JP2509140B2 - アデノシン誘導体を有効成分として含有する医薬組成物 - Google Patents

アデノシン誘導体を有効成分として含有する医薬組成物

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JP2509140B2
JP2509140B2 JP5180847A JP18084793A JP2509140B2 JP 2509140 B2 JP2509140 B2 JP 2509140B2 JP 5180847 A JP5180847 A JP 5180847A JP 18084793 A JP18084793 A JP 18084793A JP 2509140 B2 JP2509140 B2 JP 2509140B2
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敏雄 山田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアデノシン誘導体又はそ
の薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】脳卒中、心臓病は我が国における死因の
上位を占める主疾患であるが、その背景の最も重要な因
子として高血圧が挙げられる。高血圧の頻度は年齢が進
むにつれて高くなり、我が国では国民総人口の約20%が
高血圧症であると推定されている。このように非常に多
数の高血圧症の患者が存在するため、降圧利尿剤、交換
神経抑制剤、末梢神経拡張剤、カルシウム拮抗剤、レニ
ン・アンジオテンシン系遮断剤など種々の抗高血圧薬が
開発され使用されているが、例えば交換神経抑制性の降
圧剤等では、易疲労性、活動低下、脳潅流障害、脳虚血
等の種々の症状を誘因する徐拍等の副作用が現れること
があり、より安全性の高い有効な降圧剤の開発が望まれ
ている。本発明者らは有効で安全性が高く且つ経口投与
可能な血圧降下作用を有する化合物を探究するうち、本
発明アデノシン誘導体が優れた血管拡張降圧作用を有す
ることを見出し本発明を完成した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た血圧降下作用を有するアデノシン誘導体又はその薬学
的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明医薬組成物の有効
成分であるアデノシン誘導体は下記一般式で表される化
合物である。
【化2】 〔式中、R1 、R2 、R3 は各々同一若しくは異なって
水素又は低級アルキル基を表し、且つR1 、R2 、R3
の少なくとも一つは低級アルキル基であり、Xは水素、
低級アルキル基、アミノ基又はハロゲンを表し、Yは水
素又は低級アルキル基を表す。〕
【0005】上記一般式において、R1 、R2 、R3
各々同一若しくは異なって水素又は低級アルキル基、好
ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、 sec−ブチル、tert−ブチル、ペン
チル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル等
の直鎖又は分枝状の炭素数1乃至5のアルキル基を表
し、且つR1 、R2 、R3 の少なくとも一つは低級アル
キル基である。
【0006】Xは水素、低級アルキル基、好ましくはメ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、 sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソ
ペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル等の直鎖又は
分枝状の炭素数1乃至5のアルキル基、アミノ基或いは
弗素、塩素、臭素、沃素等のハロゲンを表す。Yは水素
又は低級アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、 sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペン
チル、tert−ペンチル等の直鎖又は分枝状の炭素数1乃
至5のアルキル基を表す。
【0007】本発明アデノシン誘導体は、前記一般式で
表される化合物の薬学的に許容される塩を包含し、例え
ば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウ
ム、バリウム等のアルカリ土類金属、その他アルミニウ
ム等との金属塩、アンモニア、有機アミン等との塩が挙
げられる。これらの塩は公知の方法により遊離の本発明
アデノシン誘導体より製造でき、或いは相互に変換する
ことができる。本発明化合物において光学異性体が存在
する場合には、本発明はそのdl−体、d−体及びl−
体のいずれをも包含する。
【0008】次に、本発明化合物の製造方法の一例を述
べる。 (1)例えば、本発明化合物はアデノシン或いは2位が
低級アルキル基、アミノ基又はハロゲンで置換されたア
デノシン誘導体をアルキル化剤で処理することにより、
糖部分の2位若しくは3位をO−アルキル化して製造す
ることができる。上記O−アルキル化におけるアルキル
化剤としては、ジアゾメタン、ジアゾエタン、ジアゾプ
ロパン、ジアゾブタン等のジアゾパラフィン類などが使
用でき、その際の溶媒としては、反応を阻害しない適当
な溶媒、例えば 1,2−ジメトキシエタン等を用いるのが
好ましい。該反応は、i)塩化スズ等の触媒を用い、室
温で数分間乃至数時間反応させるか、ii)原料のアデノ
シン誘導体をおよそ80℃の熱水に溶解し、ジアゾパラフ
ィン等のアルキル化剤を添加して数時間乃至1日間反応
させることにより行うことができる。
【0009】(2)又、糖部分の3位と5位をテトライ
ソプロピルジシロキサン (TIPDS)で保護することによ
り、2位を選択的にO−アルキル化する方法がある。
この方法では、6-クロロプリン-9- リボシド類と1,2-ジ
クロロ-1,1,3,3- テトライソプロピルジシロキサン(TU
PDS ・Cl2 )を室温で数時間撹拌し、糖の3位と5位を
TIDPS で保護した後、酸化銀(I) 等の触媒存在下ヨウ化
メチル、ヨウ化エチル等のアルキル化剤で処理すること
により 2'-O-アルキル化することができる。上記アルキ
ル化反応が完了した後、常法に従ってアンモニア又はメ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルア
ミン等のアルキルアミンを用いてプリンの6位をアミノ
化又はアルキルアミノ化し、次いで、保護基であるTIPD
S を脱離することにより本発明化合物を得ることができ
る。
【0010】(3)同様に、糖部分の2位と3位をイソ
プロピリデンで保護することにより、5位を選択的にO
−アルキル化することもできる。即ち、6-クロロプリン
-9- リボシド類と2,2-ジメトキシプロパンをp-トルエン
スルホン酸等の触媒存在下にて室温で数時間反応させて
イソプロピリデン化できる。TIPDSの場合と同様に、ア
ルキル化剤で 5'-O-アルキル化した後、常法に従ってプ
リンの6位をアミノ化又はアルキルアミノ化し、次い
で、イソプロピリデン基をギ酸処理等の常法に従って脱
保護することによって本発明化合物を得ることができ
る。得られた本発明化合物は、蒸留、クロマトグラフィ
ー、再結晶等の通常の手段により精製し、融点、元素分
析、IR、NMR、UV、マススペクトル等により同定
を行った。
【0011】
【実施例】以下に、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 実施例1.〔方法1〕アデノシン10gを1mmole塩化スズ
・2水和物/メタノール溶液2lに懸濁し、 0.4乃至0.
