JPH05295680A - 耐久性に優れた色彩異方繊維及び/又は繊維構造物又はフィルム - Google Patents

耐久性に優れた色彩異方繊維及び/又は繊維構造物又はフィルム

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JPH05295680A
JPH05295680A JP4191640A JP19164092A JPH05295680A JP H05295680 A JPH05295680 A JP H05295680A JP 4191640 A JP4191640 A JP 4191640A JP 19164092 A JP19164092 A JP 19164092A JP H05295680 A JPH05295680 A JP H05295680A
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JP
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film
fiber
color
transparent
metal
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JP4191640A
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Michio Kubota
道雄 久保田
Yoshikazu Kondo
義和 近藤
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐久性に優れた色彩異方繊維及び/又は繊維
構造物又はフィルムに関する。 【構成】 繊維及び/又は繊維構造物又はフィルム上に
反射膜として膜厚100〜2000Åの金属膜を、その
上の透明膜として膜厚100〜5000Åの酸化錫或い
は酸化錫と錫の混合物を有し、更にその上に樹脂層を有
することを特徴とする繊維及び/又は繊維構造物又はフ
ィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性に優れた色彩異
方繊維及び/又は繊維構造物又はフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、反射膜としてアルミニウム,金,
銀,銅,亜鉛,錫,ニッケル(以下Al,Au,Ag,
Cu,Zn,Sn,Niと記す)等の金属膜を被着し、
その上に透明膜として酸化アルミニウム(以下Al2
3 と記す)、酸化アンチモン,酸化チタン(以下TiO
2 と記す)、酸化ジルコニウム等の金属酸化物膜を積層
したフィルムは提案されている。又、特開昭61−16
900号公報には、離型性ベースフィルム上に半透明金
属蒸着膜及び金属酸化物透明薄膜を形成した積層膜を少
なくとも1層設け、該積層膜の最上層の金属酸化物透明
薄膜の上に更に、反射率の高いAl,Ag等の反射膜及
び接着剤層を順次設けてなる虹彩光沢を呈する転写箔が
提案され、更に特開平3−82881号公報には、繊維
布帛の少なくとも片面に、該繊維布帛側から反射金属
膜,透明金属化合物膜,半透明金属膜を順次蒸着積層し
た干渉色を有する繊維布帛が開示されている。
【0003】しかしながら、これらはいずれも複数の層
を順次に蒸着作業等により積層するものであるから工数
の増加等によるコスト上昇のために商業的に不利であり
生産性にも問題がある。また、前記の積層フィルムは元
来フィルムを対象としたものであって、ファッショナブ
ルな装飾効果を奏する色彩異方性を備えた繊維構造物を
与えるものは少ない。例えば上記の転写箔は、それを織
編物等の繊維構造物に転写すると箔の厚みや接着剤など
により通気性を失い、手触り,風合が粗硬化して商品価
値を減ずるため、繊維製品には不適である。
【0004】一方、複数の薄層を積層する事なく、単一
