JPH0522278B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 この発明は、自動両替機に関する。

従来の自動両替機においては、被両替紙幣を投
入後、投入金額の全額について両替金種設定用の
押ボタンによつて両替希望金種を設定しなければ
ならない。したがつて、投入金額が高額の場合に
は、たとえ両替希望金種が一、二種類程度であつ
ても押ボタンを何回も押して、両替設定ずみ金額
が投入金額に等しくなるまで操作を繰返さなけれ
ばならない。両替希望金種が他種類ある場合には
金種設定操作が一層煩雑になる。したがつて、両
替設定のための時間がかかり両替機の効率が低下
するとともに、顧客にとつて両替設定操作がめん
どうであるという問題があつた。

発明の概要 この発明は、両替設定の操作をより簡単にしそ
のために要する時間の短縮を図ることのできる自
動両替機を提供することを目的とする。

この発明は、あらかじめ両替金種組合わせパタ
ーンが設定されており、両替金種組合わせパター
ンの選択入力に応じて、選択された両替金種組合
わせパターンにしたがう両替金種組合わせの両替
設定が可能な自動両替機において、上記両替金種
組合わせパターンを、複数の両替金種の貨幣の数
量または金額の比率によつて定め、両替金種組合
わせパターンの選択入力があつたときに、被両替
金額を、選択された両替金種組合わせパターン比
率を満たす最小金額で除し、その商と選択された
両替金種組合わせパターン比率とに基づいて、選
択された両替金種組合わせパターンに含まれる両
替金種ごとの数量を算出するものである。

両替する金種の組合わせ（各金種の数量、個数
ないしは枚数も含む）は、両替する顧客たとえば
商店の業種によつてある程度定まつていることが
多い。したがつて、頻度の高い１または複数の両
替金種組合わせパターンをあらかじめ設定してお
いて、これらのパターンをたとえばパターン設定
押ボタン・スイツチにより選択させることが好ま
しい。顧客が投入金額のすべてについて、このよ
うなあらかじめ定められた両替金種組合わせパタ
ーンでの両替を希望する場合には、希望するパタ
ーンを一度入力するだけですなわち押ボタンを一
度押すだけですべての両替設定操作が終了する。
また、投入金額の一部については従来のやり方で
両替設定したのちに、残り金額の全部を所要の組
合わせパターンで両替したい場合にも、上記一部
の両替設定後に組合わせパターンのいずれか所望
のものを選択するだけでよい。したがつて、両替
設定操作がきわめて簡単となり、両替設定時間の
短縮を図ることができる。

両替金種組合わせパターンをあらかじめ定めて
おく代わりにまたはそれに加えて、顧客自身が組
合わせパターンをつくるようにしてもよい。

また、この発明によると、両替金種組合わせパ
ターンを、複数の両替金種の貨幣の数量または金
額の比率によつて定めている。比率は金種当り１
桁または大きくても２桁の数字で表現できるので
両替金種組合わせパターンを記憶するメモリの容
量が小さくてすむ。

さらにこの発明によると、両替金種組合わせパ
ターンの選択入力があつたときに、被両替金額
を、選択された両替金種組合わせパターン比率を
満たす最小金額で除し、その商と選択された両替
金種組合わせパターン比率とに基づいて、選択さ
れた両替金種組合わせパターンに含まれる両替金
種ごとの数量を算出して両替設定を行つている。

したがつて、被両替金額は選択された両替金種
組合わせパターン比率を満たす最小金額以上であ
れば任意の金額でよく、被両替金額の制限に原則
的に上限が無いのでパターン両替の自由度が高
く、顧客にとつて便利性が高い。

被両替金額を両替組合わせパターン比率によつ
て余りなしに分割できない場合には、余りの金額
を、両替貨幣数量が最小となる組合わせで両替設
定するとか、適当な金種に振分けてしまつてもよ
いし、顧客に設定させるようにしてもよい。

実施例の説明 第１図は自動両替機の外観を示している。自動
両替機の前面のほぼ垂直に立上つた操作面には、
操作パネル１、両替可能であることを示す取扱い
表示器５、取消し用照光式押ボタン・スイツチ６
および呼出し用照光式押ボタン・スイツチ７が設
けられている。ほぼ水平な操作面には、紙幣の入
出口２、筒硬貨取出口３、バラ硬貨取出口４およ
び硬貨台８が設けられている。また係員キー９も
備えられている。必要ならば、カード挿入口１
１、両替操作手順を音声で案内するスピーカ１２
および顧客検知センサ１３などを設けることが好
ましい。

第２図は操作パネル１を示している。操作パネ
ル１には、顧客による両替操作手順を文章で記載
した案内部（第２図には示されていない）、表示
器群および押ボタン・スイツチ（以下単に押ボタ
ンという）群が設けられている。表示器として
は、紙幣入出口２に投入された被両替紙幣の総額
を表示する預り金額表示器３１、投入総額から両
替設定ずみの金額を減算して得られる残り金額の
表示器３２、両替設定ずみの各金種ごとの金額を
表示するための金種別設定金額表示器３３があ
る。押ボタンには、両替金種設定用の押ボタン３
４と両替金種パターン設定用の押ボタン３５とフ
アンクシヨン押ボタンとがある。フアンクシヨン
押ボタンには、残り金額を千円札（必要ならば
500円札）で両替設定するための残金紙幣押ボタ
ン３７および訂正押ボタン３８がある。

