JPH0521440A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH0521440A
JPH0521440A JP16952291A JP16952291A JPH0521440A JP H0521440 A JPH0521440 A JP H0521440A JP 16952291 A JP16952291 A JP 16952291A JP 16952291 A JP16952291 A JP 16952291A JP H0521440 A JPH0521440 A JP H0521440A
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JP
Japan
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collector region
region
intrinsic
type
epitaxial layer
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JP16952291A
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English (en)
Inventor
Yasuo Maruyama
泰男 丸山
Yuzuru Fujita
譲 藤田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】縦型構造のバイポーラトランジスタを有する半
導体装置において、周波数特性、電力利得、雑音指数、
接合耐圧のいずれをも改善する。 【構成】縦型構造のバイポーラトランジスタTrを有す
る半導体装置において、n+ 型半導体基板1Aの主面上
にn型エピタキシャル層1B、n- 型エピタキシャル層
1Cの夫々を順次成長した半導体基体1を使用し、前記
縦型構造のバイポーラトランジスタの真性コレクタ領域
を2分割して、n型エピタキシャル層1Bで一方の第1
真性コレクタ領域1Bを、n- 型エピタキシャル層1C
で他方の第2真性コレクタ領域1Cを夫々構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置に関し、特
に、縦型構造のバイポーラトランジスタを有する単体構
造の半導体装置に適用して有効な技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】音響機器のミキサー、車載用電話機のミ
キサー等に高周波特性のバイポーラトランジスタを搭載
する単体構造の半導体装置が使用される。
【0003】この単体構造の半導体装置は高い不純物濃
度のn型半導体基板(単結晶珪素)及びその主面上に成
長した低い不純物濃度のn型エピタキシャル層で形成さ
れる半導体基体を主体に構成される。バイポーラトラン
ジスタは前記半導体基体の主面からその深さ方向にn型
エミッタ領域、p型ベース領域、n型コレクタ領域の夫
々を順次配列した縦型構造のnpn型で構成される。
【0004】前記n型コレクタ領域は、半導体基体のn
型エピタキシャル層を真性コレクタ領域として使用し、
n型半導体基板をグラフトコレクタ領域として使用す
る。すなわち、n型コレクタ領域は半導体基体自体で構
成される。p型ベース領域は、n型コレクタ領域の真性
コレクタ領域(n型エピタキシャル層)の主面部に形成
され、真性ベース領域及びその周囲に配置されかつ電気
的に接続されるグラフトベース領域で構成される。n型
エミッタ領域はp型ベース領域の真性ベース領域の主面
部に構成される。
【0005】この種の縦型構造のバイポーラトランジス
タにおいては、周波数特性(fT )の改善(動作速度の
高速化)を目的とし、n型コレクタ領域の直列寄生抵抗
を低減する技術がいくつか報告されている。例えば、情
通学会予稿集、1989年、第5分冊、第205頁。こ
の報告された技術は、縦型構造のバイポーラトランジス
タのn型コレクタ領域のうち、真性コレクタ領域のn型
