JPH05211869A - 耐アルコール性プロテアーゼ - Google Patents
耐アルコール性プロテアーゼInfo
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- JPH05211869A JPH05211869A JP1793692A JP1793692A JPH05211869A JP H05211869 A JPH05211869 A JP H05211869A JP 1793692 A JP1793692 A JP 1793692A JP 1793692 A JP1793692 A JP 1793692A JP H05211869 A JPH05211869 A JP H05211869A
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Abstract
ル性のプロテアーゼを見い出した。この菌を培地中で培
養し、培地に分泌される本発明の酵素を採取する。この
プロテアーゼは、20%のエタノールの存在下,30℃、pH5.
0において少なくとも30日間安定である。 【効果】 上記プロテアーゼは、消化酵素のような医薬
品として、あるいは、エタノールが保存料として使用さ
れているタンパク質を分解して、オリゴペプチドやアミ
ノ酸を生成するための試薬あるいは工業用のプロテアー
ゼとして、広く利用され得る。
Description
プロテアーゼに関する。
解して、食品、医薬品の原料として利用する試みが盛ん
になってきた。これらのタンパク質は腐敗しやすいの
で、加水分解反応は、高温下で、あるいは酸性条件下で
実施されたり、さらに防腐剤を添加した状態で実施され
ている。食品向けの用途に許容される防腐剤としては、
安全性の観点から食塩およびエチルアルコールが多用さ
れている。しかし、食塩は食品の味を変えるという欠点
があり、さらに食塩が使用された場合には、必要に応じ
て後で除去する必要があり、製品としての工業設計が行
いにくい。さらに、健康上減塩指向の傾向があることな
どから、食塩はあまり用いられず、化学合成品以外の防
腐剤としてはエチルアルコールが最も多く使用されてい
る。エチルアルコールには、酒類の主成分でもあるよう
に食品としての安全性が高いこと、低濃度では食品に含
まれるエチルアルコール以外の官能性成分に影響を与え
ないこと、食品に付与する方法が簡単であること、必要
に応じて後で除去する場合には操作が容易であること、
比較的安価であることなどの利点がある。エチルアルコ
ールを浸漬、噴霧などの方法で食品に付与する場合に
は、その成分表示が免除されることなどから、これから
ますますその利用は増すものと思われる。
がなされたタンパク質を酵素、特にプロテアーゼを用い
て分解しようとしても、アルコールの存在下で加温する
と、このような酵素は速やかに失活するのが一般的であ
る。このように、耐アルコール性のプロテアーゼは知ら
れていない。
課題を解決するものであり、その目的とするところは、
耐アルコール性プロテアーゼおよびその製造方法を提供
することにある。
に属する新菌株から、耐アルコール性の酸性プロテアー
ゼを見い出し、本発明を完成するに至った。
る。
6.0 において比較的安定である。 作用適温の範囲:至適温度は約60℃である。 熱安定性:pH3.0にて30分間保持した場合に、40℃ま
で安定である。 耐アルコール性:20%エチルアルコールの存在下
で、pH5.0、30℃にて保持した場合に、少なくとも30日
間安定である。 分子量:ソディウムドデシルサルフェート(SDS)電
気泳動法により測定した分子量は、約75000である。 等電点:等電点電気泳動法により測定した等電点は約
3.6である。
ロテアーゼを生産する微生物を培地に培養し、培養物よ
り該酵素を採取する工程を包含する。
llus)属菌、特に、Bacillus coagulans J-4 株(微工
研菌寄託第12725号;FERM P-12725)により生産され
る。この菌株は、発明者らが、滋賀県の土壌から分離し
た新菌株である。この菌株の菌学的性質を次に示す。
載のない限り培養温度は38℃である。本菌の形態は、N
Y培地での培養により調べた。NY培地の組成を以下に
示す:1% 可溶性デンプン、0.5% ポリペプトン、0.5%
