JPH05224371A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JPH05224371A
JPH05224371A JP4061474A JP6147492A JPH05224371A JP H05224371 A JPH05224371 A JP H05224371A JP 4061474 A JP4061474 A JP 4061474A JP 6147492 A JP6147492 A JP 6147492A JP H05224371 A JPH05224371 A JP H05224371A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】色相、特に長波長化され、かつシャープな吸収
特性を有するシアン色素画像を得る。 【構成】支持体上の少なくとも一層に、カップリング活
性位の隣接位に、σP 値0.35以上の電子吸引性基を
有するイミダゾトリアゾール系シアンカプラーを含有す
るハロゲン化銀カラー写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀カラー写
真感光材料(以下、単に感光材料をいうことあり)に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】露光されたハロゲン化銀を酸化剤とし
て、酸化された芳香族第1級アミン系カラー現像主薬と
カプラーが反応して、インドフェノール、インドアニリ
ン、インダミン、アゾメチン、フェノキサジン、フェナ
ジン及びそれに類する色素ができ、色画像が形成される
ことは良く知られている。その様な写真方式において
は、減色法が用いられており、イエロー、マゼンタ及び
シアン色素によって色画像が形成される。これらのう
ち、シアン色素画像を形成するためには、フェノール又
はナフトール系カプラーが一般に使用されている。しか
しながら、これらのカプラーは、緑色の領域において好
ましくない吸収をもっているために、色再現性を著しく
低下させるという大きな問題をもっており、これを解決
することが望まれている。
【0003】近年、フェノール、ナフトール系カプラー
以外にヘテロ環化合物によるシアンカプラーが数多く提
案されている。中でも、リサーチ・ディスクロージャー
誌、16216,(1977)に記載のイミダゾトリアゾール系カプ
ラーはその代表例である。しかしながら、これらに記載
のカプラーから生成する色素は、576〜612nmで
あり、シアン色素としてはまだ短波長であり、更にはブ
ロードであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第一
の目的は、得られる色素のλmaxが620〜700n
mを示し、かつシャープな吸収波形を与える新規なシア
ンカプラーを含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料
を提供することにある。第二の目的は、熱、湿度などに
対して堅牢で、色再現性に優れた色素画像を得るハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体
上の少なくとも一層に下記一般式(I)で表わされるイ
ミダゾトリアゾール系シアンカプラーを少なくとも1種
含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光
材料によって達成された。一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1 は、水素原子又は置換基を表
わし、R2 は、ハメットの置換基定数σP 値が0.35
以上の電子吸引性基を表わし、Xは水素原子又は芳香族
第一級アミンカラー現像主薬の酸化体とのカップリング
反応により離脱する基を表わす。尚、R1 又はR2 の基
が二価の基になり、二量体以上の多量体や高分子鎖と結
合して単重合体若しくは共重合体を形成してもよい。)
【0008】以下に本発明のカプラーについて詳しく述
べる。本発明のイミダゾトリアゾール系シアンカプラー
は、イミダゾール環のカップリング活性位の隣接位に強
い電子吸引性基を有することにより、長波長化を達成で
きるばかりでなく、吸収のシャープ化を達成することが
できたものである。
【0009】一般式(I)において、R2 は、ハメット
の置換基定数σp 値が0.35以上の電子吸引性基を表
わし、好ましくはσp 値が0.60以上の電子吸引性基
を表わす。上限としてはσp 値が1.0以下の電子吸引
性基である。ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平
衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために193
5年にL.P.Hammett により提唱された経験則である
が、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット
則によりもとめられた置換基定数にはσp 値とσm 値が
あり、これらの値は多くの一般的な成書に記載がある
が、例えば、Hansch, C.Leo らの報告(例えば、J.Med.
Chem. 16、1207(1973);ibid. 20、30
4(1977))、J.A.Dean編「Lange's Handbook
of Chemistry 」第12版、1979年(Mc Graw-Hil
l) や「化学の領域増刊」、122号、96〜103
頁、1979年(南江堂)に詳しい。本発明においてR
2 はハメットの置換基定数σp 値により規定されるが、
これらの成書に記載の文献既知の値がある置換基にのみ
限定されるという意味ではなくその値が文献未知であっ
てもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に
含まれる限り包含されることは勿論である。
【0010】本明細書中“脂肪族”とは直鎖状、分岐状
もしくは環状の脂肪族炭化水素を表わし、アルキル、ア
ルケニル、アルキニルなど飽和および不飽和のものを包
含し、他の基で置換されていてもよい。その代表例を一
価の基で挙げるとメチル基、エチル基、n −ブチル基、
ドデシル基、オクタデシル基、アイコセニル基、iso−
プロピル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基、tert
−ドデシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、
アリル基、ビニル基、2−ヘキサデセニル基、プロパル
ギル基などがある。好ましくは、アルキル基である。ま
た”芳香族”とは、アリール基を表し、他の基で置換さ
れていてもよい。その代表例を挙げると、フェニル基、
ナフチル基、2,4−ジメタンスルホニルフェニルなど
がある。また”複素環”とは、窒素原子、硫黄原子又は
酸素原子の少なくとも1つをヘテロ原子として含む環を
表し、飽和および不飽和のものを包含し、他の基で置換
されていてもよい。その代表例を挙げると、イミダゾリ
ル、ピリジル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリア
ゾリル、テトラゾリル、1−フェニル−2−ベンズイミ
ダゾリル、などがある。
【0011】σp 値が0.35以上の電子吸引性基とし
てはシアノ基(σp 値0.66)、ニトロ基(0.7
8)、カルボキシル基(0.45)、弗素置換アルキル
基(例えば、トリフルオロメチル(0.54)、パーフ
ルオロブチル)、脂肪族・芳香族もしくは複素環アシル
基(例えば、アセチル(0.50)、ベンゾイル(0.
