JPH05195487A - 金属蒸着紙 - Google Patents

金属蒸着紙

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JPH05195487A
JPH05195487A JP491992A JP491992A JPH05195487A JP H05195487 A JPH05195487 A JP H05195487A JP 491992 A JP491992 A JP 491992A JP 491992 A JP491992 A JP 491992A JP H05195487 A JPH05195487 A JP H05195487A
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JP491992A
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Masaru Tsuji
勝 辻
Tomofumi Tokiyoshi
智文 時吉
Osamu Kitao
修 北尾
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Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属蒸着紙、特にビール瓶や包火用紙(煙草
用)等に用いられるアルミニウム蒸着紙に関し、巻取り
状態或は積み重ねた状態で保管されたアルミニウム蒸着
紙の蒸着層表面に合成樹脂をコーティングする際に発生
し易い合成樹脂に対する蒸着層の接着性低下を大幅に抑
制し、優れた接着性能を維持したアルミニウム蒸着紙を
提供するものである。 【構成】基紙上に直接、又は基紙上に水性塗被組成物を
形成させた後に合成樹脂を主成分とするアンダーコート
層を設け、さらに金属蒸着層を設けた金属蒸着紙におい
て、該基紙中の有機塩素化合物に係る塩素の量を400
ppm以下に特定した金属蒸着紙である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属蒸着紙に関し、特
にビール瓶や包火用紙(煙草用)等に用いられるアルミ
ニウム蒸着紙に関し、その製造過程で一旦巻き取り状態
で保管されたアルミニウム蒸着紙の蒸着層に合成樹脂の
オーバーコートを施す際に、合成樹脂と蒸着層が良好な
接着性を発揮するように改良されたアルミニウム蒸着紙
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属蒸着が可能な金属材料とし
ては、単体、合金、金属酸化物等があり、例えばアルミ
ニウム、金、銀、銅、カドミウム、ニッケル、亜鉛等が
あり、装飾用、電子工業用等に使用される。これらのう
ち、アルミニウムはコストと外観の点から好ましく、最
も広範に使用されている。
【0003】因みに、アルミニウム蒸着紙は、酒、ビー
ル、清涼飲料水等のラベル用紙、包火用紙、菓子類の包
装用紙等として広く用いられている。そして、このよう
なアルミニウム蒸着紙の製造方法としては直接法と転写
法の2種類がある。
【0004】即ち、直接法は、基紙上に直接、又は基紙
上に水性塗被組成物を塗被、乾燥後合成樹脂を主成分と
するアンダーコート層を設けた原紙(以下、これらを単
に“原紙”と称す)の上にアルミニウムを蒸着する方法
である。一方、転写法は、プラスチックフィルムに剥離
層を形成せしめ、この上にアルミニウムを蒸着し、次に
接着剤を介して原紙と貼合わせ、蒸着層を原紙に転写す
る方法である。
【0005】そして、直接法、或いは転写法(剥離層が
保護層を兼ねている場合は除く)で得られたアルミニウ
ム蒸着層の表面は、蒸着面の保護のために樹脂コーティ
ング(オーバーコート層)を施すのが一般的である。本
来、蒸着直後のアルミニウム層の表面は、化学的に活性
