で張架しながら無端移動せしめる第2ベルトユニット20が配設されている。この第2ベルトユニット20は、紙搬送ベルト21の他、第2クリーニング装置22などを有している。また、2次転写バイアスローラ23、テンションローラ24、トップローラ25なども有している。紙搬送ベルト21は、これら3つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。2次転写バイアスローラ23は、このように無端移動せしめられる紙搬送ベルト21、及び、第1ベルトユニット16で無端移動せしめられる中間転写ベルト8を、駆動ローラ12との間に挟み込むように配設されている。この挟み込みにより、中間転写ベルト8と紙搬送ベルト21とが互いに当接する2次転写ニップが形成されている。
【0021】
先に説明したレジストローラ対43は、転写紙Pを中間転写ベルト8上の4色トナー像に密着させ得るタイミングで上記2次転写ニップに向けて送り出す。2次転写ニップには、図示しない電源によってトナーとは逆極性の2次転写バイアスが印加される2次転写バイアスローラ23と、接地された駆動ローラ12との電位差によって2次転写電界が形成されている。2次転写ニップで転写紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト8上の4色トナー像は、この2次転写電界やニップ圧の影響を受けて転写紙P上に2次転写される。そして、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。
【0022】
このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙Pは、紙搬送ベルト21の表面に保持されながら、鉛直方向下側から上側に向けて縦搬送される。そして、第2ベルトユニット20の上方に配設された定着手段50に受け渡される。定着手段50に転写紙Pを受け渡した後の紙搬送ベルト21は、第2クリーニング装置22によってクリーニングされる。
【0023】
上記定着手段50は、図示しないハロゲンランプ等の熱源を有する加熱ローラ51と、これに所定の圧で当接する加圧ローラ52とを、互いに当接部で順方向に表面移動させるように回転駆動させる。第2ベルトユニット20の紙搬送ベルト21から定着手段50に受け渡された転写紙Pは、その像転写面を加熱ローラ51に接触させるように上記当接部に挟まれる。そして、加熱ローラ51からの熱伝導や、当接部での加圧の影響によってフルカラー画像が定着せしめられる。
【0024】
上記定着手段50を通過した転写紙Pは、反転ガイド板対55の板間に沿って反転せしめられながら搬送ローラ対56のローラ間に案内される。そして、プリンタ筺体の上面に設けられたスタック部65に向けて排出される。
【0025】
以上の基本的な構成を備える本プリンタ100では、上述したように、各プロセスユニット6Y,M,C,Kや、各1次転写バイアスローラ11Y,M,C,Kにより、ベルトたる中間転写ベルト8にトナー像を重ね合わせる像重ね合わせ手段が構成されている。また、2次転写バイアスローラ23と駆動ローラ12との組合せにより、中間転写ベルト8上の4色トナー像を転写紙Pに転写する転写手段が構成されている。また、第2ベルトユニット20が、この転写手段から定着手段50に向けて転写紙Pを搬送する搬送手段として機能している。また、第1クリーニング装置10が、転写紙Pに4色トナー像を転写した後の中間転写ベルト8に残留する像形成物質たるトナーを除去する除去手段として機能している。
【0026】
なお、上記駆動ローラ12は、中間転写ベルト8を2次転写バイアスローラ23に向けて押圧して2次転写ニップにおける4色トナー像の2次転写をバックアップする転写バックアップローラとして機能している。図2では、第1ベルトユニット16に設けられた転写バックアップローラと、第2ベルトユニット20に設けられた転写バイアスローラとの組合せによって転写手段を構成した例を示したのである。この逆に、第1ベルトユニット16内でトナーと同極性の転写バイアスが印加される転写バイアスローラと、第2ベルトユニット20内で2次転写をバックアップする転写バックアップローラとの組合せによって転写手段を構成してもよい。また、定着手段50については、その発熱によるプリンタ内部の温度上昇をできるだけ抑えるという観点から、図示のようにプリンタ筐体内の最上部に配設することが望ましい。そうすれば、定着手段50からの熱を筐体内空気の温度差によって生ずる上昇気流にのせて、速やかに筐体外部に逃がすことができるからである。これに対し、定着手段50をプリンタ筐体内の鉛直方向における中間部や下部に設けてしまうと、その熱を上昇気流にのせて筐体内に滞留させるため、プリンタ内部の温度上昇を助長してしまうことになる。