43))、ホルミル基(0.42)、脂肪族・芳香族も
しくは複素環スルホニル基(例えば、トリフルオロメタ
ンスルホニル(0.92)、メタンスルホニル(0.7
2)、ベンゼンスルホニル(0.70))、脂肪族・芳
香族もしくは複素環スルフィニル基(例えば、メタンス
ルフィニル(0.49))、カルバモイル基(例えば、
カルバモイル(0.36)、メチルカルバモイル(0.
36)、フェニルカルバモイル、2−クロロ−フェニル
カルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例えば、メ
トキシカルボニル(0.45)、エトキシカルボニル、
ジフェニルメチルカルボニル)、複素環残基(例えば、
ピラゾリル(0.37)、1−テトラゾリル(0.5
0))、アゾ基(例えば、フェニルアゾ(0.3
9))、アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メタン
スルホニルオキシ(0.36))、ホスホリル基(例え
ば、ジメトキシホスホリル(0.60)、ジフェニルホ
スホリル)、スルファモイル基(0.57)、ペンタク
ロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基又はスルホ
ニル基置換芳香族基(例えば、2,4−ジメタンスルホ
ニルフェニル)などが好ましく挙げられる。
【0012】σp 値が0.60以上の電子吸引性基とし
ては、シアノ基、ニトロ基、脂肪族・芳香族もしくは複
素環スルホニル基(例えば、トリフルオロメタンスルホ
ニル、ジフルオロメタンスルホニル、メタンスルホニ
ル、ベンゼンスルホニル)などが好ましく挙げられる。
2 として最も好ましいのは、シアノ基である。
【0013】一般式(I)においてR1 は、水素原子又
は置換基を表わす。置換基としては例えば、置換基とし
てはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環
基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ
基、スルホ基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ
基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ
基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイ
ル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ
環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオ
キシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルア
ミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、
ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル
基、アゾリル基等をあげることができる。これらの基は
1 で例示したような置換基で更に置換されていてもよ
い。
【0014】さらに詳しくは、R1 は水素原子、ハロゲ
ン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、脂肪族基(好
ましくは炭素数1〜36、例えばメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、t−ブチル、トリデシル、2−メ
タンスルホニルエチル、3−(3−ペンタデシルフェノ
キシ)プロピル、3−{4−{2−〔4−(4−ヒドロ
キシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ドデカンアミ
ド}フェニル}プロピル、2−エトキシトリデシル、ト
リフルオロメチル、シクロペンチル、3−(2,4−ジ
−t−アミルフェノキシ)プロピル)、芳香族基(好ま
しくは炭素数6〜36、例えばフェニル、ナフチル、4
−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニ
ル、4−テトラデカンアミドフェニル)、複素環基(例
えば3−ピリジル、2−フリル、2−チエニル、2−ピ
リジル、2−ベンゾチアゾリル、2−ピリミジニル)、
アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキ
シエトキシ、2−ドデシルオキシエトキシ、2−メタン
スルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フ
ェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェ
ノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシ
カルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイルフ
ェノキシ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ヘ
キサデカノイルオキシ)、カルバモイルオキシ基(例え
ば、N−エチルカルバモイルオキシ)、スルホニルオキ
シ基(例えば、ドデシルスルホニルオキシ)、アシルア
ミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラ
デカンアミド、α−(2,4−tert−アミルフェノキシ
アセトアミド、α−〔4−(4−ヒドロキシフェニルス
ルホニル)フェノキシ)〕デカンアミド、イソペンタデ
カンアミド)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、
2−クロロアニリノ、2−クロロ−5−テトラデカンア
ミドアニリノ、N−アセチルアニリノ、2−クロロ−5
−〔α−2−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキ
シ)ドデカンアミド〕アニリノ)、ウレイド基(例え
ば、フェニルウレイド、ジメチルウレイド)、スルファ
モイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファ
モイルアミノ、N−メチル−N−デシルスルファモイル
アミノ)、アルケニルオキシ基(例えば2−プロペニル
オキシ)、アミノ基(例えばブチルアミノ、ジメチルア
ミノ)、脂肪族・芳香族もしくは複素環アシル基(例え
ばアセチル、ベンゾイル、2,4−ジ−tert−アミルフ
ェノキシ)アセチル)、脂肪族・芳香族もしくは複素環
スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ベンゼンス
ルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、トルエンス
ルホニル)、脂肪族・芳香族もしくは複素環オキシカル
ボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブトキシカル
ボニル、ドデシルカルボニル、オクタデシルカルボニ