で樹脂コーティング処理に対して良好な接着性を有して
いる。しかし、直接法及び転写法のいずれの場合にも、
蒸着紙は樹脂コーティングを施される前に一旦巻取り状
態で保管される。この場合、時間の経過と共にアルミニ
ウム蒸着層表面が良好な接着性を失ってしまうといった
現象がある。この現象は、アルミニウム層表面が蒸着紙
裏面、即ち原紙裏面と対面接触することにより、蒸着紙
裏面からの汚染物質がアルミニウム層表面に転移して表
面を汚染するためであると推定される。
【0006】そのために、蒸着紙裏面にPVA樹脂を塗
工しバリヤー層を設け汚染物質の転移を防ぐ方法(特開
昭 56 −140197)や、特定のサイズ剤を含有する基紙を
用いることでアルミニウム層表面の汚染を減少させる方
法(特開昭 61 −124693)等が提案されている。しかし
ながら、これらの方法でも十分な改良効果が得られず、
オーバーコート層用合成樹脂とアルミニウム蒸着層との
より優れた接着性を示すアルミニウム蒸着紙が強く要望
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
実状から、金属蒸着紙のうち、その利用範囲が最も広い
アルミニウム蒸着紙に関し、巻取り状態或いは積重ねら
れた状態で保管されたアルミニウム蒸着紙の蒸着層表面
に、合成樹脂コーティングを施す際にしばしば見られ
る、合成樹脂に対する接着性の低下を抑制することによ
って、その接着性が大幅に改良されたアルミニウム蒸着
紙を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、基紙上に直
接、又は基紙上に水性塗被組成物を形成させた後に合成
樹脂を主成分とするアンダーコート層を設け、さらに金
属蒸着層を設けた金属蒸着紙において、該基紙中の有機
塩素化合物に係る塩素の量が400ppm以下であるこ
とを特徴とする金属蒸着紙である。
【0009】
【作用】直接法或いは転写法において、原紙上にアルミ
ニウム蒸着層を設けた後、巻取りの状態或るいは積重ね
た状態で長時間放置されたアルミニウム蒸着層の表面
は、オーバーコーティング用合成樹脂との接着性が著し
く低下する現象がみられることについては既に述べた。
しかしながら、ポリエステルフィルム等にアルミニウム
を蒸着し、巻取りの状態で長時間放置しても上述のよう
な接着性の低下は見られない。
【0010】本発明者等は、上記の如き現象から、巻取
り或いは積み重ねられた状態で保管されたアルミニウム
蒸着層表面と原紙の裏面が加圧状態で対面接触されてい
ることに着目し、ポリエステルフィルムにアルミニウム
を蒸着(蒸着の条件は対象とする原紙に蒸着する場合と
同様で、以下フィルムに蒸着層を設けるときも同様とす
る。)して、蒸着後の表面に対し(イ)何も接触させな
い状態、(ロ)基紙、及び(ハ)ポリエステルフィルム
を接触させて50℃の雰囲気中で、50g/cm2 の圧
力を所定時間加えた後、アルミニウム蒸着面とオーバー
コーティング樹脂との接着性について評価した結果、
(イ)何も接触させない状態及び(ハ)ポリエステルフ
ィルムを接触させた状態に比べ、(ロ)基紙を接触させ
た場合には著しい接着性の低下がみられた。この結果か
ら、該方法を採用すれば、巻取り状態で放置されたアル
ミニウム蒸着面とオーバーコーティング用合成樹脂との
接着性を評価できることが判った。
【0011】これらの知見から、本発明者等はアルミニ
ウム蒸着紙の基紙について鋭意研究、検討を重ねた結
果、巻取り状態で放置されたアルミニウム蒸着面とオー
バーコーティング用合成樹脂との接着性が基紙中に存在
する有機塩素化合物に係る塩素の量(以下、単に有機塩
素量と称する)に起因していることを見出した。即ち、
基紙中に存在する有機塩素量が多いと接着性が悪化し、
少ないと接着性が改善されることが判った。
【0012】この理由は、基紙に存在する有機塩素が接