エミッタ領域の直下にのみ真性コレクタ領域に比べて高
い不純物濃度を有するn型半導体領域(部分的な高い不
純物濃度を有する真性コレクタ領域)を構成する。この
n型半導体領域は、イオン打込み装置を使用し、高加速
エネルギでn型不純物を半導体基体のn型エピタキシャ
ル層中に深く導入することにより形成される。
【0006】この報告された技術によれば、縦型構造の
バイポーラトランジスタにおいて、前記真性コレクタ領
域の抵抗値がn型半導体領域で低減されるので、周波数
特性を向上できる。また、縦型構造のバイポーラトラン
ジスタにおいて、真性コレクタ領域のn型エミッタ領域
の直下以外は不純物濃度が低く、この不純物濃度が低い
真性コレクタ領域とベース領域とのpn接合部に付加さ
れる寄生容量が低減できるので、電力利得(P.G.)の
増大、雑音指数(NF)の低減ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
報告された技術が適用される縦型構造のバイポーラトラ
ンジスタを搭載する単体構造の半導体装置において、本
発明者は下記の問題点を見出した。
【0008】前記縦型構造のバイポーラトランジスタ
は、より一層の周波数特性の向上を図るには、真性コレ
クタ領域のn型エミッタ領域の直下に配置されるn型半
導体領域(n型コレクタ領域)の不純物濃度をさらに高
くする必要がある。しかしながら、n型半導体領域の不
純物濃度を高くすると、このn型半導体領域とp型ベー
ス領域とのpn接合耐圧が低下し、周波数特性の向上と
は逆にn型エミッタ領域−n型コレクタ領域間の接合耐
圧(VCEO )が劣化する。
【0009】また、同様に、前記n型コレクタ領域のn
型半導体領域の不純物濃度が高くなると、極部的とはい
え、このn型半導体領域とp型ベース領域とのpn接合
部に付加される寄生容量が増大する。つまり、周波数特
性の向上とは逆に、電力利得は減少し、雑音指数は増大
する。
【0010】本発明の目的は、縦型構造のバイポーラト
ランジスタを有する半導体装置において、周波数特性、
電力利得、雑音指数、接合耐圧のいずれをも改善するこ
とが可能な技術を提供することにある。
【0011】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば下
記のとおりである。
【0013】(1)半導体基板の主面上に成長させたエ
ピタキシャル層にその主面から深さ方向に向ってエミッ
タ領域、ベース領域、コレクタ領域の夫々を順次配列し
た、縦型構造のバイポーラトランジスタを有する半導体
装置において、前記縦型構造のバイポーラトランジスタ
のコレクタ領域のうち、前記エピタキシャル層中に配置
される真性コレクタ領域を深さ方向に2分割し、この2
分割されたうちの前記半導体基板の主面に接触する一方
の第1真性コレクタ領域が、前記ベース領域と接合を形
成する他方の第2真性コレクタ領域の不純物濃度に比べ
て高い不純物濃度で構成されるとともに、前記半導体基
板で形成されたコレクタ領域のグラフトコレクタ領域、
又は半導体基板、エピタキシャル層の夫々の一部に形成
されたコレクタ領域のグラフトコレクタ領域に比べて低
い不純物濃度で構成される。
【0014】(2)前記手段(1)の縦型構造のバイポ
ーラトランジスタにおいて、前記真性コレクタ領域の分
割された他方の第2真性コレクタ領域の深さ方向の厚さ
は、動作電圧で第2真性コレクタ領域とベース領域との
pn接合部からこの第2真性コレクタ領域側に形成され
る空乏層の幅寸法とほぼ同等に設定され、前記真性コレ
クタ領域の一方の第1真性コレクタ領域及び他方の第2
真性コレクタ領域の合計の深さ方向の厚さは、前記動作
電圧でコレクタ領域−エミッタ領域間の接合耐圧が確保
できる空乏層の幅寸法とほぼ同等に設定する。
【0015】(3)前記手段(1)又は手段(2)の半
導体基板の主面上に成長されたエピタキシャル層は、前
記縦型構造のバイポーラトランジスタのコレクタ領域の
真性コレクタ領域の分割された一方の第1真性コレクタ
領域の不純物濃度と同等の第1エピタキシャル層、他方
