JP4540757B2 - 脊柱固定システム - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全体として、脊柱の植え込み装置、特に、脊柱の長さに沿った各種の位置にて接続し得る形状とされた脊柱ロッドを使用する脊柱の植え込み装置に関する。より具体的には、本発明は、脊柱の脊椎に直接、係合する植え込み装置の脊椎固定要素を支持すべく脊柱ロッド間を亙る装置に関する。本発明は、脊柱を前方で固定する方法（ａｎｔｅｒｉｏｒ ｆｉｘａｔｉｏｎ）及び装置に特に有用である。
【０００２】
【従来の技術】
脊柱の骨折は、胸腰椎の接続部にて生じることが多い。これら骨折の殆どは、後方に突き出た骨の破片が脊髄又は尾部分の損傷を生じさせるため、特に危険な破裂骨折（ｂｕｒｓｔ ｆｒａｃｔｕｒｅ）である。後方固定法（ｐｏｓｔｅｒｉｏｒ ｆｉｘａｔｉｏｎ）は、以前からこの種の外傷による脊柱の損傷の主たる修復方法であった。
【０００３】
破裂骨折に対する後方内部固定法の開発は、それ以前の床上安静、及び身体ギプス法に優る一つの著しい改良であった。しかしながら、かかる方法の幾つかの不利益な点が認識されていた。例えば、この方法は、脊柱後弯を少なくしたり、或いは、脊柱管を完全に回避することを許容しない。その他の問題点としては、偽関節症（ｐｓｅｕｄｏａｒｔｈｒｏｓｅｓ）、ロッドの係合解除の遅れ、及び整復が不十分なことがある。また、ある種の後方固定法は、その骨折箇所の上下における少なくとも二つの位置にて、特に、胸腰椎の接続部において癒合部分が伸長することを必要とする。また、かかる骨折の場合、全体として、神経が前方から圧縮されるため、この後方固定法は、破裂骨折に採用する場合の効果が少ない。故に、脊柱を前方から圧力を抜き且つ癒合させることが好ましい。こうした問題点が、前方固定法を試みる動機となった。その内容を引用して本明細書の一部に含めた、（１９９２）脊柱固定法（Ｓｐｉｎａｌ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔａｔｉｏｎ）にて、ハワード（Ｈｏｗａｒｄ）・Ｓ・Ａｎ、その他が各種の前方及び後方脊柱固定装置及び方法を記述している。
【０００４】
脊柱の前方内部固定法には、幾つかの有利な点がある。この前方固定法は、骨破片を脊柱管から完全に除去し且つ／又は腫大（ｔｕｍｏｒｓ）を完全に切除することが可能である。また、この方法は、癒合すべき動作部分の数が最小で済ますことが可能である。こうした有利な点にも拘わらず、前方固定法の採用は、現在の装置に伴う複雑さ及びその他の不利益のため普及していない。
【０００５】
脊柱の前方固定法用として幾つかのプレート及びねじのシステムが設計されている。シラキューズ（Ｓｙｒａｃｕｓｅ）Ｉ−プレート（ダネック（Ｄａｎｅｋ）及びシンシズ（Ｓｙｎｔｈｅｓ））は、プレートと組み合わせて、剛性、又は半剛性のねじを使用する。このシステムによれば、骨移植片は偏位（ｄｉｓｔｒａｃｔｉｏｎ）し又は圧縮されない。アクロメッド（Ａｃｒｏｍｅｄ）が販売するＣＡＳＦプレートは、半剛性な状態にて使用し得るように設計されている。この装置も同様に、骨移植片が圧縮し又は偏位することを許容せず、更に、剛性な構造体で使用することは出来ない。台湾、台北のダルマ（Ｄａｒｕｍａ）から販売されているスタフィックス・プレート・システム（Ｓｔａｆｉｘ Ｐｌａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）は、同様の課題を対象とすべく設計された前方胸腰椎プレートである。このプレートは、スロット及び穴を有し、また、ねじを四辺形の形態に配置することが可能である。現在、ダネック及びツェドブリック医師（Ｄｒ．ｚｄｅｂｌｉｃｋ）により、開発中の前方胸腰椎プレート・システムは、椎骨体の前側部に取り付け得るようにしたスロット付きプレートである。このプレートは、二つのねじ及び二本のボルトを使用することにより、偏位及び／又は圧縮を許容する。