触するアルミニウム蒸着層の表面を腐食させるために、
アルミニウム蒸着層の表面の自然分極電位値に変化が生
じ、結果として、合成樹脂とアルミニウムの接着性が低
下するものと推定される。
【0013】なお、本発明でいう有機塩素量とは基紙を
燃焼して得られるガスを活性炭に吸着させた後、この活
性炭をA0X(Adsorbable organic
halogens)分析装置を用いて分析して得られ
る全塩素量から、基紙を熱水抽出し、抽出液をイオンク
ロマトグラフで分析して得られる塩素量を差し引いたも
のである。
【0014】因みに、従来の白色パルプを主成分とする
基紙中には有機塩素量が概略500〜1000ppmと
多く含まれる。これは基紙を構成する白色パルプ繊維が
広葉樹、針葉樹等の木材、或いはケナフ、竹、麻、ミツ
マタ等の非木材を原料として製造される過程において、
塩素系漂白薬品を多く使用しており、この塩素系漂白薬
品が木材や非木材中のリグニンや樹脂等と反応して、種
々の有機塩素化合物を生成することによる。
【0015】通常、KPやSP法で得られた未蒸解パル
プの漂白方法は塩素(C)−苛性ソーダ(E)−次亜塩
素酸ソーダ(H)−二酸化塩素(D)、或いはC−E−
D−E−D等の塩素系薬品による多段処理が主体であ
り、得られた白色パルプ繊維中の有機塩素量は500〜
1000ppm程度である。
【0016】本発明では、巻取り状態で放置されたアル
ミニウム蒸着面とオーバーコーティング用合成樹脂との
接着性を改善する為に、基紙中の有機塩素量を400p
pm以下、好ましくは200ppm以下に特定するもの
である。因みに、基紙中の有機塩素量が400ppmを
越える従来の基紙では接着性が悪い。なお、基紙中の有
機塩素量を400ppm以下にするためには、化学パル
プ化法では蒸解後酸素系の漂白剤(酸素、オゾン、過酸
化水素等)により、一段或いは多段処理された後、塩
素、二酸化塩素、次亜塩素酸ソーダ、苛性ソーダ、酸
素、オゾン、過酸化水素等の薬品を適宜組み合わせ、多
段処理して得られる。漂白薬品の組み合わせ、処理段数
は、所望のパルプ白色度により適宜選択すれば良く、特
に限定されるものではない。
【0017】また、機械パルプ化法では塩素、二酸化塩
素、次亜塩素酸ソーダ等の塩素系漂白薬品は使用せず
に、酸素、オゾン、過酸化水素等の酸素系漂白薬品やソ
ジウムハイドロサルファイト、ジンクハイドロサルファ
イト等の還元剤の一段或いは多段処理が施される。従っ
て、パルプ繊維中の有機塩素量は相対的に少ないもので
ある。いずれにしろ、漂白薬品の組み合わせ、処理段数
は、所望のパルプ白色度により適宜選択すれば良く、特
に限定されるものではない。
【0018】その他にも、有機塩素量が400ppm以
下のパルプ繊維から構成された古紙を原料とし、再生パ
ルプ化工程で酸素系薬品を使用した再生パルプ等も適宜
使用される。これらのパルプは、所望する品質に応じ
て、適宜選択、配合して使用される。
【0019】本発明における抄紙方法は所謂酸性抄紙、
中性抄紙等と限定することなく全ての抄紙方法を適用で
きる。なお、抄紙時には、パルプスラリーに填料、サイ
ズ剤、歩留向上剤、紙力増強剤、耐水化剤、染料、硫酸
バンド、消泡剤等の各種助剤を適宜添加することができ
る。抄紙機はワイヤー部に長網式、ツインワイヤー式、
丸網式、またドライヤー部に多筒式、ヤンキー式、多筒
とヤンキーの組合わせ等を使用することができ、特に、
ヤンキー式の場合には基紙面が平滑にできるので好まし
い。
【0020】なお、アルミニウム蒸着層と原紙との接着
強度を高めるために、基紙面に顔料及び接着剤を主成分
とする水性塗被組成物からなる塗被層を設けることもで
きる。この場合、顔料としては、例えばクレー、カオリ
ン、炭酸カルシウム、酸化チタン等を使用できる。接着
剤としては、例えばスチレン・ブタジエン共重合体、メ
チルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエ
ン系共重合体ラテックス、酸化澱粉、酵素変性澱粉等の
澱粉類等の如き通常の塗被紙用接着剤が用いられる。
【0021】上記の如き組合せからなる水性塗被組成物
の塗被液は一般の塗被紙製造に用いられる、例えば、ブ
レードコーター、エアーナイフコーター等を設けたオン
マシン或いはオフマシンコーターを用いて基紙上に一層
或いは多層に塗被、乾燥して塗被層を得る。さらには、
平滑化処理を施すのが好ましく、例えばスーパーキャレ
ンダやグロスキャレンダ処理をオンマシン或いはオフマ
シン仕様で適宜使用できる。なお、この場合の水性塗被
組成物の塗被量は一般に2〜40g/m2 の範囲で適宜調
節される。
【0022】かくして処理された基紙又は塗被紙上に、
直接法においては、合成樹脂を主成分とするアンダーコ
ート層、アルミニウム蒸着層が順次形成される。また転
写法においては、アンダーコート層を設けた原紙上に、
プラスチックフィルムに蒸着したアルミニウム層を転写
してアルミニウム蒸着紙として仕上げられる。
【0023】なお、アンダーコート層はその上に設けら
れるアルミニウム蒸着層が優れた金属光沢を有するよう
に紙に平滑性を付与したり、蒸着層と基紙との接着強度
を高める目的で設けられる。かかるアンダーコート層は
合成樹脂を主成分とする層であり、この場合の合成樹脂
は、溶剤系、水性系、ノンソルベント系に大別される。
一般的には溶剤系のものが品質的に優れているため多く
使用される。
【0024】具体的な合成樹脂の例としては、例えばア
ルキド系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、セルロ
−ス系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が
挙げられる。なお、各種の樹脂を適宜アルカリ易溶性に
変性して水性系で使用することもある。また、その塗被
方法については、ロールコータ、リバースロールコー
タ、グラビアコータ、キャストコータ、バーコータ等の
一般に公知公用の塗工機が適宜利用される。なお、アン
ダーコート層の量は通常1〜10g/m2 の範囲で調節さ
れる。
【0025】また、本発明において、アルミニウムの蒸
着量は外観とコストの面から蒸着膜厚で0.01〜0.1 μm
程度が好ましい。さらにアルミニウム蒸着層上には、金
属蒸着面の酸化、汚染防止及び印刷等の後加工適性を高
めるために、オーバーコート層が設けられる。この場合
のオーバーコート層も合成樹脂を主成分としたものが形
成されるが、アンダーコート層と同様の樹脂が用途に応
じて適宜選択して使用され、塗被方法についてもアンダ
ーコート層の場合と同じ方法が適宜採用され、特に限定
されるものではない。なお、オーバーコート層の量は一
般的には 0.5〜5g/m2 の範囲である。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また、例中の「部」及び「%」は特に断らない限り、そ
れぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
【0027】実施例1 〔基紙の調製〕O−C/D−EO −H−Dシーケンスに
より漂白された晒NKP(針葉樹パルプ)60部、O−
C/D−EO −H−Dシーケンスにより漂白された晒L
KP(広葉樹パルプ)40部からなるパルプスラリー
に、タルク(NK−80:中央カオリン社製)を紙灰分
が6%となるように添加し、更に、絶乾パルプに対し
て、ロジンサイズ(SPE:荒川化学社製)を1.5 %、
硫酸バンドを3%、それぞれ添加して調製した紙料を、
ヤンキードライヤーのみを使用した抄紙機で抄紙乾燥し
て米坪50g/m2 の基紙を得た。この基紙の有機塩素
