JPH0521496Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、インナーケースに対して車載用音響
機器を挿脱自在としたロツク装置に関する。

＜従来の技術＞ 車載用音響機器、例えばカーステレオ、CDプ
レーヤ等は、近年益々高品質化及び高級化されて
おり、これに伴い音響機器自体が盗難に合うこと
も多くなつている。この盗難から音響機器を守る
為に、ダツシユボードに取付けるインナーケース
に対して音響機器を挿脱自在と為し、自動車から
離れる場合等には音響機器本体をインナーケース
から容易に取外しできる機構が要求されている。

その機構として従来、次の様なロツク装置が考
案されている。即ち、音響機器の前面操作部に一
対のアームと把手から成る略〓状のハンドルを設
け、機器本体の側部に固定されたハンドル取付板
にそのアームを軸承する。又そのアームには係止
板を枢支する。そして上記ハンドルの上げ下げ操
作により係止板の先端をインナーケースの係止孔
に挿脱させて、機器本体をインナーケースに対し
て挿脱自在としたものである。

＜考案が解決しようとする問題点＞ しかし上記機構における従来のハンドルは、ハ
ンドルから手を離した時には自重により回動して
下がつてしまい、このハンドルを任意の位置で保
持させることができなかつた。従つて機器本体の
挿脱時等の使い勝手が悪く、又ハンドルがガタつ
くことがあつた。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は上記問題点を解決すべく、上記ハンド
ル取付板とハンドルのアームとの間の支軸の周囲
に弾性体を押圧した状態で介在させたものであ
る。

＜作用＞ 従つてハンドル取付板とアームの間に適度な摩
擦が生じ、その摩擦力によりハンドルは自重で回
動して下がることなく任意の位置で保持される。

＜実施例＞ 以下、図面に基づいて本考案の一実施例を説明
する。

第１図はインナーケース１に対し音響機器の機
器本体２を挿脱する状態を示す一部省略斜視図、
又第２図はインナーケース１内に音響機器の機器
本体２を挿着した状態の一部省略平断面概略図で
ある。

インナーケース１は薄板鋼板等により前面開口
を有する箱型に形成され、その上面１１と側部１
２，１２が為す隅部に夫々一対の係止孔１３，１
３が設けられている。

一方機器本体２はカセツトテーププレーヤや
CDプレーヤ等を内蔵したもので、その筐体前面
にはノーズ、所謂操作部２１が設けられ、この操
作部２１に設けられた挿入口からカセツトテープ
やコンパクトデイスクが挿入される。

上記操作部２１には、操作部２１を囲むフエイ
スプレートＦと、一対のアーム３１，３２と把手
３３により略〓状を為すハンドル３が設けられて
いる。そのアーム３１，３２の先端は、ハンドル
取付板４，５に支軸P₁，P₂により夫々軸承され
ている。その為把手３３は支軸P₁，P₂を中心に
した上下動、所謂上げ下げ操作が可能となる。ハ
ンドル取付板４，５は機器本体２の側部２２，２
３にネジＮ，Ｎにより取着されたものである。又
上記フエイスプレートＦもこのハンドル取付板
４，５に取着されている。

更に、第２図で示す様に、何れか一方例えば右
側のハンドル取付板４とアーム３１の間の支軸
P₁の周囲には、弾性に富み且つ耐摩耗性の大き
いネオプレンゴム等から成るリング状の弾性体６
が押圧された状態で介在されている。すなわち押
圧された状態の弾性体６によりハンドル取付板４
とアーム３１の間に適度な摩擦が生じ、その摩擦
力によつてハンドル３は自重で回動して下がるこ
となく任意の位置で保持される。

又他方のハンドル取付板５とアーム３２の間に
は、ハンドル押上レバー７が支軸P₂と同軸に回
動自在に、しかもガタつかない様に隙間なく取着
されている。このハンドル押上レバー７は略〓状
に折曲された板材で、操作部２１に突出した一端
の押圧部７１を押すことにより、フエイスプレー
トＦと一体化された状態で収納されたハンドル３
のアーム３２を他端の押上部７２が押上げ、把手
３３をつかめる程度に操作部２１前方に突出させ
るものである。

