JPH0520269B2 - - Google Patents

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JPH0520269B2
JPH0520269B2 JP4844688A JP4844688A JPH0520269B2 JP H0520269 B2 JPH0520269 B2 JP H0520269B2 JP 4844688 A JP4844688 A JP 4844688A JP 4844688 A JP4844688 A JP 4844688A JP H0520269 B2 JPH0520269 B2 JP H0520269B2
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JP
Japan
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reinforcing
resin
weight
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thermosetting resin
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JP4844688A
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Yukio Nishama
Kazuo Shigeta
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
(a) 産業上の利用分野 本発明は自動車等における薄板部材の補強及び
制振のために用いられる薄板補強用の接着性シー
トに関するものである。 (b) 従来の技術 従来、自動車などにおいては、車体鋼板に種々
の補強装置が施されている。例えば、ルーフ、フ
エンダー、フード、トランク、クオーターパネ
ル、ドア等のように比較的広くて平坦な形状であ
りながら薄い外板にあつては、構造上外力に対し
て適度な剛性を具備させる必要から金属補強部材
をスポツト溶融や接着剤により上記外板の内側に
貼り付ける手法がとられている。 しかし、この方法では金属補強剤の重量が重く
車体の軽量化に基づいて設計された外板の薄板化
に逆行し、重量増加、コストアツプになり、さら
に取り付け工程が複雑化するなどの欠点を有して
いた。加えて、金属補強部材の場合、スポツト箇
所等から錆が発生しやすく、しかも金属補強部材
による補強では防振効果が得られないため、樹脂
による補強方法が採用されている。 従来、樹脂による補強方法としては、以下に挙
げるものが提案されている。 第一の方法は、アスフアルトゴム、ブチルゴ
ム、エポキシ樹脂、フエノール樹脂、アクリル樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂などの高分子材料を
外板の裏側に塗布ないし貼り付けるものである。 即ち、補強性を高めるための第1の樹脂層と鋼
板の歪みの発生を防止するための剛性の低い第2
の樹脂層からなるものであつて、該第1の樹脂層
に補強基材を組み合せたものから成る樹脂製補強
材である。 第二の方法は、上記第一の場合において、第1
の樹脂層中に加熱により分解、発泡する発泡剤を
含有することによる加熱硬化後の厚みの増加を伴
い、それにより補強性を高めた樹脂製補強用シー
トである。 (c) 発明が解決しようとする問題点 上記第一の方法では、高分子材料として引張弾
性率が大きく且つ接着力の大きい材料を選定し、
しかもこれを厚く塗布すれば相当大きな補強効果
が得られ、又、金属補強部材を使用する方法に比
べて軽量で工法も簡便となるなどの利点がある。 ところが、その反面、引張弾性率ないし接着力
の大きい高分子材料は熱硬化性樹脂組成物を使用