【0027】
次に、本プリンタ100の特徴的な構成について説明する。
上記第1ベルトユニットの中間転写ベルト8は、水平方向よりも鉛直方向に大きなスペースをとる縦長の形状で張架されている。また、各プロセスユニット6Y,M,C,Kは、縦長の形状で張架される中間転写ベルト8の側方で、鉛直方向に並ぶように配設されている。これらの構成により、プリンタ本体を縦型にするのに適した内部レイアウトになっている。
【0028】
中間転写ベルト8を介して互いにベルト反対側に位置する2つのベルト側方スペースのうち、図中右側のベルト側方スペースには、上述のように、各プロセスユニット6Y,M,C,K、主制御部E1、露光制御部E2などが配設されている。また、もう一方のベルト側方スペースには、定着手段50や搬送手段たる第2ベルトユニット20などが配設されているが、この他に、押圧ローラ9も配設されている。この押圧ローラ9は、中間転写ベルト8における駆動ローラ12とテンションローラ13との間の展張部分をベルトループ内に向けて窪ませるように押圧している。そして、その窪みによって上記展張部分を第2ベルトユニット20から遠ざけることで、第2ベルトユニット20によって搬送される転写紙Pから中間転写ベルト8を分離し得るだけの空間を確保している。更に、この空間内に第1ベルトクリーニング装置10を配設することを可能にしている。これらの結果、第1ベルトクリーニング装置10を中間転写ベルト8の上方に設けることによるプリンタ本体の大型化を回避することができる。
【0029】
図中左側のベルト側方スペースには、鉛直方向における定着手段50と第1クリーニング装置10との間に、排気ファンFが配設されている。この排気ファンFは、定着手段50と第1クリーニング装置10との間で、プリンタ筐体内の空気を外部に排出することで、定着手段50から第1クリーニング装置10への熱伝達を阻害する。定着手段から除去手段への熱伝達を阻害する熱伝達阻害手段として機能しているのである。かかる構成では、定着手段50から第1クリーニング装置10への熱伝達を阻害することで、その熱伝達の影響で第1クリーニング装置10内の回収トナーを軟化、固着させることによる第1クリーニング装置10の低寿命化を抑えることができる。また、軟化、固着による回収トナーを劣化させてそのリサイクル使用を困難にするといった事態も抑えることができる。なお、熱伝達阻害手段としては、同図に示した排気ファンFの他、断熱板等の断熱手段や、吸気ファンなどを用いてもよい。
【0030】
上記中間転写ベルト8は、第1クリーニング装置10によるクリーニング位置を通過してから、重ね合わせ位置たる各1次転写ニップに進入する前の箇所を、第2ベルトユニット20によって搬送される転写紙Pに接触させない形状で張架されている。かかる構成では、除去位置たるクリーニング位置で転写残トナーが除去された後の中間転写ベルト8と、第2ベルトユニットに搬送される転写紙Pとの接触によって4色トナー像中のトナーを中間転写ベルト8に転移させることがない。この結果、転写残トナーを除去した後の中間転写ベルト8を転写紙Pからのトナー転移によって汚してしまい、その汚れの部分の上に新たな4色トナー像を重ね合わせることによる画質劣化を回避することができる。
【0031】
上記第1クリーニング装置10は、押圧ローラ9による押圧位置よりもベルト移動方向上流側で転写残トナーを除去するように配設されている。かかる構成では、押圧ローラ9がクリーニング後の中間転写ベルト8のおもて面に当接することになり、クリーニング前の中間転写ベルト8上の転写残トナーに摺擦するといった事態が殆ど起こらない。この結果、押圧ローラ9表面にトナーフィルミングを形成するといった事態を抑えることができる。
【0032】
中間転写ベルト8は複数の張架部材たるローラによって張架されるが、これら張架部材のうち、次の2つの張架部材には、他の張架部材に対してよりも強く押し付けられる。即ち、押圧ローラ9によって押圧されるベルト展張部分を支持する2つの張架部材(図3では駆動ローラ12とテンションローラ13)である。これら2つの張架部材にエッジがあり、中間転写ベルト8をそのエッジに摺擦させるような構成になっていると、ベルト裏面を傷付けてその寿命を縮めてしまう。そこで、本プリンタ100では、その2つの張架部材として、何れもエッジが無く且つ回転自在な駆動ローラ12、テンションローラ13を用いている。更に、上述の窪みを形成するための押圧部材についても、エッジのあるものを用いるとベルトおもて面の傷付けてベルト寿命を縮めてしまうため、エッジが無く且つ回転自在な押圧ローラ9を用いている。よって、押圧部材での押圧の影響による中間転写ベルト8の寿命低下を抑えることができる。
