JPH05213702A - 農薬組成物 - Google Patents

農薬組成物

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JPH05213702A
JPH05213702A JP23156292A JP23156292A JPH05213702A JP H05213702 A JPH05213702 A JP H05213702A JP 23156292 A JP23156292 A JP 23156292A JP 23156292 A JP23156292 A JP 23156292A JP H05213702 A JPH05213702 A JP H05213702A
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JP23156292A
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Terence Gilkerson
テレンス・ギルカーソン
Ian James Gilmore
イアン・ジエイムズ・ギルモア
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Shell Internationale Research Maatschappij BV
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    • C07D333/54Benzo[b]thiophenes; Hydrogenated benzo[b]thiophenes with only hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached to carbon atoms of the hetero ring
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    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】一般式Iの化合物、その製法、更にキャリヤを
含む農薬組成物。 (式中、X,Yはハロゲン、(ハロ)アルキル、アルコ
キシ等;pは0.1〜5;nは0.1〜4;mは0,
1,2;ZはH、OH、0−アシル;qは0.1; は単結合、二重結合) 【効果】上記Iの化合物は、農薬、特に殺ダニ剤として
有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はベンゾ〔b〕チオフェン、その製
造方法、ベンゾ〔b〕チオフェン含有組成物、並びに農
薬、特に殺ダニ剤としてのこの種の化合物および組成物
の使用に関するものである。米国特許第3433874
号公報は、特に農薬活性を有する2−クロル−3−フェ
ニルベンゾチオフェン化合物を開示している。今回本出
願人は、良好な殺ダニ性、特に殺卵特性を有する異なる
群のベンゾ〔b〕チオフェン化合物を見出した。
【0002】したがって本発明は、一般式
【化18】 〔式中、XおよびYはそれぞれハロゲン原子またはアル
キル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ア
ルキレンジオキシ、アルキルチオ、ハロ−置換アルキル
チオ、アルキルスルフィニル、ハロ−置換アルキルスル
フィニル、アルキルスルホニル、ハロ−置換アルキルス
ルホニル、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、
ジアルキルアミノ、アセタミド、N−アルキル−アセタ
ミド、適宜置換のベンジル、適宜置換のベンゾイル、適
宜置換のフェニルチオ、適宜置換のフェニルスルフィニ
ル、適宜置換のフェニルスルホニルもしくは適宜置換の
フェノキシ基を示し、pは0または1〜5の整数を示
し、nは0または1〜4の整数を示し、Xおよび/また
はYにより示される2個もしくはそれ以上の置換基は同
一でも異なってもよく、mは0,1もしくは2を示し、
Zは水素原子、ヒドロキシ基または基ORを示し、ここ
でRはアシル部分を示し、qは0もしくは1を示し、
【外5】 は単結合(qが1である場合)または二重結合(qが0
である場合)を示し、ただしqが1を示しかつZがヒド
ロキシ基もしくはOR基を示せばn=0かつp=0であ
り、またはn≧1であればp=0であり、またはp≧1
であればn=0である〕の化合物を適するキャリヤと一
緒に含んでなる農薬組成物を提供する。
【0003】さらに本発明は、上記一般式Iの化合物ま
たは一般式Iの化合物を含有する本発明による農薬組成
物を生息地に施すことからなる、生息地における害虫の
撲滅方法をも提供する。考えられる農薬用途は殺ダニ用
途だけでなく殺虫用途をも包含する。本発明の或る種の
化合物、特にZがOHであるような化合物も、一般式I
の農薬活性化合物のための有用な先駆体を形成する。本
明細書の全体において特記しない限り、アルキルもしく
はアルキレン基または部分は6個までの炭素原子を有
し、好ましくは3個までの炭素原子を有する。好適アル
キル基または部分はメチルであり、好適なアルキレン部
分はメチレンである。
【0004】Xおよび/またはYにより示される基にお
けるフェニル部分は未置換または同一もしくは異なる置
換基の1個もしくはそれ以上で置換することができる。
適する置換基はたとえばハロゲン原子、並びにアルキ
ル、アルコキシ、ハロアルキル、シアノおよびニトロ基
である。ハロ置換されたアルキル、アルコキシ、アルキ
ルチオ、アルキルスルフィニルもしくはアルキルスルホ
ニル基が2個もしくはそれ以上のハロゲン原子を有する
場合、これらは同一でも異なってもよい。Xおよび/ま
たはYにより示されるジアルキルアミノ基における2個
のアルキル部分も同一もしくは異なるものとすることが
できる。ハロゲン原子は弗素、塩素、臭素もしくは沃素
原子とすることができ弗素、特に塩素が好適であり、好
適ハロアルキル基はトリフルオロメチルである。ベンゾ
チオフェン環構造のベンゼン環およびこの構造の3−位
置におけるフェニル環はそれぞれ未置換であっても置換
されてもよく、これら環のそれぞれにおける置換基の個
数および種類は同一でも異なってもよい。
