JP4124968B2 - 脊髄を安定させる装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本開示は脊髄の疾患の外科手術治療のための移植可能な脊髄安定化システムに関するものであり、より特定すると、脊髄安定化システムの円筒状脊椎ロッドを棘状突起を横断して互いに接続するための装置に関連する。
【0002】
【従来の技術】
脊柱は、神経系の重要な要素を保護する、骨と接続組織との複雑なシステムである。これらの複雑さにもかかわらず、背骨は、広範な運動による高度な湾曲や捻りの能力のある、高度に撓み性のある構造である。外傷や発育不順の結果として、このような範囲の運動を抑制する脊髄の病理を生じる可能性がある。
【0003】
近年、整形外科医は脊髄不整を矯正し、不動化することにより脊髄の外傷を受けた領域の安定性を復原させようと試みてきた。ここ10年にわたり、不動化を達成するべく、脊髄移植システムが開発されてきた。かかるシステムの具体例が米国特許第5,102,412号および第5,181,917号に開示されている。かかるシステムは、長手のロッドのような、不動化されるべき脊柱の該当部の両側に設置される接続構造体を有する脊髄器具を備えていることが多い。かかる接続構造を脊椎茎を通して脊髄層へ、更には椎骨本体内へと区分的に付着するのを容易にするために、スクリューとフックとが広く利用されている。これらの構成要素は、不動化を達成するために、張力と圧縮力との両方について必要な安定性を提供する。
【0004】
1対の脊髄ロッドが棘状突起のいずれかの側で平衡に固定されている場合には、この1対の脊髄ロッドを水平方向に橋渡しするのに少なくとも1つの追加のロッドを用いることにより、組立体が著しく強化され得ることが分かってきた。この型の十字固定器組立体の一具体例が米国特許第5,084,049号に開示されている。上記のような各種装置は、所望の側面方向支持を提供するためのねじ加工を施されたロッドから構成されている。ねじ加工を施されたロッドは、その各端部に配置されたクランプにより、骨髄ロッドの各々に固着されている。しかし、この構成は嵩が高く、装置をこする可能性のある患者の背筋やその他の組織の炎症を引き起こすことがある。骨髄により一層近接して適合する十字固定器組立体は、円筒状骨髄ロッドと同一略平面に在るのが好ましいが、より嵩の高い装置と関連する複雑さを低減する。
【0005】
大半の既存の縦断方向コネクタはロッド、プレート、および、バーから構成されており、これらの部材は、各種機構を組になったねじやナット、またはそれらの組み合わせを用いて接続することにより、縦走方向ロッドに連結されている。このような接続部材は構造体を構築するのに、幾つかの構成要素や器具を必要とする。接続部材を組立てるのに必要な付加的な構成要素または器具が、各々、外科手術処置手順の複雑さを増す一因となっている。複数構成要素から構築される接続部材の具体例が、米国特許第5,312,405号、第5,334,203号、および、第5,498,263号に開示されている。
【0006】
最少数の構成要素部品を利用するとともに、システムの背面水平プロファイルと全体的嵩高さとを低下させる、骨髄安定化システムの骨髄ロッドを互いに縦走方向に接続するための改良型装置を提供することは有益である。
【0007】
【発明の概要】
本開示は、骨髄安定化システムの2つの骨髄ロッドをかかる態様で互いに接続することにより、それらロッドの間に調節可能な低プロファイルの剛性結合を提供するようにした装置を目的としている。本明細書に開示された装置は第1のコネクタを有し、このコネクタがそれと関連する1対の、互いに対向し、互いに間隔を設けた円弧状の係合部材を有して、第1の長手の骨髄ロッドにその長さに沿った位置で係合するようにしている。第1のコネクタは、第1の骨髄ロッドを横断する方向に延びて棘状突起を横切るブリッジを形成する長手の接続ビームを更に有している。
【0008】
この装置は第2のコネクタを有し、このコネクタがそれと関連する1対の、互いに対向し、互いに間隔を設けた円弧状の係合部材を有して、第2の骨髄ロッドに第1のコネクタに隣接する位置で係合するようにしている。第2のコネクタは、第2の骨髄ロッドを横断する方向に突出した受容部を有しているとともに、第1のコネクタの長手のビームを受容するためのチャネルを規定している。この装置は、チャネルに線型に係合すると同時に、チャネルに関して長手のビームの位置を明確に固定するような寸法に設定されると同時に、そのように構成されたロック部材を更に有している。