【0033】
上記駆動ローラ12は、押圧ローラ9による押圧位置よりもベルト移動方向上流側で中間転写ベルト8を張架する上流側張架ローラとして機能している。除去手段たる第1クリーニング装置10は、このように上流側張架ローラとして機能する駆動ローラ12との間に中間転写ベルト8を挟み込むように配設されている。かかる構成では、上流側張架ローラを、第1クリーニング装置10による転写残トナーの除去をバックアップする除去バックアップローラとしても機能させて、装置構成の簡素化を図ることができる。
【0034】
図4は、クリーニング装置10とその周囲構成とを拡大して示す拡大構成図である。同図において、押圧ローラ9は、上流側張架ローラたる駆動ローラ12よりも鉛直方向下側に配設されている。かかる構成では、押圧ローラ9に押圧される中間転写ベルト8の展張部分を、次のような形状で窪ませることになる。即ち、第1クリーニング装置10に当接するクリーニング位置から、押圧ローラ9に当接する窪みの頂点にかけて、斜め下方に延びていく形状である。そうすると、図示のように、第1クリーニング装置10を斜めに寝かせるような姿勢で配設して、クリーニング位置で除去された転写残トナーを、第1クリーニング装置10の底部に向けて自重で落下させることができる。そして、このことにより、クリーニング位置で除去した転写残トナーをその自重によって再び中間転写ベルト8上に落下させて戻してしまうといった事態を抑えることができる。一方、鉛直方向において、押圧ローラ9を駆動ローラ12と同じかそれよりも高い位置に配設してしまうと、第1クリーニング装置10を次のような姿勢で配設しなければならない。即ち、図5や図6に示すように、底部をクリーニング位置の真横にする水平姿勢や、底部をクリーニング位置よりも高くする逆さ姿勢である。そうすると、クリーニング位置で除去した転写残トナーをクリーニング装置10の底部に落下させることができず、中間転写ベルト8上に落下させて戻してしまうことになる。
【0035】
駆動ローラ12は、上述のように上流側張架ローラとして機能しているが、同時に、中間転写ベルト8を自らの回転駆動によって無端移動せしめるベルト駆動ローラとしても機能している。上流側張架ローラたる駆動ローラ12は、図示のように、押圧ローラ9が中間転写ベルト8をベルトループ内に押圧することにより、その周面における中間転写ベルト8の巻き付け領域が拡大される。ほぼ、ローラ周長の半分程度の領域に中間転写ベルト8が広く巻き付いている。このように中間転写ベルト8が広く巻き付く駆動ローラ12をベルト駆動ローラとして機能させることで、中間転写ベルト8に駆動力を効率良く伝達するとともに、中間転写ベルト8のスリップを抑えることができる。
【0036】
次に、実施形態に係るプリンタ100に、より特徴的な構成を付加した実施例のプリンタ100Aについて説明する。
図7は、本プリンタ100Aを示す概略構成図である。同図において、第2ベルトユニット20の紙搬送ベルト21は、その周長が実施形態のプリンタ100のものよりも長くなっている。そして、2次転写バイアスローラ23、テンションローラ24、トップローラ25の他に、アンダーローラ26や、3次転写バックアップローラ27にも張架されている。紙搬送ベルト21を介した3次転写バックアップローラ27との対向位置には、転写チャージャ28が紙搬送ベルト21のおもて面に所定の間隙を介して臨むように配設されている。これら3次転写バックアップローラ27と転写チャージャ28との対向位置は、後述の理由によって紙搬送ベルト21に2次転写された4色トナー像を転写紙Pに3次転写するための3次転写部になっている。
【0037】