5Mジアゾメタン/1,2−ジメトキシエタン溶液 500mlを撹
拌しつつ加えた。室温で2時間撹拌した後、減圧下濃縮
乾固した。得られた生成物をイオン交換カラムを用いて
分離精製し、エタノールより再結晶して、 2'-O-メチル
アデノシン(化合物1)及び 3'-O-メチルアデノシン
(化合物2)を得た。
【0012】・化合物1: 融点:205.5 - 206 ℃1 H-NMR(δppm, D2O):3.43(3H,s), 3.93(1H,dd,J=2.
4, 12.7Hz), 3.86(1H,dd,J=2.9, 12.7Hz), 4.26(1H,m),
4.40(1H,dd,J=5.9, 5.9Hz), 4.56(1H,dd,J=4.9,5.9H
z), 6.01(1H,d,J=5.9Hz), 8.01(1H,s), 8.20(1H,s)
【0013】・化合物2: 収率:43.4% 融点:177.5 - 178 ℃1 H-NMR(δppm, D2O):3.54(3H,s), 3.83(1H,dd,J=2.
9, 13.2Hz), 3.94(1H,dd,J=3.4, 13.2Hz), 4.11(1H,dd,
J=4.4, 4.4Hz), 4.37(1H,m), 4.87(1H,dd,J=5.9,5.9H
z), 6.00(1H,d,J=5.9Hz), 8.11(1H,s), 8.25(1H,s)
【0014】[方法2〕アデノシン5gを80℃の熱水 16
0mlに溶かし、ジアゾメタン/1,2−ジメトキシエタン溶
液 500mlを撹拌しつつ加えた。撹拌しながら室温まで冷
却した後、これを減圧下濃縮乾固した。ODSカラムで
原料のアデノシンを除去し、化合物1と化合物2の混合
物 2.6gを得た(収率49.4%)。上記混合物をイオン交
換カラムを用いて分離精製して、化合物1及び化合物2
を得た。
【0015】実施例2. i)10gのイノシンを後述の実施例13のi)及びii)
と同様の処理を行い、12gの6-クロロ-9-(2,3,5-O-トリ
アセチル−β-D−リボフラノシル)-9H−プリンを得た
(収率78%)。 ii)上記生成物に20%アンモニア/メタノール溶液 200
mlを加え室温で4時間撹拌した。反応終了後、減圧下濃
縮し酢酸エチルを加え、6-クロロ-9−β-D−リボフラノ
シル-9H-プリン5.61gを結晶として析出させて得た(収
率69%)。 iii) 4gの6-クロロ-9−β-D−リボフラノシル-9H-プ
リンを70mlのピリジンに懸濁させ、 4.5gの TIPDS・Cl
2 を加え室温で2時間撹拌した。シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、6-クロロ-9-(3,5-O-TIPD
S-β-D−リボフラノシル)-9H−プリン 6.8gを得た(収
率92%)。
【0016】iv) 上記生成物2gを70mlのベンゼンに溶
解し、ヨウ化エチル70ml及び酸化銀(I) 3gを加え加熱
還流した。30分毎に反応物を調べて、ヨウ化エチルと酸
化銀(I) を適宜加えた。反応終了後、濾過してヨウ化銀
を除去し濃縮乾固した。残渣を20%アンモニア/メタノ
ール溶液に溶解し、オートクレーブにて80℃6時間加熱
した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し
て、1.8gの2'-O−エチル-3',5'-O-TIPDS−アデノシン
を得た。 v)上記生成物 1.5g、フッ化カリウム 1g及び塩化テ
トラエチルアンモニウム3.7gを含水アセトニトリル65m
lに溶解し、室温で15時間撹拌した。反応液を脱塩した
後、イオン交換カラムで精製して、 575mgの 2'-O-エチ
ルアデノシン(化合物3)を得た(収率68%)。
【0017】1H-NMR(δppm, D2O):1.09(3H,dd,J=6.