の第2真性コレクタ領域の不純物濃度と同等の第2エピ
タキシャル層の夫々が順次積層される。
【0016】
【作用】上述した手段(1)によれば、以下の作用効果
が得られる。
【0017】(A)前記縦型構造のバイポーラトランジ
スタにおいて、コレクタ領域の真性コレクタ領域の抵抗
が高い不純物濃度の第1真性コレクタ領域で低減される
ので、周波数特性を向上できる。
【0018】(B)前記縦型構造のバイポーラトランジ
スタにおいて、コレクタ領域の真性コレクタ領域とベー
ス領域とのpn接合を低い不純物濃度の第2真性コレク
タ領域とベース領域とのpn接合にし、このpn接合部
に付加される寄生容量を低減できるので、電力利得、雑
音指数のいずれも向上できる。
【0019】(C)前記縦型構造のバイポーラトランジ
スタにおいて、コレクタ領域の真性コレクタ領域の第1
真性コレクタ領域が前記グラフトコレクタ領域の不純物
濃度に比べて低い不純物濃度に設定され、電界強度を緩
和できるので、コレクタ領域−エミッタ領域間の接合耐
圧を向上できる。
【0020】上述した手段(2)によれば、前記縦型構
造のバイポーラトランジスタにおいて、動作電圧(実装
電圧)までの範囲内においては、コレクタ領域の真性コ
レクタ領域とベース領域とのpn接合部に付加される寄
生容量を優先的に低減し、動作電圧からエミッタ領域−
コレクタ領域間の接合耐圧までの範囲内においては、前
記接合耐圧を確保した状態で、コレクタ領域に付加され
る抵抗を低減できる。
【0021】上述した手段(3)によれば、予じめ不純
物濃度が各々設定された2層のエピタキシャル層を成長
した半導体基体を使用し、各々のエピタキシャル層に第
1真性コレクタ領域、第2真性コレクタ領域の夫々を形
成することにより、高加速エネルギのイオン打込み装置
の使用や高温度、長時間の熱処理工程を廃止できるの
で、イオン打込み装置の使用に基づく弊害(例えば、結
晶欠陥の発生、それを回復するための熱処理工程)、熱
処理工程の弊害(例えば不純物濃度分布のブロード)を
排除できる。
【0022】以下、本発明の構成について、音響機器の
ミキサー、車載用電話機のミキサー等に使用される、高
周波特性の縦型構造のバイポーラトランジスタを搭載す
る単体構造の半導体装置に本発明を適用した、一実施例
とともに説明する。
【0023】なお、実施例を説明するための全図におい
て、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り
返しの説明は省略する。
【0024】
【実施例】本発明の一実施例である単体構造の半導体装
置に搭載された縦型構造のバイポーラトランジスタの構
成を図1(要部断面図)で示す。
【0025】図1に示すように、単体構造の半導体装置
は単結晶珪素からなる高い不純物濃度のn+ 型半導体基
板1A及びその主面上に成長させたn型エピタキシャル
層で形成される半導体基体1を主体に構成される。n型
エピタキシャル層は、n+ 型半導体基板1Aの主面から
その上層に向って(半導体基体の深さ方向において)少
なくとも2分割された、中程度の不純物濃度のn型エピ
タキシャル層1B及び低い不純物濃度のn- 型エピタキ
シャル層1Cで構成される。
【0026】前記n+ 型半導体基板1A、n型エピタキ
シャル層1B、n- 型エピタキシャル層1Cの夫々の不
純物濃度分布を図2(不純物濃度分布図)で示す。図2
の横軸は不純物濃度[atoms/cm3]を示し、縦軸は半導
体基体1の主面からの深さを示す。
【0027】図2に示すように、n+ 型半導体基板1A
は、不純物濃度が例えば1018〜1019[atoms/cm3
程度に設定され、抵抗値が例えば0.01〜0.02[Ω
・cm]程度に設定される。
【0028】n型エピタキシャル層のうち、n+ 型半導
体基板1Aの主面側に接触するn型エピタキシャル層1
Bは、不純物濃度が例えば1016〜1017[atoms/c
m3]程度に設定され、抵抗値が例えば0.1〜0.3[Ω
・cm]程度に設定される。このn型エピタキシャル層1
Bは、後述する理由に基づき、約 0.2[μm]程度の