上記レジストローラ対43は、上述したように、第1ベルトユニット16の中間転写ベルト8上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、転写紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。但し、この4色トナー像が、転写紙Pの第1面(スタック部65上で上を向く面)に転写されるべき第1トナー像である場合には、転写紙Pを送り出さない。よって、第1トナー像は2次転写ニップで紙搬送ベルト21上に2次転写される。これに対し、中間転写ベルト8上の4色トナー像が転写紙Pの第2面(スタック部40上で下を向く面)に転写されるべき第2トナー像である場合には、これに同期するように2次転写ニップに転写紙Pが送り込まれる。そして、第2トナー像が転写紙Pの第2面に2次転写される。第1トナー像は、第2トナー像に先行して形成されて紙搬送ベルト21上に2次転写された後、紙搬送ベルト21の無端移動に伴って約1周無端移動して再び戻ってきた2次転写ニップで転写紙Pの第1面に密着せしめられる。このとき、上述したように、中間転写ベルト8上の第2トナー像が転写紙Pの第2面に2次転写されるが、紙搬送ベルト21上の第1トナー像は転写紙Pの第1面から紙搬送ベルト21に向かう静電力を受けるため第1面に転写されない。単に転写紙Pの第1面に密着している状態になる。
【0038】
2次転写ニップを通過した転写紙Pは、駆動ローラ12の曲率にならって急激に移動方向を変化させる中間転写ベルト8から分離されて、紙搬送ベルト21の表面だけに保持されて搬送されるようになる。そして、紙搬送ベルト21の無端移動に伴って、3次転写部に送られる。この3次転写部では、紙搬送ベルト21のおもて面に対し、転写チャージャ28が所定の間隙を介して対向している。紙搬送ベルト21上の転写紙Pは、転写チャージャ28によって第2面側にトナーと反対極性(例えばプラス極性)の電荷が付与される。この電荷の付与により、転写紙Pの第1面に密着していただけの第1トナー像が、紙搬送ベルト21から第1面に静電3次転写されてフルカラー画像になる。
【0039】
3次転写によって両面にフルカラー画像が形成された転写紙Pは、紙搬送ベルト21から分離されて定着手段50に送られる。上記3次転写部を通過した後の紙搬送ベルト21は、アンダーローラ26と第2クリーニング装置22との間に挟み込まれて、表面の転写残トナーが機械的又は静電的にクリーニングされる。この第2クリーニング装置22が紙搬送ベルト21に常に当接していると、紙搬送ベルト21上に2次転写された第1トナー像もクリーニングしてしまうことになる。そこで、第2クリーニング装置22は、図示しない揺動機構によって揺動軸22aを中心に図中矢印方向に揺動せしめられることで、紙搬送ベルト21のおもて面に接離するようになっている。そして、少なくともそのクリーニング位置を第1トナー像が通過する間は、紙搬送ベルト21のおもて面から離間して、第1トナー像のクリーニングを回避する。
【0040】
定着手段50は、実施形態における加圧ローラ(52)の代わりに、加熱ローラ51を有している。互いに当接しながら回転する2つのローラがともに加熱ローラ51なのである。そして、当接部に挟み込んだ転写紙Pを両面から加熱して、その両面にフルカラー画像を定着させる。
【0041】
上述したように、第1トナー像は第2トナー像に先行して形成され転写紙Pの第1面に転写される。そして、スタック部65で上を向く。これに対し、第2トナー像は転写紙Pの第2面に転写されてスタック部65で下を向く。よって、スタック部65に排出された転写紙Pは、先行して形成された第1トナー像を上に向け、且つその後に形成された第2トナー像を下に向けた状態で順次スタックされていく。本プリンタ100Aは、このようにスタックされていく転写紙Pの頁番号を小さい方から順に揃えるべく、奇数、偶数と連続する2つの頁番号の画像について、頁番号の大きい方を先に上記第1トナー像として形成する。例えば1頁目の画像に先行して2頁目の画像を形成するのである。そうすると、数頁にわたる原稿を連続して出力しても、スタック部65において、頁番号を下から順に揃えることが可能になる。但し、転写紙Pの第2面だけに画像を形成する片面プリントモードを実行する際には、頁番号の小さい画像から順にそれぞれ第2トナー像として形成していく。このことにより、片面プリントモードにおいても、スタック部65で頁番号を下から順に揃えることができる。
【0042】
4つの感光体1Y,M,C,K上において、第2トナー像用の単色トナー像は、それぞれ非鏡像(以下、正像という)として形成される。これは、形成された単色トナー像が、1次転写、2次転写という2回の転写工程を経て転写紙Pの第2面に至る過程で鏡像、正像と変化するからである。各感光体ドラム上で正像として形成されることで、転写紙P上においても正像になるのである。これに対し、第1トナー像用の単色トナー像は、転写工程を3回経るため、第2トナー像よりも転写工程が1回多くなる。よって、各感光体ドラム上で鏡像として形成される。このことにより、第1トナー像も、転写紙P上において正像となることができる。