【０００６】
前方固定法のための幾つかのモジュラー式脊柱固定システムが開発されている。カネダ（Ｋａｎｅｄａ）の装置は、椎骨体への取り付け箇所から離れたロッド・カプラーを備えるシステムである。これらのロッドは、脊柱ねじ頭部に形成された穴に挿入し、その後にそのねじ頭部を上方及び下方椎骨体に取り付ける。通常、椎骨体の各々には、二つのねじが配置されており、このため、ロッドは二本、必要となる。これらのロッドは、圧縮及び偏位が可能であるようにねじ込まれ、また、その過程の終了時に、接続して、堅固な構造体を形成する。また、テキサス・スコティシス・ライト・ホスピタル・システム（Ｔｅｘａｓ Ｓｃｏｔｔｉｓｈ Ｒｉｔｅ Ｈｏｓｐｉｔａｌ Ｓｙｓｔｅｍ）は、破裂骨折又は腫大の管理のため、前方から使用することの出来るモジュラー式脊柱システムである。この装置は、上方及び下方の椎骨体に二つのねじを有するカネダの装置と略同一の形態とされ、そのねじの各々は、共に接続されるロッドにより接続される。ダンの装置は、腫大、又は胸腰椎の破裂骨折用に採用される前方脊柱固定法におけるもう一つの装置である。この装置は、カネダの装置と同様に、椎骨体ステープルと、椎骨体内に配置されるねじと、上方及び下方の椎骨体を接続して、堅固な構造体を形成する二本のねじ付きロッドとを備えている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
これらのシステムは、満足し得ないことが確認されている。シラキューズ・Ｉ−プレート及びカスプ・プレート（Ｃａｓｐ ｐｌａｔｅ）のような、こうした装置の多くは、癒合する場合に骨移植片が偏位し又は圧縮することを許容し得ない。かかる固定システムは、脊椎後弯症のような特定の異常を矯正するために使用することは出来ない。偏位及び／又は圧縮を許容するシステムは、非常に複雑であり、また、多数のねじ及びナットの使用を必要とすることが多い。ある装置において突き出た骨ねじ及びロッドは、血管を損傷させる虞れが大である。ねじの脱落といった金具の不具合は、偽関節症を含む問題点の原因となる。ある種のシステムは、堅固な構造体で使用することが出来ないため、更に制約が課される。
【０００８】
故に、システムを植え込むのに必要な時間を短縮すると共に、血管を傷つける危険性と患者の周囲の柔らかい組織に対する炎症の問題点を軽減するため、別個に植え込まれる構成要素の数が最小であり、しかも、高さが低い流線型のシステムを提供することが望まれる。
【０００９】
ねじの脱落といった機構的な不具合を防止する機構を提供することにより、前方固定法に伴う危険性を少なくする、脊柱前方固定法用の装置が課題とされている。
【００１０】
脊柱ロッドと脊柱の多数の段又は部分との間に横方向の継手を容易に提供し得るようにした脊柱固定システムを提供し得るならば望ましいことである。かかる固定システムは、損傷した脊椎を恒久的に固定し、即ち、動かないようにするため、骨移植の為に利用可能な脊椎領域を妨げることなく、この脊柱部分同士を相互に接続することを可能にすべきである。
【００１１】
また、複雑な方法、及び器具を必要とせずに、脊椎間の距離を変化させること、即ち、圧縮及び偏位を許容し、しかも高さが低い流線型のシステムも課題とされている。
【００１２】
現在、こうした特徴を単一の装置にて実現するシステムは皆無である。本発明は、こうした課題を対象とするものであり、従来技術の脊柱問題システムでこれまで得られなかったその他の利点を提供するものである。
【００１３】
【課題を達成するための手段】
