JPH05213564A - 車椅子使用者用エレベータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗籠時に進入が容易で、常に扉に対面できる
ように回転板方式を採用し、また、昇降中の転倒や滑り
等がない快適な車椅子使用者用エレベータを提供する。 【構成】 籠の床面部に車椅子を載置した儘回転する回
転板を取付け、回転板の上面にゴム板を敷設、車椅子の
進入路及びその回転方向を示す安全表示を施してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は身障者、老人等が使用し
て有益な車椅子使用者用エレベータに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来車椅子使用者に対して便利なエレベ
ータについて十分な開発・研究がなされていなかった。
例えば、扉の反対側の壁面に鏡を取付けたエレベータ等
では籠内に進入し目的階で出籠する場合後方を見なが
ら、車椅子を操縦しなければならないので操作が煩瑣で
扉が速かに閉鎖して危険なことも多くあり、また、籠の
昇降時の各階停止時等にも籠が動搖して車椅子が転倒す
る等のおそれがあり、さらに、出入に伴う押ボタンも、
車椅子に座している状態では高すぎて操作が極めて不便
である等、身障者や老人にとっては多くの不具合な点が
あり、これを改善したエレベータで、しかも、車椅子使
用者が介護者なしで乗降でき、常に安全かつ確実に操作
ができるようなエレベータの出現が強く要望されていた
ものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は敍上の実状に
鑑みてなされたもので、まず、乗籠時に、進入が容易
で、しかもその直後に自動又は手動により車椅子が約１
８０°回転し、使用者が常に扉に対面できるように籠の
底面部に回転板を設けるとともに、その回転方向が指示
される構造が意図され、さらに、回転板の周端縁部と底
面の接際部に車椅子の車輪が沒入又は引掛け等がないよ
うにし、しかも、籠が動揺して車椅子が幾分とも傾斜し
使用者とともに転倒する等の事故が全く生じないように
車椅子を安定して据坐せしめ、さらに必要に応じ車輪の
安定化装置や、回転板を作動させる遠隔操作ボタン等を
特設する等の諸施設を有する車椅子使用者用エレベータ
を提供することをその目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、 ａ．エレベータの籠部の床面部に車椅子を載置して回転
する回転板を取付け、 ｂ．該回転板の上面に該回転板よりやや大形のゴム板が
敷設され、 ｃ．籠内の所定位置に車椅子の進入路、及びその回転方
向を示す安全表示が施されてなる ｄ．車椅子使用者用エレベータ を要旨とし、さらに、 ｅ．上記回転板及びゴム板には車椅子の前後輪を収容す
る窪み部を必要により設け、 ｆ．ゴム板上に車椅子の後輪を収容する溝部及び又は後
輪を固定する凸片又はフックからなる後輪安定化装置を
必要により付設し、 ｇ．また、回転板の回転・停止可能な遠隔操作ボタンと
ともに、出入扉から適宜離隔した位置に該出入扉の開閉
ボタンを必要により設けることも、付加するものであ
る。

【０００５】

【実施例】図１は本発明に係る車椅子使用者用エレベー
タの籠内部を示す説明図、図２は籠の床面部の断面的説
明図、図３は、籠の床面部の窪み部を示す断面的説明
図、図４は回転板及びゴム板の溝部を示す説明図であ
る。

【０００６】本発明の重要な特徴部分は、エレベータの
籠部１の床面部２に車椅子を載置して回転する回転板３
を設けていることである。このため例えば図１に示す鏡
２０等を利用して後方を振り向き乍ら不安な気持で車椅
子を後進させる従来のエレベータと異なり、車椅子が入
室後自動的に、または、手動的に使用者が遠隔操作する
ことにより、約１８０°回転して使用者が籠の出入扉に
対面し停止時には安全かつ確実に出籠しうるものであっ
て、この結果使用者に前述の不安感が全く生じない。回
転板３は通常円形で、図２に示す如くベアリング４，４
で支持され、回転のため下底部に配置される円筒歯車６
に連結し、該歯車は油圧シリンダ７によって駆動され
る。駆動源には他に電動モータ等も使用される。この場
合回転板はハンドル操作による手動も可能である。