酵母エキス、0.1% K2HPO4、0.02% MgSO4・7H
2O、pH 5.0。
rgey's Manual of Systematic Bacteriology 第2巻(W
illiams and Wilkins, Baltimore, 1986)を参照して、
本菌はBacillus coagulansに属する新菌株であることが
わかった。発明者らは本菌株をBacillus coagulans J-4
株と命名した。
取するための条件について説明する。
れない。通常の液体培地および固体培地を用いて培養が
なされる。例えば、炭素源として、可溶性デンプン、コ
ーンスターチ、ポテトスターチ液化液などのデンプン類
が用いられる。窒素源としては、ポリペプトン、コーン
スティープリカー、各種大豆タンパク分解物、酵母エキ
ス、肉エキスなどが用いられる。さらに、必要に応じて
各種塩類、ビタミン類が用いられる。これらを加えて得
た培地をpH5.0〜 5.5に調整し、滅菌する。この培地を
用いて、35〜45℃の温度で、1〜3日間、静置、振盪ま
たは通気攪拌しながら培養を行う。本酵素は培地中に分
泌される。
素を採取・精製するには既知の精製法が単独でもしくは
併用して利用され得る。例えば、培養液を濾過または遠
心分離にかけて菌体を除去し、上清液をエバポレータ
ー、限界濾過、逆浸透法などにより濃縮または透析す
る。次に、硫安などによる塩析、エタノールなどによる
有機溶媒沈澱を行なうことにより本酵素が得られる。こ
の酵素は、各種クロマトグラフィー〔例えば、Sp-セフ
ァデックスC-50(ファルマシア製)〕、ゲル濾過などに
よる処理を行うことにより精製される。
で、厚生省薬務局審査課長通知 薬審第523号のタンパク
消化力試験法に従って測定する。
は、後述の実施例の(B)で得られた精製酵素を用いて調
べられた。
に準じて、0.5%カゼインを基質として60℃にて10分間酵
素反応を行った。酵素の相対活性を図1に示す。図1か
ら至適pHは約3.0であることがわかる。
持した後、あるいは24時間保持した後に残存活性を測定
した。それぞれの残存活性を図2に示す。図2から安定
pH範囲は30℃で3.0〜6.0であることがわかる。
の方法に準じて、0.5%カゼインを基質として酵素反応
を行い、相対活性を測定した。その結果を図3に示す。
図3から至適温度は約60℃であることがわかる。
0℃で30分間保持した後、残存活性を測定した。その結
果を図4に示す。図4から、本酵素はpH3.0で30分保持
した場合に40℃まで安定であることがわかる。
持し、残存活性を経時的に測定した。その結果を図9に
示す。図9から、本酵素はこの条件下で少なくとも約30
日間安定であることがわかる。
エタノール性についての比較を次のように行った。本酵
素および次に示す各種プロテアーゼを各種エタノール濃
度の緩衝液中、温度30℃、pH5.0にて20時間保持した
後、残存活性を測定した。その結果を図5〜図8に示
す。残存活性の測定は、活性測定法に準じて行った。 比較した酵素:(a)ニューラーゼF(天野製薬(株)) (b)プロテアーゼM「アマノ」(天野製薬(株)) (c)スミチームAP(新日本化学工業(株)) さらに、上記の酵素を、温度30℃、pH5.0、20%エタノー
ル濃度で所定日数保持した後、残存活性を調べた。その
結果を図9に示す。但し、残存活性の測定は、pH3.0、
温度40℃、酵素反応時間30分の条件下で行った。
テアーゼには見られない耐アルコール性を有することが
明かである。
する溶液中で、活性測定法の方法に準じて酵素反応を行
い、それぞれの残存活性を測定した。その結果を表3に
示す。
N)、1,2-エポキシ-3-(p-ニトロフェノキシ)プロパ
ン(EPNP)、ペプスタチン、フェニルメタンスルホ
ニルフルオリド(PMSF)、p-クロロマーキュリー
ベンゾエイト(p-CMB)、エチレンジアミンテトラ
酢酸(EDTA)、ストレプトマイセスズブチリシンイ
ンヒビター(SSI、セリンプロテアーゼ阻害剤)、お
よびストレプトマイセスメタロープロティナーゼインヒ
ビター(SーMPI、金属プロテアーゼ阻害剤)のいず
れによっても阻害されない。
あった。
た。
大豆タンパク分解物) 4%、コーンスチープリカー 0.
