JPH0522032B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、引抜き工法で改装した改装窓枠の取
付構造に関する。

（従来の技術と問題点） 窓枠の改装工法として旧窓枠を建造物躯体に残
存せしめ、該旧窓枠の中に新窓枠を嵌め入れて両
窓枠を取付ける所謂カバー工法と、旧窓枠を建造
物躯体より引抜いて既設の窓開口部に新窓枠を嵌
め入れ、該新窓枠を建造物躯体に取付ける所謂引
抜き工法等があり、所謂引抜き工法は、カバー工
法に比較して旧窓枠が引抜かれているため窓開口
面積を旧窓とほヾ同程度にできる。

ところで、所謂引抜き工法で改装した改装窓枠
として、従来例えば、特開昭57−9979号公報が提
案されているが、この従来例では既設の開口部は
そのままの形状であるため、その窓開口部に新窓
枠を嵌め入れしかも建込み固着するには、作業ス
ペースが少なく、相当な困難をともなつていた。

作業スペースを大きくするには自ずと新窓枠の
形状を小形にしなければならず、これでは窓開口
面積に狭小化を招き、所謂引抜き工法の利点を充
分に発揮できないこともあつた。

更に、上記の点を改善するために、旧窓枠を含
めて既設の窓開口部周囲の壁体を切断して新たな
窓開口部を形成し、その新たな窓開口部に新窓枠
を嵌め入れて固着する工法で改装された改装窓枠
が例えば特開昭57−54678号公報で提案されてい
る。

この従来例は、新窓枠の窓開口部面積は非常に
広くなるが、建造物躯体の切断箇所が余りにも多
く、特に、壁厚が大きい場合には相当な重筋労働
となり、作業が困難をともなつていた。

また、壁体を厚み方向全体にわたつて切断除去
しているので、室外側において該切断部分を補修
したとしても、該切断部分から雨水等が侵入する
おそれがあつた。

本発明は、このような実情に鑑み、極力少ない
壁体の切断作業で旧窓枠とほぼ同等の開口面積を
有する新窓枠を嵌め入れることができ、しかも嵌
め入れ後の新窓枠の取付作業を簡便化することが
できる改装窓枠の取付構造を提供することを目的
とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成すべく、本発明が講じた技術的
手段は、旧窓枠６を壁体１０から引き抜いて除去
することにより、その壁体１０の窓開口部１１側
端縁に、前記旧窓枠６が嵌合されていた断面コ字
状の取付溝８が開放され、この取付溝８に新窓枠
５が新たに嵌め入れられ、かつその新窓枠５が前
記取付溝８内に設けた連結具１５，１８，３７，
３８を介して壁体１０に取り付けられている改装
窓枠の取付構造において、 前記取付溝８の室内側に、室内方向に向かうに
従つて当該取付溝８の底面から前記窓開口部１１
側端縁へ傾斜する案内面１２が形成され、前記新
窓枠５は、前記取付溝８の幅よりも小さい枠厚を
有すると共にその取付溝８内において室外側に偏
つて配置され、この新窓枠５の室内側面５Ａと前
記案内面１２との間に、前記連結具１５，１８，
３７，３８の連結部分が配置されている点にあ
る。

（作用） 本発明では、取付溝８の室内側に形成した案内
面１２が室内方向に向かうに従つて取付溝８の底
面から壁体１０の窓開口部１１側端縁へ傾斜して
いるので、旧窓枠６と同等の開口面積を有する新
窓枠５をその案内面１２に沿つて取付溝８内に簡
単に嵌め入れることができると共に、その案内面
１２を形成する際の壁体１０の切削量も少なくて
済む。

また、新窓枠５を壁体１０に取付けるための連
結具１５，１８，３７，３８の連結部分を新窓枠
５の室内側面５Ａと案内面１２との間に配置して
いるため、溶接棒やドライバー等を案内面１２に
沿つて取付溝８内に容易に挿入することができ
る。

（実施例） 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳述す
る。

第１図は改装窓枠１の全体構成を概略示してお
り、該改装窓枠１は上枠本体２、左側一対の側枠
本体３及び下枠本体４を四角形状に枠組みしてな
り、以下の説明では各枠本体を総称して新窓枠５
と呼び、旧の各枠本体はこれを総称して旧窓枠６
と呼ぶ。

