JPH05221907A - ホルムアルデヒド含有量の高いパラホルムアルデヒドの製造方法 - Google Patents

ホルムアルデヒド含有量の高いパラホルムアルデヒドの製造方法

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JPH05221907A
JPH05221907A JP3293085A JP29308591A JPH05221907A JP H05221907 A JPH05221907 A JP H05221907A JP 3293085 A JP3293085 A JP 3293085A JP 29308591 A JP29308591 A JP 29308591A JP H05221907 A JPH05221907 A JP H05221907A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ホルムアルデヒド含有量が78〜83重
量%のホルムアルデヒド水溶液を冷却・固化して得られ
たパラホルムアルデヒドを乾燥してホルムアルデヒド含
有量が88重量%以上のパラホルムアルデヒドを製造す
る方法において、該パラホルムアルデヒドをマイクロ波
加熱乾燥することを特徴とするホルムアルデヒド含有量
の高いパラホルムアルデヒドの製造方法に関する。 【効果】 高濃度でしかも長期間経過しても、溶解
性の良好なパラホルムアルデヒドを得ることが可能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はホルムアルデヒド含有量
の高いパラホルムアルデヒドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、市販のパラホルムアルデヒドはホ
ルムアルデヒド含有量が80重量%(以下、重量%は単
に%と記す)前後のものであったが、フェノール樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリアセタールなどの製造用
原料として、近年更にホルムアルデヒド含有量の高いも
のが要求され、ホルムアルデヒド含有量が90から94
%のものが製造されており、近年95%以上のものも製
造されるようになってきた。
【0003】また、パラホルムアルデヒドは上記原料と
して使用する場合、温水または熱水あるいは各種溶剤等
に溶解して高濃度のホルマリンとして使用されるので、
温水または熱水等に対する溶解性の良好なものが要求さ
れる。
【0004】このようなホルムアルデヒド含有量の高い
パラホルムアルデヒド(以下、「高濃度パラホルムアル
デヒド」と略称する)を得る方法としては、次のような
方法が知られている。
【0005】即ち、ホルムアルデヒド含有量が37〜5
0%程度のホルマリンを、真空濃縮などの方法によりホ
ルムアルデヒド含有量が80%前後のホルムアルデヒド
の濃厚水溶液とし、該濃厚水溶液を粒状化塔や冷却装置
などで冷却・固化して、一旦ホルムアルデヒド含有量が
78〜83%前後の粒状または鱗片状のパラホルムアル
デヒド(以下、「従来品パラホルムアルデヒド」と略称
する)とした後、この従来品パラホルムアルデヒドを軟
化点以下の温度で熱風乾燥または遠赤外線乾燥(特開平
2−167244号公報)する方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来品
パラホルムアルデヒドを遠赤外線乾燥により乾燥し、高
濃度パラホルムアルデヒドを製造した場合、温水または
熱水に対する溶解性が経日と共に悪くなってくる。即
ち、高濃度パラホルムアルデヒドを温水または熱水に溶
解させた場合、製造直後のものと長期間経日したもの、
例えば30日以上経過したものでは温水溶解性に大きく
差があり、高濃度パラホルムアルデヒドを使用する場
合、問題がある。
【0007】遠赤外線乾燥のみ使用した場合において
は、遠赤外線の特性上、物質内部への浸透深さが小さ
く、一般に1mm以下であり、少し厚みの厚い物や重な
り合ったものを内部まで均一に乾燥することが難しい。