の薄層で部分的に膜厚を異ならせて全面に虹彩色を顕出
したフィルムが特開昭60−32645号公報に提案さ
れている。このものは、部分マスキングを施しつつ蒸着
処理を繰り返すことによって膜厚を局部的に変えるた
め、単一層でありながらも結局工程の簡素化は達成され
ない。また虹彩色パターンは固定された単調なものであ
るのみならず、粗表面を有する繊維構造物に対して適用
しても同様の効果を奏しないものである。
【0005】また、金属酸化物以外の透明膜、例えばヨ
ウ化銅,フッ化マグネシウム,フッ化アルミニウム,酸
化亜鉛(以下これらをCuI,MgF2 ,AlF3 ,Z
nO2 と記す)等を用いた例もあるが(特開昭60−2
359号公報)、これらの処理物では耐光性が悪く、サ
ンプルを数日間放置すると変色し、色の黒ずみや光沢低
下が見られ、実用性に乏しい。
【0006】更に特開昭59−23882号公報には、
ステンレス鋼上にスパッタリング,イオンプレーティン
グ及びプラズマCVD等を用いて窒化チタン薄膜を形成
し、更に耐食性を向上させるために窒化珪素で被覆した
二層膜が提案されている。これも窒化珪素の膜厚を変化
することにより光の干渉効果によるさまざまな色調が得
られる。
【0007】しかしながら、この方法により得られる色
彩は黄色系統が中心であり、窒化珪素の膜厚を変化させ
ても色彩のバリエーションに乏しく、この方法を用いて
も我々が要求しているファッション性豊かな色彩は、到
底得ることができない。
【0008】特開平3−287863号公報では、繊維
体を減圧下又は真空状態に維持し、不活性ガスの存在も
しくは非存在下で金属薄膜層形成処理を行い、次いで金
属化合物構成成分を含む不活性ガスの存在下もしくは非
存在下で金属化合物薄膜層形成処理を行うことを特徴と
する金属薄膜層と光透過性金属化合物薄膜とを備えた干
渉色を有する繊維体の製造方法が開示されている。
【0009】この方法では、第二層の透明膜として酸化
インジウムと酸化錫(以下SnO2と記す)との特定比
での混合膜を使用している。これは透明導電性膜に使用
される組成であり、我々が目的としている優れた色彩異
方効果を発現させるためには、酸化インジウムはむしろ
添加しない方がよい。又、使用するインジウムは非常に
高価であり、経済的にも非常に制限される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、従来、金
属薄膜又は金属化合物薄膜を蒸着等により複数層積層し
て干渉色を顕出する提案がなされているが、いずれも工
程が煩雑であって生産性,経済性等に問題を抱えてお
り、またフィルムや金属ストリップを対象とするものが
殆どであって、繊維構造物に対して興趣ある装飾性を備
えた色彩異方効果を与える満足すべき方法は未だ提案さ
れていない。本発明者らは、このような現状に鑑み、従
来技術の有する問題点を解消すべく鋭意研究した結果、
本発明を完成した。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち第一の本発明は、繊
維及び/又は繊維構造物又はフィルム上に反射膜として
膜厚100〜2000Åの金属膜を、その上の透明膜と
して膜厚100〜5000ÅのSnO2 或いはSnO2
とSnの混合物を有し、更にその上に樹脂層を有するこ
とを特徴とする色彩異方繊維及び/又は繊維構造物又は
フィルムである。
【0012】第二の本発明は、繊維及び/又は繊維構造
物又はフィルム上に金属膜として、AlとAl2 3
混合膜を有することを特徴とする色彩異方繊維及び/又
は繊維構造物又はフィルムである。
【0013】本発明に使用する繊維としては、綿,絹,
麻等の天然繊維,レーヨン及びナイロン,ポリエステ
ル,アクリル等の合成繊維を含む公知のすべての繊維を
言い、繊維構造物とは、それらの繊維より成る織編物,