【0009】
受容部のチャネルは、平坦表面と、1対の互いに対向し、互いに間隔を設けた、直立する側壁を有している基部により輪郭を規定されているのが好ましい。長手のビームは、半円形の縦断面を有し、この時、その下表面が平坦であると同時に、その上表面が円弧状であるのが好ましい。この実施形態では、この装置が取り付けられると、長手のビームの平坦な下表面が受容チャネルの基部の平坦表面と対面式に接触した状態で配置される。ロック部材は、長手のビームの上方円弧状表面を収容するための半円筒状チャネルを備えた下表面を有する下方本体部を有しているのが好ましい。
【0010】
これに加えて、ロック部材は、第2のコネクタの受容チャネル内に第1のコネクタの長手の接続ビームの確実な固定を提供するように設計された機構を有しているのが好ましい。この機構は、受容チャネルの互いに対向し、互いに間隔を設けた直立する側壁に規定された相補型のテーパ状スロットに係合するように構成された、1対の側面方向に対向したテーパ状ウエッジにより、一部が輪郭を規定されている。
【0011】
この機構は、ロック部材の上方本体部の両側面の各々に配置された1対の受容ポートにより、更に輪郭を規定されているのが好ましい。受容ポートは、テーパ状ウエッジの上方で互いに間隔を設けられ、ロック部材の上方本体部の互いに対向する前端と後端とに隣接した各位置に設置されている。ロックタブは、これに対応する、受容チャネルの互いに対向する、互いに間隔を設けた直立する側壁の内部表面から突出している相補型ロックタブを噛み合い式に受容し、係合する。
【0012】
ロック部材のテーパ状ウエッジが長手の接続ビームの軸線に線型に沿って、受容チャネルのスロットに係合しているので、通常は従来型のねじ加工を施された構成要素を締付ける工程の期間中に生じる望ましくない捻り力が骨髄に付与されることが回避される。更に、一般に脊柱が受ける周期的に付与される荷重の下でねじ加工を施された構成要素が緩むことがあるが、ロック部材の固定ロック機構はかかる条件下でも固定状態を維持する。
【0013】
本開示はまた、横断方向骨髄ロッドを縦走方向骨髄ロッドに接続させるための接続部材であって、基部と、基部から第1の方向に延びて縦走方向骨髄ロッドに係合する、1対の互いに間隔を設けた円弧状係合部材と、1対の直立壁とを有し、これら直立壁が第1の方向を横断する方向に延びるとともに、それらの間にチャネルを形成して横断方向骨髄ロッドを受容する、接続部材を目的としている。
【0014】
本開示はまた、横断方向骨髄ロッドを縦走方向骨髄ロッドと接続させるための接続部材であって、基部と、基部から延びて、第1の平面で横断方向骨髄ロッドを受容するためのチャネルを形成している1対の直立壁と、基部から延びて、第1の平面と実質的に同一の平面で縦走方向ロッドと係合する1対の円弧状係合部材とを有している、接続部材を目的としている。
【0015】
第1の長手の骨髄ロッドおよび第2の長手の骨髄ロッドと、骨髄の第1側面および第2側面に第1の骨髄ロッドおよび第2の骨髄ロッド固定させるための少なくとも1つの固定装置と、骨髄ロッドと係合するための第1のコネクタおよび第2のコネクタと、本明細書に記載されているような第2のコネクタに第1のコネクタの接続ビームを固定するためのロック部材とを有している骨髄安定化のためのシステムも、開示されている。
【0016】
本明細書中に開示された装置および当該装置を取り付ける方法の上記特性と、上記以外の特性とは、図面の後述の説明から一層容易に明白となるだろう。
【0017】
開示された装置が関連する技術分野の当業者が当該装置をどのように構築して使用するかについて容易に理解できるようにするためには、添付の図面を参照するのがよいだろう。
【0018】
本明細書中に開示された装置の上記特性と、上記以外の特性とは、図面と関連させて理解されれば、下記の詳細な説明から当業者には一層容易に明白となるだろう。
【0019】
【発明の実施の形態】
同一参照番号が本装置の類似する各構造的要素を指定している図面をここで参照すると、図1には、本開示の好ましい実施形態に従って構成され、かつ、一般に参照番号10と指定された骨髄安定化システムが例示されている。
【0020】