金種には、５千円札、千円札、500円札、500円
硬貨、100円硬貨、50円硬貨および10円硬貨があ
る。紙幣に対しては、金種設定押ボタンによつて
１枚、５枚、10枚、50枚などを１単位として設定
できる。硬貨には、バラ硬貨と筒硬貨とがあり、
押ボタンによつてそれぞれ１枚、10枚および１
本、２本、４本、10本などを１単位として設定す
ることができる。第２図において、各押ボタンの
左肩の三角印は筒硬貨を表わしており、左右両肩
の三角印はバラ硬貨を表わしている。

両替金種パターン設定用押ボタン３５によつて
この実施例では５種類のパターンのうちのいずれ
かを選択することができる。これらのパターン
は、５千円札、千円札、500円札（500円硬貨でも
よい）、100円硬貨、50円硬貨および10円硬貨の個
数（枚数）の比率を定めるものである。これらの
パターンとしては、頻度の多いものがあらかじめ
定められている。操作パネル１の押ボタンはすべ
て照光式のものである。

第３図は、自動両替機の電気的な構成を示して
いる。自動両替機はCPU４０によつて制御され
る。CPU４０は、そのプログラムを記憶するメ
モリROM４１と各種データを記憶するメモリ
RAM４２とを備えている。またこのCPU４０に
は入力ポート４３および出力ポート４４を介し
て、操作パネル１、紙幣入出口２の奥に設けられ
たビルチエツカ４５、取消しおよび呼出し用押ボ
タン６および７、紙幣入出口２、筒硬貨取出口３
およびバラ硬貨取出口４内にそれぞれ設けられた
放出現金抜取検知器４６、取扱い表示器５、なら
びに各種紙幣および各種硬貨の収納箱の駆動装置
および搬送装置（図示略）が接続されている。必
要ならば、カード挿入口１１の奥に配置されるカ
ードリーダ４７、顧客センサ１３およびスピーカ
１２もCPU４０によつて制御される。さらに、
紙幣、硬貨の出入口、取出口やカード挿入口にフ
リツカ表示器を設ける場合にはこれらもまた
CPU４０に接続される。

第４図は、データ用メモリ４２の内容の一部を
示している。メモリ４２には、投入金額の総額お
よび残り金額をそれぞれ記憶するエリヤ、各金種
ごとに両替設定された枚数または本数および金額
を記憶する両替設定エリヤ、ならびに両替金種パ
ターン設定用押ボタン３５のそれぞれに対応し
て、その押ボタンによつて設定される比率パター
ンを記憶するエリヤが設けられている。

第５図は自動両替機の全体的な動作を示してい
る。紙幣入出口２に被両替紙幣が投入されると
（ステツプ（51））、投入された紙幣がビルチエツ
カ４５によつて鑑別されかつ計数される（ステツ
プ（52））。そして投入紙幣の総額が預り金額とし
てメモリ４２に記憶されるとともに表示器３１に
表示される（ステツプ（53））。この後、両替金種
設定操作および処理が行なわれる（ステツプ
（54））。両替設定が終ると、設定された金種の紙
幣、筒硬貨、バラ硬貨が設定された枚数、本数だ
け入出口２および取出口３，４に放出される（ス
テツプ（55））。これらの現金が抜取られれば両替
が終了する（ステツプ（56））。

第６図は両替設定処理（第５図ステツプ（54））
の詳細を示している。まず残り金額表示器３２に
投入金額と同額の数字が残り金額として表示され
るとともに、設定金額表示器３３のすべてに設定
金額として０が表示される。メモリ４２内の残り
金額記憶エリヤにも投入金額と同額が記憶され
る。またメモリ４２の両替設定エリヤがクリヤさ
れる。さらに金種設定押ボタン３４のうち投入金
額で両替設定可能な単位の押ボタンのみが点灯さ
れる。両替パターン設定押ボタン３５およびフア
ンクシヨン押ボタン３７，３８も点灯される（ス
テツプ（61））。押ボタン３５のうち投入金額で両
替不可能な両替パターンを表わす押ボタンを消灯
しておくことが好ましい。例えば投入金額が5000
円の場合には第３番目の押しボタン３５のみが点
灯されるであろう。

いずれかの押ボタンが押されると（ステツプ
（62））、それが点灯しているものかどうかがチエ
ツクされる（ステツプ（63））。消灯している押ボ
タンが押されてもその入力操作は無効である。押
された押ボタンが金種設定用押ボタン３４か他の
押ボタン３５，３７，３８かがチエツクされる
（ステツプ（64）〜（67））。金種設定押ボタン３
４が押された場合には、押された押ボタンの表わ
す金種の枚数、本数、金額等がメモリ４２内の該
当する両替設定エリヤに記憶され、かつその金額
が対応する設定金額表示器３３に表示される（ス
テツプ（68））。このステツプ（68）で両替設定さ
れた金額が残り金額から減算されることにより新
たな残り金額が算出され、この新残り金額がメモ
リ４２に記憶されるとともに表示器３２に表示さ
れる（残り金額の更新、ステツプ（69））。また金
種設定押ボタン３４のうち新残り金額で両替不可
能な単位を表わす押ボタンが消灯される（ステツ
プ（70））。両替設定された各金種ごとの金額の総
和が預り金額に等しくなれば設定完了である（ス
テツプ（71））。両替設定が完了していなければス
テツプ（62）に戻る。