【0005】pが1より大であれば、存在する置換基X
の2個もしくはそれ以上は同一でも異なってもよい。n
が1より大であれば、存在する置換基Yの2個もしくは
それ以上は同一でも異なってもよい。Zにより示される
OR基におけるアシル部分は、たとえばアルカノイルも
しくはハロアルカノイル部分とすることができ、好まし
くはアセチルである。勿論、必要に応じ一般式Iの化合
物は他の異性体を含まない個々の立体異性体とすること
ができ、或いは任意の比率におけるそれらの混合物とす
ることもできる。
【0006】一般式Iの或る種の化合物は文献公知であ
る:
【化19】
【0007】
【表1】
【0008】
【化20】
【0009】
【表2】
【0010】
【化21】
【0011】
【表3】
【0012】しかしながら、本出願人は農薬もしくは殺
ダニ用途のための一般式Iを有する化合物に関し従来の
開示を何も知らない。さらに本発明は、 (a) 一般式
【化22】 〔式中、X,Y,p,nおよびmは上記の意味を有しか
つn+p≧1であり、ただし同時にm=0、n=0かつ
p=1であればXは臭素原子またはメトキシ基もしくは
2−メチルチオでなく;同時にm=0かつp=0であれ
ばYn は5−ブロモ、5−クロル、6−もしくは7−メ
トキシ、7−メチル、5,7−ジメチルまたは4,7−
ジメトキシでなく;同時にm=0、n=1かつp=1で
あればXは4−ブロモでなく(Yが5−メチルの場合)
また4−ハロでもなく(Yが7−メチルの場合);同時
にm=1かつp=1であればXは4−クロルでなく(Y
n が2,6−ジクロルである場合);さらに同時にm=
2、p=0かつn=1であればYは2−メチルでない〕
の3−フェニルベンゾ〔b〕チオフェンまたはその酸化
物;
【0013】(b) 一般式
【化23】 〔式中、X,Y,p,nおよびmは上記の意味を有し、
ただし同時にm=0もしくは2かつn=0であればp≧
1であり、さらにXp は4−メチルでなく或いは(m=
2である場合)2,5−もしくは3,4−ジメチルでな
く;さらに同時にm=0もしくは2かつp=0であれば
n≧1であり、さらにYn は5−メチル、5−エチルも
しくは5,7−ジメチルでない〕の3−フェニル−2,
3−ジヒドロベンゾ〔b〕チオフェンまたはその酸化
物;
【0014】(c) 一般式
【化24】 〔式中、X,pおよびmは上記の意味を有し、Zはヒド
ロキシ基またはOR基を示し、ただしZがヒドロキシ基
を示しかつ同時にm=0もしくは2であればp≧1であ
り;同時にm=0かつp=1であればXは4−メチルで
ない〕の3−ヒドロキシ−3−フェニル−2,3−ジヒ
ドロベンゾ〔b〕−チオフェンまたはその誘導体または
これらの酸化物;
【0015】(d) 一般式
【化25】 〔式中、Y,nおよびmは上記の意味を有し、Zはヒド
ロキシ基または上記OR基を示す〕の3−ヒドロキシ−
3−フェニル−2,3−ジヒドロベンゾ〔b〕−チオフ
ェンまたはその誘導体もしくはこれらの酸化物をも提供
する。一般式Iの化合物は、それ自体公知の方法で製造
することができる。Zがヒドロキシ基を示す一般式Ic
の化合物は、たとえば式
【化26】 のチオアニソールをアルキルリチウム化合物(好ましく
はn−ブチルリチウム)および適宜置換された一般式
【化27】 〔式中、Xおよびpが上記の意味を有する〕のハロゲン
化ベンゾイルと反応させて一般式
【化28】 〔式中、Xおよびpは上記の意味を有する〕の化合物を
生成させ、これを次いで所望に応じ一般式
【化29】 〔式中、Xおよびpは上記の意味を有し、mは1もしく
は2を示す〕の化合物まで酸化させることにより製造す
ることができる。
【0016】アルキルリチウム化合物の存在下における
式IIおよびIII の化合物の間の反応は好適には2段階で
行なわれ、第1段階はたとえばテトラメチレンジアミン
のような塩基の存在下における低められた温度、好適に
は−10℃まで冷却された温度でのたとえば無水エーテ
ルのような適する溶剤中のチオアニソールとアルキルリ
チウム化合物との反応である。これに続いてベンゾイル
のハロゲン化物(たとえば塩化物)と低められた温度、
たとえば−80℃にて反応させる。一層詳細な説明はシ
ンセシス(1988)、第888〜890頁に示されて
いる。
【0017】Zがヒドロキシ基を示す一般式Idの化合
物は、塩基および適する溶剤の存在下に一般式
【化30】 〔式中、Yおよびnは上記の意味を有する〕の化合物を
環化させて一般式
【化31】 〔式中、Yおよびnは上記の意味を有する〕の化合物を
生成させて製造することができ、これをさらに所望なら
ば対応の1−オキサイドまたは1,1−ジオキサイドま
で酸化することもできる。
【0018】この種の反応に用いる塩基は好適にはアル
カリ金属水素化物もしくはアルコキシドである。ナトリ
ウムおよびカリウムの水素化物およびアルコキシドが極
めて適しており、水素化ナトリウムが好適である。溶剤
は便利にはアルコールまたは任意の不活性な極性溶剤、
たとえばジメチルホルムアミドもしくはジメチルスルホ
キシドであり;ジメチルホルムアミド、特に乾燥ジメチ
ルホルムアミドが好適である。好適には反応は高められ
た温度にて、有利には反応媒体の環流温度にて行なわれ
る。一般に反応時間は2〜10時間の程度、たとえば5
時間である。
【0019】一般式Ic1 もしくはId1 の3−ヒドロ
キシ−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン化合物から対
応の1−オキサイドもしくは1,1−ジオキサイドへの
変換は、たとえば適する酸化剤を用いて、たとえばm−
クロルペルオキシ安息香酸を用いて適する溶剤、たとえ
ば塩化メチレン中で、或いは過酸化水素を用いて氷酢酸
中で行なうことができる。この反応は一般に室温にて1
〜16時間、たとえば12時間にわたり行なわれる。好
ましくは酸化剤とチオフェンとのモル比はスルホキシド
生成につき実質的に1.1:1であり、スルホン生成に
つき2.2:1である。ZがORを示す一般式Icもし
くはIdの化合物は、対応のヒドロキシ化合物から適す
る無水物もしくはハロゲン化物(たとえば無水もしくは
ハロゲン化アルカノイルもしくはハロアルカノイルとの
反応により製造することができる。ハロゲン化アルカノ