本発明によれば、矢状面に沿って患者の脊椎に隣接する位置に設けられた一対の長手方向部材間を亙る装置が提供される。この組立体は、接続具に形成されたスロット内のクランプ止め面を介して、長手方向部材に係合可能な多数の接続具を備えている。これらの接続具の各々は、骨ボルトが係合する貫通穴を画成する一方、該骨ボルトは、椎骨体に係合する。定着具がその骨ボルトを接続具にクランプ止めする。また、この組立体は、脊椎に係合し得る形態とされた接続具から突き出た固定スパイクを多数、備えている。
【００１４】
本発明の特定の実施例において、ナットを締め付けたとき、ボルトが接続具及び脊椎に関して回転しないようにする形態とされた係止機構が提供される。この係止機構は、接続具の下面と骨ボルトのかみ合い面に設けられた半径方向スプラインを有している。もう一つの実施例において、この脊柱固定システムは、圧縮又は偏位のため脊椎間の距離を変化させることを許容するため動的、即ち可動のロッド接続具と、固定のロッド接続具とを備えている。
【００１５】
本発明の一つの目的は、患者の脊椎に隣接する位置に植え込んだ長手方向部材を横方向に接続するために使用する装置を提供することである。
【００１６】
本発明のもう一つの目的は、胸腰椎の破裂骨折、及び腫大（ｔｕｍｏｒｓ）を便宜に管理し且つ前方荷重を支承し、更に、圧縮及び偏位を許容する装置を提供することである。
【００１７】
本発明の一つの利点は、脊椎の固定要素を脊柱ロッドに接続する手段と、脊柱ロッドを共に側方向又は横方向に接続する手段とを組み合わせることである。もう一つの利点は、本発明は、脊椎と脊柱ロッドとを接続するため多数の個々の構成要素を採用する従来の脊柱ロッドの構造体と比較して、高さが低く、よりコンパクトな構造体を提供する点である。
【００１８】
本発明により具体化される更にもう一つの利点は、脊柱ロッドに関する脊椎固定要素の方向を大幅に変更することを許容する一方で、脊柱ロッドの部分を結合し又は接続させ得る点である。
【００１９】
本発明のもう一つの有利な点は、ボルトが脊椎に係合した後に、頂部から荷重を加え、又はボルトの上方に植え込むことの出来る固定組立体を提供する点である。
【００２０】
【発明の実施の形態】
本発明のその他の目的及び更なる利点は、以下の詳細な説明、及び添付図面から当業者に明らかになるであろう。
【００２１】
本発明の原理の理解を促進する目的のため、図面に図示した実施例に関して、特別な用語を使用して説明する。しかしながら、これにより本発明の範囲を何ら限定することを意図するものではなく、図示した装置の変更及び更なる応用例、及び本明細書に記載した本発明の原理の更なる適用例は、本発明が関係する技術分野の当業者により、通常、案出されるものであることを理解すべきである。
【００２２】
本発明は、脊髄管が著しく損傷した胸腰椎の破裂骨折、椎骨体の腫大、感染に起因する傷害、脊椎すべり症、板の老化、及び椎弓切除後の不安定さを対象とする、脊柱前方内部固定法に効果的である。
【００２３】
本発明は、最小の構成要素で済み、しかも、前方荷重の支承及び圧縮又は偏位を許容する、頂部から荷重が加えられる、高さが低い、脊柱前方固定システムを提供することである。本発明の独創的な構造により、二つのボルト、二本のロッド及び二つのロッド接続具だけで脊柱の固定及び圧縮、又は偏位が可能となる。
【００２４】
本発明の好適な実施例による脊柱固定システム１０が図１に示してある。該固定システム１０は、貫通穴１６を画成し、下方骨係合面２０及び上面２３を有する横方向接続具１５を備えている。該横方向接続具１５は、該横方向接続具１５に形成されたスロット２１内の面２２をクランプ止めすることにより、多数の長手方向部材１１に係合する。これらの長手方向部材１１は、脊柱固定ロッドであることが好ましい。一つの実施例において、これらの長手方向部材１１は、ショット・ピーニング処理した平滑なロッドである。
【００２５】
