JPH05212956A - ノーカーボン感圧複写紙 - Google Patents

ノーカーボン感圧複写紙

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JPH05212956A
JPH05212956A JP1768192A JP1768192A JPH05212956A JP H05212956 A JPH05212956 A JP H05212956A JP 1768192 A JP1768192 A JP 1768192A JP 1768192 A JP1768192 A JP 1768192A JP H05212956 A JPH05212956 A JP H05212956A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スリットを有する給液ヘッドより電子供与性
染料を内蔵するマイクロカプセルを主成分とする塗工液
のカーテン膜を形成させ、支持体に衝突せしめて塗工層
を設ける方法において、該支持体の透気度が60秒以下
にすることによって達せられる。 【効果】 上記方法を用いることにより、発色性・耐汚
染性及び塗工面の外観に優れ、且つ高速塗工及び安定生
産を可能としたノーカーボン感圧複写紙を得ることが出
来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発色性・耐汚染性及び
塗工面の外観に優れ、且つ高速塗工を可能とし、さらに
安定生産を可能としたノーカーボン感圧複写紙に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ノーカーボン感圧複写紙は、支持体の片
面に通常無色の電子供与性染料(以下、発色剤と称す)
の溶液を内蔵するマイクロカプセルを塗工した発色剤シ
ートいわゆる上用紙と電子受容性酸性物質(以下、顕色
剤と称す)を塗工した顕色剤シートいわゆる下用紙とか
ら基本的に成り、筆圧或はタイプライター等の圧力によ
り発色剤シートのマイクロカプセル中から発色剤が放出
され、顕色剤シートの顕色剤と接触して発色し、画像が
得られるものである。
【0003】さらに発色剤シートと顕色剤シートの役割
りを兼ねた形の中用紙(支持体の一方の面に発色剤を内
蔵するマイクロカプセル塗工層を設け、他方の面へ顕色
剤塗工層を設けたもの)を上用紙と下用紙との間に多数
枚組み合せることにより多くの複写が可能となる。
【0004】また、支持体の一方の面へ発色剤の溶液を
内蔵するマイクロカプセルを塗工し、さらにその上に顕
色剤を積層塗工あるいは発色剤の溶液を内蔵するマイク
ロカプセルと顕色剤を混合して単一塗工すれば1枚のシ
ートで印字発色画像が得られ、自己発色性型シートとし
て成る。以下、自己発色性型シートについては、基本的
に発色剤シートと取扱いが同一とみなせるので発色剤シ
ートに含め説明する。
【0005】一般に、ノーカーボン感圧複写紙用発色剤
シートに要求される品質的条件、及び製造時に要求され
る主要な条件として次の4項目が挙げられる。 発色濃度が濃く、鮮明な画像が短時間のうちに得ら
れ、経時的にも劣化がないこと。 発色を意図しない時、即ちノーカーボン感圧複写紙用
発色剤シートの製造工程・各種印刷工程・裁断工程・シ
ート状または巻取状態での保管及び取扱時において汚れ
が生じないこと。 塗工面がスジ状・ボコツキ及び未塗工部等がなく外観
が悪くないこと。 高速高濃度塗工が可能であること。
【0006】及びの2つの項目は、相反する特性で
あるため両者を充分に満足させることは困難であるが、
発色剤シートに塗工されるマイクロカプセルの製造条
件、保護剤の種類と量及びバインダーの種類と量等の因
子を工夫することにより、またについてもバインダー
の種類と量及び巻取り方法等により改良がなされそれら
について多くの提案がなされている。
【0007】一方、ノーカーボン感圧複写紙用発色剤シ
ートの製造において高い生産性を得るには、塗工時の乾
燥エネルギーを極力低減させ塗工速度を増速させる目的
で塗工液の高濃度化が図られている。その手段として、
塗工液の液性の改良、塗工方法の工夫等が行われている
が、とりわけ発色剤シートにおいては、低粘度のマイク
ロカプセルエマルジョン(例えば特開昭63−2875