したものがほとんどであり、このような樹脂材料
によると硬化収縮などに起因した硬化後の残留応
力によつて外板に歪み(へこみ)を与え、車体の
面一(つらいち)性が悪くなつて商品価値を著し
く損なうという致命的な問題があり、その結果、
弾性率の低い樹脂組成物しか使用できないため十
分な補強性を発現できないという問題があつた。 又、第二の方法では鋼板の補強性と歪みの防止
という相反する両特性をある程度満足することが
可能であるが、以下に述べる欠点を有していた。 即ち、上記第二の方法では、剛性強さが厚さの
3乗に比例するといわれ、したがつて厚さを大に
することにより剛性強さを増大できる効果が得ら
れる反面、樹脂量の増大による重量増加やコスト
アツプ等の問題が生ずるのであり、さらに厚みが
厚くなると、補強材の柔軟性が低下するため被着
体である薄鋼板に対する貼付性が悪くなり、特に
被着体が曲面を有するような場合、その傾向が一
層強くなるのであつた。また、第1の樹脂層中に
発泡剤を含有することにより、未硬化状態での厚
みを厚くすることなく、加熱硬化後の厚みを厚く
することができ、補強性をある程度増大すること
が可能となつたが、樹脂を発泡させたことによ
り、第1の樹脂層の強度が低下してしまい、実質
的には補強性を少量しか増大させることができ
ず、加熱硬化後の厚みによる効果があまり見られ
ないという問題があつた。 加えて、第1と第2の樹脂層とすることによ
り、樹脂を大量に使用しなければならず、しかも
製造工程数が多くなり、生産性がわるくなつて製
造コストが高くなる等の問題もあつた。 本発明は、かかる従来の実情に鑑みて完成され
たものであつて、生産性が至極良好であり、軽量
で且つ補強性の増大が大きく、しかも曲面を有す
る被着体に対しても貼付作業性のよい薄板補強用
の接着性シートを提供することを目的とするもの
である。 (d) 問題点を解決するための手段 本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検
討を重ねた結果、以下の知見を得た。 即ち、熱硬化性樹脂組成物層として熱硬化性樹
脂とその硬化剤、加熱により分解、発泡する発泡
剤、特定の短繊維及びチクソ性賦与剤の5成分を
必須成分とするものであつて、室温で粘着性を有
するものを用い、しかも該熱硬化性樹脂組成物層
と補強基材を組み合わせてなる補強用接着性シー
トは、驚くべきことに、従来のように第1と第2
の熱硬化性樹脂組成物層とすることなく、単層の
熱硬化性樹脂組成物層でも充分な補強機能を発現
し、つまり樹脂層の未硬化状態での厚みを厚くす
ることなく、加熱硬化後の厚みを樹脂発泡で厚く
でき、さらに硬化、発泡後の樹脂強度の低下を特
定の短繊維の存在で抑えることが可能であり、し
かも補強基材と発泡剤、短繊維及びチクソ性賦与
剤を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物層とを積
層することにより樹脂の熱膨張率を被着体例えば
鋼板と概略同一にすることが可能となり、その結
果、補強と外板歪みという相反する特性を従来の
ように2つの樹脂層の積層という手段を得ずとも
可能となるとの知見を得た。 つまり、熱硬化性樹脂組成物層に発泡剤、短繊
維及びチクソ性賦与剤を混合すると、樹脂層を単
層にすることができるので樹脂層を極めて薄くす
ることができるのであり、このため薄板補強用の
接着シート全体の柔軟性が向上して曲面を有する
被着体に対する貼付作業性が著しく良好となる
点、しかも短繊維及びチクソ性賦与剤の含有によ
り、発泡セルが微小で均一な発泡状態となり、そ
のため発泡による熱硬化性樹脂組成物層の強度低
下を抑えて補強性を著しく向上させることが可能
となる点、更に樹脂発泡剤と短繊維の添加により
硬化後の総収縮応力が緩和され、その結果、樹脂
層を従来のように2層の積層とせずとも被着体で
