JPH05222227A - 防曇性フィルム及びその使用方法 - Google Patents

防曇性フィルム及びその使用方法

Info

Publication number
JPH05222227A
JPH05222227A JP4023805A JP2380592A JPH05222227A JP H05222227 A JPH05222227 A JP H05222227A JP 4023805 A JP4023805 A JP 4023805A JP 2380592 A JP2380592 A JP 2380592A JP H05222227 A JPH05222227 A JP H05222227A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
fogging
fog
meth
hydrophilic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4023805A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3004795B2 (ja
Inventor
Tetsuya Kimura
哲也 木村
Toshio Sakurai
俊男 櫻井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hayakawa Rubber Co Ltd
Original Assignee
Hayakawa Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hayakawa Rubber Co Ltd filed Critical Hayakawa Rubber Co Ltd
Priority to JP4023805A priority Critical patent/JP3004795B2/ja
Publication of JPH05222227A publication Critical patent/JPH05222227A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3004795B2 publication Critical patent/JP3004795B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸水による反りや変形が少なく、強力な粘着
剤なしに透明成形品の表面に固定することができ、かつ
簡単に剥がすことができるような、防曇性フィルムを提
供することである。 【構成】 厚さ50〜150 μm のポリカーボネートフィル
ムの一方の面に、活性エネルギー線硬化型親水性防曇剤
の硬化によって親水性防曇層を形成する。この親水性防
曇層の厚さは、前記ポリカーボネートフィルムの厚さの
10%以上、40%以下である。この防曇性フィルムのポリ
カーボネートフィルムのうち親水性防曇層を設けていな
い非防曇面と、透明成形品の表面との少なくとも一方を
液体で濡らし、この非防曇面を透明成形品の表面に貼付
して透明成形品の曇りを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス成形品、プラス
チック成形品などの表面の曇りを防止するための防曇性
フィルム及びその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、無機ガラス、ポリカーボネート
樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、セルロースエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リ(ジエチレングリコールビスアリルカーボネート)樹
脂等は、その優れた透明性を生かして、窓ガラス(グレ
ージング)、ヘルメットシールド、スキーゴーグル、水
中眼鏡、産業用保護眼鏡、ミラー等の材料として広く利
用されている。しかしながら、これらの透明性成形製品
には、表面が露点温度以下になると、大気中の水分が細
かい水滴となって表面に結露し、視野を損なうという、
致命的に重大な問題がある。
【0003】この問題を解決する為に、種々の防曇加工
法が提案されている。例えば、前記各種透明性樹脂に界
面活性剤を加えたものや、これらをガラスや結露性合成
樹脂の表面に塗布するとか、フィルムにして貼付する方
法が行われている。従来の防曇性フィルムは、上記の塗
布剤をポリエチレンテレフタレートフィルムにコーティ
ングしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、吸水により塗
布層が膨潤し、フィルムに応力が著しくかかる為、反り
が著しい。又、ポリエチレンテレフタレートフィルム自
体が吸湿性をある程度有する為、一方の面が他方の面よ
り高湿度となった場合、吸湿して膨張し、反りが発生す
る。そのため、従来の防曇性フィルムでは、強粘着性の
粘着剤層を設けたり、接着剤で固定することにより、フ