42号)や低粘度のバインダ−を用いる方法(例えば特
開平2−3367号)等で改良が試みられている。
【0008】しかしながら、上記手段で高濃度塗工によ
り得られた発色剤シートは、実使用時にこすれによる耐
汚染性の低下をもたらし、ノーカーボン感圧複写紙用発
色剤シートとしての品質を充分満足しているとは言えな
いものであった。
【0009】また発色剤シートのマイクロカプセル塗工
層の形成方法としては、従来エアーナイフコーターによ
る方法が用いられてきたが、かかる方法はエアーによっ
て過剰の塗工液をかき落とし必要量塗工するものであ
る。主にエアーナイフコーターが用いられてきたのは、
比較的に高速度(300m/分以上)の塗工が可能であ
ることと、印刷用塗被紙等で従来より用いられれてきた
方式であるためと考えられる。しかしながら、かかる方
法では昨今のさらなる高速度(800m/分以上)の要
求に対しては、ミスト及び騒音の発生等が問題となる。
さらには、過大なエアーによって粒子径の大きな保護剤
が選択的にかき落とされる現象いわゆる分級作用が生
じ、結果として支持体上に粒子径の小さな保護剤が多く
なり発色剤シートの耐汚染性が低下する問題があった。
【0010】そこで、上記問題を解決するため自由落下
垂直カーテンを形成せしめる、いわゆるカーテンコータ
ーを用いる方法(例えば特公昭61−46187号、同
63−239号)が考案されている。かかる方法は、す
でに感光記録材料の分野で広く行われている塗工方法
(例えば特公昭49−24133号、同49−3544
7号)を感圧複写紙の塗工に適用したもので、確かに通
常用いられるエアーナイフコーターに比べ保護剤の分級
が発生せずまた比較的高濃度で塗工することが可能なマ
イクロカプセル塗工層形成方法である。
【0011】上述した自由落下垂直カーテンの塗工方式
は、かかるエアーナイフあるいはブレードコーターの問
題を解決するものであるが、給液ヘッド内の液面の上端
からのヘッド高さより自由落下によりカーテン膜を形成
させるため、塗工液の高濃度化により液の粘度が高くな
った場合には、所望量の液量を得られないことが生ず
る。したがって、所望量の液量を得るために、ヘッドの
出口スリットの開口幅を大きくし流動圧損を減じるこ
と、また、出口スリットの垂直方向の長さを短くし、流
動圧損を減じること、さらには、給液面の高さを高くし
てヘッド差を大きくするなど、いずれかの対策を講じる
必要がある。
【0012】この時、ヘッドの出口スリットの開口幅を
大きくすると、開口幅を変化させないで同一の流量を得
る場合と比較して、スリット出口における流速は減じ
る。したがって、支持体とカーテン膜の接触点における
衝突速度は、カーテン膜の形成する高さが同一であれ
ば、減じることになる。支持体とカーテン膜の接触点に
おける速度が減じると、支持体表面の空気の境界層を撃
ち破り難くなり、特に800m/分を越える高速塗工が
不可能となる。
【0013】また、ヘッドの出口スリットの長さを短く
すると、スリットにおいて流路形状が狭小化したことに
よる流れの乱れが十分に整流されないまま、スリット出
口から流出する傾向にあり安定したカーテン膜が得られ
ない。
【0014】さらに、給液面を高くした場合には、ヘッ
ドの液滞留部の高さを高くする必要がある。また、滞留
する容量が増えると液の滞留時間が長くなり、液の凝集
が進み、スリット部を塞ぐ可能性がある。液の凝集は、
液を高濃度化を進めると、一層顕著なものとなる。ま
た、液の凝集を防止するために、分散剤、あるいは凝集
防止剤を添加する方法も考えられるが、製品の品質への
影響を考慮すると避けるべきである。
【0015】このように、自由落下垂直カーテン式のヘ
ッドでは、塗工液のさらなる高濃度化に対応できず、塗
工液の濃度範囲には、上限が存在し、その範囲は極めて
狭く、さらにはプロファイルの均一化のためヘッド内は
極力圧を低く迎えなければならない方式であり、このた
め次に述べる強制的にヘッド内に圧を加える加圧型のカ
ーテンコーターに比べ閉塞しやすいのが現状である。
【0016】一方、塗工液の固形分濃度が低くなると、
粘度は低くなる傾向にあるため、給液ヘッドの圧力は低
下し、均一なカーテン膜を形成させるためにはハード面
にかなりの制約が課せられる。さらには、乾燥時にカプ