ル、フェニルオキシカルボニル、2−ペンタデシルオキ
シカルボニル)、脂肪族・芳香族もしくは複素環オキシ
カルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミ
ノ、テトラデシルオキシカルボニルアミノ、フェノキシ
カルボニルアミノ、2,4−ジ−tert−ブチルフェノキ
シカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メ
タンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、ベ
ンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、
オクタデカンスルホンアミド、2−メチルオキシ−5−
tert−ブチルベンゼンスルホンアミド)、カルバモイル
基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチ
ルカルバモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)カ
ルバモイル、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、
N−〔3−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)プ
ロピル〕カルバモイル)、スルファモイル基(例えば、
N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルフ
ァモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファ
モイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、
N,N−ジエチルスルファモイル)、ホスホリル基(例
えばジメトキシホスホニル、ジフェニルホスホリル)、
スルファミド基(例えばジプロピルスルファミド)、イ
ミド基(例えばサクシンイミド、ヒダントイニル)、ヒ
ドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、ニトロ基、スル
ホ基などが好ましく挙げられる。
【0015】好ましいR1 としては、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミ
ノ基、スルホンアミド基、アルキルアミノ基、アニリノ
基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシ
カルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ
基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基をあげる
ことができる。
【0016】一般式(I)においてXは、水素原子又は
芳香族第一級アミンカラー現像主薬の酸化体と反応した
とき、離脱する基(以下、単に「離脱基」と呼ぶ)を表
わし、Xが離脱基を表わすとき、該離脱基は、ハロゲン
原子、芳香族アゾ基、酸素・窒素・イオウ若しくは炭素
原子を介してカップリング位と結合する脂肪族基、芳香
族基若しくは複素環基、脂肪族・芳香族若しくは複素環
スルホニル基、脂肪族・芳香族もしくは複素環スルフィ
ニル基、脂肪族・芳香族若しくは複素環カルボニル基と
結合するような基又は窒素原子でカップリング位と結合
する複素環基であり、これらの離脱基に含まれる脂肪
族、芳香族もしくは複素環基は、R1 で許容される置換
基やハロゲン原子等で置換されていてもよく、これらの
置換基が2つ以上のときは同一でも異なっていてもよ
く、これらの置換基がさらにR1 に許容される置換基や
ハロゲン原子等を有していてもよい。
【0017】離脱基の具体例を挙げると、ハロゲン原子
(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコキ
シ基(例えばエトキシ、ドデシルオキシ、メトキシエチ
ルカルバモイルメトキシ、カルボキシプロピルオキシ、
メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例え
ば4−クロロフェノキシ、4−メトキシフェノキシ、4
−カルボキシフェノキシ)、アシルオキシ基(例えばア
セトキシ、テトラデカノイルオキシ、ベンゾイルオキ
シ)、脂肪族もしくは芳香族スルホニルオキシ基(例え
ばメタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキ
シ)、アシルアミノ基(例えばジクロロアセチルアミ
ノ、ヘプタフルオロブチリルアミノ)、脂肪族もしくは
芳香族スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミ
ド、p−トルエンスルホンアミド)、アルコキシカルボ
ニルオキシ基(例えばエトキシカルボニルオキシ、ベン
ジルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボ
ニルオキシ基(例えばフェノキシカルボニルオキシ)、
脂肪族・芳香族もしくは複素環チオ基(例えばエチルチ
オ、2−カルボキシエチルチオ、フェニルチオ、テトラ
ゾリルチオ)、カルバモイルアミノ基(例えばN−メチ
ルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミ
ノ)、5員もしくは6員の含窒素ヘテロ環基(例えばイ
ミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリ
ル、1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1−ピリジル)、
イミド基(例えばスクシンイミド、ヒダントイニル)、
芳香族アゾ基(例えばフェニルアゾ)などが挙げられ
る。また、炭素原子を介して結合した離脱基として、ア
ルデヒド類又はケトン類で四当量カプラーを縮合して得
られるビス型カプラーがある。本発明の離脱基は、現像
抑制剤、現像促進剤など写真的有用基を含んでいてもよ
い。
【0018】一般式(I)で表されるカプラーは、R1
又はR2 の基が二価の基になり、二量体以上の多量体や
高分子鎖と結合して単重合体若しくは共重合体を形成し
てもよい。高分子鎖と結合して単重合体若しくは共重合
体とは一般式(I)で表されるカプラー残基を有する付
加重合体エチレン型不飽和化合物の単独もしくは共重合
体が典型例である。この場合、一般式(I)で表される
カプラー残基を有する発色繰り返し単位は重合体中に1
種類以上含有されていてもよく、共重合成分として非発
色性のエチレン型モノマーの1種または1種以上を含む
共重合体であってもよい。一般式(I)で表されるカプ
ラー残基を有する発色繰り返し単位は好ましくは下記一
般式(P)で表される。
【0019】
【化3】
【0020】式中Rは水素原子、炭素数1〜4個のアル
キル基または塩素原子を示し、Aは−CONH−、−C
OO−または置換もしくは無置換のフェニレン基を示
し、Bは置換もしくは無置換のアルキレン基、フェニレ
ン基またはアラルキレン基を示し、Lは−CONH−、
−NHCONH−、−NHCOO−、−NHCO−、−