図１、図２及び図３を参照すると、接続具１５の下面２０には、多数の固定スパイク１７が固定状態で取り付けられている。接続具１５の下面２０は、これらの固定スパイク１７の内面１９と組み合わさって脊椎の一側部の周りにきちっと嵌まり得る形態にしてある。もう一つの適用例において、固定スパイク１７は、脊椎内に僅かに埋め込むことが出来る。かかるスパイク１７の各々の端部は、その外面２４をべベル面としてあり、このため、固定スパイク１７の各々の端部が、楔形の形状部分１８となるが、このことは、接続具１５を脊椎の上方の適所に固定し且つ保持するのに有効である。
【００２６】
固定システム１０を脊椎に取り付けるためボルト３０が使用される。この「ボルト」という語は、標準的な骨ねじを含んで各種の骨定着具の任意のものを意味するものと理解する。本発明は、一つの接続具当たり一つのボルトしか必要としない点で独創的である。従来の装置は、二本のボルトを必要とする。図４には、ボルト３０の一つの実施例が詳細に示してある。該ボルト３０は、その第一の端部３３における脊椎係合部分３１と、その第二の端部３５におけるポスト３２とを備えている。ボルト３０の脊椎係合部分３１は、椎骨体のスポンジ状骨内に固定する海綿状ねじを有する形態とすることが出来る。また、該ボルトは、接続具１５を支持し且つ該接続具をクランプ止めする内側フランジ３６を備えている。一つの実施例において、第二の端部３５は、ねじ込み工具を受け入れ得る形態とされている。この形態は、当該技術分野で周知であるように、内又は外六角形部分を含むことが出来る。
【００２７】
該固定システム１０は、頂部から荷重を加えることが出来る。即ち、ボルト３０が脊椎に係合した後に、ボルト３０の上方に植え込むことが出来る。これは、外科的な開口に必要とされる寸法及び患者の外傷を少なくする点で有利である。また、この頂部から荷重を加えることは、固定システムを植え込む間機械的な利便を与える。従来の手段により、ボルト３０を脊椎に係合させた後、ポスト３２は、接続具１５の貫通穴１６を通じて挿入可能である。各ボルト３０に対して一つの定着具４０が設けられる。該定着具４０は、ボルト３０のポスト３２に係合して、接続具１５をボルト３０に固着し、また、長手方向部材１１を接続具１５のスロット２１内にクランプ止めする。このように、長手方向部材１１及び接続具１５が一本のボルト３０で固着される。好適な実施例におけるように、定着具４０がねじ付きナットである場合、ボルト３０のポスト３２は、ナットにかみ合うねじを含むことが出来る。次に、ナット、又はその他の定着具４０は、ソケット・レンチのような工具を使用して頂部から締め付ける。
【００２８】
接続具１５は、該接続具１５に形成された各貫通穴１６を囲繞する凹所４１を形成することが出来る。該凹所の各々は、高さの低い定着具４０を受け入れ得る形態とすることが出来、このため、ポスト３２に係合したとき、定着具４０は、接続具１５の上面２３の上方に亙って伸長しない。該凹所４１は、定着具４０の円弧状の下面を受け入れ得るように凹状に形成することが出来る。
【００２９】
該脊柱固定システム１０には、定着具又はナット４０をボルト３０に締め付けたとき、ボルト３０が接続具１５及び脊椎に関して回転するのを防止し得る形態とされた係止機構を設けることが可能である。本発明の一つの実施例において、該係止機構は、接続具１５の下面２０（図５）に画成された環状リング４５と、ポスト３２と脊椎係合部分３１との間の位置にて各ボルト３０に固定されたかみ合い面５０とを備えている。接続具１５の下面２０に設けられた環状リング４５は、貫通穴１６の周りで同心状に配置されており、また、該環状リング４５は、半径方向スプライン４６を多数、備えている。図１及び図６を参照すると、該かみ合い面５０は、ボルト３０の周りで同心状に配置され且つ該ボルト３０に固定されており、また、該かみ合い面５０は、接続具１５の下面２０に形成された半径方向スプライン４６と相互にしっかりと係合する対向した半径方向スプライン５１を多数、備えている。該環状リング４５は、代替的に、接続具１５の下面２０に固定された座金とし、又は該下面２０に一体に形成されたリングとすることが可能である。