イルもしくはハロアルカノイルの場合、たとえばトリエ
チルアミンのような適する塩基が必要とされる。ZがO
Rを示しかつm=1もしくは2である一般式Icもしく
はIdの化合物の製造には、酸化をアシル化の前または
後に行なうことができる。
【0020】一般式Iaの化合物は、たとえば次のよう
に製造することができる。 (i) 上記一般式Ic1 の化合物から、たとえばp−
トルエンスルホン酸、氷酢酸もしくは濃硫酸のような脱
水剤との反応により一般式
【化32】 〔式中、Xおよびpは上記の意味を有する〕の化合物を
得、これを次いで所望に応じ酸化して一般式
【化33】 〔式中、Xおよびpは上記の意味を有し、mは1もしく
は2を示す〕の化合物を得ることができ、
【0021】(ii) 上記一般式Id1 の化合物から、
上記(i)におけると同様に脱水剤と反応させて一般式
【化34】 の化合物を得、これを次いで所望ならば酸化して対応の
1−オキサイドまたは1,1−ジオキサイドを得ること
ができ、または
【0022】(iii) 一般式
【化35】 〔式中、X,Y,pおよびnは上記の意味を有する〕の
化合物から、たとえばポリ燐酸もしくはメタンスルホン
酸のような脱水剤の存在下に環化させて、或いは一般式
【化36】 〔式中、X,Y,pおよびnは上記の意味を有し、Lは
離脱基を示す〕の化合物から塩素および溶剤の存在下に
チオグリコール酸と反応させて一般式
【化37】 〔式中、X,Y,pおよびnは上記の意味を有する〕の
化合物を生成させ、次いでこれを所望ならば酸化して一
般式
【化38】 〔式中、X,Y,pおよびnは上記の意味を有し、mは
1もしくは2を示す〕の化合物を得る。
【0023】式Ic1 もしくはId1 の化合物と脱水剤
との間の反応は、たとえばトルエンのような適する溶剤
中で行なうことができる。反応は一般に還流下にたとえ
ば30分間行なわれる。p−トルエンスルホン酸を用い
る一層詳細な脱水の説明は、たとえばシンセシス(19
88)、第888〜890頁に示されている。一般式V
の化合物の環化は、たとえばポリ燐酸を用いて100〜
180℃の範囲、たとえば100℃の温度にて好適には
2〜24時間にわたり行なうことができる。或いはメタ
ンスルホン酸を用いる場合は、反応を好適には10〜5
0℃の範囲、好ましくは20℃の温度にて好適には2〜
20時間にわたり行なう。
【0024】一般式Vの化合物は、たとえば一般式
【化39】 〔式中、Yおよびnは上記の意味を有する〕の化合物と
適する塩基および適宜置換された一般式
【化40】 〔式中、Xおよびpは上記の意味を有する〕のハロゲン
化フェナシルとの反応により製造することができる。勿
論、一般式IV、VおよびVII の化合物において側鎖/S
H基に対しオルト位置の少なくとも1個を未置換とせね
ばならないことを了解すべきである。
【0025】一般式VII およびVIIIの化合物の間の反応
に使用する塩基はたとえばアルカリ金属水素化物(好ま
しくは水素化ナトリウム)、アルカリ金属(好ましくは
ナトリウム)、アルカリ金属アルコキシド(好ましくは
ナトリウムアルコキシド、たとえばメトキシドもしくは
エトキシド)、アルカリ金属水酸化物(たとえば水酸化
ナトリウムもしくはカリウム)またはアルカリ金属炭酸
塩(好ましくは炭酸カリウム)とすることができる。反
応は一般に適する溶剤中で行なわれる。たとえばアルカ
リ金属水素化物はエーテル、テトラヒドロフランまたは
芳香族炭化水素中で用いることができ、アルカリ金属は
無水エーテル中で使用することができ、アルカリ金属ア
ルコキシドもしくは水酸化物はアルコール、炭化水素、
ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド中で
使用することができ、さらにアルカリ金属炭酸塩はジメ
チルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド中で使用
することができる。反応は好適には2段階で行なわれ、
第1段階は一般式VII の化合物と塩基との間の反応であ
って、好適には室温で行なわれる。これに続いて一般式
VIIIのハロゲン化フェナシル(好ましくは臭化物)と好
適には−5〜100℃の範囲の適する温度にて反応させ
る。
【0026】離脱基は、反応条件下で出発物質から離脱
して特定部位における反応を促進する任意の基である。
一般式VIの化合物における離脱基Lは好適にはハロゲン
原子またはニトロ基であり、特に弗素原子である。チオ
グリコール酸と一般式VIの化合物との反応に用いる塩基
はたとえばアルカリ金属水素化物(好適には水素化ナト
リウムもしくはカリウム)、アルカリ金属水酸化物(好
適には水酸化ナトリウムもしくはカリウム)或いはアル
カリ金属炭酸塩(好適には炭酸ナトリウム)とすること
ができ、特に炭酸カリウムである。使用する溶剤は任意
の不活性な極性溶剤とすることができ、ジメチルスルホ
キシドもしくはジメチルホルムアミドが特に適し、殊に
ジメチルホルムアミドである。好適には無水もしくは乾
燥された塩基および溶剤を用いる。
【0027】一般式VIの化合物とチオグリコール酸との
反応は好適には高められた温度、好ましくは反応媒体の
還流温度にて行なわれる。一般的な反応時間は15〜2
0時間の程度である。一般式Ia1 ,Ia3 もしくはI
4 の化合物から対応の1−オキサイドもしくは1,1
−ジオキサイドへの変換は、一般式Ic1 もしくはId
1 の化合物の酸化につき上記したと同様に行なうことが
できる。一般式Ibの化合物はたとえば次のように製造
することができる:
【0028】(i) 一般式
【化41】 〔式中、Yおよびnは上記の意味を有する〕の化合物を
塩化アルミニウムの存在下に一般式
【化42】 〔式中、Xおよびpは上記の意味を有する〕の化合物と
反応させ、次いで必要に応じ一般式
【化43】 〔式中、X,Y,pおよびnは上記の意味を有する〕の
所望の異性体を分離し、或いは
【0029】(ii) 上記一般式Ia4 の化合物を還元
して上記一般式Ib1 の化合物を得、次いで所望ならば
一般式Ib1 の化合物を酸化して一般式
【化44】 〔式中、X,Y,pおよびnは上記の意味を有し、mは
1もしくは2を示す〕の化合物を生成させる。一般式IX
