JPH05199601A - 電気車制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組立が容易で、組立作業時間が短縮でき、故
障修理の容易な電気車制御装置を提供する。 【構成】 複数の下部箱枠22と上部箱枠21とを締結部材
14で連結し、下部箱枠22には制御用機器等を内蔵機器ユ
ニット23として収納し、上部箱枠21には外部回路と内蔵
機器ユニット23を接続する配線部材である制御回路配線
４及び主回路導体５等を収納し、配線部材と内蔵機器ユ
ニット23は着脱自在とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、電気車の床下に取り
付けて使用する電気車制御装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電気車の床下に取り付けて使用する電気
車制御装置は、通常艤装限界内に収納可能な寸法いっぱ
いの大きさで箱体を構成している。図５はその一例を示
す電気車の側面図であり、図６は図５のＡ−Ａ断面図で
ある。図に示すように電気車制御装置１は電気車17の床
下中央部に設けた配線ダクト18の両側に設置し、配線ダ
クト18から導出した外部配線19に接続している。

【０００３】図４は、例えば三菱電機技報Vol.65 No.6
P43 図２に示されたと同様な従来の電気車制御装置を
示す斜視図である。図において２は箱枠、３は半導体等
の部品で構成された内蔵機器、４は制御回路配線、５は
主回路電流を通電する主回路導体、６は機器側コネク
タ、７は艤装用コネクタ、８は艤装用端子台、９は点検
口、10は点検カバー、11は箱枠２を車体床下へ取り付け
るための取付座である。

【０００４】図に示すように、内蔵機器３は半導体ユニ
ットや制御部品を適当にまとめて配置しており、機器側
コネクタ６を介して制御回路配線４によって艤装用コネ
クタ７と、また一端を内蔵機器３に接続した主回路導体
５によって艤装用端子台８と接続されており、それぞれ
外部回路と電気的接続ができるようになっている。箱枠
２に内蔵機器部品類を組み込む時、及びそれらを点検修
理する時は、両側にある点検カバー10を開き点検口９よ
り行う。このように構成された電気車制御装置１は箱枠
２に付属した取付座11によって電気車床下に取り付けて
使用される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来の電気車制御装置
は以上のように構成されているので、装置を組み立てる
場合には、まず箱枠２内に主回路導体５を組み込み、次
に制御回路配線４を組み込み、付属する小物部品を組み
込んだ後に内蔵機器３を組み込んでいくと言うような組
立順位があり、従って、それらの作業を直列にする必要
があった。その上、箱枠２は電気車17の決められた艤装
限界内に収めるため、その大きさは制限されているの
で、箱枠内に内蔵機器類を組み込む作業性は悪く、組み
立てに多くの時間と労力を要していた。

【０００６】また、電気車制御装置１が故障した場合、
故障箇所を特定し、程度によっては解体修理するが、内
蔵機器３の取り外し取り付けがやりにくく、復旧に長時
間を要するという問題点があった。

【０００７】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、組立が容易で、作業時間が短縮
でき、故障時に復旧時間を短縮することができる電気車
制御装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明に係わる電気車
制御装置は、複数の下部箱枠と、その下部箱枠に連結す
る上部箱枠とで構成し、下部箱枠には制御用機器等を内
蔵機器ユニットとして収納し、上部箱枠には外部回路と
内蔵機器ユニットを接続する配線部材を収納し、その配
線部材と内蔵機器ユニットはコネクタ、端子台等で着脱
自在としたものである。

【０００９】また、電気車床下に取付た状態で、任意の
下部箱枠が内蔵機器ユニットを収納したまま上部箱枠か
ら脱着できるように構成したものである。

【００１０】

【作用】この発明における電気車制御装置は、箱枠を複
数に分割し、その箱枠に必要な機器部品のみをユニット
として収納したので、各箱枠単独で部品組込及び組立の
作業ができ、全体として並列作業が可能となる。

【００１１】また開口部が増えるので組立作業スペース
及びメンテナンススペースが少なくてすみ、また収納機
器の取付は箱枠壁面も利用できる。

【００１２】また、電気車床下に取り付けた電気車制御
装置を点検する場合や故障等で修理する場合、機器を収
納した箱枠単位で脱着することができる。

【００１３】

【実施例】実施例１．以下、この発明の一実施例を図に
ついて説明する。図１において、21は上部箱枠で、制御
回路配線４、主回路導体５、艤装用コネクタ７及び艤装
用端子台８等を収納する。22は複数個からなる下部箱枠
で、制御装置の主要構成部品であり半導体機器等からな
る内蔵機器ユニット23を収納する。下部箱枠22の前面及
び背面には点検口９を設けガスケット12を介して点検カ
バー10が開閉自在に取り付けてある。上部箱枠21の下面
及び下部箱枠22の上面には開口部13ａ，13ｂを設けてあ
り、箱枠締付部材14で両箱枠を連結することにより連通
して配線類の通路を形成する。11は装置全体の取付座で
ある。