【００３０】
接続具１５に画成されたスロット２１により提供されるクランプ止め面２２は、多数のスカラップ（ｓｃａｌｌｏｐｓ）状部分（図６）を備えることが出来る。これらのスカラップ状部分は、当該技術分野で周知の方法にて、長手方向部材１１を受け入れ得る形態とされている。例えば、該スカラップ状部分の各々は、該スカラップ状部分内に配置すべき長手方向部材１１の半径よりも僅かに短い半径にて、全体として形成することが出来る。該スカラップ状部分は、長手方向部材１１及び接続具１５が互いに関して移動しないように脊柱ロッドを固定する手段を提供する。しかしながら、接続具１５に形成されるスロット２１は、平滑とし、また、長手方向部材１１を確実に固定するその他の手段を設けることも可能である。
【００３１】
例えば、一つの実施例において、スロット２１は、平滑とし、長手方向部材１１と接続具１５との係合がクランプ止め動作により固着される。ポスト３２の定着具４０を締め付けることにより、接続具１５のスロット２１の幅が狭小となり、その結果、接続具１５は、長手方向部材１１を確実にクランプ止めする。
【００３２】
本発明のもう一つの形態は、椎骨体間の距離を変化させる手段を提供する。本発明によれば、可動の横方向接続具５５（図１）が二つの長手方向部材１１に沿って摺動し、システム１０に取り付けられた椎骨体を圧縮し且つ偏向させる。一又は複数のその他の接続具１５を固定位置にて長手方向部材に係合させることが出来る。かかる圧縮又は偏向後に、接続具５５が定着されたボルト３０を締め付けることにより、可動の接続具５５を固定することが出来る。次に、該ボルト３０に取り付けるナット４０は、ソケット・レンチのような工具を使用して、頂部から締め付けることが出来る。
【００３３】
また、本発明は、第一の椎骨体に第一の穴を穿孔する段階と、第二の椎骨体に第二の穴を穿孔する段階とを含む、スプラインを固定する方法を提供する。骨ボルト３０がこれら第一及び第二の穴の各々に係合される。次に、脊椎は、ロッドのような二つの長手方向部材１１を備える固定システム１０により支持される。第一の接続具１５は、各長手方向部材１１の第一の端部に取り付けられる一方、可動のロッド接続具５５は、長手方向部材１１に摺動可能に係合させる。骨ボルト３０の一つは、第一の接続具１５の貫通穴１６に係合させる。もう一方のボルト３０が可動のロッド接続具５５の貫通穴１６に係合するように、可動のロッド接続具５５が配置される。次に、この可動のロッド接続具５５を長手方向部材１１に沿って摺動させ、第一及び第二の脊椎間の距離を変化させる。次に、各骨ボルト３０のポスト３２をナット４０に係合させて、固定システム１０を脊椎に固着する。骨ボルト３０がナット４０に係合する前に、可動のロッド接続具５５を固定接続具１５に向けた方向に長手方向部材１１に沿って摺動させ、脊椎が圧縮されるようにすることができる。また、この可動の接続具５５は、偏向のため、固定した接続具から離れる方向に摺動させることも可能である。
【００３４】
この脊椎固定システム１０は、医療等級のステンレス鋼、又は同様の高強度の材料で出来たものであることが好ましい。構成要素を通じて伝達される大きい荷重に耐えるのに十分、堅牢である一方、生体適合性がある材料であることを条件として、その他の材料の採用も可能である。具体的には、このシステムは、６Ａ１４Ｖチタニウム、又は３１６ＬＶＭステンレス鋼で製造してもよい。このシステムは、５０．８ｍｍ（２．０インチ）乃至１３９．７ｍｍ（５．５インチ）の範囲であるが、この範囲にのみ限定されない幾つかの異なる方法で提供することが可能である。
【００３５】