厚さで成長される。
【0029】n型エピタキシャル層のうち、半導体基体
1の主面側のn- 型エピタキシャル層1Cは、不純物濃
度が例えば1015〜1016[atoms/cm3]程度に設定さ
れ、抵抗値が例えば1.0〜2.0[Ω・cm]程度に設定
される。このn- 型エピタキシャル層1Cは、同様に後
述する理由に基づき、約1.8〜2.0[μm]程度の厚
さで成長される。
【0030】前記図1に示すように、半導体基体1は縦
型構造のバイポーラトランジスタTrを搭載する。この
バイポーラトランジスタTrは、半導体基体1の主面か
らその深さ方向に向って、n型エミッタ領域、p型ベー
ス領域、n型コレクタ領域の夫々の動作領域を順次配列
した、npn型で構成される。
【0031】前記n型コレクタ領域は真性コレクタ領域
及びグラフトコレクタ領域で構成される。真性コレクタ
領域は、半導体基体1の深さ方向に2分割され、中程度
の不純物濃度のn型エピタキシャル層1Bで形成される
第1真性コレクタ領域1B及び低い不純物濃度のn- 型
エピタキシャル層1Cで形成される第2真性コレクタ領
域1Cで構成される。グラフトコレクタ領域はn+ 型半
導体基板1Aで構成される。つまり、n型コレクタ領域
の一部は半導体基体1を主体に構成される。
【0032】前記n型コレクタ領域の真性コレクタ領域
のうち、第1真性コレクタ領域1Bはn型エピタキシャ
ル層1Bと同等の不純物濃度、抵抗値及び厚さで構成さ
れる。第2真性コレクタ領域1Cはn- 型エピタキシャ
ル層1Cと同等の不純物濃度、抵抗値及び厚さで構成さ
れる。
【0033】n型コレクタ領域は、半導体基体1の裏面
つまりn+ 型半導体基板1Aの裏面に構成されたコレク
タ電極11を介在して、コレクタ電位が供給される。
【0034】p型ベース領域は、n型コレクタ領域の真
性コレクタ領域のうち第2真性コレクタ領域(n- 型エ
ピタキシャル層)1Cの主面部に形成され、低い不純物
濃度のp型半導体領域2で形成される真性ベース領域2
及び高い不純物濃度のp+ 型半導体領域3で形成される
グラフトベース領域3で構成される。
【0035】前記p型ベース領域のうち真性ベース領域
2は、図2に示すように、不純物濃度が約1018〜10
19[atoms/cm3]程度に設定される。真性ベース領域2
は、20〜40[KeV]程度の加速エネルギに設定さ
れたイオン打込み装置を使用し、B(硼素)を導入して
形成され、半導体基板1の主面から約 0.3[μm]程
度の深さにn型コレクタ領域とpn接合を構成する。
【0036】前記グラフトベース領域3は、図2に示し
ていないが、不純物濃度が約1020〜1021[atoms/c
m3]程度に設定される。グラフトベース領域3は、40
〜75[KeV]程度の加速エネルギに設定されたイオ
ン打込み装置を使用し、Bを導入することで形成され
る。
【0037】前記n型エミッタ領域は、p型ベース領域
の真性ベース領域2の主面部に形成され、高い不純物濃
度のn+ 型半導体領域4で構成される。n+ 型半導体領
域4は、図2に示すように、不純物濃度が約1020〜1
21[atoms/cm3]程度に設定される。n+ 型半導体領
域4は、80〜90[KeV]程度の加速エネルギに設
定されたイオン打込み装置を使用し、As(砒素)を導
入して形成され、半導体基板1の主面から約0.15〜
0.2[μm]程度の深さに真性ベース領域2とpn接
合を構成する。
【0038】この縦型構造のバイポーラトランジスタT
rはn型エミッタ領域に層間絶縁膜5及び6に形成され
たエミッタ開口7を通してエミッタ引出用電極8が電気
的に接続される。エミッタ引出用電極8は例えばn型不
純物が導入された多結晶珪素膜で形成される。また、こ
のエミッタ引出用電極8、p型ベース領域のグラフトベ
ース領域3の夫々には配線10が電気的に接続される。
グラフトベース領域3、配線10の夫々の接続は層間絶
縁膜5及び6に形成された接続孔9を通して行われる。
配線10は例えばアルミニウム合金膜で形成される。
【0039】このように構成される縦型構造のバイポー
