JPH0522011B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、建築物の最下部に設けられる建築用
基礎構造及びその施工方法に関するものである。

〔従来技術及び本発明が解決しようとする問題点〕

一般に、この種建築用基礎のなかには、主に木
造建築用基礎として用いられる直接基礎（布基
礎、独立基礎等）がある。しかるにこのもは、根
切り→割ぐり敷き→捨コンクリート打込み→養生
→型枠組立て→コンクリート打込み→養生→型枠
取外し→埋戻し等の複雑かつ煩雑な工程によつて
施工されるものであり、しかもコンクリートの養
生期間が必要なため工期が長くなつてしまい、こ
のため短期間の施工を目的とする簡易的な増築等
への対応が難しく問題となつていた。

〔問題を解決する手段〕

本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの欠点
を一掃することができる建築用基礎構造及びその
施工方法を提供することを目的として創案された
ものであつて、第一の発明は、基礎の外殻を、開
口部を有する中空状の箱体と、上記開口部を覆蓋
する蓋体とで構成すると共に、上記中空部には、
砂等の充填物が充填されていることを特徴とし、
また第二の発明は、基礎を地盤に埋設するに、ぐ
り石敷等の地業がされた根切り底に、開口部を有
する中空状の箱体を設置した後、上記中空部に砂
等の充填物を充填し、しかる後、上記開口部を蓋
体で覆蓋してから埋戻しをすることを特徴とする
ものである。

そして本発明は、この構成によつて、建築用基
礎を、極めて簡略な工程で短期間に施工できるよ
うにしたものである。

〔実施例〕

次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。図面において、１は地盤に埋設される基礎
本体であつて、該基礎１は縦断面が略逆Ｔ字状
で、かつ前後方向に伸びる形状に形成され、所謂
布基礎（直接基礎）として用いられるものであ
る。

２は基礎１の外殻を形成する箱体であつて、該
箱体２は、前記の如く断面略逆Ｔ字状の形成され
るものであるが、このものはガラス繊維補強コン
クリート（GRC）等の強化素材で中空状に形成
されており、この中空部２ａには後述するよう
に、箱体２上端の開口２ｂから砂３等の所定重量
を持つ細粒物が充填されるようになつている。ま
た、箱体２左右両肩部の水平辺２ｃには、上方に
向つて突出するボルト４が前後方向に所定間隔を
存して固設されている。

一方、５は箱体２と同様に強化素材で形成され
る蓋体であつて、該蓋体５は下方に開口した断面
ハツト形に形成されて、箱体２の開口２ｂを塞ぐ
べく箱体２の上部（頭部２ｄ）を覆蓋するもので
あるが、左右に突出するフランジ部５ａには、前
記ボルト４に対応する位置に貫通孔５ｂが形成さ
れており、該貫通孔５ｂを貫通するボルト４と、
ナツト４ａの緊締によつて蓋体５は箱体２に一体
的に組付けられるようになつている。さらに、蓋
体５の上端面には、土台６固定用のアンカーボル
ト７が上方に向つて突出するように設けられてい
る。

ここで、基礎１の施工方法を第３図Ａ，Ｂ，
Ｃ，Ｄ，Ｅに基づいて説明する。まず、地盤８を
所定溝形状に掘削し、根切り底８ａを突固める
（第３図Ａ）。次に、根切り底８ａに割ぐり石９を
敷いてさらに突固めた後に、箱体２を所定位置に
設置する（第３図Ｂ）。そして、開口２ｂから中
空部２ａに砂３を充填（第３図Ｃ）してから箱体
２に蓋体５を被せ、ボルト４、ナツト４ａによつ
て一体的に固定する（第３図Ｄ）。最後に埋戻し
（第３図Ｅ）を行なつて基礎の施工が完了する。

叙述の如く構成された本発明の実施例におい
て、施工据付けされた基礎１は箱体２の中空部２
ａに砂３が充填されて所定重量を有するものとな
り、これによつて、引抜き、転倒等が防止された
建築用基礎の基本的機能を具備したものとなる。

この様に本発明では、基本的機能を具備した基
礎１を、型枠組立て、取外し等の煩雑な作業が必
要なコンクリートを用いることなく、予め工場等
で作製された箱体２の中空部２ａに砂３を充填す
るだけの極めて簡単な構成によつて施工すること
ができることになるので、施工現場における作業
性の向上が計れることになり、しかも長時間かか
るコンクリートの養生も不要となるので工期を大
幅に短縮することができる。

尚、本発明は前記実施例に限定されないもので
あることは勿論であつて、例えば箱体２の中空部
２ａに充填する充填物は砂３等の細粒物に限ら
ず、粗粒物、流動物等であつてもよい。また、箱
体２の形状を適宜変更すれば、独立基礎、複合基
礎等とすることができる。

〔作用効果〕

以上要するに、本発明は叙述の如く構成したも
のであるから、施工現場において、予め工場等で
作製された箱体の中空部に充填物を充填するだけ
で所定重量を有する基礎を施工することができる
ことになり、従つて、従来の基礎施工における、
型枠組立て、取外し等のコンクリート打設作業が
不要となつて、施工現場における作業性の向上が
計れることになり、しかも、コンクリートの養生
も不要となるので大幅な工期短縮が可能となる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明に係る建築用基礎構造及びその
施工方法の一実施例を示したものであつて、第１
図は基礎の縦断面図、第２図は同上分解斜視図、
第３図Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅは同上施工説明図であ
る。 図中、１は基礎本体、２は箱体、２ａは中空
部、２ｂは開口、３は砂、５は蓋体である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 基礎の外殻を、開口部を有する中空状の箱体
   と、上記開口部を覆蓋する蓋体とで構成すると共
   に、上記中空部には、砂等の充填物が充填されて
   いることを特徴とする建築用基礎構造。 ２ 基礎を地盤に埋設するに、ぐり敷石等の地業
   がされた根切り底に、開口部を有する中空状の箱
   体を設置した後、上記中空部に砂等の充填物を充
   填し、しかる後、上記開口部を蓋体で覆蓋してか
   ら埋戻しをすることを特徴とする建築用基礎の施
   工方法。