JPH05194421A - 新規シクロプロパン誘導体 - Google Patents

新規シクロプロパン誘導体

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JPH05194421A
JPH05194421A JP3186424A JP18642491A JPH05194421A JP H05194421 A JPH05194421 A JP H05194421A JP 3186424 A JP3186424 A JP 3186424A JP 18642491 A JP18642491 A JP 18642491A JP H05194421 A JPH05194421 A JP H05194421A
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JP
Japan
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bis
cyclopropyl
mmol
residue
formula
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Application number
JP3186424A
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English (en)
Inventor
Satoru Hatsuya
哲 初谷
Takaaki Sekiyama
隆顕 関山
Hisashi Tsuji
尚志 辻
Masahiko Okunishi
昌彦 奥西
Satoshi Iwayama
聡 岩山
Shinya Katagiri
信弥 片桐
Chikara Kaneko
主税 金子
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗ウイルス活性を有し、低毒性の新規なシク
ロプロパン誘導体及びそれを含有する抗ウイルス薬剤組
成物を提供する。 【構成】 化1 【化1】 (式中、B1 はプリン誘導体残基、およびピリミジン誘
導体残基を示し、R1 、R2 は同一でも異なっていても
よく、水素原子、または水酸基の保護基を示す。k,
m,nはそれぞれ0〜3の整数を表す。)で示される新
規シクロプロパン誘導体及びその薬学的に許容しうる塩
並びにそれを0.1〜10重量%含有する抗ウイルス薬
剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規シクロプロパン誘
導体に関し、詳しくは抗ウイルス効果を示し、種々のウ
イルス性疾患の治療薬として有用なシクロプロパン誘導
体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在多くのウイルス性疾患に対しては薬
効面および安全性の面から、満足のいく薬剤はなく、優
れた抗ウイルス剤の開発が望まれている。核酸関連化合
物には抗ウイルス作用を持つものが多く、そのいくつか
は抗ウイルス薬として用いられている。例えばアシクロ
ビル、ガンシクロビル、アジドチミジンなどがあげられ
る。一方、特開昭60−231661号公報には抗ウイ
ルス活性を持つシクロプロパン化合物についての記載が
あるが、シクロプロパン環上の異なる位置に2つのオキ
シアルキル基を置換基として持つものについての報告は
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は抗ウイルス効
果を有する新規シクロプロパン誘導体を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは研究の結
果、下記化1
【0005】
【化7】
【0006】(式中、B1 はプリン誘導体残基およびピ
リミジン誘導体残基を表し、R1 、R 2 は水素原子、ま
たは水酸基の保護基を表し、同一でも異なっていてもよ
い。k、m、nはそれぞれ0〜3の整数を表す。)で示
されるシクロプロパン誘導体及びその塩が抗ウイルス作
用を有することを見いだし、本発明を完成した。化1に
おけるプリン誘導体の残基としては、たとえばアデニン
残基、グアニン残基、キサンチン残基、ヒポキサンチン
残基、2−アミノ−6−クロロプリン、2,6−ジアミ
ノプリン残基、2−アミノプリン残基などがあげられ
る。
【0007】ピリミジン誘導体の残基としては、チミン
残基、シトシン残基、ウラシル残基などがあげられる。
化1における水酸基の保護基としては、ベンジル基、テ
トラヒドロピラニル基、アシル基、シリル基などがあげ
られる。アシル基はその炭化水素部分がアルキルである
アルキルアシル基及びアリール基であるアリールアシル
基のいずれをも含み、シリル基の具体例としてはトリメ
チルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などがあ
る。
【0008】以下に本発明の具体的なシクロプロパン誘
導体を示す。 9−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルグアニン 9−[(1′β,2′β,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルグアニン 9−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルグアニン 9−[(1′β,2′α,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルグア
ニン 9−[(1′β,2′β,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルグア
ニン 9−[(1′β,2′α,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルグア
ニン 9−[(1′β,2′β,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルグア
ニン 9−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルアデニン 9−[(1′β,2′β,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルアデニン 9−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルアデニン 9−[(1′β,2′α,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルアデ
ニン 9−[(1′β,2′β,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルアデ
ニン 9−[(1′β,2′α,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルアデ
ニン 9−[(1′β,2′β,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルアデ
ニン 9−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル−2−ア
ミノ−6−クロロプリン 9−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル−2−ア
ミノ−6−クロロプリン 9−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル−2−ア
ミノ−6−クロロプリン 9−[(1′β,2′α,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチル−2
−アミノ−6−クロロプリン 9−[(1′β,2′β,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチル−2
−アミノ−6−クロロプリン 9−[(1′β,2′α,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチル−2
−アミノ−6−クロロプリン 9−[(1′β,2′α,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチル−2
−アミノ−6−クロロプリン 9−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルヒポキサ
ンチン 9−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルヒポキサ
ンチン 9−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルヒポキサ
ンチン 9−[(1′β,2′α,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルヒポ
キサンチン 9−[(1′β,2′β,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルヒポ
キサンチン 9−[(1′β,2′α,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルヒポ
キサンチン 9−[(1′β,2′β,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルヒポ
キサンチン 1−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルチミン 1−[(1′β,2′β,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルチミン 1−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルチミン 1−[(1′β,2′α,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルチミ
ン 1−[(1′β,2′β,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルチミ
ン 1−[(1′β,2′α,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルチミ
ン 1−[(1′β,2′β,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルチミ
ン 1−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルシトシン 1−[(1′β,2′β,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルシトシン 1−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルシトシン 1−[(1′β,2′α,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルシト
シン 1−[(1′β,2′β,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルシト
シン 1−[(1′β,2′α,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルシト
シン 1−[(1′β,2′β,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルシト
シン 1−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルウラシル 1−[(1′β,2′β,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルウラシル 1−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルウラシル 1−[(1′β,2′α,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルウラ
シル 1−[(1′β,2′β,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルウラ
シル 1−[(1′β,2′α,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルウラ
シル 1−[(1′β,2′β,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチルウラ
シル 1−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル−5−フ
ルオロウラシル 1−[(1′β,2′β,3′β)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル−5−フ
ルオロウラシル 1−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル−5−フ
ルオロウラシル 1−[(1′β,2′α,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチル−5
−フルオロウラシル 1−[(1′β,2′β,3′β)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチル−5
−フルオロウラシル 1−[(1′β,2′α,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチル−5
−フルオロウラシル 1−[(1′β,2′β,3′α)−2′−ヒドロキシ
−3′−ヒドロキシメチルシクロプロピル]メチル−5
−フルオロウラシル 化1に示したシクロプロパン誘導体は、ラセミ体及び各
光学活性体のいずれをも包含するものである。
【0009】各化合物の相対立体配置については、シク
ロプロパンを平面と考えたとき、平面の下方に位置する
置換基をα、平面の上方に位置する置換基をβで表して
いる。本発明の化合物はたとえば次のようにして製造さ
れる。化1についてB1 がグアニン残基、R1 、R2
水素であり、k、mおよびnが1の場合の化合物の製法
を以下に簡単に説明する。
【0010】
【化8】
【0011】まず、式1のグリシンエステル(R3 =ア
ルキル)を亜硝酸ナトリウム水溶液でジアゾ化し、式2
の水酸基を保護した1,4−ブテンジオール誘導体(R
4 =水酸基の保護基)を反応させ、式3のシクロプロパ
ン誘導体を得る。水酸基の保護基としてはベンジル基や
シリル基などが用いられる。次いで、式3の化合物のエ
ステル基を還元して式4のアルコール体を得る。このと
き用いる還元剤としては、リチウムボロヒドリド、ナト
リウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒド
リド(Red-Al) などがあげられる。生成物がジアスレオ
マーの混合物である場合はシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにより分離する。
【0012】次いで、塩基、例えばビリジン、トリエチ
ルアミンの存在下、p−トルエンスルホニルクロリド、
メタンスルホニルクロリド、三臭化リンなどを用いて式
4のアルコール体を式5に示すトシラート、メシラート
またはハライドに変換する。Xはp−トルエンスルホニ
ルオキシ、メタンスルホニルオキシ基またはハロゲンを
表す。
【0013】この式5の化合物を、水素化ナトリウム存
在下、保護されたグアニンである2−アミノ−6−ベン
ジルオキシプリン
【0014】
【化9】
【0015】または2−アミノ−6−クロロプリン
【0016】
【化10】
【0017】とジメチルホルムアミドのような極性溶媒
中、加熱撹拌することで式6の保護されたヌクレオシド
誘導体へと導く。塩基として炭酸カリウムを用いてもよ
く、18−クラウン−6を共存させてもよい。このよう
にして得られた式6の化合物を適当な条件、たとえば、
メタノール中での塩酸との反応、パラジウムカーボン触
媒存在下での水素添加などによって保護基を除去して式
7のグアニン誘導体を製造することができる。
【0018】次の式はアデニンのアルキル化を示すもの
である。
【0019】
【化11】
【0020】ジメチルホルムアミドのような極性溶媒
中、式5の化合物とアデニン(式8)を加熱撹拌し式9
の化合物を得、次いでR4 の保護基を除去することによ
り式10の化合物を得ることができる。アデニンの代わ
りに6−クロロプリンを用いて、アルキル化反応の後
に、アンモニア等でプリン環の6位をアミノ化すること
によっても式9の化合物を得ることが出来る。
【0021】また、次式に示すようにアデニン誘導体
(式11)にアデノシンデアミネースを作用させること
によりヒポキサンチン残基を有する式12の化合物を得
ることができる。R5 は水素あるいは水酸基の保護基の
どちらでもよい。
【0022】
【化12】
【0023】以下の式はピリミジン類のアルキ化を示し
ている。
【0024】
【化13】
【0025】
【化14】
【0026】チミン(式13)またはシトシン(式1
6)を炭酸カリウム存在下、式5の化合物と反応させ
る。反応に際してヨウ化ナトリウムを共存させてもよ
い。溶媒としてはジメチルスルホキシド、ジメチルホル
ムアミドのような極性溶媒が適している。R4 は水酸基
の保護基、たとえばシリル基、ベンジル基であり、メタ
ノール中塩酸によって、或いはパラジウムカーボン触媒
存在下水素で脱保護することにより、式15のチミン誘
導体または式18のシトシン誘導体を得る。ウラシル誘
導体もチミンやシトシンのかわりにウラシルを用いるこ
とにより、同様の方法で得られる。
【0027】このようにして得られた本発明のシクロプ
ロパン誘導体は、更に適当な酸との反応により薬学的に
許容しうる塩にすることができる。かかる塩を形成する
酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸または
リン酸等の無機酸、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マ
レイン酸、フマル酸またはモノメチル硫酸等の有機酸が
挙げられ、造塩反応は常法により容易に行うことができ
る。
【0028】本発明の化合物は抗ウイルス活性を有し、
抗ウイルス剤として期待される。ウイルスの例をあげる
とHIV(Human Immunodeficiency Virus) を含むレト
ロウイルス、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイ
ルス、VZV(Varicella Zoster Virus) 、EBV(Ep
stein-Barr Virus) などである。本発明化合物を抗ウイ
ルス剤として使用する場合、静脈内投与、経口投与、経
皮投与することができる。投与量は投与する患者の症
状、年齢、投与方法によって異なるが、通常0.1から
500mg/kg/日である。本発明化合物は、適当な製剤
用担体と混合して調整した抗ウイルス薬剤組成物として
投与される。製剤の形としては注射剤、錠剤、顆粒剤、
細粒剤、散剤、カプセル剤、クリーム剤、座薬などが挙
げられ、製剤用担体としては、例えば、乳糖、ブドウ
糖、D−マンニトール、澱粉、結晶セルロース、炭酸カ
ルシウム、カオリン、デンプン、ゼラチン、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、ポリビニルピロリドン、エタノール、カルボキシ
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシ
ウム塩、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アセチル
セルロース、白糖、酸化チタン、安息香酸、パラオキシ
安息香酸エステル、デヒドロ酢酸ナトリウム、アラビア
ゴム、トラガント、メチルセルロース、卵黄、界面活性
剤、単シロップ、クエン酸、蒸留水、グリセリン、プロ
ピレングリコール、マクロゴール、リン酸一水素ナトリ
ウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩
化ナトリウム、フェノール、チメロサール、亜硫酸水素
ナトリウム等があり、製剤の形に応じて、本発明化合物
と混合して使用される。
【0029】本発明の抗ウイルス製剤組成物中における
本発明の有効成分の含有量は、製剤の形によって大きく
変動し、特に限定されるものではないが、通常は、組成
物全量に対して0.01〜90重量%、好ましくは0.