【0043】
上記第2ベルトユニット20においては、紙搬送ベルト21の代わりに、トナー像を担持可能な紙搬送ドラムを用いることも可能である。しかしながら、縦、横ともに同じスペースをとるドラムは縦型の内部レイアウトに適していない。また、周長のできるだけ長いものを用いようとすると、長さに比例して縦、横の配設スペースが増大して装置を大型化してしまう。これに対し、ベルトを用いれば、図示のように縦長の形状に張架して縦型に適した内部レイアウトにすることができ、且つ、その張架形状の工夫によってデッドスペース内にも収めることができる。このため、周長を大きく確保してできるだけ大きい第1トナー像を2次転写せしめるようにするのに適している。
【0044】
上流側張架ローラたる駆動ローラ12よりも下方においては、2つのベルト(8,21)における互いの対向面を鉛直方向上側から下側に向けて徐々に遠ざけるような形状で、それぞれのベルトが張架されている。このような張架により、両ベルトユニット(16,20)の対向部のうち、駆動ローラ12よりも下方の領域にテント状の空間が確保される。かかる構成では、このテント状の空間を利用して、2次転写ニップへの給紙を行うためのレジストローラ対43や給紙路を配設してコンパクトな内部レイアウトにすることができる。
【0045】
これまで、像担持体としてドラム状の感光体を用いた例について説明したが、ベルト状の感光体など、他の方式のものを用いてもよい。また、中間転写体8については、ベルト方式のものに限られず、ローラ方式などでも良い。また、粉体トナーではなく、トナーと液体キャリアとを含有する液体現像剤を用いる画像形成装置にも本発明の適用が可能である。また、電子写真方式のプリンタについて説明したが、直接記録方式の画像形成装置にも本発明の適用が可能である。
【0046】
以上、実施形態や実施例に係るプリンタにおいては、鉛直方向における定着手段50と上除去手段たる第1クリーニング装置10との間に、熱伝達阻害手段たる排気ファンFを設けている。かかる構成では、定着手段50からの熱伝達によって第1クリーニング装置10内の回収トナーを軟化、固着させることによる第1クリーニング装置10の低寿命化を抑えることができる。更には、軟化、固着による回収トナーを劣化させてそのリサイクル使用を困難にするといった事態も抑えることができる。
また、第1クリーニング装置10によるクリーニング位置を通過してから、重ね合わせ位置たる各1次転写ニップに進入する前の中間転写ベルト8を、4色トナー像が2次転写された転写紙Pに接触させない形状で張架している。かかる構成では、転写残トナーを除去した後の中間転写ベルト8を転写紙Pからのトナー転移によって汚してしまい、その汚れの部分の上に新たな4色トナー像を重ね合わせることによる画質劣化を回避することができる。
また、押圧ローラ9による押圧位置よりもベルト移動方向上流側で転写残トナーを除去させるように、第1クリーニング装置10を配設しているので、押圧ローラ9表面にトナーフィルミングを形成するといった事態を抑えることができる。
また、中間転写ベルト8を張架する複数の上記張架部材のうち、少なくとも窪み形成のために押圧部材に押圧されるベルト展張部分を支持する2つの張架部材については、回転自在な駆動ローラ12、テンションローラ13を用いている。加えて、押圧部材として、回転自在な押圧ローラ9を用いている。かかる構成では、窪み形成のために押圧部材で強く押圧されることによる中間転写ベルト8の寿命低下を抑えることができる。
また、第1クリーニング手段10については、上流側張架ローラとして機能する駆動ローラ12との間に中間転写ベルトを挟み込ませるように配設している。かかる構成では、上流側張架ローラを、第1クリーニング装置10による転写残トナーの除去をバックアップする除去バックアップローラとしても機能させて、装置構成の簡素化を図ることができる。
また、押圧ローラ9を、上流側張架ローラたる駆動ローラ12よりも鉛直方向下側に配設したことで、第1クリーニング装置10によって中間転写ベルト8から除去した転写残トナーをその自重によって再び中間転写ベルト8上に落下させて戻してしまうといった事態を抑えることができる。
また、上流側張架ローラたる駆動ローラ12を、自らの回転駆動によって中間転写ベルト8を無端移動せしめるベルト駆動ローラとして機能させたことで、中間転写ベルト8に駆動力を効率良く伝達するとともに、中間転写ベルト8のスリップを抑えることができる。