OCONH−、−NH−、−COO−、−OCO−、−
CO−、−O−、−S−、−SO2 −、−NHSO2
または−SO2 NH−を表わす。a、b、cは0または
1を示す。Qは一般式(I)で表わされる化合物の
1 、R2 より水素原子が離脱したカプラー残基を示
す。重合体としては一般式(I)のカプラーユニットで
表わされる発色モノマーと芳香族一級アミン現像薬の酸
化生成物とカップリングしない非発色性エチレン様モノ
マーの共重合体が好ましい。
【0021】芳香族一級アミン現像薬の酸化生成物とカ
ップリングしない非発色性エチレン型単量体としては、
アクリル基、α−クロロアクリル酸、α−アルキクアク
リル酸(例えばメタクリル酸など)これらのアクリル酸
類から誘導されるアミドもしくはエステル(例えば、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、n−ブチルアクリル
アミド、t−ブチルアクリルアミド、ジアセチルアクリ
ルアミド、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
t−ブチルアクリレート、iso −ブチルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリ
レート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート
およびβ−ヒドロキシメタクリレート)、ビニルエステ
ル(例えばビニルアセテート、ビニルプロピオネートお
よびビニルラウレート)、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、芳香族ビニル化合物(例えばスチレンおよ
びその誘導体、例えばビニルトルエン、ジビニルベンゼ
ン、ビニルアセトフェノンおよびスルホスチレン)、イ
タコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、ビニリデンクロ
ライド、ビニルアルキルエーテル(例えばビニルエチル
エーテル)、マレイン酸エステル、N−ビニル−2−ピ
ロリドン、N−ビニルピリジンおよび2−および−4−
ビニルピリジン等がある。
【0022】特にアクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、マレイン酸エステル類が好ましい。ここで使用
する非発色性エチレン型モノマーは2種以上を一緒に使
用することもできる。例えばメチルアクリレートとブチ
ルアクリレート、ブチルアクリレートとスチレン、ブチ
ルメタクリレートとメタクリル酸、メチルアクリレート
とジアセトンアクリルアミドなどが使用できる。
【0023】ポリマーカプラー分野で周知の如く前記一
般式(I)に相当するビニル系単量体と共重合させるた
めのエチレン系不飽和単量体は形成される共重合体の物
理的性質および/または化学的性質、例えば溶解度、写
真コロイド組成物の結合剤例えばゼラチンとの相溶性、
その可撓性、熱安定性等が好影響を受けるように選択す
ることができる。
【0024】一般式(I)で表わされる本発明のカプラ
ーは第1級アミン現像主薬の酸化体と反応して吸収極大
が620〜700nmにあるシアン色素を形成する。以
下に、本発明のカプラーの具体例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】本発明の中間体の合成方法は、公知の方法
によって合成することができる。例えばリサーチ・ディ
スクロージャー、74(1977)、Heterocyclic Com
pounds.,13965(1963)、Chem.Ber.,101、
2117(1968)などに記載の方法、それらに引用
されている文献または類似の方法によって合成すること
ができる。次に具体的に合成例を示す。
【0029】合成例1 例示化合物(1) の合成 下記ルートにより例示化合物(1) を合成した。
【0030】
【化4】
【0031】111gの(a) と241gの(b) をピリジ
ン1.5リットルに溶解し、2時間加熱還流した。ピリ
ジンを留去した後水晶析により(c) を95g得た。得ら
れた(c) 50.0gと27.7mlの(d) をテトラヒドロ
フラン500mlに溶解し、反応温度を0℃に保ち、8.
3mlのN,N,N′,N′−テトラメチルグアニジンを
ゆっくり加えた。反応後酢酸エチルを添加し水洗浄し
た。酢酸エチル層を乾燥後、留去し、メタノールで晶析
することにより(e) を56.1g得た。更に得られた
(e) 56.1gをテトラヒドロフラン500mlに溶解
し、28%ナトリウムメチラートメタノール溶液44ml
添加し、2時間加熱還流した。反応後、酢酸エチルを加
え水洗浄した。酢酸エチル層を乾燥後留去し、残査に四
塩化炭素400mlを加え、更にN−クロロスクシンイミ
ド24.5g加え1時間加熱還流した。反応後塩化メチ
レンによる抽出、乾燥後溶媒を留去し、メタノールで晶
析することにより中間段階生成物(g) を38.5g得
た。還元鉄85g、塩化アンモニウム30gをイソプロ
ピルアルコール400ml、水100mlに加え30分間加
熱還流した。これに38.5gの(g) をゆっくり添加
し、2時間還流した。反応後、セライトロカによりロカ
し、ロ液を留去した。得られた残査をDMAC400ml
に溶解し、63.4gの(i) とピリジン12ml添加し、
5時間室温で攪拌した。反応後、酢酸エチルを加え水洗
浄し、乾燥後溶媒を留去、残査をカラムクロマトグラフ
ィーで精製することにより、目的の例示化合物(1) を6
5.0g得た。
【0032】合成例2 例示化合物(21)の合成 下記ルートにより例示化合物(21)を合成した。
【0033】
【化5】
【0034】2.5gの(1) をDMF25mlに溶解し、
塩化メチレン5mlに溶解した1.1gの(j) を室温下ゆ
っくり滴下した。反応後塩化メチレンを加え水洗浄し
た。有機層を乾燥後、留去し、残査をカラムクロマトグ
ラフィーで精製することにより目的の例示化合物(21)を
2.1g得た。他の化合物についても同様な方法で合成
することができる。
【0035】本発明の感光材料は、本発明のシアンカプ
ラーを含有する層を支持体上に少なくとも1層有すれば
よく、本発明のシアンカプラーを含有する層としては、
支持体上の親水性コロイド層であればよい。一般的な感
光材料は、支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感
性ハロゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化銀乳剤層
を少なくとも一層ずつこの順で塗設して構成することが
できるが、これと異なる順序であっても良い。また、赤
外感光性ハロゲン化銀乳剤層を前記の感光性乳剤層の少
なくとも一つの替りに用いることもできる。これらの感
光性乳剤層には、それぞれの波長域に感度を有するハロ
ゲン化銀乳剤と、感光する光と補色の関係にある色素を
形成するカラーカプラーを含有させることで減色法の色
再現を行うことができる。但し、感光性乳剤層とカラー
カプラーの発色色相とは、上記のような対応を持たない
構成としても良い。本発明のシアンカプラーを感光材料
に適用する場合には特に赤感性ハロゲン化銀乳剤層に使
用することが好ましい。本発明のシアンカプラーの感光
