JPH0520217B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、放射性を帯びた遮蔽セル内に配置さ
れた管路及び処理対象物の保守作業を、保持フレ
ーム内に配置された打撃ねじ回しの遠隔操作によ
つて行なうための装置であつて、該打撃ねじ回し
が遠隔操作によつて鉛直又は水平な作業位置で使
用可能でありかつ、遠隔制御されるクレーンのロ
ープ滑車によつて走行可能である形式のものに関
する。

従来の技術 核再処理装置の化学処理装置を遮蔽された大型
セル内に配置することは公知である。処理対象物
及び管路の保守作業は、大型セル内の当該装置の
放射能汚染故にまた短い停止時間が望まれている
ことから、遠隔操作によつて行なわれている。こ
のために移動可能な遠隔操作機構が使用されてい
る。

この遠隔操作用の工具は、管路結合部材を解離
するか又はねじ留めるための打撃ねじ回しであ
る。この場合、打撃ねじ回しが水平位置と鉛直位
置とで使用可能であると有利である。このために
該打撃ねじ回しが、相異なる個所に配置された２
つの懸架フツクか又は両作業位置を取るための旋
回機構を有する保持フレーム内に配設されてい
る。この保持フレームは遠隔制御される走行可能
なクレーンのロープ滑車のクレーンフツクに懸架
されている。このクレーンによつて打撃ねじ回し
装置が各作業位置まで走行せしめられる。

発明が解決しようとする問題点 従来前記のような打撃ねじ回しは、鉛直位置で
の作業の際にロープ滑車を中心に回転してしま
う。即ち作業時の反動モーメントによつてこのよ
うな打撃ねじ回しの回転運動が形成されてしま
う。そしてこの打撃ねじ回しの回転によつて、該
打撃ねじ回しが懸架されているクレーンロープに
撚りが生じる。この結果ロープ滑車が持上げら
れ、打撃ねじ回しの嵌合部材が捕捉したナツト又
はねじ頭から持上げ離され、その嵌合が外れてし
まう。本発明はこの問題点を解決し、鉛直作業位
置における打撃ねじ回しの回転運動を最少にしよ
うとするものである。

問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するための本発明による手
段は、打撃ねじ回しの保持フレームの両側にそれ
ぞれ１つの、電動機によつて走入・走出可能な回
転モーメント支持部材が配設されており、この電
動機によつて走入・走出可能な回転モーメント支
持部材が、打撃ねじ回しの軸線の方向で走行可能
であることである。

保持フレームの両側に配設されて電動機によつ
て走出可能な２つの回転モーメント支持部材の一
方がその都度の打撃ねじ回し嵌合部材の回転方向
に応じて、隣接する管路部分に対して当付け部と
して当接されるので、打撃ねじ回しへの大きな回
転運動発生が防がれる。核再処理装置の大型セル
内の処理対象物は一般的に、極めて密に配置され
た複数の架台内に配置されている。この各架台の
後方に延びる管路から多数の導管がフレーム内の
処理対象物へ延びている。従つて作業員による遠
隔操作で走出された回転モーメント支持部材がそ
のモーメントを移転する部分として、当該のねじ
回しされるべきフランジの管又は他の構成部材が
常に存在している。

実施態様 本発明の有利な実施態様は特許請求の範囲第２
項乃至第５項に記載したとおりである。

実施例 電動式の打撃ねじ回し１０は保持フレーム１１
内に配設されている。この保持フレーム１１は２
つのプレート状の側壁１２，１３を有し、この両
側壁の各内側に打撃ねじ回し１０がねじ留めされ
ている。また各側壁１２，１３の端面側端部が、
ねじ留められた側板１４を介して互いに結合され
ている。

側壁１２と１３は同形の滑子案内スリツト１
５，１６を有し、この各スリツトは当該装置の水
平状態における重心位置に配置された終端位置１
７と、同じく鉛直状態における重心位置に配置さ
れた終端位置１８とを接続している。鉛直状態に
おける重心位置のための終端位置１８は側壁１
２，１３の、平らに形成された後端部に配置され
ている。水平位置のための終端位置１７は側壁１
２，１３の、上側範囲の前方部分内に配置されて
いる。水平位置のための終端位置１７から滑子案
内スリツト１５，１６が、打撃ねじ回し１０の軸
線に対して傾度を以つて、鉛直位置のための終端
位置１８まで延びている。またこの滑子案内スリ
ツト１５，１６の傾斜は相異なる傾度を有する２
つの区分から成つている。

水平位置のための終端位置１７の上方では側壁
１２，１３に、それぞれ１つの下方へ向つて開か
れたフツク１９又は２０が配設されている。

滑子案内スリツト１５，１６内には、ヨーク部
材２４の下端部に装着されたガイドピン２３の両
端部が摺動可能に配置されている。ヨーク部材２
４のウエブ２５，２６の中央には側方にガイドロ
ーラ２７が配設されており、このガイドローラ２
７はヨーク部材２４が水平位置のための終端位置
１７内に走入した時に前記の開かれたフツク１
９，２０内に走入し係合する。ウエブ２５，２６
の各上端部では、中央にクレーン積載フツクの係
合のためのアイ２９を有する直角配置された保持
プレート２８を介して結合されている。これによ
つて打撃ねじ回し１０を含む装置全体がロープ滑
車のクレーンフツクに懸架される。

側壁１２，１３と側板１４とによつて保持フレ
ーム１１が形成され、この保持フレーム１１がヨ
ーク部材２４と協働して打撃ねじ回し１０のため
の、滑子で案内される旋回機構を形成している。

