JPH05194781A - エポキシ樹脂系発泡性組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂系発泡性組成物

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JPH05194781A
JPH05194781A JP4031442A JP3144292A JPH05194781A JP H05194781 A JPH05194781 A JP H05194781A JP 4031442 A JP4031442 A JP 4031442A JP 3144292 A JP3144292 A JP 3144292A JP H05194781 A JPH05194781 A JP H05194781A
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麻子 信賀
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誠規 矢田
Toshio Nagase
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(A)1分子中に1個以上のエポキシ基を含む
液状エポキシ樹脂100重量部当たり、(B)平均粒子
径が300μm以下のメタアクリル系樹脂10〜200
重量部、(C)数平均分子量500〜10000のポリ
ブテン5〜50重量部、(D)エポキシ樹脂用潜在性硬
化剤0.5〜20重量部、(E)分解ガス発生温度が1
00〜220℃の発泡剤0.5〜20重量部および
(F)界面活性剤0.05〜5重量部からなるエポキシ
樹脂系発泡性組成物を提供する。 【効果】軽量かつ高剛性を有する緻密な発泡体を与える
上に、油面金属に対しても強固に接着させることがで
き、しかも耐熱性が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なエポキシ樹脂系発
泡性組成物に関するものであり、さらに詳しくは、例え
ば自動車、車両、家電、建材等の分野において好適に用
いられる熱硬化性の緻密な発泡体を容易に与えうる、エ
ポキシ樹脂をベースとした液状またはペースト状の発泡
性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等においては、その燃費向
上のための車体の軽量化が設計上の重要な技術課題とな
り、例えば外板のプラスチック化、アルミニューム部材
や高張力鋼板等軽量材料の使用が進められてきた。ま
た、特に最近では、軽量化と高剛性を同時にもたらすた
め、ペーパーハニカムコアに2枚の鋼板を接着してサン
ドイッチ構造としたハニカム軽量複合パネルなどがルー
フ等に採用され始めている。しかしながら、同一の馬力
/リットルを得るためのエンジンの小型化や、車体パネ
ルの薄肉化、低空気抵抗化等は限界に近くなってきてい
るのが現状である。軽量化のためのもっとも現実的な手
段は、車体パネルの薄膜化であるが、薄膜化することに
より車体剛性、強度などが低下したり、防音、防振性能
の低下をもたらすことなど、好ましくない事態を招来す
る。一方、軽量で剛性を有する構造として、一般に高い
発泡倍率をもち、かつセルの平均径の小さい緻密な多孔
質構造を有するプラスチック材料を芯材として表面材に
薄肉材料を接着した弾性芯材サンドイッチ構造等はよく
知られており、したがって、自動車等の薄肉化した鋼板
製外板の面剛性補強材として、接着性を有する前記プラ
スチック発泡材が多用されるようになってきている。と
ころで、液状加工材料を用いて硬質発泡体を得る方法と
しては、例えば(1)熱分解ガス発生型の発泡剤を添加
し、発泡体を得る方法、(2)整泡剤の存在下、機械的
撹拌により泡をたて、発泡体を得る方法(米国特許第4
546118号明細書、ソ連特許第992525号明細
書)、(3)中空微粒子を混合して発泡体を得る方法
(特開昭60−19033号公報、米国特許第4410
639号、第4605688号明細書)等が知られてい
る。前記(1)の方法としては、例えば塩化ビニル樹
脂、エポキシ樹脂および発泡剤を含有する組成物を加熱
加工する方法(特開昭63−272515号公報)、発
泡剤を含有する熱収縮性ポリマーシートを繊維基材にラ
ミネートして加熱加工する方法(特開昭56−1592
69号公報)等が提案されている。しかしながら、前者
の方法では、例えば、自動車生産ライン中の電着塗装工
程のような高温では樹脂の熱分解が起こるおそれがある
し、後者の方法では発泡層の厚さを上げることが難しい
ため、高い剛性を付与することが難しいという欠点があ
る。また、前記(2)の方法では、シリコン系を始めと
する整泡剤を使用して、ミキサーやフィッパーによる機
械的剪断で空気やフレオンガス等を液体組成物中に巻き
込ませて泡沫を得ているが、本目的のような材料では、
硬化過程で泡沫がドレナージ現象を起こして崩壊するた
め、一般に高発泡倍率でかつ緻密なセル径の発泡体は得
