JPH05199979A

JPH05199979A - 硬性内視鏡装置

Info

Publication number: JPH05199979A
Application number: JP4012172A
Authority: JP
Inventors: Katsumi Sasaki; 勝巳佐々木; Koji Tanigawa; 廣治谷川; Yutaka Yanagawa; 裕柳川; Takeo Usui; 健夫碓井; Kenji Noda; 賢司野田; Shinkichi Tanizawa; 信吉谷沢; Naoki Sekino; 直己関野; Yoshinao Ooaki; 義直大明; Tadao Hagino; 忠夫萩野
Original assignee: Olympus Optical Co Ltd
Current assignee: Olympus Corp
Priority date: 1992-01-27
Filing date: 1992-01-27
Publication date: 1993-08-10

Abstract

(57)【要約】【目的】シースに硬性内視鏡を挿入したまま、観察途中
で挿入部の先端のレンズを洗浄・乾燥でき、操作が容易
な硬性内視鏡装置を提供することにある。【構成】シース１１を案内として腹腔２内に挿入部を挿
入する硬性内視鏡４と、シース１１に接続され腹腔内に
気腹用ガスを送気する気腹装置２１とからなる硬性内視
鏡装置において、気腹装置２１にガスボンベ２２から供
給された気腹ガスの圧力を制御する減圧器２５，２６を
有するガス管路２３，２４を設け、このガス管路２３，
２４に腹腔内に送気する気腹用ガスと硬性内視鏡４の挿
入部５の先端面に乾燥用ガスを選択的に吹き付ける送気
用チューブ３３と硬性内視鏡４の挿入部５の先端面に洗
浄水を吹き付ける送水用チューブ３２を設けたことにあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、生体の腹腔内に気腹
用ガスを送気しながら腹腔内に挿入した硬性内視鏡によ
って観察する硬性内視鏡装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】生体の腹腔内に気腹用ガスを送気しなが
ら腹腔内に挿入した硬性内視鏡によって観察する硬性内
視鏡装置は、一般に図９に示すように構成されている。
すなわち、１は生体の腹壁であり、２は腹腔である。腹
壁１にはトラカール３が貫通して設けられ、このトラカ
ール３を案内として硬性内視鏡４の挿入部５が腹腔２に
挿入されている。また、トラカール３の基端部にはバル
ブ６を有する気腹用ガス供給口７が設けられている。

【０００３】８は高速気腹装置であり、気腹用ガス供給
源としてのＣＯ₂ガスを充填したガスボンベ９が設けら
れており、所定の圧力に減圧された気腹用ガスは気腹用
ガス管路１０を介してトラカール３の気腹用ガス供給口
７に接続されている。

【０００４】したがって、バルブ６を開弁することによ
り、ガスボンベ９内の気腹用ガスが高速気腹装置８によ
って所定の圧力に減圧されて、気腹用ガス管路１０を介
してトラカール３に導かれ、トラカール３の先端から腹
腔２に送気されて気腹が行われる。この状態で、硬性内
視鏡４によって腹腔２内の臓器等を観察または治療す
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、硬性内視鏡
４における腹腔２内の臓器の観察・治療時に血液や粘液
あるいは汚物等が挿入部５の先端に付着しやすい。当然
のことながら、硬性内視鏡４の挿入部５の先端には照明
光学系のカバーガラス、観察光学系の対物レンズ等が設
けられている。したがって、カバーガラスやレンズに血
液や粘液あるいは汚物等が付着し、視野を妨げることが
ある。

【０００６】そこで、従来においては、血液等が付着し
て視野が妨げられたとき、トラカール３から硬性内視鏡
４を引き抜き、カバーガラスやレンズを拭いて再びトラ
カール３に挿入する操作を繰り返す必要がある。したが
って、操作が面倒であり、治療時間が長く掛かり、また
カバーガラスやレンズを布等で拭いても汚れを完全に取
り除くことは困難である。

【０００７】この発明は、前記事情に着目してなされた
もので、その目的とするところは、シースに硬性内視鏡
を挿入したまま、観察途中で挿入部の先端のカバーガラ
ス、レンズを洗浄・乾燥でき、操作が容易で治療時間を
短縮できるとともに、任意のガス圧力によって気腹・洗
浄できる硬性内視鏡装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を
達成するために、腹壁を貫通して腹腔内に挿入するシー
スと、このシースを案内として前記腹腔内に挿入部を挿
入する硬性内視鏡と、前記シースに接続され前記腹腔内
に気腹用ガスを送気する気腹装置とからなる硬性内視鏡
装置において、前記気腹装置に設けられ気腹ガス供給源
から供給された気腹ガスの圧力を制御するガス圧力制御
手段を有するガス管路と、このガス管路に接続され腹腔
内に送気する気腹用ガスと前記硬性内視鏡の挿入部の先
端面に乾燥用ガスを選択的に吹き付ける送気手段と、前
記ガス管路に接続され前記気腹用ガスの圧力によって前
記硬性内視鏡の挿入部の先端面に洗浄水を吹き付ける送
水手段とを具備したことにある。

