JPH05208657A - シートベルトリトラクタ - Google Patents

シートベルトリトラクタ

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Publication number
JPH05208657A
JPH05208657A JP4015384A JP1538492A JPH05208657A JP H05208657 A JPH05208657 A JP H05208657A JP 4015384 A JP4015384 A JP 4015384A JP 1538492 A JP1538492 A JP 1538492A JP H05208657 A JPH05208657 A JP H05208657A
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JP
Japan
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webbing
reel shaft
shaft
inertial body
locking
Prior art date
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Pending
Application number
JP4015384A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Fujimura
好市 藤村
Shizutaka Matsuura
静孝 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takata Corp
Original Assignee
Takata Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Takata Corp filed Critical Takata Corp
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Priority to KR1019930000438A priority patent/KR930016295A/ko
Priority to US08/008,308 priority patent/US5372327A/en
Priority to GB9301797A priority patent/GB2263624B/en
Priority to DE4302752A priority patent/DE4302752C2/de
Publication of JPH05208657A publication Critical patent/JPH05208657A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/34Belt retractors, e.g. reels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/34Belt retractors, e.g. reels
    • B60R22/36Belt retractors, e.g. reels self-locking in an emergency
    • B60R22/405Belt retractors, e.g. reels self-locking in an emergency responsive to belt movement and vehicle movement

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ウェビングセンサの安定性がきわめて良好なシ
ートベルトリトラクタを提供する。 【構成】ウェビングセンサの慣性体15の重心Gは、該
慣性体15が第1ストッパ14hに当接した状態におい
て、リールシャフト4の第1回転軸4dの中心とロック
ギヤ14の軸14fの中心とを結ぶ線γの軸14f側の
延長線上で軸14fからわずか離れた位置に設定されて
いる。これにより、通常時のウェビング3の引出しまた
は巻取りの際、ロックギヤ14が回転したとき、慣性体
15の重心に遠心力が作用するが、その作用線が線γ上
に位置するので、この遠心力により慣性体15に軸14
fまわりのモーメントが作用することはなく、慣性体1
5が軸14fを中心に回動することはなく、その結果係
止爪15cが歯13cに係合してリールシャフト4の回
転が停止することもない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両に装備
され、乗員を保護するためのシートベルト装置に関し、
特に、緊急時にウェビングを巻き取るリールシャフトの
回転をロックしてウェビングの伸び出しを防止するシー
トベルトリトラクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば米国特許第4,796,918号明
細書および図面に開示されているように、従来の一般的
な自動車等の車両に装備されるシートベルトリトラクタ
は、ウェビングを巻取るリールシャフトと、該リールシ
ャフトの両端を回動自在に支持するフレームと、該フレ
ームおよびリールシャフト間に配設されて通常時リール
シャフトの回動を許容し必要時に作動してリールシャフ
トの少なくともウェビング引出し方向の回動を阻止する
ロック手段と、車両に所定値以上の減速度が加えられた
とき作動する減速度感知手段と、該減速度感知手段の作
動により前記ロック手段を作動するロック作動手段とを
備えている。
【0003】このようなシートベルトリトラクタは、通
常時にはリールシャフトが自由に回転可能となっている
ので、ウェビングの引出しが自由に行われ、乗員は自由
に前方移動ができるようになっている。また、車両に大
きな減速度が作用した場合のような緊急時には、減速度
感知手段がこの減速度を感知して作動するため、ロック
作動手段によりロック手段が作動する。このロック手段
の作動によりシールシャフトの回転が阻止されるので、
ウェビングの伸び出しが防止されて乗員がウェビングに
より拘束されるので、乗員の慣性による前方移動が防止
されるようになっている。
【0004】ところで、従来の一般的なシートベルトリ
トラクタは、更に該ロック作動手段が、通常時前記リー
ルシャフトとともに回転し前記減速度感知手段の作動で
前記リールシャフトとの間で相対回動が生じることによ
り前記ロック手段を作動するロック手段作動部材と、ウ
ェビングが所定以上の引出し速度で引き出されたとき作
動するウェビング引出し速度感知手段(ウェビングセン
サ)とを有しているとともに、前記ウェビング引出し速
度感知手段が、前記ロック手段作動部材に該ロック手段
作動部材の回動を自由にする非作動位置と該ロック手段
作動部材の少なくともウェビング引出し方向の回動を阻
止する作動位置との間で回動可能に設けられた慣性体を
有している場合が多い。
【0005】このリトラクタによれば、ウェビングが所
定以上の引出し速度で急激に引き出されるときには、こ
れをウェビング引出し速度感知手段が感知し、前記ロッ
ク手段作動部材の回動を阻止して前記リールシャフトと
の間に相対回動を生じさせることにより、前記ロック手
段を作動してリールシャフトの回転を阻止し、ウェビン
グの引出しが防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなシートベルトリトラクタで、慣性体がロック手段作
動部材に回動可能に取り付けられているため、通常のウ
ェビング引出し時にロック手段作動部材が回動すると、
慣性体もロック手段作動部材の回動軸まわりに公転す
る。この慣性体の公転により、慣性体には遠心力が作用
するため、慣性体がその回転軸まわりに揺動してロック
手段作動部材の回転を阻止してしまうことが考えられ
る。このように従来のシートベルトリトラクタは、ウェ
ビングセンサの安定性が必ずしも十分であるとは言えな
い。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、ウェビングセンサの安定性
がきわめて良好なシートベルトリトラクタを提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、ウェビングを巻取るリールシ
ャフトと、該リールシャフトの両端を回動自在に支持す
るフレームと、該フレームおよびリールシャフト間に配
設されて通常時リールシャフトの回動を許容し必要時に
作動してリールシャフトの少なくともウェビング引出し