られ難いという欠点がある。さらに、前記(3)の方法
は、一般に組成物全体の粘度が上昇するため、塗布加工
などが困難になるという大きな欠点を有している。ま
た、前記発泡性能もさることながら、自動車生産ライン
中の電着塗装工程のような高温で垂直面等で長時間晒さ
れた場合、該発泡構造体がずり落ちるという不都合な現
象も多々生じる。このような現象を防止するために常温
乃至高温での粘着性を向上させこれを防止する手段も開
発されている。このような手段として、NBR変成エポ
キシ樹脂、液状NBR、ウレタン変成エポキシ樹脂、ヒ
マシ油変成エポキシ樹脂等を適当量添加してやることが
提案されているが、高発泡でかつ発泡セルが均一、緻密
な発泡体では、その発泡セル膜が薄くなっているため、
殆ど効果がないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、軽量かつ高剛性を有する緻密な発泡体を
与える上に、油面金属に対しても強固に接着させること
ができ、しかも高温での粘着力が高く、耐熱性が良好で
あって、例えば自動車分野などにおいて、電着塗装工程
前に適用しうる液状加工材料を提供することを目的とし
てなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の好ま
しい性質を有する液状加工材料を開発すべく鋭意研究を
重ねた結果、液状エポキシ樹脂をベースとして、これに
メタアクリル系樹脂、ポリブテン、エポキシ樹脂用潜在
性硬化剤、分解ガス発生温度が特定の範囲にある発泡
剤、界面活性剤を所定の割合で含有するエポキシ樹脂系
発泡性組成物により、その目的を達成しうることを見い
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、(A)1分子中に1個
以上のエポキシ基を含む液状エポキシ樹脂100重量部
当たり、(B)平均粒子径が300μm以下のメタアク
リル系樹脂10〜200重量部、(C)数平均分子量が
500〜10000のポリエブテン5〜50重量部、
(D)エポキシ樹脂用潜在性硬化剤0.5〜20重量
部、(E)分解ガス発生温度が100〜220℃の発泡
剤0.5〜20重量部および(F)界面活性剤0.05〜
5重量部からなることを特徴とするエポキシ樹脂系発泡
性組成物を提供するものである。以下、本発明を詳細に
説明する。
【0006】本発明組成物において、(A)成分として
用いられる液状エポキシ樹脂は、分子中に1個以上のエ
ポキシ基を有するものであって、このようなものとして
は、例えば(1)ビスフェノールA、ビスフェノールF
またはレゾルシンをベースとするジグリシジルエーテ
ル、(2)フェノールノボラック樹脂またはクレゾール
ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、(3)水素
化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、(4)グ
リシジルアミン型、(5)線状脂肪族エポキシド型、
(6)フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸またはテトラヒ
ドロフタル酸のジグリシジルエステル等が挙げられる。
これらの液状エポキシ樹脂のエポキシ当量は、100〜
300のものが好ましく、特に150〜250のものが
好ましい。
【0007】これらの液状エポキシ樹脂は1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、
得られる発泡体に靭性や粘着性を付与するためにエチレ
ンオキシドやプロピレンオキシド付加ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ダイマー酸型エポキシ樹脂、エポキシ
変性NBR等の変性エポキシ樹脂と組み合わせて用いて
もよい。本発明組成物においては、(B)成分として平
均粒子径が300μm以下のメタアクリル系樹脂が用い
られる。このメタアクリル系樹脂とはポリメチルメタア
クリレートあるいはメチルメタアクリレートを優位量と
するメチルメタアクリレートとエチルアクリレート、ア
クリロニトリルなどの共重合可能な単量体との共重合樹
脂が用いられる。メタアクリル系樹脂の好ましい平均重
合度は、ポリメチルメタアクリレート換算の平均重合度
が2000〜30000の範囲のものである。平均重合
度2000未満のものは、加工時の溶融粘度が低くな
り、発泡セルの流動破壊等により緻密なセル構造になり
難くなる。また、平均重合度が30000を超えると加
工時の溶融性が悪化し高い発泡倍率が得られなくなり、
本発明の効果が低減するため好ましくない。また、本メ
タアクリル樹脂は、平均粒子径が300μm以下であ
り、好ましくは1〜100μmである。平均粒子径が3
00μmを超えると他の組成物との均一分散性が悪くな
る。
【0008】また、本メタアクリル系樹脂の添加量は、
(A)成分である液状エポキシ樹脂100重量部当たり
10〜200重量部の範囲、好ましくは20〜100重