材料中の含有量は、ハロゲン化銀1モル当り1×10-3
モル〜1モルが適当であり、好ましくは、2×10-3
ル〜3×10-1モルである。
【0036】本発明のシアンカプラーは、種々の公知分
散方法により感光材料に導入でき、高沸点有機溶媒(必
要に応じて低沸点有機溶媒を併用)に溶解し、ゼラチン
水溶液に乳化分散してハロゲン化銀乳剤に添加する水中
油滴分散法が好ましい。水中油滴分散法に用いられる高
沸点溶媒の例は米国特許第2,322,027号などに
記載されている。また、ポリマー分散法の1つとしての
ラテックス分散法の工程、効果、含浸用のラテックスの
具体例は、米国特許第4,199,363号、西独特許
出願第(OLS)2,541,274号、同2,54
1,230号、特公昭53−41091号及び欧州特許
公開第029104号等に記載されており、また有機溶
媒可溶性ポリマーによる分散についてPCT国際公開番
号WO88/00723号明細書に記載されている。
【0037】前述の水中油滴分散法に用いることのでき
る高沸点有機溶媒としては、フタール酸エステル類(例
えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ
シクロヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフ
タレート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−tert
−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジ
−エチルプロピル)フタレート)、リン酸又はホスホン
酸のエステル類(例えば、ジフェニルホスフェート、ト
リフェニルホスフェート、トリクリレルホスフェート、
2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジオクチ
ルブチルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデ
シルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホ
スフェート)、安息香酸エステル類(例えば、2−エチ
ルヘキシルベンゾエート、2,4−ジクロロベンゾエー
ト、ドデシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−
ヒドロキシベンゾエート)、アミド類(例えば、N,N
−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリル
アミド)、アルコール類またはフェノール類(イソステ
アリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフェノー
ルなど)、脂肪族エステル類(例えば、コハク酸ジブト
キシエチル、コハク酸ジ−2−エチルヘキシル、テトラ
デカン酸2−ヘキシルデシル、クエン酸トリブチル、ジ
エチルアゼレート、イソステアリルラクテート、トリオ
クチルシトレート)、アニリン誘導体(N,N−ジブチ
ル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリンな
ど)、塩素化パラフィン類(塩素含有量10%〜80%
のパラフィン類)トリメシン酸エステル類(例えば、ト
リメシン酸トリブチル)、ドデシルベンゼン、ジイソプ
ロピルナフタレン、フェノール類(例えば、2,4−ジ
−tert−アミルフェノール、4−ドデシルオキシフェノ
ール、4−ドデシルオキシカルボニルフェノール、4−
(4−ドデシルオキシフェニルスルホニル)フェノー
ル)、カルボン酸類(例えば、2−(2,4−ジ−tert
−アミルフェノキシ酪酸、2−エトキシオキタンデカン
酸)、アルキルリン酸類(例えば、ジ−2(エチルヘキ
シル)リン酸、ジフェニルリン酸)などが挙げられる。
また補助溶媒として沸点が30℃以上約160℃以下の
有機溶剤(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオ
ン酸エチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、
2−エトキシエチルアセテート、ジメチルホルムアミ
ド)を併用してもよい。高沸点有機溶媒はカプラーに対
して重量比で0〜10.0倍量、好ましくは0〜4.0
倍量で使用できる。
【0038】本発明において適用されるハロゲン化銀乳
剤やその他の素材(添加剤など)および写真構成層(層
配置など)、並びにこの感材を処理するために適用され
る処理法や処理用添加剤としては、下記の特許公報、特
に欧州特許EP0,355,660A2号に記載されて
いるものが好ましく用いられる。
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】本発明に用いられるハロゲン化銀として
は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀
などを用いることができるが、特に迅速処理の目的には
沃化銀を実質的に含まない塩化銀含有率が90モル%以
上、更には95%以上、特に98%以上の塩臭化銀また
は純塩化銀乳剤の使用が好ましい。
【0045】また、本発明に係わる感光材料には、画像
のシャープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層
に、欧州特許EP0,337,490A2号の第27〜
76頁に記載の、処理により脱色可能な染料(なかでも
オキソノール系染料)を感光材料の680nmに於ける光
学反射濃度が0.70以上になるように添加したり、支
持体の耐水性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例え
ばトリメチロールエタン)等で表面処理された酸化チタ
ンを12重量%以上(より好ましくは14重量%以上)
含有させるのが好ましい。
【0046】また、本発明に係わる感光材料は、カプラ
ーと共に欧州特許EP0,277,589A2号に記載
のような色像保存性改良化合物を使用するのが好まし
い。特にピラゾロアゾール系マゼンタカプラーとの併用
が好ましい。
【0047】即ち、発色現像処理後に残存する芳香族ア
ミン系現像主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(F)および/
または発色現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現
像主薬の酸化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(G)を同時ま
たは単独に用いることが、例えば処理後の保存における
膜中残存発色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反
応による発色色素生成によるステイン発生その他の副作
用を防止する上で好ましい。
【0048】また、本発明に係わる感光材料には、親水
性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や
細菌を防ぐために、特開昭63−271247号に記載
のような防黴剤を添加するのが好ましい。