【０００９】

【作用】腹腔内へ気腹用ガスを送込んで観察途中に硬性
内視鏡の挿入部の先端に血液や粘液あるいは汚物等が付
着し、視野が妨げられたとき、圧力が異なる複数のガス
管路を選択し、その気腹用ガスの圧力によって硬性内視
鏡の挿入部の先端面に洗浄水を吹き付けて先端を洗浄
し、次に気腹用ガスを乾燥用ガスとして挿入部の先端に
吹き付けて水滴を吹き飛ばして乾燥することにより視野
を確保する。

【００１０】

【実施例】以下、この発明の各実施例を図面に基づいて
説明するが、従来と同一構成部分は同一番号を付して説
明を省略する。

【００１１】図１および図２は第１の実施例であり、図
１は硬性内視鏡装置の概略的構成を示す。生体の腹壁１
にトラカール（図示しない）を貫通し、このトラカール
を案内として腹腔２内に挿入されるシース１１には硬性
内視鏡４の挿入部５が挿入されている。

【００１２】シース１１は図２に示すように、筒状のシ
ース本体１２の基端部に接続管体１３が設けられてい
る。さらに、シース本体１２の内壁には軸方向に亘って
送水管路１４と送気管路１５が設けられ、これらはシー
ス本体１２の先端近傍で合流し、シース本体１２の先端
部に設けられたノズル１６に連通している。

【００１３】このノズル１６はシース１１に挿入される
硬性内視鏡４の挿入部５の先端に設けられた照明光学系
のカバーガラス、観察光学系の対物レンズ５ａに向って
送水・送気できるようにシース本体１２の軸方向に対し
て略直角に屈曲している。シース１１の接続管体１３に
は送水管路１４と連通する送水口体１７と送気管路１５
と連通する送気口体１８が突設されている。さらに、送
水口体１７および送気口体１８にはそれぞれ独立してバ
ルブ１７ａ，１８ａが設けられている。

【００１４】前記硬性内視鏡４はその基端部に接眼部１
９を有しており、挿入部５はシース本体１２の長さに合
わせて形成されており、シース１１に挿入部５を挿入し
たときには挿入部５の先端面にノズル１６が位置するよ
うになっている。

【００１５】図１の２１は気腹装置であり、気腹ガス供
給源としてのＣＯ₂ガスを充填したガスボンベ２２を備
えている。このガスボンベ２２は気腹装置２１に設けら
れた第１のガス管路２３と第２のガス管路２４とに分岐
され、第１のガス管路２３には洗浄圧、つまり比較的高
圧に減圧する第１の減圧器２５が設けられ、第２のガス
管路２４には気腹圧、つまり比較的低圧に減圧する第２
の減圧器２６が設けられている。

【００１６】第１のガス管路２３と第２のガス管路２４
とは合流しており、この合流部には切換えバルブ２７が
設けられている。この切換えバルブ２７の下流側は気腹
装置２１から導出される接続管路２８を介して容器２９
の上部に接続されている。

【００１７】容器２９には送水用の滅菌水、例えば生理
食塩水３０が収容され、蓋体３１によって密閉されてお
り、接続管路２８は生理食塩水３０の水位よりも上部に
開口している。蓋体３１には送水用チューブ３２と送気
用チューブ３３が貫通して設けられている。送水用チュ
ーブ３２は、その一端が容器２９の底部近傍で生理食塩
水３０中に開口し、他端は前記シース１１の送水口体１
７に接続されている。送気用チューブ３３の一端は接続
管路２８と同様に生理食塩水３０の水位よりも上部に開
口し、他端はシース１１の送気口体１８に接続されてい
る。

【００１８】次に、前述のように構成された硬性内視鏡
装置の作用について説明する。通常、硬性内視鏡４によ
って腹腔２内の臓器等を観察または治療する場合、気腹
装置２１の切換えバルブ２７によって第２のガス管路２
４と接続管路２８とが連通している。