およびXの化合物の間の反応は、たとえばジャーナル・
ケミカル・リサーチ・シノプシス(1981)、第10
巻、第307頁以降に記載されたように行なうことがで
きる。一般式Iaの化合物の還元は、たとえばエタノー
ル中でナトリウムを用いて或いは接触水素化により行な
うことができる。
【0030】上記変法(i)を介して得られた式Ib1
の化合物からmが1もしくは2である式Ibの化合物を
生成させるには、分離された異性体Ib1 を直接に酸化
することができ、或いは異性体Ib1 を含有する異性体
混合物を酸化すると共に異性体Ibをその後に単離する
こともできる。対応の1−オキサイドまたは1,1−ジ
オキサイドへの酸化は、一般式Ic1 もしくはId1
化合物の酸化につき上記したと同様に行なうことができ
る。必要に応じ、一般式Iの化合物からこの種の他の化
合物への1種もしくはそれ以上の他の変換も行なうこと
ができる。一般式Iの化合物は常法により単離すること
ができ、たとえば異性体の分離を標準技術により行なう
ことができる。式 III、IV、VI、VII 、VIII、IXおよび
Xの化合物は公知であるか、或いは公知方法と同様な方
法により公知化合物から製造することができる。たとえ
ば式IVの化合物は式IV(ここでp=0である)の化合物
から、乾燥ジメチルホルムアミド中で還流下にナトリウ
ムアルカンチオールと反応させて製造することができ
る。
【0031】一般式Vの化合物は新規であり、本発明の
主題の1部を構成する。この種の化合物は公知方法と同
様な方法により製造することができる。一般式Iの化合
物は、たとえば温室アカクモダニの卵に対するその作用
により示されるような農薬活性を示す。したがって本発
明は、さらに農薬として使用するための一般式Iの化合
物をも提供する。さらに本発明は農薬として使用するた
めの薬剤を製造する一般式Iの化合物の使用、並びに農
薬としてのこの種の化合物の使用をも提供する。一般に
薬剤は、一般式Iの化合物と適するキャリヤとからなる
組成物の形態である。本発明の組成物におけるキャリヤ
は、活性成分を配合してたとえば植物、種子もしくは土
壌としうる処理すべき生息地への施用を容易化させ或い
は貯蔵、輸送もしくは取扱いを容易化させる任意の物質
である。キャリヤは固体もしくは液体とすることがで
き、たとえば一般に気体であるが圧縮されて液体を形成
している物質を包含し、農薬組成物を処方する際に一般
に用いられる任意のキャリヤを使用することができる。
好ましくは本発明による組成物は0.5〜95重量%の
活性成分を含有する。
【0032】適する固体キャリヤは天然および合成の粘
土およびシリケート、たとえは天然シリカ(たとえば珪
藻土);珪酸マグネシウム、たとえばタルク;珪酸マグ
ネシウムアルミニウム、たとえばアタパルジャイトおよ
びバーミキュライト;珪酸アルミニウム、たとえばカオ
リナイト、モンモリロナイトおよび雲母;炭酸カルシウ
ム;硫酸カルシウム;硫酸アンモニウム;合成水和酸化
珪素および合成珪酸カルシウムもしくはアルミニウム;
元素、たとえば炭素および硫黄;天然および合成樹脂、
たとえばクマロン樹脂、ポリ塩化ビニル、並びにスチレ
ン重合体および共重合体;固体ポリクロルフェノール;
ビチューメン;ワックス;並びに固体肥料、たとえば過
燐酸塩を包含する。適する液体キャリヤは水;アルコー
ル、たとえばイソプロパノールおよびグリコール;ケト
ン、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンおよびシクロヘキサノン;エーテル;芳
香族もしくは芳香脂肪族炭化水素、たとえばベンゼン、
トルエンおよびキシレン;石油フラクション、たとえば
ケロシンおよび軽質鉱油;塩素化炭化水素、たとえば四
塩化炭素、ペルクロルエチレンおよびトリクロルエチレ
ンを包含する。種々異なる液体の混合物がしばしば適し
ている。
【0033】農薬組成物はしばしば濃厚型で処方および
輸送され、これを次いで使用者により施用前に希釈す
る。表面活性剤である少量のキャリヤの存在は、この希
釈過程を容易化させる。すなわち、好ましくは本発明の
組成物における少なくとも1種のキャリヤは表面活性剤
である。たとえば組成物は少なくとも2種のキャリヤを
含有することができ、その少なくとも1種は表面活性剤
である。表面活性剤は乳化剤、分散剤または湿潤剤とす
ることができ、非イオン型またはイオン型とすることが
できる。適する表面活性剤の例はポリアクリル酸および
リグニンスルホン酸のナトリウムもしくはカルシウム
塩;少なくとも12個の炭素原子を分子中に有する脂肪
酸または脂肪族アミンもしくはアミドと酸化エチレンお
よび/または酸化プロピレンとの縮合生成物;グリセリ
ン、ソルビタン、蔗糖もしくはペンタエリスリトールの
脂肪酸エステル;これらと酸化エチレンおよび/または
酸化プロピレンとの縮合物;脂肪アルコールもしくはア
ルキルフェノール(たとえばp−オクチルフェノールも
しくはp−オクチルクレゾール)と酸化エチレンおよび
/または酸化プロピレンとの縮合生成物;これら縮合生
成物のサルフェートもしくはスルホネート;分子中に少
なくとも10個の炭素原子を有する硫酸もしくはスルホ
ン酸エステルのアルカリもしくはアルカリ土類金属塩、
好ましくはナトリウム塩、たとえばラウリル硫酸ナトリ
ウム、第二アルキル硫酸ナトリウム、スルホン化ヒマシ
油のナトリウム塩、並びにたとえばドデシルベンゼンス
ルホン酸のようなアルキルアリールスルホン酸のナトリ
ウム塩;さらに酸化エチレンの重合体および酸化エチレ
ンと酸化プロピレンとの共重合体を包含する。
【0034】さらに本発明は農薬組成物の製造方法をも
提供し、この方法は一般式Iの化合物をキャリヤと一緒
に農薬として施用するのに適する形態にすることを特徴
とする。本発明の薬剤または組成物はたとえば水和性粉
末、散布剤、粒剤、乳化性濃厚物、懸濁濃厚物、溶液、
分散液、乳液またはエアロゾルとして処方することがで
きる。
【0035】水和性粉末は一般に25、50もしくは7
5重量%の活性成分を含有し、一般に固体不活性キャリ
ヤの他に3〜10重量%の分散剤と必要に応じ10重量
%までの安定化剤および/または他の添加剤、たとえば
浸透剤もしくは付着剤とを含有する。散布剤は一般に水
和性粉末と同様な組成を有するが分散剤を含まない散布