セルに対して水及びバインダーの移動量が多くなり、塗
工層表面に偏在しやすく、表面において、バインダーの
分布ムラを発生しやすくなる。バインダーが表面で局在
している部分で発色が抑制され、逆に、存在が疎らな部
分では、発色が促進される傾向にあり、発色ムラを発生
しやすくなる。
【0017】また、近年1000m/分を超える高速高
濃度塗工の要求が出始めており、かかる方法は速度が増
すにつれ支持体に同伴する空気の流れによってカーテン
膜が揺らぎ、同時に支持体表面の空気の境界層が厚くな
るためカーテン膜が境界層を撃ち破ることが出来ず、し
まいにはカーテン膜を乱し支持体表面上に塗工液をうけ
つけない、いわゆる“はじき現象”を生じせしめ、ひい
ては塗工ムラあるいは未塗工部分を発生させるという問
題があった。
【0018】これらを解決するために、遮風板を設ける
方法(例えば特公昭53−31005号)、給液ヘッド
からカ−テン膜が形成される部分全体を覆ってしまう方
法(例えば特公昭57−500549号)、カ−テン膜
の直前にサクション装置を設置する方法(例えば特公昭
62−186966号)等が考案されているが、いまだ
解決にいたっていない。
【0019】これらの方法の他に一般的にはカーテンの
自由落下速度を増加させ衝突速度を増し、自由落下カー
テンに空気の境界層を十分に撃ち破る運動量を与える方
法によってもある程度改良出来るが、先に述べた理由の
他にあまり高くし過ぎると支持体に同伴する空気の流れ
が比較的少なくても、空気の抵抗によってカーテンが乱
れるため効果にも限界があった。
【0020】一方、上記塗工方法の欠点を補う目的で強
制的な加圧によってカーテンを形成せしめる塗工方法も
考えられている。即ち、スリットを有する加圧型の給液
ヘッドより電子供与性染料を内蔵するマイクロカプセル
を主成分とする塗工液のカーテン膜を形成させ、給液ヘ
ッドの高さを適当な高さに保ち、且つ強制的な加圧によ
って支持体に一定速度以上で衝突せしめて塗工層を設け
ることによって達せられる。ここで、強制的な加圧と
は、給液口と液流出スリット以外は密閉された構造とな
っており、ポンプの給液圧力により少なくても給液ヘッ
ド内のマニホールド部で数百g/cm2以上に加圧され
た状態で、先に述べた自由落下型カーテンとは基本的に
異なる。即ち、自由落下型では、プロファイルの均一化
のため給液ヘッド内の圧力を極力低く迎える必要があ
り、一度スリットに閉塞物が発生してしまうとなかなか
除去されにくい。一方、本発明が取り扱う加圧型では、
十分に圧を加えているため閉塞物が発生しにくく、仮に
発生したとしても自由型に比べ確率的に除去されやすい
ことは言うまでもない。
【0021】これらはかかるエアーナイフコーターの問
題を解決するものであるが、これらの方法はいずれも、
スリットより塗工液のカーテン膜を形成させ、支持体に
衝突せしめる方法であるため、支持体と塗工液のなじみ
(濡れ性)の善し悪しに大きく影響するが、塗工液(例
えば特開昭57−39985号)からの改良はいくつか
なされているものの、支持体からの改良は未だ満足しえ
ないのが現状である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のノー
カーボン感圧複写紙用発色剤シートの品質上及び製造上
の問題点を克服するものであり、具体的には下記の項目
を全て満足する発色剤シートを提供することにある。 筆圧あるいはタイプライター等の圧力により、高濃度
の発色が得られる。即ち、多数枚の複写においても鮮明
なが画像が得られる。 発色を意図しない際の汚染を防止する。即ち、こすれ
時に発生する摩擦汚れ、発色剤シート保管時・印刷時・
裁断時に加えられる圧力汚れ等が少なく、耐汚染性が優
れる。 塗ムラ及び未塗工部あるいはヌケ等がなく塗工面の外
観が良好である。 高速高濃度塗工が可能で、しかもスリットの閉塞の弊
害が少ない。即ち、高濃度塗工液により乾燥負荷を軽減
でき、閉塞対策が施されているので品質の低下のない高
い生産性が得られる。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、これら
従来の技術の欠点を解決し、スリットを有する給液ヘッ
ドより電子供与性染料を内蔵するマイクロカプセルを主
成分とする塗工液のカーテン膜を形成させ、支持体に衝