このため表面部分と層内部とで乾燥状態が異なり重合度
の高い物が発生し、熱風乾燥と同じく、温水または熱水
に対する溶解性が悪化するのである。また、パラホルム
アルデヒドは遠赤外線の吸収率が高く、粒状または鱗片
状のパラホルムアルデヒドの粒子表面で局部的に溶融が
発生し、粒子同士がひっつき塊状となり、塊状の内部ま
で均一に乾燥できず、重合度にばらつきを生じる。
【0008】このように、温水または熱水に対する溶解
性の悪い、且つ重合度にばらつきのある高濃度パラホル
ムアルデヒドを原料としてフェノール樹脂などを製造し
た場合には、フェノールなどとの縮合反応に悪影響を及
ぼし、得られるフェノール樹脂などの品質が低下する等
の問題がある。
【0009】パラホルムアルデヒドの温水または熱水に
対する溶解性の程度を判断する基準として、「温水溶解
性」なるものがある。この温水溶解性は、80℃の温度
に調節されたイオン交換水にホルムアルデヒド含有量が
20%になるようにパラホルムアルデヒドを加え攪拌し
て、パラホルムアルデヒドが完全に溶解するまでの時間
で示すもので、パラホルムアルデヒドの重合度と相関し
ており、温水溶解時間の長い物は重合度が高いといえ
る。この際完全に溶解したと判断する基準として、パラ
ホルムアルデヒド溶解液の濁度が標準濁度で50以下で
あることとする。また、パラホルムアルデヒドの使用目
的により、温水の代わりにブタノール等で溶解性を調べ
ることもある。
【0010】なお、パラホルムアルデヒドの温水溶解性
は、製造後の放置または経日によって次第に悪化する。
また、パラホルムアルデヒドのホルムアルデヒドの濃度
が高くなる程悪化する。しかして、従来品パラホルムア
ルデヒドの温水溶解性は、冷却・固化して得られた製造
直後においては1〜5分間程度であるが、製造24時間
後では5〜15分間、10日目で20〜40分間、30
日目で30〜60分程度となり、その後は漸次長くな
る。更に公知の方法で乾燥した高濃度パラホルムアルデ
ヒドの温水溶解性は、従来品パラホルムアルデヒドを遠
赤外線加熱装置で乾燥した直後においては1〜5分間、
乾燥後24時間では5〜15分間、10日目で10〜2
0分間程度であるが、30日目で40〜100分程度と
かなり悪くなり、その後は漸次長くなる。
【0011】
【発明を解決するための手段】本発明者らは上記状況に
鑑み、温水溶解性の良好な高濃度パラホルムアルデヒド
を経済的に製造する方法について鋭意検討を重ねた結
果、従来品パラホルムアルデヒドをマイクロ波加熱乾燥
することにより長期間経日しても溶解性が良好な高濃度
パラホルムアルデヒドが得られることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0012】即ち本発明の第1は、ホルムアルデヒド含
有量が78〜83重量%のホルムアルデヒド水溶液を冷
却・固化して得られたパラホルムアルデヒドを乾燥し
て、ホルムアルデヒド含有量が88重量%以上のパラホ
ルムアルデヒドを製造する方法において、該冷却・固化
して得られたパラホルムアルデヒドをマイクロ波加熱乾
燥する製造方法であり、第2は、マイクロ波加熱乾燥す
るに先立ち、30〜60℃の空気を30〜240分間通
気せしめ、パラホルムアルデヒドの軟化点を60℃以上
またはホルムアルデヒド含有量を86重量%以上にする
ことを特徴とする第1の方法であり、第3は、30〜1
00℃の空気でパラホルムアルデヒドを通気しながら乾
燥することを特徴とする第1または第2の方法であり、
第4は、パラホルムアルデヒドを流動させながら乾燥さ
せることを特徴とする第1〜第3いずれかの方法であ
り、第5は、マイクロ波加熱乾燥と同時に、または該乾
燥後に遠赤外線加熱乾燥を行うことを特徴とする第1〜
第4いずれかの方法である。
【0013】本発明を更に詳細に説明する。本発明で使
用するマイクロ波とは、1mm〜1m、周波数300M
HZ〜30GHZの極めて短い波長の電波で、超高周波
とか極超短波とか呼ばれる電磁波の一種であり、産業界
で一般に利用できるのは、2450MHZ、5800M
HZ、24125MHZであるが、主に2450MHZ