図2および図3と関連づけて図1を参照すると、安定化システム10が、棘状突起16のいずれかの側面に互いに並列に配置された1対の長手の(縦走方向の)骨髄ロッド12および14を有している。骨髄ロッド12および14は従来型の骨髄ロッドであり、生体適合性材料から構成されるとともに、平滑な外側表面仕上げを施した円形断面を有している。骨髄ロッド12および14は、骨髄フック18および骨ねじ20などを有する多様な異なる構造的構成要素により、骨髄の骨に区分的に固定される。骨ねじ20およびフック18の構造が、図11および図12を特に参照しながら、より詳細に後述される。
【0021】
1対の骨髄ロッドが、図2および図3などに例示されているように、骨髄のいずれかの側面で並列に互いに固定された場合には、安定化システムが相当に強化され得るのが分かっている。従って、安定化システム10の骨髄ロッド12および14が、本開示の好ましい実施形態に従って構成され、かつ、一般に参照番号30により指定された、容易に調節可能な低プロファイルのロッド結合装置により、互いに接続されている。
【0022】
図1から図3を連続して参照すると、各ロッド結合装置30が、図4および図5を参照しながら詳細に後述されるロッド係合機構により、骨髄ロッド12および14にそれぞれに独立して係合される第1のロッドコネクタ32および第2のロッドコネクタ34を有している。本開示によれば、第1のロッドコネクタ32および第2のロッドコネクタ34が、詳細に後述される固定機構により互いに横断方向に結合されている。
【0023】
ここで図4および図5を参照すると、本発明のロッド結合装置30の輪郭を規定する構成要素の各々が例示されている。図4を特に参照すると、第1のロッドコネクタ32は、基部46と1対の互いに間隔を設けたアーム48および50とにより規定されるヨーク44を有しており、各アームは基部から垂れ下がり、空隙49をそれらの間に規定している。長手の接続ビーム52が、棘状突起を横断するように、1対の互いに間隔を設けたアーム48および50とは反対の方向に、基部46から延びている。接続ビーム52は、円弧状上表面52aおよび平坦な下表面52bにより規定された半断面形状を有しているのが好ましい。円弧状に成形されたクリップ(図11も参照のこと)の形態を呈する互いに対向して対面する鏡像ロッド係合構造体58および60がアーム48および50からそれぞれに延びて、骨髄安定化処置手順の期間中に、第1のコネクタ32を骨髄ロッド12に堅固にクランプさせる。
【0024】
円弧状ロッド係合構造体すなわちクリップ58および60は各々が、骨髄ロッド12の外径よりもわずかに小さい内径を有している。コネクタ装置30の取り付け期間中に、縦走方向ロッド12が空隙49の中に存在するように、かつ、クリップ58および60がロッド12の両側に在るように、ロッドコネクタ32がまず最初に位置決めされる。次いで、コネクタ32が骨髄ロッド12と相対的に回転させられて(図4Aを参照のこと)、垂れアーム48および50の偏向を引き起こし、或いは、円弧状ロッド係合クリップ58および60の末広がりを生じ、これにより、コネクタ32の骨髄ロッド12へのクランプを容易にする
【0025】
図5を参照すると、基部66と1対の互いに間隔を設けたアーム68および70とにより規定されたヨーク64を有しているロッド結合装置30の第2のコネクタ34が例示されており、1対のアーム68および70は基部から垂れ下がり、空隙70をそれらの間に規定している。受容部72がヨーク64の基部66から1対の互いに間隔を設けたアーム68および70の方向に直交する方向に突出して、接続ビーム52が骨髄を横切った時には、この接続ビームの自由端を受容する。受容部72が基部76および1対の互いに対向し、互いに間隔を設けた直立する壁78および80により輪郭を規定され、これら直立壁は基部66とアーム68および70との両方を横断して延びているとともに、直立壁の間に線型チャネル82の輪郭を規定する。円弧状に成形されたクリップの形態を採るっている互いに対向して対面する鏡像ロッド係合構造体88および90がアーム68および70の両端からそれぞれに垂れ下がり、外科手術処置手順期間中には、骨髄ロッド14に第2のコネクタ34を堅固にクランプさせる。
【0026】
コネクタ32に関して先に記載したように、第2のコネクタ34の円弧状ロッド係合構造体すなわちクリップ88および90は各々が、骨髄ロッド14の外径よりもわずかに小さい内径を有している。取り付け期間中は、骨髄ロッド14と相対的にコネクタ34が回転することにより、垂れアーム68および70が偏向し、かつ、円弧状ロッド係合クリップ88および90が直径方向に拡張または末広がりし、これはコネクタ34が骨髄ロッド14にクランプするのを容易にする。