濃厚物として処方され、さらに固体キャリヤにより現場
で希釈されて一般に0.5〜10重量%の活性成分を含
有する組成物を与える。粒剤は一般に10〜100BS
メッシュ(1.676〜0.152mm)の寸法を有す
るよう作成され、凝集もしくは含浸技術によって製造す
ることができる。一般に粒剤は0.5〜75重量%の活
性成分と0〜10重量%の添加剤、たとえば安定化剤、
表面活性剤、徐放性改質剤および結合剤とを含有する。
いわゆる「乾燥流動性粉末」は比較的高濃度の活性成分
を有する比較的小さい粒子よりなっている。乳化性濃厚
物は一般に溶剤および必要に応じ助溶剤の他に10〜5
0w/vの活性成分と2〜20%w/vの乳化剤と0〜
20%w/vの他の添加剤、たとえば安定化剤、浸透剤
および腐食防止剤とを含有する。懸濁濃厚物は一般に安
定な非沈降性の流動性製品を得るよう配合され、一般に
10〜75重量%の活性成分と0.5〜15重量%の分
散剤と0.1〜10重量%の懸濁剤(たとえば保護コロ
イドおよびチキソトロープ剤)と0〜10重量%の他の
添加剤、たとえば消泡剤、腐食防止剤、安定化剤、浸透
剤および付着剤とを含有し、さらに活性成分が実質的に
溶けない水または有機液を含有する。或る種の有機固体
もしくは無機塩を組成物中に溶解して存在させ、沈降を
防止したり水の凍結防止剤として作用させることもでき
る。
【0036】水性分散液および乳液、たとえば本発明に
よる水和性粉末もしくは濃厚物を水で希釈して得られる
組成物も本発明の範囲内である。前記乳液は油中水型ま
たは水中油型とすることができ、濃厚なマヨネーズ状の
コンシステンシーを有することができる。本発明の組成
物はさらに1種もしくはそれ以上の他の成分、たとえば
農薬特性、除草性または殺菌性を有する他の化合物を含
有することもできる。以下、実施例により本発明をさら
に説明する。
【0037】実施例1 3−ヒドロキシ−3−フェニル−2,3−ジヒドロベン
ゾ〔b〕チオフェンの製造 n−ブチルリチウムの溶液(2.4M、41ml)を乾
燥窒素下で、−10℃まで冷却された無水ジエチルエー
テル(175ml)におけるチオアニソール(6.2
g)とテトラメチレンジアミン(6.7g)との攪拌溶
液に滴下した。この混合物を室温となし、攪拌をさらに
12時間続けた。次いで混合物を−80℃まで冷却し、
乾燥ジエチルエーテル(25ml)における塩化ベンゾ
イル(6.8g)の溶液を徐々に添加した。得られた混
合物を−80℃にてさらに1時間攪拌し、次いで室温ま
で加温させた。さらに16時間にわたり攪拌した後、混
合物を水中に注ぎ入れ、pHを10%塩酸水溶液により
4〜5に調整した。この水溶液をジエチルエーテル(3
×100ml)で抽出し、無水硫酸マグネシウムで脱水
し、次いで蒸発させた。残留油をシリカゲルカラムで精
製し、その際ジクロルメタンを溶出剤として用いて標記
化合物を淡黄色の粘性油(2.5g)として得た。 理論値、実測値 C1412OS:C 73.7%
H 5.3% :C 75.1% H 5.5% m/e理論値:実測値 228:228
【0038】実施例2 3−フェニルベンゾ〔b〕チオフェンの製造 トルエン(20ml)における実施例1で作成した3−
ヒドロキシ−3−フェニル−2,3−ジヒドロベンゾ
〔b〕チオフェン(2.0g)とp−トルエンスルホン
酸(0.1g)とを30分間にわたり還流させた。この
溶液を水に注ぎ込み、全体をジエチルエーテル(3×5
0ml)で抽出した。エーテル抽出物を無水硫酸マグネ
シウムで脱水し、次いで蒸発させた。残留油をヘキサン
と溶出剤として用いるシリカゲルカラムでのクロマトグ
ラフにかけて、標記化合物を無色油状物(1.5g)と
して得た。 理論値、実測値 C1410S:C 80.0% H
4.8% :C 81.6% H 5.1% m/e理論値:実測値 210:210
【0039】実施例3 3−フェニルベンゾ〔b〕チオフェン−1,1−ジオキ
サイドの製造 ジクロルメタン(10ml)における実施例2で作成し
た3−フェニルベンゾ〔b〕チオフェン(0.6g)を
室温にてm−クロルペルオキシ安息香酸(1.0g)で
処理し、1晩攪拌した。反応混合物を濾過し、塩化メチ
レンを蒸発させ、次いで残留物をシリカゲルカラムで精
製し、その際ジクロルメタンを溶出剤として使用し標記
化合物(0.4g)をm.p.157〜158℃の白色
固体として得た。 理論値、実測値 C1410SO2 :C 69.4%
H 4.1% :C 69.9% H 4.0% m/e理論値:実測値 242:242
【0040】実施例4 (a)2−クロル−6−メチルメルカプトベンゾフェノ
ンの製造 乾燥ジメチルホルムアミド(300ml)における2,
6−ジクロルベンゾフェノン(15g)とナトリウムメ
タンチオール(4.8g)とを2時間にわたり還流させ
た。冷却の後、混合物を水中に注ぎ込み、この水溶液を
ジエチルエーテルで抽出した。エーテル抽出物を合して
硫酸マグネシウムで脱水し、蒸発させ、次いで残留物を
シリカゲルカラムで精製し、その際25%v/vジエチ
ルエーテル/ヘキサンを溶出剤として使用し2−クロル
−6−メチルメルカプトベンゾフェノン(10.5g)
を融点82〜83℃の白色固体として得た。 理論値、実測値 C1411SOCl:C 64.1%
H 4.2% :C 64.0% H 4.1% m/e理論値:実測値 262:262
【0041】(b)4−クロル−3−ヒドロキシ−3−
フェニル−2,3−ジヒドロベンゾ〔b〕チオフェンの
製造 乾燥ジメチルホルムアミド(20ml)における2−ク
ロル−6−メチルメルカプトベンゾフェノン(6.5
g)を乾燥ジメチルホルムアミド(70ml)における
水素化ナトリウム(1g、油中60%分散物)の懸濁物
に添加した。反応混合物を5時間還流させ、冷却し、水
中に注ぎ入れ、希塩酸で酸性化させ、次いでジエチルエ
ーテルで抽出した。エーテル抽出物を合して硫酸マグネ
シウムで脱水し、蒸発させ、次いで残留物をシリカゲル
カラムで精製し、その際塩化メチレンを溶出剤として使
用し4−クロル−3−ヒドロキシ−3−フェニル−2,
3−ジヒドロベンゾ〔b〕チオフェン(2.8g)を無
色油状物として得た。 理論値、実測値 C1411SOCl:C 64.1%
H 4.2% :C 67.3% H 4.6% m/e理論値:実測値 262:262
