JPH0519630U - トランスミツシヨンのアウトプツトシヤフト構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トランスミッションのアウトプットシャフト
をシャフトハウジングから容易に抜き取って容易に交換
をすることができるようにする。 【構成】 シャフトハウジング１１内に抜き差し可能に
挿入されたシャフト部１２の一端部にコンパニオンフラ
ンジ１３を有するアウトプットシャフト１０において、
前記シャフト部１２の一端部にスプライン１４を形成
し、前記コンパニオンフランジ１３に前記スプライン１
４に対応するスプライン穴１７を形成し、これらスプラ
イン１４とスプライン穴１７との嵌合によりシャフト部
１２とコンパニオンフランジ１３とを分離可能に結合す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は自動車のトランスミッションに組み込まれるアウトプットシャフト の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車のエンジンのトルクは、トランスミッションのアウトプットシャフトを 介してデファレンシャルに伝えられ、このデファレンシャルの動作で車輪が駆動 されるようになっている。

【０００３】 図３にトランスミッションの一部の構造を示し、１がエンジンのトルクをデフ ァレシャルに伝えるアウトプットシャフトで、このアウトプットシャフト１はシ ャフト部２の一端に比較的大径のコンパニオンフランジ３を有し、前記シャフト 部２がシャフトハウジング４内に抜き差し可能に挿入されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このようなアウトプットシャフト１の交換に際しては、シャフト部２をシャフ トハウジング４内から矢印Ａ方向に引き抜くわけであるが、シャフト部２の一端 部には大径のコンパニオンフランジ３が一体に設けられているから、その引き抜 き方向にコンパニオンフランジ３の外形形状よりも大きい拡がりを有しかつシャ フト部２の長さのストローク分に相当するスペースを確保しなければならない。

【０００５】 しかしながらトランスミッションの周辺の車体内には各種の部材が配置してお り、このためコンパニオンフランジ３の外形形状よりも広いスペースをシャフト 部２の長さのストローク分に亘って確保することは難しく、アウトプットシャフ ト１の交換の作業が相当面倒なものとなる難点があった。

【０００６】 この考案はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは 、 アウトプットシャフトの交換を容易に能率よく行うことができるトランスミ ッションのアウトプットシャフアト構造を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案はこのような目的を達成するために、シャフトハウジング内に抜き差 し可能に挿入されたシャフト部の一端部にコンパニオンフランジを有するアウト プットシャフトにおいて、前記シャフト部の一端部にスプラインを形成し、前記 コンパニオンフランジに前記スプラインに対応するスプライン穴を形成し、これ らスプラインとスプライン穴との嵌合によりシャフト部とコンパニオンフランジ とを分離可能に結合するようにしたものである。

【０００８】

【作用】

このような構成においては、スプラインとスプライン穴との嵌合によりシャフ ト部とコンパニオンフランジとが一体に回転する。そしてアウトプットシャフト をシャフトハウジング内から抜き取る際には、まずコンパニオンフランジを引く 抜いてシャフト部から分離させ、こののちシャフト部を単独の状態でシャフトハ ウジング内から引き抜くことが可能となる。シャフト部はコンパニオンフランジ に比べてその外形形状が小さいから、従来のようにコンパニオンフランジと一体 に引き抜く場合のようにシャフトハウジングの外方にコンパニオンフランジの外 形形状よりも広いスペースを確保することなく容易に能率よく引き抜くことがで きる。

【０００９】

【実施例】

以下、この考案の一実施例について図１および図２を参照して説明する。

【００１０】 図中１０はアウトプットシャフトで、このアウトプットシャフト１０はシャフ トハウジング１１内に抜き差し可能に挿入されたシャフト部１２と、このシャフ ト部１２の一端部に設けられたコンパニオンフランジ１３とで構成されている。

【００１１】 シャフト部１２の一端部の外周にはインボリュートスプライン１４が形成され ている。またコンパニオンフランジ１３は大径部１５と、この大径部１５の一端 面側に同心的に一体に形成された小径部１６とで構成されている。そして前記小 径部１６の中心部に前記スプライン１４に対応するスプライン穴１７が形成され 、このスプライン穴１７内に前記スプライン１４がその軸方向に対して摺動可能 に嵌合され、この嵌合によりシャフト部１２と一体にコンパニオンフランジ１３ が回転するようになっている。