また、上流側張架ローラたる駆動ローラ12を転写バックアップローラとしても機能させているので、装置構成の更なる簡素化を図ることができる。なお、転写バックアップローラとして機能させる代わりに、2次転写バイアスローラとして機能させてもよい。
【0047】
また、実施例に係るプリンタ100Aにおいては、搬送手段たる第2ベルトユニットの紙搬送ベルト21が、2次転写ニップで4色トナー像が2次転写された転写紙Pを無端移動する表面に保持しながら定着手段50に向けて搬送する。一方、2次転写バイアスローラ12と2次転写バックアップローラ23との組合せによる転写手段が、4色トナー像を中間転写ベルト8から転写紙Pに転写する他に、中間転写ベルト8から無端移動体たる紙搬送ベルト21へも転写するようになっている。更に、このようにして紙搬送ベルト21に転写された4色トナー像(第1トナー像)を転写紙の第1面に最終転写する最終転写手段として、3次転写バックアップローラ27と転写チャージャ28との組合せが設けられている。かかる構成では、装置下側から上側に向けての搬送路に転写紙Pを1回通すだけで、その両面に4色トナー像を転写するいわゆる1パス両面転写を行うことができる。
また、搬送手段たる第2ベルトユニット20に用いる無端移動体として、紙搬送ベルト21を用いているので、ローラやドラムを用いる場合よりも縦型に適した内部レイアウトを採用しながら、その無端移動体の周長を大きく確保してできるだけ大きい第1トナー像を2次転写せしめるといった工夫を、装置を大型化することなく実現することができる。
また、上流側張架ローラたる駆動ローラ12よりも下方にて、2つのベルト(8,21)における互いの対向面を鉛直方向上側から下側に向けて徐々に遠ざけるような形状で、両ベルトをそれぞれ張架したことで、駆動ローラ12よりも下方のベルトユニット対向部にテント状の空間を形成している。そして、このテント状の空間を利用して、2次転写ニップへの給紙を行うためのレジストローラ対43や給紙路を配設してコンパクトな内部レイアウトにすることができる。
【0048】
また、実施形態や実施例に係るプリンタでは、互いに色の異なるトナー像を重ね合わせるように重ね合わせ手段を構成しているので、多重トナー像として4色トナー像等の多色画像を形成することができる。
【0049】
【発明の効果】
請求項1乃至13の発明によれば、縦型に適した内部レイアウトを採用しながら、本体内部におけるデッドスペースの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写方式の重ね合わせを実施する縦型の多重画像形成装置の要部構成図。
【図2】実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図3】同プリンタのY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図4】同プリンタにおける第1クリーニング装置とその周囲構成とを拡大して示す拡大構成図。
【図5】同プリンタにおける押圧ローラを駆動ローラと同じ高さに配設した場合の第1クリーニング装置の姿勢を説明する模式図。
【図6】同プリンタにおける押圧ローラを駆動ローラよりも高い位置に配設した場合の第1クリーニング装置の姿勢を説明する模式図。
【図7】実施例に係るプリンタを示す概略構成図。
【符号の説明】
1Y,M,C,K 感光体(像担持体)
6Y,M,C,K プロセスユニット(可視像形成手段の一部)
7 露光装置(可視像形成手段の一部)
8 中間転写ベルト(ベルト)
9 押圧ローラ
10 第1クリーニング装置(除去手段)
11Y,M,C,K 1次転写バイアスローラ(張架部材)
12 駆動ローラ(転写手段の一部、上流側張架ローラ、ベルト駆動ローラ、転写バックアップローラ、除去バックアップローラ)
13 テンションローラ(張架部材)
14 トップローラ(張架部材)
15 アンダーローラ(張架部材)
20 第2ベルトユニット(搬送手段)
21 紙搬送ベルト(無端移動体、別のベルト)
23 2次転写バイアスローラ(転写手段の一部)
28 転写チャージャ(最終転写手段)
50 定着手段
F 排気ファン(熱伝達阻害手段)
P 転写紙(記録体)
Claims (13)
- 複数の張架部材によって張架されながら無端移動せしめられるベルトと、該ベルトのおもて面に複数の可視像を重ね合わせる像重ね合わせ手段と、重ね合わせによって得られた該ベルト上の多重像を記録体に転写する転写手段と、該多重像を該記録体に加熱定着せしめる定着手段と、該転写手段から該定着手段に記録体を搬送する搬送手段と、記録体に該多重像を転写した後の該ベルトに残留する像形成物質を除去する除去手段とを備える多重画像形成装置において、