5%、酵母エキス 0.5%、肉エキス 0.2%、K2HPO4 0.1
5%、MgSO4・7H2O 0.02%、MnCl2 0.02%、ビ
オチン 20ppm、およびビタミンB12 5ppmを含有する培
地を、pH5に調整した後、ヒダ付三角フラスコに入れ、
本菌を接種した。これを45℃で、48時間振盪培養した。
ってプロテアーゼ活性を測定したところ、培養液1ml当
り42単位であった。
した。上澄液に2mM MnCl2を加え、pH3.0に調整した
後、この液に100ml当り硫酸アンモニウム38gを加えて塩
析した。沈澱物を遠心分離により採取した。得られた沈
澱物を2mM MnCl2を含むpH3.0、10mMの酢酸緩衝液に
再溶解した。この溶液を、同じ緩衝液に対して5℃で24
時間透析した。得られた透析内液を、2mM MnCl2を
含むpH3.0、50mM酢酸緩衝液で平衡化したSp-セファデッ
クスC-50カラムクロマトグラフィーにかけた。次に、0
〜0.6MのNaCl濃度勾配溶出法で溶出して、プロテア
ーゼ活性画分を得た。
l2を含む、pH3.0、50mM 酢酸緩衝液で平衡化したバイ
オゲルP-150カラムを用いたゲル濾過法により精製し
た。その結果、酸性プロテアーゼ活性を示す単一ピーク
が得られた。このプロテアーゼの性質を調べたところ、
本明細書の酵素の性質の項に記載の各性質を有すること
がわかった。
ール性を有する新規酸性プロテアーゼ、およびその製造
方法が提供される。このプロテアーゼは、20%のエタノ
ールの存在下、30℃、pH5.0において少なくとも30日間
安定である。このような酵素は、消化酵素のような医薬
品として、あるいは、エタノールが保存料として使用さ
れているタンパク質を分解して、オリゴペプチドやアミ
ノ酸を生成するための試薬あるいは工業用のプロテアー
ゼとして、広く利用され得る。
を基質として、60℃にて10分間酵素反応を行ったとき
の、酵素の相対活性を示す。
した後、あるいは24時間保持した後に測定したときの残
存活性を示す。
ンを基質として酵素反応を行ったときの相対活性を示
す。
保持した後測定したときの残存活性を示す。
30℃、pH5.0にて20時間保持した後に測定したときの残
存活性を示す。
ール濃度の緩衝液中、温度30℃、pH5.0にて20時間保持
した後に測定したときの残存活性を示す。
各種エタノール濃度の緩液中、温度30℃、pH5.0にて20
時間保持した後に測定したときの残存活性を示す。
エタノール濃度の緩衝液中、温度30℃、pH5.0にて20時
間保持した後に測定したときの残存活性を示す。
M「アマノ」、およびスミチームAPを、温度30℃、pH
5.0、20%エタノール濃度で所定日数保持した後に測定し
たときの残存活性を示す。
Claims (7)
- 【請求項1】下記の性質を有するプロテアーゼ: 作用:プロテアーゼ活性を有する; 至適pH:約3.0; 安定pH範囲:30℃にて24時間保持した場合、pH3.0〜
6.0において比較的安定である; 作用適温の範囲:至適温度は約60℃である; 熱安定性:pH3.0にて30分間保持した場合に、40℃ま
で安定である; 耐アルコール性:20%エチルアルコールの存在下
で、pH5.0、30℃にて保持した場合に、少なくとも30日
間安定である; 分子量:ソディウムドデシルサルフェート(SDS)電
気泳動法により測定した分子量は、約75000である; 等電点:等電点電気泳動法により測定した等電点は約
3.6である。 - 【請求項2】Bacillus属菌由来である請求項1に記載の
プロテアーゼ。 - 【請求項3】Bacillus coagulans由来である請求項1に
記載のプロテアーゼ。 - 【請求項4】Bacillus coagulans J-4 株(微工研菌寄
第12725号)由来である、請求項2に記載のプロテアー
ゼ。 - 【請求項5】Bacillus属に属し、請求項1のプロテアー
ゼを生産する微生物を培地に培養し、培養物より該酵素
を採取する工程を包含する、プロテアーゼの製造法。 - 【請求項6】前記微生物がBacillus coagulansに属す
る、請求項5に記載の製造法。 - 【請求項7】前記微生物がBacillus coagulans J-4 株
(微工研菌寄第12725号)である、請求項5の製造法。
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1992
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