方向の回動を阻止するロック手段と、車両に所定値以上
の減速度が加えられたとき作動する減速度感知手段と、
該減速度感知手段の作動により前記ロック手段を作動す
るロック作動手段とを備え、更に該ロック作動手段は、
通常時前記リールシャフトとともに回転し前記減速度感
知手段の作動で前記リールシャフトとの間で相対回動が
生じることにより前記ロック手段を作動するロック手段
作動部材と、ウェビングが所定以上の引出し速度で引き
出されたとき作動するウェビング引出し速度感知手段と
を有しているとともに、前記ウェビング引出し速度感知
手段は、前記ロック手段作動部材に該ロック手段作動部
材の回動を自由にする非作動位置と該ロック手段作動部
材の少なくともウェビング引出し方向の回動を阻止する
作動位置との間で回動可能に設けられた慣性体を有して
いるシートベルトリトラクタにおいて、前記慣性体は、
慣性体が前記非作動位置にあるときその重心が慣性体の
回転軸とロック手段作動部材の回転軸とを結ぶ直線の慣
性体の回転軸側の延長線上に位置するように設定されて
いることを特徴としている。
【0009】更に請求項2の発明は、前記慣性体が前記
作動位置にあるとき、前記フレームに設けられた被係合
部に係合する係止爪が、前記慣性体に一体に設けられて
いることを特徴としている。
【0010】
【作用】このような構成をした請求項1の発明に係るシ
ートベルトリトラクタにおいては、通常時のウェビング
の引出しまたは巻取りの際、ロック手段作動部材が回転
したとき、慣性体の重心に遠心力が作用するが、その作
用線が慣性体の回転軸とロック手段作動部材の回転軸と
を結ぶ直線の延長線上に位置するので、この遠心力によ
り慣性体にその回転軸まわりのモーメントが作用するこ
とはない。したがって、慣性体がその回転軸を中心に不
用意に回転することはない。これにより、ウェビングセ
ンサの安定性が良好になる。
【0011】また請求項2の発明は、係止爪が慣性体と
一体に形成されているので、係止爪と慣性体とが別体に
形成された従来の一般的なリトラクタに比し機械的な摩
擦が小さく、ウェビングセンサの安定性が良好なものと
なる。特にこの場合には、通常時のロック手段作動部材
の回転時に慣性体が不用意に回転しないので、係止爪が
フレームの被係合部に係合してリールシャフトの回転が
停止することもない。これにより、ウェビングセンサの
安定性が更に一層良好になる。
【0012】
【実施例】図1ないし図3は本発明に係るシートベルト
リトラクタの実施例を示す分解斜視図であり、図1はそ
の中央部分であり、図2はその左側部分であり、更に図
3はその右側部分である。そして、図1の線A1,B1,C
1,D1と図2の線A2,B2,C2,D2とがそれぞれ整合し、
図1の線E1,F1,C1,G1,H1と図3の線E3,F3,C3,
3,H3とがそれぞれ整合することにより、この実施例
の全体の分解斜視図が構成される。また、図4ないし図
6はこの実施例のシートベルトリトラクタが組み立てら
れた状態を示し、図4はカバーを取り外した状態のシー
トベルトリトラクタの右側面図、図5は図4におけるV
ーV線に沿う断面図、図6は図5において付勢力付与手
段5を取り除いた状態を部分的に示す部分左側面図であ
る。
【0013】図1ないし図6に示すように、この実施例
におけるシートベルトリトラクタ1は右、左側壁2a,
2bを有するコ字形に形成されたフレーム2を備えてい
る。これらの右、左側壁2a,2bは連結部材2cによ
り互いに連結されており、これによりフレーム2は補強
されている。また、図7に示すように右側壁2aには円
形状の孔2dが形成されているとともに、図8に示すよ
うに左側壁2bには円形状の孔2eが形成されている。
更に、右、左側壁2a,2bにおける孔2d,2eの内周
面には、それぞれ全周にわたって所定数の山形状の歯2
f…,2g…が形成されている。これらの歯2f,2gは
3角形の山形の同形状に形成されており、その場合ウェ
ビング引出し方向αに対面する面が比較的急な傾斜面と
なっているのに対して、ウェビング巻取り方向βに対面
する面が比較的緩やかな傾斜面となっている。そして、
左側の歯2gの位相が右側の歯2fの位相に対してウェ
ビング引出し方向αの方へ所定角度(例えば3゜等)進
んで設定されている。
【0014】更に、左側壁2bには、3個の係止孔2
h,2i,2jおよび長孔からなるガイド孔2qが穿設さ
れているとともに、右側壁2aには、4個の係止孔2
k,2m,2n,2rおよび長孔からなるガイド孔2pが
穿設されている。更に右側壁2aの上端には、係止突起
2sが上方へ突設されている。
【0015】図5に示すように、フレーム2の左右側壁
2a,2b間にはウェビング3を巻き取るリールシャフ
ト4が配設されている。図9に示すように、このリール
シャフト4は、中央のウェビング巻取り部4aと、この
ウェビング巻取り部4aの右、左両端に形成され、ウェ
ビング3を巻取りガイドする円形のフランジ状部4b,
4cと、フランジ状部4bの中心部に設けられ、軸方向
外方に突出する第1回転軸4dと、フランジ状部4cの
中心部に設けられ、第1回転軸4dと同軸の第2回転軸
4eとから構成されている。ウェビング巻取り部4aに
は、ウェビング3を巻取り可能にするためにウェビング
3の先端が挿入されかつ係止される径方向の貫通孔4f
が穿設されている。この貫通孔4fの一端部側が幅広に
形成されており、したがって貫通孔4fは段部4gを有
した段付孔に形成され、この段部4gにウェビング3の
先端が係止されるようになっている。
【0016】図10に示すように右側のフランジ状部4
bには、パウルスプリング18(図1に図示)が収容さ
れる第1凹嵌部4hと、メインパウル17(詳細は後述
の図20に図示)の爪部17cが配置される第2凹嵌部
4iと、このメインパウル17の爪部17cに加えられ
る荷重を受ける荷重受け面4jが形成された荷重受け部
4kと、ジョイントピン19が回転可能に遊嵌される軸
方向の貫通孔4mと、この貫通孔4mの端部に形成され
た貫通孔4mと同心円形の第3凹嵌部4nとが設けられ
ている。第1、第2および第3凹嵌部4h,4i,4nが
フランジ状部4bの外周縁部4pの面に対して最も深く
軸方向にへこんでいるとともに、荷重受け部4kの面が
フランジ状部4bの外周縁部4pの面に対して各凹嵌部
4h,4i,4nよりは浅く軸方向にへこんでいる。した
がって、第2凹嵌部4iとフランジ状部4bの外周縁部
4pの第1凹嵌部4h形成部との間、フランジ状部4b
の外周縁部4pと荷重受け部4kとの間、および第2凹
嵌部4iと荷重受け部4kとの間には、それぞれ段部4
q,4r,4sが形成されている。また、荷重受け面4j
は貫通孔4mと同心円の所定長さの円弧から形成されて
いる。
【0017】更に、フランジ状部4bの外周面には、リ
ールシャフト4が右、左側壁2a,2bの間に配設され
たとき、リールシャフト4を右側壁2aに対して軸方向
にガイドする右側ガイド部4tが3箇所周方向に等間隔
に形成されている。これらの右側ガイド部4tは、右、
左側壁2a,2bの孔2d,2eを容易に通過すること
ができないような大きさに設定されている。しかし、こ
れらの右側ガイド部4tは所定数の歯4t1を有してお
り、これらの歯4t1は左右側壁2a,2bに形成され
た歯2f,2gと相似形にかつ若干小さく形成されてい
る。したがって、歯4t1が歯2fまたは歯2gと整合
されたとき、右側ガイド部4tを有するフランジ状部4
bは孔2dおよび孔2eを通過することができるように
なる。
【0018】更に、第1回転軸4dの先端は小径部4d
1とされており、この小径部4d1は後述するようにロッ
クギヤ第1カバー13の小孔13nに回転可能に嵌入支
持される。
【0019】また、図11に示すように左側のフランジ
状部4cには、バックアップパウル20(詳細は後述の
図22に図示)の爪部20cが配置される第4凹嵌部4
uと、このバックアップパウル20の爪部20cに加え
られる荷重を受ける荷重受け面4vが形成された荷重受
け部4wと、ジョイントピン19が回転可能に遊嵌され
る軸方向の貫通孔4mと、この貫通孔4mの端部に形成
された貫通孔4mと同心円形の第5凹嵌部4xが設けら
れている。第4および第5凹嵌部4u,4xがフランジ
状部4cの外周縁部4yの面に対して最も深く軸方向に
へこんでいるとともに、荷重受け部4wの面がフランジ
状部4cの外周縁部4yの面に対して各凹嵌部4u,4
xよりは浅く軸方向にへこんでいる。したがって、第4
凹嵌部4uとフランジ状部4cの外周縁部4yとの間、
フランジ状部4cの外周縁部4yと荷重受け部4wとの
間、および第4凹嵌部4uと荷重受け部4wとの間に