が使用されている。このマイクロ波電場内にパラホルム
アルデヒドを置くことによりパラホルムアルデヒドを構
成する有極性分子(電気双極子を持つ分子で、水など)
が、電場に配向しようとして激しい振動ないし回転運動
をする。これが分子乾燥の衝突や摩擦を起こして発熱
し、品温が内外共に急速に上昇する。
【0014】マイクロ波加熱の原理を簡単に示すと、マ
イクロ波エネルギー→双極子の振動・回転運動→熱エネ
ルギー→試料温度の急上昇となる。
【0015】本発明で行うマイクロ波加熱乾燥、遠赤外
線加熱乾燥には、通常のマイクロ波加熱装置および遠赤
外線加熱装置が使用可能であり、その種類に特に限定は
ない。
【0016】マイクロ波加熱装置としては、次のものが
例示される。即ち、マイクロ波加熱装置の基本構成はマ
イクロ波エネルギーを発生させるマイクロ波発振器(マ
グネトロン)と、加熱すべき物体にマイクロ波を照射す
る照射部と、それらの間にアイソレーター、パワーモニ
ター、整合器などの附属機器が導波管を介して接続され
ている。照射部(キャビティ、オーブン)は密閉金属製
箱であり、バッチ式とコンベア式のもの等があるが、何
れの形式のものでも差し支えない。
【0017】また、本発明のマイクロ波加熱と組み合せ
て使用することもある遠赤外線は、赤外線の中の波長域
が5.6〜1000μm程度でマイクロ波と同様に電磁
波の一種で、産業界では2〜25μmの波長領域が主に
利用されている。この遠赤外線をパラホルムアルデヒド
に照射すると、遠赤外線電磁波であるから軸照射により
直接被射体に吸収されて熱を伝える。
【0018】物質はそれを構成する原子の質量と構造上
の集まり方や、配列の状態及び分子内の結合力の違いか
ら、その物質特有の振動と回転の周波数を持っている。
物質に遠赤外線を照射した場合、遠赤外線の周波数がこ
の振動または回転の固有周波数に合致するときは、分子
は、遠赤外線のエネルギーを吸収して、振動または回転
が一層激しくなり発熱が起こる。これは、共鳴吸収現象
と呼ばれている現象で、よく知られている。
【0019】乾燥する物質中に水分が多い場合は、マイ
クロ波が有効であるが、乾燥の進行と共に物質中の含水
率が低下してくるので、マイクロ波の効果が小さくな
る。そこで遠赤外線の特性を利用して乾燥することによ
って、更に含水率を下げることも本発明の好ましい態様
である。
【0020】このようなことから、パラホルムアルデヒ
ドに照射されたマイクロ波または遠赤外線の電磁波エネ
ルギーは、パラホルムアルデヒドに吸収されて発熱し、
パラホルムアルデヒドが乾燥されるのであるが、この発
熱はパラホルムアルデヒドに対し殆ど均一に起こるの
で、パラホルムアルデヒドの乾燥も表層と内部とで殆ど
差を生じることなく、均一的に行われる。
【0021】本発明では、上記のマイクロ波発生装置で
発生したマイクロ波を、従来品パラホルムアルデヒドに
照射して乾燥するが、従来品パラホルムアルデヒドは冷
却・固化した後直ちに乾燥しても差し支えない。
【0022】ただ、この場合、マイクロ波装置内に入れ
られた従来品パラホルムアルデヒドは軟化点が50〜6
0℃と低いので、乾燥開始時は従来品パラホルムアルデ
ヒドの品温がこの軟化点を越えない温度で乾燥すること
が好ましい。そして、乾燥の進行につれてホルムアルデ
ヒドの濃度が上昇してパラホルムアルデヒドの軟化点も
上昇するので、品温を上げて乾燥することができる。マ
イクロ波で乾燥する場合の乾燥温度の調整は、マイクロ
波発振の起動、停止あるいは出力の増減によって容易に
行えるが、通気している空気の流量、温度を調節するこ
とによっても可能である。特に該冷却・固化した従来品
パラホルムアルデヒドを乾燥する場合には、通気してい
る空気の条件を調整したほうが乾燥し易い。
【0023】次のような乾燥操作も好ましい態様であ
る。該従来品パラホルムアルデヒドを従来品パラホルム
アルデヒドの軟化点より低い温度である30〜60℃、
好ましくは40〜50℃に維持された装置の中に入れ、
装置内の従来品パラホルムアルデヒドへの通気速度が空
管基準で0.01m/s以上になるように通風を行い、