8, 6.8Hz), 3.52-3.72(2H,m), 3.84(1H,dd,J=3.4, 12.7
Hz), 3.91(1H,dd,J=2.9, 12.7Hz). 4.31(1H,m), 4.56(1
H,dd,J=3.4, 5.4Hz), 4.64(1H,dd,J=5.4, 6.4Hz), 6.11
(1H,d,J=6.4Hz), 8.25(1H,s),8.34(1H,s)
【0018】ヨウ化ブチルを用い、同様の方法により
2'-O-ブチル化を行い、 2'-O-n-ブチルアデノシン(化
合物4)を得た。1 H-NMR(δppm, D2O):0.64(3H,t,J=7.3Hz), 1.05(2H,
m), 1.34(2H,m), 3.47(1H,m), 3.64(1H,m), 3.84(1H,d
d,J=3.4, 12.7Hz), 3.92(1H,dd,J=2.9, 12.7Hz),4.32(1
H,m), 4.53(1H,dd,J=2.4, 5.4Hz), 4.62(1H,dd,J=5.4,
6.8Hz), 6.08(1H,d,J=6.8Hz), 8.24(1H,s), 8.34(1H,s)
【0019】実施例3. 〔方法1〕 i) 5-アミノ-1−β-D−リボフラノシル-4−イミダゾー
ルカルボキサミド 6gを1Nナトリウムエトキシド 250
mlに溶かし、酢酸エチル20mlを加えた後 120℃で3時間
加熱した。反応液を中和した後脱塩し、無水酢酸70ml及
びピリジン70mlを加え12時間室温で撹拌した。溶媒を減
圧下溜去し、2-メチル- 2',3',5'-O−トリアセチルイノ
シン 9gを得た(収率95%)。 ii)10.3gの上記生成物をクロロホルム 140mlに溶か
し、14mlの塩化チオニル及び 3.5mlのジメチルホルムア
ミドを加え2時間加熱還流した。反応液を氷水中に注ぎ
こみクロロホルム層を分取し、中性になるまで水で洗浄
した。無水硫酸ナトリウム上で乾燥後溶媒を溜去し、6-
クロロ-2−メチル-9-(2,3,5-O-トリアセチル−β-D−リ
ボフラノシル)-9H−プリン 9.5gを得た(収率88.7
%)。
【0020】iii)次いで、20%アンモニア/メタノール
150mlに溶かし、オートクレーブにて70℃で8時間加熱
した。減圧下にて乾燥した後、脱塩して 5.5gの2-メチ
ルアデノシンを得た(収率87.9%)。 iv)実施例1の〔方法1〕と同様にして2-メチルアデノ
シンをメチル化して、 1.8gの 2,2'-O-ジメチルアデノ
シン(化合物5)及び 2.9gの 2,3'-ジメチルアデノシ
ン(化合物6)を得た。
【0021】・化合物5: 収率:34.3% 融点:169 - 170 ℃1 H-NMR(δppm, D2O):2.47(3H,s), 3.39(3H,s), 3.83
(1H,dd,J=2.4, 12.7Hz),3.91(1H,dd,J=2.4, 12.7Hz),
4.32(1H,m), 4.52(1H,dd,J=4.9, 6.8Hz), 4.60(1H,dd,J
=2.0, 4.9Hz), 6.05(1H,d,J=6.8Hz), 8.21(1H,s)
【0022】・化合物6: 収率:55.2% 融点:203 - 203.5 ℃1 H-NMR(δppm, D2O):2.50(3H,s), 3.55(3H,s), 3.84
(1H,dd,J=2.9, 12.7Hz),3.96(1H,dd,J=2.4, 12.7Hz),
4.13 (1H,dd,J=2.9, 5.4Hz), 4.42(1H,m), 4.91(1H,dd,
J=5.4, 6.4Hz), 6.00(1H,d,J=6.4Hz), 8.23(1H,s)
【0023】〔方法2〕10gの5-アミノ-1−β-D−リボ
フラノシル-4−イミダゾールカルボニトリルを20%アン
モニア/メタノール溶液に溶解し、アセトニトリル10ml
を加え180℃で5時間加熱した。溶媒を溜去してシリカ
ゲルカラムで精製した後、メタノールより再結晶し 4.2
gの2-メチルアデノシンを得た(収率35.9%) 。以下、
前記〔方法1〕と同様にO−メチル化を行い化合物5及
び化合物6を得た。
【0024】実施例4.アセトニトリルの代わりにイソ
ブチルニトリルを用い、実施例2〔方法2〕と同様にし
て、2-イソプロピル-2'-O-メチルアデノシン(化合物
7)及び2-イソプロピル-3'-O-メチルアデノシン(化合
物8)を得た。 ・化合物7:1 H-NMR(δppm, D2O):1.25(6H,d,J=7Hz), 2.99(1H,se
p.,J=7Hz), 3.39(3H,s),3.83(1H,dd,J=3.3, 12.9Hz),
3.91(1H,dd,J=2.6, 12.9Hz),4.29(1H,m), 4.58(1H,dd,J
=4.9, 6.4Hz), 4.63(1H,dd,J=2.4, 4.9Hz), 6.07(1H,d,
J=6.4Hz)
【0025】・化合物8:1 H-NMR(δppm, D2O):1.35(6H,d,J=6.9Hz), 3.14(1H,
sep.,J=6.9Hz), 3.54(3H,s), 3.84(1H,dd,J=4.1, 12.8H
z), 3.94(1H,dd,J=3.0, 12.8Hz), 4.24(1H,dd,J=5.4,
5.4Hz), 4.36(1H,m), 5.03(1H,dd,J=5.4, 5.4Hz), 6.08
(1H,d,J=5.4Hz), 8.34(1H,s)
【0026】実施例5.6-クロロ-2−メチル-9−β-D−
リボフラノシル-9H-プリンを実施例2の方法と同様に T
IPDS化し、ヨウ化エチルを用いて2'位をO-エチル化した
後、アンモニアで処理して6位をアミノ化した。脱保護
して2-メチル-2'-O-エチルアデノシン(化合物9)を得
た。1 H-NMR(δppm, D2O):1.07(3H,dd,J=6.8, 6.8Hz), 2.