【0027】
引き続き図5を参照すると、ロッド結合装置30が、下部112および上部114を有するロック部材100を更に有している。下部112が、内方向に角度付けした傾斜するロック表面を採用した構造体により規定される1対の側面方向に互いに対向するテーパ状ウエッジ116および118を有している。テーパ状のウエッジ116および118は、直立壁78および80(図11を参照のこと)に規定された、ウエッジに対応する形状にされたスロット126および128に線型に係合するような寸法および構成にされている。ロック部材100の下部112の縦走方向軸線に沿って延びて、接続ビーム52が棘状突起を横切った時に、この接続ビームの円弧状上表面52aを収容するための半円筒状チャネル120を下部112が更に有し、下部112は第2のコネクタ34の受容部72により受容される。このような時、接続ビーム52の平坦な下表面52bが受容部72の基部76の平坦表面と対面接触状態になる。
【0028】
図11と関連して図5を続けて参照すると、ロック部材100の上部114が、側面方向に対向する、対を成した保持部132および134と136および138とから成る一過性固定(ロック)機構を更に有している。側面方向に対向する保持部132および136はロック部材100の前端に隣接して配置されるが、側面方向に対向する保持部134および138はロック部材100の後端に隣接して配置されている。対を成す保持部が、それらに対応する、保持部72の互いに対向する直立側壁78および80から線型チャネル82内に突出する対を成す係合タブ142および144と146および148とを受容するような、かつ、それらを堅固に保持するような寸法および構成にされている。この一過性ロック機構は、テーパ状ウエッジ116および118とスロット126および128との全面的嵌合時にロック部材18が十分にロックされるまで、このロック部材を適所に維持する。
【0029】
椎骨に脊髄ロッド12および14接続するためのフックおよびねじに目を向けて、図10をまず参照すると、一般に参照番号20と指定された骨ねじが例示されている。骨ねじ20が、ねじを棘状突起に固着させるための下方のねじ加工部220と、下方のねじ加工部220の周囲から半径方向外向きに先細る平滑な外表面を有している中間シャンク部222と、上方本体部224とを有している。骨ねじ20のねじ加工部220には、椎骨に関して縦走方向ロッド12および14を固定させるように骨を容易に貫通するように、かつ、骨に堅固に係合するように設計された螺旋状ねじが設けられている。骨ねじ20の上方本体部224は、基部226と1対の互いに対向する直立する側壁228および230とにより輪郭を規定されており、直立する側壁はそれらの間に線型チャネル282を規定している。半円筒状チャネル232が本体部224の基部226に形成されて、本体部224により受容される長手の骨髄ロッド12および14の下部を収容する。
【0030】
図10を引き続き参照すると、骨ねじ20にはロック部材100が設けられており、これは、図5を参照しながら前述したように、1対の側面方向に互いに対向するテーパ状ウエッジ116および118を有しており、これらウエッジは、本体部224の直立側壁228および230(図12参照)に規定された、ウエッジに対応した形状のスロット236および238に線型に係合するような構成にされる。図5に関して先に説明されたように、ロック部材100の上部114が側面方向に互いに対向する、互いに間隔を設けた対を成す保持部132および134と136および138とから成る一過性固定機構を有しており、これら保持部は、互いに対向する直立側壁228および230(図12を参照のこと)から線型チャネル282内に突出する、保持部と対応する互いに間隔を設けた対を成す係合タブ242および244と246および248とを受容するように、かつ、それらを堅固に保持するように寸法設定され、構成されている。前述のように、ロック部材100の下部112は、その縦走方向軸線に沿って延びる半円筒状チャネル120を有している。骨ねじ20と関連して使用されると、チャネル120は、骨ねじ20が関連する骨髄ロッドの上部を収容する。従って、同一のロック部材構成を使用して骨髄ロッド12および14に骨ねじおよびコネクタを固定させることができるのが好ましいことを、正当に評価することができる。
【0031】