30〜240分間通気せしめることにより従来品パラホ
ルムアルデヒドの軟化点を上昇させることができる。装
置内の温度が30℃未満では軟化点を上昇させるのに長
時間を要す。60℃を越えるとパラホルムの軟化点を越
え、部分的に溶融が起こり、塊状物が発生し、乾燥状態
にばらつきが生じる傾向がある。また、パラホルムアル
デヒドの軟化点を上昇させる場合に、前述の空気を通気
するだけの方法にマイクロ波発振を組み合わせると、よ
り速く軟化点を上昇することが出来るが、マイクロ波発
振の条件あるいは空気の通気条件については、従来品パ
ラホルムアルデヒドの初期の重合度、軟化点等の物性を
勘案した上で調整する必要がある。
【0024】従来品パラホルムアルデヒドを常温または
30〜60℃の温度条件で通風せずに放置して置くだけ
でも従来品パラホルムアルデヒドの軟化点は上昇する
が、軟化点の上昇に時間がかったり、従来品パラホルム
アルデヒドの層高が厚い場合には、パラホルムアルデヒ
ド層内の温度分布が異なり、軟化点、即ち重合度にばら
つきが生じたりするので、通風処理が推奨される。
【0025】この方法により従来品パラホルムアルデヒ
ドの軟化点は、処理前で50〜60℃であったのが、処
理後は70〜80℃まで上昇する。しかし、前述の方法
において35℃以上の温度で従来品パラホルムアルデヒ
ドを30〜240分間通気させた場合には従来品パラホ
ルムアルデヒドがわずかに柔らかくなっているため、一
旦外気温度以下の冷風で35℃以下まで冷却することに
より従来品パラホルムアルデヒドの流動性を改善するこ
とも可能である。
【0026】この冷却を実施しない場合にはパラホルム
アルデヒドの粒子表面に存在する水分、即ち、自由水が
マイクロ波により加熱されて、マイクロ波加熱乾燥装置
内でパラホルムアルデヒドの一部が溶融したり、重合度
の高い部分が生じる等の不都合を避けるため、水分除去
のための通気冷却を実施した方が好ましい。これらの方
法を実施するための装置としては、その種類に特に限定
はなく、通常、公知の空気循環式バンド乾燥機など何れ
も使用可能である。
【0027】しかる後、この従来品パラホルムアルデヒ
ドをマイクロ波加熱装置またはマイクロ波加熱装置と遠
赤外線加熱装置を組み合わせて乾燥するが、この際、好
ましくは30〜90℃に加温された空気を用いて、乾燥
装置内のパラホルムアルデヒドへの通気速度が、空管基
準で0.01m/s以上となるように空気を通気し、パ
ラホルムアルデヒドの軟化点以上に乾燥時の品温を上昇
させないように温度調節しながら乾燥を行う。そのた
め、マイクロ波加熱装置及び遠赤外線加熱装置には乾燥
時のパラホルムアルデヒドの乾燥温度を測定するための
温度計を少なくとも2ケ所備えて置くことが好ましい。
【0028】マイクロ波加熱装置または遠赤外線加熱装
置内のパラホルムアルデヒドのホルムアルデヒド濃度が
目的の濃度以上に達したら、直ちにマイクロ波加熱装置
または遠赤外線加熱装置からパラホルムアルデヒドを取
り出し、外気温度以下の冷風を用いてパラホルムアルデ
ヒドへの通気速度が空管基準で0.01m/s以上の条
件で急速に冷却を行い、パラホルムアルデヒドの品温を
好ましくは30℃以下になるまで十分に冷却を行うのが
好ましい。乾燥後の十分な冷却は、経日温水溶解性を良
好ならしめる。
【0029】なお、乾燥に当たってはパラホルムアルデ
ヒド中のホルムアルデヒド分も揮発するので、上記のマ
イクロ波加熱装置または遠赤外線加熱装置に送入した空
気は系外に導き、含有するホルムアルデヒド分を水に吸
収させるなどの方法で回収することが推奨される。
【0030】更に、パラホルムアルデヒドは、冷却・固
化後の放置時間及びホルムアルデヒドの濃度によって軟
化点が変化する。そこでこれらを加味したホルムアルデ
ヒドの濃度と軟化点の関係図を予め作成しておくと、上
記の乾燥の際にパラホルムアルデヒドの品温の調節に好
都合である。高濃度パラホルムアルデヒドは温水溶解性
が良好であること、及び製造後の経日によって温水溶解
性が悪化するので、これが小さいことが必要である。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。 実施例1 ホルムアルデヒドの濃度が37%のホルマリンを、真空