【００１４】上部箱枠21に収納する制御回路配線４の一
端には機器側コネクタ６を付属し、他端は艤装用コネク
タ７に接続している。また、主回路導体５の一端は内蔵
機器ユニット23に接続できるようになっており、他端は
艤装用端子台８に接続している。

【００１５】図２は図１の断面図であり配線部材と内蔵
機器を接続した状態を示す。図のように下部箱枠22に収
納している内蔵機器ユニット23は上部箱枠21に収納して
いる制御回路配線４と機器側コネクタ６によって接続
し、また主回路導体５は内蔵機器ユニット23の機器側端
子台15へ導体締付部材16によって締結して電気回路を構
成している。

【００１６】以上のように、主に配線部材を収納する上
部箱枠21と、それに連結されて同種または異種の機器を
ユニットとして収納する複数の下部箱枠22と電気車制御
装置を構成する。電気車制御装置の電気車床下への取
付、及び外部配線との接続方法は従来例と同様である。

【００１７】本発明による電気車制御装置は次の手順で
組み立てる。まず、各箱枠が単独の状態で、上部箱枠21
には主回路導体５、制御回路配線４及びそれらの付属部
品を組み込む。下部箱枠22には内蔵機器ユニット23及び
その付属部品を組み込む。次に、上部箱枠21に下部箱枠
22を順次箱枠締付部材14によって連結して組み合わせて
いく。箱枠の組立後、図２に示した状態になるよう内蔵
機器ユニット23に制御回路配線４及び主回路導体５を接
続する。

【００１８】図３は下部箱枠22を上部箱枠21から分離し
た状態を示す断面図である。点検修理等のため下部箱枠
22を分離する場合は、組立手順とは逆に機器側コネクタ
６及び導体締付部材16を外した後、箱枠締付部材14を外
せば任意の下部箱枠22を取り外すことができる。

【００１９】以上説明したように、本発明による電気車
制御装置は、各箱枠内に収納部品を組み込む時は分割し
た箱枠単位で並列に作業ができる。それらの組込作業
は、上部箱枠21、下部箱枠22を連通する開口部13がある
ので余分な作業スペースやメンテナンススペースを必要
とせず、容易に行うことができる。また、箱枠壁面も部
品取付に利用できデッドスペースを減らせるので箱枠内
を有効に利用でき、従って制御装置全体もコンパクトに
することができる。更に、下部箱枠22を取り外す場合は
内蔵機器ユニット23を収納したまま１箱単位で任意の箱
を分離することができる。

【００２０】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば電気車
制御装置を上部箱枠と複数個の下部箱枠に分け、それぞ
れに機器・部材を収納したまま着脱可能に構成したの
で、各箱枠単位で制作及び収納機器の組み込みができ、
平行作業が可能となるので、作業時間が短縮できる。ま
た大きな開口部から箱枠単位で作業ができるため作業性
が向上する。

【００２１】更に、故障等で修理する場合、対象となる
機器ユニットを収納した箱枠単位で取り外すことができ
るため、箱枠ごと予備品と取り替えれば、復旧の時間を
大幅に短縮できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例による電気車制御装置の斜
視図である。

【図２】この発明の一実施例による電気車制御装置の断
面図である。

【図３】この発明の一実施例の下部箱枠部分を分離した
断面図である。

【図４】従来の電気車制御装置の斜視図である。

【図５】電気車の側面図である。

【図６】電気車の断面図である。

【符号の説明】

４ 制御回路配線 ５ 主回路導体 ６ 機器側コネクタ ７ 艤装用コネクタ ８ 艤装用端子台 14 箱枠締付部材 21 上部箱枠 22 下部箱枠 23 内蔵機器ユニット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気車床下に取り付けて外部回路と機器
   ユニットを接続する配線部材を収納する箱体と、前記機
   器ユニットを内蔵する複数の箱体とを、締結部材によっ
   て連結して構成したことを特徴とする電気車制御装置。