は、それぞれ段部4z,4A,4Bが形成されている。ま
た、荷重受け面4vは貫通孔4mと同心円の所定長さの
円弧から形成されている。
【0020】更に、フランジ状部4cの外周面にも、リ
ールシャフト4が右、左側壁2a,2bの間に配設され
たとき、リールシャフト4を左側壁2bに対して軸方向
にガイドする左側ガイド部4Dが3箇所周方向に等間隔
に形成されている。これらの左側ガイド部4Dは、右、
左側壁2a,2bの孔2d,2eを容易に通過すること
ができないような大きさに設定されている。しかし、こ
れらの左側ガイド部4Dは所定数の歯4D1を有してお
り、これらの歯4D1は左右側壁2a,2bに形成され
た歯2f,2gと相似形にかつ若干小さく形成されてい
る。したがって、歯4D1が歯2fまたは歯2gと整合
されたとき、左側ガイド部4tを有するフランジ状部4
cは孔2dおよび孔2eを通過することができるように
なる。
【0021】更にフランジ状部4cから軸方向に突出す
る第2回転軸4eは、先端部4e1が断面円形に形成さ
れているとともに、根元部4e2が断面角形(本実施例
の場合は正方形)に形成されている。
【0022】図9から明らかなように、貫通孔4mはフ
ランジ状部4b,4cを貫通するばかりでなく、中央の
ウェビング巻取り部4aをも軸方向に貫通しており、す
なわち貫通孔4mはリールシャフト4を軸方向に貫通し
て設けられている。
【0023】図2および図5に示すように、左側壁2b
には、リールシャフト4にウェビング3の巻取り力を付
与する付勢力付与手段5が取り付けられている。更に、
図1,図3および図5に示すように右側壁2aにはシー
トベルトロック作動手段6が取り付けられているととも
に、図3および図5に示すように車両に所定の減速度が
作用したとき、その減速度を感知してシートベルトロッ
ク作動手段6を動作させる減速度感知手段(ビークルセ
ンサ)7が設けられている。
【0024】付勢力付与手段5は、渦巻ばねからなるパ
ワースプリング8、このパワースプリング8の内側端8
aが連結されてばね力が加えられるブッシュ9、パワー
スプリング8の外側端8bが固定されるとともにこのパ
ワースプリング8を収容するスプリングケース10およ
びスプリングケース10に取り付けられてパワースプリ
ング8を覆うカバー11とから構成されている。
【0025】図12に示すように、ブッシュ9の中心部
には、リールシャフト4の第2回転軸4eの根元部4e
2が嵌入可能な貫通孔9aが軸方向に穿設されている。
この貫通孔9aの断面形状は第2回転軸4eの根元部4
2の断面形状と同形状の角形とされている。また、ブ
ッシュ9には、その外周面に開口する4個の断面U字状
の溝9b,9c,9d,9eが設けられている。これらの
溝のうち、溝9bと溝9d、および溝9cと溝9eがそ
れぞれブッシュ9の中心に関して径方向反対側に配置さ
れている。後述するように、これらの溝にはスプリング
ピン12(図2に図示)が貫通されるようになってい
る。更に、ブッシュ9にはスプリング8の内側端8aが
嵌入、係止される係止溝9fが設けられている。
【0026】このブッシュ9はその孔9aに第2回転軸
4eの根元部4e2が嵌入されることによりその第2回
転軸4eに相対回転不能に嵌合連結されるようになって
おり、これによりスプリング8のばね力がブッシュ9を
介してリールシャフト4にウェビング3の巻取り方向β
に常時作用するようになっている。
【0027】図13に示すように、スプリングケース1
0はほぼ中心部にリールシャフト4の第2回転軸4eの
根元部4e2が遊嵌される孔10aが穿設されていると
ともに、スプリングピン12が貫通する一対の小孔10
b,10cが孔10aを挟んで穿設されている。また、
スプリングケース10の外周端部近傍には、スプリング
8の外側端8bが係止する係止部10dが設けられてい
る。
【0028】図14に示すように、カバー11はほぼ中
央部にリールシャフト4の第2回転軸4eの先端部4e
1を回動自在に支持する孔11aが穿設されているとと
もに、スプリングピン12が貫通する一対の小孔11
b,11cが孔11aを挟んで穿設されている。また、
カバー11の端部に形成されたフランジ部には、3個の
係止突起11d,11e,11fが設けられている。これ
らの係止突起11d,11e,11fは、それぞれフレー
ム2の左側壁2bに穿設された対応する係止孔2h,2
i,2jに嵌入係止されるようになっており、これによ
り付勢力付与手段5がフレーム2の左側壁2bに着脱可
能に取り付けられる。
【0029】ところで、シートベルトリトラクタを組み
立てる際には、付勢力付与手段5をサブアッセンブリと
して予め組み立て、このサブアッセンブリをフレーム2
の左側壁2bに取り付けるようにしている。その場合、
付勢力付与手段5をサブアッセンブリした状態では、リ
ールシャフト4に常時ばね力をウェビング巻取り方向β
に付与するようにするために、パワースプリング8をウ
ェビング引出し方向αに所定量巻いた状態に保持してお
く必要がある。そのために、図2に示すようなスプリン
グピン12が用いられている。
【0030】図15に詳細に示すように、このスプリン
グピン12は弾性線材を折り曲げて形成されており、2
本の回転阻止腕12a,12bを備えている。そして、
付勢力付与手段5のサブアッセンブリ状態でパワースプ
リング8が巻き戻ることのないようにするため、これら
の回転阻止腕12a,12bを、図2に示すようにスプ
リングカバー11の小孔11b,11c、ブッシュ9の
溝9b,9cのいずれか一方、溝9d,9eのいずれか一
方、スプリングケース10の小孔10b,10cに貫通
することにより、パワースプリング8の巻戻りを阻止す
るようにしている。 一方シートベルトロック作動手段
6は、フレーム2の右側壁2aに固定されるロックギヤ
第1カバー13と、ロックギヤ14と、このロックギヤ
14に揺動可能に取り付けられ、ウェビング引出し速度
感知手段(ウェビングセンサ)を構成する慣性体15
と、ロックギヤ14および慣性体15間に配設されるコ
ントロールばね16と、一端がリールシャフト4のフラ
ンジ状部4bに形成された第3凹嵌部4nに回動可能に
支持され、他端が第2凹嵌部4iに配置される係止部と
なっているメインパウル17と、リールシャフト4の第
1凹嵌部4h内に収容されかつリールシャフト4および
メインパウル17間に縮設されるパウルスプリング18
と、リールシャフト4の軸方向孔4mを貫通するジョイ
ントピン19と、このジョイントピン19の一端に連結
されかつ一端がリールシャフト4のフランジ状部4cに
形成された第5凹嵌部4xに回動可能に支持され、他端
が第4凹嵌部4uに配置される係止部となっているバッ
クアップパウル20と、フレーム2の右側壁2aに嵌合
支持されて、ロックギヤ第1カバー13、ロックギヤ1
4、慣性体15、メインパウル17、ジョイントピン1
9および減速度感知手段7を覆うロックギヤ第2カバー
21とから構成されている。更に、シートベルトリトラ
クタ1は、ウェビング3を案内するウェビングガイド2
2を備えている。
【0031】図16および図17に示すように、ロック
ギヤ第1カバー13は比較的大きな貫通孔13aを有し
ており、この貫通孔13aの内周面には全周にわたって
所定数の歯13c,13c,…が形成されている。これ
らの環状の歯13cは3角形の山形に形成されており、
その場合ウェビング引出し方向αに対面する面がほぼ垂
直面となっているのに対して、ウェビング巻取り方向β
に対面する面が比較的緩やかな傾斜面となっている。ま
た、図16に示すようにロックギヤ第1カバー13の、
フレーム2の右側壁2aに相対する側の面には、3個の
係止突起13d,13e,13fが設けられている。これ
らの係止突起13d,13e,13fが右側壁2aに形成
された係止孔2k,2m,2nにそれぞれ嵌合されること
により、ロックギヤ第1カバー13がフレーム2に着脱
可能に取り付けられる。
【0032】更に、図17に示すようにロックギヤ第1
カバー13の、係止突起13d,13e,13f側の面と
反対側の面に開口するようにして、減速度感知手段7の
収容部13gが設けられている。この収容部13gの内
壁には、減速度感知手段7を図17の紙面に対して垂直
方向に案内しかつ固定支持する一対のガイド部材13
h,13iが設けられている。これらのガイド部材13
h,13iの互いに対向する面には、それぞれガイド部
材13h,13iの長手方向に延びる断面台形の凹嵌部
13j,13kが形成されている。すなわち、凹嵌部1
3j,13kの両側壁13j1,13j2,13k1,13k2
は、それぞれ傾斜面とされている。
【0033】更に、ロックギヤ第1カバー13の係止突