量は350ppmであった。なお、上記O、C/D、E
O 、H、Dは、それぞれ酸素脱リグニン処理、塩素と二
酸化塩素混合処理、酸化的アルカリ処理、ハイポ処理及
び二酸化塩素処理を示す。
【0028】〔原紙の調製〕別に、カオリン100部
(商品名:UW−90,EMC社製),ヘキサメタ燐酸
ソーダ 0.2部をコーレス分散機を用いて、固形分濃度7
0%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに酸
化澱粉(商品名:エ−スA,王子コーンスターチ社製)
3部(固形分)、スチレン・ブタジエン共重合体ラテッ
クス(商品名:JSR0696,日本合成ゴム社製)1
5部(固形分)を加え、更に水を加えて固形分濃度60
%の塗液を調製した。この塗液を、上記基紙の平滑面側
にオフのベンドブレードコーターを用いて、乾燥後の塗
被量が20g/m2 となるように塗被乾燥した。次い
で、スーパーキャレンダによる平滑化処理を行い、アル
ミニウム蒸着用原紙を得た。この原紙のオーバーコーテ
ィング用合成樹脂の接着性評価を下記に示す〔評価法
(1) 〕で行った。
【0029】〔アルミニウム蒸着紙の作成〕上記のよう
にして得られた原紙上に、アクリル系樹脂(商品名:P
2038,大日精化(株)社製)をグラビアコーターで
乾燥後の塗被量が4g/m2 となるように塗工してアン
ダーコート層を形成し、そのアンダーコート層上にアル
ミニウムを真空蒸着機を用いて0.05μmの厚さになるよ
うに蒸着し、1週間後にアクリル系のオーバーコート樹
脂(商品名:アルミックW,大日精化(株)社製)1.5
g/m2 を塗被して、巻取状態のアルミニウム蒸着紙を
作成した。この蒸着紙のオーバーコーティング用合成樹
脂の接着性を下記に示す〔評価法(2) 〕で評価し、〔評
価法(1) 〕及び〔評価法(2) 〕に基づいて得られた結果
を、それぞれ表1に示した。
【0030】実施例2〜3 〔基紙の調製〕O−D−EO −D−Pシーケンスにより
漂白された晒NKP60部、O−D−EO −D−Pシー
ケンスにより漂白された晒LKP40部からなるパルプ
スラリーに、タルク(NK−80:中央カオリン社製)
を紙灰分が6%となるように添加し、更に、絶乾パルプ
に対して、ロジンサイズ(SPE:荒川化学社製)を1.
5 %、硫酸バンドを3%、それぞれ添加して調製した紙
料を、ヤンキードライヤーのみを使用した抄紙機で抄紙
乾燥して米坪50g/m2 の基紙を得た。この基紙の有
機塩素量は180ppmであった。なお、上記Pは過酸
化水素処理を意味する。
【0031】〔原紙の調製〕実施例1と同様にしてアル
ミニウム蒸着用原紙を得た。
【0032】〔アルミニウム蒸着紙の作成〕上記のよう
にして得られた原紙上にアクリル系樹脂(商品名:P2
038,大日精化(株)社製)をグラビアコーターで乾
燥後の塗被量が4g/m2 となるように塗被してアンダ
ーコート層を設け、このアンダーコート層上にアルミニ
ウムを真空蒸着機を用いて0.05μmの厚さになるように
蒸着し、1週間後(実施例2)、2週間後(実施例3)
にそれぞれアクリル系のオーバーコート用合成樹脂(商
品名:アルミックW,大日精化(株)社製)1.5 g/m
2 を塗被して、巻取状態のアルミニウム蒸着紙を作成し
た。この蒸着紙のオーバーコーティング用合成樹脂の接
着性を下記に示す〔評価法2〕で評価し、実施例1と同
様にして〔評価法(1) 〕及び〔評価法(2) 〕に基づいて
得られた結果を、それぞれ表1に示した。
【0033】実施例4〜5 〔基紙及び原紙の調製〕実施例2と同様にして基紙及び
原紙を調製した。
【0034】〔アルミニウム蒸着紙の作成〕上記で得た
原紙上にアクリル系樹脂(商品名:P2038,大日精
化(株)社製)をグラビアコーターで、乾燥後の塗被量
が4g/m2 となるように塗被してアンダーコート層を
