JPH05195205A - 色彩異方フィルム - Google Patents

色彩異方フィルム

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JPH05195205A
JPH05195205A JP4179183A JP17918392A JPH05195205A JP H05195205 A JPH05195205 A JP H05195205A JP 4179183 A JP4179183 A JP 4179183A JP 17918392 A JP17918392 A JP 17918392A JP H05195205 A JPH05195205 A JP H05195205A
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JP
Japan
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film
color
transparent
metal
thickness
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JP4179183A
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English (en)
Inventor
Michio Kubota
道雄 久保田
Yoshikazu Kondo
義和 近藤
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属膜と酸化錫膜あるいは酸化錫と錫の混合
膜の2層のみで優れた色彩異方効果が得られ、しかも、
見る角度が変化しても色の輝きが低下しない色彩異方フ
ィルムに関する。 【構成】 フィルム上に反射膜として膜厚100〜20
00Åの金属膜を、その上に透明膜として膜厚100〜
5000Åの酸化錫膜あるいは酸化錫と錫の混合膜を有
する事を特徴とするフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた色彩異方効果を
発現するフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、反射膜としてアルミニウム,金,
銀,銅,亜鉛,錫,ニッケル(以下これらをAl,A
u,Ag,Cu,Zn,Sn,Niと記す)等の金属膜
を被着し、その上に透明膜として酸化アルミニウム(以
下Al2 3 と記す)、酸化アンチモン,酸化チタン
(以下TiO2 と記す)、酸化ジルコニウム等の金属酸
化物膜を積層したフィルムは提案されている。又、特開
昭61−16900号公報には、離型性ベースフィルム
上に半透明金属蒸着膜及び金属酸化物透明薄膜を形成し
た積層膜を少なくとも1層設け、該積層膜の最上層の金
属酸化物透明薄膜の上に更に、反射率の高いAl,Ag
等の反射膜及び接着剤層を順次設けてなる虹彩光沢を呈
する転写箔が提案され、更に特開平3−82881号公
報には、繊維布帛の少なくとも片面に、該繊維布帛側か
ら反射金属膜,透明金属化合物膜,半透明金属膜を順次
蒸着積層した干渉色を有する繊維布帛が開示されてい
る。
【0003】しかしながら、これらはいずれも複数の層
を順次に蒸着作業等により積層するものであるから、工
数の増加等によるコスト上昇のために商業的に不利であ
り生産性にも問題がある。特に、上記特開平3−828
81号公報記載の発明においては、積層膜の耐久性を増
大すると同時に発現している干渉色の鮮明化を意図し
て、保護膜のコーティングや熱処理を行うなどの配慮も
なされ、工程を益々複雑化する。
【0004】一方、複数の薄層を積層する事なく、単一
の薄層で部分的に膜厚を異ならせて全面に虹彩色を顕出
したフィルムが特開昭60−32645号公報に提案さ
れている。このものは、部分マスキングを施しつつ蒸着
処理を繰り返すことによって膜厚を局部的に変えるた
め、単一層でありながらも結局工程の簡素化は達成され
ない。また虹彩色パターンは固定された単調なものであ
る。
【0005】また金属酸化物以外の透明膜、例えばヨウ
化銅,フッ化マグネシウム,フッ化アルミニウム,酸化
亜鉛,ヨウ化銀(以下これをCuI,MgF2 ,AlF