ラトランジスタTrは、以下の数式1に基づきコレクタ
容量CC が、数式2に基づきコレクタ抵抗RC が夫々導
きだされる。
【0040】
【数1】
【0041】但し、Aはベース領域とコレクタ領域との
pn接合面積。Nは真性コレクタ領域の不純物濃度。V
R はコレクタ電圧(動作電圧若しくは実使用電圧)。q
は電子の電荷。KS は誘電率。ε0 は比誘電率。φB
ビルトインポテンシャル。
【0042】
【数2】
【0043】但し、ρepi はコレクタ領域の抵抗率。W
はエミッタ幅。lはエミッタ長。Nはエミッタストライ
プ本数。tはt=depi−(djB+χC)、ここでtは真
性コレクタ領域の残存する厚さ、depi はエピタキシャ
ル層の厚さ、χC はエピタキシャル層中に形成される空
乏層幅、djB はベース深さ。
【0044】前記数式1に表わされるように、コレクタ
容量CC はコレクタ領域の不純物濃度Nの変動で増減す
る。本実施例の縦型構造のバイポーラトランジスタTr
は、p型ベース領域の真性ベース領域2とpn接合を形
成する第2真性コレクタ領域1Cがn型コレクタ領域の
うち最っとも低い不純物濃度に設定され、コレクタ容量
C を低減する。
【0045】また、数式2に表わされるように、コレク
タ抵抗RC は、動作電圧の印加時、真性コレクタ領域の
残存する厚さtの変動で増減する。この真性コレクタ領
域の残存する厚さtは、真性コレクタ領域と真性ベース
領域とのpn接合部から真性コレクタ領域側に形成され
る空乏層幅W及び真性ベース領域の深さを真性コレクタ
領域の厚さ(n型エピタキシャル層の厚さdepi )から
差し引いた値である。本実施例の縦型構造のバイポーラ
トランジスタTrは、真性コレクタ領域のうちコレクタ
抵抗RC を決定する領域に第1真性コレクタ領域1Bを
配置して若干不純物濃度を高くし(n+ 型半導体基板1
Aに比べては低い不純物濃度)、この第1真性コレクタ
領域1Bの厚さを薄く設定し、コレクタ抵抗RC を低減
する。
【0046】つまり、本実施例の縦型構造のバイポーラ
トランジスタTrは、n型コレクタ領域の第2真性コレ
クタ領域1Cの深さ方向の厚さを動作電圧時において形
成される空乏層幅とほぼ同等に構成し、動作電圧までの
範囲内において第2真性コレクタ領域1Cと真性ベース
領域2とのpn接合部に付加される寄生容量を優先的に
低減する構造で構成される。
【0047】また、前記縦型構造のバイポーラトランジ
スタTrは、前記真性コレクタ領域の第1真性コレクタ
領域1B及び第2真性コレクタ領域1Cの合計の深さ方
向の厚さを、前記動作電圧でコレクタ領域−エミッタ領
域間の接合耐圧が確保できる空乏層の幅寸法とほぼ同等
に設定し、接合耐圧を確保しつつコレクタ抵抗RC を低
減できる構造で構成される。
【0048】このような理由に基づき、例えば動作電圧
として、3〜5[V]の電圧が使用される場合、前記縦
型構造のバイポーラトランジスタTrの第1真性コレク
タ領域1B、第2真性コレクタ領域1Cの夫々が前述の
数値で構成される。これらの数値に設定される縦型構造
のバイポーラトランジスタTrは、従来の単層のエピタ
キシャル層で構成される縦型構造のバイポーラトランジ
スタに比べて、コレクタ容量CC が約30[%]低減さ
れ、コレクタ抵抗RC が約45[%]低減される。
【0049】この結果、単体構造の半導体装置は、コレ
クタ容量CC が約30[%]低減されるので、P.G.∝
1/rbb’・CC で表わされる電力利得が約1.6[d
B]改善される。
【0050】また、単体構造の半導体装置は、fT=1
/2π(τe+τb+τx+τc)で表わされる周波数特性
(利得帯域幅積)が、τc=RC・CCが前述のコレクタ
容量CC の低減と併せて約61[%]低減され、0.6
〜0.8[GHZ]に改善される。
【0051】次に、前述の単体構造の半導体装置の形成
方法について、図3乃至図5(各製造工程毎に示す要部
断面図)を使用し、簡単に説明する。
【0052】まず、図3に示すように、単結晶珪素から
なるn+ 型半導体基板1Aの主面上にn型エピタキシャ
