JPH05192995A - Ny6/MXD6/Ny6系二軸延伸多層フィルムの製造方法 - Google Patents
Ny6/MXD6/Ny6系二軸延伸多層フィルムの製造方法Info
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- JPH05192995A JPH05192995A JP1018192A JP1018192A JPH05192995A JP H05192995 A JPH05192995 A JP H05192995A JP 1018192 A JP1018192 A JP 1018192A JP 1018192 A JP1018192 A JP 1018192A JP H05192995 A JPH05192995 A JP H05192995A
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- film
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- stretching
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 二軸延伸時における良好な成形安定性が得ら
れるNy6/MXD6/Ny6系二軸延伸多層フィルム
の製造方法を提供する。 【構成】 フィルム11の移動方向(MD)の最大延伸応
力をσMD、フィルムの幅方向(TD)の最大延伸応力を
σTDとしたとき、σMD及びσTDをそれぞれ600kg/cm2
≦σTD、σTD≦1600kg/cm2 に設定する。但し、σMD=
(F×BMD)/A、F=T/rである。ここで、Fは延
伸力、BMDはMD方向の延伸倍率、Aは原反フィルムの
断面積、Tはニップロール12,17 の回転トルク、rはニ
ップロールの半径である。また、σTD=(ΔP×R)/
tである。ここで、ΔPはバブル16内圧力、Rはバブル
半径、tはフィルム11の厚さである。
れるNy6/MXD6/Ny6系二軸延伸多層フィルム
の製造方法を提供する。 【構成】 フィルム11の移動方向(MD)の最大延伸応
力をσMD、フィルムの幅方向(TD)の最大延伸応力を
σTDとしたとき、σMD及びσTDをそれぞれ600kg/cm2
≦σTD、σTD≦1600kg/cm2 に設定する。但し、σMD=
(F×BMD)/A、F=T/rである。ここで、Fは延
伸力、BMDはMD方向の延伸倍率、Aは原反フィルムの
断面積、Tはニップロール12,17 の回転トルク、rはニ
ップロールの半径である。また、σTD=(ΔP×R)/
tである。ここで、ΔPはバブル16内圧力、Rはバブル
半径、tはフィルム11の厚さである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Ny6/MXD6/N
y6系二軸延伸多層フィルムの製造方法に関し、食品包
装分野、工業材料分野等において利用することができ
る。
y6系二軸延伸多層フィルムの製造方法に関し、食品包
装分野、工業材料分野等において利用することができ
る。
【0002】
【背景技術】チューブラー法により同時二軸延伸されて
製造されたナイロン6、ナイロン66等のナイロン系フ
ィルムは、強度、透明性等の機械的及び光学的特性が良
好であるという優れた特徴を有している。従来、このよ
うな二軸延伸フィルムに気体に対するバリアー性を付与
するため、フィルム表面へのPVDC(ポリ塩化ビニリ
デン)系エマルジョンの塗布、いわゆるKコートするこ
とが一般的に行われている。
製造されたナイロン6、ナイロン66等のナイロン系フ
ィルムは、強度、透明性等の機械的及び光学的特性が良
好であるという優れた特徴を有している。従来、このよ
うな二軸延伸フィルムに気体に対するバリアー性を付与
するため、フィルム表面へのPVDC(ポリ塩化ビニリ
デン)系エマルジョンの塗布、いわゆるKコートするこ
とが一般的に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Kコートされたナイロ
ン系フィルム(KONy)は、焼却すると有害な塩化水
素ガスや塩素ガスが発生するため、PVCと同様に環境
に対する悪影響が懸念されている。また、Kコート品
は、PVDC系エマルジョンが塗布されたものであるた
め、熱水に弱く、レトルト処理( 110℃〜 135℃程度)
用としては使用できないという制約があった。
ン系フィルム(KONy)は、焼却すると有害な塩化水
素ガスや塩素ガスが発生するため、PVCと同様に環境
に対する悪影響が懸念されている。また、Kコート品
は、PVDC系エマルジョンが塗布されたものであるた
め、熱水に弱く、レトルト処理( 110℃〜 135℃程度)
用としては使用できないという制約があった。