52(3H,s), 3.38(3H,s),3.48-3.57(1H,m), 3.64-3.73(1
H,m), 3.86(1H,dd,J=2.9,12.7Hz), 3.94(1H,dd,J=2.4,1
2.7Hz), 4.35(1H,ddd,J=2.0, 2.4, 2.9Hz), 4.59(1H,d
d,J=2.0, 4.9Hz),4.68(1H,dd,J=4.9, 7.3Hz), 6.07(1H,
d,J=7.3Hz), 8.25(1H,s)
【0027】ヨウ化ブチルを用い、同様の方法により
2'-O-ブチル化を行い、2-メチル-2'-O-n-ブチルアデノ
シン(化合物10)を得た。1 H-NMR(δppm, CDCl3) :0.79(3H,t,J=7.3Hz), 1.22(2
H,qt,J=7.3,7.3Hz), 1.39(2H,ddt,J=7.3, 7.3, 7.3Hz),
2.56(3H,s), 3.33(1H,m), 3.47(1H,m), 3.74(1H,ddd,J
=1.5, 13.7, 14.2Hz), 3.96(1H,ddd,J=1.5, 2.0, 13.7H
z), 4.35(1H,m),4.51(1H,d,J=4.4Hz), 4.78(1H,dd,J=4.
4, 7.8Hz), 5.64(2H,brs, D2O消失), 5.78(1H,d,J=7.8H
z), 7.02(1H,dd,J=2.0, 14.2Hz, D2O消失), 7.74(1H,s)
【0028】実施例6.1.5gの6-クロロ-9−β-D−リ
ボフラノシル-9H-プリンに、14mlの2,2-ジメトキシプロ
パン、16mlのアセトン及び1.3gのp-トルエンスルホン
酸を加え、室温で2時間撹拌し、6-クロロ-9-(2,3-O-イ
ソプロピリデン−β-D−リボフラノシル)-9H−プリンを
得た。反応液を乾固し、クロロホルム/水で分配、クロ
ロホルム層を洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を溜去した後、残渣を30mlのアセトンに溶かし、30
mlのヨウメチル及び1.2gの酸化銀を加え、実施例2の
iv)と同様の処理を行い、 5'-O-メチル-2',3'-O−イソ
プロピリデンアデノシンを得た。
【0029】濾過した後、乾固し、20%アンモニア/メ
タノールに溶かしてアミノ化した。溶媒を溜去後、90%
ギ酸を加え、室温で30分間撹拌し脱保護した。減圧下乾
固し、エタノールより再結晶し、1.1gの 5'-O-メチル
アデノシン(化合物11)を得た。1 H-NMR(δppm, D2O):3.43(3H,s), 3.71-3.82(2H,m),
4.33(1H,m), 4.43(1H,dd,J=5.4, 5.4Hz), 4.78(1H,dd,
J=5.4, 5.4Hz), 6.12(1H,d,J=5.4Hz), 8.31(1H,s), 8.4
1(1H,s)
【0030】ヨウ化ブチルを用い、同様の方法により
5'-O-ブチル化を行い、 5'-O-n-ブチルアデノシン(化
合物12)を得た。1 H-NMR(δppm, CD3OD) :0.94(3H,t,J=7.3Hz), 1.41(2
H,qt,J=7.3, 7.3Hz), 1.60(2H,tt,J=7.3, 7.3Hz), 3.54
(2H,m), 3.66(1H,dd,J=3.4, 11.2Hz), 3.78 (1H,dd,J=
2.9, 11.2Hz), 4.19(1H,m), 4.34(1H,dd,J=4.9, 4.9H
z), 4.55(1H,dd,J=4.4, 4.9Hz), 6.05(1H,d,J=4.4Hz),
8.19(1H,s), 8.40(1H,s)
【0031】実施例7.実施例1〔方法1〕と同様の方
法で、 5'-O-メチルアデノシンをジアゾメタンでメチル
化した後、イオン交換カラムで分離し、2',5'-O-ジメチ
ルアデノシン(化合物13)及び3',5'-O-ジメチルアデノ
シン(化合物14)を得た。 ・化合物13:1 H-NMR(δppm, D2O):3.41(3H,s), 3.46(3H,s), 3.67
-3.76(2H,m), 4.27(1H,m), 4.40(1H,dd,J=4.4, 4.9Hz),
4.52(1H,dd,J=4.9, 5.4Hz), 6.07(1H,d,J=5.4Hz), 8.1
0(1H,s), 8.26(1H,s)
【0032】・化合物14:1 H-NMR(δppm, D2O):3.42(3H,s), 3.47(3H,s), 3.68
-3.77(2H,m), 4.30(1H,m), 4.50(1H,dd,J=4.9, 5.4Hz),
4.57(1H,dd,J=4.4, 4.9Hz), 6.2(1H,d,J=5.4Hz), 8.23
(1H,s), 8.35(1H,s)
【0033】実施例8.実施例6と同様の方法で、6-ク
ロロ-9−β-D−リボフラノシル-9H-プリンをイソプロピ