図1を参照しながら先に論じたように、接続装置30および骨ねじ20に加えて、安定化システム10が、骨ねじ20に関して棘状突起のそれぞれに異なる領域に骨髄ロッド12および14を区分的に付着させるのを容易にするフック18も有している。骨髄は異なる幾何学的層形状を特性としているので、上向きに角度を付けたフック、下向きに角度を付けたフック、棘状フック、ニュートラルなフックなどを具体例とする多様な異なる形状の骨髄フックが利用できる。
【0032】
図1に例示されている骨髄フック18は、層状フックとして構成され、ロック部材100が設けられている。骨髄ロッドにフックを固定させるためのロック部材は、骨ねじ20のための上述のロック部材と同一である。ロック部材100は、コネクタ装置30および骨ねじ20におけるのと同じ態様で、層状フックの上本体に形成された対応する線型チャネルに線型に係合して、フックをフックが関連する骨髄ロッドに固定させる。(フックの上方本体部は、骨ねじ20の上方本体部224と同一であり、それゆえ、詳細には例示されていない。)本応用例によれば、ロック部材100は上向きに角度を付けたフック、下向きに角度を付けたフック、ニュートラルなフック、および、骨髄に固定するためのこれら以外の構成と共に採用され得る。従って、先に留意したように、ここに開示され、図1から図3に例示された骨髄安定化システムの各構成要素は、同一形状に成形したロック部材を利用するのが好ましい。また、ロック部材のテーパ状ウエッジが線型係合のための形状に構成されているので、ねじ加工を施した構成要素が通常受ける望ましくない捻り力が、移植期間中に骨髄に付与されることはない。また、ロック部材の線型滑動ロックが均一なロック力を提供し、ねじ加工を施された構成要素と関連する不十分な締付け、或いは、過剰な締付けを回避している。
【0033】
図1は、骨髄フック18に跨るように設置されたコネクタ装置30の一例も例示している。すなわち、ロッド係合クリップ58、88、60、および、90の間の距離が締め具(例えば、フック18および骨ねじ20)の幅/直径を超過しているので、また、基部46および66がロッド係合クリップから十分な距離の間隔を設けているので、クリップ58および88と60および90が図示のように、オプションでフック18の両側に位置決めされ得るように、十分な余裕が設けられる。このことにより、安定化システムの各構成要素により占有される骨髄ロッド12および14に関する縦走方向空間が減じられる。
【0034】
骨髄安定化処置手順の期間中は、互いに平行な骨髄ロッド12および14が棘状突起のいずれかの側に沿って堅固に締付けられると、1個以上の接続装置30を用いて2個の骨髄ロッド12および14を互いに横断方向に結合させることにより、安定化システム10が相当に強化され得る。横断方向のロッドの結合を達成するために、ヨーク44の互いに間隔を設けたアーム48および50を配向させて、骨髄ロッド12がアームの間に規定された空隙49の内部に配置されるようにすることにより、コネクタ装置30の第1のコネクタ32が骨髄ロッド12に付着される。次いで、直径方向拡張により骨髄ロッドの周囲で末広がりになることにより、互いに対向する円弧状係合クリップ58および60が骨髄ロッド12に噛み合い嵌合するような態様で、外科手術器具を利用しながらコネクタ32を骨髄ロッド12と相対的に回転させる。このような時は、コネクタ32の長手の接続ビーム52が骨髄ロッド12から棘状突起を横切って、接続ビーム52の下表面52bにより規定される平面が骨髄ロッド12の長軸線と整列状態となって、装置の低プロファイル構成に貢献するような態様で延在している。言い換えると、接続ビーム52と縦走方向骨髄ロッド12および14とは、接続されると、実質的に同一平面に存在する。
【0035】
それゆえに、第2のコネクタ34は、ヨーク64の互いに間隔を設けたアーム68および70を配向して、骨髄ロッド14がアームの間に規定された空隙内に配置されるようにすることにより、類似する態様で骨髄ロッド14に付着される。次に、直径方向拡張により骨髄ロッドの周囲で末広がりになることにより、互いに対向する円弧状係合クリップ88および90が骨髄ロッド14と噛み合い嵌合するような態様で、好ましくは外科手術器具を利用して、コネクタ34が骨髄ロッド14と相対的に回転させられる。その際、例えば図6に示されたように、受容チャネル82内に長手の接続ビーム52を受容するような態様で、受容部72が骨髄ロッド14から横断方向に突出する。従って、ビーム52が壁78と壁80の間でチャネル82内へと設置されるようにすることができる。
【0036】