突せしめて塗工層を設ける方法において、該支持体のJ
ISP8117法に基づく透気度が60秒以下にするこ
とによって達せられる。
【0024】従来までカーテンコーターでは、塗工液と
支持体のなじみ(濡れ性)をよくするため、塗工液の表
面張力を低下させる方法がなされてきたが、あまり低く
するとノーカーボン紙の重要な特性の一つである印刷適
性及びセット糊付け適性が保てない問題が生じてくる。
即ち、塗工液の表面張力が低いと、そのまま塗工面の濡
れ性が良くなり、オフセット印刷に代表されるように界
面張力の違いによる印刷方式ではバランスがとりにくく
なる。またセット糊適性については、糊自身は浸み込み
やすくなり接着強度は強くなるものの、乾燥後全体が波
打ち状となり見た目が悪く商品価値の低いものとなる。
さらには、接着の不必要な部分である被塗工面(一般に
は原紙面同志)まで接着してしまい、うまくセットでき
なくなってしまうという致命的な欠点を生じてしまい、
塗工液からの改良については限界があった。
【0025】それ故に、本発明のごとく支持体の透気度
が60秒以下、さらに好ましくは40秒以下であれば、
塗工液のカーテン膜と支持体との衝突時に、支持体表面
の境界層の空気は逃げやすくなるため、塗工液は均一に
支持体に定着可能となる。一方、透気度が60秒を越え
てくると、境界層の空気は逃げ場を失うため、しまいに
はカーテン膜を乱し支持体表面上に塗工液をうけつけな
い、いわゆる“はじき現象”を生じせしめ、しいては塗
工ムラあるいは未塗工部分を発生させてしまう。
【0026】従来までエアーナイフコーターで用ちいら
れてきた支持体の透気度は、他の塗工方式に比べ特に限
定されるものではない。特に上限に関してはフイルムに
も塗工が可能なことから実質的には上限は存在しえな
い。但し、下限に関しては著しく低い場合には、エアー
ナイフコーターの塗工方式が過剰の塗工液をエアー圧に
よって必要量までかきおとす塗工方式のため、場合によ
ってはエアーの強さによって塗工液が支持体内部まで押
し込まれ、さらには塗工面の反対側に抜け出るいわゆる
裏抜けの危険性が大となる。裏抜けは、特に中用紙(支
持体の一方の面に発色剤を内蔵するマイクロカプセル塗
工層を設け、他方の面へ顕色剤塗工層を設けたもの)の
場合、顕色剤塗工層において発色する可能性が大きいた
め商品価値を著しく低下させてしまうものである。
【0027】しかしながら、本発明が行うカーテンコー
ターではエアーナイフコーターに比べ極端に圧がかから
ない塗工方式のため透気度が多少低くとも上記のごとく
問題は発生しにくいことは言うまでもない。即ち、本発
明者はカーテンコーターにおいて支持体の透気度の上限
が存在し、一方では下限が実質的に存在しないことを発
見し本発明に至った。
【0028】本発明の支持体としては、通常セルロース
繊維を主体とする酸性紙及び中性紙が用いられるが、本
発明が規定する支持体の透気度は、例えば抄紙時に使用
するパルプの長さを整える叩解度、填料、バインダー、
サイズ等を調整することによって容易に行うことができ
るが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0029】以上のごとき特徴を有する本発明の支持体
は、従来公知の抄紙方法に準じて得られるものであり、
例えば広葉樹及び針葉樹のさらしクラフトパルプ等を主
原料とし、さらに目的に応じて合成パルプ、合成繊維、
ガラス繊維等を併用し、これらに充填剤としての填料、
サイズ剤、各種バインダー、分散剤、耐水化剤、リテン
ション向上剤、蛍光染料等の必要な添加剤を配合して抄
紙することによって得られる。
【0030】さらに、本発明の支持体はその表面に顔料
等を含む塗工層を形成してもよい。このような塗工層の
形成に使用される原料としては、例えばクレー、タル
ク、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、サチンホワイト等が
挙げられる。
【0031】上記顔料からなる塗工層の形成は、顔料を
水等の媒体中に分散させ、適当なバインダーを加え調整
し、公知の方法によって塗工される。尚、支持体はJI
SP8119法に基くベック平滑度が10秒以下では支
持体に同伴する空気流が厚くなるため出来るだけそれ以