【0042】実施例5 4−クロル−3−フェニルベンゾ〔b〕チオフェンの製
トルエンにおける実施例4で作成した4−クロル−3−
ヒドロキシ−3−フェニル−2,3−ジヒドロベンゾ
〔b〕チオフェン(2.8g)とp−トルエンスルホン
酸(0.2g)とを2時間にわたり還流させた。トルエ
ンを蒸発させ、残留物を塩化メチレンを溶出剤として用
いるシリカゲルカラムでクロマトグラフにかけて、4−
クロル−3−フェニルベンゾ〔b〕チオフェン(1.4
g)を無色油状物として得た。 理論値、実測値 C149 SCl:C 68.8%
H 3.7% :C 68.9% H 3.7% m/e理論値:実測値 244:244
【0043】実施例6 (a)p−トリルフェナシルスルフィドの製造 乾燥ジエチルエーテル(20ml)におけるp−チオク
レゾール(12.4g)を乾燥ジエチルエーテル(20
0ml)における水素化ナトリウム(4g、油中60%
分散物)の攪拌懸濁物に滴下した。ナトリウム塩が生成
した後、懸濁物を−5℃まで冷却し、エーテル(50m
l)における臭化フェナシル(20g)を滴下した。次
いで混合物を室温となし、さらに16時間(1晩)にわ
たり攪拌した。この反応混合物を濾過し、濾液を蒸発さ
せ、残留物をシリカゲルカラムで精製し、その際塩化メ
チレンを溶出剤として使用した。標記化合物(22g)
がm.p.40〜41℃の白色固体として得られた。 理論値、実測値 C1514OS:C 74.4%
H 5.8% :C 73.9% H 5.7% m/e理論値:実測値 242:242
【0044】(b)5−メチル−3−フェニルベンゾ
〔b〕チオフェンの製造 五酸化燐(40g)を攪拌燐酸(30ml、d:1.6
8)に添加してポリ燐酸を作成した。溶液を約70℃ま
で冷却した後、p−トリルフェナシルスルフィド(5
g)を添加し、混合物を100℃まで2時間加熱した。
反応混合物を氷/水上に注ぎ込み、全体をジエチルエー
テルで抽出した。抽出物を合して硫酸マグネシウムで脱
水し、次いで蒸発させた。残留油をシリカゲルカラムで
精製し、その際ヘキサンを溶出剤として用い標記化合物
を無色油状物(3.4g)として得た。 理論値、実測値 C1512S:C 80.3% H
5.3% :C 80.6% H 5.6% m/e理論値:実測値 224:224
【0045】実施例7 実施例6(b)の5−メチル−3−フェニルベンゾ
〔b〕チオフェンを対応のジオキサイド(m.p.11
0〜111℃)まで実施例3の方法により変換させた。 理論値、実測値 C1512SO2 :C 70.3%
H 4.7% :C 70.6% H 4.6% m/e理論値:実測値 256:256
【0046】実施例8 6−クロル−3−フェニルベンゾ〔b〕チオフェンの製
乾燥ジメチルホルムアミド(50ml)における4−ク
ロル−2−フルオロベンゾフェノン(2.35g)と無
水炭酸カリウム(2.8g)とチオグリコール酸(0.
95g)との混合物を17時間にわたり還流させた。溶
剤を減圧除去し、残留物を希塩酸と塩化メチレンとの間
に分配させた。水層をさらに塩化メチレンで抽出し、抽
出物を合して硫酸マグネシウムで脱水し、次いで蒸発さ
せた。残留物をシリカゲルカラムで精製し、その際塩化
メチレンを溶出剤として使用し標記化合物(0.9g)
を無色油状物として得た。 理論値、実測値 C149 ClS:C 68.7%
H 3.7% :C 69.3% H 3.8% m/e理論値:実測値 244:244
【0047】実施例9 2,3−ジヒドロ−3−フェニルベンゾ〔b〕チオフェ
ンの製造 金属ナトリウム(18.0g)を還流温度の直前にエタ
ノール(450ml)における3−フェニルベンゾ
〔b〕チオフェン(3.0g)の攪拌溶液に少しづつ添
加した。さらに4時間にわたり攪拌した後、エタノール
を除去し、残留物を水とジエチルエーテルとの間に分配
させた。さらに水層の抽出を行なった。抽出物を合して
脱水し、エーテルを除去し、残留油をシリカゲルカラム
で精製し、その際ヘキサンを溶出剤として使用し標記載
化合物(0.6g)を無色油状物として得た。 理論値、実測値 C1412S:C 79.2% H
5.7% :C 79.9% H 5.9% m/e理論値:実測値 212:212
【0048】実施例10 6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−3−フェニルベンゾ
〔b〕チオフェンの製造 塩化アルミニウム(0.35g)を乾燥ベンゼン(15
ml)における6−ブロモベンゾ〔b〕チオフェン
(0.5g)の溶液に添加した。この溶液を1時間にわ
たり還流させ、冷却し、次いで希塩酸中に注ぎ入れた。
この水溶液をジエチルエーテルで抽出した。抽出物を無
水硫酸ナトリウムで脱水し、次いで蒸発させた。残留油
をシリカゲルカラムで精製し、その際ヘキサンを溶出剤
として使用することにより標記化合物(0.2g)を淡
黄色油状物として得た。 理論値、実測値 C1411BrS:C 57.7%
H 3.8% :C 56.8% H 3.6% m/e理論値:実測値 290:290
【0049】実施例11 (a) 塩化アルミニウム(2.0g)を少しづつベン
ゼン(50ml)における5−クロルベンゾ〔b〕チオ
フェン(1.7g)の溶液に添加した。さらに30分間
攪拌した後、反応混合物を氷/希塩酸の混合物に注ぎ込
み、有機層を分離させた。水層をさらにジエチルエーテ
ルで抽出した。抽出物を合して脱水し、溶剤を除去し
た。残留物をヘキサンと共に攪拌し、不溶の5−クロル
ベンゾ〔b〕チオフェン二量体を除去した。ヘキサンの
蒸発によりN.m.r.で確認して5−クロル−2,3
−ジヒドロ−3−フェニルベンゾ〔b〕チオフェンと5
−クロル−2,3−ジヒドロ−2−フェニルベンゾ
〔b〕チオフェンとの50:50混合物を無色油状物
(1.3g)として得た。 理論値、実測値 C1411ClS:C 68.1%
H 4.5% :C 68.0% H 4.7% m/e理論値:実測値 246:246
【0050】(b)5−クロル−2,3−ジヒドロ−3
−フェニルベンゾ〔b〕チオフェンジオキサイドの製造 ジクロルメタン(20ml)におけるこの異性体混合物
(0.7g)にメタ−クロルペルオキシ安息香酸(1.