起側の面と反対側の面には、ほぼ十字形の側壁13mが
形成されており、その場合側壁13mの交差部が環状の
歯13cの中心にほぼ位置するようにされている。そし
て、この側壁13mの交差部における環状の歯13cの
中心位置には、小孔13nが穿設されている。この小孔
13nにはリールシャフト13における第1回転軸4d
の先端小径部4d1がほとんど隙間なく遊嵌されるよう
になっており、これにより第1回転軸4dは小孔13n
に回転可能に支持される。
【0034】ロックギヤ14は、図18(a)に示すよ
うに円形の平板部14aとこの平板部14aの外周端に
形成された環状のフランジ14bとから構成されてい
る。フランジ14bの外周面には所定数の歯14c,1
4c,…が形成されている。これらの歯14cは3角形
の山形に形成されており、その場合ウェビング引出し方
向αに対面する面が比較的緩やかな傾斜面となっている
のに対して、ウェビング巻取り方向βに対面する面がほ
ぼ垂直面となっている。
【0035】同図(a)及び(b)に示すように、平板
部14aの、同図(b)において左側面(フランジ14
bにより囲まれている側の面)には、コントロールばね
16の一端を支持するばね受け部材14dが立設されて
おり、このばね受け部材14dにはばねガイド部14e
が平板部14aに平行に立設されている。更に平板部1
4aには軸14fが立設されており、この軸14fには
後述するように慣性体15が回動自在に支持されるよう
になっている。そして、この軸14fに隣接して円弧状
の抜け止め部材14gが立設されている。
【0036】同図(c)に示すように、この抜け止め部
材14gの先端には係止爪14g1が形成されており、
この係止爪14g1は上面が傾斜面とされているととも
に、軸14fに向かってほんのわずか突出するようにし
て形成されている。したがって、慣性体15が軸14f
に嵌合されるとき、慣性体15は係止爪14g1の傾斜
面を押圧するので、抜け止め部材14gが軸14fと抜
け止め部材14gとの間の間隙を若干開くように弾性変
形し、これにより慣性体15はこの係止爪14g1を乗
り越えて、軸14fおよび抜け止め部材14gによって
囲まれる空間内に収容される。この状態では、慣性体1
5は図18(c)において上方へ軸方向に移動しようと
しても、係止爪14g1によってその軸方向移動が阻止
されるので、軸14fから抜け出ることが阻止される。
しかし、係止爪14g1の突出量がわずかで、慣性体1
5と係止爪14g1とは軽く係合するようになるので、
慣性体に軸14fから抜け出す方向にわずかの外力を加
えることにより、慣性体15は係止爪14g1を乗り越
えて軸14fから容易に抜け出ることができるようにな
っている。この抜け止め部材14gにより、慣性体15
の軸14fに対する着脱が簡単となるとともに、慣性体
15が軸14に確実に揺動可能に支持されるようにな
る。
【0037】更に、平板部14aには第1ストッパ14
hおよび第2ストッパ14iが立設されているととも
に、平板部14aの中央には筒状の回転軸14jが軸方
向に立設されている。なお、この筒状の回転軸14jの
孔には、リールシャフト4の第1回転軸4dが貫通さ
れ、回転軸14jはこの第1回転軸4dを中心に回転可
能となっている。
【0038】更に平板部14aには、この平板部14a
を貫通する所定形状の第1、第2および第3カム孔14
k,14m,14nがそれぞれ穿設されている。同図
(b)に示すように、これらの第1、第2および第3カ
ム孔14k,14m,14nの周縁部は、これらのカム孔
に嵌入されるカムフォロワが確実に案内されるように
し、しかもカム孔周縁部を補強するため、平板部14a
よりも厚肉に形成されている。第1カム孔14kは回転
軸14jを中心とする円弧として形成されている。
【0039】一方、同図(b)において平板部14aの
右側面(フランジ14bにより囲まれない側の面)に
は、パウルスプリング18の一端を支持するばね受け部
材14pが立設されており、このばね受け部材14pに
はばねガイド部14qが平板部14aに平行に立設され
ている。
【0040】図19に示すように、慣性体15は平板か
ら概略C形状に形成されており、その中央に孔15aを
有するボス部15bが形成されている。また、一方の端
部には係止爪15cが一体に形成されているとともに、
他端にはコントロールばね16の他端が支持されかつ案
内されるばね受け部15dおよびばねガイド部15eが
設けられている。図4に示すようにこの慣性体15は孔
15aをロックギヤ14の軸14fに嵌合することによ
り、この軸14fまわりに回動自在にロックギヤ14に
支持されるようになっている。その場合前述したように
抜け止め部材14gの係止爪14g1に慣性体15のボ
ス部15bが係止されることにより、慣性体15の軸1
4fからの抜けが防止される。また、係止爪15cが慣
性体15と一体に形成されることにより、係止爪15c
と慣性体15とが別体に形成された従来の一般的なリト
ラクタに比し機械的な摩擦が小さく、ウェビングセンサ
の安定性が良好なものとなる。
【0041】図4に示すように、コントロールばね16
は、慣性体15が軸14fに揺動自在に支持された状態
でロックギヤ14および慣性体15の両ガイド部14
e,15eに嵌合されて、ばね受け部材14dとばね受
け部15dとの間に縮設されている。したがって、この
コントロールばね16のばね力により、慣性体15はロ
ックギヤ14に対してα方向に常時付勢されていて、通
常時は実線で示すように第1ストッパ14hに当接した
位置に保持される。また、慣性体15がロックギヤ14
に対してβ方向にコントロールばね15のばね力に抗し
て回転したとき二点鎖線で示すように第2ストッパ14
iに当接した位置となる。
【0042】ところで、図4に実線で示すように慣性体
15の重心Gは、慣性体15が第1ストッパ14hに当
接した状態において、リールシャフト4の第1回転軸4
dの中心とロックギヤ14の軸14fの中心とを結ぶ線
γの軸14f側の延長線上で軸14fからわずか離れた
位置に設定されている。これにより、通常時のウェビン
グ3の引出しまたは巻取りの際、ロックギヤ14が回転
したとき、慣性体15の重心に遠心力Fが作用するが、
その遠心力Fの作用線が線γ上に位置するので、この遠
心力Fにより慣性体15に軸14fまわりのモーメント
が作用することはない。
【0043】したがって、このリールシャフト4の通常
の回転時に、慣性体15が軸14fを中心に回動するよ
うなことはなく、その結果係止爪15cが不用意にロッ
クギヤ第1カバー13の歯13cに係合してリールシャ
フト4の回転が停止することもなくなる。
【0044】図4および図5に示すように、シートベル
トリトラクタ1を組み立てた状態では、ロックギヤ第1
カバー13の歯13cがロックギヤ14の環状のフラン
ジ14bの内側で、このフランジ14bと慣性体15と
の間に位置する。そして、慣性体15が通常時には図4
に実線で示す第1ストッパ14hに当接した位置に保持
されているので、係止爪15cは歯13cから離れた非
係合位置に保持されている。また、慣性体15が図4に
二点鎖線で示す第2ストッパ14iに当接した位置にあ
るときは、係止爪15cは歯13cとの係合可能位置と
なる。
【0045】係止爪15cがこの係合可能位置にある時
にロックギヤ14がウェビング引出し方向αに回転する
と、係止爪15cが歯13cと係合し、ロックギヤ14
はそれ以上のウェビング引出し方向αの回転が阻止され
る。係止爪15cが係合可能位置にある時にロックギヤ
14がウェビング巻取り方向βに回転すると、係止爪1
5cが歯13cのゆるやかな傾斜面に沿ってコントロー
ルばね16に抗して移動して歯13cを飛び越えるの
で、ロックギヤ14はウェビング巻取り方向βに対して
は回転可能となっている。
【0046】図20に示すように、メインパウル17は
ほぼ扇形に形成され、扇のかなめの部分に貫通孔17a
を有するボス部17bが形成されている。扇のかなめと
反対側の端部には爪部17cが形成されており、更にこ
の爪部17cの先端には、フレーム2の右側壁2aの歯
2fに係合可能な歯17dが形成されている。そして、
図10(a)に示すようにボス部17bがリールシャフ
ト4のフランジ状部4bの第3凹嵌部4nに回動可能に
嵌合されるようになっており、したがって、メインパウ
ル17はボス部17bを中心にリールシャフト4に対し
て揺動自在に設けられるようになっている。その場合、
メインパウル17はフランジ状部4bに形成された段部
4qに当接することにより、それ以上のα方向の回動が
阻止されるとともに、フランジ状部4bに形成された段