第２図を参照すると、建造物躯体７に取付けら
れている鋼製、木製、アルミニウム製、本例では
取付溝８に嵌合され、アンカーボルト９等を利用
して取付けられている鋼製の旧窓枠６は、ジヤツ
キ、シリンダ等の引抜き工具を利用して躯体７の
壁体１０をハツルことなく例えば特開昭57−9979
号で例示される手段、その他の手段で引抜き除去
される。

旧窓枠６が引抜き除去されると、第３図で示す
如く断面コ字状の取付溝８を有する既設の窓開口
部１１が形成される。

そこで、本発明では窓開口部１１の周辺部、本
実施例では上枠側の室内側周辺部又は、上枠側の
室内側周辺部及び側枠側の室内側周辺部を図示し
ないコンクリート切断機を利用して新窓枠５の嵌
め入れ用の案内面１２を形成する。

即ち、窓開口部１１における少なくとも上枠側
の室内側周辺部の壁体１０を内周面１３から室外
方向斜めにコンクリート切断機を利用して切削
し、これにより、室内方向に向かうに従つて取付
溝８の底面から前記窓開口部１１側端縁の内周面
１３へ傾斜する案内面１２が形成されている。

なお、図４に示すように、新窓枠５の枠厚Ｔ
は、取付溝８の幅Ｗよりも小さいものとされてい
る。

次に、予め四角形状に枠組されたアルミニウム
製、硬質樹脂製等の新窓枠５の外周壁１４に本実
施例では取付舌片１５が溶着１６されたアンカー
金物１７の複数個を枠長手方向摺動自在に取付け
ておき、該新窓枠５を前記案内部１２を介して窓
開口部１１に第３図矢示Ａの如く嵌め入れ、次い
で、前記案内部１２を介して室内側Ｃよりアンカ
ー金物１７の取付舌片１５とアンカーボルト９と
を連結バー１８の溶着１９によつて、新窓枠５の
外周部側と建造物躯体７とを要するに連結して新
窓枠５が本実施例では取付溝８内に一部嵌合され
た状態で建造物躯体７に取付けられる。

そして、この際本実施例では、新窓枠５は取付
溝８内において室外側（図４左側）に偏つて配置
され、この新窓枠５の室内側面５Ａと前記案内面
１２との間に、連結バー１８と取付舌片１５との
連結部分が配置されていて、これにより、これら
連結具１５，１８間の溶着１９の際に図外の溶接
棒を案内面１２に沿つて容易に挿入でき、当該新
窓枠５の取付作業が簡便化される。

また、取付溝８の室外端面８Ａが新窓枠５を建
込むときの室外側奥部の建込みの基準目安及び連
結部１５，１８，１９の連結基準の目安となると
ともに、ひさし部８Ｂはそのままである。

以上の第１実施例は上枠側又は上枠側と側枠側
において実施されるが、下枠側にあつては第６図
に示す実施例が採用される。

旧下枠本体が引抜き除去された躯体７の水切り
勾配部２０に、枠長手全長にわたる長さ又は枠長
手方向所定間隔にわたる長さの金属製ベース金具
２１を複数のアンカーボルト２２で固着し、該ベ
ース金具２１に下枠本体支持金具２３を連結バー
２４と溶着２５を介して固着せしめ、該下枠本体
支持金具２３によつて新窓枠５の下枠本体を下方
より支持するのである。

なお、下枠本体支持金具２３はこれの複数個を
枠長手方向所定間隔おきに設けるものとする。

その他、第４図、第６図に示す取付構造の第１
実施例において、２６は内側添枠で、枠長手全長
にわたる長さのＬ字形押出材で、新窓枠５の室内
側Ｃの側端面にフアスナ２７を介して固着された
支持金物２８にフアスナ２９を介して取付けられ
ている。