01〜20重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%
である。次に実施例を示すが、本発明がこれらに限定さ
れないことは言うまでもない。
【0030】
【実施例】実施例1 (±)9−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルグ
アニン塩酸塩の製造工程1 (±)エチル 2α,3β−ビス(tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシメチル)シクロプロパン−1β
−カルボキシラートの製造 グリシンエチルエステル塩酸塩5.60g(40mmol)
を水10mlに溶解し、これにジクロルメタン23mlを加
えた。この溶液を0℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム水溶
液(3.28g/10ml)を加えた。さらに−20℃に
冷却し、撹拌しながら5%硫酸水溶液3.90mlを滴下
し、10分間撹拌した。得られた溶液を分液し、水層を
ジクロルメタン200mlで抽出した。あわせたジクロル
メタン層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、分
液してジクロルメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶液を約7.5mlまで濃縮し、ジアゾ酢酸エチルの
ジクロルメタン溶液を得た。次にトランス−1,4−ビ
ス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−ブテン
10.38g(32.8mmol)、酢酸ロジウム(II)ダ
イマー90mg(0.20mmol)をジクロルメタン20ml
に溶解し、これに前述のジアゾ酢酸エチル溶液を室温
で、約6時間かけて滴下する。滴下終了後室温で14時
間撹拌し、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製し、(±)エチル 2α,3β−
ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)シク
ロプロパン−1β−カルボキシラートを得た。無色油状
物質4.01g(10.0mmol)収率30%。
【0031】工程2 (±)1β−[2α,3β−ビス
(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)シクロプ
ロピル]メタノールの製造 (±)エチル 2α,3β−ビス(tert−ブチルジメチ
ルシリルオキシメチル)シクロプロパン−1β−カルボ
キシラート2.24g(5.46mmol)を乾燥したテト
ラヒドロフラン25mlに溶解し、−5℃でナトリウムビ
ス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリドの
3.3Mトルエン溶液2.8ml(9.24mmol)を加
え、−5℃で20分撹拌した。飽和塩化アンモニウム水
溶液10mlを加え、沈澱を溶解し酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル層をあわせて飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、
(±)1β−[2α,3β−ビス(tert−ブチルジメチ
ルシリルオキシメチル)シクロプロピル]メタノールを
得た。無色油状物質1.34g(3.71mmol)収率6
7%。
【0032】工程3 (±)2−アミノ−6−ベンジル
オキシ−9−[(1′β,2′α,3′β)−2′,
3′−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチ
ル)シクロプロピル]メチルプリンの製造 (±)1β−[2α,3β−ビス(tert−ブチルジメチ
ルシリルオキシメチル)シクロプロピル]メタノール
2.14g(5.93mmol)とp−トルエンスルホニル
クロリド3.39g(17.8mmol)と、ジメチルアミ
ノピリシン4.35g(35.6mmol)をジクロルメタ
ン80mlに溶解し、0℃から5℃で2.5時間撹拌し
た。酢酸エチル:エーテル 1:1の混合溶媒を加え、
この溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液、次いで飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、得られ
た有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去
し残渣を得た。
【0033】炭酸カリウム0.82g(5.93mmo
l)、2−アミノ−6−ベンジルオキシプリン1.43
g(5.93mmol)、18−クラウン−6 1.42g
(5.93mmol)のジメチルホルムアミド溶液40mlに
前述の残渣のジメチルホルムアミド溶液10mlを加え、
110℃で16時間撹拌した。室温で放冷後、酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:1の混合溶媒100mlを加えて希釈
し、飽和食塩水で洗浄した。水層を酢酸エチル:ヘキサ
ン=1:1の混合溶媒で抽出し、合わせた有機層を無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的
とする9位置換体、(±)2−アミノ−6−ベンジルオ
キシ−9−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′
−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)シ
クロプロピル]メチルプリンを得た。白色固体1.19
1g(2.04mmol)収率34%。
【0034】工程4 (±)9−[(1′β,2′α,
3′β)−2′,3′−ビス(ヒドロキシメチル)シク
ロプロピル]メチルグアニン塩酸塩の製造 (±)2−アミノ−6−ベンジルオキシ−9−[(1′
β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス(tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシメチル)シクロプロピル]メチ
ルプリン552mg(0.945mmol)に1N塩酸5mlと
メタノール25mlを加え50℃で2時間撹拌した。溶媒
を留去し、水と酢酸エチルを加えて分液し、酢酸エチル
層を水で抽出した。水層を合わせて溶媒を留去し白色の
固体を得た。得られた固体をメタノールから再結晶し、
(±)9−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルグ
アニン塩酸塩を得た。白色結晶53.5mg(0.177
mmol)収率18%。 1H−NMR(DMSO−d6)δ
1.02-1.20(m 、2H) 、1.26-1.37(m 、1H) 、3.12(dd 、
J=7.2 、11.4Hz、1H) 、3.31(dd 、J=9.3 、11.7Hz、1
H) 、3.47(dd 、J=5.4 、11.4Hz、1H) 、3.76(dd 、J=
5.4 、11.7Hz、1H) 、4.06(dd 、J=8.1 、14.4Hz、1H)
、4.24(dd 、J=7.2 、14.4Hz、1H) 、7.18(bs 、2H)
、9.11(s、1H) 、11.60(bs、1H) ;FAB MAS
S,m/z266(MH+ ) 。
【0035】実施例2 (±)9−[(1′β,2′β,3′β)−2′,3′
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルグ
アニン塩酸塩の製造工程1 (±)エチル 2β,3β−ビス(tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシメチル)シクロプロパン−1β
−カルボキシラートの製造 グリシンエチルエステル塩酸塩5.36g(38.4mm
ol)を水10mlに溶解し、これにジクロルメタン23ml
を加えた。この溶液を0℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム
水溶液(3.33g/10ml)を加えた。さらにドライ
アイス−エタノール浴で−20℃に冷却し、撹拌しなが
ら5%硫酸水溶液3.6mlを滴下し、−20℃で10分
間撹拌した。得られた溶液を分液し、水層をジクロルメ
タン200mlで抽出した。あわせたジクロルメタン層を
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、分液したジク
ロルメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を
約10mlまで濃縮し、ジアゾ酢酸エチルのジクロルメタ
ン溶液を得た。次にシス−1,4−ビス(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−2−ブテン10.00g(3
1.6mmol)、酢酸ロジウム(II) ダイマー90mg
(0.20mmol)をジクロルメタン15mlに溶解し、こ
れに前述のジアゾ酢酸エチル溶液を室温で、約6時間か
けて滴下した。滴下終了後溶媒を留去し、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、(±)エチル
2β,3β−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキ
シメチル)シクロプロパン−1β−カルボキシラートを
得た。無色油状物質1.06g(2.63mmol)収率
8.3%。
【0036】さらに溶出を続け、(±)エチル 2α,
3α−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチ
ル)シクロプロパン−1β−カルボキシラートを得た。
無色油状物質0.93g(2.31mmol)収率7.3
%。
【0037】工程2 (±)1β−[2β,3β−ビス
(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)シクロプ
ロピル]メタノールの製造 (±)エチル2′β,3′β−ビス(tert−ブチルジメ
チルシリルオキシメチル)シクロプロパン−1β−カル
ボキシラート2.17g(5.39mmol)を乾燥したテ
トラヒドロフラン20mlに溶解し、0℃でナトリウムビ
ス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリドの
3.3Mトルエン溶液2.25ml(7.43mmol)を加
え、0℃で30分間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水
溶液と酢酸エチルを加え分液した。得られた酢酸エチル
層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで精製し、(±)1β−[2β,3
β−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)
シクロプロピル]メタノールを得た。無色油状物質0.
530g(1.47mmol)収率27%。
【0038】工程3 (±)2−アミノ−6−ベンジル
オキシ−9−[(1′β,2′β,3′β)−2′,
3′−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチ
ル)シクロプロピル]メチルプリンの製造 (±)1β−[2β,3β−ビス(tert−ブチルジメチ
ルシリルオキシメチル)シクロプロピル]メタノール5
30mg(1.47mmol)とp−トルエンスルホニルクロ
リド841mg(4.41mmol)と、ジメチルアミノピリ
ジン1.08g(8.84mmol)をジクロルメタン15
mlに溶解し、0℃で4.5時間撹拌した。酢酸エチル:
エーテル 1:1の混合溶媒を加え、この溶液に飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液を加えて分液し、飽和塩化アン
モニウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、得られた有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し残渣を得
た。炭酸カリウム226mg(1.64mmol)、2−アミ
ノ−6−ベンジルオキシプリン361mg(1.50mmo
l)、18−クラウン−6 391mg(1.63mmol)
のジメチルホルムアミド溶液7mlに前述の残渣のジメチ
ルホルムアミド溶液7mlを加え、110℃で16.5時
間撹拌した。室温で放冷後、酢酸エチル:ヘキサン=
1:1の混合溶媒を加えて希釈し、飽和食塩水で洗浄し
た。水層を酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶媒で
抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、溶媒を留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製し、目的とする9位置換体、
(±)2−アミノ−6−ベンジルオキシ−9−[(1′
β,2′β,3′β)−2′,3′−ビス(tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシメチル)シクロプロピル]メチ
ルプリンを得た。白色固体137mg(0.235mmol)
収率16%。
【0039】工程4 (±)9−[(1′β,2′β,
3′β)−2′,3′−ビス(ヒドロキシメチル)シク
ロプロピル]メチルグアニン塩酸塩の製造 (±)2−アミノ−6−ベンジルオキシ−9−[(1′
β,2′β,3′β)−2′,3′−ビス(tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシメチル)シクロプロピル]メチ
ルプリン137mg(0.235mmol)に1N塩酸1.2
mlとメタノール5mlを加え50℃で2時間撹拌した。溶
媒を留去し、水と酢酸エチルを加えて分液し、酢酸エチ
ル層を水で抽出した。水層を合わせて溶媒を留去し得ら
れた残渣をメタノールから再結合し、(±)9−
[(1′β,2′β,3′β)−2′,3′−ビス(ヒ
ドロキシメチル)シクロプロピル]メチルグアニン塩酸
塩を得た。白色結晶30.7mg(0.102mmol)収率
43%。 1H−NMR(DMSO−d6)δ1.23-1.36
(m 、2H) 、1.48-1.62(m 、1H) 、3.50(dd 、J=8.7 、1
1.7Hz、2H) 、3.69(dd 、J=5.4 、11.7Hz、2H) 、4.26
(d、J=7.8Hz 、2H) 、7.10(bs 、2H) 、8.19(s、1H) 、
11.49(bs、1H) ;FAB MASS,m/z266(M
+ ) 。
【0040】実施例3 (±)9−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルグ
アニン塩酸塩の製造工程1 (±)1β−[2α,3α−ビス(tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシメチル)シクロプロピル]メタ
ノールの製造 実施例2工程1で得た(±)エチル 2α,3α−ビス
(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)シクロプ
ロパン−1β−カルボキシラート1.09g(2.71
mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン10mlに溶解し、
0℃で水素化リチウムアルミニウムの1.0Mテトラヒ
ドロフラン溶液10ml(10mmol)を加え、0℃で30
分間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチ
ルを加え分液した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を留去し得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製し、(±)1β−[2
α,3α−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシメ
チル)シクロプロピル]メタノールを得た。無色油状物
質0.769g(2.13mmol)収率67%。
【0041】工程2 (±)2−アミノ−6−ベンジル
オキシ−9−[(1′β,2′α,3′α)−2′,
3′−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチ
ル)シクロプロピル]メチルプリンの製造 (±)1β−[2α,3α−ビス(tert−ブチルジメチ
ルシリルオキシメチル)シクロプロピル]メタノール6
67mg(1.85mmol)とp−トルエンスルホニルクロ
リド1.06g(5.56mmol)と、ジメチルアミノピ
リジン1.35g(11.1mmol)をジクロルメタン1
8mlに溶解し、0℃で1時間撹拌した。酢酸エチル:エ
ーテル 1:1の混合溶媒と飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液を加えて分液し、得られた有機層を飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し残渣
を得た。炭酸カリウム281mg(2.03mmol)、2−
アミノ−6−ベンジルオキシプリン456mg(1.89
mmol)、18−クラウン−6 530mg(2.21mmo
l)のジメチルホルムアミド溶液9mlに前述の残渣のジ
メチルホルムアミド溶液9mlを加え、110℃で2時間
撹拌した。室温で放冷後、酢酸エチル:ヘキサン=1:
1の混合溶媒と、飽和食塩水を加え有機層を抽出し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、
目的とする9位置換体、(±)2−アミノ−6−ベンジ
ルオキシ−9−[(1′β,2′α,3′α)−2′,
3′−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチ
ル)シクロプロピル]メチルプリンを得た。淡黄色固体
237mg(0.406mmol)収率22%。
【0042】工程3 (±)9−[(1′β,2′α,
3′α)−2′,3′−ビス(ヒドロキシメチル)シク
ロプロピル]メチルグアニン塩酸塩の製造 (±)2−アミノ−6−ベンジルオキシ−9−[(1′
β,2′α,3′α)−2′,3′−ビス(tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシメチル)シクロプロピル]メチ
ルプリン319mg(0.546mmol)に1N塩酸2.7
mlとメタノール13.5mlを加え50℃で2時間撹拌し
た。溶媒を留去し、水と酢酸エチルを加えて分液し、酢
酸エチル層を水で抽出した。水層を合わせて溶媒を留去
し得られた残渣をメタノールから再結晶し、(±)9−
[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′−ビス(ヒ
ドロキシメチル)シクロプロピル]メチルグアニン塩酸
塩を得た。白色結晶121mg(0.401mmol)収率7
3%。 1H−NMR(DMSO−d6)δ1.12-1.32(m
、3H) 、3.37-3.48(m 、4H) 、3.99(d、J=7.20Hz、2H)
、7.22(bs 、2H) 、9.11(s、1H) ;FAB MAS
S,m/z266(MH + ) 。
【0043】実施例4 (±)9−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルア
デニンの製造工程1 (±)1β−[2α,3β−ビス(ベンジルオ
キシメチル)シクロプロピル]メタノールの製造 (±)エチル 2α,3β−ビス(ベンジルオキシメチ
ル)シクロプロパン−1β−カルボキシラート3.10
g(8.7mmol)〔ケミカル アンド ファーマスティ
カル ブリテン オブ ジャパン、38巻3184頁
(1990年)〕をテトラヒドロフラン50mlに溶解
し、水素化リチウムアルミニウム380mg(10.0mm
ol)のテトラヒドロフラン懸濁液に徐々に加えた。4時
間加熱還流後、室温で水素の発生がなくなるまで水を加
え、不溶物を10%硫酸水溶液で溶解した後、エーテル
で抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去
し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル=2:1)で精製し、(±)1
β−[2α,3β−ビス(ベンジルオキシメチル)シク
ロプロピル]メタノールを得た。無色油状物1.62g
(4.8mmol)収率55%。
【0044】工程2 (±)6−クロロ−9−[(1′
β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス(ベンジルオ
キシメチル)シクロプロピル]メチルプリンの製造 (±)1β−[2α,3β−ビス(ベンジルオキシメチ
ル)シクロプロピル]メタノール312mg(1.0mmo
l)とジクロルメタン10mlに溶解し、氷冷下、トリエ
チルアミン121mg(1.2mmol)、ついでメタンスル
ホニルクロリド138mg(1.2mmol)を徐々に滴下し
た。0℃から5℃で1時間撹拌したのち溶媒を留去し、
残渣を乾燥ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、炭酸
カリウム276mg(2.0mmol)、6−クロロプリン3
08mg(2.0mmol)、18−クラウン−6 264mg
(1.0mmol)のジメチルホルムアミド溶液10mlを加
え、60℃で17時間撹拌した。溶媒を留去し得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン
/酢酸エチル=1:1)で精製し、(±)6−クロロ−
9−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス
(ベンジルオキシメチル)シクロプロピル]メチルプリ
ンを得た。無色油状物質160mg(0.36mmol)収率
36%。
【0045】工程3 (±)9−[(1′β,2′α,
3′β)−2′,3′−ビス(ベンジルオキシメチル)
シクロプロピル]メチルアデニンの製造 (±)6−クロロ−9−[(1′β,2′α,3′β)
−2′,3′−ビス(ベンジルオキシメチル)シクロプ
ロピル]メチルプリン505mg(1.41mmol)を無水
メタノール20mlに溶解し、−20℃でアンモニアガス
を1時間導通した。ついで、封管中、90℃12時間加
熱し、冷却後、溶媒を留去し得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール
=25:1)で精製し、(±)9−[(1′β,2′
α,3′β)−2′,3′−ビス(ベンジルオキシメチ
ル)シクロプロピル]メチルアデニン395mg(1.1
7mmol)を得た。収率83%。
【0046】工程4 (±)9−[(1′β,2′α,
3′β)−2′,3′−ビス(ヒドロキシメチル)シク
ロプロピル]メチルアデニンの製造 (±)9−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′