【００１２】 コンパニオンフランジ１３における小径部１６の外周とシャフトハウジング１ １の内周との間にはベアリング２０およびオイルシール２１が設けられ、前記ベ アリング２０によりコンパニオンフランジ１３がシャフトハウジング１１に対し て回転自在に支持され、また前記オイルシール２１によりシャフトハウジング１ １内のオイルの漏れが防止されている。

【００１３】 前記小径部１６の内周部には、図２に示すようにスナップリング２４が装着さ れ、このスナップリング２４にシャフト部１２の一端側の端面が当接し、この当 接によりシャフト部１２のシャフトハウジング１１の外方への抜け止めが図られ ている。またシャフト部１２の一端部の外周にはその周方向に沿って凹溝２５が 形成され、この凹溝２５にＯリング２６が装着され、このＯリング２６によりシ ャフト部１２のスプライン１４とコンパニオンフランジ１３のスプライン穴１７ との間が封止されてシャフトハウジング１１内のオイルの漏れが防止されている 。

【００１４】 このような構成においては、アウトプットシャフト１０の交換に際し、まずコ ンパニオンフランジ１３をシャフトハウジング１１の外方（矢印Ａ方向）へ向か って引き抜く。このコンパニオンフランジ１３はシャフト部１２とスプライン１ ４を介して分離可能に結合されてから、その引き抜きに応じてコンパニオンフラ ンジ１３がシャフト部１２から離脱し、このコンパニオンフランジ１３が単独で シャフトハウジング１１から取り外される。こののちシャフト部１２をシャフト ハウジング１１内から引き抜く。

【００１５】 このようにコンパニオンフランジ１３をシャフト部１２から分離して取り外す ことでき、したがってコンパニオンフランジ１３の引き抜きに要するストロール の長さは僅かな寸法で済む。そしてシャフト部１２を引き抜く際には、これがコ ンパニオンフランジ１３に比べてその外形が小さいから、従来のようにコンパニ オンフランジ１３と一体に引き抜く場合のようにシャフトハウジング１１の外方 にコンパニオンフランジ１３の外形形状よりも広いスペースを確保することなく 容易に能率よく引き抜くことができる。

【００１６】 なお、前記実施例におけるＯリング２６をシャフト部１２の一端側の端部でス プライン穴１７と噛合しないような部分に設けるようにすれば、スナップリング ２４を取り外すだけで、コンパニオンフランジ１３をシャフトハウジング１１に 取り付けたまま、シャフト部１２のみをシャフトハウジング１１内から抜き取る ことが可能である。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したようにこの考案によれば、シャフト部の一端部にスプラインを形 成し、コンパニオンフランジに前記スプラインに対応するスプライン穴を形成し 、これらスプラインとスプライン穴との嵌合によりシャフト部とコンパニオンフ ランジとを分離可能に結合したから、コンパニオンフランジとシャフト部とを別 けて抜き取ることができ、シャフトハウジングの外方にコンパニオンフランジの 外形形状よりも広いスペースをシャフト部の長さのストローク分に亘って確保す るような必要がなく、したがってアウトプットシャフトを容易に能率よく引き抜 いて交換をすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す断面図。

【図２】その一部を拡大して示す断面図。

【図３】従来技術を示す断面図。

【符号の説明】

１０…アウトプットシャフト １１…シャフトハウジング １２…シャフト部 １３…コンパニオンフランジ １４…スプライン １７…スプライン穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シャフトハウジング内に抜き差し可能に挿
   入されたシャフト部の一端部にコンパニオンフランジを
   有するアウトプットシャフトにおいて、前記シャフト部
   の一端部にスプラインを形成し、前記コンパニオンフラ
   ンジに前記スプラインに対応するスプライン穴を形成
   し、これらスプラインとスプライン穴との嵌合によりシ
   ャフト部とコンパニオンフランジとを分離可能に結合し
   てあることを特徴とするトランスミッションのアウトプ
   ットシャフト構造。