不織布,繊維シート及び立毛布帛等の公知のすべての繊
維構造物を言う。
【0014】本発明で使用する糸の形状は、丸,三角,
偏平,U断面等公知のすべての形状が使用できるが、こ
のなかでも、偏平或いは三角断面を使用すると、色彩異
方効果が良好になる。好ましくはスルフォン酸含有のカ
チオン可染ポリエステルを少なくとも一成分として用い
ると、金属膜との接着性或いは色彩の発現が良好にな
る。
【0015】本発明に使用するフィルムとしては、ポリ
エチレンテレフタレート(以下PETと記す)フィル
ム,ポリエチレンフィルム,ポリプロピレンフィルム,
ポリ塩化ビニルフィルム,アクリル系フィルム等の公知
のフィルムが挙げられる。
【0016】本発明に使用する金属膜としては、Al,
Au,Ag,Cu,Zn,Sn,Niなどが挙げられ
る。これらの金属の中ではAl,Au,Ag,Cuを使
用するのが良い。この中でも可視領域においてフラット
で大きな反射率を有し、好ましくは400〜600nm
の光反射率が30%以上、更に好ましくは40%以上、
特に好ましくは50%以上であり、かつ該波長における
反射率差が好ましくは20%以下、更に好ましくは10
%以下であるAlを使用すると最も好ましい結果とな
る。この場合、上品で淡色な赤から紫の多彩な色彩の発
現が見られる。
【0017】金属膜としてAuを使用すると、淡色な青
から緑系をベースとして、見る角度により多彩な色相,
色調を発現できる。又、金属膜としてAgを使用する
と、上品で鮮明な金色から緑,紫をベースとして見る角
度に多彩な色彩異方性を与える。一方、金属膜としてC
uを用いると、見る角度により鮮やかな色彩と多彩な色
彩異方性を発現させうる。
【0018】本発明で金属膜としてSnを使用すると、
色彩が悪くなるばかりか、色彩異方性がほとんど発現し
なくなる。
【0019】金属膜の種類を変えることにより、それぞ
れ異なった色相,色彩を発現しうるので、目的に応じて
金属膜の種類を選択すればよい。
【0020】金属としてAlを使用した場合、膜の構成
成分としてAl2 3 が混在していてもよい。Al中に
Al2 3 が混在すると、Alの反射率が減少し膜の半
透明性が増大し、薄い色調が得られる。
【0021】Al中のAl2 3 の存在は、光電子分光
法(以下ESCAと記す)測定により確認され、Al2
3 に対応するピークは、Alのそれに比べて高エネル
ギー側にある(図2参照)。
【0022】金属膜の膜厚は通常100〜2000Å、
好ましくは200〜1000Åである。金属の膜厚が1
00Åよりも小さいと、光の反射が充分でなく干渉効果
が弱まり、目的とする優れた色彩異方効果は得られな
い。一方、2000Å以上では、金属膜が厚過ぎて色彩
異方効果の飽和が見られるばかりか、被膜の剥離脱落が
起こりやすくなる。また、経済的或いは作業上の煩雑さ
が生じ、耐久性或いは風合いの面にも大きな問題が生じ
る。
【0023】本発明において使用する透明膜としてはS
nO2 あるいはSnO2 とSnの混合物(以下これらを
該透明膜と記す)を用いる。該透明膜を用いると驚くべ
きことに、非常に優れた色彩異方効果が得られ、かつ従
来のTiO2 ,Al2 3 等、他の金属酸化物では大き
な問題であった耐光性を改善する事ができ、しかも見る
角度によって色が変化しても色の輝きが低下しない優れ
た色彩異方効果を発現する繊維及び/又は繊維構造物又
はフィルムが得られる。SnO2 /Snの比は1/1以
上が好ましく、より好ましくは3/1〜5/1である。
SnO2 とSnの混合物を用いると、SnO2 単独の場
合よりも優れた色彩異方効果が得られる。
【0024】SnO2 中のSnの存在は、ESCA測定
により確認され、SnO2 に対応するピークは、Snの
それに比べて高エネルギー側にある。
【0025】該透明膜の膜厚は通常100〜5000
Å、好ましくは200〜2000Åである。該透明膜の