リデン化し、ヨウ化メチルを用いて5'位をO-メチル化し
た。アンモニアにより6位をアミノ化した後、脱保護し
て 2,5'-O-ジメチルアデノシン(化合物15)を得た。1 H-NMR(δppm, D2O):2.55(3H,s), 3.41(3H,s), 3.73
-3.78(2H,m), 4.32(1H,m), 4.42(1H,dd,J=4.9, 4.9Hz),
4.77(dd,1H,J=4.9, 4.9Hz), 6.07(1H,d,J=4.9Hz), 8.2
5(1H,s)
【0034】ヨウ化ブチルを用い、同様の方法により
5'-O-ブチル化を行い、2-メチル-5'-O-n-ブチルアデノ
シン(化合物16) を得た。1 H-NMR(δppm, CD3OD) :0.95(3H,t,J=7.3Hz), 1.40(2
H,qt,J=7.3,7.3Hz), 1.60(2H,tt,J=7.3, 7.3Hz), 2.51
(3H,s), 3.50-3.70(3H,m), 3.78(1H,dd,J=2.9, 10.7H
z), 4.17(1H,m), 4.34(1H,dd,J=4.9, 4.9Hz), 4.52(1H,
dd,J=4.4, 4.9Hz), 6.00(1H,d,J=4.4Hz), 8.11(1H,s)
【0035】実施例9.実施例2と同様の方法で、6-ク
ロロ-9−β-D−リボフラノシル-9H-プリンを TIPDS化
し、 2'-O-メチル化した後、メチルアミンを用いて6位
をメチルアミノ化し、N6,2'-O-ジメチルアデノシン(化
合物17)を得た。1 H-NMR(δppm, D2O) :3.00(3H,s), 3.40(3H,s), 3.81
(1H,dd,J=3.4, 12.7Hz),3.89(1H,dd,J=2.9,12.7Hz), 4.
26(1H,ddd,J=3.4, 3.4, 2.9Hz), 4.44(1H,dd,J=5.4, 6.
4Hz), 4.57(1H,dd,J=3.4, 5.4Hz), 6.03(1H,d,J=6.4H
z), 8.10(1H,s), 8.19(1H,s)
【0036】同様にして、メチルアミンの代わりにブチ
ルアミンを用いて、 N6-n-ブチル-2'-O-メチルアデノシ
ン(化合物18)を得た。1 H-NMR(δppm, CDCl3) :0.95(3H,t,J=7.3Hz), 1.43(2
H,qt,J=7.3, 7.3Hz), 1.65(2H,tt,J=7.3, 7.3Hz), 3.32
(3H,s), 3.61(3H,m), 3.73(1H,m), 3.94(1H,m),4.33(1
H,m), 4.57(1H,d,J=4.4Hz), 4.73(1H,dd,J=4.4, 7.8H
z), 5.81(1H,d,J=7.8Hz), 5.93(1H,brs, D2O消失), 6.9
6(1H,brs,D2O消失), 7.74(1H,s), 8.32(1H,s)
【0037】実施例10.実施例6と同様の方法で、6-
クロロ-9−β-D−リボフラノシル-9H-プリンをイソプロ
ピリデン化し、 5'-O-メチル化した後、メチルアミンを
用いて6位をメチルアミノ化し、N6,5'-O-ジメチルアデ
ノシン(化合物19)を得た。1 H-NMR(δppm, D2O) :3.05(3H,s), 3.40(3H,s), 3.68
-3.79(2H,m), 4.29(1H,m), 4.38(1H,dd,J=4.9, 5.4Hz),
4.72(1H,dd,J=4.9, 5.4Hz), 6.03(1H,d,J=4.9Hz), 8.1
7(1H,s), 8.23(1H,s)
【0038】同様にして、メチルアミンの代わりにブチ
ルアミンを用いて、 N6-n-ブチル-5'-O-メチルアデノシ
ン(化合物20)を得た。1 H-NMR(δppm, CDCl3) :0.95(3H,t,J=7.3Hz), 1.44(2
H,qt,J=7.3, 7.3Hz), 1.66(2H,tt,J=7.3, 7.3Hz), 3.33
(3H,s), 3.54-3.68(4H,m), 4.35-4.45(3H,m), 5.87(1H,
brs, D2O消失), 5.93(1H,d,J=5.9Hz), 8.00(1H,s), 8.2
8(1H,s)
【0039】実施例11.以上の実施例の方法に従い、
6-クロロ-2−メチル-9−β-D−リボフラノシル-9H-プリ
ンを TIPDS化又はイソプロピリデン化した後、2'位又は
5'位をアルキル化した。次いで、アンモニア又はアルキ
ルアミンで6位をアミノ化又はアルキルアミノ化し、脱
保護して以下の化合物を得た。 2,N6,2'-O-トリメチルアデノシン(化合物21)1 H-NMR(δppm, D2O) :2.40(3H,s), 2.97(3H,s), 3.37
(3H,s), 3.81(1H,dd,J=2.9, 12.7Hz), 3.90(1H,dd,J=2.