−ビス(ベンジルオキシメチル)シクロプロピル]メチ
ルアデニン280mg(0.65mmol)を30mlのジクロ
ルメタンに溶解し、−78℃に冷却した。三塩化ホウ素
の1Mジクロルメタン溶液6.5ml(6.5mmol)を滴
下し、2時間撹拌した後、無水ジクロルメタン10mlと
メタノール10mlを加え、室温まで徐々に戻した後、溶
媒を留去した。残渣をメタノール10mlに溶解した後、
メタノールを留去することを4回繰り返し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタ
ノール=5:1)で精製して、(±)9−[(1′β,
2′α,3′β)−2′,3′−ビス(ヒドロキシメチ
ル)シクロプロピル]メチルアデニンを得た。白色結晶
97mg(0.39mmol)収率60%。 1H−NMR(CD
3OD)δ 0.96-1.40(m、3H) 、3.38(dd 、J=12、8Hz 、1
H) 、3.51(dd 、J=12、6Hz 、1H) 、3.60(dd=12、10H
z、1H) 、3.94(dd 、J=12、6Hz 、1H) 、4.34(d、J=8Hz
、2H) 、8.20(s、1H) 、8.32(s、1H) ;高分解能マス
スペクトル、計算値:C11H15N5O2(M+ )m/z 249.12
26 、実測値:249.1266。
【0047】実施例5 (±)9−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルア
デニンの製造工程1 (±)1β−[2α,3α−ビス(ベンジルオ
キシメチル)シクロプロピル]メタノールの製造 エチル 2α,3α−ビス(ベンジルオキシメチル)シ
クロプロパン−1β−カルボキシラート3.54g(1
0.0mmol)〔ケミカル アンド ファーマスーティカ
ル ブリテン オブ ジャパン、38巻3184頁(1
990年)〕のテトラヒドロフラン溶液(20ml)をリ
チウムアルミニウムヒドリド380mg(10.0mmol)
のテトラヒドロフラン懸濁液(20ml)を氷冷下滴下し
た。室温で4時間撹拌した後、水素の発生がなくなるま
で水を加え、不溶物を10%硫酸水溶液で溶解し、溶媒
を留去した。残渣に水を加えクロロホルムで抽出し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去し、得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢
酸エチル=3:2)で精製し(±)1β−[2β,3β
−ビス(ベンジルオキシメチル)シクロプロピル]メタ
ノール403mg(1.20mmol、収率13%)、および
(±)1β−[2α,3α−ビス(ベンジルオキシメチ
ル)シクロプロピル]メタノール1.92g(5.7mm
ol、収率61%)を、いずれも無色油状物質として得
た。
【0048】工程2 (±)6−クロロ−9−[(1′
β,2′α,3′α)−2′,3′−ビス(ベンジルオ
キシメチル)シクロプロピル]メチルプリンの製造 (±)1β−[2α,3α−ビス(ベンジルオキシメチ
ル)シクロプロピル]メタノール312mg(1.0mmo
l)をジクロルメタン10mlに溶解し、氷冷下、トリエ
チルアミン121mg(1.2mmol)、ついでメタンスル
ホニルクロリド138mg(1.2mmol)を徐々に滴下し
た。0℃から5℃まで1時間撹拌したのち溶媒を留去
し、残渣を乾燥ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、
炭酸カリウム276mg(2.0mmol)、6−クロロプリ
ン308mg(2.0mmol)、18−クラウン−6 26
4mg(1.0mmol)のジメチルホルムアミド溶液10ml
を加え、60℃で14.5時間撹拌した。溶媒を留去し
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル=1:1)で精製し、(±)6
−クロロ−9−[(1′β,2′α,3′α)−2′,
3′−ビス(ベンジルオキシメチル)シクロプロピル]
メチルプリンを得た。無色油状物質62mg(0.14mm
ol)収率14%。
【0049】工程3 (±)9−[(1′β,2′α,
3′α)−2′,3′−ビス(ベンジルオキシメチル)
シクロプロピル]メチルアデニンの製造 (±)6−クロロ−9−[(1′β,2′α,3′α)
−2′,3′−ビス(ベンジルオキシメチル)シクロプ
ロピル]メチルプリン111mg(0.25mmol)を無水
メタノール10mlに溶解し、−20℃でアンモニアガス
を1時間導通した。ついで、封管中、90℃12時間加
熱し、冷却後、溶媒を留去し得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール
=20:1)で精製し、得られた結晶性物質を酢酸エチ
ルより再結晶して、(±)9−[(1′β,2′α,
3′α)−2′,3′−ビス(ベンジルオキシメチル)
シクロプロピル]メチルアデニン82mg(0.19mmo
l)を無色針状晶として得た。収率77%。融点139
−140℃。
【0050】工程4 (±)9−[(1′β,2′α,
3′α)−2′,3′−ビス(ヒドロキシメチル)シク
ロプロピル]メチルアデニンの製造 (±)9−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′
−ビス(ベンジルオキシメチル)シクロプロピル]メチ
ルアデニン350mg(0.82mmol)を35mlのジクロ
ルメタンに溶解し、−78℃に冷却した。三塩化ホウ素
の1Mジクロルメタン溶液8.2ml(8.2mmol)を滴
下し、3時間撹拌した後、三塩化ホウ素の1Mジクロル
メタン溶液8.2ml((8.2mmol)を再度滴下し、さ
らに3時間撹拌した。無水ジクロルメタン10mlとメタ
ノール10mlを加え、室温まで徐々に戻した後、溶媒を
留去した。残渣をメタノール10mlに溶解した後、メタ
ノールを留去することを4回繰り返し、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノー
ル=5:1)で精製して、(±)9−[(1′β,2′
α,3′α)−2′,3′−ビス(ヒドロキシメチル)
シクロプロピル]メチルアデニンを得た。白色結晶17
3mg(0.69mmol)収率71%。 1H−NMR(CD3O
D)δ 0.94-1.40(m、3H) 、3.52(ddd、J=12、8 、2Hz 、
2H) 、3.66(ddd、J=12、7 、2Hz 、2H) 、4.18(d、J=7H
z 、2H) 、8.26(s、1H) 、8.20(s、1H) ;高分解能マス
スペクトル、計算値:C11H15N5O2(M+ ) m/z 249.1
226 、実測値:249.1231。
【0051】実施例6 (±)1−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルチ
ミンの製造工程1 (±)1−[(1′β,2′α,3′β)−
2′,3′−ビス(ベンジルオキシメチル)シクロプロ
ピル]メチルチミンの製造 (±)β−[2α,3β−ビス(ベンジルオキシメチ
ル)シクロプロピル]メタノール1.18g(3.78
mmol)とトリエチルアミン572mg(5.67mmol)を
ジクロルメタン20mlに溶解し、メタンスルホニルクロ
リド646mg(5.67mmol)を徐々に加えた後、0℃
で1時間撹拌したのちに溶媒を留去し残渣を得た。炭酸
カリウム1043mg(7.56mmol)、チミン953mg
(7.56mmol)、18−クラウン−6 930mg
(3.78mmol)のジメチルホルムアミド溶液20mlを
前述の残渣のジメチルホルムアミド溶液10mlに加え、
60℃で20時間撹拌した。室温で放冷後、溶媒を留去
し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、(±)1