膜厚が100Åより小さいと干渉効果が充分でなく、目
的とする優れた色彩異方効果を発現することができな
い。一方、5000Åより大きいと、被膜が厚くなり過
ぎ被膜の剥離脱落が起こり、耐久性あるいは風合の面に
大きな問題が生じる。
【0026】本発明の優れた色彩異方効果を発現する繊
維及び/又は繊維構造物又はフィルムはその表面に保護
膜として屈折率1.7以下、好ましくは1.5以下のシ
リコン樹脂,アクリル樹脂,アルキツド樹脂,アミノ樹
脂,エポキシ樹脂,ニトロセルロース及びそれらの変成
樹脂等の透明樹脂層を形成することにより、更に実用上
の耐久性が向上する。透明樹脂層の膜厚は通常0.5μ
m以下が好ましく、更に好ましくは0.3〜0.01μ
m、特に好ましくは0.1〜0.03μmである。
【0027】この中でアクリル酸エチル及び/またはア
クリル酸ブチルを主成分とする樹脂、例えば「エルコー
トEX−210」(根上工業社製、防水加工コーティン
グ樹脂の商品名)等を保護膜として用いると最も好まし
い結果が得られる。エルコートEX−210は、パラク
ロンCL−コンク(Paracron CL−con
c、根上工業社製、トルイレンジイソシアネート3モル
とトリメチロールプロパン1モルとを反応させたトリイ
ソシアネートの固形分75%酢酸エチル溶液の商品名)
及びカタリストC−46(Catalyst C−4
6、根上工業社製、30%の有機スズ化合物及び70%
のトルエンから成るエルコート用撥水シリコン用の架橋
剤の商品名)の架橋剤と併用するとより効果的である。
【0028】又、エルコートEX−210は、ポリマー
側鎖中に反応基として水酸基とカルボン酸基を有してい
る特殊なポリマーであって、パラクロンCL−コンク又
はメラミン系架橋剤及びカタリストC−46と併用し三
次元化することにより、耐水性,耐油性が格段に向上
し、特に接着性が非常に良好になるとともに、耐摩耗性
等の耐久性が飛躍的に向上する。特にこの樹脂を適用す
ると、他の樹脂に比較して色彩の劣化や変化が非常に少
なく、例えば、単色で見られる若干の色のくすみも本発
明の目的とする虹色干渉に対して実質的に影響を及ぼさ
ない。
【0029】本発明により得られる色彩異方効果を発現
する繊維及び/又は繊維構造物又はフィルムを保護膜の
方から走査型電子顕微鏡で観察すると、繊維及び/又は
繊維構造物又はフィルムの表面に粒状のものが見られ
る。これをX線顕微鏡解析で観察すると、この粒状物は
該透明膜が粒状に集合したものであることがわかった。
この粒状構造の生成は粒子の大きさや数に変化はある
が、殆どすべての繊維及び/又は繊維構造物またはフィ
ルムに見られている。粒状構造の粒子の大きさは、通常
0.2〜1.0μ、好ましくは0.3〜0.8μであ
り、又、その数は通常100個/μm2 、好ましくは高
々50個/μm2 である。
【0030】繊維の場合、積層した金属膜,該透明膜及
び樹脂膜は、繊維間隔によって変わるが、通常繊維の表
面、即ち、蒸着面にのみ存在する。この場合、金属膜,
該透明膜及び樹脂膜は繊維全体に存在する必要はなく、
少なくとも良好な色彩異方効果を発現しうる程度に繊維
上に存在していればよい。又、繊維構造物又はフィルム
の場合も積層した金属膜,該透明膜及び樹脂膜は、繊維
構造物又はフィルムの表面、即ち蒸着面にのみ存在し、
この場合も少なくとも良好な色彩異方効果を発現しうる
程度に、金属膜,該透明膜及び樹脂膜が繊維構造物又は
フィルム上に存在していればよい。繊維及び/又は繊維
構造物又はフィルムの裏側にも蒸着したい時は、最初蒸
着した面の裏側から再度蒸着すればよい。
【0031】金属層及び該透明膜層とは、真空中で真空
蒸着,イオンプレーティング,スパッタリングあるいは
それらの応用技術にて積層することができる。その界面
は、原子オーダーにて組成が徐々に変化するものであ
る。
【0032】本発明の該透明膜の形成速度は、通常1.