量部である。10重量部未満の場合は、(A)成分のエ
ポキシ樹脂の粘度および後述する(C)成分のポリブテ
ンの性質、添加量にもよるが、加工時の粘度が低くなり
すぎて発泡セルの流動破壊等により緻密なセル構造にな
らず、200重量部を超えて添加すると加工時の溶融性
が悪化し高い発泡倍率が得られなくなる。本発明組成物
においては、(C)成分としてポリブテンが用いられ
る。このポリブテンとはイソブチレン、n−ブテンの単
独重合物質あるいはこれらの両者が反応した共重合物質
を示し、一般的にはイソブチレンを優位量とした物質で
ある。その数平均分子量は500〜10000であり、
好ましくは1000〜3000の範囲である。数平均分
子量が500未満の場合は高温での粘着力が不足し、1
0000を超えると、常温での物質形状がゼリー状にな
り混合撹拌の加工性に劣る。また、その添加量は数平均
分子量にもよるが、(A)成分の液状エポキシ樹脂10
0重量部に対して5〜50重量部であり、好ましくは1
0〜40重量部である。5重量部未満の添加量では、高
温での粘着力が不足し、50重量部を超える添加量で
は、その数平均分子量にもよるがブリードを生じること
がある。
【0009】本発明組成物においては、(D)成分とし
てエポキシ樹脂用潜在性硬化剤0.5〜20重量部が用
いられる。この硬化剤はエポキシ樹脂との組み合わせで
発熱ピーク温度が100〜200℃の範囲にあるものが
好ましく、このようなものとしては、例えば、ジシアン
ジアミド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、2−
n−ヘプタデシルイミダゾールのようなイミダゾール誘
導体、イソフタル酸ジヒドラジド、N,N'−ジアルキル
尿素誘導体、N,N'−ジアルキルチオ尿素誘導体、テト
ラヒドロ無水フタル酸のような酸無水物、イソホロンジ
アミン、m−フェニレンジアミン、N−アミノエチルピ
ペラジン、三フッ化ホウ素錯化合物、トリスジメチルア
ミノメチルフェノール等が挙げられる。
【0010】これらの硬化剤は1種類で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよく、またその添
加量は、前記(A)成分の液状エポキシ樹脂100重量
部当たり0.5〜20重量部の範囲で選ぶことが必要で
ある。添加量が0.5重量部未満では硬化が不十分とな
り発泡体の弾性率が低く、また20重量部を超えるとそ
の量の割りには発泡体の弾性率は向上せず、むしろ経済
的に不利になる。また、本発明においては(D)成分の
硬化剤とともに、必要に応じて、例えばアルコール系、
フェノール系、メルカプタン系、ジメチルウレア系、脂
環族系さらにはイミダゾール、モヌロン、クロロトルエ
ン等の硬化促進剤を使用することができる。
【0011】本発明組成物においては、(E)成分とし
て分解ガス発生温度が100〜220℃の発泡剤が用い
られる。このような高温分解型発泡剤としては、有機発
泡剤、無機発泡剤、高温膨張型マイクロカプセルなどを
用いることができる。該分解ガス発生温度が100℃未
満ではシート化する前に発泡が始まったり、加熱、発泡
時に樹脂の溶融が不十分でガスが抜け発泡倍率が上がら
なかったり、あるいは均質な発泡体が得られ難い。ま
た、220℃を超えると該組成物の加工温度が高くなり
すぎ、劣化が生じたりして品質の良好な発泡体が得られ
難くなる。前記有機発泡剤としては、例えばアゾジカル
ボンアミド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン、4,4'−オキシビス
ベンゼンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。これら
の有機発泡剤の分解温度は尿素、亜鉛化合物、鉛化合物
等を適量添加することにより任意に調整することができ
る。また、無機発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリ
ウム、水素化ホウ素ナトリウム等が、高温膨張型マイク
ロカプセルとしては、例えば塩化ビニリデン樹脂で低沸
点炭化水素をカプセル化したもの等が挙げられる。
【0012】本発明の(E)成分としては、前記の有機
発泡剤、無機発泡剤、高温膨張型マイクロカプセルのい
ずれも用いることができるが、発泡倍率や経済性等の点
から有機発泡剤が好適である。これらの発泡剤は1種で
用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよく、その
添加量は、前記(A)成分である液状エポキシ樹脂10
0重量部に対して0.5〜20重量部の範囲で選ばれ
る。添加量が0.5重量部未満では発泡倍率が不十分で
あるし、20重量部を超えるとその添加量の割りには発
泡倍率が向上せず、経済的に不利となる。また、均一な
発泡セル径と剛質なセル膜をもつ緻密な発泡体を得るた
めには、前記発泡剤の粒子径は小さいものの方が有利で
あり、例えば0.5mm以下のセル径を得るには、発泡剤