上にすることが好ましい。
【0032】本発明においては、塗工過程において塗工
液が外部より高剪断応力等の作用を受けず、また前計量
方式であるため、支持体に水が選択吸収されて塗工液が
高濃度化することもないので、塗工液を循環再使用して
も塗工液の組成が経時的に変化することもないから、安
定したノーカーボン感圧複写紙用発色剤シートを製造す
ることが可能であり、塗工速度の増加においてもかかる
効果を期待できる。
【0033】また、塗工液量は予め計量された後、支持
体上に塗工されるため、その量は必要最小限となり、ブ
レードやエアナイフコーターのように塗工液を過剰に給
液することがなく、その給液量は1/5あるいそれ以下
となる。加圧により塗工液をカーテン膜に形成して、支
持体に衝突せしめて塗工する方式においては、塗工量は
支持体の走行速度と塗工液の単位時間あたりの給液量に
よって決定されるが、理論的には最低給液液量はカーテ
ン膜を安定に形成することが可能である量であり、それ
は極めて少ない量である。
【0034】本発明において、マイクロカプセルを主成
分とする塗工液とは、一般にマイクロカプセルをバイン
ダー及び保護剤と共に水に溶解もしくは分散せしめた液
であって、マイクロカプセル、バインダー、保護剤の濃
度が10〜60重量%のものを指称する。マイクロカプ
セル、バインダー、保護剤の配合割合は、一般にマイク
ロカプセル100重量部に対し、バインダー及び保護剤
の割合が5重量部以上、好ましくは、10〜70重量
部、より好ましくは、30〜60重量部であり、バイン
ダーと保護剤との割合は、バインダー100重量部に対
し、保護剤が、50〜200重量部であることが通常で
ある。
【0035】本発明において発色剤としては、クリスタ
ルバイオレットラクトン、3−3ビス(P−ジメチルア
ミノフェニル)フタリド、3−(P−ジメチルアミノフ
ェニル)−3−(2−メチルインド−ル−3−イル)−
6−ジメチルアミノフタリドのようなトリアリルメタン
フタリド系やメチレンブルーのベンゾイル、アニゾイ
ル、ビバロイル等のアシル誘導体;3−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−ジベンジルアミノフルオランのようなキサン
テンフタリド系等がある。
【0036】顕色剤としては、無機系顕色剤として酸性
白土、アタパルガイト等の天然粘土鉱物、酸性白土を鉱
酸で処理した活性白土、特開昭57−15996号公報
記載の半合成固体酸等があり、有機系顕色剤として各種
フェノール化合物、ノボラック型フェノール樹脂、芳香
族カルボン酸多価金属塩及び最近提案された特開昭63
−186729号、同63−254124号公報記載の
サリチル酸樹脂の多価金属化物等が既に使用されてい
る。
【0037】なお、発色剤は、高沸点溶剤に溶解しマイ
クロカプセルとして使用される。発色剤を溶解する高沸
点溶剤としては、ジイソプロピルナフタレンで代表され
るアルキルナフタレン類、1−フェニル−1−キシリル
エタンで代表されるジアリルアルカン類、イソプロピル
ビフェニルで代表されるアルキルビフェニル類、その他
トリアリルジメタン類、アルキルベンゼン類、ベンジル
ナフタレン類、ジアリルアルキレン類、アリルインダン
類等の芳香族炭化水素;フタル酸ジブチル、マレイン酸
ジオクチル等で代表されるカルボン酸エステル系化合
物;トリクレジルフォスフェートで代表されるリン酸エ
ステル系化合物;ヒマシ油、大豆油、綿実油等の植物油
又はその変性油;鉱物油のような天然物高沸点留分(脂
肪族炭化水素より成る)等がある。
【0038】発色剤を内蔵するマイクロカプセルの製造
方法は、コアセルベーション法、インサイチュー法、界
面重合法等の公知の方法があるが、高濃度でマイクロカ
プセルが得られる合成樹脂を壁材とするものが好まし
い。
【0039】発色剤を内蔵するマイクロカプセルは、バ
インダー及び保護剤と共に紙の如き支持体に塗工される
が、バインダーとしては、デンプン、ポリビニルアルコ
ール等の水溶性高分子系結着剤、スチレンブタジエン
系、アクリル系、酢酸ビニル系の疎水性高分子であるラ
テックスエマルジョン系結着剤等が用いられる。保護剤
は、マイクロカプセルの意図しない破壊を防止するため
に添加するもので、一般にはマイクロカプセルの粒子径