水平方向よりも鉛直方向に大きなスペースをとる縦長の形状で上記ベルトを張架させ、互いに該ベルトの反対側に位置する2つのベルト側方スペースのうち、一方については、上記定着手段と上記搬送手段とを配設するとともに、該ベルトの展張部分をおもて面側から押圧してベルトループ内に向けて窪ませる押圧部材を設け、この窪みによって上記搬送手段とベルトとの間に形成された空間内に上記除去手段を配設したことを特徴とする多重画像形成装置。 - 請求項1の多重画像形成装置において、
鉛直方向における上記定着手段と上記除去手段との間に、該定着手段から該除去手段への熱伝達を阻害する熱伝達阻害手段を設けたことを特徴とする多重画像形成装置。 - 請求項1又は2の多重画像形成装置において、
上記除去手段による除去位置を通過してから、上記重ね合わせ手段による重ね合わせ位置に進入する前の上記ベルトを、多重像が転写された記録体に接触させない形状で張架したことを特徴とする多重画像形成装置。 - 請求項1、2又は3の多重画像形成装置において、
上記押圧部材による押圧位置よりもベルト移動方向上流側で像形成物質を除去させるように、上記除去手段を配設したことを特徴とする多重画像形成装置。 - 請求項4の多重画像形成装置において、
複数の上記張架部材のうち、少なくとも上記展張部分を支持する2つの張架部材については、回転自在な張架ローラを用いるとともに、上記押圧部材として、回転自在な押圧ローラを用いたことを特徴とする多重画像形成装置。 - 請求項5の多重画像形成装置において、
2つの上記張架ローラのうち、上記押圧位置よりもベルト移動方向上流側にある方の上流側張架ローラと、上記除去手段との間に上記ベルトを挟み込ませるように、該除去手段を配設したことを特徴とする多重画像形成装置。 - 請求項6の多重画像形成装置において、
上記押圧ローラを、上記上流側張架ローラよりも鉛直方向下側に配設したことを特徴とする多重画像形成装置。 - 請求項6又は7の多重画像形成装置において、
上記ベルトを回転駆動によって無端移動せしめるベルト駆動ローラとして、上記上流側張架ローラを機能させたことを特徴とする多重画像形成装置。 - 請求項5、6、7又は8の多重画像形成装置において、
上記上流側張架ローラを転写バイアスローラ又は転写バックアップローラとして機能させて、上記転写手段の一部に用いたことを特徴とする多重画像形成装置。 - 請求項9の多重画像形成装置において、
上記搬送手段として、表面を無端移動させる無端移動体に記録体を保持して搬送するものを用い、上記多重像を上記ベルトから記録体に転写する他に、該ベルトから該無端移動体へも転写するように上記転写手段を構成し、且つ、この転写手段によって該無端移動体に転写された多重像を記録体の一方の面に最終転写する最終転写手段を設けたことを特徴とする多重画像形成装置。 - 請求項10の多重画像形成装置であって、
無端移動体が、上記ベルトとは別のベルトであることを特徴とする多重画像形成装置。 - 請求項12の多重画像形成装置において、
上記上流側張架ローラよりも下方にて、2つのベルトにおける互いの対向面を鉛直方向上側から下側に向けて徐々に遠ざけるような形状で、これらベルトをそれぞれ張架したことを特徴とする多重画像形成装置。 - 請求項1乃至12の何れかの多重画像形成装置において、
複数の上記可視像として互いに異なる色のものを重ね合わせるように、上記像重ね合わせ手段を構成したことを特徴とする多重画像形成装置。
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JP2002361246A JP2004191775A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | 多重画像形成装置 |
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Cited By (1)
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JP2013113994A (ja) * | 2011-11-28 | 2013-06-10 | Fuji Xerox Co Ltd | 清掃装置および画像形成装置 |
-
2002
- 2002-12-12 JP JP2002361246A patent/JP2004191775A/ja active Pending
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