ィルムを強固に保持し、フィルムの反りを抑えなくては
ならなかった。即ち、従来の防曇性フィルムは、強粘着
性の粘着剤で、ガラス、プラスチック製品等の透明製品
に貼り合わされている為、防曇層が吸水して膨潤して
も、フィルムの反りによる剥がれは生じにくくなってい
る。しかし、防曇性フィルムを利用している最中に、防
曇性フィルムが汚れたり、部分的に傷が付いたり、防曇
性が低下したために、交換したい場合がある。しかし、
防曇性フィルムは、透明成形品に強固に粘着しているの
で、非常に剥がしにくい。また、剥がすことができたと
しても、表面に粘着剤が残るので、好ましくない。
【0005】本発明の課題は、吸水による反りや変形が
少なく、強力な粘着剤なしに透明成形品の表面に固定す
ることができ、かつ簡単に剥がすことができる、防曇性
フィルムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、厚さ50〜150
μm のポリカーボネートフィルムと、このポリカーボネ
ートフィルムの一方の面に活性エネルギー線硬化型親水
性防曇剤の硬化により形成された親水性防曇層とを備
え、この親水性防曇層の厚さが、前記ポリカーボネート
フィルムの厚さの10%以上、40%以下である、防曇性フ
ィルムに係るものである。
【0007】また、本発明は、防曇性フィルムのポリカ
ーボネートフィルムのうち前記親水性防曇層を設けてい
ない非防曇面と、透明成形品の表面との少なくとも一方
を液体で濡らし、この非防曇面を透明成形品の表面に貼
付して透明成形品の曇りを防止する、防曇性フィルムの
使用方法に係るものである。
【0008】
【作用】本発明者は、以下の点に着目して研究を進め、
本発明を完成するに至った。従来の防曇性フィルムの反
りの原因は、防曇層及びその支持フィルムの両方が吸水
性の比較的大きな材料を用いている点にある。しかしな
がら、支持フィルムが非吸水性であり、かつ総厚みに占
める割合が大である場合には、フィルムの反りの現象は
大きく緩和されるはずである。この点を具体的に追求し
た結果、吸水性を有する親水性防曇層の厚みを非吸水性
のポリカーボネートフィルムの厚みの40%以下とし、こ
れらを組み合わせることにより、湿度差による防曇性フ
ィルムの反りを大きく緩和させることができた。
【0009】又、ポリカーボネートフィルムは、吸湿性
が著しく少なく、湿度による反りが発生しないが、その
反面、表面活性が高く、ガラス、鏡、各種プラスチック
などの表面への付着力が高い。この付着力は、接着剤、
粘着剤などを塗布して貼着した面に比べると剥離強度が
低い。しかし、ポリカーボネートフィルムの非防曇面か
ガラス面等を液体で濡らし、この非防曇面をガラス面や
プラスチック面に直接貼付すると、自重や多少の風力に
抗して充分耐え、剥がれ落ちることがない事を本発明者
は発見した。これにより、非防曇性フィルムを固定した
後も、必要に応じて比較的容易に剥がし、交換できるよ
うになった。しかも、透明成形品の側に粘着剤や汚れが
残ることもない。
【0010】しかも、このような貼付方法は、前記した
ように防曇性フィルムの反りを抑制できるようになった
から、初めて実施できるのである。仮に、従来の防曇性
フィルムを粘着剤なしにガラス等の表面に付着させて
も、防曇性フィルムが反れば、すぐに剥げ落ちてしま
う。
【0011】ポリカーボネートフィルムの厚さは、可撓
性、剛性等の物理的性質によって決まる貼り付けやすさ
を考慮し、50〜150 μm のものを用いる。これが50μm
未満であると、ポリカーボネートフィルムの剛性が低
く、150 μm を超えると、可撓性が低くなるので、貼り
付けにくくなる。しかも、こうした厚さ限定に加え、粘
着剤を用いた場合とくらべて、貼付の際に、ポリカーボ
ネートフィルムにしわが寄ったり、気泡が入ったりする
おそれがないので、一層貼付が容易である。
【0012】また、多くの透明プラスチックの内でも、
特にポリカーボネートフィルムは、透明性、耐水性、耐
衝撃性等に優れた高剛性のフィルムで、一面を高湿度下
においても吸湿性が少ない為反りがなく、防曇性フィル
ムの支持体として適している。
【0013】本発明では、活性エネルギー線硬化型防曇
剤をポリカーボネートフィルムの一方の面に塗布し、こ
の塗布層を硬化させて親水性防曇層を形成する。これ
は、省エネルギー、無公害、高生産性、低トータルコス
ト、等の観点より好ましく、又、表面硬度と防曇性との
バランスに優れている。
【0014】活性エネルギー線硬化型親水性防曇剤は、
配合種類に特に制限はないが、塗工性、硬化性、硬化収
縮性、無色透明性、臭気、等を考慮して、親水性の(メ
タ)アクリロイル基含有モノマー、親水性の(メタ)ア
クリロイル基含有のオリゴマー、エン/チオール反応型
モノマー又は(及び)オリゴマー、カチオン重合型モノ
マー又は(及び)オリゴマー、界面活性剤、光重合開始
剤、等公知の原料をそれぞれ選び、組み合わせて、調製
したものを用いる。
【0015】親水性の(メタ)アクリロイル基含有モノ
マー、及び親水性の(メタ)アクリロイル基含有のオリ