3 ,ZnO2 ,AgIと記す)等を用いた例もあるが
(特開昭60−2359号公報)、これらの処理物では
耐光性が悪く、サンプルを数日間放置すると変色し色の
黒づみや光沢低下が見られ、実用性に乏しい。
【0006】更に特公昭59−23882号公報には、
ステンレス鋼上にスパッタリング,イオンプレーティン
グ及びプラズマCVD等を用いて窒化チタン薄膜を形成
し、更に耐食性を向上させるために窒化珪素で被覆した
二層膜が提案されている。これも窒化珪素の膜厚を変化
することにより光の干渉効果によるさまざまな色調が得
られる。
【0007】しかしながら、この方法により得られる色
彩は黄色系統が中心であり、窒化珪素の膜厚を変化させ
ても色彩のバリエーションに乏しく、この方法を用いて
も我々が要求しているファッション性豊かな色彩は、到
底得ることができない。
【0008】特開平3−287863号公報では、繊維
体を減圧又は真空状態に維持し、不活性ガスの存在下も
しくは非存在下に金属薄膜層形成処理を行い、次いで金
属化合物構成成分を含む不活性ガスの存在下もしくは非
存在下に金属化合物薄膜層形成処理を行うことを特徴と
する金属薄膜層と光透過性金属化合物薄膜とを備えた干
渉色を有する繊維体の製造方法が開示されている。
【0009】この方法では、第二層の透明膜として酸化
インジウムと酸化錫(以下SnO2 と記す)との特定比
での混合膜を使用している。これは透明導電性膜に使用
される組成であり、我々が目的としている優れた色彩異
方効果を発現させるためには、酸化インジウムはむしろ
添加しない方がよい。又、使用するインジウムは非常に
高価であり、経済的にも非常に制限される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、従来、金
属薄膜又は金属化合物薄膜を蒸着等により複数層積層し
て干渉色を顕出する提案がなされているが、いずれも工
程が煩雑であって生産性,経済性等に問題を抱えてお
り、フィルムに対して興趣ある装飾性を備えた色彩異方
効果を与える満足すべき方法は未だ提案されていない。
本発明者らは、このような現状に鑑み、従来技術の有す
る問題点を解消すべく鋭意研究した結果、本発明を完成
した。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち第一の本発明は、フ
ィルム上に反射膜として膜厚100〜2000Åの金属
膜を、その上に透明膜として膜厚100〜5000Åの
SnO2 あるいはSnO2 とSnの混合膜を有する事を
特徴とするフィルムである。
【0012】又第二の本発明は、フィルム上に反射膜と
して膜厚100〜2000Åのアルミニウムと酸化アル
ミニウムの混合膜を、その上に透明膜として膜厚100
〜5000ÅのSnO2 あるいはSnO2 とSnの混合
膜を有する事を特徴とするフィルムである。
【0013】また本発明に使用するフィルムとしては、
ポリエチレンテレフタレート(以下PETと記す)フィ
ルム,ポリエチレンフィルム,ポリプロピレンフィル
ム,ポリ塩化ビニルフィルム,アクリル系フィルム等の
公知のフィルムが挙げられる。
【0014】本発明に使用する金属膜としては、Al,
Au,Ag,Cu,Zn,Niなどが挙げられる。これ
らの金属の中ではAl,Au,Ag,Cuを使用するの
が良い。この中でも可視領域においてフラットで大きな
反射率を有し、好ましくは400〜600nmの光反射
率が30%以上、更に好ましくは40%以上、特に好ま
しくは50%以上であり、かつ該波長における反射率差
が20%以下、好ましくは10%以下のAlを使用する
と最も好ましい結果となる。この場合、淡色で上品な赤
から紫の多彩な色彩の発現が見られる。
【0015】金属膜としてAuを使用すると、淡色な青
から緑系をベースとして、見る角度により多彩な色相,
色調を発現できる。又、金属膜としてAgを使用する
と、上品な鮮明な金色から緑,紫をベースとして見る角
度に多彩な色彩異方性を与える。一方、金属膜としてC
uを用いると、見る角度によって鮮やかな色彩と多彩な
色彩異方性を発現させうる。
【0016】本発明で金属膜としてSnを使用すると、
色彩が悪くなるばかりか、色彩異方効果が殆んど発現し
なくなる。
【0017】金属膜の種類を変えることにより、それぞ