このような時には、接続ビーム52および受容チャネル82の相対的位置は、骨髄ロッド12および14の軸線それそれを中心としたコネクタ32および34の回転によるか、或いは、例えば図7に示されたように、所望の長さに切断することによるか、いずれかにより、医者により適切に設定される。次いで、ロック部材100は、例えば図8に示されたように、互いに対向するテーパ状ウエッジ116および118がそれらに対応した形状に構成されたテーパ状のスロット126および128に線型に係合するような態様で、ロック部材100は受容チャネル82に線型に挿入される。テーパ状ウエッジ116および118とテーパ状スロット126および128が、例えば図9に示されたように、十分に係合したような時まで、線型挿入は継続される。その際、接続ビーム52は受容チャネル82内に堅固に締付けられて、骨髄ロッド12と14の間に低プロファイルの安定したブリッジを形成する。図1から図3に例示されるように、装置10を更に安定させるために、付加的な接続装置が据付けられ得る。
【0037】
図1が、3個の接続装置と、4個のフックと、2個の骨ねじとを具体例として備えている骨髄安定化システムを例示しているのを、正当に評価するべきである。安定化システムを構築するのに、より少数の構成要素、または、より多数の構成要素が利用され得ることは明瞭である。
【0038】
図13に例示された代替の実施形態においては、図4の実施形態におけるような一体型横断方向ロッドまたは接続ビーム502を有しているロッドコネクタ装置が提示されている。しかし、このコネクタ500は、1997年5月15日に出願された係属中の特許出願連続番号第08/856,916号の図15に例示されたクリップ10Eと同一であるコネクタ504と一緒に使用されるように設計されており、この特許出願の内容は本明細書中に引例として援用されている。図13のこの横断方向コネクタシステムは、接続ビーム502が接続装置の1つから一体的に延在しているので、出願第08/856,916号の図15および図16のシステムよりも少ない個数の構成要素を必要としている。組立てられると、半円形ビーム502は、縦走方向の骨髄ロッド12および14の平面に平行な平面に(かつ、図13で分かるように、それより上方に)存在している。しかしながら、半円形ビーム(ロッド)502は、横断方向円形ロッドを有しているシステムよりも低プロファイルを生じる。コネクタ506はアーム508および510を有し、図1から図9のコネクタ32と同じ態様で縦走方向ロッドにクランプされる。
【0039】
ここに開示された装置は好ましい実施形態に関して説明されてきたが、特許請求の範囲の各請求項により限定されるような本発明の精神および範囲から逸脱せずに、上記実施形態に修正や変更を行うことができることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本開示の好ましい実施形態によって構成されたロッド接続装置を有する脊柱の領域を不動化するための骨髄安定化システムの斜視図。
【図2】 脊柱の背面側に移植された図1の骨髄安定化システムの頂面図。
【図3】 脊柱の背面側に移植された図1の脊髄安定化システムの側部立面図。
【図4】 図1に例示されたロッド接続装置の一部を形成している第1のコネクタの斜視図。
【図4A】 第1のコネクタが回転して骨髄安定化システムの縦走方向ロッドにクランプするのを示した、第1のコネクタの斜視図。
【図5】 図1に例示されたロッド接続装置の一部を形成している第2のコネクタの、それと作動可能に関連するロック部材を伴った斜視図。
【図6から図9】 図1に例示されたロッド接続装置の第1コネクタ構成要素および第2コネクタ構成要素を接続固定するための連続作動工程を例示する図(明瞭にするために、縦走方向ロッドが省かれている)。
【図10】 図1に例示された骨髄安定化システムと一緒に採用され、かつ、図5のコネクタと関連して使用されるようなロック部材を有している本開示の好ましい実施形態に従って構成された骨ねじの斜視図。
【図11】 第2のロッドコネクタ構成要素のロック特性を例示する、図5の線11−11に沿って破断した断面図。
【図12】 骨ねじのロック特性を例示した、図10の線12−12に沿って破断した断面図。
【図13】 2個の縦走方向ロッドを接続する接続装置の代替の実施形態の斜視図。

Claims (31)

  1. 互いに間隔を設けた骨髄ロッドを互いに接続させる装置であって、