ル層1B、n- 型エピタキシャル層1Cの夫々を順次成
長した半導体基体1を用意する。この半導体基板1のn
+型半導体基板1A、n型エピタキシャル層1B、n-
型エピタキシャル層1Cの夫々は前述の条件下において
形成される。前記n型エピタキシャル層1B、n- 型エ
ピタキシャル層1Cの夫々は、エピタキシャル成長法に
よれば、現在、約±0.1[μm]以下の精度で膜厚を
制御でき、しかも不純物濃度も±3〜5[%]程度の精
度で制御できる。したがって、n型エピタキシャル層1
B、n- 型エピタキシャル層1Cの夫々の形成に際し
て、イオン打込み装置による高加速エネルギの不純物の
導入を行う必要がなく、又高温度、長時間の熱処理工程
を必要としない。この半導体基体1を形成することによ
り、縦型構造のバイポーラトランジスタのn型コレクタ
領域が形成される。
【0053】次に、前記半導体基体1の主面つまりn-
型エピタキシャル層1Cの主面上に酸化珪素膜からなる
層間絶縁膜5を形成する。この後、イオン打込み装置を
使用し、n- 型エピタキシャル層1Cの主面部にp型不
純物を導入し、図4に示すように、真性ベース領域2、
グラフトベース領域3の夫々を形成し、p型ベース領域
を形成する。このp型ベース領域の真性ベース領域2、
グラフトベース領域3の夫々は前述の条件下において形
成される。
【0054】次に、前記層間絶縁膜5上に層間絶縁膜6
を形成し、真性ベース領域2の表面上において、前記層
間絶縁膜5及び層間絶縁膜6にエミッタ開口7を形成す
る。この後、エミッタ開口7を通して真性ベース領域2
の表面に接触するエミッタ引出用電極8を形成するとと
もに、このエミッタ引出用電極8に導入された不純物
(n型不純物)を真性ベース領域2中に拡散し、高い不
純物濃度のn+ 型半導体領域4からなるn型エミッタ領
域を形成する。このn型エミッタ領域を形成することに
より、縦型構造のnpn型バイポーラトランジスタTr
は完成する。
【0055】次に、前記層間絶縁膜5及び6に接続孔9
を形成し、前記エミッタ引出用電極8上に配線10を形
成するとともに、p型ベース領域のグラフトベース領域
3の表面に接続される配線10を形成する。
【0056】次に、半導体基体1の裏面にコレクタ電極
11を形成することにより、本実施例の単体構造の半導
体装置は完成する。
【0057】このように、n+ 型半導体基板1Aの主面
上に成長させたn型エピタキシャル層にその主面から深
さ方向に向ってn型エミッタ領域、p型ベース領域、n
型コレクタ領域の夫々を順次配列した、縦型構造のnp
n型バイポーラトランジスタTrを有する単体構造の半
導体装置1において、前記縦型構造のバイポーラトラン
ジスタTrのn型コレクタ領域のうち、前記エピタキシ
ャル層中に配置される真性コレクタ領域を深さ方向に2
分割し、この2分割されたうちの前記n+ 型半導体基板
1Aの主面に接触する一方の第1真性コレクタ領域(n
型エピタキシャル層)1Bが、前記p型ベース領域(真
性ベース領域2)と接合を形成する他方の第2真性コレ
クタ領域(n- 型エピタキシャル層)1Cの不純物濃度
に比べて高い不純物濃度で構成されるとともに、前記n
+ 型半導体基板1Aで形成されたn型コレクタ領域のグ
ラフトコレクタ領域に比べて低い不純物濃度で構成され
る。この構成により、以下の作用効果(A)乃至(C)
が得られる。(A)前記縦型構造のバイポーラトランジ
スタTrにおいて、n型コレクタ領域の真性コレクタ領
域の抵抗が高い不純物濃度の第1真性コレクタ領域1B
で低減されるので、周波数特性を向上できる。(B)前
記縦型構造のバイポーラトランジスタTrにおいて、n
型コレクタ領域の真性コレクタ領域とp型ベース領域
(真性ベース領域2)とのpn接合を低い不純物濃度の
第2真性コレクタ領域1Cとp型ベース領域とのpn接
合にし、このpn接合部に付加される寄生容量を低減で
きるので、電力利得、雑音指数のいずれも向上できる。
(C)前記縦型構造のバイポーラトランジスタTrにお
いて、n型コレクタ領域の真性コレクタ領域の第1真性
コレクタ領域1Bが前記グラフトコレクタ領域の不純物