ある薄鋼板の歪みを発生し難くできる点を見い出
し、本発明を完成するに至つたものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の薄板補強用の接着性シートは補強基材
と熱硬化性樹脂組成物層とからなる補強用接着性
シートにおいて、この熱硬化性樹脂組成物層中に
は、加熱により分解、発泡する発泡剤と短繊維及
びチクソ性賦与剤が含有され、かつ該熱硬化性樹
脂組成物層が粘着性を有することを特徴とするも
のである。 本発明の薄板補強用の接着性シートは補強基材
と熱硬化性樹脂組成物層とからなる。 そして本発明の最も大きな特徴は、熱硬化性樹
脂組成物層中に加熱により分解、発泡する発泡
剤、特定の短繊維及びチクソ性賦与剤が含有され
てなる点にある。 上記熱硬化性樹脂組成物層に用いられる熱硬化
性樹脂としては、グリシジルエーテル型、グリシ
ジルエステル型、グリシジルアミン型、綿状脂肪
族エポキサイド型、脂環族エポキサイド型などの
各種エポキシ樹脂及びその変性エポキシ樹脂が金
属板に対する接着性が良好あるなどの面で望まし
い。 しかし、他の熱硬化性樹脂、例えばメラミン
系、ポリエステル系、フエノール系、尿素系等の
樹脂も使用することもできる。 この熱硬化性樹脂に配合される加熱活性硬化剤
としては、加熱により硬化作用を発揮する通常の
硬化剤でよく、一般に温度80〜200℃の範囲で活
性であれば充分であり、具体的には、例えばエポ
キシ樹脂の主硬化剤としては、ジシアンジアミ
ド、4,4′−ジアミノジフエニルスルホン、フエ
ノール、各種の酸或いは酸無水物、ポリアミドア
ミンなどがあり、更にその硬化促進剤としては、
2−n−ヘプタデシルイミダゾールのようなイミ
ダゾール誘導体、イソフタル酸又はアジピン酸ジ
ヒドラジド、グアニジン系、N,Nジアルキルチ
オ尿素誘導体などが用いられる。 そして、その使用量は、エポキシ樹脂100重量
部に対して、各々主硬化剤で通常3〜30重量部、
硬化促進剤で10重量部以下の割合でよい。 このようにして得た熱硬化性樹脂組成物中に
は、上記成分のほか、当該熱硬化性樹脂組成物
に、シート成形が可能な程度に凝集力を持たせ、
また、溶解粘度を下げてぬれ性を向上させるため
などの目的で各種の添加剤が所望により配合され
る。 例えば、シート成形能を向上させる目的で、ポ
リビニルブチラール、ポリアミド、ポリアミド誘
導体、ポリエステル、ポリスルホン、ポリケト
ン、ビスフエノールAとエピクロルヒドリンとよ
り誘導される高分子量のエポキシ樹脂などの熱可
塑性樹脂、また液状ゴム、例えばイソプレンゴ
ム、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ない
しその誘導体の如き合成ゴム成分などを配合でき
る。 これらの使用量は、熱硬化性樹脂100重量部に
対して5〜100重量部程度とするのがよい。 更に溶解粘度を下げ、ぬれ性を向上させる目的
で、ブチルグリシジルエーテル、長鎖アルコール
のモノグリシジルエーテルなどの反応性希釈剤、
ジオクチルフタレートの如きフタル酸系可塑剤な
どを配合してもよいのである。これらの量は、熱
硬化性樹脂100重量部に対して通常3〜30重量部
程度とするのがよい。 また、上記熱硬化性樹脂組成物中に各種の充填
剤、例ええば炭酸カルシウム、タルク、シリカ、
アルミナ、酸化チタンなどを用いることができ
る。 このとき充填剤の添加量は、この充填剤を配合
した熱硬化性樹脂組成物を用いて、この発明の薄
板補強用の接着性シートを作り、これをドア外板
等の補強用としたとき、加熱硬化後に上記外板等
との接着力を損なわない程度、(通常、樹脂成分
100重量部に対して150重量部以下)に用いるよう
に配慮される。 次に、熱硬化性樹脂組成物層中に含有され、加
熱することにより分解する発泡剤としては、アゾ
ジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル
のようなアゾ系化合物、ジニトロソペンタメチレ
ンテトラミンのようなニトロソ化合物、パラトル
エンスルホニルヒドラジツド、4,4′−オキシベ
ンゼンスルホニルヒドラジツドのようなヒドラジ
ツド系化合物などを広く使用できる。これらの発
泡剤は単独或いは2種以上を用いることができる
のであり、又、この発泡剤の分解温度としては、
得られた薄板補強用の接着性シートの保存性や安
定性を考慮すると100℃以上のものが望ましい。 又、これらの発泡剤と共に必要に応じて発泡助
剤を併用してもよいのである。 この発泡助剤としては亜鉛華の無機物、ステア
リン酸亜鉛等の金属石ケンおよび尿素化合物等が
挙げられる。 上記発泡剤の使用量は、樹脂成分100重量部に
対して0.5〜10重量部である。 発泡剤の添加量が、0.5重量部未満では発泡に
よる補強性の効果が少なく、また10重量部以上で
は樹脂が発泡過剰となり、かえつて補強性が低下
するので好ましくない。 又、上記発泡助剤の添加量は、樹脂成分100重
量部に対して0.2〜7重量部の範囲であり、該発
泡剤の添加量が、0.2重量部未満ではその効果が
乏しく、また7重量部を超えると、逆に補強性が
低下するので好ましくない。 本発明においては、熱硬化性樹脂組成物層が加
熱、硬化後、樹脂発泡による樹脂強度の低下を抑
える目的でガラスなどの無機短繊維、ビニロン、
ナイロンなどの有機短繊維、銀、ステンレスなど
の金属短繊維が用いる。 本発明の薄板補強用の接着性シートにおいて、
短繊維としてはそのアスペクト比(長さ/直径)
が5〜350であつて、直径が1〜30μmのものを
用いたものが、分散性が良好で、しかも加熱、発
泡後の樹脂強度の低下を抑えるだけではなく、む
しろ樹脂強度を向上させるので好ましい。 上記短繊維においてそのアスペクト比が5未満
になると、加熱硬化後の樹脂強度の低下を抑える
ことができず、一方、350を越えると熱硬化性樹
脂組成物層中での分散が困難となると共に、熱硬
化性樹脂組成物層が硬くなり、曲面を有する被着
体に対する貼付作業性が悪くなるから好ましくな
い。 上記短繊維の使用量としては樹脂成分100重量
部に対して10〜100重量部であり、その使用量が
10重量部未満では樹脂強度の低下を抑えることが
できず、一方、100重量部以上であれば熱硬化性
樹脂組成物層中での分散が困難となると共に熱硬
化性樹脂組成物層が硬くなり、曲面を有する被着
体に対する貼付作業性が悪くなるから好ましくな
い。 熱硬化性樹脂組成物層中に、アスペクト比が5
〜350の短繊維(直径1〜30μm)を樹脂成分100
重量部に対して10〜100重量部含有させることに
より、発泡剤入りの熱硬化性樹脂組成物量を増大
させることなく、つまり熱硬化性樹脂組成物層を
薄くでき、また、発泡による樹脂強度の低下を抑
え、その結果、補強性の向上が実現し、しかも薄
板補強用の接着性シートの厚さは薄くして柔軟性
を損なうことなく曲面に対する貼付作業性が向上
するのである。 更にチクソ性賦与剤の添加により、発泡剤によ
る樹脂の発泡セルが微小で均一な発泡状態とな
り、樹脂強度、発泡後の樹脂厚みが均一となる。
加えて薄板補強用の接着性シートはその貼付け部
位が垂直状態又は場合により逆さ状態で貼付けら
れるため、硬化中の樹脂の流動性を抑えて、補強
用接着性シートのズレ、脱落を防止しなければな
らない。このズレ、脱落を防止するためにもチク
ソ性賦与剤が必要である。 チクソ性賦与剤としては、アエロジル、アスペ
クト繊維などがあるが、中でも有機ベントナイト
が最も効果的である。 上記チクソ性賦与剤の添加量としては樹脂成分
100重量部に対して5〜30重量部とするのが好ま
しい。その添加量が5重量部未満では樹脂の発泡
状態が不十分でありまたチクソ性が不足で樹脂の