【００１９】したがって、シース１１のバルブ１８ａを
開弁すると、ガスボンベ２２内の気腹用ガスが第２のガ
ス管路２４を介して第１の減圧器２６に導かれる。気腹
に望ましい圧力に減圧された気腹用ガスは第２のガス管
路２４から接続管路２８を介して容器２９に導かれ、こ
の容器２９に開口する送気用チューブ３３を介してシー
ス１１の送気口体１８に導かれる。

【００２０】気腹用ガスはシース本体１２の内壁に沿っ
て設けられた送気通路１５を介してノズル１６から腹腔
２に送気されて気腹が行われる。この状態で、硬性内視
鏡４によって腹腔２内の臓器等を観察または治療する。

【００２１】また、硬性内視鏡４によって腹腔２内の臓
器等を観察または治療中に、硬性内視鏡４の挿入部５の
先端の観察光学系対物レンズ５ａに血液や粘液あるいは
汚物等が付着し、視野を妨げられたとき、送水手段と送
気手段によって対物レンズ５ａを洗浄して視野を確保す
ることができる。

【００２２】すなちわ、シース１１のバルブ１７ａを開
弁するとともに、気腹装置２１の切換えバルブ２７を操
作して第１のガス管路２３と接続管路２８とを連通する
と、ガスボンベ２２内の気腹用ガスが第１のガス管路２
３を介して第１の減圧器２５に導かれて送水に望ましい
圧力に減圧され、さらに接続管路２８を介して容器２９
に導かれる。

【００２３】容器２９は密閉されているため、容器２９
内の圧力が高まり、内部に収容された生理食塩水３０が
加圧され、生理食塩水３０は送水用チューブ３２を介し
てシース１１の送水口体１７に導かれる。

【００２４】シース１１のシース本体１２には送水管路
１４が設けられているため、生理食塩水３０は送水管路
１４を介してシース本体１２の先端に設けられたノズル
１６から対物レンズ５ａに向って噴射し、付着した血液
や粘液あるいは汚物等を洗い落とす。

【００２５】次に、送水口体１７のバルブ１７ａを閉弁
し、送気口体１８のバルブ１８ａを開弁すると、容器３
０内に導かれた気腹用ガスは送気用チューブ３３を介し
てシース１１の送気口体１８に導かれる。

【００２６】シース本体１２には送気管路１５が設けら
れているため、気腹用ガスは送気管路１５を介してシー
ス本体１２の先端に設けられたノズル１６から対物レン
ズ５ａに向って噴射し、表面に付着した水滴を吹き飛ば
して乾燥することにより視野を確保する。

【００２７】このように硬性内視鏡４によって腹腔２内
の臓器等を観察または治療中に、硬性内視鏡４の挿入部
５の先端の対物レンズ５ａ等に血液や粘液あるいは汚物
等が付着し、視野を妨げられたときには、硬性内視鏡４
をシース１１から引き抜くことなく、送水手段と送気手
段によって対物レンズ５ａを洗浄して視野を確保するこ
とができる。

【００２８】図３は第２の実施例を示す。シース本体１
２の先端部に設けられたノズル３４は開口部に向って漸
次幅広に形成され、しかも対物レンズ５ａに向って湾曲
している。したがって、硬性内視鏡４によって腹腔２内
の臓器等を観察または治療中にノズル３４から気腹用ガ
スとしてのＣＯ₂を噴出することにより、対物レンズ５
ａの前面にエアカーテン３５が形成され、対物レンズ５
ａの曇りを防止することができる。

【００２９】また、対物レンズ５ａに曇りが発生した場
合、汚れが発生した場合には第１の実施例における送水
手段によって対物レンズ５ａに送水し、ついで送気する
ことにより、対物レンズ５ａを洗浄して視野を確保でき
る。

【００３０】図４は第３の実施例を示す。この実施例は
第１の実施例における気腹装置２１にガスボンベ２２と
連通するガス管路３６を設け、このガス管路３６に可変
減圧器３７とバルブ３８を設けたものである。可変減圧
器３７には術者が操作する圧力調節摘み３９および術者
がリモコン４０によって操作する受光部４１を備えてい
る。

【００３１】したがって、気腹する場合、対物レンズ５
ａに送水する場合、対物レンズ５ａに送気する場合に、
気腹用ガスの圧力を制御して目的に応じた圧力に調節す
ることができ、第１の実施例と同様な効果がある上に、
複数の減圧器、切換えバルブが不要となり、操作性の向
上を図ることができる。

【００３２】図５および図６は第４の実施例を示す。こ
の実施例は第１の実施例における気腹装置２１にガス管
路４２を設け、このガス管路４２に可変減圧器４３を設
けている。また、送気用チューブ４４の途中にピンチバ
ルブからなる第１のバルブ４５を設けるとともに、送水
用チューブ４６の途中にピンチバルブからなる第２のバ
ルブ４７を設け、第１および第２のバルブ４５，４７を
制御ユニット４８によって開閉操作するように構成した
ものである。