の2〜10倍程度の粒子径を有するものが使用され、具
体的には小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、セルロース微粉末、合
成樹脂微粒子等が用いられる。
【0040】本発明において、マイクロカプセルを主成
分とする塗工液の重量固形分濃度は、特に限定されるも
のではないがヘッド圧がある一定以上に常に加圧される
必要があるので、B型粘度では好ましくは30cps以
上、より好ましくは70〜500cpsであるような任
意の液濃度が必要である。また、支持体への塗工量は乾
燥重量規準で、2g/m2以上、好ましくは、3〜6g
/m2が適当である。
【0041】
【実施例】次に実施例により本発明の効果をより具体的
に説明する。尚、以下の部はすべて重量部であり、%は
すべて重量%を表わす。 実施例1 〔塗工液成分〕クリスタルバイオレットラクトン(CV
L)5部を溶解した200部の高沸点油(呉羽化学
(株)製KMC−113)を5%スチレン無水マレイン
酸共重合体水溶液(PH5.0)250部に添加し、平
均粒子径6μmとなるように乳化した。 次に40%メ
ラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液(住友化学(株)
製スミレッツレジン)20部を上記乳化液に加えて温度
を75℃とし、2時間反応させたのち、20%水酸化ナ
トリウム水溶液でPH9.0として室温まで冷却し、4
0%のマイクロカプセル分散液を得た。このようにして
得られたマイクロカプセル分散液を下記の配合で30%
濃度の塗工液を得た。 40%マイクロカプセル分散液 100部 小麦澱粉(粒子径20μm) 50部 48%カルボキシ変性スチレンブタジエン共重合体ラテックスエマルジョン 20部 添加水 162部
【0042】〔支持体〕幅800mm・坪量40g/m
2の上質紙にゲートロールコーターを用い固形分濃度
0.2%のデンプンサイズを行いサイズ量0.8g/m
2の塗工用支持体を得た。得られた支持体の透気度を測
定したところ40秒であった。こうして得られた塗工液
と支持体を巾900mm、0.3mmのスリット隙間を
有すカーテンコーターヘッドを用いて、9.6リットル
/分の供給量で均一なカーテン塗工液膜を形成させ、塗
工速度800m/分で塗工し乾燥したところ、塗工量は
絶乾固形分で4g/m2のノーカーボン感圧複写紙用発
色剤シートを得た。この時、カーテン塗工液膜は支持体
とのなじみが良好で塗ムラあるいは未塗工部分が生ぜず
に、均一なマイクロカプセル塗工層が得られた。
【0043】実施例2 〔塗工液成分〕実施例1と同じ塗工液を用いた。 〔支持体〕幅800mm・坪量40g/m2の上質紙に
ゲートロールコーターを用い固形分濃度0.3%のデン
プンサイズを行いサイズ量1.2g/m2の塗工用支持
体を得た。得られた支持体の透気度を測定したところ6
0秒であった。こうして得られた塗工液と支持体を実施
例1同様にカーテンコーターを用い、塗工量は絶乾固形
分で4g/m2のノーカーボン感圧複写紙用発色剤シー
トを得た。この時、カーテン塗工液膜は支持体とのなじ
みがやや不安定であったが塗ムラあるいは未塗工部分が
生ぜずに、均一なマイクロカプセル塗工層が得られた。
【0044】比較例1 〔支持体〕幅800mm・坪量40g/m2の上質紙に
ゲートロールコーターを用い固形分濃度0.5%のデン
プンサイズを行いサイズ量1.5g/m2の塗工用支持
体を得た。得られた支持体の透気度を測定したところ8
0秒であった。こうして得られた塗工液と支持体を実施
例1同様にカーテンコーターを用い、塗工量は絶乾固形
分で4g/m2のノーカーボン感圧複写紙用発色剤シー
トを得た。この時、カーテン塗工液膜は支持体とのなじ
みが悪いため塗ムラが生じてしまい、あまり均一なマイ
クロカプセル塗工層が得られなかった。
【0045】比較例2 〔支持体〕幅800mm・坪量40g/m2の上質紙に
ゲートロールコーターを用い固形分濃度0.7%のデン
プンサイズを行いサイズ量2.0g/m2の塗工用支持
体を得た。得られた支持体の透気度を測定したところ1
20秒であった。こうして得られた塗工液と支持体を実
施例1同様にカーテンコーターを用い、塗工量は絶乾固
形分で4g/m2のノーカーボン感圧複写紙用発色剤シ