硬化時、接着性シートのズレ、脱落が発生するの
であり、一方30重量部を超えると初期粘着性が低
下するし、また樹脂との混練性にも問題が生じ
る。 また、チクソ性賦与剤として、特に有機ベント
ナイトを用いたものが、樹脂の発泡状態が極めて
良好となり、また優れたチクソ性を賦与して樹脂
の硬化時、接着性シートのズレや脱落の発生が確
実に防止されるので最も好ましいが、このよう
に、有機ベントナイトを用いる場合、上述の理由
より、その添加量が樹脂成分100重量部に対して
5〜30重量部の範囲とするのが望ましい。 これまで述べたように、熱硬化性樹脂とその硬
化剤、発泡剤、短繊維及びチクソ性賦与剤を必須
成分とするものを用いると、被着体である薄鋼板
の歪みに対しても有効となる。 被着体である薄鋼板に補強用接着性シートを貼
付硬化して補強する場合、両種の熱膨張係数の差
から生じる収縮応力により通常は薄鋼板に歪みを
発生させる。 しかるに、発泡剤、短繊維及びチクソ性賦与剤
が添加された系ではこの歪みを低減させることが
できる。 即ち、発泡剤、短繊維及びチクソ性賦与剤が添
加された系で熱硬化性樹脂層が硬化後樹脂発泡す
ると、発泡しない場合に比べて熱膨張係数が低下
し、しかも弾性率も低下する。その結果、収縮応
力が低下し、被着体である薄鋼板に歪みを与えな
くなるという好結果を示す。 そして、本発明の薄板補強用の接着性シートに
おいて、熱硬化性樹脂組成物層中に含有される発
泡剤は、分解、発泡する温度が100℃以上であつ
て、その含有量は熱硬化性樹脂組成物層中の樹脂
分100重量部に対して0.5〜10重量部であり、かつ
チクソ性賦与剤が有機ベントナイトであり、該チ
クソ性賦与剤の含有量が熱硬化性樹脂組成物層中
の樹脂分100重量部に対して5〜30重量部の範囲
で形成されたものが、優れた補強性や生産性を有
し、しかも被着体への貼着作業性が極めて良好で
あるから好ましい。 本発明の薄板補強用の接着性シートはその貼付
け部位が垂直状態又は場合により逆さ状態で貼付
けられるのであり、従つて、この接着性シートを
構成する熱硬化性樹脂組成物層は粘着性を有する
ことが要求されるが、この粘着力は被着体に貼着
し、これを加熱、硬化するまでの間、接着性シー
トのズレや脱落が発生しない程度のものであれば
よい。 そして、特に、上記熱硬化性樹脂組成物層に
は、これを硬化したとき、その剛性を一層向上さ
せるため、補強基材を設けるのが好ましいのであ
る。 この補強基材の具体例としては、例えばガラス
繊維やアスベスト繊維などの無機質繊維布、麻、
綿、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンな
どの有機質繊維布、ポリエステル繊維、ポリプロ
ピレン繊維などからなる不織布の如きシート状繊
維基材、さらにアルミ、ステンレス等の金属の箔
やパンチングシート等が挙げられる。 これらのなかで特に好ましいものは無機質繊維
布であり、その代表的なものがガラス繊維布であ
る。 この発明の薄板補強用の接着性シートは、すで
に述べてきた自動車のドア外板の如き鋼板等の板
金部材の他、各種の車両、電気冷蔵庫、洗濯機な
ど家電製品のケースなど一般に薄板とされた金属
板などの板金部材に対し、広く適用することがで
きる。 (e) 作用 本発明の薄板補強用の接着性シートは熱硬化性
樹脂組成物層中に、発泡剤と特定の短繊維及びチ
クソ性賦与剤が含有されているので、従来のよう
に第1と第2の樹脂といつた2種類の樹脂層を用
いる必要がなく、その結果、樹脂の使用量が少な
くなると共に樹脂層が薄くなるのであり、しかも
樹脂の加熱、発泡により軽量で高い補強性を有す
るうえ、接着性シートが薄いので当該シートの柔
軟性が向上し、曲面に対する貼付作業性が著しく
良好となる作用を有するのである。 又、この樹脂の加熱、発泡により熱膨張係数、