濃縮して得られた温度80℃、ホルムアルデヒド含有量
80%のホルムアルデヒド濃縮水溶液を、粒状化塔で冷
却・固化して粒状の従来品パラホルムアルデヒドを製造
した。この従来品パラホルムアルデヒドの温水溶解性は
5分間で、これを内容積4lの通気式のマイクロ波乾燥
装置の中に1000g入れ、空気を10l/hの流量で
マイクロ波乾燥装置底部から送入しながら、且つマイク
ロ波発振を5秒間隔で起動・停止を繰り返しながら10
分間乾燥して、ホルムアルデヒド含有量が92%の高濃
度パラホルムアルデヒド705gを得た。
【0032】乾燥は、マイクロ波乾燥機の出口ガス温度
を40〜45℃に保ちながら30分間乾燥した。なお、
マイクロ波乾燥装置に送入した空気は、ホルムアルデヒ
ドガスを含有しているのでこれを系外に導き、水と接触
させてホルムアルデヒド分を回収した。
【0033】得られた高濃度パラホルムアルデヒドの乾
燥直後の温水溶解性は、5分間で乾燥前後における温水
溶解性の差は無く、また24時間後の温水溶解性を測定
したところ10分間であった。また、30日間30℃で
放置した後の温水溶解性は、20分間であった。
【0034】実施例2 実施例1の粒状化塔で得られた従来品パラホルムアルデ
ヒド1000gを32メッシュの金網が引いてある内容
積20lの温風循環乾燥機に入れ、45℃の温風を循環
しながら30分間乾燥し、パラホルムアルデヒドのホル
ムアルデヒド含有量が86%なったところで、実施例1
のマイクロ波乾燥機の上部に1kwのプレート型遠赤外
線ヒーターを取り付けた中に入れ、空気を10l/hの
流量で該乾燥機の底部から送入しながら、まずマイクロ
波を用いて、ホルムアルデヒド含有量が88%になるま
で乾燥し、次いでマイクロ波の発振を停止し、遠赤外線
ヒーターによる加熱を開始した。遠赤外線加熱の間は、
5分毎に該乾燥機の扉をあけて、該パラホルムアルデヒ
ドをかき混ぜながら10分間乾燥した。このときの乾燥
機出口ガス温度は40〜43℃であった。
【0035】得られた高濃度パラホルムアルデヒドのホ
ルムアルデヒド含有量は91.5%で、乾燥直後の温水
溶解性は5分間であり、乾燥前後における温水溶解性の
差は無く、また24時間後の温水溶解性を測定したとこ
ろ8分間であった。また、30日後の温水溶解性は15
分間であった。
【0036】実施例3 実施例1と同様に製造した従来品パラホルムアルデヒド
の1000gを、32メッシュの金網が敷いてある内容
積10lの30〜100℃の温風が循環できるバッチ型
マイクロ波流動層乾燥装置に入れ、該マイクロ波乾燥装
置の空塔通気速度が1.5m/sになるように60℃の
温風を循環しながら20分間、パラホルムアルデヒドを
マイクロ波乾燥機で乾燥して、ホルムアルデヒド含有量
が91.5%のパラホルムアルデヒド775gが得られ
たので直ちに25℃の冷風でパラホルムアルデヒドへの
通気速度が5m/sの条件で10分間冷却を実施し、該
パラホルムアルデヒドの品温を29℃まで下げた。
【0037】得られた91.5%のパラホルムアルデヒ
ドの製造直後の温水溶解性を測定したところ3分間であ
った。更に、経日30日後の温水溶解性は12分間であ
った。
【0038】比較例1 実施例1で得られた従来品パラホルムアルデヒドの10
00gを直ちに遠赤外線乾燥機に入れ、空気を10l/
hの流量で該遠赤外線乾燥装置に送入しながら乾燥し
て、ホルムアルデヒド含有量が92%の高濃度パラホル
ムアルデヒド750gを得た。乾燥は、最初従来品パラ
ホルムアルデヒドの品温を50〜55℃で1時間乾燥し
た後に、品温を70〜80℃に上昇して30分間乾燥し
た。得られた高濃度パラホルムアルデヒドの乾燥直後の
温水溶解性は5分間、24時間後の温水溶解性は10分
間、30日後の温水溶解性は40分間であった。実施例
1、2、3と比較して、経日した場合の温水溶解性は、
かなり悪化している。
【0039】比較例2 実施例1で得られた従来品パラホルムアルデヒドの10
00gを32メッシュの金網が引いてある内容積20l