【0049】また、本発明に係わる感光材料に用いられ
る支持体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体または白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層
を有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション
層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または裏面に塗
設するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもディス
プレイが観賞できるように、支持体の透過濃度を0.3
5〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。
【0050】本発明に係わる感光材料は可視光で露光さ
れても赤外光で露光されてもよい。露光方法としては低
照度露光でも高照度短時間露光でもよく、特に後者の場
合には一画素当りの露光時間が10-4秒より短いレーザ
ー走査露光方式が好ましい。また、露光に際して、米国
特許第4,880,726号に記載のバンド・ストップ
フィルターを用いるのが好ましい。これによって光混色
が取り除かれ、色再現性が著しく向上する。
【0051】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 〔試料101の作製〕三酢酸セルロースフィルムベース
上に以下に示す層構成の試料101を作製した。第1層
塗布液は下記のようにして調製した。
【0052】(第1層塗布液の調製)シアンカプラー
(ExC)1.01g、およびジブチルフタレート1.
0gとを10.0ccの酢酸エチルに加え完全に溶解し
た。このカプラーの酢酸エチル溶液を42gの10%ゼ
ラチン水溶液(5g/リットルのドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウムを含む)に加え、ホモジナイザーで乳
化分散を行なった。乳化分散後、蒸留水を加え全量を1
00gとした。この乳化分散物100gと赤感性高塩化
銀乳剤8.2g(臭化銀含量0.5モル%、下記赤感性
増感色素をハロゲン化銀1モル当り、1.0×10-4
ル添加)とを混合溶解し、以下に示す組成となるように
第1層塗布液を調製した。ゼラチン硬膜剤としては、1
−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウ
ム塩をもちいた。 シアンカプラー(ExC)
【0053】
【化6】
【0054】赤感性乳剤用増感色素E
【0055】
【化7】
【0056】(層構成)以下に各層の層構成を示す。 支持体 三酢酸セルロースフィルム 第1層(乳剤層) 赤感性高塩化銀乳剤 銀換算で 0.86g/m2 ゼラチン 2.50g/m2 シアンカプラー(ExC) 0.49g/m2 トリクレジルホスフェート 1.00g/m2 第2層(保護層) ゼラチン 1.60g/m2
【0057】〔試料102〜107の作製〕試料101
において、シアンカプラー(ExC)の替わりに、表A
に記すカプラーをシアンカプラー(ExC)と等モル置
き換えた以外、試料101と同様に作製した。尚、シア
ンカプラー(ExC−2)は以下のものである。
【0058】
【化8】
【0059】以上のように作製した試料101〜107
に、白光で連続ウェッジ露光を与えた後、以下に示す処
理工程により現像処理を行なった。また、濃度測定を行
い、各試料について高濃度部での吸収スペクトルを測定
した。表Aにλmaxと半値幅の値を示した。
【0060】 〔処理工程〕 〔温 度〕 〔時 間〕 カラー現像 38℃ 45秒 漂白定着 35℃ 45秒 リンス 35℃ 30秒 リンス 35℃ 30秒 リンス 35℃ 30秒 乾 燥 80℃ 60秒 (リンス→へのタンク向流方式とした。) 各組成液の組成は以下の通りである。
【0061】 (カラー現像液) 水 800ml エチレンジアミン−N,N,N,N−テトラメチレンホスホン酸 3.0g トリエタノールアミン 8.0g 塩化カリウム 3.1g 臭化カリウム 0.015g 炭酸カリウム 25g ビドラジノ二酢酸 5.0g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メ チル−4−アミノアニリン硫酸塩 5.0g 蛍光増白剤(WHITEX−4 住友化学製) 2.0g 水を加えて 1000ml pH(水酸化カリウムを加えて) 10.05
【0062】 (漂白定着液) 水 400ml チオ硫酸アンモニウム溶液(700g/リットル) 100ml 亜硫酸アンモニウム 45g エチレンジアミン四酢酸(III)アンモニウム 55g エチレンジアミン四酢酸 3g 臭化アンモニウム 30g 硝酸(67%) 27g 水を加えて 1000ml pH 5.8
【0063】(リンス液) イオン交換水(カルシウム、マグネシウムは各々3ppm)
【0064】
【表9】
【0065】試料101及び102のカプラーは前述の
リサーチ・ディスクロージャー誌に記載のカプラーを感
光材料に内蔵させるためにバラスト基を付けたカプラー
であるが、試料101のように本発明の一般式(I)で
のR2 に相当する位置に無置換のフェニル基(σP
約0.0)が置換したカプラーより、試料102のよう
にR2 に相当する位置にニトロ基でパラ位が置換された
フェニル基(σP 値約0.2)で置換されたカプラーの
方が長波化が行われていることが判る。しかしながら、
長波化とは裏腹に半値幅が大きくなり、ブロード化して
いることがわかる。これは、前述のリサーチ・ディスク
ロージャー誌に記載の通りである。しかしながら、本発
明のカプラーはブロード化することなく長波長化するこ
とができ、更には、ブロード化しないばかりか、よりシ
ャープなスペクトルを与えることができたことは驚くべ
きことである。
【0066】実施例2 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面にコロ
ナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さらに種々の写
真構成層を塗布して以外に示す層構成の多層カラー印画
紙(試料201)を作製した。塗布液は下記のようにし
て調製した。
【0067】第一層塗布液調製 イエローカプラー(ExY)153.0g、色像安定剤
(Cpd−1)15.0g、色像安定剤(Cpd−2)
7.5g、色像安定剤(Cpd−3)16.0gを、溶
媒(Solv−1)25g、溶媒(Solv−2)25
g及び酢酸エチル180ccに溶解し、この溶液を10%
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム60cc及びクエ
ン酸10gを含む10%ゼラチン水溶液1000gに乳
化分散させて乳化分散物Aを調製した。一方、塩臭化銀
乳剤A(立方体、平均粒子サイズ0.88μm の大サイ
ズ乳剤Aと0.70μm の小サイズ乳剤Aとの3:7混
合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の変動係数は、それ
ぞれ0.08と0.10、各サイズ乳剤とも臭化銀0.
