JPH05196589A - 穀粒乾燥機の検出穀粒水分表示方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】穀粒の乾燥が開始されて初回に表示される穀粒
水分を短時間の内に表示させようとするものである。 【構成】穀粒の乾燥が開始されて初回に表示される穀粒
水分は、通常の一粒づつ所定粒数検出より、少ない粒数
の穀粒水分が水分センサ３で検出され、この検出された
少ない粒数の平均値が算出され、この算出された平均値
が初回の検出穀粒水分として表示され、引き続き通常の
所定粒数が検出されて、平均値が算出され、この通常粒
数の検出穀粒水分に表示が変更される。 【効果】乾燥開始の初回の水分表示が早くなり、正常な
運転状態であるか否かの確認が早くできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、穀粒乾燥機の検出穀
粒水分表示方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来は、上部の穀粒貯留室から下部の穀
粒乾燥室へ穀粒を繰出し流下させながら、熱風が該乾燥
室へ通過されて乾燥されながら、乾燥中の穀粒水分は、
一粒づつ所定粒数検出されて平均値が算出されて、この
算出の平均値を一回の検出穀粒水分として表示され、乾
燥開始の初回に表示する検出穀粒水分の粒数と、乾燥途
中に表示する検出穀粒水分の粒数とは同じ粒数を検出し
て、穀粒水分として表示する方式であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】穀粒乾燥機の穀粒貯留
室内に収容された穀粒は、この貯留室から穀粒乾燥室内
を繰出し流下されながら、熱風が該乾燥室を通過するこ
とにより、この熱風に流下中の穀粒は晒されて乾燥され
ながら、この循環乾燥中の一部の穀粒が水分センサへ供
給され、この水分センサが所定時間間隔で始動されて、
例えば、一粒づつ３２粒の穀粒水分が検出されて、この
３２粒の平均値が算出され、この算出された平均値が１
回の検出穀粒水分として表示され、以後は所定時間間隔
で検出される。又この表示される検出穀粒水分が仕上目
標穀粒水分に達すると乾燥が終了したとして、該乾燥機
が自動されて穀粒の乾燥が停止される。

【０００４】この穀粒乾燥開始のときに、初回の穀粒水
分表示までの時間が３２粒の穀粒水分検出のため長時間
を要していたが、この初回の穀粒水分表示までの時間を
短かくさせようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、上部の穀粒
貯留室１から下部の穀粒乾燥室２へ穀粒を繰出し流下さ
せながら熱風を該乾燥室２へ通風して乾燥すると共に、
乾燥中の穀粒水分を通常は一粒づつ所定粒数検出して平
均値を算出して一回の検出穀粒水分として表示する水分
センサ３を設けた穀粒乾燥機において、乾燥開始の初回
に表示する穀粒水分は通常の平均値を算出する該所定粒
数より少ない粒数の所定粒数で穀粒水分の平均値を算出
して初回表示穀粒水分として表示してその後に通常の該
穀粒水分平均値の算出が終了するとこの通常の算出され
た穀粒水分平均値に切換制御手段で切換て表示すること
を特徴とする検出穀粒水分表示方式の構成とする。

【０００６】

【発明の作用】穀粒乾燥機の穀粒貯留室１へ収容された
穀粒は、この貯留室１から穀粒乾燥室２内を繰出し流下
されながら、熱風が該乾燥室２内を通過することによ
り、この熱風に流下中の穀粒は晒されて乾燥されなが
ら、この循環乾燥中の一部の穀粒が水分センサ３へ供給
され、この水分センサ３が所定時間間隔で始動され、例
えば、乾燥開始の初回の穀粒水分検出は、一粒づつ５粒
の穀粒水分が検出されて、この５粒の平均値が算出さ
れ、この算出された５粒の平均値が初回の検出穀粒水分
として表示され、この５粒に続いて一粒づつ２７粒の穀
粒水分が検出され、合計３２粒の穀粒水分が検出され
て、この３２粒の平均値が１回の検出穀粒水分とされ、
表示されている５粒の平均検出穀粒水分がこの算出され
た３２粒の平均検出穀粒水分に切換えられて表示され
る。以後は所定時間間隔で通常の３２粒の穀粒水分の平
均値が算出され、この算出された平均値が１回の検出穀
粒水分として表示される。又この表示される検出穀粒水
分が仕上目標水分に達すると乾燥が終了したとして、該
乾燥機が自動停止されて穀粒の乾燥が停止される。