の温風循環乾燥機に入れ、45℃の温風を循環しなが
ら、30分間乾燥しパラホルムアルデヒドのホルムアル
デヒド含有量が86%になったところで、比較例1と同
じ遠赤外線乾燥装置を用いて比較例1と同じ乾燥条件で
乾燥を実施し、ホルムアルデヒド含有量91.8%の高
濃度パラホルムアルデヒド725gが得られたので実施
例3と同一の冷風温度、通気速度で該パラホルムアルデ
ヒドの品温が28℃になるまで冷却した。
【0040】得られた91.8%の高濃度パラホルムア
ルデヒドの製造直後の温水溶解性を測定したところ、5
分間であった。また24時間後の温水溶解性を測定した
ところ10分間、30日後の温水溶解性は38分間であ
った。比較例1と比較して、乾燥後の冷却効果は僅かに
認められるが、実施例1、2、3と比較した場合、経日
により温水溶解性は、やはり悪化している。
【0041】
【発明の効果】本発明は従来品パラホルムアルデヒド
を、単にマイクロ波加熱乾燥することにより高濃度パラ
ホルムアルデヒドを製造し得るものであり、操作的に簡
単な方法である。また、本発明はマイクロ波を使用し、
パラホルムアルデヒドを発熱させ乾燥させるため、パラ
ホルムアルデヒドの表層と内部とで殆ど差を生じること
なく、均一的に乾燥させることができる。
【0042】その結果、従来の方法で製造された高濃度
パラホルムアルデヒドに比べて、重合度のばらつきが少
ないことにより、温水溶解性の良好な、しかも経日して
も溶解性の変化の小さい高濃度パラホルムアルデヒドが
得られるという効果を奏するものである。なお、上記の
如くパラホルムアルデヒドの加熱が均一的に行われるの
で、従来の方法より低温で乾燥が可能である。
【0043】特に、本発明は従来、パラホルムアルデヒ
ド製造業界において大きな課題となっていた、長期間の
経日溶解性を高めたものであり、産業上の寄与は大であ
る。また、本発明の方法は、パラホルムアルデヒドに対
する伝熱が軸射伝熱であるので、マイクロ波加熱は直接
パラホルムアルデヒドだけを加熱し、熱ロスが極めて少
なく、従って、従来の方法に比べて熱効率もよいという
効果もある。更にまた、本発明の方法は冷却・固化して
得られた従来品パラホルムアルデヒドを、直ちに乾燥す
ることも可能である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホルムアルデヒド含有量が78〜
    83重量%のホルムアルデヒド水溶液を冷却・固化して
    得られたパラホルムアルデヒドを乾燥してホルムアルデ
    ヒド含有量が88重量%以上のパラホルムアルデヒドを
    製造する方法において、該パラホルムアルデヒドをマイ
    クロ波加熱乾燥することを特徴とするホルムアルデヒド
    含有量の高いパラホルムアルデヒドの製造方法。
  2. 【請求項2】 マイクロ波加熱〜乾燥するに先立
    ち、30〜60℃の空気を30〜240分間通気せし
    め、パラホルムアルデヒドの軟化点を60℃以上または
    ホルムアルデヒド含有量を86重量%以上にすることを
    特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 30〜100℃の空気をパラホル
    ムアルデヒドに通気しながらマイクロ波加熱乾燥するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 パラホルムアルデヒドを流動させ
    ながらマイクロ波加熱乾燥させることを特徴とする請求
    項1〜3記載のいずれかの方法。
  5. 【請求項5】 マイクロ波加熱乾燥と同時に、ま
    たは該乾燥後に遠赤外線加熱乾燥を行うことを特徴とす
    る請求項1〜4記載のいずれかの方法。
JP29308591A 1990-11-28 1991-11-08 ホルムアルデヒド含有量の高いパラホルムアルデヒドの製造方法 Expired - Lifetime JP2595155B2 (ja)

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