弾性率が大幅に低下し、その為熱収縮応力が著し
く低下する。 このため、被着体である薄鋼板に歪みを発生さ
せずに高い補強特性を得ることが可能となり、
又、チクソ性賦与剤の添加により樹脂発泡が均一
な微小発泡セルとなり、しかも垂直又は逆さ状態
で貼付硬化させても接着性シートのズレ又は脱落
を発生させず、従つて、貼着作業性が向上する作
用を有するのである。 (f) 実施例 以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。エ
ピコート#871(油化シエル社製のダイマー酸変性
エポキシ樹脂)45重量部、エピコート#1002(油
化シエル社製のビスフエノールA型固形エポキシ
樹脂)40重量部及び液状イソプレンゴム15重量部
を混合釜にて溶解混合し、得られた組成物100重
量部に、更に、イミダゾール系硬化剤(キユアゾ
ールC11Z)を0.6重量部、ジシアンジアミド5重
量部、タルク50重量部及びチクソ性賦与剤である
有機ベントナイト15重量部、発泡剤ネオセルボン
P#1000(ヒドラジド系)3重量部及びガラス短
繊維(直径10μm、アスペクト比30)35重量部を
通常のミキシングロールにて混練し、得られた樹
脂塊を熱プレスにて1.0mm厚のシート状に成形し
た。 次いで、この表層部に繊維基材であるガラスク
ロス(目付量220g/m2)をラミネートし、製品
厚1.2mmの本発明品である薄板補強用の接着性シ
ートを得た。 実施例 2〜5 実施例1と同様方法により、第1表に示す樹脂
配合比の薄板補強用の接着性シートを得た。 比較例 1〜3 実施例1と同様の方法により、第1表に示す樹
脂配合比の比較例1〜3の薄板補強用の接着性シ
ート(比較例1及び3は共に厚さが1.2mm、比較
例2は厚さが2.5mm)を得た。
【表】
【表】 <鋼板の歪み試験> 上記の各実施例及び各比較例を、厚さ0.8mmの
鋼板面に貼着後、温度180℃の雰囲気中で30分間
加熱、硬化した。 この加熱、硬化の際に上記鋼板に歪みが発生し
たかどうかを肉眼で観察した。 次いで、これを室温まで冷却し、試験鋼板の塗
装面を目視し、鋼板に歪みが発生していまいかを
評価する。 なお、このようにして得た上記接着性シートと
鋼板との積層体を試験片として後述の強度試験を
行つた。 〇…歪み無し △…わずかな歪みが認められる ×…歪みが認められる <曲げ強度試験> 先端間の距離100mmで平行に配置させた。先端
が曲率半径5mmの逆U字型断面を呈する2枚の垂
直平板(幅50mm)を有する支持台で、幅70mmにさ
れた試験片を水平に支持し、その中央部に上部か
ら曲率半径10mmのU字型断面を呈する垂直平板
(幅50mm)で荷重を加えたときの最大曲げ応力
(Kg/70mm幅)を測定した。 <曲面に対する貼付作業性> 曲率半径100mmを有する試験鋼板に各接着シー
トを貼付後、乾燥機中で加熱、硬化させた時、こ
の接着性シートの端部にめくれが生じるかどうか
を評価する。 〇…貼付性が良好で、しかもめくれは生じなかつ
た。 △…接着シートの浮きが部分的にわずかに生じ
た。 ×…接着性シートのうきが生じた。 <ズレ試験> 上記の各補強用の接着性シート(幅50mm、長さ
150mm)を厚さ0.8mm、幅70mm、長さ250mmの鋼板
面に貼着後、鋼板を垂直に立てた状態で温度180
℃で30分の雰囲気状態で加熱硬化させる。 この時、補強用の接着性シートが加熱硬化時に
ずれた長さを測定しズレ試験をする。 〇…ズレ長さ0〜3mm △…ズレ長さ3〜10mm ×…ズレ長さ10mm以上 第2表に示すように、本発明のものは熱硬化性
樹脂組成物層中に発泡剤、特定の短繊維及びチク
ソ性賦与剤を混入することにより、樹脂組成物を
使用量を少なくし、シート厚みが薄くても優れた
補強効果を有するものであり、しかも接着性シー
トの柔軟性が向上して曲面を有する被着体に対す