の平均粒子径は20μm以下、好ましくは10μm以下
で、粒径分布も均一なものが望ましい。本発明組成物に
おいては、前記発泡剤とともに、必要に応じて発泡促進
剤を併用することができる。この発泡促進剤としては、
例えば酸化亜鉛、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ナト
リウムやカリウム系化合物、尿素等が挙げられる。
【0013】本発明組成物においては(F)成分として
界面活性剤が用いられる。この界面活性剤は、発泡セル
構造をより良好なものにする役割を果たすものである。
該界面活性剤としては、例えばラウリル硫酸エステルナ
トリウム、ミリスチル硫酸エステルナトリウム等のアル
キル硫酸エステル塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム等のア
ルキルアリルスルホン酸塩類、ジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等
のスルホコハク酸エステル塩類、ラウリン酸アンモニウ
ム、ステアリン酸カリウム等の脂肪酸塩類、ポリオキシ
エチレンアルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリル硫酸エステル塩類、ロジン酸塩等のア
ニオン性界面活性剤を好ましく挙げることができるが、
さらにソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノステアレート等のソルビタンエステル類、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンアルキルエステル類等のノニオン性界面活性剤やセチ
ルピリジニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウ
ムブロミド等のカチオン性界面活性剤等も使用すること
ができる。
【0014】これらの界面活性剤は1種類で用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、その添加
量は(A)成分である液状エポキシ樹脂100重量部当
たり0.05〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部で
ある。0.05重量部未満の添加量では、発泡セルを均
質化する効果に乏しく、また5重量部を超える添加量で
は、その添加量の割りには発泡セルが均質化しなくなる
ばかりでなく、樹脂の熱安定性を低下させるため好まし
くない。さらに、本発明の組成物においては、溶融粘度
の調整および(A)成分のエポキシ樹脂、(B)成分の
メタアクリル系樹脂、(C)成分のポリエチレン系樹脂
間の親和性を調整するために必要に応じて可塑剤を添加
することも可能である。該可塑剤としては、例えばジ−
2−エチルヘキシルフタレート、ジブチルフタレート等
のフタル酸エステル類、トリクレジルホスフェート等の
リン酸エステル類、ジオクチルアジペート等の脂肪酸エ
ステル類、さらにはエチレングリコールのアジピン酸縮
合体、トリメリット酸トリエステル、グリコール酸エス
テル、塩素化パラフィン、アルキルベンゼン等の公知の
ものを使用することができる。
【0015】本発明組成物においては、初期の混合を容
易にしたり、充填剤等の添加量を増加させるなどの目的
で、必要に応じてエポキシ樹脂用希釈剤を添加してもか
まわない。この希釈剤としては、例えばブチルグリシジ
ルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリ
シジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、バーサ
ティック酸グリシジルエーテル等の反応性希釈剤や、ジ
ブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、ブチル
べンジルフタレート、アセチルトリブチルクエン酸エス
テル、アロマティックプロセスオイル、パインオイル、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールイソブ
チレート等の非反応性希釈剤を挙げることができる。こ
れらの希釈剤は、通常(A)成分の液状エポキシ樹脂1
00重量部当たり、通常5〜150重量部、好ましくは
10〜100重量部の範囲で選択される。本発明組成物
には、加工性や粘性等の塗布特性の調整や、コスト低減
のため必要に応じてチキソトロープ剤や充填剤、顔料等
を添加してもよい。該チキソトロープ剤としては、例え
ば無水ケイ酸や含水ケイ酸等のケイ酸系、有機ベントナ
イト等のベントナイト系、サイロデックス等のアスベス
ト系、ジベンジリデンソルビトール等の有機系等が挙げ
られる。これらのチキソトロープ剤は、該(A)成分の
液状エポキシ樹脂100重量部当たり、通常1〜20重
量部の範囲で選ばれる。
【0016】また、充填剤としては、例えば炭酸カルシ