2g)を添加した。室温にて1.5時間にわたり攪拌し
た後、重炭酸ナトリウムの飽和溶液を添加し、有機層を
分離させた。これを無水硫酸ナトリウムで脱水し、溶剤
を除去し、残留物をジクロルメタンを溶出剤として用い
るシリカゲルでのクロマトグラフにかけて、標記化合物
をm.p.114〜155℃の白色固体(0.2g)と
して得た。 理論値、実測値 C1411ClO2 S:C 60.4%
H 3.9% :C 60.7% H 3.7% m/e理論値:実測値 278:278
【0051】実施例12〜29 実施例1と同様な方法により、一般式Iの他の化合物を
対応の置換塩化ベンゾイルから作成した。次いで1種の
化合物を実施例3と同様な方法により酸化させたが、そ
の際酸化剤のモル比の半分を用いて対応の1−オキサイ
ドを生成させた。このように作成された化合物の詳細を
第1表に示す。
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】実施例30〜63 実施例2および3と同様な方法により一般式Iの他の化
合物を作成し、実施例30〜61の化合物は第1表の対
応の化合物から作成した。この経路で作成した化合物の
詳細を第2表に示す。
【0056】実施例64〜72 実施例6(a)と同様な方法により一般式Vの中間体を
対応の置換チオールから作成し、これらを実施例6
(b)および7と同様な方法により一般式Iの化合物ま
で変換させた。この経路により作成された一般式Iの化
合物の詳細をも第2表に示す。作成された中間体の詳細
を第3表に示す。
【0057】実施例73〜77 実施例8と同様な方法により、一般式Iの他の化合物を
作成した。実施例3と同様な方法により実施例8の化合
物を酸化して、1種の化合物を作成した。この経路によ
り作成された化合物の詳細をも第2表に示す。
【0058】
【表7】
【0059】
【表8】
【0060】
【表9】
【0061】
【表10】
【0062】
【表11】
【0063】
【表12】
【0064】
【表13】
【0065】
【表14】
【0066】実施例78 殺ダニ活性(殺卵剤) 生存24時間未満の温室アカクモダニ(Tetrany
chus urticae)(T.u.)の卵を用い
て、一般式Iの各種の化合物の殺ダニ活性を次の手順に
より評価した。試験化合物の溶液または懸濁物を先ず最
初に、10重量%のアセトンと0.025重量%の「ト
リトンX−100」(「トリトン」は登録商標である)
表面活性剤(酸化エチレンとアルキルフェノールとの縮
合生成物)とを含有する水中の所定の濃度範囲(最初は
0.1重量%)にわたり作成した。インゲンマメ植物の
葉から切除した直径2cmの葉円盤を濾紙上に載置し、
水中に浸漬した綿ウール芯によって湿潤状態に保った。
【0067】噴霧の1日前に各葉円盤に10匹の雌成虫
ダニを侵食させた。試験の当日に成虫を除去し、円盤上
に1晩にわたり卵を残留させた。次いで葉円盤に上記の
ように作成された試験化合物の溶液を、1ha当り34
0リットルに等しい割合(3.4×10-53 /m2
で噴霧した。試験全体にわたり卵を通常の条件(23℃
±2℃、変動湿度、および日中長さ16時間)の下に保
った。7〜10日間の後、孵化した幼虫および未孵化の
卵の個数を測定し、死滅率を計算した。結果を第4表に
示す。
【0068】
【表15】
【0069】
【表16】
【0070】
【表17】
【0071】尺度A,BおよびCは、それぞれ0.1重
量%(1000ppm)の初期試験濃度における70〜
100%、40〜69%および39%までの死滅率を示
す。
【0072】実施例79 殺ダニ活性(ダニ生活環 ) 成虫の雌温室アカクモダニ(Tetranychus
urticae)(T.u.)を用いて、次の手順によ
り一般式Iの各種化合物の殺ダニ活性を評価した。イン
ゲンマメ植物の葉から切除した直径2cmの葉円盤を、
下側を上向きにして、直径5.5cmの濾紙上に載置
し、水中に浸漬した綿ウール芯により湿潤状態に保っ
た。各葉円盤に25〜30匹の成虫雌ダニを侵食させ、
これらを6時間後に除去して各円盤上に約50個の卵を
残した。5日間以内に卵は孵化した。新たに出現した葉
円盤上の幼虫に、上記実施例78におけるように作成し
た試験化合物の溶液を1ha当り340リットルに等し
い割合(3.4×10-53 /m2 )で噴霧した。
【0073】次いで円盤を通常の実験室条件(23℃±
2℃、変動湿度および日中長さ16時間)に保った。7
日間の後、成虫として出現したダニの個数を測定した。
それらの結果から、試験動物の半数を死滅させるのに要
する活性成分の投入量を各試験化合物につき計算し、次
のように等級化した: スプレーにおける活性成分%: <0.1 かつ>0.01 + <0.01かつ>0.001 ++ >0.001 +++ 結果を第5表に示す。
【0074】
【表18】
【0075】
【表19】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イアン・ジエイムズ・ギルモア イギリス国ケント州エムイー10 2エルエ ヌ、シツテイングボーン、ウオータール ー・ロード 32

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中、XおよびYはそれぞれハロゲン原子またはアル
    キル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ア
    ルキレンジオキシ、アルキルチオ、ハロ−置換アルキル
    チオ、アルキルスルフィニル、ハロ−置換アルキルスル
    フィニル、アルキルスルホニル、ハロ−置換アルキルス
    ルホニル、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、
    ジアルキルアミノ、アセタミド、N−アルキル−アセタ
    ミド、適宜置換のベンジル、適宜置換のベンゾイル、適
    宜置換のフェニルチオ、適宜置換のフェニルスルフィニ
    ル、適宜置換のフェニルスルホニルもしくは適宜置換の
    フェノキシ基を示し、pは0または1〜5の整数を示
    し、nは0または1〜4の整数を示し、Xおよび/また
    はYにより示される2個もしくはそれ以上の置換基は同
    一でも異なってもよく、mは0,1もしくは2を示し、
