JPH0522106U

JPH0522106U - タイヤ用滑止具

Info

Publication number: JPH0522106U
Application number: JP7000991U
Authority: JP
Inventors: 敏孝西
Original assignee: オーツタイヤ株式会社
Priority date: 1991-09-02
Filing date: 1991-09-02
Publication date: 1993-03-23

Abstract

(57)【要約】【目的】耐久性を向上させると共に、タイヤの横滑り
を防止する。【構成】タイヤ1 の両サイド部4,4 に巻回されるサイ
ドケーブル9,9 に、多数のクロスケーブル8 を梯子状に
連結し、クロスケーブル8 に外径が同一であって硬度の
異なる金属筒体12,13 を交互に並列して套嵌する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、タイヤの滑りを防止するためのタイヤ用滑止具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のタイヤ用滑止具としては、タイヤの両サイド部に略円形に巻回されて配置される一対のサイドケーブルの間にタイヤのトレッド部を横切って配置される多数本のクロスケーブルを間隔をおいて張り渡して連結し、これらのクロスケーブルに、短円筒状の金属筒体と該金属筒体よりも小さい直径を有する合成樹脂筒体とが交互に並列して套嵌されているもの（例えば、実開昭63−28004 号公報参照) や、クロスケーブルに套嵌される筒体が、ほぼ真円筒形の外面を有する本体部分と、この本体部分の外面から外向きに広がっていて切り欠き部が構成されている端部とからなるものがある（例えば、特公平３−36683 号公報参照 ) 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べたもののうち前者においては、金属筒体の周縁エッジ部が路面に引っ掛かってタイヤの軸方向の滑り、すなわち横滑りを防止することができるのであるが、トラック等の大型車輌がアイスバーン等の硬い路面を走行する際には、車輌重量が合成樹脂筒体に作用し、強度が十分でないため破壊する場合が生じるという問題点を有していた。

【０００４】また、後者においては、筒体の周縁エッジ部が路面に引っ掛かって横滑りを防止することができるのであるが、筒体が互いに接した状態でトレッド部に密着保持されると、各筒体の周縁エッジ部による路面への引っ掛かりがあまり期待できないため、タイヤの横滑りを十分に防止することができないという問題点を有していた。

【０００５】本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐久性を向上させるとともにタイヤの横滑りを防止し得るタイヤ用滑止具を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案におけるタイヤ用滑止具は、タイヤの両サイド部に略円形に巻回されて配置される一対のサイドケーブルの間にタイヤのトレッド部を横切って配置される多数本のクロスケーブルを間隔をおいて張り渡して連結し、該クロスケーブルに多数個の金属筒体を回転自在に套嵌したタイヤ用滑止具において、前記金属筒体が同一外径であって硬度の異なる筒体を交互に並列したものである。

【０００７】

【作用】

タイヤに滑止具を装着して走行すると硬度の高い金属筒体12は摩耗が少なく略使用前の形状を保っているが、硬度の低い金属筒体13は前者の筒体に比し摩耗が早く、特にその両周縁エッジ部15,15 の摩耗が早く、ついには太鼓形状となる。なお、硬度の低い金属筒体13がある程度摩耗すると、隣接する硬度の高い金属筒体12が車輌重量の大部分を直接支持することとなるため、硬度の低い金属筒体13 の摩耗がそれ以上進行しない。従って、両筒体12,13 の径の相違による段差によって、硬度の高い金属筒体12の周縁エッジ部14,14 のみが路面に引っ掛かりタイヤの横滑りを防止する。

【０００８】一方、太鼓形状となった金属筒体13は、金属筒体12と共にタイヤの周方向の滑りを防止する。

【０００９】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。図１において、１はタイヤであり、トレッド部2 、両ショルダー部3,3 、及び左右サイド部4,4 を有し、左右サイド部4,4 の径内側端部がリム5 の座に嵌着されている。６はディスクである。