−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス
(ベンジルオキシメチル)シクロプロピル]メチルチミ
ンを得た。無色油状物質827mg(2.03mmol)収率
52%。
【0052】工程2 (±)1−[(1′β,2′α,
3′β)−2′,3′−ビス(ヒドロキシメチル)シク
ロプロピル]メチルチミンの製造 (±)1−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′
−ビス(ベンジルオキシメチル)シクロプロピル]メチ
ルチタン150mg(0.36mmol)を10mlのジクロル
メタンに溶解し、−78℃に冷却した。三塩化ホウ素の
1Mジクロルメタン溶液17.9ml(17.9mmol)を
滴下し、2.5時間撹拌した後、無水ジクロルメタン1
0mlとメタノール10mlを加え、室温まで徐々に戻した
後、溶媒を留去した。残渣をメタノール10mlに溶解し
た後、メタノールを留去することを4回繰り返し、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム:メタノール=8:1)で精製して、(±)1−
[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′−ビス(ヒ
ドロキシメチル)シクロプロピル]メチルチミンを得
た。白色結晶36mg(0.15mmol)収率42%。 1
−NMR(CD3OD)δ 1.05(m、1H) 、1.21(m、2H) 、1.8
8(s、3H) 、3.37(dd, J=11 、8Hz 、1H) 、3.55(dd、J=
12、7Hz 、2H) 、3.78(dd 、J=14、7Hz 、1H) 、3.86(d
d 、J=11、5Hz 、1H) 、3.96(dd 、J=14、7Hz 、1H) 、
7.60(s、1H) ;高分解能マススペクトル、計算値:C11H
16N4O2(M+ ) m/z 240.1110 、実測値:240.1124。
【0053】実施例7 (±)1−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチルチ
ミンの製造工程1 (±)1−[(1′β,2′α,3′α)−
2′,3′−ビス(ベンジルオキシ)シクロプロピル]
メチルチミンの製造 (±)1β−[2α,3β−ビス(ベンジルオキシメチ
ル)シクロプロピル]メタノール1.18g(3.78
mmol)とメタンスルホニルクロリド646mg(5.67
mmol)と、トリエチルアミン572mg(5.67mmol)
をジクロルメタン20mlに溶解し、0℃で1時間撹拌し
たのち溶媒を留去し残渣を得た。炭酸カリウム1043
mg(7.56mmol)、チミン953mg(7.56mmo
l)、18−クラウン−6 930mg(3.78mmol)
のジメチルホルムアミド溶液20mlに前述の残渣のジメ
チルホルムアミド溶液10mlを加え、60℃で20時間
撹拌した。室温で放冷後、溶媒を留去し得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸
エチル=1:1)で精製し、(±)1−[(1′β,
2′α,3′α)−2′,3′−ビス(ベンジルオキシ
メチル)シクロプロピル]メチルチミンを得た。無色油
状物質330mg(0.81mmol)収率21%。
【0054】工程2 (±)1−[(1′β,2′α,
3′α)−2′,3′−ビス(ヒドロキシメチル)シク
ロプロピル]メチルチミンの製造 (±)1−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′
−ビス(ベンジルオキシメチル)シクロプロピル]メチ
ルチミン571mg(1.36mmol)を40mlのジクロル
メタンに溶解し、−78℃に冷却した。三塩化ホウ素の
1Mジクロルメタン溶液10.36ml(10.36mmo
l)を滴下し、3時間撹拌した後、三塩化ホウ素の1M
ジクロルメタン溶液10.36ml(10.36mmol)を
再度滴下し、さらに3時間撹拌した。無水ジクロルメタ
ン10mlとメタノール10mlを加え、室温まで徐々に戻
した後、溶媒を留去した。残渣をメタノール10mlに溶
解した後、メタノールを留去することを4回繰り返し、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホ
ルム:メタノール=8:1)で精製して、(±)1−
[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′−ビス(ヒ
ドロキシメチル)シクロプロピル]メチルチミンを得
た。白色結晶200mg(0.83mmol)収率61%。 1
H−NMR(CD3OD)δ 0.94-1.42(m、3H) 、1.89(s、3
H) 、3.33(t、J=11、Hz、2H) 、3.52(ddd、J=12、5 、2
Hz:2H) 、3.68(ddd、J=11、5 、2Hz 、2H) 、7.51(s、1
H) ;高分解能マススペクトル、計算値:C11H16N4O
2(M+ ) m/z 240.1110 、実測値:240.1122。
【0055】実施例8 (±)1−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル−
5−フルオロウラシルの製造工程1 (±)1−[(1′β,2′α,3′β)−
2′,3′−ビス(ベンジルオキシメチル)シクロプロ
ピル]メチル−5−フルオロウラシルの製造 (±)1β−[2α,3β−ビス(ベンジルオキシメチ
ル)シクロプロピル]メタノール964mg(3.09mm
ol)とトリエチルアミン469mg(4.46mmol)をジ
クロルメタン20mlに溶解し、メタンスルホニルクロリ
ド529mg(4.46mmol)を徐々に加えた後、0℃で
1時間撹拌したのち溶媒を留去し残渣を得た。炭酸カリ
ウム992mg(7.19mmol)、5−フルオロウラシル
935mg(7.19mmol)、18−クラウン−6 81
6mg(3.09mmol)のジメチルホルムアミド溶液10
mlを前述の残渣のジメチルホルムアミド溶液10mlに加
え、60℃で20時間撹拌した。室温で放冷後、溶媒を
留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、
(±)1−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′
−ビス(ベンジルオキシメチル)シクロプロピル]メチ
ル−5−フルオロウラシルを得た。無色油状物質192
mg(0.47mmol)収率14%。
【0056】工程2 (±)1−[(1′β,2′α,
3′β)−2′,3′−ビス(ヒドロキシメチル)シク
ロプロピル]メチル−5−フルオロウラシル塩酸塩の製
造 (±)1−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′
−ビス(ベンジルオキシメチル)シクロプロピル]メチ
ル−5−フルオロウラシル200mg(0.473mmol)
を10mlのジクロルメタンに溶解し、−78℃に冷却し
た。三塩化ホウ素の1Mジクロルメタン溶液11.8ml
(11.8mmol)を滴下し、3時間撹拌した後、無水ジ
クロルメタン10mlとメタノール10mlを加え、室温ま
で徐々に戻した後、溶媒を留去した。残渣をメタノール
10mlに溶解した後,メタノールを留去することを4回
繰り返し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール=8:1)で精製して、
(±)1−[(1′β,2′α,3′β)−2′,3′
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル−
5−フルオロウラシルを得た。無色油状物70mg(0.