又、３０は雨除け材であり、新下枠本体とその
支持金具２３をフアスナ３１で共締めすることに
よつて室外側Ｂの下枠全長にわたつて設けてあ
る。

３２は下部室内側の添枠で、フアスナ３３を介
して取付けられた支持金物３４に係合部３５を介
して係脱自在に嵌合されて取付けてある。

その他、３６は室内外のコーキング材である。

第５図は第２実施例であり、本実施例が第１実
施例（第４図）と異なるところは、斜め方向の連
結部３７を有する取付基板３８がアンカーボルト
９で取付溝８の溝底に固着され、新窓枠５の外周
部に装置したアンカー金物１７の取付舌片１５を
前記連結部３７にフアスナ３９で連結した点にあ
り、その他は第１実施例と同様である。

従つて、この実施例では新窓枠５の取付けにさ
いし、溶接を用いないので迷走電流の発生がない
点で有利となる。

なお、本実施例においても、両連結具３７，３
８の連結部分は新窓枠５の室内側面５Ａと案内面
１２との間に配置されているので、連結具３７，
３８をフアスナ３９で固定する場合に、図外のド
ライバーをその案内面１２に沿つて容易に挿入で
きる。

第７図は下枠側の第２実施例で、水切り勾配部
２０に室内外にアジヤストボルト４０を螺設した
支持金物４１をアンカーボルト２２を介して取付
け、アジヤストボルト４０の螺進退により支持金
物４１の水準面を調整可能としたものである。

第８図は第３実施例、第９図は第４実施例でい
ずれも上枠又は側枠に採用されるもので、第３実
施例は前記第１実施例の、第４実地例は前記第２
実施例の添枠２６の形状がそれぞれ相違するもの
である。

なお、以上の実施例において、アンカー金物１
７は新窓枠５の外周に先付けするものとして説明
しているが、該金物１７は案内面１２を介して後
付けするものであつてもよい。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、取付溝
８の室内側に、室内方向に向かうに従つて当該取
付溝８の底面から壁体１０の窓開口部１１側端縁
へ傾斜する案内面１２を形成したので、極力少な
い壁体１０の切断作業で旧窓枠６とほぼ同等の開
口面積を有する新窓枠５を容易に嵌め入れること
ができ、窓枠改装に際する作業手段間を大幅に低
減できる。

また、本発明によれば、溶接棒やドライバー等
をその案内面１２に沿つて取付溝８内に挿入して
連結具１５，１８，３７，３８の連結を行えるの
で、窓枠改装に際する新窓枠５の取付作業を簡便
化することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は改装窓
枠の全体正面図、第２図は改装前の上枠又は側枠
部分の断面図、第３図は改装工程を示す上枠又は
側枠部分の断面図、第４図は改装後の第１実施例
を示す上枠又は下枠部分の断面図、第５図は同じ
く第２実施例の断面図、第６図は改装後の下枠部
分を示す第１実施例の断面図、第７図は同じく第
２実施例の断面図、第８図と第９図は第３、４実
施例を示す上枠又は下枠部分の断面図である。 １……改装窓枠、５……新窓枠、６……旧窓
枠、７……建造物躯体、１０……壁体、１１……
窓開口部、１２……案内面、１３……内周面、１
７……アンカー金物、１５，１８，３７，３８…
…連結具、２６……内側添枠。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 旧窓枠６を壁体１０から引き抜いて除去する
   ことにより、その壁体１０の窓開口部１１側端縁
   に、前記旧窓枠６が嵌合されていた断面コ字状の
   取付溝８が開放され、この取付溝８に新窓枠５が
   新たに嵌め入れられ、かつその新窓枠５が前記取
   付溝８内に設けた連結具１５，１８，３７，３８
   を介して壁体１０に取り付けられている改装窓枠
   の取付構造において、 前記取付溝８の室内側に、室内方向に向かうに
   従つて当該取付溝８の底面から前記窓開口部１１
   側端縁へ傾斜する案内面１２が形成され、前記新
   窓枠５は、前記取付溝８の幅よりも小さい枠厚を
   有すると共にその取付溝８内において室外側に偏
   つて配置され、この新窓枠５の室内側面５Ａと前
   記案内面１２との間に、前記連結具１５，１８，
   ３７，３８の連結部分が配置されていることを特
   徴とする改装窓枠の取付構造。