濃度に比べて低い不純物濃度に設定され、電界強度を緩
和できるので、コレクタ領域−エミッタ領域間の接合耐
圧を向上できる。
【0058】また、前記縦型構造のバイポーラトランジ
スタTrにおいて、前記真性コレクタ領域の分割された
他方の第2真性コレクタ領域1Cの深さ方向の厚さは、
動作電圧で第2真性コレクタ領域1Cとp型ベース領域
とのpn接合部からこの第2真性コレクタ領域1C側に
形成される空乏層の幅寸法とほぼ同等に設定され、前記
真性コレクタ領域の一方の第1真性コレクタ領域1B及
び他方の第2真性コレクタ領域1Cの合計の深さ方向の
厚さは、前記動作電圧でコレクタ領域−エミッタ領域間
の接合耐圧が確保できる空乏層の幅寸法とほぼ同等に設
定する。この構成により、前記縦型構造のバイポーラト
ランジスタTrにおいて、動作電圧までの範囲内におい
ては、n型コレクタ領域の真性コレクタ領域とp型ベー
ス領域とのpn接合部に付加される寄生容量を優先的に
低減し、動作電圧からエミッタ領域−コレクタ領域間の
接合耐圧までの範囲内においては、前記接合耐圧を確保
した状態で、コレクタ領域に付加される抵抗を低減でき
る。
【0059】また、前記n+ 型半導体基板1Aの主面上
に成長されたエピタキシャル層は、前記縦型構造のバイ
ポーラトランジスタTrのn型コレクタ領域の真性コレ
クタ領域の分割された一方の第1真性コレクタ領域1B
の不純物濃度と同等の第1エピタキシャル層1B、他方
の第2真性コレクタ領域1Cの不純物濃度と同等の第2
エピタキシャル層1Cの夫々が順次積層される。この構
成により、予じめ不純物濃度が各々設定された2層のエ
ピタキシャル層1B及び1Cを成長した半導体基体1を
使用し、各々のエピタキシャル層1B、1Cに第1真性
コレクタ領域1B、第2真性コレクタ領域1Cの夫々を
形成することにより、高加速エネルギのイオン打込み装
置の使用や高温度、長時間の熱処理工程を廃止できるの
で、イオン打込み装置の使用に基づく弊害(例えば、結
晶欠陥の発生、それを回復するための熱処理工程)、熱
処理工程の弊害(例えば不純物濃度分布のブロード化)
を排除できる。
【0060】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前
記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲において種々変更可能であることは勿論であ
る。
【0061】例えば、本発明は、複数個のバイポーラト
ランジスタを同一半導体基体に集積化した半導体集積回
路装置、又は複数個のバイポーラトランジスタ及び複数
個の相補型MISFETを同一半導体基体に集積化した
半導体集積回路装置のいずれにも適用できる。いずれの
場合も、例えば低い不純物濃度のp型半導体基板の主面
上に高い不純物濃度の埋込型n型半導体領域(グラフト
コレクタ領域に相当する)を介在して2層のエピタキシ
ャル層を成長させた半導体基体が使用される。
【0062】また、本発明は、半導体基板上に2層のエ
ピタキシャル層を成長した半導体基体に限定されず、3
層以上のエピタキシャル層を成長した半導体基体を使用
してもよい。
【0063】また、本発明は、前述の一方のn型エピタ
キシャル層1Bをn+型半導体基板1Aの主面上の一部
分(例えばn型エミッタ領域の直下のみ)に選択的に成
長した後、n+ 型半導体基板1Aの主面上の全面に他方
のn- 型エピタキシャル層1Cを成長した半導体基体1
を使用してもよい。
【0064】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。
【0065】縦型構造のバイポーラトランジスタを有す
る半導体装置において、周波数特性、電力利得、雑音指
数、接合耐圧のいずれをも改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である単体構造の半導体装置
に搭載された縦型構造のバイポーラトランジスタの構成
を示す要部断面図。
【図2】前記縦型構造のバイポーラトランジスタの各動