9, 12.7Hz), 4.29(1H,m), 4.44(1H,dd,J=4.9, 6.8Hz),
4.57(1H,dd,J=2.4, 4.9Hz), 5.96(1H,d,J=6.8Hz), 8.06
(1H,s)
【0040】2,N6−ジメチル-2'-O-エチルアデノシン
(化合物22)1 H-NMR(δppm, D2O) :1.05(3H,dd,J=6.8, 6.8Hz), 2.
50(3H,s), 3.09(3H,s),3.37(3H,s), 3.46-3.74(2H,m),
3.85(1H,dd,J=2.9Hz, 13.2Hz), 3.93(1H,dd,J=2.4, 13.
2Hz), 4.34(1H,m), 4.56(1H,dd,J=1.5, 4.9Hz), 4.63(1
H,dd,J=5.4, 6.8Hz), 6.02(1H,d,J=6.8Hz), 8.15(1H,s)
【0041】N6-n−ブチル-2,2'-O-ジメチルアデノシン
(化合物23)1 H-NMR(δppm, CDCl3) :0.94(3H,t,J=7.3Hz), 1.43(2
H,qt,J=7.3, 7.3Hz), 1.63(2H,tt,J=7.3, 7.3Hz), 2.54
(3H,s), 3.32(3H,s), 3.62(2H,m), 3.74(1H,m),3.95(1
H,dd,J=1.5, 12.7Hz), 4.33(1H,m), 4.56(1H,d,J=4.4H
z), 4.74(1H,dd,J=4.4, 7.8Hz), 5.77(1H,d,J=7.8Hz),
5.79(1H,brs,D2O消失), 7.33(1H,brs,D2O消失), 7.66(1
H,s)
【0042】2,N6,5'-O-トリメチルアデノシン(化合物
24)1 H-NMR(δppm, D2O) :2.52(3H,s), 3.10(3H,s), 3.41
(3H,s), 3.68-3.78(2H,m), 4.30(1H,m), 4.40(1H,dd,J=
4.9, 4.9Hz), 4.72(1H,dd,J=4.9, 4.9Hz), 6.05(1H,d,J
=4.9Hz), 8.20(1H,s)
【0043】N6-n−ブチル-2,5'-O-ジメチルアデノシン
(化合物25)1 H-NMR(δppm, CDCl3) :0.95(3H,t,J=7.3Hz), 1.43(2
H,qt,J=7.3, 7.3Hz), 1.64(2H,tt,J=7.3, 7.3Hz), 2.52
(3H,s), 3.5-3.7(4H,m), 4.3-4.4(3H,m), 5.77(1H,brs,
D2O消失), 5.87(1H,d,J=5.9Hz), 7.91(1H,s)
【0044】実施例12.1gの 2,2'-O-ジメチルアデ
ノシン(化合物5)を5mlのジメチルホルムアミドに溶
かし、2mlのヨウ化メチルを加え30乃至40℃で撹拌し
た。溶媒を溜去し、5mlの0.5N水酸化ナトリウム溶液を
5ml加え、100℃で75分間加熱した。中和後、疎水性カ
ラムで脱塩した後、メタノールより結晶化し、2,N6,2'-
O-トリメチルアデノシン(化合物21)を得た。
【0045】同様にして、2,3'-O-ジメチルアデノシン
を原料にして、2,N6,3'-O-トリメチルアデノシン(化合
物26)を得た。1 H-NMR(δppm, D2O) :2.46(3H,s), 3.05(3H,s), 3.56
(3H,s), 3.84(1H,dd,J=3.4, 12.7Hz), 3.96(1H,dd,J=2.