ートを得た。この時、カーテン塗工液膜は支持体とのな
じみがかなり悪く塗ムラを生じてしまい、均一なマイク
ロカプセル塗工層は全く得られなかった。
【0046】(発色剤シート評価方法) ◎得られた発色剤シートを市販三菱NCR紙スーパー下
用紙(N−40)と組合せスーパーカレンダー(100
kg/cm2×2回通し)を通して、発色性を評価し
た。発色濃度はマクベス社濃度計を用いて測定した。 ◎縦35cm×横25cmの上記下用紙に縦15cm×
横15cmの発色剤シートを組合せ、その上に3500
gの耐汚染性評価用の重りを載せ発色剤シートを一定速
度で引っ張った時の汚れの度合により耐汚染性を評価し
た。発色濃度はマクベス社濃度計を用いて測定した。 ◎更に肉眼によって塗工紙の面質として塗ムラ・未塗工
の有無を評価した。以上の項目について評価した結果を
表1に示す。
【0047】
【表1】 評価結果
【0048】*評価基準 発 色 性 : 数値が大きい程良い(印字濃度が濃い)…
…・0.83以上のこと 耐汚染性 : 数値が大きい程悪い(汚れやすい)………
…・0.47以下のこと 面 質 : ◎非常に優れる、○優れる、△やや劣る、
×問題あり・・・・・・・・ ○ 以上のこと 総合評価 : ◎非常に優れる、○優れる、 △やや劣る、×問題あり・・・・・・・・ ○ 以上のこと
【0049】
【発明の効果】上記実施例から明かなように、本発明に
より高い生産性で、発色性が良く・耐汚染性が優れ且つ
均一な塗工面を有するノーカーボン感圧複写紙を得るこ
とができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 27/00 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗工液を、スリットを有する給液ヘッド
    よりカーテン膜に形成し支持体に衝突させて塗工するノ
    ーカーボン感圧複写紙において、該支持体のJISP8
    117法に基づく透気度が60秒以下であることを特徴
    とするノーカーボン感圧複写紙。
  2. 【請求項2】 塗工速度が800m/分以上であること
    を特徴とする特許請求項1記載のノーカーボン感圧複写
    紙。
  3. 【請求項3】 該塗工液が、電子供与性染料を内蔵する
    マイクロカプセルを主成分とする塗工液、または電子供
    与性染料を内蔵するマイクロカプセル及び顕色剤を主成
    分とする塗工液であることを特徴とする特許請求項1ま
    たは2記載のノーカーボン感圧複写紙。
JP1768192A 1992-02-03 1992-02-03 ノーカーボン感圧複写紙 Expired - Lifetime JP2960240B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006024103A1 (en) * 2004-09-03 2006-03-09 Tropiglas Technologies Ltd Dye materials and infra red active polymer compositions thereof
JP2009066477A (ja) * 2007-09-11 2009-04-02 Toppan Printing Co Ltd 固相−液相混合液の塗工方法およびそれを用いた反射防止フィルム、表示媒体フィルム並びに感圧複写紙
JP2010221202A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Nippon Shokubai Co Ltd マイクロカプセル含有塗料の塗工方法、塗工装置、および該塗工方法により製造された塗工シート

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JP2010221202A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Nippon Shokubai Co Ltd マイクロカプセル含有塗料の塗工方法、塗工装置、および該塗工方法により製造された塗工シート

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