打撃ねじ回し１０はその回転シヤフト３１の端
部に、ねじボルト又はナツトを嵌合式に捕捉する
ための嵌合部材３０を備えている。

保持フレーム１１の左右両側にはそれぞれ１つ
の伝動ブロツク３２，３３が配設されている。こ
の各伝動ブロツク３２，３３内にはそれぞれ１つ
の、走入・走出可能なねじ山付きスピンドル３４
又は３５が配置されている。このねじ山付きスピ
ンドル３４，３５の駆動は、各伝動ブロツク３
２，３３に取付けられた電動機３６，３７によつ
て行なわれる。各伝動ブロツク３２又は３３の外
側（作業位置と反対の側）ではねじ山付きスピン
ドル３４，３５は、該伝動ブロツク３２又は３３
の、作業側と反対の側に配置された保護管３８又
は３９によつて機械的な損傷から守られている。

ねじ山付きスピンドル３４，３５の、作業位置
に面した端部には長めの当付け部材４０，４１が
配設されており、この当付け部材にはそれぞれベ
ローズ４２，４３の一方端部が取付けられてお
り、他方端部はそれぞれの伝動ブロツク３２又は
３３に固定されている。

次に図示の装置の作用形式を述べる。

打撃ねじ回し装置が遠隔操作可能なクレーンに
よつて作業個所にもたらされて鉛直な作業位置
（第２図）を取つた後、右又は左のねじ山付きス
ピンドル３４，３５がフランジ結合部の、緊締さ
れるか又は緩められるべきねじへ向けて動かされ
る。続いて打撃ねじ回し１０が作動される。この
打撃ねじ回し１０の所望の作業方向に応じて（即
ち管路フランジのねじを回し外すのか回し入れる
のかに応じて）作業員が遠隔操作で、当該装置の
右側又は左側のねじ山付きスピンドル３４又は３
５を電動機によつて打撃ねじ回し１０の作業点へ
の方向に動かす。これによつて打撃ねじ回し装置
における当付け部が形成される。

運転中には当該の走出された右側又は左側のね
じ山付きスピンドル３４又は３５が反動力に基づ
いて、当該フランジに属する管に対して当てつけ
られており、それによつてロープ滑車を中心にし
た打撃ねじ回し１０及びクレーンフツクの回転が
防がれる。その都度のねじが解離又は締められる
と作業プロセスが終了する。そして走出していた
ねじ山付きスピンドル３４又は３５が電動機３６
又は３７の回転方向逆転によつて所定の出発位置
に戻し動かされる。この出発位置において各ねじ
山付きスピンドル３４，３５は、そのほとんどの
長さに亘つて保護管３８，３９内に収容されてい
る。この際ねじ山付きスピンドル３４，３５の当
付け部材４０，４１に配置されたベローズ４２，
４３は圧縮されている。

発明の効果 本発明の構成によれば鉛直作業位置での作業中
に打撃ねじ回しに発生する回転運動が最少とな
り、その保守作業が確実なものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示すものであつて、
第１図は滑子案内される旋回機構を有する保持フ
レーム内に配置された打撃ねじ回しを備えた本発
明による装置を水平な作業位置で示す斜視図、第
２図は第１図の装置を鉛直な作業位置でかつ、ね
じ山付きスピンドルとしての回転モーメント支持
部材が走出している状態で示す斜視図である。 １０……打撃ねじ回し、１１……保持フレー
ム、１２，１３……側壁、１４……側板、１５，
１６……滑子案内スリツト、１７，１８……終端
位置、１９，２０……フツク、２３……ガイドピ
ン、２４……ヨーク部材、２５，２６……ウエ
ブ、２７……ガイドローラ、２８……保持プレー
ト、２９……アイ、３０……打撃ねじ回しの嵌合
部材、３１……回転シヤフト、３２，３３……伝
動ブロツク、３４，３５……ねじ山付きスピンド
ル、３６，３７……電動機、３８，３９……保護
管、４０，４１……当付け部材、４２，４３……
ベローズ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 放射性を帯びた遮蔽セル内に配置された管路
   及び処理対象物の保守作業を、保持フレーム内に
   配置された打撃ねじ回しの遠隔操作によつて行な
   うための装置であつて、該打撃ねじ回しが遠隔操
   作によつて鉛直又は水平な作業位置で使用可能で
   ありかつ、遠隔制御されるクレーンのロープ滑車
   によつて走行可能である形式のものにおいて、打
   撃ねじ回し１０の保持フレーム１１の両側にそれ
   ぞれ１つの、電動機によつて走入・走出可能な回
   転モーメント支持部材が配設されており、この電
   動機によつて走入・走出可能な回転モーメント支
   持部材が、打撃ねじ回しの軸線の方向で走行可能
   であることを特徴とする、遮蔽セル内での遠隔操
   作による保守作業のための打撃ねじ回し装置。 ２ 回転モーメント支持部材がねじ山付きスピン
   ドル３４，３５であり、このねじ山付きスピンド
   ル３４，３５がそれぞれ１つのフランジ結合され
   た電動機３６又は３７によつて伝動機３２又は３
   ３を介して回転可能である、特許請求の範囲第１
   項記載の装置。 ３ 各ねじ山付きスピンドル３４，３５がそれぞ
   れ１つの保護管３８又は３９内で案内されてい
   る、特許請求の範囲第２項記載の装置。 ４ 各ねじ山付きスピンドル３４，３５の、走出
   方向に位置する端部にそれぞれ１つの長めの当付
   け部材４０，４１が配設されている、特許請求の
   範囲第２項記載の装置。 ５ 各ねじ山付きスピンドル３４，３５に、その
   当付け部材４０，４１と伝動機３２，３３との間
   に位置するベローズ４２，４３が配設されてい
   る、特許請求の範囲第２項又は第４項記載の装
   置。