3モル%を粒子表面の一部に局在含有)が調製された。
この乳剤には下記に示す青感性増感色素A、Bが銀1モ
ル当たり大サイズ乳剤Aに対しては、それぞれ2.0×
10-4、また小サイズ乳剤Aに対しては、それぞれ2.
5×10-4モル添加されている。また、この乳剤の化学
熟成は硫黄増感と金増感剤が添加して行なわれた。前記
の乳化分散物Aとこの塩臭化銀乳剤Aとを混合溶解し、
後述の組成となるように第一層塗布液を調製した。
【0068】第五層塗布液調製 シアンカプラー(ExC)33.0g、紫外線吸収剤
(UV−2)18.0g、色像安定剤(Cpd−1)3
0.0g、色像安定剤(Cpd−9)15.0g、色像
安定剤(Cpd−10)15.0g、色像安定剤(Cp
d−11)1.0g、色像安定剤(Cpd−8)1.0
g、色像安定剤(Cpd−6)1.0g、溶媒(Sol
v−6)22.0g、溶媒(Solv−1)1.0gに
酢酸エチル60.0ccを加えて溶解し、この溶液をドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム8ccを含む20%ゼ
ラチン水溶液500ccに添加した後、超音波ホモジナイ
ザーにて乳化分散させて乳化分散物Cを調整した。一
方、塩臭化銀乳剤C(立方体、平均粒子サイズ0.50
μm の大サイズ乳剤Cと0.41μm の小サイズ乳剤C
との1:4混合物(Agモル比)。粒子サイズ分布の変
動係数はそれぞれ0.09と0.11、各サイズ乳剤と
もAgBr0.8モル%を粒子表面の一部に局在含有さ
せた)が調整された。この乳剤Cには赤感性増感色素E
が銀1モル当たり大サイズ乳剤Cに対しては0.9×1
-4モル、また小サイズ乳剤Cに対しては1.1×10
-4モル添加されている。さらに化合物Fがハロゲン化銀
1モル当たり2.6×10-3モル添加されている。また
この乳剤Cの化学熟成は硫黄増感剤と金増感剤が添加し
て行なわれた。前記の乳化分散物とこの赤感性塩臭化銀
乳剤Cとを混合溶解し、以下に示す組成となるように第
五層塗布液を調整した。
【0069】第二層から第四層及び第六層、第七層用の
塗布液も第一層塗布液と同様の方法で調製した。各層の
ゼラチン硬化剤としては、1−オキシ−3,5−ジクロ
ロ−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。また、各層
にCpd−14とCpd−15をそれぞれ全量が25.