る貼付作業性が良好となることが認められる。 又、本発明の接着性シートを鋼板面に貼着し、
垂直状態で硬化させてもズレの発生が認められず
良好である。一方、硬化後の鋼板の歪みにおいて
も樹脂発泡、短繊維の添加により樹脂の弾性率、
線膨張率を低下することができ、このため樹脂の
収縮応力が低下し、鋼板に歪を発生し難くなるの
である。 (g) 発明の効果 本発明の薄板補強用接着性シートは、補強基材
と熱硬化性樹脂組成物層とからなる補強用接着性
シートにおいて、この熱硬化性樹脂組成物層中に
は、加熱により分解、発泡する発泡剤と短繊維及
びチクソ性賦与剤が含有され、かつ該熱硬化性樹
脂組成物層が粘着性を有するように構成されてい
るので、従来のように第1と第2の樹脂といつた
2種類の樹脂層を用いる必要がなく、その結果、
樹脂の使用量が少なくなると共に樹脂層が薄くな
るのであり、しかも樹脂の加熱、発泡により軽量
で高い補強性を有するうえ、接着性シートが薄い
ので当該シートの柔軟性が向上し、曲面に対する
貼付作業性が著しく良好となるのであり、加え
て、従来のように第1と第2の樹脂といつた2種
類の樹脂層を用いる必要がないので、樹脂の使用
量が少なくなると共に生産工程数が少なくなつて
生産性が向上し、その製造コストが著しく低下す
る効果を有するのである。 又、この樹脂発泡により熱膨張係数、弾性率が
大幅に低下し、その為熱収縮応力が著しく低下す
るので、被着体である薄鋼板に歪みを発生させず
に高い補強特性を有することが可能となり、又、
チクソ性賦与剤の添加により樹脂発泡が均一な微
小発泡セルとなり、しかも垂直又は逆さ状態で貼
付硬化させても接着性シートのズレ又は脱落を発
生させず、従つて、この点からも、貼着作業性が
一層向上する効果を有するのである。 本発明の薄板補強用の接着性シートにおいて、
短繊維としてはそのアスペクト比(長さ/直径)
が5〜350であつて、直径が1〜30μmのものを
用いたものが、分散性が良好で、しかも加熱、発
泡後の樹脂強度の低下を抑えるだけではなく、む
しろ樹脂強度を向上させる効果を有するのであ
る。 そして、本発明の薄板補強用の接着性シートに
おいて、熱硬化性樹脂組成物層中に含有される発
泡剤は、分解、発泡する温度が100℃以上であつ
て、その含有量は熱硬化性樹脂組成物層中の樹脂
分100重量部に対して0.5〜10重量部であり、かつ
チクソ性賦与剤が有機ベントナイトであり、該チ
クソ性賦与剤の含有量が熱硬化性樹脂組成物層中
の樹脂分100重量部に対して5〜30重量部の範囲
で形成されたものが、優れた補強性や生産性を有
し、しかも被着体への貼着作業性が極めて良好に
なる効果を有するのである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 補強基材と熱硬化性樹脂組成物層とからなる
    補強用接着性シートにおいて、この熱硬化性樹脂
    組成物層中には、加熱により分解、発泡する発泡
    剤と短繊維及びチクソ性賦与剤が含有され、しか
    も該短繊維は、そのアスペクト比(長さ/直径)
    が5〜350で直径が1〜30μmであり、かつ該熱
    硬化性樹脂組成物層が粘着性を有することを特徴
    とする薄板補強用の接着性シート。 2 熱硬化性樹脂組成物層中に含有される発泡剤
    は、分解、発泡する温度が100℃以上であつて、
    その含有量は熱硬化性樹脂組成物層中の樹脂分
    100重量部に対して0.5〜10重量部であり、かつチ
    クソ性賦与剤が有機ベントナイトであり、該チク
    ソ性賦与剤の含有量が熱硬化性樹脂組成物層中の
    樹脂分100樹脂部に対して5〜30重量部である請
    求項1に記載の薄板補強用の接着性シート。
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