部4rに当接することにより、それ以上のβ方向の回動
が阻止されるようになっている。すなわち、これらの段
部4q,4rはそれぞれメインパウル17のα方向の回
動を規制するストッパとなっている。
【0047】そして、メインパウル17は、段部4qに
当接した状態ではその先端の歯17dがフランジ状部4
bの外周面から完全に内側に位置し、また段部4qに当
接した状態では歯17dがフランジ状部4bの外周面か
ら外側に突出して後述するようにフレーム2の右側壁2
aの歯2fに係合する位置となるようされている。ま
た、爪部17cの歯17dと反対側の端には荷重伝達部
17eが形成されている。この荷重伝達部17eは、貫
通孔17aおよびボス部17bと同心の円からなる円弧
によって形成されている。
【0048】図10(a)に二点鎖線で示すように、こ
のメインパウル17は、そのボス部17bがリールシャ
フト4の第3凹嵌部4nに回転可能に嵌合されることに
より、右側フランジ状部4bに取り付けられる。メイン
パウル17が右側フランジ状部4bに取り付けられた状
態では、爪部17cが第2凹嵌部4iに位置するととも
に、荷重伝達部17eがリールシャフト4の荷重受け面
4jに当接するようになる。その場合、荷重伝達部17
eおよびリールシャフト4の荷重受け面4jがともに同
一同心円の円弧によって形成されているので、荷重伝達
部17eはメインパウル17の位置に関係なく荷重伝達
部17eがリールシャフト4の荷重受け面4jに常時当
接する。
【0049】このように荷重伝達部17eがリールシャ
フト4の荷重受け面4jに当接することにより、メイン
パウル17の爪部17cに加えられる荷重wが、同図
(b)に示すように荷重伝達部17eから荷重受け面4
jに伝達されてリールシャフト4によって支持されるよ
うになる。このような荷重支持構造においては、荷重点
である歯17dと荷重伝達部17eとが比較的近接して
いるため、メインパウル17には曲げがほとんど作用し
なく、ほぼ圧縮のみが作用するようになる。その上、荷
重伝達部17eと荷重受け面4jとが面接触するので、
荷重が広面積でリールシャフト4に伝達されるようにな
り、荷重が分散されて発生する応力が比較的小さなもの
となる。したがって、メインパウル17の強度は従来の
メインパウルに比して小さくてよく、メインパウル17
を樹脂等の比較的軽い材料で形成することができる。
【0050】更に、メインパウル17の荷重伝達部17
eと反対側の面には円柱状のカムフォロワ17fが突設
されており、このカムフォロワ17fはロックギヤ14
の第3カム孔14nに嵌入され、かつこの第3カム孔1
4nに沿って案内されるようになっている。
【0051】パウルスプリング18は、リールシャフト
4の第1凹嵌部4hに収容されるとともにロックギヤ1
4のばねガイド部14qに嵌合され、第1凹嵌部4hの
壁面とばね受け部14pとの間に縮設されている。した
がって、このパウルスプリング18は、メインパウル1
7をリールシャフト4に対してウェビング引出し方向α
に常時付勢している。したがって、このパウルスプリン
グ18の付勢力により、メインパウル17は通常時フラ
ンジ状部4bに形成された段部4qに当接されている。
【0052】図21に示すように、ジョイントピン19
はその本体19aが断面円形状に形成されており、本体
19aの同図(a)において右端には、本体19aに対
して直角に延びる腕19bが形成されている。この腕1
9bの先端には、断面円形のカムフォロワ19cが設け
られている。このカムフォロワ19cはロックギヤ14
の第2カム孔14m内に嵌入されて、この第2カム孔1
4mに案内されるようになっている。また本体19aの
他端には、断面矩形状の軸部19dが形成されており、
この軸部19dは後述するバックアップパウル20の一
端に形成された孔に相対回動不能に嵌入されるようにな
っている。したがって、カムフォロワ19cが第2カム
孔14mに案内されて腕19bが回動したとき、本体1
9aが回転し、この本体19aの回転がバックアップパ
ウル20に伝達されて、バックアップパウル20が第2
カム孔14mに案内されるカムフォロワ19cの動きに
応じて回動するようになる。
【0053】図22に示すように、バックアップパウル
20はほぼ扇形に形成され、扇のかなめの部分に断面矩
形状の貫通孔20aを有するボス部20bが形成されて
いる。扇のかなめと反対側の端部には爪部20cが形成
されており、更にこの爪部20cの先端には、フレーム
2の左側壁2bの歯2gに係合可能な歯20dが形成さ
れている。そして、図11(a)に示すようにボス部2
0bがリールシャフト4のフランジ状部4cの第5凹嵌
部4xに回動可能に嵌合されるようになっており、した
がって、バックアップパウル20はボス部20bを中心
にリールシャフト4に対して揺動自在に設けられるよう
になっている。その場合、バックアップパウル20はフ
ランジ状部4cに形成された段部4zの、外周縁部4y
端に位置する部分4z′に当接することにより、それ以
上のα方向の回動が阻止されるとともに、フランジ状部
4bに形成された段部4Aに当接することにより、それ
以上のβ方向の回動が阻止されるようになっている。す
なわち、これらの段部4z′,4Aはそれぞれメインパ
ウル7のα方向の回動を規制するストッパとなってい
る。そして、バックアップパウル20は、段部4z′に
当接した状態ではその先端の歯20dがフランジ状部4
cの外周面から完全に内側に位置し、また段部4Aに当
接した状態では歯20dがフランジ状部4cの外周面か
ら外側に突出して後述するようにフレーム2の左側壁2
bの歯2gに係合する位置となるようされている。ま
た、爪部20cの歯20dと反対側の端には荷重伝達部
20eが形成されている。この荷重伝達部20eは、貫
通孔20aおよびボス部20bと同心の円からなる円弧
によって形成されている。
【0054】図11(a)に示すように、バックアップ
パウル20が左側フランジ状部4cに取り付けられた状
態では、爪部20cが第4凹嵌部4uに位置するととも
に、荷重伝達部20eがリールシャフト4の荷重受け面
4vに当接するようになる。その場合、荷重伝達部20
eはバックアップパウル20の位置に関係なく荷重伝達
部20eがリールシャフト4の荷重受け面4vに常時当
接する。
【0055】このように荷重伝達部20eがリールシャ
フト4の荷重受け面4vに当接することにより、バック
アップパウル20の爪部20cに加えられる荷重w′
が、同図(b)に示すように荷重伝達部20eから荷重
受け面4vに伝達されてリールシャフト4によって支持
されるようになる。前述のメインパウル17と同様に、
このような荷重支持構造においては、荷重点である歯2
0dと荷重伝達部20eとが比較的近接しているため、
バックアップパウル20には曲げがほとんど作用しな
く、ほぼ圧縮のみが作用するようになる。その上、荷重
伝達部20eと荷重受け面20jとが面接触するので、
荷重が広面積でリールシャフト4に伝達されるようにな
り、荷重が分散されて発生する応力が比較的小さなもの
となる。したがって、バックアップパウル20の強度は
従来のバックアップパウルに比して小さくてよく、バッ
クアップパウル17を樹脂等の比較的軽い材料で形成す
ることができる。
【0056】図23に示すように、ロックギヤ第2カバ
ー21は、平板部21aと、この平板部21aの外周縁
に形成されたフランジ部21bと、フレーム右側壁2a
に形成された貫通孔に嵌合される係止突起21cと、右
側壁2aの上端に形成された係止突起2sが嵌入される
間隙21dを形成する係止部21eとを備えている。そ
して、係止突起2sを間隙21dに嵌入させることによ
り、係止部21eを係止突起2sに係止するとともに、
係止突起21cを右側壁2aの係止孔2rに嵌合係止す
ることにより、ロックギヤ第2カバー21が右側壁2a
に減速度感知手段7を覆うようにして着脱可能に取り付
けられる。
【0057】図24に示すように、減速度感知手段7
は、ケース7aと、このケース7aに揺動自在に支持さ
れるレバー7bと、ケース7aに収容され、通常時には
実線で示す状態にあるとともに、車両に所定以上の減速
度が生じたとき二点鎖線の位置に揺動する慣性体7cと
を備えている。
【0058】図25に示すように、ケース7aは断面矩
形状の容器状に形成されており、その底部には慣性体7
cの載置部7dが形成されている。また、ケース7aの
前壁7e及び後壁7fには、それぞれ断面台形状の係合
突条7g,7hが形成されている。すなわち、係合突条
7g,7hの両側壁7g1,7g2,7h1,7h2は、ガイド
部材13h,13iの凹嵌部13j,13kの両側壁13