0, 12.7Hz), 4.11(1H,m), 4.41(1H,m), 4.86(1H,t-lik
e,J=5.9Hz), 5.94(1H,d,J=5.9Hz), 8.10(1H,s)
【0046】実施例13. i)グアノシン45gに無水酢酸 500ml及びピリジン 500
mlを加え12時間室温で撹拌した後、結晶を濾別し水で洗
浄した。濾液及び洗液は合わせて減圧下濃縮した。析出
した結晶を濾別し、先の結晶と合わせ60.2gの 2',3',
5'-O-トリアセチルグアノシンを得た(収率94.4%)。 ii) 2',3',5'-O-トリアセチルグアノシン55gにオキシ
塩化リン 375ml及びジエチルアニリン20mlを加え3分間
加熱還流した。反応終了後、減圧下 100mlに濃縮し、氷
水に注ぎこみジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタ
ン層を中性になるまで水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
上で乾燥した。シリカゲルカラムで精製した後、減圧下
濃縮し40gの6-クロロ-2−アミノ-9-(2,3,5-O-トリアセ
チル−β-D−リボフラノシル)-9H−プリンを得た(収率
69%)。
【0047】iii) 4.5gの上記生成物を冷塩酸40mlに溶
解し、3mlの水に溶かした亜硝酸ナトリウム1.05gを撹
拌下徐々に加えた。反応終了後、冷アンモニア水で中和
し、ジクロロエタンで抽出した。ジクロロエタン層は無
水硫酸ナトリウム上で乾燥後、濃縮乾固して2,6-ジクロ
ロ-9-(2,3,5-O-トリアセチル−β-D−リボフラノシル)-
9H−プリンを得た。 iv)上記の生成物残渣を 100mlの20%アンモニア/メタ
ノール溶液に溶解し、オートクレーブにて70℃で8時間
加熱して2-クロロアデノシンを得た。v) 以下、実施例
1の〔方法1〕と同様にして2-クロロアデノシンをメチ
ル化して、2-クロロ-2'-O-メチルアデノシン(化合物2
7)及び2-クロロ-3'-O-メチルアデノシン(化合物28)
を得た。
【0048】・化合物27:1 H-NMR(δppm, D2O):3.43(3H,s), 3.84(1H,dd,J=3.
4, 13.2Hz), 3.92(1H,dd,J=2.5, 13.2Hz), 4.30(1H,m),
4.50(1H,dd,J=6.8, 4.9Hz), 4.60(1H,dd, J=3.4,4.9H
z), 6.05(1H,d,J=6.8Hz), 8.28(1H,s)
【0049】・化合物28:1 H-NMR(δppm, D2O):3.53(3H,s), 3.83(1H,dd,J=3.
4, 12.9Hz), 3.95(1H,dd,J=2.6, 12.9Hz), 4.12(1H,dd,
J=5.9, 5.9Hz), 4.38(1H,m), 4.87(1H,dd,J=5.9,5.9H
z), 5.98(1H,d,J=5.9Hz), 8.27(1H,s)
【0050】実施例14.3gの2-アミノ-2'-O-メチル
アデノシン(実施例15の化合物30)を35mlの42%ホウフ
ッ化水素酸に溶かした。-5℃乃至−10℃にて1.3g/10
mlの亜硝酸ナトリウム水溶液を撹拌しつつ加え1時間撹
拌した。次いで−20℃に冷却し、50%水酸化ナトリウム
水溶液で中和した。疏水性カラムで脱塩した後、メタノ
ールより結晶化して、 697mgの2-フルオロ-2'-O-メチル
アデノシン(化合物29)を得た(収率23%)。1 H-NMR (δppm, D2O):3.45(3H,s), 3.84(1H,dd,J=3.
9, 13.2Hz), 3.91(1H,dd,J=2.9, 13.2Hz), 4.27(1H,m),
4.50(1H,dd,J=5.9, 6.4Hz), 4.60(1H,dd,J=3.4,5.9H
z), 6.06(1H,d,J=6.4Hz), 8.29(1H,s)
【0051】実施例15.アンモニアを用いて、2-アミ
ノ-6−クロロ-9-(2,3,5-O-トリアセチル−β-D−リボフ
ラノシル)-9H−プリンの6位をアミノ化して2-アミノア
デノシンを得た。以下、実施例1の〔方法1〕と同様に
して2-アミノアデノシンをメチル化して、2-アミノ-2'-
O-メチルアデノシン(化合物30)及び2-アミノ-3'-O-メ
チルアデノシン(化合物31)を得た。
【0052】・化合物30: 融点:104 - 108 ℃(分解)1 H-NMR(δppm, D2O):3.41(3H,s), 3.81(1H,dd,J=3.
4, 12.7Hz), 3.88(1H,dd,J=2.9, 12.7Hz), 4.26(1H,m),
4.49(1H,dd,J=4.9, 6.8Hz), 4.57(1H,dd,J=2.9,4.9H
z), 5.95(1H,dd,J=6.8Hz), 8.00(1H,s)
【0053】・化合物31: 融点:228 - 228.5 ℃1 H-NMR(δppm, D2O):3.52(3H,s), 3.80(1H,dd,J=3.