0〜50Å/秒、好ましくは2.0〜20Å/秒で行
う。蒸着速度が50Å/秒よりも速いと膜厚の制御が困
難となり、一方蒸着速度が1.0Å/秒よりも遅いと蒸
着時間が長くなり、作業の煩雑さや経済的な面に大きな
問題が生じてくる。本発明例では、蒸着速度を1.0〜
50Å/秒、好ましくは2.0〜20Å/秒とすること
により、本発明者らが目的とする優れた色彩異方効果を
発現させることができる。
【0033】本発明でいう色彩異方効果とは、基本的に
光の干渉効果によって生じるものと思われるが、水上の
油膜やシャボン玉の色合やコンパクトディスクでの分光
現象とは、その大きさや色調,趣において根本的に異な
る。身近な例でいうならば、真珠の光沢を布一杯に広げ
たようなものである。しかも、見る方向によって各種自
在に色調を異にする。
【0034】
【発明の効果】本発明方法により得られる色彩異方繊維
及び/又は繊維構造物またはフィルムは、最上層に保護
膜として樹脂膜を有しているので耐洗濯性,耐磨耗性等
の耐久性に非常に優れている。又本発明で使用している
エルコートEX−210は、色彩の変化或いは劣化が殆
どなく、本来の優れた色彩異方効果を発現することがで
きるので、非常に実用的である。又透明膜として該透明
膜を使用しているので、耐久性,耐光性に優れており、
しかも見る角度が変化しても色の輝きが低下しない。同
時に、透明膜の膜厚を変える事により、基調となる色を
任意に変える事ができるのでファッション性,経済性
等、どれを取っても他のものに比べて比較にならない程
優れている。
【0035】
【実施例】色彩異方繊維構造物又はフィルムの耐光試験
は、オートフェードメーター密閉式(FOL−HB)に
て紫外線ロングライフカーボンアークを使用し、バック
パネル温度72〜74℃、温度31℃、紫外線照射20
時間の条件で行なった。評価は露光後、肉眼判定により
露光前後の色彩変化の少ないものから「優」、「良」、
「可」、「不可」とした。又色彩異方繊維構造物又はフ
ィルムの色彩評価は、肉眼判定により色彩異方効果の優
れたものから、「優」、「良」、「可」、「不可」と評
価した。又表中、保護膜のあるものについては「有」、
無いものについては「無」とした。磨耗試験はJIS−
0849学振型摩擦試験機を用いて行い、その評価方法
は磨耗前後の色彩の変化及び劣化の少ないものから
「優」、「良」、「可」とした。
【0036】実施例1 真空蒸着装置により、Al次いでSnO2 (粉体をプレ
スしたもの)をタングステンコイルに入れ加熱し、系内
の真空度を1×10-5Torrに保ちつつ、一辺10c
mのPET布帛を蒸着源より15cm下方に配置し、A
l及びSnO2を表1に示す膜厚で真空蒸着した。尚、
膜厚は蒸着源と布帛の中心部と同距離の位置にある膜厚
センサーにより測定した。次いで、常法によりエルコー
トEX−210を保護膜として布帛重量当たり3%ow
fになるようにコーティングした。
【0037】実施例2 透明膜をSnO2 (粉末をプレスした錠剤)とSn(粒
状物)の混合物(SnO2 /Sn=4/1)に変更する
以外、実施例1と同様に行った。
【0038】実施例3 実施例2により得られたサンプル(Alの膜厚350
Å,SnO2 とSnの混合物の膜厚520Å)のESC
A分析を行った結果、Al中にAl2 3 が混在してい
ることがわかる(図2参照)。
【0039】実施例1と実施例2により得られたサンプ
ルでは、金属膜及び該透明膜の膜厚が同一であれば同一
色が得られるが、色彩の角度依存性については、SnO
2 とSnの混合物を使用した方が優れている。
【0040】実施例4 金属膜としてAu,Ag,Cuを蒸着する以外、実施例
1と同様に行った。
【0041】比較例1 透明膜としてZnO2 ,CuI,MgF2 を蒸着する以
外、実施例1と同様に行った。
【0042】これらの透明膜では、色彩異方効果に劣る
ばかりか、耐光性が非常に悪くサンプルを数日間放置す
ると、色の黒ずみや変色が起こる。
【0043】比較例2 エルコートEX−210を保護膜としてコーティングす
ることなく、実施例1と同様に行った。
【0044】実施例5 得られた繊維構造物の磨耗試験を行った。以上の結果を
表1に記す。その結果、エルコートEX−210をコー
ティングしていないサンプルは、磨耗前後の色彩の変化