ゴマーは、防曇層の架橋、吸水性、水親和性、表面硬
度、等を調整する成分である。親水性の(メタ)アクリ
ロイル基含有モノマーとしては、以下のものを例示でき
る。2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2‐
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4‐ブ
タンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール
モノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール‐ポリプロ
ピレングリコールブロック共重合体のモノ(メタ)アク
リレート、エチレンオキサイド変性フタール酸モノアク
リレート、エチレンオキサイド‐プロピレンオキサイド
変性フタール酸のモノ(メタ)アクリレート、エピクロ
ルヒドリン変性ブチルアクリレート、2‐ヒドロキシ‐
3‐メタアクリロキシプロトリメチルアンモニウムクロ
ライド、等の水酸基を一基以上含有するモノ(メタ)ア
クリレート化合物。
【0016】トリグリセロールジアクリレート、グリセ
リンモノアクリレートモノメタアクリレート、グリセロ
ールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキ
シペンタアクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセ
ロールトリアクリレート、エピクロルヒドリン変性1,
6‐ヘキサンジオールジアクリレート、エピクロルヒド
リン変性プロピレングリコールジアクリレート、エピク
ロルヒドリン変性トリメチルプロパントリアクリレー
ト、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジアクリレート、
等の水酸基を一基以上含有するジ又はトリ(メタ)アク
リレート化合物。ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
等のアミノ基含有の(メタ)アクリレート。モルホリン
アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N‐メ
チロールアクリルアミド、等のアクリルアミド。エチレ
ンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレート、エチ
レンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、等
のカルボキシル基含有の(メタ)アクリレート。N‐ビ
ニル‐2‐ピロリドン、N‐ビニルカプロラクタム。こ
れらの親水性の(メタ)アクリロイル含有モノマーは、
一種又は二種以上を併用して用いる。
【0017】親水性の(メタ)アクリロイル基含有のオ
リゴマーとしては、エチレンオキサイドブロック鎖を主
鎖に含有するポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレ
ート、エチレンオキサイドブロック鎖を主鎖に含有する
ポリエーテル型ウレタン(メタ)アクリレート、等のウ
レタン(メタ)アクリレートがある。
【0018】又、より高度な防曇性を要求される場合に
は、下記一般式で表わされる防曇性オリゴマーを用い
る。下記の防曇性オリゴマーは、防曇性に関する濡れ
性、耐水性に関する疎水性基と親水性基とのバランス、
架橋密度等を調整できる、新規な防曇性ウレタン(メ
タ)アクリレート系オリゴマーである。
【0019】
【化1】
【0020】〔P1, P2は、それぞれ一基の水酸基を有す
るアルコール化合物の水酸基を除いた残基であり、P1
P2との少なくとも一方がアクリロイル基又はメタアクリ
ロイル基を含み、P3は、ポリオール化合物の水酸基を除
いた残基であり、ここでP1, P2, P3のうち少なくとも一
つがポリエチレンオキサイドブロック
【化2】 を含有する(nは5〜200 の整数である。)。Tは、ト
リイソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた残
基、mは0〜20の繰り返し単位数である。〕
【0021】これらの親水性の(メタ)アクリロイル基
含有のオリゴマーは、一種又は二種以上を併用して用い
る。
【0022】界面活性剤は、水滴の表面張力を下げる役
目をするもので、ノニオン系、アニオン系、カチオン系
の、市販のものを用いることができる。又、特殊なもの
として、ノニオン系のフルオロカーボン界面活性剤類、
光重合性リン酸基含有のポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、等も用いることができる。界面
活性剤は、一種もしくは二種以上を併用して使用する。
【0023】活性エネルギー線として紫外線を用いる場
合は、光重合開始剤は、紫外線を照射することによっ
て、ラジカルを発生し、(メタ)アクリロイル基の重合
を開始する役目があり、必須成分となる。しかしなが