    (a)第1の骨髄ロッドに係合するように構成され、第1の骨髄ロッドを横断する方向に延在する長手の接続ビームを含む結合体を有している第1のコネクタと、
    (b)前記結合体が、第2の骨髄ロッドを横断する方向に突出するとともに第1のコネクタの長手の接続ビームを受容するための直線状チャネルを構成する受容部を有しており、この受容部を含み、第2の骨髄ロッドに係合するように構成されている第2のコネクタと、
    (c)直線状チャネルに係合するように、かつ、第2のコネクタに関して接続ビームの位置を固定するように寸法設定され且つ構成されたロック部材とを有している装置。
  2. 前記第1のコネクタが、前記第1の骨髄ロッドに係合するように構成された1対の互いに対向する、互いに間隔を設けた円弧状係合部材を有し、前記第2のコネクタが、前記第2の骨髄ロッドに係合するように構成された1対の互いに対向する、互いに間隔を設けた円弧状係合部材を有している、請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1のコネクタが、1対の互いに対向する、互いに間隔を設けたアームを有しているヨーク部を規定し、互いに間隔を設けたアームの各々が、それぞれと関連する円弧状係合部材を有している、請求項2に記載の装置。
  4. 前記第2のコネクタが、1対の互いに対抗する、互いに間隔を設けたアームを有しているヨーク部を規定し、互いに間隔を設けたアームの各々が、それぞれの関連する円弧状係合部材を有している、請求項2に記載の装置。
  5. 前記直線状チャネルが、平坦表面を有している基部と1対の互いに対向する、互いに間隔を設けた直立する壁とにより規定されている、請求項1に記載の装置。
  6. 前記長手の接続ビームが半円形の横断方向断面を有し、その下表面が平坦であるとともに、その上表面が湾曲している、請求項5に記載の装置。
  7. 前記長手の接続ビームの前記平坦な下表面が、前記直線状チャネルの前記基部の前記平坦な表面に接触するように構成されている、請求項6に記載の装置。
  8. 前記ロック部材が、半円筒状のチャネルを有して、前記長手の接続ビームの前記上表面を収容するための下表面を有している、請求項6に記載の装置。
  9. 前記ロック部材が、互いに対向する前端および後端と、互いに対向する側面と、側面の各々に配置された1対の保持部とを有している上方本体部を有し、各側面の保持部が上方本体部の前端および後端に隣接する位置で互いから間隔を設けられている、請求項5に記載の装置。
  10. 前記チャネルの前記互いに対向する、互いに間隔を設けた直立する壁が各々、前記ロック部材の1対の互いに間隔を設けた保持部に係合させるための、保持部に対応する1対の互いに間隔を設けたロックタブを備えた内部表面を有している、請求項9に記載の装置。
  11. 前記ロック部材が、1対の側面方向に互いに対向するテーパ状ウエッジを規定する下方本体部を有している、請求項5に記載の装置。
  12. 前記チャネルの前記互いに対向する、互いに間隔を設けた直立する壁が各々、1対のテーパ状スロットを有して、1対の互いに対向するテーパ状ウエッジを受容し、かつ、それらに係合する内部表面を有している、請求項11に記載の装置。
  13. 前記第2のコネクタは、基部と、基部から第2の骨髄ロッドを横断する方向に延びて第2の骨髄ロッドに係合する1対の互いに間隔を設けた円弧状の係合部材と、第1の方向に横断する方向に延びるとともに、前記接続ビームをその間に受け入れるチャネルを形成する1対の直立壁とを有している、請求項1に記載の装置
  14. 前記チャネルが、ロック部材を直線状に受容して、チャネル内で横断方向骨髄ロッドを固定させるように構成されている、請求項13に記載の装置
  15. 前記チャネルが、平坦表面を有して、前記接続ビームの下方平坦表面を受容する基部を有している、請求項14に記載の装置
  16. 前記チャネルの前記直立壁が、前記ロック部材の1対の互いに間隔を設けた保持部に係合させるための、保持部に対応する、1対の互いに間隔を設けたロックタブを備えた内部表面を有している、請求項14に記載の装置
  17. 前記チャネルの前記互いに対向する、互いに間隔を設けた直立する壁が各々、前記1対の側面方向に互いに対向するテーパ状ウエッジに係合させるための1対のテーパ状スロットを備えた内部表面を有している、請求項16に記載の装置