0mg/m2と50mg/m2となるように添加した。各感光性
乳剤層の塩臭化銀乳剤に用いた分光増感色素を以下に示
す。
【0070】
【表10】
【0071】
【表11】
【0072】
【表12】
【0073】また、青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感
性乳剤層に対し、1−(5−メチルウレイドフェニル)
−5−メルカプトテトラゾールをそれぞれハロゲン化銀
1モル当たり8.5×10-5モル、7.7×10-4
ル、2.5×10-4モル添加した。また、青感性乳剤層
と緑感性乳剤層に対し、4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデンをそれぞれハロゲ
ン化銀1モル当たり、1×10-4モルと2×10-4モル
添加した。また、イラジエーション防止のために、乳剤
層に下記の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加し
た。
【0074】
【化9】
【0075】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換算
塗布量を表す。
【0076】
【表13】
【0077】
【表14】
【0078】
【表15】
【0079】
【表16】
【0080】
【化10】
【0081】
【化11】
【0082】
【化12】
【0083】
【化13】
【0084】
【化14】
【0085】
【化15】
【0086】
【化16】
【0087】
【化17】
【0088】次に試料201のシアンカプラー(Ex
C)を、実施例1のシアンカプラー(EXC−2)、本
発明のカプラー(1),(4),(9),(21),(25) に等モル量で置
き換えた以外、試料201と同様に試料202〜207
を作成した。これらの試料201〜207に感光計(富
士写真フイルム株式会社製、FWH型、光源の色温度3
200°K)を使用し、塗布銀量の約30%現像される
ようなグレイの露光を与えた。露光の終了した試料を、
ペーパー処理機を用いて、下記処理工程および処理液組
成の液を使用して、連続処理を実施し、ランニング平衡
状態の現像処理状態を作製した。
【0089】
【表17】
【0090】各処理液の組成は以下の通りである。
【0091】
【表18】
【0092】
【表19】
【0093】現像処理後の試料203〜207は、試料
201に比べて、400nmでの副吸収が遙に少なく、
また試料202よりも、色再現性に優れていることが確
認された。また、現像処理後の各試料を富士式濃度測定
器(F.S.D.) にてシアン反射濃度を測定した。又、処理
後、65℃、35%RH下に2ケ月放置した後、再びシ
アン反射濃度を測定し、処理後の濃度1.5からの濃度
差を求めた。本発明の試料203〜207は、いずれも
処理後の発色性に優れ、また、処理後の経時でも濃度低
下が少ないことが確認された。
【0094】
【発明の効果】本発明により、吸収特性に優れ、かつ堅
牢性にも優れた色像を得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】σp 値が0.35以上の電子吸引性基とし
てはシアノ基(σp 値0.66)、ニトロ基(0.7
8)、カルボキシル基(0.45)、弗素置換アルキル
基(例えば、トリフルオロメチル(0.54)、パーフ
ルオロブチル)、脂肪族・芳香族もしくは複素環アシル
基(例えば、アセチル(0.50)、ベンゾイル(0.
43))、ホルミル基(0.42)、脂肪族・芳香族も
しくは複素環スルホニル基(例えば、トリフルオロメタ
ンスルホニル(0.92)、メタンスルホニル(0.7
2)、ベンゼンスルホニル(0.70))、脂肪族・芳
香族もしくは複素環スルフィニル基(例えば、メタンス
ルフィニル(0.49))、カルバモイル基(例えば、
カルバモイル(0.36)、メチルカルバモイル(0.
36)、フェニルカルバモイル、2−クロロ−フェニル
カルバモイル)、脂肪族・芳香族もしくは複素環オキシ
カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(0.4
5)、エトキシカルボニル、ジフェニルメチルカルボニ
ル、フェノキシカルボニル(0.44))、複素環残基
(例えば、ピラゾリル(0.37)、1−テトラゾリル
(0.50))、アゾ基(例えば、フェニルアゾ(0.
39))、アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メタ
ンスルホニルオキシ(0.36))、ホスホリル基(例
えば、ジメトキシホスホリル(0.60)、ジフェニル
ホスホリル)、スルファモイル基(例えばスルファモイ
ル(0.57))、ペンタクロロフェニル基、ペンタフ
ルオロフェニル基(0.41)又はスルホニル基置換芳
香族基(例えば、2,4−ジメタンスルホニルフェニ
ル)などが好ましく挙げられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【表1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【表2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【表3】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正内容】
【0072】
【表12】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】
【化9】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】
【化14】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【表3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】本発明の中間体の合成方法は、公知の方法
によって合成することができる。例えばリサーチ・ディ
スクロージャー16216(1977)、Heterocyclic
Compounds. 13965(1963)、Chem. Ber., 1
01、2117(1968)などに記載の方法、それら
に引用されている文献または類似の方法によって合成す
ることができる。次に具体的に合成例を示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】(リンス液) イオン交換水(カルシウム、マグネシウムは各々3ppm
以下)
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】試料101及び102のカプラーは特開昭
62−291646及び前述のリサーチ・ディスクロー
ジャー誌16216(1977)に記載のカプラーを感
光材料に内蔵させるためにバラスト基を付けたカプラー
であるが、試料101のように本発明の一般式(I)で
のR2 に相当する位置に無置換のフェニル基(σp 値約
0.0)が置換したカプラーより、試料102のように
2 に相当する位置にニトロ基でパラ位が置換されたフ
ェニル基(σp 値 約0.2)で置換されたカプラーの
方が長波化が行なわれていることが判る。しかしなが
ら、長波化とは裏腹に半値幅が大きくなり、ブロード化
していることがわかる。これは、前述のリサーチ・ディ
スクロージャー誌に記載の通りである。しかしながら、
本発明のカプラーはブロード化することなく長波化する
ことができ、更には、ブロード化しないばかりか、より
シャープなスペクトルを与えることができたことは驚く
べきことである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の少なくとも一層に下記一般式
    (I)で表わされるイミダゾトリアゾール系シアンカプ
    ラーを少なくとも1種含有することを特徴とするハロゲ
    ン化銀カラー写真感光材料。一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は、水素原子又は置換基を表わし、R
    2 は、ハメットの置換基定数σP 値が0.35以上の電
    子吸引性基を表わし、Xは水素原子又は芳香族第一級ア
    ミンカラー現像主薬の酸化体とのカップリング反応によ
    り離脱する基を表わす。尚、R1 又はR2 の基が二価の
    基になり、二量体以上の多量体や高分子鎖と結合して単
    重合体若しくは共重合体を形成してもよい。)
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