残金紙幣押ボタン３７が押された場合には（ス
テツプ（65））、残り金額が千円札および必要なら
ば500円札を用いて両替設定されメモリ４２の該
当するエリヤに加算して記憶（更新）されるとと
もに、千円札（および500円札）の設定金額表示
器に両替設定された金額が加算して表示される
（ステツプ（72））。

両替パターン設定押ボタン３５のうちのいずれ
かが選択されて押されると（ステツプ（66））、選
択された両替比率パターンを満たす最小金額が算
出される（ステツプ（73））。たとえば第１番目の
両替パターンは、５千円札が１枚、千円札が４
枚、500円札が１枚、100円硬貨が４枚、50円硬貨
が１枚そして10円硬貨が５枚であるから、このパ
ターンを満たす最小金額は１万円である。次にメ
モリ４２に記憶されている残り金額（両替設定が
まだ行なわれていない場合には投入金額に等し
い）がこの最小金額で除され、その商と余りとが
算出される（ステツプ（74））。そして、両替パタ
ーンの比率とこの商との積が各金種の枚数を表わ
すデータとなり、各金種の枚数にその金種の金額
を乗じた値がその金種の設定金額となる。これら
のデータがメモリ４２の両替設定エリヤに記憶さ
れ、かつ各金種の設定金額が表示器３３に表示さ
れる（ステツプ（75））。

たとえば、残り金額が５万円の場合に、第１番
目の両替パターン押ボタン（１／４／１／４／
１／５）が押されると、次のように両替設定され
る。

５千円札 ５枚 千円札 20枚 500円札 ５枚 100円硬貨 20枚 50円硬貨 ５枚 10円硬貨 25枚 残り金額が２万３千円の場合に第２番目の押ボ
タン（０／９／０／９／０／10）が押されると、
次のような両替設定が行なわれる。

千円札 21枚（余りとして３枚 加算されている） 100円硬貨 18枚 10円硬貨 20枚 さらに残り金額が５千円の場合に第３番目の押
ボタン（０／０／０／４／１／５）が押される
と、次のように両替設定される。

100円硬貨 40枚 50円硬貨 10枚 10円硬貨 50枚 第３番目の例において、10円硬貨50枚は10円筒
硬貨１本として設定されることが好ましい。第２
図に示されている金種設定押ボタン３４において
は、50円硬貨および10硬貨については筒硬貨のみ
しか設定できず、バラ硬貨での両替は不可能であ
るが、両替金種パターン設定押ボタン３５を用い
た両替ではバラ硬貨の設定、放出も可能としてお
くことが好ましい。

ステツプ（74）の演算において余りが生じた場
合には、この余り金額については両替現金の枚数
が最小になるように両替設定が行なわれ、設定さ
れたデータがメモリ４２に記憶されるとともに、
該当する金種の設定金額表示器３３に表示される
（ステツプ（76））。たとえば、余り金額が3000円
の場合には千円札３枚と設定され（２番目の押ボ
タンの例、参照）、600の場合には500円札１枚、
100硬貨１枚と設定される。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動両替機の外観を示す斜視図、第２
図は操作パネルの一部を示す正面図、第３図は自
動両替機の電気的な構成を示すブロツク図、第４
図はメモリの内容の一部を示す図、第５図は自動
両替処理の全体を示すフロー・チヤート、第６図
は両替設定処理を示すフロー・チヤートである。 １……操作パネル、３４……金種設定押ボタ
ン・スイツチ、３５……両替金種パターン設定押
ボタン・スイツチ、４０……CPU、４２……メ
モリ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ あらかじめ両替金種組合わせパターンが設定
   されており、両替金種組合わせパターンの選択入
   力に応じて、選択された両替金種組合わせパター
   ンにしたがう両替金種組合わせの両替設定が可能
   な自動両替機において、 上記両替金種組合わせパターンを、複数の両替
   金種の貨幣の数量または金額の比率によつて定
   め、 両替金種組合わせパターンの選択入力があつた
   ときに、被両替金額を、選択された両替金種組合
   わせパターン比率を満たす最小金額で除し、その
   商と選択された両替金種組合わせパターン比率と
   に基づいて、選択された両替金種組合わせパター
   ンに含まれる両替金種ごとの数量を算出する、 自動両替機における両替設定方法。 ２ 上記被両替金額を上記最小金額で除したとき
   に余りが生じた場合に、その余りの金額を両替貨
   幣数量が最小となる組合わせで両替設定する、 特許請求の範囲第１項に記載の自動両替機にお
   ける両替設定方法。