ら、紫外線以外の活性エネルギー線、例えば、電子線や
コバルト線による硬化の際には、特に必要ではない。
【0024】光重合開始剤としては、例えば、ジエトキ
シアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐
フェニルプロパン‐1‐オン、1‐(4‐イソプロピル
フェニル)‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン‐1
‐オン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)‐フェニル
(2‐ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、等のアセト
フェノン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2‐ジメ
トキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、等のベンゾイン
系、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、3,
3‐ジメチル‐4‐メトキシベンゾフェノン、等のベン
ゾフェノン系、チオキサントン、2‐クロロチオキサン
トン、2‐メチルチオキサントン、2,4‐ジメチルチ
オキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン、イソ
プロピルチオキサントン、等のチオキサントン系、1ー
フェニル‐1,2‐プロパンジオン‐2‐(o‐エトキ
シカルボニル)オキシム、2,4,6‐トリメチルベン
ゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、メチルフェニ
ルグリオキシレート、ベンジル、等がある。光重合開始
剤は、一種もしくは二種以上を併用して使用する。又、
これらの光重合性開始剤に、硬化性を調整する為に、光
重合増感剤を併用してもよい。
【0025】上記の活性エネルギー線硬化型親水性防曇
剤は、比較的低粘度の液体であり、特に溶媒を添加しな
いでも塗工可能である。このことは、加工ラインにおい
て特に溶媒の乾燥工程が不要であることを意味し、極め
て有利である。しかしながら、更により以上の膜厚調
整、鏡面性向上等の目的で、溶媒を添加しても差し支え
ない。この際、使用できる溶媒としては、エタノール、
イソプロパノール、n‐ブタノール等のアルコール類、
メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソル
ブ等のセルソルブ類が好ましい。
【0026】ポリカーボネートフィルムに前記防曇剤を
コーティングするには、任意の塗装方法が採用される。
例えば、スプレー法、ディップ法、フローコート法、ロ
ールコート法、バーコート法、カーテンフロー法、スピ
ンコート法、スクリーン印刷法、等、何れの方法でも差
し支えない。塗装直後または数分セッティングした後
に、紫外線等の活性エネルギー線を照射する事により、
硬化被膜を形成させる。使用する紫外線照射装置は、25
0 〜400nm の波長の紫外線を照射する高圧水銀灯、等が
適している。標準照射条件は、ランプ出力80〜120w/cm
、ランプ距離5〜30 cm 、コンベア速度1〜10m/min
程度が好ましい。
【0027】防曇層の厚みは、ポリカーボネートフィル
ムの厚さの10%以上、40%以下の厚みである。10%未満
の厚みの場合、吸水性が乏しくなり、防曇性が低下し、
好ましくない。又、40%を超える厚みの場合、吸水によ
り応力がポリカーボネートフィルムへ移動し、反りを発
生してしまい、好ましくない。
【0028】このようにして得られた本発明の防曇性フ
ィルムを、ガラス、プラスチック製品等の透明製品に貼
り合わす為には、被着体(透明製品)に水ないし界面活
性剤の溶液(セッケン水等の液体)を塗って、ポリカー
ボネートフィルムの非防曇面を泡の入らないように貼り
合わせ、間の液体をしごきながら排除して貼り付けるの
が好ましい。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 (新規な防曇性ウレタンアクリレートオリゴマーAの合
成例:m=3の例)攪はん器、還流冷却器付きの11容の
反応器に、トリイソシアネートとして、「マイテック21
5 A」(三菱化成社製、トリメチロールプロパンにイソ
ホロンジイソシアネート3モル付加したイソシアネート
アダクト体、分子量800 、固形分75%酢酸エチル溶液)
56.89 gを酢酸エチル80gに予め溶解した溶液を入れ
た。攪はんしながらN2ガス置換を行い、温度を50℃に昇
温して、一定に保った。次に、(メタ)アクリロイル基
含有のアルコールとして、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート(以下、HEA と略す)6.19g、ウレタン化触媒と
して、ジブチルチンジラウリレート(以下、DBTDL と略