1,13j2,13k1,13k2と同じ傾斜角の傾斜面と
されている。同図(a)から明らかなように、係合突条
7gの長手方向の一端部は傾斜面7g3とされている。
図示しないが、もう一方の係合突条7hの長手方向の一
端部も同様に傾斜面とされている。これらの係合突条7
g,7hは、ロックギヤ第1カバー13におけるガイド
部材13h,13iの凹嵌部13j,13kに嵌合される
ようになっている。レバー7bは、後端がケース7aに
回動自在に支持されており、このレバー7bの前端に
は、ロックギヤ14の歯14cに係合可能な係止爪7i
が設けられている。
【0059】図26に示すように、慣性体7cは、下部
に中空円筒の小質量部7jが形成されており、この小質
量部7jの上にこれより大径でかつ中実の截頭円錐台状
の大質量部7kが形成されている。大質量部7kの外周
側面の傾斜角度は、後述するように慣性体7cが最大に
揺動したときに、前壁7eの内面にほぼ一致する大きさ
に設定されている。更に大質量部7kの上には、円錐形
状の作動突起7mが形成されている。このように、慣性
体7cの上部を下部よりも大質量とすることにより、慣
性体7cの減速度の感知がより一層敏感にすることがで
きる。
【0060】図24に示すように、このように構成され
た慣性体7cは前述したようにケース7aの載置部7d
に載置される。載置部7dに載置された慣性体7cは、
通常状態では実線で示すように載置部7dに対して垂直
に起立し、その上部の作動突起7mの上端が、レバー7
bに形成された截頭円錐台形状の凹部7nに嵌入してい
る。この通常状態では、レバー7bは実線で示すほぼ水
平位置に保持されており、レバー7bのこの実線位置で
は、レバー7bは係止爪がロックギヤ14の歯14cに
係合しない非係合位置となる。
【0061】車両に所定の大きさの減速度が作用する
と、慣性体7cは二点鎖線で示すように大質量部7kの
外周面が前壁7eの内面にほぼ当接するまで傾く。この
慣性体7cの傾きにより、作動突起7mがレバー7bを
上方へ押し上げるので、レバー7bは二点鎖線で示す位
置まで回動する。レバー7bのこの二点鎖線位置では、
レバー7bは係止爪がロックギヤ14の歯に係合する係
合位置となる。
【0062】ところで、慣性体7cには作動突起7mが
設けられているが、この作動突起7mにより、慣性体7
cの小さな傾きでレバー7bの回動ストロークが大きく
なる。これにより、レバー7bの腕の長さを短くでき、
減速度感知手段7をコンパクトに形成することができ
る。
【0063】このように構成された減速度感知手段7
は、図24に示すように係合突条7g,7hを収容部1
3gにおけるガイド部材13h,13iの凹嵌部13j,
13kに長手方向に沿って嵌合させることにより、収容
部13g内に収容される。その場合、前述のように係合
突条7g,7hの一端部が傾斜面とされているので、係
合突条7g,7hの凹嵌部13j,13kへの嵌合はスム
ーズに行うことができる。 また、両係合突条7g,7
hの突出端における、上下の側壁7g1,7g2,7h1,7
2間の長さaが凹嵌部13j,13kの係合突条7g,
7hの突出端位置に対応する位置における、上下の側壁
13j1,13j2,13k1,13k2間の距離bよりも大
きく設定されている。係合突条7g,7hが凹嵌部13
j,13kに嵌合した状態では、収容部13gおよびケ
ース7aの弾性変形による弾性力により、ケース7aは
ガイド部材13h,13iに比較的堅固に支持されるよ
うになる。特に、係合突条7g,7hおよび凹嵌部13
j,13kの側壁がそれぞれともに傾斜面とされている
ので、ガイド部材13h,13iと係合突条7g,7hと
の間にくさび効果が得られ、ケース7aはガイド部材1
3h,13iに更に一層堅固に支持される。
【0064】図27に示すように、ウェビングガイド2
2は、フレーム2の両側壁2a,2bの間に配置され、
中央にウェビング3が貫通する孔22fを有する本体2
2aと、この本体22aの両端からそれぞれ長手方向に
突設され、両側壁2a,2bのガイド孔2p,2qに摺動
自在に嵌入される突出軸22b,22cと、同様に本体
22aの両端からそれぞれ長手方向に突設され、両側壁
2a,2bの上端面に当接するフランジ部22d,22e
とから構成されている。
【0065】そして、ウェビングガイド22はリールシ
ャフト4のウェビング3巻取り量に応じて両側壁2a,
2bのガイド孔2p,2qに沿って摺動し、ウェビング
3の巻取りおよび引出しをスムーズにするとともに、ウ
ェビング3を保護している。
【0066】次にメインパウル17とバックアップパウ
ル20との動作について図28および図29を用いて詳
細に説明する。なお、図28および図29において上側
のIがメインパウル17の作動を説明し、下側のIIがバ
ックアップパウル20の作動を説明するものである。ま
た、図28および図29は模式的に表したものであり、
メインパウル17側において、歯2f、係止爪17dお
よび三つのカム孔14k,14m,14nを、それぞれ同
一平面に記載してあるとともに、メインパウル17側お
よびバックアップパウル20側とも、図3において右側
からみた状態を記載してある。
【0067】図28において、パウルスプリング18
(図28には不図示;図1等を参照)のばね力により、
リールシャフト4(図28にはジョイントピン19の本
体19aが貫通する貫通孔4mおよびこのリールシャフ
ト4に設けられるメインパウル17のみ図示)が、ロッ
クギヤ14(同様に図28にはカム孔14k,14m,1
4nのみ図示)に対して相対的にβ方向に常時付勢され
ているので、リールシャフト4がロックギヤ14に対し
てβ方向に本体19aがカム孔14kの上端縁に当接す
るまで相対回動し、同図(イ)に示す通常状態となる。
【0068】この通常状態では、ジョイントピン19の
カムフォロワ19cがカム孔14mの上端縁に当接する
とともに、メインパウル17のカムフォロワ17fがカ
ム孔14nの上端縁に当接する。そして、メインパウル
17の係止爪17dが右側壁2aの歯2fから大きく離
れ、メインパウル17は係止爪17dが歯2fに係合し
ない非係合位置となる。一方、カムフォロワ19c,1
7fのカム孔14m,14n上端縁へのそれぞれの当接
位置によって定まるジョイントピン19の回転角に応じ
て、バックップアップパウル20が同図(イ)に示す位
置となる。すなわち、バックアップパウル20の係止爪
20dが左側壁2bの歯2gから大きく離れ、バックア
ップパウル20も係止爪20dが歯2gに係合しない非
係合位置となる。
【0069】リールシャフト4がその第1回転軸4d
(図28には不図示:図9を参照)を中心にロックギヤ
14に対してα方向に相対回動する、すなわち本体19
aが貫通している貫通孔4mが第1回転軸4dを中心に
ロックギヤ14の第1ないし第3カム孔14k,14m,
14nに対してα方向に相対回動すると、同図(ロ)に
示すように本体19a及びメインパウル17のボス部1
7bが、それぞれ第1カム孔14kに対してこの第1カ
ム孔14kに沿って下方へ若干相対移動する。
【0070】同時に、カムフォロワ17fが第3カム孔
14nに案内されて下方へ若干移動する。その場合、第
1カム孔14kのカム形状によりボス部17bが図にお
いて若干左方へも移動するとともに、第3カム孔14n
のカム形状によりカムフォロワ17fが若干左方へ移動
するようになるが、カムフォロワ17fの左方への移動
量がボス部17bの左方への移動量よりも若干大きいの
で、メインパウル17はβ方向へ若干回動するようにな
る。これにより、係止爪17dが歯2fに近づく。
【0071】更に同時に、カムフォロワ19cが第2カ
ム孔14mに案内されて下方へ移動する。その場合、第
2カム孔14mのカム形状により、カムフォロワ19c
は右方へも移動するので、腕19bは本体19aを中心
にα方向へ若干回動する。この腕19bのα方向への回
動により、本体19aもα方向へ若干回転するが、リー
ルシャフト4がα方向へ回動しているので、本体19a
および腕19bはリールシャフト4に対してほとんど相
対回動しない。したがって、同図(ロ)に示すようにバ
ックアップパウル20は非係合位置に保持される。
【0072】同図(ハ)に示すように、リールシャフト
4がロックギヤ14に対してα方向に更に相対回動する
と、本体19aおよびボス部17bが、それぞれ第1カ
ム孔14kに沿って更に下方へかつ左方へ移動する。同
時に、カムフォロワ17fが第3カム孔14nに案内さ
れて下方へ更に若干移動する。カムフォロワ17fの左
方への更なる移動量がボス部17bの左方への更なる移