設けた。別に、ポリエステルのキャリアーフィルムにグ
ラビアコーティングにより剥離剤 0.5g/m2 を塗被
し、コーティング面にアルミニウムを0.05μmの厚さと
なるように蒸着した。その蒸着面を上記で調製したアン
ダーコート面とウレタン系接着剤を介して貼合わせ、エ
ージング後、キャリアーフィルムを分離し、1週間後
(実施例4)、2週間後(実施例5)に、それぞれアク
リル系のオーバーコート用合成樹脂(商品名:アルミッ
クW,大日精化(株)社製) 1.5g/m2 を塗被して巻
取り、アルミニウム蒸着紙を作成した。この蒸着紙のオ
ーバーコーティング用合成樹脂の接着性を〔評価法(2)
〕に基づいて評価し、これらの評価結果を表1に示し
た。
【0035】比較例1 〔基紙の調製〕C−E−H−D−Dシーケンスにより漂
白された晒NKP60部、C−E−H−D−Dシーケン
スにより漂白された晒LKP40部からなるパルプスラ
リーに、タルク(NK−80:中央カオリン社製)を紙
灰分が6%となるように添加し、更に、絶乾パルプに対
して、ロジンサイズ(SPE:荒川化学社製)を1.5
%、硫酸バンドを3%、それぞれ添加して調製した紙料
を、ヤンキードライヤーのみを使用した抄紙機で抄紙乾
燥して米坪50g/m2 の基紙を得た。この基紙の有機
塩素量は600ppmであった。なお、このときの原紙
の調製及びアルミニウム蒸着紙の作成は実施例1と同様
にして行った。この蒸着紙のオーバーコーティング用合
成樹脂の接着性を〔評価法(2) 〕に基づいて評価し、得
られた結果を表1に示した。
【0036】〔評価方法〕 「オーバーコーティング用合成樹脂の接着性評価(1) 」
処理した原紙裏面を、ポリエステルフィルムに蒸着した
直後のアルミニウム層表面に対面接触させ、ビニール袋
で密封して50g/cm2 の荷重を掛け、50℃で1時
間、2時間、3時間、4時間、…と放置した。次に、ア
ルミニウム面にアクリル系樹脂(商品名:アルミック
W,大日精化(株)社製)を 1.5g/m2 塗被し、90
℃で60秒間乾燥させた後、赤色印刷インキ(TOKA SHI
KISOCHEMICAL INDUSTRY CO.,LTD.SDスーパーデラック
ス50紅B)を用いて、RI印刷機(明製作所製)で印
刷を行い、オーバーコーティング樹脂の剥がれの状態を
目視により判定し、樹脂の剥がれが生じる時間を見た。
この時間の長い方が好ましい。
【0037】「オーバーコーティング用合成樹脂の接着
性評価(2) 」オーバーコートを施した後のアルミニウム
蒸着紙に、市販セロハンテープを貼付け、剥がした時の
オーバーコーティング用合成樹脂の剥がれの状態を目視
により判定した。 ○:全く剥がれない。 ×:大部分が剥がれる。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明の金属
(アルミニウム)蒸着紙は、巻取り状態で放置された場
合でも、アルミニウム蒸着面とオーバーコーティング用
合成樹脂とが良好な接着性を有する優れた金属蒸着紙で
あった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基紙上に直接、又は基紙上に水性塗被組成
    物を形成させた後に合成樹脂を主成分とするアンダーコ
    ート層を設け、さらに金属蒸着層を設けた金属蒸着紙に
    おいて、該基紙中の有機塩素化合物に係る塩素の量が4
    00ppm以下であることを特徴とする金属蒸着紙。
  2. 【請求項2】基紙中の有機塩素化合物に係る塩素の量が
    200ppm以下である請求項1記載の金属蒸着紙。
  3. 【請求項3】金属蒸着層がアルミニウム蒸着層である請
    求項1記載の金属蒸着紙。
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