す)0.84 gを酢酸エチル18gに溶解した溶液を加え、温
度を50℃に保ち3時間反応させた。
【0030】次にグリコール化合物として、「ニューポ
ールPE−68」(日本油脂社製、エチレンオキサイド−プ
ロピレンオキサイドブロック共重合体、Mw 8800 、以下
「PE−68」と略す)234.7 gを酢酸エチル234.7 gに溶
解した溶液を加え、温度を50℃に保ち、2時間反応させ
た。
【0031】更に、残りの「PE−68」117.3 gと「HEA
」3.09 gを酢酸エチル120.12 gに溶解した溶液を加
え、60℃に保ち5時間反応させた。IR測定により、2250
cm-1に現われるNCO の特性吸収がなくなった事を確認し
て、反応を終了させ、温度を25℃に戻した。この反応液
を真空乾燥器にいれ、50℃に保ち、真空ポンプで減圧し
て、酢酸エチルを除去し、白色固体のオリゴマーを得
た。このオリゴマーを「オリゴマーA」とする。
【0032】(防曇剤の準備)下記表1に示す各配合剤
を混合して、紫外線硬化型防曇剤A,B,C,D,Eを
製造した。ただし、表1中の各数値は、各配合剤の添加
量を「重量部」単位で表したものである。また、表1中
の成分は以下のものである。 ウレタンアクリレート1:「アロニックスM−1200」
(東亜合成化学株式会社製)、2官能性、無黄変型ウレ
タンアクリレート ウレタンアクリレート2:「紫光7000B」(日本合成化
学株式会社製)、無黄変型ウレタンアクリレート 「D−1173」:「ダロキュア1173」(メルク社製)光重
合開始剤 オリゴマーA:前述
【0033】
【表1】
【0034】(防曇性フィルムの製造)下記表に示す所
定厚さを有するポリカーボネートフィルム又はポリエチ
レンテレフタレートフィルムを用意した。そして、各支
持フィルムの表面に、アプリケーターを用いて防曇剤
A,B,C,D又はEを塗布し、この塗布層に紫外線を
照射して硬化させた。紫外線照射装置は、オーク製作所
株式会社製の「ORM-2077A」(高圧水銀灯80W/cm*3灯
式、ランプ距離15cm) を用いた。紫外線積算光量は1000
mJ/cm2とした。
【0035】(防曇性フィルムの評価)得られた各防曇
性フィルムを鏡のガラス面に水貼りした。即ち、各防曇
性フィルムの非防曇面とガラス面との間を水で濡らして
防曇性フィルムを貼付し、防曇性フィルムを指で押しな
がら水を間から押し出し、フィルムを固定した。この状
態の防曇性フィルムについて、下記の各特性を評価し
た。この結果を表に示す。
【0036】(透明性)全光線透過率計にて測定した。
90%以上の透過率の場合、「○」とした。90%未満70%
以上の透過率の場合、「△」とした。70%未満の透過率
の場合、「×」とした。 (クロスハッチテスト)カッターナイフにて、1m/m 目
のゴバン目を100 つくり、セロテープ剥離テストを行
い、ゴバン目の残数を調べた。剥離の全くない場合、
「100/100 」、全剥離は「0/100 」とした。なお、(耐
水後)は、80℃温水中に試料を浸漬し、ウエスにて水を
ふきとり、その直後に同様にしてテストを行った。 (直接蒸気テスト)ガラス板に防曇性フィルムを水貼り
して試料を作り、50℃の蒸気をフィルムの防曇面に30分
直接当てて、反りの発生の有無をみた。反りのない場
合、「○」とした。反りの発生した場合は「×」とし
た。
【0037】(防曇性)(直接蒸気テスト)と同じ条件
で試験を行い、曇りの発生の有無を目視により観察し
た。曇りの発生なき場合、「○」、曇りの発生した場
合、「×」とした。 (剥がし易さ)上記の直接蒸気テストの後、常温まで冷
却放置し、手で剥がして、剥がしやすさの感覚テストを
3名で判断した。弱い力で剥がせる場合を「○」、強い
力を加えないと剥がせない場合を「×」とした。 (貼付け易さ)上記したガラス面への水貼りのし易さに
ついて、3名の感覚テストを行った。防曇性フィルムと
ガラス面との間に気泡の混入がなく、水の膜を薄くして
貼り付けることが容易な場合を「○」とした。これにあ
る程度の圧力が必要な場合は「△」とした。気泡が混入
し易かったり、防曇性フィルムを指でしごいて水の膜を
薄くすることが難しかった場合は「×」とした。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】表に示した結果から解るように、まずポリ
エチレンテレフタレートフィルムは透明性が劣ってい
る。クロスハッチテストでは、各例とも良好であり、充
分な付着強度が得られている。ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを用いた場合は、防曇性フィルムの反りが
大きいので、剥げ落ちてしまう。また、ポリカーボネー
トフィルムの厚さを50〜150 μm とすると、防曇性フィ
ルムを貼り付け易い。また、防曇層が厚い比較例13,14
では、やはり反りが見られる。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の防曇性フィ
ルムによれば、湿度変化による反りが発生せず、かつ強