作領域の不純物濃度分布図。
【図3】前記単体構造の半導体装置の製造方法を説明す
る第1工程での要部断面図。
【図4】第2工程での要部断面図。
【図5】第3工程での要部断面図。
【符号の説明】
1…半導体基体、1A…半導体基板、1B…エピタキシ
ャル層又は第1真性コレクタ領域、1C…エピタキシャ
ル層又は第2真性コレクタ領域、2…真性ベース領域、
3…グラフトベース領域、4…エミッタ領域、5,6…
層間絶縁膜、7,9…接続孔、8…エミッタ引出用電
極、10…配線、Tr…バイポーラトランジスタ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の主面上に成長させたエピタ
    キシャル層にその主面から深さ方向に向ってエミッタ領
    域、ベース領域、コレクタ領域の夫々を順次配列した、
    縦型構造のバイポーラトランジスタを有する半導体装置
    において、前記縦型構造のバイポーラトランジスタのコ
    レクタ領域のうち、前記エピタキシャル層中に配置され
    る真性コレクタ領域を深さ方向に2分割し、この2分割
    されたうちの前記半導体基板の主面に接触する一方の第
    1真性コレクタ領域が、前記ベース領域と接合を形成す
    る他方の第2真性コレクタ領域の不純物濃度に比べて高
    い不純物濃度で構成されるとともに、前記半導体基板で
    形成されたコレクタ領域のグラフトコレクタ領域、又は
    半導体基板、エピタキシャル層の夫々の一部に形成され
    たコレクタ領域のグラフトコレクタ領域に比べて低い不
    純物濃度で構成されたことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の縦型構造のバイポ
    ーラトランジスタにおいて、前記真性コレクタ領域の分
    割された他方の第2真性コレクタ領域の深さ方向の厚さ
    は、動作電圧で第2真性コレクタ領域とベース領域との
    pn接合部からこの第2真性コレクタ領域側に形成され
    る空乏層の幅寸法とほぼ同等に設定され、前記真性コレ
    クタ領域の一方の第1真性コレクタ領域及び他方の第2
    真性コレクタ領域の合計の深さ方向の厚さは、前記動作
    電圧でコレクタ領域−エミッタ領域間の接合耐圧が確保
    できる空乏層の幅寸法と同等又はそれ以上に設定する。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は請求項2に記載の半導
    体基板の主面上に成長したエピタキシャル層は、前記縦
    型構造のバイポーラトランジスタのコレクタ領域の真性
    コレクタ領域の分割された一方の第1真性コレクタ領域
    の不純物濃度と同等の第1エピタキシャル層、他方の第
    2真性コレクタ領域の不純物濃度と同等の第2エピタキ
    シャル層の夫々が順次積層されたことを特徴とする。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6809400B2 (en) * 2003-03-14 2004-10-26 Eric Harmon Composite pinin collector structure for heterojunction bipolar transistors
JP2015534262A (ja) * 2012-08-28 2015-11-26 アドバンスト・エナジー・インダストリーズ・インコーポレイテッドAdvanced Energy Industries, Inc. 3端子pinダイオード
CN112864230A (zh) * 2021-03-12 2021-05-28 深圳市昭矽微电子科技有限公司 双极晶体管及其制作方法
KR20210093738A (ko) 2020-01-20 2021-07-28 토와 가부시기가이샤 수지 성형품의 제조 방법 및 수지 성형 장치

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