【００３３】この実施例によれば、対物レンズ５ａに送
水して洗浄する際には制御ユニット４８からの信号によ
って第２のバルブ４７を開弁し、送気して水滴を吹き飛
ばす際には第１のバルブ４５を開弁する。

【００３４】また、送気・送水混合モードでは、図６に
示すように、第１のバルブ４５を開弁して送気をスター
トし、第２のバルブ４７の開閉を周期的に行うことによ
り、洗浄水としての生理食塩水は噴霧状になって対物レ
ンズ５ａに吹き付けられる。この実施例によれば、第１
の実施例と同様な効果がある上に、対物レンズ５ａの洗
浄能率が向上するという効果がある。

【００３５】図７は第５の実施例を示すもので、（ａ）
は送水用チューブ４８と送気用チューブ４９を引き揃え
た状態で一体的に結合し、この両端部にコネクタ５０，
５０を設けたものである。（ｂ）は送水用チューブ５１
と送気用チューブ５２を引き揃え、クリップ５３によっ
て数箇所を結束したものである。（ｃ）は送水用の内管
５４と送気用の外管５５とで二重管構造の送気・送水チ
ューブ５６を構成したものである。

【００３６】図８は第５の実施例における（ｃ）の送気
・送水チューブ５６を使用した構成内視鏡装置であり、
送気・送水チューブ５６の一端部における内管５４は容
器２９の生理食塩水３０中に挿入され、外管５５は生理
食塩水３０の水面より上部に開口している。また、送気
・送水チューブ５６の他端部における内管５４はシース
１１の送水管路５７に接続され、外管５５は送気管路５
８に接続されている。また、送水管路５７と送気管路５
８の途中にはバルブ５９が設けられている。このように
構成することによって、気腹装置２１とシース１１との
間の配管構造が簡素化され、操作性も向上するという効
果がある。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、腹腔内へ気腹用ガスを送込んで観察途中に硬性内視
鏡の挿入部の先端に血液や粘液あるいは汚物等が付着
し、視野が妨げられたとき、圧力が異なる複数のガス管
路を選択し、その気腹用ガスの圧力によって硬性内視鏡
の挿入部の先端面に洗浄水を吹き付けて先端を洗浄し、
次に気腹用ガスを乾燥用ガスとして挿入部の先端に吹き
付けて水滴を吹き飛ばして乾燥することにより視野を確
保することにより、シースに硬性内視鏡を挿入したま
ま、観察途中で挿入部の先端のカバーガラス、レンズを
洗浄・乾燥でき、操作が容易で治療時間を短縮できると
ともに、任意のガス圧力によって気腹・洗浄できるとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施例に係わる硬性内視鏡装
置の概略的構成図。

【図２】同実施例のシースの縦断側面図。

【図３】この発明の第２の実施例のシースの正面図およ
び側面図。

【図４】この発明の第３の実施例の硬性内視鏡装置の概
略的構成図。

【図５】この発明の第４の実施例の硬性内視鏡装置の概
略的構成図。

【図６】同実施例のタイミングチャート図。

【図７】この発明の第５の実施例の送気・送水用チュー
ブの斜視図。

【図８】同実施例の送気・送水用チューブの使用状態を
示す概略的構成図。

【図９】従来の硬性内視鏡装置の使用状態の概略的構成
図。

【符号の説明】

４…硬性内視鏡、５…挿入部、１１…シース、２１…気
腹装置、２２…ガスボンベ（気腹ガス供給源）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者碓井健夫東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者野田賢司東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者谷沢信吉東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者関野直己東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者大明義直東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者萩野忠夫東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】腹壁を貫通して腹腔内に挿入するシース
と、このシースを案内として前記腹腔内に挿入部を挿入
する硬性内視鏡と、前記シースに接続され前記腹腔内に
気腹用ガスを送気する気腹装置とからなる硬性内視鏡装
置において、前記気腹装置に設けられ気腹ガス供給源か
ら供給された気腹ガスの圧力を制御するガス圧力制御手
段を有するガス管路と、このガス管路に接続され腹腔内
に送気する気腹用ガスと前記硬性内視鏡の挿入部の先端
面に乾燥用ガスを選択的に吹き付ける送気手段と、前記
ガス管路に接続され前記気腹用ガスの圧力によって前記
硬性内視鏡の挿入部の先端面に洗浄水を吹き付ける送水
手段とを具備したことを特徴とする硬性内視鏡装置。