一方アーム３１，３２の支軸P₁，P₂に対して
把手３３方向寄りには枢軸P₃，P₃を介して係止
板２４，２４が枢支されている。この係止板２
４，２４には先鋭状の先端２４ａ，２４ａが、又
略中央には半弧状のスライド溝２４ｂ，２４ｂが
夫々形成されている。更にスライド溝２４ｂ，２
４ｂ内にはハンドル取付板４，５に夫々立設され
たガイドピンＧ，Ｇが遊嵌されている。

又何れか一方例えば右側のハンドル取付板４の
開口４１から機器本体２内に設けられたポーズス
イツチ（図示せず）の切替レバーＬが突出してい
る。この切替レバーＬが係止板２４の下側縁に形
成されたカム辺２４ｃにより上下動してポーズス
イツチはON，OFFされる。

上述の如く、ハンドル３、係止板２４，２４、
ハンドル取付板４，５はフエイスプレートＦとと
もに一体的にユニツト化されており、ハンドル取
付板４，５のネジＮ，Ｎにより機器本体２に着脱
可能に取着されている。

次に上記構成のロツク装置による挿脱操作を説
明する。

尚説明を簡略化する為、ポーズスイツチの切替
レバーＬが突出しているハンドル取付板４の係止
板２４における挿脱操作を説明し、他方の挿脱操
作については省略する。

先ずインナーケース１から機器本体２を引き出
す操作について説明する。

第３図の一部省略斜視図で示す様に、機器本体
２はインナーケース１の所定位置に挿着されてお
り、このとき係止板２４の先端２４ａはインナー
ケース１の係止孔１３に嵌入された、所謂ロツク
状態となつている。しかもカム辺２４ｃは切替レ
バーＬと当接しておらず、ポーズスイツチは
OFFの状態、即ち機器本体２は駆動可能な状態
となつている。

次いでハンドル押上レバー７の押圧部７１を押
してハンドル３を操作部２１の前方に突出させる
と、ガイド溝２４ｂがガイドピンＧに沿つて移動
し係止板２４の先端２４ａが係止孔１３から脱抜
される。しかもこのときカム辺２４ｃが切替レバ
ーＬを押し下げ、これによりポーズスイツチが
ON状態とり、機器本体２が駆動中であれば一時
停止状態、例えばキヤブスタンシヤフトに対する
ピンチローラの圧接が解除されてテープの走行が
中断、中止された状態となる。

斯かる状態において、第１図に示す様に、ハン
ドル３を手前に引き出せば電源コネクター（図示
せず）が外れ、機器本体２はインナーケース１か
ら完全に引き出される。

一方、インナーケース１内に機器本体２を挿着
する場合は、前述の引き出す操作とは逆の操作を
行えば、係止板２４がガイドピンＧに沿つて上昇
し、先端２４ａがインナーケース１の係止孔１３
に嵌挿される。そして電源コネクターが接続され
て機器本体２の駆動が可能となる。

＜考案の効果＞ 以上述べた様に上記構成のロツク装置は、ハン
ドルの上げ下げ操作によりインナーケースに対し
機器本体を容易に挿脱でき、しかも挿脱時にハン
ドルが任意の位置で保持される為に非常に使い勝
手が良く、又ハンドルがガタつくこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、インナーケースに対し音響機器の機
器本体を挿脱する状態を示す一部省略斜視図、第
２図は、インナーケース内に音響機器の機器本体
を挿着した状態の一部省略平断面概略図、第３図
は、インナーケース内に音響機器の機器本体を挿
着した状態を示す一部省略斜視図である。 １……インナーケース、１３……係止孔、２…
…機器本体、２１……操作部、２２，２３……側
部、２４……係止板、２４ａ……先端、３……ハ
ンドル、３１，３２……アーム、３３……把手、
４，５……ハンドル取付板、６……弾性体、P₁，
P₂……支軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 音響機器の前面操作部に、一対のアームと把手
   から成る略〓状のハンドルを設け、機器本体の側
   部に取着されたハンドル取付板に前記アームを支
   軸により軸承すると共に、該アームに係止板を枢
   支し、前記ハンドルの上げ下げ操作により前記係
   止板の先端をインナーケースの係止孔に挿脱させ
   るものであつて、前記ハンドル取付板と前記アー
   ムの間の前記支軸の周囲に弾性体を押圧した状態
   で介在させたことを特徴とする車載用音響機器の
   ロツク装置。