【０００７】

【発明の効果】この発明により、乾燥開始の初回の穀粒
水分の表示は、通常の水分検出の穀粒粒数より少ない粒
数で平均値が算出され、この少粒数の平均値が検出穀粒
水分として表示されることにより、穀粒水分の表示が早
くなり、正常な運転状態であるか否かの確認が早くでき
るし、５粒平均の表示であり、このためサンプル誤差に
よる特異値を表示することがなく、又初期の５粒測定後
は、通常粒数の３２粒で総計的平均値を表示するため精
度良く表示できる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図例は、穀粒を乾燥する循環型の穀粒乾燥機４
に穀粒の水分を検出する水分センサ３及び熱風が発生す
るバーナ５等を装着した状態を示すものである。この乾
燥機４は、前後方向に長い長方形状で機壁６上部には、
移送螺旋を回転自在に内装した移送樋７及び天井板８を
設け、この天井板８下側には穀粒を貯留する貯留室１を
形成した構成としている。

【０００９】穀粒乾燥室２，２は、該貯留室１下側にお
いて、左右両側の排風室９，９と中央の送室１０との間
に設け、この乾燥室２下部には、穀粒を繰出し流下させ
る繰出バルブ１１を回転自在に軸支している。集穀樋１
２は、移送螺旋を回転自在に軸支し、該乾燥室２，２下
側に設けて連通させた構成としている。

【００１０】前記バーナ５は、バーナケース１３に内装
して設け、このバーナケース１３は、前記機壁６正面側
において、前記送風室１０入口側に対応すべくこの機壁
６外側面に設けると共に、このバーナ５、前記水分セン
サ３及び前記乾燥機４を張込、乾燥及び排出の各作業別
に始動及び停止操作する操作装置１４を着脱自在に設け
ている。

【００１１】排風機１７は、前記機壁６の背面側で、左
右の前記排風室９，９に連通すべく設けた排風路室１５
中央後部側排風胴１６に設け、又この背面側の機壁６に
は、この排風機１７を回転駆動する排風機モータ１８を
設けている。１９はバルブモータで前記繰出バルブ１
１，１１を減速機構を介して回転駆動する構成としてい
る。

【００１２】燃料バルブを有する燃料ポンプ２０は、前
記バーナケース１３下板外側に設け、この燃料バルブの
開閉により、この燃料ポンプ２０で燃料タンク２１内の
燃料を吸入して、前記バーナ５へ供給する構成である。
又送風機２２は、上板外側に設け、変速用の送風機モー
タ２３で変速回転駆動する構成であり、供給燃料量に見
合った燃焼用空気を該バーナ５へこの送風機２２で送風
する構成としている。

【００１３】拡散盤２４は、前記移送樋７底板の前後方
向中央部で、移送穀粒を前記貯留室１へ供給する供給口
の下面に設け、該貯留室１内へ穀粒を均等に拡散還元す
る構成としている。昇穀機２５は、前記機壁６前側外部
に設けられ、内部にはバケットコンベア２６付ベルトを
張設してなり、上端部は、前記移送樋７始端部との間に
おいて投出筒２７を設けて連通させ、下端部は、前記集
穀樋１２終端部との間において供給樋２８を設けて連通
させた構成としている。

【００１４】２９は昇穀機モータで、該バケットコンベ
ア２６付ベルト、前記移送樋７内の前記移送螺旋、前記
拡散盤２４及び前記集穀樋１２内の前記移送螺旋等を回
転駆動する構成としている。前記水分センサ３は、前記
昇穀機２５の上下方向ほぼ中央部に設け、この水分セン
サ３は前記操作装置１４からの電気的測定信号の発信に
より、水分モータ３０が回転してこの水分センサ３の各
部が回転駆動される構成としている。

【００１５】前記水分センサ３は、箱形状の機枠３１′
内には、上部より前記バケットコンベア２６で上部へ搬
送中に落下する穀粒を受け、この穀粒を一粒づつ繰込む
繰込ロール３１を回転自在に設け、この繰込ロール３１
下側には、該繰込ロール３１より供給される一粒づつの
穀粒を一粒づつ挾圧粉砕すると同時に、この粉砕穀粒の
電気抵抗値が検出され、この電気抵抗値を水分値に置換
して水分を検出する一対の検出ロール３２，３２を回転
自在に設け、これら検出ロール３２，３２下側には、該
検出ロール３２，３２に付着する粉砕穀粒を除去する清
掃ロール３３，３３を固定して設け、又水分検出済粉砕
穀粒及び該繰込ロール３１へ繰込まれなかった残穀粒を
前記昇穀機２５へ還元流下する案内流下棚３４を設けた
構成としている。