上記の説明及び図面にて、本発明を詳細に説明し且つ図示したが、この説明は、単に一例にしか過ぎず、本発明の特徴を限定するものではないと解釈されるべきであり、また、好適な実施例のみを図示し且つ説明したものに過ぎず、本発明の精神に属する全ての変更及び応用例が保護の対象に包含されるものであることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図１】一対の脊椎固定ボルトと、対応するナットとを備え、二本の脊柱ロッドの間を亙る一対の横方向接続具が設けられた、本発明の脊柱固定システムの分解斜視図である。
【図２】一つの実施例による横方向接続具の端面図である。
【図３】脊椎に係合した横方向接続具の側面断面図である。
【図４】図１に示した固定システムと共に使用される、本発明の一つの実施例による骨ボルトの側面図である。
【図５】図１に示した横方向接続具の底面図である。
【図６】図２に示した一つの実施例による骨ボルトの平面図である。
【符号の説明】
１０ 脊柱固定システム １１ 長手方向部材
１５ 横方向接続具 １６ 貫通穴
１７ 固定スパイク １８ 楔形状部分
１９ 固定スパイクの内面 ２０ 横方向接続具の下面
２１ スロット ２２ スロットの面
２３ 横方向接続具の上面 ２４ スパイクの外面
３０ ボルト ３１ 脊椎係合部分
３２ ポスト ３３ ボルトの第一の端部
３５ ボルトの第二の端部 ３６ ボルトの内側フランジ
４０ 定着具／ナット ４１ 凹所
４５ 環状リング ４６、５１ スプライン
５０ かみ合い面 ５５ 可動の横方向接続具

Claims (29)

1. 脊柱固定システムにして、
   複数の長手方向部材と、
   貫通穴を画成する横方向接続具であって、
   骨係合下面と、
   対向する上面とを有し、
   前記部材を受け入れるスロットと、該スロットを囲繞し且つ前記部材に係合し得る形状とした複数のクランプ止め内面とを画成する前記横方向接続具と、
   前記接続具の前記下面から突出する多数のスパイクであって、脊椎に係合し得る形態とされた前記多数のスパイクと、
   ボルトとを備え、該ボルトが、
   第一の端部に設けられた脊椎係合部分と、
   第二の端部に設けられたポストであって、前記接続具の前記貫通穴を通じて挿入可能な前記ポストと、
   前記脊椎係合部分と前記ポストとの間に設けられて、前記接続具を支持する一体のフランジと、
   前記ボルトのポストに係合して、前記接続具を該ボルトに固着する定着具であって、該定着具と前記ボルトの前記フランジとの間にて前記接続具をクランプ止めする前記定着具とを備え、前記貫通穴は一対の長手方向部材間に配置され、前記横方向接続具は単一部品の接続具であることを特徴とする脊柱固定システム。
2. 請求項１に記載の脊柱固定システムにして、前記ボルトのポストにねじが形成され、
   前記定着具がねじ付きナットであることを特徴とする脊柱固定システム。
3. 請求項１に記載の脊柱固定システムにして、前記ボルトの前記第二の端部が、ボルトを脊椎内にねじ込むねじ込み工具を受け入れる形態とされることを特徴とする脊柱固定システム。
4. 請求項３に記載の脊柱固定システムにして、前記第二の端部が、ねじ込み工具を受け入れ得る形態とした外六角形部分を備えることを特徴とする脊柱固定システム。
5. 請求項３に記載の脊柱固定システムにして、前記第二の端部が、ねじ込み工具を受け入れ得る形態とした内六角形部分を備えることを特徴とする脊柱固定システム。
6. 請求項１に記載の脊柱固定システムにして、前記貫通穴が、前記接続具の上面に形成された凹所を有し、前記定着具が、該上面の上方に伸長せずに、該凹所内に受け入れ得る寸法とされることを特徴とする脊柱固定システム。
7. 請求項６に記載の脊柱固定システムにして、前記凹所が凹形であり、前記定着具が、円弧状の下側部を有し、前記凹所が前記定着具を受け入れ得る形状とされることを特徴とする脊柱固定システム。
8. 請求項２に記載の脊柱固定システムにして、前記ねじ付きナットを前記ポストにねじ止めするとき、前記ボルトが前記接続具及び前記脊椎に関して回転しないような形態とされた係止機構を更に備えることを特徴とする脊柱固定システム。