ウム、マイカ、タルク、カオリンクレー、セライト、ア
スベスト、パーライト、バライタ、シリカ、ケイ砂、鱗
片状黒鉛、ドロマイト石灰石、石膏、アルミニウム粉末
等が挙げられる。本発明のエポキシ樹脂系発泡性組成物
は、前記(A)〜(F)の必須成分と、必要に応じて用
いられる各種添加成分とをそれぞれ所定量用い、例えば
プラネタリーミキサー、ニーダー、ロール、ヘンシェル
ミキサー等により調整することができる。本発明組成物
は通常140〜220℃の範囲の温度で加熱して、発泡
剤の分解とエポキシ樹脂の硬化反応を同時に行うもの
で、公知のゾル加工、カレンダー加工、押出加工などの
加熱成形することにより、高発泡倍率でかつ発泡セルが
緻密な靭性と耐熱性を有するエポキシ樹脂系発泡形体を
得ることができるとともに、必要に応じて100〜15
0℃程度の発泡剤の分解温度以下の比較的低温で一端セ
ミキュア成形体を作成後、必要な部位に貼付するなどし
てから140〜220℃の範囲の温度で加熱することに
より発泡剤の分解とエポキシ樹脂の硬化反応を行うこと
ができる。
【0017】本発明のエポキシ樹脂発泡性組成物を、自
動車等の外板の剛性付与材、断熱材等に適用する場合に
は、先ず前述のセミキュアシートを作成後、所望形状に
裁断し、次いでこれを剛性などの機能を付与すべき加熱
可能な部位に生産現場にて粘着施行後、加熱して発泡さ
せると同時に、該組成物中のエポキシ樹脂を反応硬化さ
せ、被貼付け部位により強固に接着させて剛性を発現さ
せる方法が最も効果的である。さらに、本発明組成物を
自動車の外板に適用する場合には、生産ライン中の電着
塗装前の工程でも適用が可能で、同分野での使用範囲の
拡大を図ることができる。
【0018】本発明組成物は、発泡剤の分解ガスを緻密
な泡沫の状態に維持できるため、引き続いて反応するエ
ポキシ樹脂の硬化の加工範囲も広い上、泡沫化した際の
組成物全体の見掛けの粘度が加熱下においても高い状態
に維持されるので、垂直面や天井面に施工しても流下す
ることがなく硬化反応を進めることができ、また組成物
中に熱可塑性樹脂が含まれているため、油面金属に対す
る粘、接着性が著しく向上している。本発明組成物はま
た、所望の被体に直接塗工したり、空隙を有する被体の
該空隙に直接充填して加工することも可能である。
【0019】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によりなんら限定されるも
のではない。なお、各物性は次のようにして求めた (1)垂直発泡時の耐ズレ性 組成物を発泡剤の分解温度以下で成形して未発泡セミキ
ュアシートを作成し、これを縦70mm、横110mm、厚
み0.8mmの鋼板の上に載置し、必要に応じてさらにそ
の上に別途に示す表面材を載せた構造体を作成した後、
これを垂直に固定し150℃、30分で加熱発泡させた
場合の鋼板と発泡体間で発生したズレの程度を次の基準
に従って求めた。尚、ズレをxとする。 ◎:x≦1mm ○:1mm<x≦2mm、若干のズレがあるが実用上問題な
い。 △:2mm<x≦5mm、部位によっては実用上問題ある。 ×:5mm<x、実用に供し得ない。 ××:剥離
【0020】(2)発泡倍率、発泡セル形状、緻密性 発泡倍率は発泡層全体の厚みをセミキュアシート厚みで
除算してもとめ、発泡セル形状、緻密性は次の基準に従
って求めた。 ◎:セルは均一で緻密、大部分は独立気泡である。 ○:セルは比較的均一で緻密、一部連続気泡がある。 △:セルは比較的不均一で粗い、連続気泡が多くある。 ×:セルは不均一で粗い、大部分は連続気泡であるか、
または殆ど発泡しない。
【0021】(3)構造体の剛性比 組成物を発泡剤の分解温度以下で成形して未発泡セミキ
ュアシートを作成し、これを厚み0.8mm鋼板の上に載
置し、必要に応じてさらにその上に別途に示す表面材を
載せた構造体を作成した後、150℃、30分で加熱発
泡と各層間の接着をおこなった。このようにして得られ
た構造体を加振することにより、機械インピーダンスを
求め、その共振周波数の厚み0.8mm鋼板単体の共振周
波数からの移動量により下に示す数式により算出すると
ともに、内挿法により200Hzの剛性比を求めた。な
お、測定周波数は1〜1000Hzであり、測定温度は2
0、40、60℃である。 剛性比=(fo/f)2・{(m1+m2)/m1} ここで、fo:被層構造体の共振周波数(Hz) f:鋼板単体の共振周波数(Hz) m2:試験体の面密度(g/m2) m1:鋼板単体の面密度(g/m2) である。また、試験体寸法は30×300mmである。
【0022】実施例1〜7および比較例1〜7 第1表に示す種類と量の各成分を、室温でプラネタリー
ミキサーを用いて混合して発泡性組成物を調整した後こ
れをアプリケーターを用いて離型紙上に2mmの厚さに塗
布して、110℃の熱風循環炉で90秒加熱することに
より、未発泡セミキュアシートを作成した。次いで、こ
の未発泡セミキュアシートを前述の鋼板に張り付けたの
ち、離型紙を剥がして前記条件にて加熱発泡を行った。