れ異なった色相,色彩を発現しうるので、目的に応じて
金属膜の種類を選択すればよい。
【0018】金属としてAlを使用した場合、膜の構成
成分としてAl2 3 が混在していてもよい。Al中に
Al2 3 が混在すると金属膜としての反射率が減少
し、薄い色調が得られる。
【0019】Al中のAl2 3 の存在は、光電子分光
法(以下ESCAと記す)測定により確認され、Al2
3 に対応するピークは、Al単体のそれに比べて高エ
ネルギー側にある(図3参照)。
【0020】金属膜の膜厚は、通常100〜2000
Å、好ましくは200〜1000Åである。金属膜の膜
厚が100Åより小さいと、金属膜での光の反射が充分
でなく、干渉効果が弱まり目的とする色彩異方効果が得
られない。
【0021】一方、2000Å以上では色彩異方効果の
飽和が起こり、かつフィルムへの金属膜が厚くなりす
ぎ、皮膜が剥離脱落しやすくなる。
【0022】本発明において使用する透明膜としてはS
nO2 あるいはSnO2 とSnの混合物(以下これらを
該透明膜と記す)を用いる。該透明膜を用いると驚くべ
きことに、非常に優れた色彩異方効果が得られ、かつ従
来のTiO2 ,Al2 3 等、他の金属酸化物では大き
な問題であった耐光性を改善する事ができる。又、金属
膜及び透明膜の2層のみで虹色干渉が得られ、しかも見
る角度によって色が変化しても色の輝きが低下しない優
れた色彩異方効果を発現することができる。
【0023】SnO2 /Snの比は1/1以上が好まし
く、より好ましくは3/1〜5/1である。SnO2
Snの混合物を用いると、SnO2 単独の場合に比べて
色彩異方効果が優れる。
【0024】SnO2 中のSnの存在は、ESCA測定
により確認され、SnO2 に対応するピークは、Sn単
体のそれに比べて高エネルギー側にある。
【0025】該透明膜の膜厚は通常100〜5000
Å、好ましくは200〜2000Åである。該透明膜の
膜厚が100Åより小さいと干渉効果が充分でなく、目
的とする優れた色彩異方効果を発現することができな
い。一方、5000Åより大きいと被膜が厚くなり過ぎ
被膜の剥離脱落が起こり、耐久性の面に大きな問題が生
じる。
【0026】又、該透明膜の膜厚により色相が変化する
ので、目的に応じて膜厚を選択すればよい。更に、フィ
ルムの位置によって50〜1000Å程度の膜厚変化が
あれば、一層多彩な虹色,多色効果を発現し、好まし
い。
【0027】本発明により得られたフィルムは耐光性,
耐摩耗性に優れているが、その表面に保護膜として屈折
率1.7以下、好ましくは1.5以下のシリコン樹脂,
アクリル樹脂,アルキツド樹脂,アミノ樹脂,エポキシ
樹脂,ニトロセルロース及びそれらの変成樹脂等の透明
樹脂層を形成すると、更に実用上の耐久性が向上する。
透明樹脂層の膜厚は通常0.5μm以下が好ましく、更
に好ましくは0.3〜0.01μm、特に好ましくは
0.1〜0.03μmである。
【0028】この中でアクリル酸エチル及び/またはア
クリル酸ブチルを主成分とする樹脂、例えば「エルコー
トEX−210」(根上工業社製、防水加工コーティン
グ樹脂の商品名)等を保護膜として用いると最も好まし
い結果が得られる。エルコートEX−210は、パラク
ロンCL−コンク(Paracron CL−con
c、根上工業社製、トルイレンジイソシアネート3モル
とトリメチロールプロパン1モルとを反応させたトリイ
ソシアネートの固形分75%酢酸エチル溶液の商品名)
及びカタリストC−46(Catalyst C−4
6、根上工業社製、30%の有機スズ化合物及び70%
のトルエンから成るエルコート用撥水シリコン用の架橋
剤の商品名)の架橋剤と併用するとより効果的である。
【0029】又、エルコートEX−210は、ポリマー
側鎖中に反応基として水酸基とカルボン酸基を有してい
る特殊なポリマーであって、パラクロンCL−コンク又
はメラミン系架橋剤及びカタリストC−46と併用し三
次元化することにより、耐水性,耐油性が格段に向上
し、特に接着性が非常に良好になるとともに、耐摩耗性
等の耐久性が飛躍的に向上する。特にこの樹脂を適用す
ると、他の樹脂に比較して色彩の劣化や変化が非常に少
なく、例えば、単色で見られる若干の色のくすみも本発
明の目的とする虹色干渉に対して実質的に影響を及ぼさ