    Zは水素原子、ヒドロキシ基または基ORを示し、ここ
    でRはアシル部分を示し、qは0もしくは1を示し、 【外1】 は単結合(qが1である場合)または二重結合(qが0
    である場合)を示し、ただしqが1を示しかつZがヒド
    ロキシ基もしくはOR基を示せばn=0かつp=0であ
    り、またはn≧1であればp=0であり、またはp≧1
    であればn=0である〕の化合物を適するキャリヤと一
    緒に含んでなる農薬組成物。
  2. 【請求項2】 pが0,1もしくは2を示し、存在する
    場合Xにより示される置換基が弗素および塩素原子、並
    びにメチル、メトキシ、シアノおよびトリフルオロメチ
    ル基から選択される請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 nが0,1もしくは2を示し、存在する
    場合Yにより示される置換基が塩素原子、並びにメチル
    およびメトキシ基から選択される請求項1に記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】 少なくとも2種のキャリヤを含み、その
    少なくとも1種が表面活性剤である請求項1〜3のいず
    れか一項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の一
    般式Iを有する化合物または請求項1〜4のいずれか一
    項に記載の農薬組成物を生息地に施すことを特徴とする
    生息地における害虫の撲滅方法。
  6. 【請求項6】 農薬としての、特に殺ダニ剤としての請
    求項1〜3のいずれか一項に記載の一般式Iを有する化
    合物の使用。
  7. 【請求項7】 q=0でありかつ 【外2】 が二重結合を示せばn+p≧1であり;さらにm=0で
    あればXp は臭素原子またはメトキシ基もしくは2−メ
    チルチオでなく(n=0の場合)、 Yn は5−ブロモ、5−クロル、6−もしくは7−メト
    キシ、7−メチル、5,7−ジメチルもしくは4,7−
    ジメトキシでなく(p=0の場合)、 Xp は4−ブロモでなく(Yn が5−メチルの場合)ま
    た4−ハロでもなく(Yn が7−メチルである場合);
    さらにm=1であればXp は4−クロルでなく(Yn
    2,6−ジクロルである場合);さらにm=2であれば
    n は2−メチルでなく;q=1であり、 【外3】 が単結合を示しかつZがHを示し、 さらにm=0もしくは2であれば、 n=0の場合はp≧1であり;さらにXp は4−メチル
    でなく、または(n=2の場合)2,5−もしくは3,
    4−ジメチルでなく、 p=0の場合はn≧1であり;さらにYn は5−メチ
    ル、5−エチルもしくは5,7−ジメチルでなく;q=
    1であり、 【外4】 が単結合を示しかつZがOHを示せばp≧1であり(m
    =0もしくは2の場合)、 Xは4−メチルでない(同時にm=0およびp=1であ
    る場合)請求項1に記載の一般式Iを有する化合物。
  8. 【請求項8】 (a)式 【化2】 のチオアニソールをアルキルリチウム化合物および一般
    式 【化3】 〔式中、Xおよびpは請求項1に記載の意味を有する〕
    の適宜置換のハロゲン化ベンゾイルと反応させて一般式 【化4】 〔式中、Xおよびpは請求項1に記載の意味を有する〕
    の化合物を生成させ、 (b) 一般式 【化5】 〔式中、Yおよびnは請求項1に記載の意味を有する〕
    の化合物を塩基および溶剤の存在下に環化させて一般式 【化6】 〔式中、Yおよびnは請求項1に記載の意味を有する〕
    の化合物を生成させ、または (c)(i) 上記一般式Ic1 の化合物を脱水して一
    般式 【化7】 〔式中、Xおよびpは請求項1に記載の意味を有する〕
    の化合物を生成させ、または上記一般式Id1 の化合物
    を脱水して一般式 【化8】 〔式中、Yおよびnは請求項1に記載の意味を有する〕
    の化合物を生成させ、または (ii) 一般式 【化9】 〔式中、X,Y,pおよびnは請求項1に記載の意味を
    有する〕の化合物を脱水剤の存在下に環化させ、または
    一般式 【化10】 〔式中、X,Y,pおよびnは請求項1に記載の意味を
    有し、Lは離脱基を示す〕の化合物を塩基および溶剤の
    存在下にチオグリコール酸と反応させて一般式 【化11】 〔式中、X,Y,pおよびnは請求項1に記載の意味を
    有する〕の化合物を生成させ、または (d)(i) 一般式 【化12】 〔式中、Yおよびnは請求項1に記載の意味を有する〕
    の化合物を一般式 【化13】 〔式中、Xおよびpは請求項1に記載の意味を有する〕
    の化合物と塩化アルミニウムの存在下に反応させかつ必
    要に応じ一般式 【化14】 〔式中、X,Y,pおよびnは請求項1に記載の意味を
    有する〕の所望の異性体を分離し、または (ii) 上記一般式Ia4 の化合物を還元して上記一般
    式Ib1 の化合物を生成させ、さらに必要に応じ一般式
    Iの得られた化合物をたとえば必要に応じ任意所望の順
    序で次の反応:3−ヒドロキシ基のアシル化、チオフェ
    ンから1−オキサイドもしくは1,1−ジオキサイドへ
    の酸化の1つもしくはそれ以上を行なうことにより他の
    化合物に変換させることを特徴とする請求項7に記載の
    化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 一般式Vの化合物を、一般式 【化15】 〔式中、Yおよびnは請求項1に記載の意味を有する〕
    の化合物と一般式 【化16】 〔式中、Xおよびpは請求項1に記載の意味を有する〕
    の適宜置換されたハロゲン化フェナシルとの適する塩基
    の存在下における反応により製造する請求項8に記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 一般式 【化17】 〔式中、X,Y,pおよびnは請求項1に記載の意味を
    有する〕の化合物。
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