また、剛性を評価する試験においては未発泡セミキュア
シートを前述の鋼板に張り付けたのち、離型紙を剥がし
てから厚み150μmのアルミニューム板、ガラスクロ
ス250g/m2又は厚み80μmのスチール箔を載置
し、前記条件にて加熱発泡と各層間の接着を行った。な
お、使用したビスフェノールA系エポキシ樹脂のエポキ
シ当量は、185であった。また、使用した発泡剤アゾ
ジカルボンアミドの分解ガス発生温度は150℃であ
り、その平均粒子径は9μmであった。各評価結果を第
2表に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】なお、第1表中の添字は以下に記載したも
のを示す。 注) 1)ポリメチルメタアクリレート [平均重合度:3000、250メッシュのフルイを通
過したもの(平均粒子径:1μm)] 2)ポリメチルメタアクリレート/エチルアクリレート
共重合体 [組成重量比:90/10、平均重合度:6000、2
50メッシュのフルイを通過したもの(平均粒子径:1
μm)] 3)ポリブテン [日本石油化学(株)製HV−35、数平均分子量:75
0] 4)ポリブテン [日本石油化学(株)製HV−300、数平均分子量:1
350] 5)ポリブテン [日本石油化学(株)製HV−1900、数平均分子量:
2700] 6)液状NBR [日本ゼオン(株)製ニポール1312] 7)NBR変成エポキシ樹脂 [エー・シー・アール(株)製R−1309、エポキシ当
量:300] 8)ウレタン変成エポキシ樹脂 [エー・シー・アール(株)製R−1541、エポキシ当
量:270] 9)ヒマシ油変成エポキシ樹脂 [エー・シー・アール(株)製R−1353、エポキシ当
量:530] 10)ポリブテン [日本石油化学(株)製LV−5、数平均分子量280] 11)アエロジル [ドイツ デグサ社製 無水ケイ酸、平均粒子径:0.
3μm]
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂系発泡性組成物
は、高い発泡倍率が得られるとともに、発泡セル径が均
一、緻密であり、かつ剛性及び耐熱性のある発泡体を容
易に与えることができ、例えば補強材、断熱材、緩衝
材、包装材、シール材、封止材等の素材として、自動
車、家電、建材等の分野において好適に利用される。特
に、自動車分野においては、車体外板の剛性補強材等に
用いる場合、生産ラインにおける電着塗装工程前の工程
で適用しても、電着塗装工程の高温雰囲気に晒されて
も、ずり落ちることもなく好適な補強効果を得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63/00 NJN 8830−4J // C08L 63:00 (72)発明者 信賀 麻子 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目2番1号 日本ゼオン株式会社研究開発センター内 (72)発明者 矢田 誠規 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目2番1号 日本ゼオン株式会社研究開発センター内 (72)発明者 永瀬 敏夫 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目2番1号 日本ゼオン株式会社研究開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)1分子中に1個以上のエポキシ基を
    含む液状エポキシ樹脂100重量部当たり、(B)平均
    粒子径が300μm以下のメタアクリル系樹脂10〜2
    00重量部、(C)数平均分子量500〜10000の
    ポリブテン5〜50重量部、(D)エポキシ樹脂用潜在
    性硬化剤0.5〜20重量部、(E)分解ガス発生温度
    が100〜220℃の発泡剤0.5〜20重量部および
    (F)界面活性剤0.05〜5重量部からなることを特
    徴とするエポキシ樹脂系発泡性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1112443A (ja) * 1997-06-25 1999-01-19 Matsushita Electric Works Ltd 液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2002284045A (ja) * 2001-03-26 2002-10-03 Nissan Motor Co Ltd 車輌用部材の接合方法及び車輌用部材の接合構造
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KR20220031445A (ko) * 2020-09-04 2022-03-11 예영준 발포용 에폭시 조성물 및 이를 포함하는 발포 성형품

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