【００１６】前記操作装置１４は、箱形状でこの箱体の
表面板には、前記乾燥機４を張込、乾燥及び排出の各作
業別に始動操作する各始動スイッチ３５、停止操作する
停止スイッチ３６、該乾燥機４で乾燥する穀粒の仕上目
標水分を操作位置により設定する水分設定抓み３７、前
記バーナ５から発生する熱風温度を操作位置により設定
する穀物種類設定抓み３８及び張込量設定抓み３９を設
け、各種項目をデジタル表示するデジタル表示部４０を
設けた構成としている。

【００１７】又内部には前記水分センサ３及び熱風温セ
ンサ４１等が検出する検出値、該スイッチ３５，３６の
操作及び該設定抓み３７，３８，３９の操作が入力さ
れ、算術論理演算及び比較演算等を行なうＣＰＵ４２等
よりなる切換制御手段の制御装置４３を内蔵する構成で
あり、又該ＣＰＵ４２で前記各モータ１８，１９，２
３，２９，３０及び前記燃料ポンプ２０等を始動、停止
及び制御する構成であり、該設定抓み３７，３８，３９
はロータリスイッチ方式とし、操作位置によって所定の
数値及び種類等が設定される構成としている。

【００１８】前記制御装置４３による検出穀粒水分表示
制御は、下記の如く行われる構成である。即ち、前記乾
燥作業を開始する前記始動スイッチ３５の操作が前記Ｃ
ＰＵ４２へ入力され、この入力により穀粒の乾燥が開始
され、この乾燥開始により前記水分センサ３が始動制御
されて、一粒づつ穀粒水分が検出されて該ＣＰＵ４２へ
入力され、例えば、５粒の穀粒水分が検出されて入力さ
れると、この５粒の検出穀粒水分の平均値が算出され、
この算出された５粒の平均穀粒水分が、前記表示部４０
へ乾燥開始の初回の検出穀粒水分として表示される構成
としている。

【００１９】更に、引き続き前記水分センサ３で一粒づ
つ２７粒の穀粒水分が検出されて前記ＣＰＵ４２へ入力
され、合計３２粒の穀粒水分が検出されると、この３２
粒の平均値が算出され、この３２粒は約８分間で検出さ
れる構成であり、この算出された３２粒の平均穀粒水分
が１回の検出穀粒水分とされ、表示されている５粒の平
均穀粒水分が消却されて、かわってこの算出された３２
粒の検出穀粒水分が、前記表示部４０へ表示される構成
であり、以後は、順次一粒づつ３２粒を検出後に１０分
が経過すると、測定信号が該ＣＰＵ４２より発信され、
上記と同じに一粒づつ３２粒検出されて検出穀粒水分が
算出され、この検出穀粒水分が順次表示される構成とし
ている。

【００２０】又前記水分センサ３で検出して表示されて
いる検出穀粒水分が、前記水分設定抓み３７を操作して
設定された仕上目標水分と同じになると、穀粒の乾燥が
終了したとして、前記乾燥機４は前記ＣＰＵ４２で自動
停止制御される構成としている。併せて、前記制御装置
４３は次の機能を有する。前記設定抓み３８，３９を操
作して設定された設定熱風温度と前記熱風温センサ４１
が検出する検出熱風温度とが比較され、設定熱風温度と
同じ温度になるように、前記燃料バルブの開閉回数が増
減制御され、前記燃料ポンプ２０で前記燃料タンク２１
より吸収する燃料量を増減制御する構成としている。

【００２１】又前記水分センサ３が検出する、例えば、
４回の検出穀粒水分より、下記式及び図７の如く、乾燥
速度を算出する算出式を設定した構成であり、検出穀粒
水分個数（ｎ）＝４個のデータで算出すると、測定間隔
は、図７の如く、ほぼ等分とみなして（ａ）とし、検出
穀粒水分（ｙ₁〜ｙ₄）とすると、下記の算出式が成立
し、この算出式によって穀粒の乾燥速度を算出する構成
であり、これにより乾燥速度が簡単に算出でき、又算出
時間が短時間で可能な構成としている。 ｂ＝傾き（乾燥速度）＝Ｓｚｙ／Ｓｘｘ ＝Σ（ｘｉ−ｚ）（ｙｉ−ｗ）／Σ（ｘｉ−ｚ）² ＝（ｘ₁−ｚ）（ｙ₁−ｗ）＋（ｘ₂−ｚ）（ｙ₂−ｗ）＋ （ｘ₃−ｚ）（ｙ₃−ｗ）＋（ｘ₄−ｚ）（ｙ₄−ｗ）／ （ｘ₁＋ｚ）²＋（ｘ₂＋ｚ）²＋（ｘ₃−ｚ）²＋ （ｘ₄−ｚ）² ＝−１．５ａ（ｙ₁−ｗ）−０．５ａ（ｙ₂−ｗ）＋ ０．５（ｙ₂−ｗ）＋１．５（ｙ₄−ｗ）／ （−１．５ａ）²＋（−０．５ａ）²＋（０．５ａ）²＋ （１．５ａ）² ＝１．５ａ（ｙ₄−ｙ₁）＋０．５ａ（ｙ₃−ｙ₂）／５ａ
² ＝１．５／５ａ（ｙ₄−ｙ₁）＋０．５／５ａ（ｙ₃−
ｙ₂） 以下、上記実施例の作用について説明する。