動量よりも若干大きいので、メインパウル17はβ方向
へ更に若干回動し、係止爪17dが歯2fに係合し始め
る。
【0073】更に同時に、カムフォロワ19cが第2カ
ム孔14mに案内されて下方へかつ左方へ更に若干移動
する。その場合、第2カム孔14mのカム形状により、
カムフォロワ19cも下方かつ左方へ若干移動するの
で、腕19bはほとんど回動しない。しかし、リールシ
ャフト4がα方向へ更に回動しているので、本体19a
および腕19bがリールシャフト4に対してβ方向へ相
対回動する。これにより、バックアップパウル20はリ
ールシャフト4に対してβ方向へ若干相対回動し、係止
爪20dが歯2gに近づく。
【0074】同図(ニ)に示すように、リールシャフト
4がロックギヤ14に対してα方向に更に相対回動する
と、同様にしてメインパウル17はリールシャフト4に
対してβ方向へ更に若干回動し、係止爪17dが歯2f
に大きく係合するようになる。更に同様に、バックアッ
プパウル20がβ方向へ更に若干回動し、係止爪20d
が歯2gに係合し始める。このように、バックアップパ
ウル20における係止爪20dの歯2gへの係合が、メ
インパウル17における係止爪17dの歯2fへの係合
より若干遅れて開始されるようになる。
【0075】同図(ホ)に示すように、リールシャフト
4がロックギヤ14に対してα方向に更に相対回動する
と、同様にしてメインパウル17およびバックアップパ
ウル20は、それぞれリールシャフト4に対してβ方向
へ更に回動するので、係止爪17dの歯2fへの係合量
および係止爪20dの歯2gへの係合量がそれぞれ増大
する。同図(ヘ)に示すように、リールシャフト4のα
方向への更なる相対回動により、係止爪17dが歯2f
にほぼ係合した状態となり、一方係止爪20dの歯2g
への係合量は更に増大する。
【0076】同図(ト)に示すように、リールシャフト
4のα方向への更なる相対回動により、係止爪17dが
歯2fに完全に係合した状態となり、したがってメイン
パウル17は右側壁2aの歯2fに完全に係合する。一
方係止爪20dは歯2fにほぼ係合した状態となる。同
図(チ)に示すように、リールシャフト4のα方向への
更なる相対回動により、係止爪17dの歯2fとの完全
係合状態が保持されるとともに、バックアップパウル2
0は左側壁2bの歯2gに完全に係合する。
【0077】このように本実施例においては、リールシ
ャフト4がロックギヤ14に対してα方向へ相対的に回
動すると、最初にメインパウル17の係止爪17dが右
側壁2aの歯2fに係合開始した後、遅れてバックアッ
プパウル20の係止爪20dが左側壁2bの歯2gに係
合開始し、係止爪17dが歯2fに係合完了した後、遅
れて係止爪20dが歯2gに係合完了するようになる。
これにより、メインパウル17と歯2fとの係合および
バックアップパウル20と歯2gとの係合の少なくとも
いずれか一方に係合不良を生じることがなく、それらの
係合が確実に行われるようになる。
【0078】次に、このように構成された本実施例のリ
トラクタの作用について説明する。 [車両に所定値以上の減速度が作用しない通常状態]こ
の状態では、減速度感知手段7の慣性体7cが前方へ傾
動しないので、レバー7bは図4に示す実線位置にあ
り、係止爪7iはロックギヤ14の歯14cから離れた
非係合位置にある。また、同様に慣性体15の係止爪1
5c、メインパウル17およびバックアップパウル20
もそれぞれ図4および図6に示すように非係合位置にあ
る。
【0079】したがって、この状態ではシートベルトリ
トラクタ1はおもに付勢力付与手段5の作用が行われ
る。すなわち、この付勢力付与手段5のパワースプリン
グ8のばね力により、リールシャフト4はウェビング巻
取り方向βに付勢され、ウェビング3が巻き取られる。
【0080】(シートベルトの非装着状態)この状態で
は、ウェビング3に取り付けられているタング(不図
示)とバックル部材(不図示)とが離れている。したが
って、前述のようにパワースプリング8のばね力により
ウェビング3を巻き取っている状態となる。
【0081】(ウェビングを引き出すときの状態)ウェ
ビング3を装着するために乗員がウェビング3を通常の
速度で引き出すと、これにともないリールシャフト4、
ロックギヤ14およびブッシュ9がウェビング引出し方
向αへ回転する。このため、パワースプリング8が巻き
締められていく。また、ロックギヤ14の回転により慣
性体15も第1回転軸4dのまわりに回転するので、慣
性体15には遠心力が作用する。しかし、この遠心力に
よる軸14fまわりのモーメントが慣性体15に作用す
ることはないので、このリールシャフト4の回転中、慣
性体15は軸14fまわりに回動しなく、第4図実線位
置に保持されたままとなる。したがって、係止爪15c
が歯13cに係合することはなく、リールシャフト4は
スムーズに回転し、ウェビング3を容易に引き出すこと
ができる。
【0082】(タングとバックル部材との結合後、ウェ
ビングから手を離したときの状態)乗員がタングとバッ
クル部材とを結合した時点では、ウェビング3は正規の
装着状態のときの引出し長さよりも余分に引き出された
状態となっているので、乗員が結合操作後にウェビング
3を離すと、パワースプリング8のばね力によってウェ
ビング3は乗員の体にフィットするまで巻き取られる。
このとき、ウェビング3により乗員に圧迫感を与えない
ように、パワースプリング8のばね力が適宜決定されて
いる。このとき、リールシャフト4が回転するが、慣性
体15は非係合位置に保持されたままとなる。そして車
両走行中は、車両に所定値以上の減速度が作用しない限
り、シートベルトリトラクタ1はこの状態を保持してい
る。
【0083】[車両に所定値以上の減速度が作用したと
きの状態]車両走行中急ブレーキ等により車両に所定値
以上の減速度が作用すると、シートベルトロック作動手
段6および減速度感知手段7がともに動作する。まず第
1段階として、減速度感知手段7の慣性体7cが慣性に
より前方に(図4の二点鎖線で示す位置)移動するの
で、レバー7bが上方へ回動して図4の二点鎖線で示す
位置となる。このため、レバー7bの係止爪7iがロッ
クギヤ14の歯14cと係合する係合位置となる。一
方、車両のこの所定値以上の減速度により乗員が前方へ
移動しようとするため、ウェビング3が引き出される
が、このウェビング3の引出しにより、リールシャフト
4およびロックギヤ14がともに引き出し方向αへ回動
しようとする。
【0084】しかし、ロックギヤ14の歯14cがすぐ
に係止爪7eに係合するので、ロックギヤ14はすぐに
引き出し方向αへの回動が停止する。この結果、リール
シャフト4のみが引き出し方向αへ引続き回動するた
め、リールシャフト4はロックギヤ14に対してα方向
へ相対回動するようになる。
【0085】このリールシャフト4のα方向への相対回
動により、第2段階として図28および図29に示すよ
うにメインパウル17がリールシャフト4に対してβ方
向に相対回動して歯2fに係合し、その後若干遅れてバ
ックアップパウル20がリールシャフト4に対してβ方
向に相対回動して歯2gに係合する。これにより、リー
ルシャフト4はウェビング引出し方向αの回動が阻止さ
れるようになる。この結果、慣性により乗員が前方へ移
動しようとすることによって生じるウェビング3の引出
しが確実に阻止される。これにより、乗員は確実に拘束
されて保護されるようになる。
【0086】[ウェビングに急激に引出し力が作用した
ときの状態]この状態ではウェビング3が急激に引き出
されるようになるため、リールシャフト4、ロックギヤ
14および慣性体15がウェビング引出し方向αへ急激
に回動しようとする。しかし、コントロールばね16の
ばね力がそれほど大きくないので、コントロールばね1
6が縮んで慣性体15はロックギヤ14に対して慣性遅
れを生じる。すなわち、慣性体15はロックギヤ14と
ともにウェビング引出し方向αへ公転するばかりでな
く、ロックギヤ14に対してβ方向へ相対的に軸14f
を中心に自転する。
【0087】この慣性体15の自転により、図4に二点
鎖線で示すように係止爪15cが第2ストッパ14iに
当接する係合位置に移動してロックギヤ第1カバー13
の歯13cに係合する。その場合、ウェビングセンサは
良好な安定性を有しているため、慣性体15はウェビン
グ3の急激な引出しを確実に検知して係止爪15cを歯
13cに係合するようになる。
【0088】この係止爪15cの歯13cへの係合によ
り、慣性体15の公転、ロックギヤ14のウェビング引
出し方向αの回転が阻止されるようになる。したがっ
て、リールシャフト4のみがウェビング引出し方向αへ