固な粘着剤や接着剤なしに透明成形品の表面に貼付、固
定できる。このように固定しても、防曇性フィルムが反
らないので、反りに伴う応力によって防曇性フィルムが
剥げることもない。従って、防曇性フィルムを比較的容
易に剥がし、交換することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 4/02 PDR 7921−4J // C08L 69:00 8416−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ50〜150 μm のポリカーボネートフ
    ィルムと、このポリカーボネートフィルムの一方の面に
    活性エネルギー線硬化型親水性防曇剤の硬化により形成
    された親水性防曇層とを備え、この親水性防曇層の厚さ
    が、前記ポリカーボネートフィルムの厚さの10%以上、
    40%以下である、防曇性フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の防曇性フィルムのポリカ
    ーボネートフィルムのうち前記親水性防曇層を設けてい
    ない非防曇面と、透明成形品の表面との少なくとも一方
    を液体で濡らし、この非防曇面を透明成形品の表面に貼
    付して透明成形品の曇りを防止する、防曇性フィルムの
    使用方法。
JP4023805A 1992-02-10 1992-02-10 防曇性フィルムの使用方法および透明成形品の防曇構造 Expired - Lifetime JP3004795B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4023805A JP3004795B2 (ja) 1992-02-10 1992-02-10 防曇性フィルムの使用方法および透明成形品の防曇構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4023805A JP3004795B2 (ja) 1992-02-10 1992-02-10 防曇性フィルムの使用方法および透明成形品の防曇構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05222227A true JPH05222227A (ja) 1993-08-31
JP3004795B2 JP3004795B2 (ja) 2000-01-31

Family

ID=12120545

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4023805A Expired - Lifetime JP3004795B2 (ja) 1992-02-10 1992-02-10 防曇性フィルムの使用方法および透明成形品の防曇構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3004795B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7003920B1 (en) * 1999-05-25 2006-02-28 Saint-Gobain Glass France Transparent glazing and use thereof in a chilling chamber door comprising in particular a glazing under vacuum
US7870704B2 (en) 2005-05-26 2011-01-18 Saint-Gobain Glass France Insulating glazing unit for an opening leaf of a refrigerated enclosure
WO2016148291A1 (ja) * 2015-03-19 2016-09-22 株式会社ウインズジャパン 取付シート、ヘルメット、ゴーグル、及び、防曇シートの取付方法
CN106519630A (zh) * 2016-11-29 2017-03-22 南京悠谷知识产权服务有限公司 一种防雾聚碳酸酯材料及其制备方法
CN111040653A (zh) * 2019-12-13 2020-04-21 湖北航天化学技术研究所 一种具有防雾效果的高耐磨玻璃防爆膜胶及其制备方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7003920B1 (en) * 1999-05-25 2006-02-28 Saint-Gobain Glass France Transparent glazing and use thereof in a chilling chamber door comprising in particular a glazing under vacuum
US7976916B2 (en) 1999-05-25 2011-07-12 Saint-Gobain Vitrage Refrigerated display case having a transparent insulating glazing unit