  18. 前記第2のコネクタは、基部と、基部から延びて、第1の平面で前記接続ビームを受容するようにチャネルを形成した1対の直立壁と、基部から延びて、第1平面と実質的に同一平面で第2の骨髄ロッドに係合する1対の円弧状係合部材とを有している、請求項1に記載の装置。
  19. 前記チャネルの前記基部の前記底部表面が平坦であるとともに、前記接続ビームの平坦下方表面に接触するように構成されている、請求項18に記載の装置
  20. 前記チャネルが、前記チャネル内で前記接続ビームを保持するためにロック部材を直線状に受容するように構成された、請求項18に記載の装置
  21. 前記チャネルの前記直立壁が各々、前記ロック部材の1対の互いに対応する、互いに間隔を設けた保持部に係合するための1対の互いに間隔を設けたロックタブを備えた内部表面を有している、請求項20に記載の装置
  22. 前記チャネルの前記互いに対向する、互いに間隔を設けた直立壁が各々、1対の側面方向に対向するテーパ状ウエッジに係合するための1対のテーパ状スロットを備えた内部表面を有している、請求項21に記載の装置
  23. 前記円弧状係合部材が、互いの対向して対面する鏡像である、請求項18に記載の装置
  24. 前記第1の骨髄ロッド及び/又は前記第2の骨髄ロッドが少なくとも1個の締め具により骨髄に接続され、前記第1のコネクタ及び/又は前記第2のコネクタが、前記第1の骨髄ロッド及び/又は前記第2の骨髄ロッドに係合するように構成された第1および第2の互いに間隔を設けた係合部材を有し、係合部材の第1の係合アームと第2の係合アームとの間に締め具が位置決めされるように、各係合部材が締め具の幅よりも大きい第1の距離の間隔を互いに設けている、請求項1に記載の装置
  25. 前記第1のコネクタから一体的に延びる長手の接続ビームを更に有している、請求項24に記載の装置
  26. 骨髄安定化のためのシステムであって、
    (a)第1の長手の骨髄ロッドと、
    (b)第2の長手の骨髄ロッドと、
    (c)第1の長手の骨髄ロッドを棘状突起の第1側面に固定するための、少なくとも1つの締付け装置と、
    (d)第1の骨髄ロッドに対して間隔を設けた関係で、第2の長手の骨髄ロッドを棘状突起の第2側面に固定するための、少なくとも1つの締付け装置と、
    (e)第1の骨髄ロッドにロッドの長さに沿った位置で係合するように構成され、第1の骨髄ロッドを横断する方向に延びる軸線を有している長手の接続ビームを有している第1のコネクタと、
    (f)第1のコネクタに隣接する位置で第2の骨髄ロッドに係合するように構成され、第2の骨髄ロッドを横断する方向に突出するとともに、直線状チャネルを規定して第1のコネクタの長手の接続ビームを受容する受容部を有している第2のコネクタと、
    (g)接続ビームの軸線に沿ってチャネルに直線状に係合するように、かつ、第2のコネクタに関して接続ビームの縦走方向位置を固定して、第1の骨髄ロッドと第2の骨髄ロッドを互いに横断方向に接続するように寸法設定され、そのように構成されたロック部材とを有している、システム。
  27. 前記第1の締め付け装置と前記第2の締め付け装置とが、フックとねじとから成るグループから選択されている、請求項26に記載のシステム。
  28. 前記フックおよびねじが各々、骨髄ロッドを収容するための直線状受容チャネルを有しており、フックおよびねじが、それぞれと関連する骨髄ロッドの長軸線に沿ってフックおよびねじの受容チャネルに直線状に係合するそれぞれのロック部材により、骨髄ロッドに固定される、請求項27に記載のシステム。
  29. 前記第1のコネクタが、前記第1の骨髄ロッドに係合するように構成された1対の互いに対向する、互いに間隔を設けた円弧状係合部材を有し、前記第2のコネクタが、前記第2の骨髄ロッドに係合するように構成された1対の互いに対向する、互いに間隔を設けた円弧状係合部材を有している、請求項26に記載のシステム。
  30. 前記第1のコネクタが、1対の互いに対向する、互いに間隔を設けたアームを有しているヨーク部を規定し、互いに間隔を設けたアームの各々が、それぞれと関連する円弧状の係合部材を有している、請求項29に記載のシステム。
  31. 前記第2のコネクタが、1対の互いに対抗する、互いに間隔を設けたアームを有しているヨーク部を規定し、互いに間隔を設けたアームの各々が、それぞれの関連する円弧状の係合部材を有している、請求項29に記載のシステム。
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