回転する。これにより、前述したようにリールシャフト
4はロックギヤ14に対してβ方向へ相対回動するよう
になる。
【0089】このリールシャフト4のα方向への相対回
動により、前述と同様にメインパウル17が回動して歯
2fに係合し、その後遅れてバックアップパウル20が
歯2fに係合する。これにより、リールシャフト4はウ
ェビング引出し方向αの回動が阻止されるようになる。
この結果、慣性により乗員が前方へ移動しようとするこ
とによって生じるウェビング3の引出しが確実に阻止さ
れる。これにより、乗員は確実に拘束されて保護される
ようになる。
【0090】なお、本発明は前述の実施例に限定される
ことなく、種々の設計変更が可能である。例えば前述の
実施例では、リールシャフト4の両端のフランジ状部4
b,4cにそれぞれ設けたメインパウル17およびバッ
クアップパウル20を、フレームに形成された歯に係合
するタイプのシートベルトリトラクタに本発明を適用し
た場合について説明しているが、本発明は他のどのよう
なタイプのシートベルトリトラクタにも適用することが
できる。
【0091】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1の発明に係るシートベルトリトラクタによれば、通常
時のウェビングの引出しまたは巻取りの際、ロック手段
作動部材が回転しても、慣性体がその回転軸を中心に不
用意に回転することは確実に防止できる。したがって、
ウェビングセンサの安定性が良好になる。
【0092】また請求項2の発明によれば、機械的な摩
擦を小さくできるので、ウェビングセンサの安定性が良
好になる。特にこの場合には、通常時のロック手段作動
部材の回転時に慣性体が不用意に回転しないので、係止
爪がフレームの被係合部に係合してリールシャフトの回
転が停止することを確実に防止できる。したがって、ウ
ェビングセンサの安定性を更に一層良好にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るシートベルトリトラクタの一実
施例を分解斜視的に示し、その中央部分を示す分解斜視
図である。
【図2】 本発明に係るシートベルトリトラクタの一実
施例を分解斜視的に示し、その左側部分を示す分解斜視
図である。
【図3】 本発明に係るシートベルトリトラクタの一実
施例を分解斜視的に示し、その右側部分を示す分解斜視
図である。
【図4】 この実施例のシートベルトリトラクタの組立
状態を示し、カバーを取り外した状態のシートベルトリ
トラクタの左側面図である。
【図5】 この実施例のシートベルトリトラクタの組立
状態を示し、図4におけるVーV線に沿う断面図である。
【図6】 この実施例のシートベルトリトラクタの組立
状態を示し、図5におけるVIーVI線に沿う部分断面図で
ある。
【図7】 この実施例に用いられるフレームの右側面図
である。
【図8】 この実施例に用いられるフレームの左側面図
である。
【図9】 この実施例に用いられるリールシャフトの正
面図である。
【図10】この実施例に用いられるリールシャフトの右
側面図である。
【図11】この実施例に用いられるリールシャフトの左
側面図である。
【図12】この実施例に用いられるブッシュの左側面図
である。
【図13】この実施例に用いられるスプリングケースを
示し、(a)はその右側面図、(b)はXIIIーXIII線に
沿う断面図である。
【図14】この実施例に用いられるカバーを示し、
(a)はその左側面図、(b)はXIVーXIV線に沿う断面
図である。
【図15】この実施例に用いられるスプリングピンを示
す図である。
【図16】この実施例に用いられるロックギヤ第1カバ
ーを示す左側面図である。
【図17】この実施例に用いられるロックギヤ第1カバ
ーを示す右側面図である。
【図18】この実施例に用いられるロックギヤを示し、
(a)はその右側面図、(b)は(a)におけるXVIIIB
ーXVIIIB線に沿う断面図、(c)は(a)におけるXVII
ICーXVIIIC線に沿う断面図である。
【図19】この実施例に用いられる慣性体を示し、
(a)はその左側面図、(b)は(a)におけるXIXBー
XIXB線に沿う断面図である。
【図20】この実施例に用いられるメインパウルを示
し、(a)はその左側面図、(b)はその正面図、
(c)はその右側面図である。
【図21】この実施例に用いられるジョイントピンを示
し、(a)はその正面図、(b)は(a)におけるXXIB
ーXXIB線に沿う断面図、(c)はその左側面図である。
【図22】この実施例に用いられるバックアップパウル
を示し、(a)はその左側面図、(b)はその正面図、
(c)はその右側面図である。
【図23】この実施例に用いられるロックギヤ第2カバ
ーを示し、(a)はその左側面図、(b)は(a)にお
けるXXIIIB方向から見た矢視図である。
【図24】この実施例に用いられる減速度感知手段を部
分的に切り欠いて示す図である。
【図25】この減速度感知手段のケース、レバーおよび
係止爪を示し、(a)はその正面図、(b)は部分的に
切り欠いて示す右側面図である。
【図26】この減速度感知手段の慣性体を示し、(a)
はその平面図、(b)は部分的に切り欠いて示す正面
図、(c)はその下面図である。
【図27】この実施例に用いられるウェビングガイドを
示し、(a)はその平面図、(b)はその左側面図、
(c)は(a)におけるXXVIIーXXVII線に沿う断面図で
ある。
【図28】この実施例におけるメインパウルとバックア
ップパウルとの動作の一部を説明する説明図である。
【図29】この実施例におけるメインパウルとバックア
ップパウルとの動作の他部を説明する説明図である。
【符号の説明】
1…シートベルトリトラクタ、2…フレーム、2a…右
側壁、2b…左側壁、2f,2g…歯、3…ウェビン
グ、4…リールシャフト、4d…第1回転軸、5…付勢
力付与手段、6…シートベルトロック作動手段、7…減
速度感知手段、8…パワースプリング、9…ブッシュ、
10…スプリングケース、11…カバー、12…スプリ
ングピン、13…ロックギヤ第1カバー、13c…歯、
14…ロックギヤ、14f…慣性体の回転軸、14j…
ロックギヤの回転軸、15…慣性体、15c…係止爪、
16…コントロールばね、17…メインパウル、18…
パウルスプリング、19…ジョイントピン、20…バッ
クアップパウル、21…ロックギヤ第2カバー、G…慣
性体の重心、γ…ロックギヤの回転軸と慣性体の回転軸
とを結ぶ直線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェビングを巻取るリールシャフトと、
    該リールシャフトの両端を回動自在に支持するフレーム
    と、該フレームおよびリールシャフト間に配設されて通
    常時リールシャフトの回動を許容し必要時に作動してリ
    ールシャフトの少なくともウェビング引出し方向の回動
    を阻止するロック手段と、車両に所定値以上の減速度が
    加えられたとき作動する減速度感知手段と、該減速度感
    知手段の作動により前記ロック手段を作動するロック作
    動手段とを備え、更に該ロック作動手段は、通常時前記
    リールシャフトとともに回転し前記減速度感知手段の作
    動で前記リールシャフトとの間で相対回動が生じること
    により前記ロック手段を作動するロック手段作動部材
    と、ウェビングが所定以上の引出し速度で引き出された
    とき作動するウェビング引出し速度感知手段とを有して
    いるとともに、前記ウェビング引出し速度感知手段は、
    前記ロック手段作動部材に該ロック手段作動部材の回動
    を自由にする非作動位置と該ロック手段作動部材の少な
    くともウェビング引出し方向の回動を阻止する作動位置
    との間で回動可能に設けられた慣性体を有しているシー
    トベルトリトラクタにおいて、 前記慣性体は、慣性体が前記非作動位置にあるときその
    重心が慣性体の回転軸とロック手段作動部材の回転軸と
    を結ぶ直線の慣性体の回転軸側の延長線上に位置するよ
    うに設定されていることを特徴とするシートベルトリト
    ラクタ。
  2. 【請求項2】 前記慣性体が前記作動位置にあるとき、
    前記フレームに設けられた被係合部に係合する係止爪
    が、前記慣性体に一体に設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載のシートベルトリトラクタ。
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