9. 請求項８に記載の脊柱固定システムにして、
   前記係止機構が、
   前記接続具の下面に画成され且つ前記貫通穴の周りに同心状に配置された環状リングであって、多数の半径方向スプラインを画成する前記環状リングと、
   前記フランジに固定され且つ前記ボルトの前記ポストの周りで同心状に配置されたかみ合い面であって、前記接続具の前記下面に設けられた半径方向スプラインと相互にかみ合うべく対向する多数の半径方向スプラインを画成する前記かみ合い面とを備えることを特徴とする脊柱固定システム。
10. 請求項９に記載の脊柱固定システムにして、前記環状リングが、前記接続具の下面に一体に形成されることを特徴とする脊柱固定システム。
11. 請求項９に記載の脊柱固定システムにして、前記環状リングが、前記接続具の下面に固定された座金であることを特徴とする脊柱固定システム。
12. 請求項１に記載の脊柱固定システムにして、前記クランプ止め内面が、前記スロット内に形成した複数のスカラップ状部分により画成され、該スカラップ状部分が、その内部に前記部材を受け入れ且つ該部材と係合し得る形状とされ、該スカラップ状部分が、ナットを前記ボルトのポストに締め付けた後、前記部材の一部を囲繞し且つ該部分をクランプ止めすることを特徴とする脊柱固定システム。
13. 脊柱の固定システムにして、
    その各々が第一の端部と、第二の端部とを有する二本の平行なロッドと、
    下面及び上面を有する固定ロッド接続具であって、貫通穴を画成し且つ前記ロッドの両方の第一の端部に固定された前記固定ロッド接続具と、
    下面及び上面を有する可動のロッド接続具であって、貫通穴を画成し且つ前記ロッドの各々に摺動可能に係合した前記可動のロッド接続具と、
    前記接続具の各々の前記下面から固定状態に突出し、脊椎に係合し得る形状とされた多数のスパイクと、
    各接続具に対する一つのボルトであって、該ボルトの各々が、上記二本のロッド間に配置され、第一の端部に設けた脊椎係合部分と、第二の端部に設けたねじ付きポストとを備え、該ポストが、前記接続具の前記貫通穴を通じて挿入可能である前記ボルトと、前記脊椎係合部分及び前記ポストの間に設けられて、前記接続具を支持する一体のフランジと、
    前記ボルトの各々に対するねじ付きナットであって、該ボルトに係合して、接続具を該ボルトに固着する前記ねじ付きナットとを備えることを特徴とする脊柱固定システム。
14. 請求項１３に記載の脊柱固定システムにして、前記ボルトの前記第二の端部が、前記ボルトを脊椎内にねじ込むねじ込み工具を受け入れる形態とされることを特徴とする脊柱固定システム。
15. 請求項１３に記載の脊柱固定システムにして、前記第二の端部が、ねじ込み工具を受け入れ得る形態とされた外六角形部分を備えることを特徴とする脊柱固定システム。
16. 請求項１３に記載の脊柱固定システムにして、前記第二の端部が、
    ねじ込み工具を受け入れ得る形態とされた内六角形部分を備えることを特徴とする脊柱固定システム。
17. 請求項１３に記載の脊柱固定システムにして、前記貫通穴の各々が、前記接続具の上面に画成された複数の凹所を備え、前記ナットが、前記上面の上方で伸長することなく、一つの凹所内に受け入れられる寸法とされることを特徴とする脊柱固定システム。
18. 請求項１７に記載の脊柱固定システムにして、前記凹所が凹形であり、前記ナットが円弧状下側部を備え、前記凹所が、前記ナットを受け入れ得る形状とされることを特徴とする脊柱固定システム。
19. 請求項１３に記載の脊柱固定システムにして、前記ナットを前記ポストにねじ止めするとき、前記ボルトが、前記接続具及び前記脊椎に関して回転しないような形態とされた係止機構を更に備えることを特徴とする脊柱固定システム。
