JPH0522364U - 自力閉止蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱湯を入れて簡易に調理のできる食品用の容
器の蓋を、注湯後にテープや重し等を用いなくても閉止
させることができるようにする。 【構成】 蓋４を、片アート紙で構成された表面素材５
の裏面にポリエチレン（ＰＥ）の押し出しラミネート層
６を介してアルミニウム箔７を積層し、該アルミニウム
箔７の裏面にＰＥラミネート層８を介して一方向収縮フ
ィルム９を積層し、さらに、該一方向収縮フィルム９の
裏面にＰＥラミネート層１０を介して熱接着性樹脂から
なるシーラント１１を積層してなる層構成のものとす
る。そして、上記一方向収縮フィルム９の収縮方向に合
わせて開封用のプルタブを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はカップラーメン等の容器に用いられる自力閉止蓋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、インスタント食品の普及により、紙やプラスチックなどからなるカップ 状もしくはトレー状の容器に食品を収納する包装形態が多用されている。ところ で、この種の容器は、例えばカップラーメン用容器の場合、食品を収納した発泡 スチロール等からなるカップ状の容器本体と、該容器本体の口部に剥離可能に熱 融着され、周縁の一部に開封用のプルタブを有する蓋とからなる構造のものが一 般的である。その場合、蓋は、例えば実開昭５９−１７６５２７号公報や実公昭 ５８−３２９２６号公報に記載されているように、紙もしくは紙とアルミ箔等よ りなる基材の片面にポリエチレンなどの熱溶融性樹脂層を介してシール層を設け た積層構成とされ、該シール層を容器本体側にして熱融着される。そして、この ような容器では、周縁に設けられたプルタブをつまんで蓋を一部開封し、容器本 体内に熱湯を注ぎ入れた後再び蓋を閉じ、その状態で所定時間が経過した後、今 度は蓋を完全に開封して内部の食品を食べるようにする。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の蓋の積層構成では、注湯後蓋を再封した時に、蓋の 基材である紙が熱で水分が蒸発することにより縮み、アルミ箔等が伸びることに より、図４に示すように、蓋１の開封部が表面側にカールしてしまうという問題 があり、そのため、従来は、注湯後に蓋１をテープで容器本体２に貼り付けたり 、あるいは、蓋１の上に重しを載せたりする必要があった。

【０００４】 本考案は上記問題点に鑑みてなされたものであって、熱湯を入れて簡易に調理 することのできる食品用の容器の蓋を、注湯後にテープや重し等を用いなくても 閉止させることができるようにすることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る自力閉止蓋は、表面素材の裏面に熱収縮性フィルムおよびヒート シール接着剤を順次積層したことを特徴とする。

【０００６】 上記熱収縮性フィルムは、一方向にのみ収縮するフィルムとすることができ、 その場合、その収縮方向に合わせて当該蓋の周縁部にプルタブを設けるのがよい 。

【０００７】

【作用】

本考案においては、例えば紙からなる表面素材の裏面に熱収縮性フィルムが積 層されていることによって、容器本体内に注湯した後に蓋を閉じると、該蓋は熱 収縮性フィルムの収縮力によって裏面側（下向き）にカールして、自力で容器本 体の口部に密着し、それによって、開封部が閉止される。

【０００８】 その場合、熱収縮性フィルムを一方向にのみ収縮するフィルムとし、その収縮 する方向に合わせてプルタブを設けるようにすると、開封部がより効果的に閉止 される。

【０００９】

【実施例】

以下、実施例を図面に基づいて説明する。

【００１０】 図１は本考案の一実施例に係る自力閉止蓋の平面図、図２は同実施例に係る自 力閉止蓋の層構成図、図３は同実施例に係る自力閉止蓋を注湯後の状態で示す部 分断面図である。