【００１０】７は前記タイヤに巻回されて装着される本考案の滑止具である。この滑止具7 は、図２において展開状としても示されるように、タイヤ1 のトレッド部2 を横切って該タイヤ1 に周方向に間隔をおいて張り渡される多数本のクロスケーブル 8 が、環状とされてタイヤ1 の両サイド部4,4 に配置される一対のサイドケーブル9,9 に連結されて、梯子状に構成されている。また、各サイドケーブル9 の端部には接続具10を掛止するための掛止環11が形成されている。

【００１１】各クロスケーブル8 には、外径が同一であって硬度の異なる金属筒体12、13が交互に適宜間隔をあけて、並列して多数個回転自在に套嵌されている。前記金属筒体12は耐摩耗性の優れたロックウェル硬さ例えばＨＲＡ80〜92の超硬金属で形成されており、他方、金属筒体13は耐摩耗性の小さいロックウェル硬さＨＲＡ40 〜50の軟鋼で形成されている。なお、前記両筒体12,13 の形状は短円筒体が好ましく、該円筒体の両端に周縁エッジ部14,14 、15,15 が設けられている。このさい両筒体12,13 は金属パイプを定寸に切断することによって容易に作成することができるのでコスト低下を図ることができる。しかしながら、本考案の金属筒体 12,13 の形状は図示のものに限定されるものでない。

【００１２】また、上記実施例では硬度の高い金属筒体12は、全体を超硬金属で構成しているが、図示しない内筒と外筒との２重構造とし、内筒を軟鋼材、外筒を超硬金属材で形成したものであっても良い。上記のように構成された本考案の滑止具7 は、走行初期においては図３に示すように両金属筒体12,13 の外径は殆んど変らないが、数10kmを走行すると、硬度の低い金属筒体13の両周縁エッジ部15,15 の摩耗が早いので、図４に示すようについには太鼓形状となる。しかしながら、硬度の高い金属筒体12は摩耗は少なく略使用前の形状を保っている。

【００１３】次に、図５、図６に示す金属筒体16は、前記実施例における金属筒体12の他の実施例を示すものであり、軟鋼で形成された筒体17の外周面に超硬金属の小片18 を隣接する硬度の低い金属筒体13と同径となるよう多数放射状に突設したものである。上記金属筒体16は、超硬金属の小片18により、特に凍結路を走行する際に、小片18が路面に食い込み、それによってタイヤ1 の横滑りを防止するとともに、タイヤ1 の周方向の滑りをも規制することができる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、上述のように、外径が同一であって硬度の異なる金属筒体が交互に並列して多数個組合わされて滑止具が構成されているので、トラック等の大型車輌がアイスバーン等の硬い路面を走行する場合であっても、十分に強度を有する金属筒体を使用しているので、筒体が破壊せず従って耐久性を向上させる。さらに、硬度の低い筒体の摩耗によって、両筒体の径の相違による段差が生じ、硬度の高い筒体の周縁エッジ部が路面に引っ掛かるので、タイヤの横滑りを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】滑止具をタイヤに装着した状態を示す側面断面
図である。

【図２】滑止具の展開図である。

【図３】使用前の要部を示す一部破断側面図である。

【図４】使用後の要部を示す一部破断側面図である。

【図５】他の実施例の要部を示す一部破断側面図であ
る。

【図６】図５の側面図である。

【符号の説明】

１タイヤ２トレッド部４サイド部７滑止具８クロスケーブル９サイドケーブル 12 硬度の高い金属筒体 13 硬度の低い金属筒体

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】タイヤの両サイド部に略円形に巻回され
て配置される一対のサイドケーブルの間にタイヤのトレ
ッド部を横切って配置される多数本のクロスケーブルを
間隔をおいて張り渡して連結し、該クロスケーブルに多
数個の金属筒体を回転自在に套嵌したタイヤ用滑止具に
おいて、前記金属筒体が同一外径であって硬度の異なる
筒体を交互に並列したことを特徴とするタイヤ用滑止
具。