20. 請求項１９に記載の脊柱固定システムにして、
    前記係止機構が、
    前記接続具の下面に画成され且つ前記貫通穴の周りに同心状に配置された環状リングであって、多数の半径方向スプラインを画成する前記環状リングと、
    前記フランジに固定され且つ前記ボルトの前記ポストの周りで同心状に配置されたかみ合い面であって、前記接続具の前記下面に設けられた半径方向スプラインと相互にかみ合うべく対向する多数の半径方向スプラインを画成する前記かみ合い面を備えることを特徴とする脊柱固定システム。
21. 請求項２０に記載の脊柱固定システムにして、前記環状リングが、前記接続具の下面に一体に形成されることを特徴とする脊柱固定システム。
22. 請求項１０に記載の脊柱固定システムにして、前記環状リングが、前記接続具の下面に固定された座金であることを特徴とする脊柱固定システム。
23. 請求項１３に記載のシステムにして、圧縮が為されるように前記固定接続具に向けた方向に前記可動のロッド接続具を前記ロッドに沿って摺動させることを特徴とするシステム。
24. 請求項１３に記載のシステムにして、偏向が為されるように前記椎骨体から離れる方向に前記可動のロッド接続具を前記ロッドに沿って摺動させることを特徴とするシステム。
25. 患者の脊椎に隣接する位置に配置された一対の長手方向部材の間を亙る横方向固定具組立体にして、
    その各々が、骨係合下面と、上面とを有する多数の接続具であって、その各々が、前記部材の間の距離を亙り且つ該一対の部材に係合可能な形態とされ且つその各々が骨ボルトを係合させる貫通穴を画成する前記多数の接続具と、
    前記接続具の各々の前記下面から突出する多数のスパイクであって、脊椎に係合し得る形態とされた前記多数のスパイクと、
    前記接続具の各々に対する骨ボルトとを備え、
    該骨ボルトが、
    上記一対の長手方向部材間に配置され、
    第一の端部に設けられた脊椎係合部分と、
    第２の端部に設けられたねじ付きポストであって、前記接続具の前記貫通穴を通じて挿入可能な前記ポストと、
    前記脊椎係合部分と前記ポストとの間に設けられて、前記接続具を支持する一体のフランジと、
    前記ボルトの各々に対するねじ付きナットであって、ボルトに係合して接続具をボルトに固着可能な前記ねじ付きナットとを備え、
    前記ねじ付きナットを前記ポストに螺着したとき、前記ボルトが前記接続具及び脊椎に関して回転するのを防止し得るような形態とされた係止機構を備えることを特徴とする横方向固定具組立体。
26. 請求項２５に記載の横方向固定具組立体にして、前記貫通穴の各々が、前記接続具の上面に画成された複数の凹所を備え、
    前記ナットが、前記上面の上方で伸長することなく、一つの凹所内に受け入れられる寸法とされることを特徴とする横方向固定具組立体。
27. 請求項２５に記載の横方向固定具組立体にして、
    前記係止機構が、
    前記接続具の下面に画成され且つ前記貫通穴の周りに同心状に配置された環状リングであって、多数の半径方向スプラインを有する前記環状リングと、
    前記フランジに固定され且つ前記ボルトの前記ポストの周りで同心状に配置されたかみ合い面であって、前記接続具の前記下面に設けられた半径方向スプラインと相互にかみ合うべく対向する多数の半径方向スプラインを画成する前記かみ合い面とを備えることを特徴とする横方向固定具組立体。
28. 請求項２７に記載の横方向固定具組立体にして、前記環状リングが、前記接続具の下面に一体に形成されることを特徴とする横方向固定具組立体。
29. 請求項２７に記載の横方向固定具組立体にして、前記環状リングが、前記接続具の下面に固定された座金であることを特徴とする横方向固定具組立体。

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