或いは劣化が著しい。
【0045】
【表1】
【0046】実施例6 PET布帛をPETフィルムに変更し、SnO2 (粉体
をプレスしたもの)を表2に示す膜厚で真空蒸着する以
外、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0047】実施例7 透明膜としてSnO2 (粉体をプレスしたもの)とSn
(粒状物)の混合物(SnO2 /Sn=4/1)に変更
する以外、実施例6と同様に行った。以上の結果を表2
に示す。
【0048】実施例1と実施例6を比較すると、金属膜
及び該透明膜の膜厚が同一であれば、同様な色彩が得ら
れるがそれ自体凹凸を有する繊維及び繊維構造物の方
が、色彩異方効果は優れている。
【0049】実施例8 得られたフィルムの磨耗試験を行った。以上の結果を表
2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】実施例6と実施例7により得られたサンプ
ルの場合も、金属膜及び該透明膜の膜厚が同一であれば
同一色が得られるが、色彩の角度依存性については、S
nO2 とSnの混合物を使用した方が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空蒸着装置内の蒸着源,布帛(又はフィル
ム),膜厚センサーの位置を表す図である。蒸着源と布
帛(又はフィルム)及び膜厚センサーの距離は同距離で
ある。
【図2】実施例3のESCA分析チャート図であり、7
2.6eVと75.6eVのピークはそれぞれAlとA
2 3 に対応する。
【符合の説明】
1 蒸着源 2 PET布帛(又はフィルム) 3 膜厚センサー
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 14/20 7308−4K D06M 11/46 11/83

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維上に反射膜として膜厚100〜20
    00Åの金属膜を、その上の透明膜として膜厚100〜
    5000Åの酸化錫或いは酸化錫と錫の混合物を有し、
    更にその上に樹脂層を有することを特徴とする繊維。
  2. 【請求項2】 繊維構造物上に反射膜として膜厚100
    〜2000Åの金属膜を、その上の透明膜として膜厚1
    00〜5000Åの酸化錫或いは酸化錫と錫の混合物を
    有し、更にその上に樹脂層を有することを特徴とする繊
    維構造物。
  3. 【請求項3】 フィルム上に反射膜として膜厚100〜
    2000Åの金属膜を、その上の透明膜として膜厚10
    0〜5000Åの酸化錫或いは酸化錫と錫の混合物を有
    し、更にその上に樹脂層を有することを特徴とするフィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 金属膜として、アルミニウムと酸化アル
    ミニウムの混合膜を有することを特徴とする請求項1記
    載の繊維。
  5. 【請求項5】 金属膜として、アルミニウムと酸化アル
    ミニウムの混合膜を有することを特徴とする請求項2記
    載の繊維構造物。
  6. 【請求項6】 金属膜として、アルミニウムと酸化アル
    ミニウムの混合膜を形成させることを特徴とする請求項
    3記載のフィルム。
JP4191640A 1991-07-01 1992-06-24 耐久性に優れた色彩異方繊維及び/又は繊維構造物又はフィルム Pending JPH05295680A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019188821A (ja) * 2018-02-22 2019-10-31 積水化学工業株式会社 積層シート

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JP2019188821A (ja) * 2018-02-22 2019-10-31 積水化学工業株式会社 積層シート

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