4, 12.7Hz), 3.91(1H,dd,J=2.9, 12.7Hz), 4.09(1H,dd,
J=2.9, 5.4Hz), 4.35(1H,m), 4.87(1H,dd,J=5.4,6.4H
z), 5.89(1H,d,J=6.4Hz), 7.99(1H,s)
【0054】
【作用】(1) 急性毒性 一群4乃至8匹のddY系雄性マウスを用いて、被検薬
(0.5%CMC水溶液)を経口投与後7日間の死亡率よ
り本発明化合物の急性毒性を調べた。結果の一例を表1
に示す。
【0055】
【表1】
【0056】(2) 血圧降下作用 本発明化合物の血圧降下作用を自然発症高血圧ラット
(SHR)を用いて調べた。一群3匹の雄性SHR(体
重 300乃至 400g)を18時間絶食後、被検薬(0.5%C
MC水溶液)を経口投与し、被検薬投与前及び投与後
2、4、6時間後の血圧を測定した。結果の一例を表2
に示す。尚、括弧内の値は投与前の血圧に対する投与後
の血圧低下率である。
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】表2の結果から明らかなように、経口投
与においてアデノシンは上記投与量では全く血圧を降下
させないが、本発明化合物は同量乃至その数十分の一の
投与量で優れた血管拡張降圧作用を示す。即ち、本発明
化合物は経口投与可能な降圧剤として非常に有用であ
る。又、アデノシン及び2位置換アデノシンは心拍数の
低下が観察されたが、糖の2位又は3位がO−アルキル
化された本発明化合物ではそのような副作用はみられな
かった。
【0059】本発明化合物は前述のように経口投与にお
いて優れた血圧降下作用を示し、且つ徐拍等の副作用を
有さないため、種々の高血圧症やそれによって誘因され
る脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血等の脳血管障害、鬱血
性心不全、心筋梗塞、急性心臓死等の心臓病、腎不全な
どの種々の疾患を治療するための薬剤として非常に有用
なものである。
【0060】本発明化合物は、適当な医薬用の担体若し
くは希釈剤と組み合わせて医薬とすることができ、通常
の如何なる方法によっても製剤化でき、経口又は非経口
投与するための固体、半固体、液体又は気体の剤形、例
えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、粉末、軟膏、液
剤、座剤、注射剤、吸入剤、エアゾール剤、パップ剤等
の剤型に処方することができる。処方にあたっては、本
発明化合物をその薬学的に許容しうる塩の形で用いても
よく、本発明化合物を単独で若しくは適宜組み合わせて
用いることができ、又、他の医薬活性成分との配合剤と
してもよい。
【0061】経口投与製剤には、そのまま或いは適当な
添加剤、例えば乳糖、マンニット、トウモロコシデンプ
ン、バレイショデンプン等の慣用の賦形剤と共に、結晶
セルロース、セルロース誘導体、アラビアゴム、トウモ
ロコシデンプン、ゼラチン等の結合剤、トウモロコシデ
ンプン、バレイショデンプン、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム等の崩壊剤、タルク、ステアリン酸マグ
ネシウム等の滑沢剤、その他増量剤、湿潤化剤、緩衝
剤、保存剤、香料等を適宜組み合わせて錠剤、散剤、顆
粒剤或いはカプセル剤とするか、又、軟膏基剤、例えば
ワセリン、パラフィン、プラスチベース、単軟膏、単鉛
軟膏、親水軟膏、親水ワセリン、親水プラスチベース等
と組み合わせて軟膏とすることができる。
【0062】また本発明化合物は、乳剤性基剤、水溶性
基剤等の各種基剤と混和して坐剤を製造することができ
る。 注射剤としては水性溶剤又は非水性溶剤、例えば
植物油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸エステル、
プロピレングリコール等の溶液、懸濁液若しくは乳化液
とすることができ、この場合必要に応じ溶解補助剤、等
張化剤、懸濁化剤、乳化剤、安定剤、保存剤等の通常用
いられる添加剤を加えてもよい。
【0063】吸入剤、エアゾール剤として使用するに
は、本発明化合物を液体又は微小粉体の形で、気体又は
液体噴射剤と共に、且つ所望により湿潤剤又は分散剤の
ような通常の補薬と共にエアゾール容器内に充填する。
本発明化合物は、ネブライザー又はアトマイザーのよう
な非加圧型の剤形にしてもよい。パップ剤としては、ハ
ッカ油、濃グリセリン、カオリン等と混合して製造する
ことができる。
【0064】本発明化合物の望ましい投与量は、投与対
象、剤形、投与方法、投与期間等によって変わるが、所
望の効果を得るには、一般に成人に対して一日に本発明
化合物を 0.2乃至 5,000mg、好ましくは1乃至 3,000mg
を経口投与することができ、又、本発明化合物を適当量
含有する単位製剤を一日1乃至数単位投与することがで
きる。非経口投与(例えば注射剤)の場合、一日投与量
は、経口投与量と同量若しくは適宜に少量、例えば2乃
至10分の1の用量レベルのものを用いるのが好ましい。
以下に本発明化合物を有効成分として含有する医薬組成
物の処方例を示すが、本発明はこれによって限定される
ものではない。
【0065】
【処方例】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】

Claims (4)

    (57)【整理番号】 PC−220 【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で表されるアデノシン誘導体
    又はその薬学的に許容される塩の少なくとも一種を有効
    成分として含有する血管拡張降圧剤。 【化1】 〔式中、R1 、R2 、R3 は各々同一若しくは異なって
    水素又は低級アルキル基を表し、且つR1 、R2 、R3
    の少なくとも一つは低級アルキル基であり、Xは水素、
    低級アルキル基、アミノ基又はハロゲンを表し、Yは水
    素又は低級アルキル基を表す。〕
  2. 【請求項2】 脳血管障害を治療するための薬剤として
    用いる特許請求の範囲第1項記載の血管拡張降圧剤。
  3. 【請求項3】 心臓病を治療するための薬剤として用い
    る特許請求の範囲第1項記載の血管拡張降圧剤。
  4. 【請求項4】 腎不全を治療するための薬剤として用い
    る特許請求の範囲第1項記載の血管拡張降圧剤。
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