【００１１】 この実施例において、カップ状の容器本体３の口部に熱融着される蓋４は、上 記口部の形状に合うよう略円形に形成されるとともに、周縁の一部に舌状に突出 するプルタブ４ａを有している。この蓋４は、図２に示すように、坪量７９.１ ｇ／ｍ²の片アート紙で構成された表面素材５の裏面にポリエチレン（ＰＥ）の 押し出しラミネート層６を介してアルミニウム箔７が積層され、該アルミニウム 箔７の裏面にＰＥラミネート層８を介して一方向収縮フィルム（一軸延伸フィル ム）９が積層され、さらに、該一方向収縮フィルム９の裏面にＰＥラミネート層 １０を介して熱接着性樹脂からなるシーラント１１が積層されてなる層構成を有 している。そして、上記一方向収縮フィルム９の収縮方向（図１で矢印で示す方 向）に合わせてプルタブ４ａを設けるよう蓋４が打ち抜かれる。ここで、一方向 収縮フィルム９としては、例えばポリ塩化ビニル製のシュリンクフィルム（例え ばグンゼのファンシーラップ；Ｂタイプ）や、低密度ポリエチレン製のシュリン クフィルム（例えば大日本樹脂のＤＮＳフィルム）等を用いるのが好適であり、 その際、該収縮フィルム９の厚みは２０〜４０μ程度とされる。また、上記シー ラント１１としては容器本体の材質に適応したものが選定され、例えば容器本体 が発泡スチロール製の場合には、イージーピール性の樹脂やホットメルト（ＨＭ ）コーティングが適当である。

【００１２】 上記構成の蓋４は、容器本体内に内容物の食品を入れた後、シーラント１１を 容器本体の口部側にして熱融着される。そして、利用時には、蓋４の周縁に設け られたプルタブ４ａをつまんで該蓋４を一部開封し、容器本体内に熱湯を注ぎ入 れた後蓋４を再封する。このとき、表面素材である片アート紙は水分が蒸発して 収縮するとともに、アルミニウム箔７が伸び、蓋４は表面側（上向き）にカール しようとするが、アルミニウム箔７の裏面側に積層された一方向収縮フィルム９ の収縮力の方が大きいため、蓋４は、図３に示すように、該蓋４の裏面側（下向 き）であって収縮フィルム９の収縮方向（図１の矢印方向）と直角な軸の周りに カールする。それにより、蓋４の開封部が容器本体の口部を閉止する。

【００１３】 なお、上記実施例では一方向収縮フィルムを用いたものについて説明したが、 二方向収縮フィルムを用いてもよく、その場合、蓋はドーム状に収縮する。

【００１４】 また、表面素材としては、上記片アート紙のほか、二軸延伸ポリプロピレン（ ＯＰＰ），合成紙（例えば王子油化合成紙（株）の「ユポ」など），ポリエステ ル（ＰＥＴ），延伸ナイロン（ＯＮ）等を用いることができる。これらの素材は 、上記一方向収縮フィルムの収縮する温度（８０〜１００℃）では収縮しないた め、蓋の裏面側へのカールをスムーズに行わせることができる。

【００１５】 また、上記実施例においては、蓋の層構成を、表面素材／ＰＥ／アルミニウム 箔／ＰＥ／一方向収縮フィルム／ＰＥ／シーラントとしたものを説明したが、ア ルミニウム箔に代えて、ポリ塩化ビニリデン（ＰＶＤＣ）やエチレン−ビニルア ルコール共重合体（ＥＶＯＨ），ポリ塩化ビニリデンコートナイロン（Ｋ−Ｎｙ ）などのフィルムを用いてもよい。また、これらアルミニウム箔等は、バリアー 性を必要とする内容物の場合に必要とされるものであって、バリアー性が必要と されない場合にはこの層は省略することができる。

【００１６】 また、上記蓋の層構成において、ＰＥラミネート層の代わりにドライラミネー ト層を設けるようにできる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は以上のように構成されているので、熱湯を入れて簡易に調理すること のできる例えばカップラーメン用の容器の蓋を、注湯後にテープや重し等を用い なくても閉止させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る自力閉止蓋の平面図

【図２】同実施例に係る自力閉止蓋の層構成図

【図３】同実施例に係る自力閉止蓋を注湯後の状態で示
す部分断面図

【図４】従来のカップ状容器を注湯後の状態で示す斜視
図

【符号の説明】

４ 蓋 ４ａ プルタブ ５ 表面素材 ９ 一方向収縮フィルム １１ シーラント

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面素材の裏面に熱収縮性フィルムおよ
   びヒートシール接着剤を順次積層したことを特徴とする
   自力閉止蓋。
2. 【請求項２】 熱収縮性フィルムが一方向にのみ収縮す
   るフィルムとされ、その収縮方向に合わせて当該蓋の周
   縁部にプルタブが設けられた請求項１記載の自力閉止
   蓋。