ない。
【0030】フィルム上の金属膜,該透明膜及び樹脂膜
は、フィルム全体に存在する必要はなく、その表面にの
み、即ち、蒸着面にのみ存在すればよい。フィルムの裏
側にも蒸着したいときは、最初蒸着した面の裏側から再
度蒸着すればよい。
【0031】本発明により得られる色彩異方効果を発現
するフィルムを透明膜の方から走査型電子顕微鏡で観察
すると、フィルムの表面に粒状のものが見られる。これ
をX線顕微鏡解析で観察すると、この粒状物は該透明膜
が粒状に集合したものであることがわかった。この粒状
構造の生成は粒子の大きさや数に変化はあるが、殆どす
べてのフィルムに見られている。粒状構造の粒子の大き
さは通常0.2〜1.0μ、好ましくは0.3〜0.8
μであり、又その数は通常100個/μm2 、好ましく
は高々50個/μm2 である。
【0032】本発明者らは、表面の粒状構造と色彩異方
効果との関連性について検討すべく、以下の実験を行っ
た。即ち、表面の粒状構造は真空蒸着装置及びイオンプ
レーティング装置を用いて蒸着する場合に特有な構造で
ある。蒸着速度が速いと表面は粗くなり、一方、蒸着速
度が遅いと表面は滑らかになると言う事実を利用して表
面の粒状構造の粗さと色彩異方効果との関連性を検討し
た。
【0033】金属膜及び透明膜の膜厚を一定にし、蒸着
速度を1.0〜2.0Å/秒、3.0〜5.0Å/秒、
6.0〜8.0Å/秒、>8.0Å/秒と変化させて、
フィルム上に蒸着し、作成サンプルの色彩評価をマクベ
ス分光光度計及び肉眼判定により行った。
【0034】蒸着速度が速い程、色彩が薄くなる現象が
見られた。蒸着速度は粒状構造の生成と相関しており、
表面形態が粗い程、表面で散乱される光が増加し、干渉
効果が弱くなる。この現象を利用すると、淡い色調の、
例えばパール光沢を呈する色彩異方フィルムが得られ
る。
【0035】本発明により得られる色彩異方フィルム
は、保護膜がない場合、フィルム上の反射膜として金属
膜を、その上の透明膜として該透明膜を蒸着して得られ
るが、透明なフィルムを使用する限り、フィルム上に該
透明膜を、その上に金属膜を蒸着し、フィルムの方から
観察しても優れた色彩異方効果が得られる。
【0036】本発明者らは、PETフィルムを用いて上
述の2種のサンプルを作成し、肉眼判定及びマクベス分
光光度計により色彩評価を行なった。その結果、両サン
プル間の色彩の差異はほとんど見られず、また、500
〜600nm付近の最大吸収波長における反射率の差も
10%未満とさほど変わらない。
【0037】金属層及び該透明膜層とは、真空中で真空
蒸着,イオンプレーティング,スパッタリングあるいは
それらの応用技術にて積層することができる。その界面
は、原子オーダーにて組成が徐々に変化するものであ
る。
【0038】本発明でいう色彩異方効果とは、基本的に
光の干渉効果によって生じるものと思われるが、水上の
油膜やシャボン玉の色合やコンパクトディスクでの分光
現象とは、その大きさや色調,趣において根本的に異な
る。身近な例でいうならば、真珠の光沢を布一杯に広げ
たようなものである。しかも、見る方向によって各種自
在に色調を異にする。
【0039】
【発明の効果】本発明方法により得られる色彩異方フィ
ルムは、透明膜として該透明膜を使用しているので、耐
久性,耐光性に優れており、かつ金属膜及び透明膜の2
層のみで優れた色彩異方効果が得られ、しかも見る角度
が変化しても色の輝きが低下しない。同時に、透明膜の
膜厚を変える事により、基調となる色や色彩異方効果を
任意に変える事ができるのでファッション性,経済性
等、どれを取っても他のものに比べて比較にならない程
優れている。
【0040】
【実施例】実施例中の色彩評価は、肉眼判定により、干
渉効果の発現したものを「発現」とし、色彩異方効果の
優れているものから、「優」、「良」、「可」、「不
可」と判定した。又耐光試験は、オートフェードメータ
ー密閉式(FOL−HB)にて、紫外線ロングライフカ
ーボンアークを使用し、バックパネル温度72〜74
℃、温度31℃、紫外線照射20時間の条件で行なっ
た。評価方法は、肉眼判定により紫外線照射前後の色彩
変化の少ないものから「優」、「良」、「可」、「不
可」とした。
【0041】実施例1 真空蒸着装置(図1参照)により、Al次いでSnO2