US7870704B2 (en) 2005-05-26 2011-01-18 Saint-Gobain Glass France Insulating glazing unit for an opening leaf of a refrigerated enclosure
WO2016148291A1 (ja) * 2015-03-19 2016-09-22 株式会社ウインズジャパン 取付シート、ヘルメット、ゴーグル、及び、防曇シートの取付方法
CN107427099A (zh) * 2015-03-19 2017-12-01 韦氏日本股份有限公司 安装片、头盔、护目镜及防雾片的安装方法
JPWO2016148291A1 (ja) * 2015-03-19 2018-02-15 株式会社ウインズジャパン 取付シート、ヘルメット、ゴーグル、及び、防曇シートの取付方法
EP3272241A4 (en) * 2015-03-19 2018-10-17 Wins Japan Co. Ltd. Attachment sheet, helmet, goggles, and method for attaching anti-fog sheet
TWI730956B (zh) * 2015-03-19 2021-06-21 日商韋氏日本股份有限公司 安裝片、頭盔、護目鏡、及防霧片的裝設方法
CN106519630A (zh) * 2016-11-29 2017-03-22 南京悠谷知识产权服务有限公司 一种防雾聚碳酸酯材料及其制备方法
CN111040653A (zh) * 2019-12-13 2020-04-21 湖北航天化学技术研究所 一种具有防雾效果的高耐磨玻璃防爆膜胶及其制备方法
CN111040653B (zh) * 2019-12-13 2021-11-16 湖北航天化学技术研究所 一种具有防雾效果的高耐磨玻璃防爆膜胶及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3004795B2 (ja) 2000-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20180054725A (ko) (메트)아크릴아미드계 우레탄 올리고머 및 그것을 함유하는 활성 에너지선 경화성 수지 조성물
US20150165733A1 (en) Method for producing laminate, laminate, and article
JP4956167B2 (ja) 塗膜形成用転写シート及びそれを用いた被覆塗膜の形成方法
JPH09183929A (ja) インクジエット記録方式用紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP2004525393A (ja) 弾性光学構造体
JP3115792B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、その製造方法、活性エネルギー線硬化型樹脂の成形硬化品
JP3004795B2 (ja) 防曇性フィルムの使用方法および透明成形品の防曇構造
JP5093868B2 (ja) 紫外線硬化性塗料用組成物及びそれを用いた積層体の製造方法
JP6596852B2 (ja) 硬化性樹脂組成物および積層構造体
JP7199185B2 (ja) 成形用反射防止ハードコートフィルム
JP3524600B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、及び樹脂硬化物の製造方法
JPH0539343A (ja) ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造方法およびそれを用いた光硬化性樹脂組成物
JP2005330439A (ja) 被覆剤組成物、それを硬化させた被覆物及び防曇シート
JP3468311B2 (ja) 重合性樹脂組成物及びそれらの硬化膜を有する物品
JP2001151848A (ja) 活性エネルギー線硬化性ウレタン組成物の製造方法
JP2003012966A (ja) 光硬化型防曇剤組成物および防曇性被覆物品の製造方法
JP3499961B2 (ja) マ−キング用粘着フィルム
JPH09279076A (ja) ウレタンアクリレ−ト系紫外線硬化型インキ組成物及びそれを用いたマ−キング用粘着フィルム
JP2001019729A (ja) 樹脂組成物及びその硬化物
JP2000038426A (ja) 樹脂組成物
JPH03152181A (ja) 防曇性組成物
JPH05125136A (ja) 放射線硬化型樹脂組成物及び放射線硬化型ストリツパブルマスキング材用スクリ−ン印刷インキ組成物
JP7370835B2 (ja) 硬化性組成物及びその硬化膜
JPH0339366A (ja) ハードコート用被覆材組成物
JP2006346884A (ja) 水圧転写フィルム及び水圧転写体