29mmol)収率61%。 1H−NMR(CD3OD)δ 1.04-
1.22(m、3H) 、3.36(dd 、J=12、8Hz 、1H) 、3.48(dd
、J=12、9Hz 、1H) 、3.54(dd 、J=12、7Hz 、1H) 、
3.80(dd 、J=14、7Hz 、1H) 、3.88(dd 、J=14、7Hz 、
1H) 、3.89(dd 、J=12、5Hz 、1H) 、8.02(d、J=7Hz 、
1H) ;高分解能マススペクトル、計算値:C10H13N2O4F
(M+ ) m/z 244.0859 、実測値:244.0874。
【0057】実施例9 (±)1−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル−
5−フルオロウラシルの製造工程1 (±)1−[(1′β,2′α,3′α)−
2′,3′−ビス(ベンジルオキシメチル)シクロプロ
ピル]メチル−5−フルオロウラシルの製造。
【0058】(±)1β−(2α,3β−ビス(ベンジ
ルオキシメチル)シクロプロピルメタノール964mg
(3.09mmol)とトリエチルアミン469mg(4.4
6mmol)をジクロルメタン20mlに溶解し、メタンスル
ホニルクロリド529mg(4.46mmol)を氷冷下、徐
々に加え、0℃で1時間撹拌したのち溶媒を留去し残渣
を得た。炭酸カリウム992mg(7.19mmol)、5−
フルオロウラシル935mg(7.19mmol)、18−ク
ラウン−6 816mg(3.09mmol)のジメチルホル
ムアミド溶液10mlに前述の残渣のジメチルホルムアミ
ド溶液10mlを加え、60℃で20時間撹拌した。室温
で放冷後、溶媒を留去し得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製し、(±)1−[(1′
β,2′α,3′α)−2′,3′−ビス(ベンジルオ
キシメチル)シクロプロピル]メチル−5−フルオロウ
ラシルを得た。無色油状物質377mg(0.92mmol)
収率28%。
【0059】工程2 (±)1−[(1′β,2′α,
3′α)−2′,3′−ビス(ヒドロキシメチル)シク
ロプロピル]メチル−5−フルオロウラシルの製造 (±)1−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′
−ビス(ベンジルオキシメチル)シクロプロピル]メチ
ル−5−フルオロウラシル320mg(0.76mmol)を
30mlのジクロルメタンに溶解し−78℃に冷却した。
三塩化ホウ素の1Mジクロルメタン溶液11.8ml(1
1.8mmol)を滴下し、3時間撹拌した後、無水ジクロ
ルメタン10mlとメタノール10mlを加え、室温まで徐
々に戻した後、溶媒を留去した。残渣をメタノール10
mlに溶解した後、メタノールを留去することを4回繰り
返し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ク
ロロホルム:メタノール=8:1)で精製して、(±)
1−[(1′β,2′α,3′α)−2′,3′−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル−5−フ
ルオロウラシルを得た。無色油状物100mg(0.41
mmol)収率54%。
【0060】 1H−NMR(CD3OD)δ 1.13(m 、1H) 、
1.31(m、2H) 、3.44(d、J=7Hz 、2H)、3.54(dd 、J=1
2、7Hz 、2H) 、3.66(t、J=7Hz 、2H) 、7.92(d、J=6Hz
、1H);高分解能マススペクトル、計算値:C10H13N2O4
F (M+ ) m/z 244.0859 、実測値:244.0874。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば抗ウイルス効果を有する
新規シクロプロパン誘導体を提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥西 昌彦 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 岩山 聡 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 片桐 信弥 宮城県仙台市太白区三神峰1−3−4− 304 (72)発明者 金子 主税 宮城県仙台市八木山本町2−35−19

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1 【化1】 (式中、B1 はプリン誘導体残基およびピリミジン誘導
    体残基を表し、R1 、R 2 は水素原子、または水酸基の
    保護基を表し、同一でも異なっていてもよい。k、m、
    nはそれぞれ0〜3の整数を表す。)で示されるシクロ
    プロパン誘導体及びその薬学的に許容しうる塩。
  2. 【請求項2】 k、mおよびnがそれぞれ1である請求
    項1記載のシクロプロパン誘導体及び薬学的に許容しう
    る塩。
  3. 【請求項3】 B1 がプリン−9−イル又はピリミジン
    −1−イル基である請求項1記載のシクロプロパン誘導
    体及びその薬学的に許容しうる塩。
  4. 【請求項4】 R1 、R2 が水素原子である請求項1記
    載のシクロプロパン誘導体及びその薬学的に許容しうる
    塩。
  5. 【請求項5】 B1 が化2 【化2】 で示されるプリン誘導体残基である請求項1記載のシク
    ロプロパン誘導体及びその薬学的に許容しうる塩。
  6. 【請求項6】 B1 が化3 【化3】 で示されるプリン誘導体残基である請求項1記載のシク
    ロプロパン誘導体及びその薬学的に許容しうる塩。
  7. 【請求項7】 B1 が化4 【化4】 で示されるプリン誘導体残基である請求項1記載のシク
    ロプロパン誘導体及びその薬学的に許容しうる塩。
  8. 【請求項8】 B1 が化5 【化5】 で示されるピリミジン誘導体残基である請求項1記載の
    シクロプロパン誘導体及びその薬学的に許容しうる塩。
  9. 【請求項9】 B1 が化6 【化6】 で示されるピリミジン誘導体残基である請求項1記載の
    シクロプロパン誘導体及びその薬学的に許容しうる塩。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のシクロプロパン誘導体
    及び/またはその薬学的に許容しうる塩を含有する抗ウ
    イルス薬剤組成物。
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