【００２２】操作装置１４の設定抓み３７，３８，３９
を所定位置へ操作し、穀粒の乾燥作業を開始する始動ス
イッチ３５を操作することにより、穀粒乾燥機４の各
部、バーナ５及び水分センサ３等が始動し、該バーナ５
から熱風が発生し、この熱風は送風室１０から穀粒乾燥
室２を通過して排風室９及び排風路室１５を経て排風機
１７で吸引排風されることにより、穀粒貯留室１内へ収
容された穀粒は、この貯留室１から該乾燥室２内を流下
中にこの熱風に晒されて乾燥され、繰出バルブ１１で下
部へと繰出されて流下して集穀樋１２から供給樋２８を
経て昇穀機２５内へ下部の移送螺旋で移送供給され、バ
ケットコンベア２６で上部へ搬送されて投出筒２７を経
て移送樋７内へ供給され、この移送樋７ら拡散盤２４上
へ上部の移送螺旋で移送供給され、この拡散盤２４で該
貯留室１内へ均等に拡散還元されて循環乾燥され、該水
分設定抓み３７を操作して設定した仕上目標水分と同じ
穀粒水分を該水分センサ３が検出すると、穀粒の乾燥が
終了したと検出され、制御装置４３で自動制御して該乾
燥機４が自動停止され、穀粒の乾燥が停止される。

【００２３】この乾燥が開始され、該水分センサ３が、
例えば、一粒づつ５粒の穀粒水分を検出すると、この５
粒の穀粒水分の平均値が算出され、この算出された５粒
の平均値の穀粒水分が、該操作装置１４の表示部４０へ
乾燥開始初回の検出穀粒水分として表示される。引き続
き該水分センサ３で一粒づつ２７粒の穀粒水分が検出さ
れ、合計３２粒の穀粒水分を検出すると、この３２粒の
穀粒水分の平均値が算出され、この算出された３２粒の
平均値を１回の検出穀粒水分とし、表示されている５粒
の検出穀粒水分が消却され、かわってこの３２粒の検出
穀粒水分が、該表示部４０へ表示され、以後は、所定時
間間隔で検出される３２粒の平均値の検出穀粒水分が、
順次表示部４０へ表示される。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の一実施例を示す。

【図１】ブロック図。

【図２】水分センサの拡大側断面図。

【図３】水分センサの拡大背面図。

【図４】穀粒乾燥機の一部破断せる全体側面図。

【図５】図４のＡ−Ａ拡大断面図。

【図６】穀粒乾燥機の一部の一部破断せる拡大正面図。

【図７】乾燥時間と穀粒水分値とによる乾燥速度の関係
図。

【符号の説明】

１ 穀粒貯留室 ２ 穀粒乾燥室 ３ 水分センサ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 啓市 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 藤岡 定和 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部の穀粒貯留室１から下部の穀粒乾燥
   室２へ穀粒を繰出し流下させながら熱風を該乾燥室２へ
   通風して乾燥すると共に、乾燥中の穀粒水分を通常は一
   粒づつ所定粒数検出して平均値を算出して一回の検出穀
   粒水分として表示する水分センサ３を設けた穀粒乾燥機
   において、乾燥開始の初回に表示する穀粒水分は通常の
   平均値を算出する該所定粒数より少ない粒数の所定粒数
   で穀粒水分の平均値を算出して初回表示穀粒水分として
   表示してその後に通常の該穀粒水分平均値の算出が終了
   するとこの通常の算出された穀粒水分平均値に切換制御
   手段で切換て表示することを特徴とする検出穀粒水分表
   示方式。