【０００７】回転板３の上面には該板よりやや大形のゴ
ム板５が固着等により敷設される。ゴム板は回転板３と
床面部２との間隙を生じないよう回転板を完全におおい
うる比較的大形のもので車椅子の車輪等がはさまって使
用者が落下する等のことがなくまた車輪が抜出できない
等のことがないようにするためのものである。図１で点
線の内側には回転板３がまた点線の外側にはゴム板４が
回転板をはみ出して設けられる。

【０００８】次に、籠内の所定の位置に安全表示が施さ
れる。図１で籠の壁面には「回転板のかいてんほうこ
う」と記載され、矢印で回転板３が右方向に回転する表
示８があり、使用者が注意することができる。また、回
転板には車椅子の進入路の範囲を示す９ａ，９ａの直線
が引かれ、必要に応じ９ａ，９ａ間の帯状部９に適当な
着色がなされ、籠の出入口を経由してフロア上面にも着
色帯状部を形成し、使用者が籠に対して適切な進入を可
能にすることができる。ゴム板の上面は防滑処理がなさ
れる。

【０００９】さらに、本発明では必要に応じ、回転板及
びゴム板に図３に示す如き適当に浅い窪み部１０を形成
することができる。車椅子１１は、この窪み部に入るか
ら回転板やゴム板の回転時にも動揺、滑動等が防止でき
極めて安全である。

【００１０】また、本発明では、必要に応じ図４に示す
如く、ゴム板５上に車椅子の後輪の一部がはいる溝部１
２を穿設することもできる。前方の点線の位置１３は溝
部はないが前輪が駐止する位置を示している。このほ
か、後輪を固定するための凸片を各溝部１２外側に設け
て車輪の安定化に資し、また車輪を縛着するフックを有
する安定化装置も設置できる。

【００１１】さらに本発明では、車椅子使用者が車に乗
ったまま自ら操作しうる各種施設が作動するための各種
操作用押ボタンが籠の内外に設けられる。緊急時等に回
転板の回転を停止可能な遠隔操作ボタンや籠の出入扉適
宜離隔した位置に該扉の開閉ボタンを有せしめる等安全
と円滑な操作のための配慮がなされる。

【００１２】

【発明の効果】本発明は以上の構成に基づくものであっ
て、籠の中で出入扉に対面するよう回転板及びこれに施
設されるゴム板を有するので、使用者の安全特に緊急脱
出時に最も効果的に配置されているものであり、加うる
に安全表示等従来のエレベータにない特有の施設が組込
まれおり、さらに籠内での車椅子の回転時にも転倒等生
じないようにしてあり、また、車輪が沒入する隙間等を
生じることがないので、車椅子を使用する身障者や老人
の安全が常に確保され、円滑な操作が可能となって快適
な乗車が可能である等多くの利点を有するもので極めて
有用な発明である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る車椅子使用者用エレベータの籠の
内部を示す説明図である。

【図２】籠の床面部の断面的説明図である。

【図３】籠の床面部の窪み部を示す断面的説明図であ
る。

【図４】回転板及びゴム板の溝部を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 籠部 ２ 床面部 ３ 回転板 ４ ベアリング ５ ゴム板 ６ 円筒歯車 ７ 油圧シリンダ ８ 籠回転方向を示す表示 ９ 進入路を示す帯状部表示 １０ 窪み部 １２ 溝部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータの籠部の床面部に車椅子を載
   置して回転する回転板を取付け、該回転板の上面に該回
   転板よりやや大形のゴム板が敷設され、また、籠内の所
   定位置に車椅子の進入路及びその回転方向を示す安全表
   示が施されてなる車椅子使用者用エレベータ。
2. 【請求項２】 回転板及びゴム板に、車椅子の前後輪を
   収容する窪み部を有してなる請求項１に記載の身障者用
   エレベータ。
3. 【請求項３】 ゴム板上に車椅子の後輪を収容する溝部
   及び又は後輪を固定する凸片又はフックからなる後輪の
   安定化装置を付設する請求項１に記載の身障者用エレベ
   ータ。
4. 【請求項４】 回転板の回転・停止可能な遠隔操作ボタ
   ンを設けるとともに、出入扉から適宜離隔した位置に該
   出入扉の開閉ボタンを有する請求項１に記載の車椅子使
   用者用エレベータ。