(粉末をプレスした錠剤)をタングステンコイルに入れ
加熱し、真空蒸着装置内の真空度を1×10-5Torr
に保ちつつ、1辺10cmのPETフィルムを、蒸着源
より15cm下方に配置し、Alの膜厚を100,20
0,300,500,1000,2000,3000
Å、SnO2 の膜厚を200Åとし真空蒸着した。尚、
膜厚は蒸着源とサンプルと同距離の位置に置いた膜厚計
により測定した。
【0042】実施例2 真空蒸着装置により、Al次いでSnO2 (粉末をプレ
スした錠剤)をタングステンコイルに入れ加熱し、真空
蒸着装置内の真空度を1×10-5Torrに保ちつつ、
1辺10cmのPETフィルムを、蒸着源より15cm
下方に配置し、Alの膜厚を300Å、SnO2 の膜厚
を100,300,500,1000,5000Åとし
真空蒸着した。尚、膜厚は蒸着源とサンプルと同距離の
位置に置いた膜厚計により測定した。
【0043】実施例3 該透明膜をSnO2 (粉体をプレスした錠剤)とSn
(粒状物)の混合物(SnO2 /Sn=4/1)に変更
し、Alの膜厚を300Å、SnO2 とSnの混合物の
膜厚を200,400,1000Åに変更する以外、実
施例2と同様に行った。
【0044】実施例2と実施例3で、金属膜と透明膜の
膜厚が同一であれば、同一色が得られるが、角度依存性
については、SnO2 単独膜よりも、SnO2 とSnの
混合物を使用した方が優れている。
【0045】実施例4 金属膜をAu,Cu,Agとし膜厚を200Å、SnO
2 の膜厚を250,500Åに変更する以外、実施例2
と同様に行った。
【0046】実施例5 実施例3により得られたサンプル(Al300Å,Sn
2 とSnの混合物400Å)のESCA分析を行った
結果、Al中にAl2 3 が混在していることがわかっ
た。
【0047】比較例1 透明膜をZnO2 ,AgI,AlF3 ,MgF2 とし膜
厚を200,400Åに変更する以外、実施例2と同様
に行った。以上の結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】比較例のサンプルは、色彩異方効果に劣る
ばかりか、耐光性が悪く、サンプルを数日間放置する
と、色彩の劣化や黒ずみが起こる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空蒸着装置内の蒸着源、基布(フィルム)、
膜厚センサーの位置を表す図である。蒸着源と基布(フ
ィルム)及び膜厚センサーの距離は同距離である。
【図2】PETフィルムのESCA分析の結果である。
図中の縦軸は各元素の存在比を表しており、横軸はエッ
チングタイムを表している。又1S、2P、3Pは各元
素の電子軌道を表す。(a)は反射膜としてAlを35
0Å、その上に透明膜としてSnO2 を130Å、
(b)はA1を350Å、SnO2 を246Åを蒸着し
たものである。下層のAl層中にも酸素原子が存在して
おり、Al2 3 が存在していることが示唆される。
【図3】実施例5で得られたサンプルのESCA分析チ
ャート図であり、75.6eVと72.6eVのピーク
はそれぞれAl2 3 とAlに対応している。
【符号の説明】
1 蒸着源 2 PETフィルム 3 膜厚センサー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム上に反射膜として膜厚100〜
    2000Åの金属膜を、その上に透明膜として膜厚10
    0〜5000Åの酸化錫膜あるいは酸化錫と錫の混合膜
    を有する事を特徴とするフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルム上に反射膜として膜厚100〜
    2000Åのアルミニウムと酸化アルミニウムの混合膜
    を、その上に透明膜として膜厚100〜5000Åの酸
    化錫膜あるいは酸化錫と錫の混合膜を有する事を特徴と
    するフィルム。
JP4179183A 1991-06-14 1992-06-11 色彩異方フィルム Pending JPH05195205A (ja)

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