【0004】しかも、PVDC系エマルジョンの塗布の
際、無機物が凝集して色抜けを起こし易いため、微妙な
色調が表現される半調印刷適性に問題が生じて高級印刷
が困難になるという欠点もあった。一方、Ny6(ナイ
ロン6)/MXD6(メタキシリレンアジパミド)/N
y6系二軸延伸多層フィルムは、これらの欠点を解消で
きるものであるが、チューブラー法による二軸延伸時に
おいてバブルが安定しないため、バブルが横揺れを起こ
したり、時には破袋するという製造上の問題点があっ
た。
際、無機物が凝集して色抜けを起こし易いため、微妙な
色調が表現される半調印刷適性に問題が生じて高級印刷
が困難になるという欠点もあった。一方、Ny6(ナイ
ロン6)/MXD6(メタキシリレンアジパミド)/N
y6系二軸延伸多層フィルムは、これらの欠点を解消で
きるものであるが、チューブラー法による二軸延伸時に
おいてバブルが安定しないため、バブルが横揺れを起こ
したり、時には破袋するという製造上の問題点があっ
た。
【0005】なお、従来、このような問題点を解決する
ため、延伸倍率、延伸温度、延伸速度等の制御に基づく
製造方法も提案されているが、良好な成形安定性が得ら
れる条件を必ずしも的確に規定できるものではなかっ
た。そこで、本発明は、Ny6/MXD6/Ny6系二
軸延伸多層フィルムの二軸延伸時の成形安定性を向上さ
せることができる製造方法を提供することを目的とす
る。
ため、延伸倍率、延伸温度、延伸速度等の制御に基づく
製造方法も提案されているが、良好な成形安定性が得ら
れる条件を必ずしも的確に規定できるものではなかっ
た。そこで、本発明は、Ny6/MXD6/Ny6系二
軸延伸多層フィルムの二軸延伸時の成形安定性を向上さ
せることができる製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、チ
ューブラー法によるNy6(ナイロン6)/MXD6
(メタキシリレンアジパミド)/Ny6系二軸延伸多層
フィルムの製造方法において、延伸に関与する各種パラ
メータを実験により確認した結果、フィルムの移動方向
(MD)の最大延伸応力σMD及びフィルムの幅方向(T
D)の最大延伸応力σTDに着目し、これらのσMDとσTD
に基づき製造条件を設定することにより、良好な結果が
得られることを見出した。
ューブラー法によるNy6(ナイロン6)/MXD6
(メタキシリレンアジパミド)/Ny6系二軸延伸多層
フィルムの製造方法において、延伸に関与する各種パラ
メータを実験により確認した結果、フィルムの移動方向
(MD)の最大延伸応力σMD及びフィルムの幅方向(T
D)の最大延伸応力σTDに着目し、これらのσMDとσTD
に基づき製造条件を設定することにより、良好な結果が
得られることを見出した。
【0007】即ち、本発明においては、σMDとσTDをそ
れぞれ次のように条件設定したことを特徴とする。 600kg /cm2 ≦σTD≦1600kg/cm2 600kg /cm2 ≦σMD≦1600kg/cm2 但し、前記σMDとσTDは、それぞれ下式で表される。 σMD=(F×BMD)/A F=T/r
れぞれ次のように条件設定したことを特徴とする。 600kg /cm2 ≦σTD≦1600kg/cm2 600kg /cm2 ≦σMD≦1600kg/cm2 但し、前記σMDとσTDは、それぞれ下式で表される。 σMD=(F×BMD)/A F=T/r
【0008】ここで、Fは延伸力(kg)、BMDはMD方
向の延伸倍率、Aは原反フィルムの断面積(cm2 )、T
はニップロールの回転トルク(kg・cm)、rはニップロ
ールの半径(cm)である。 σTD=(ΔP×R)/t ここで、ΔPはバブル内圧力(kg/cm2 )、Rはバブル
半径(cm)、tはフィルムの厚さ(cm)である。前記N
y6の化学式を下記の化1に示し、またMXD6の化学
式を下記の化2に示す。
向の延伸倍率、Aは原反フィルムの断面積(cm2 )、T
はニップロールの回転トルク(kg・cm)、rはニップロ
ールの半径(cm)である。 σTD=(ΔP×R)/t ここで、ΔPはバブル内圧力(kg/cm2 )、Rはバブル
半径(cm)、tはフィルムの厚さ(cm)である。前記N
y6の化学式を下記の化1に示し、またMXD6の化学
式を下記の化2に示す。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】σMDとσTDが1600kg/cm2 を越える場合に
は、延伸途上のバブルの破袋が頻発するため、連続生産
ができなくなる。また、σMDとσTDが600kg /cm2 未満
の場合には、延伸途上のバブルが不安定になるため、フ
ィルムの厚さ精度が悪くなる。σMDとσTDは、いずれも
好ましくは、上限を1600kg/cm2 とし、下限を800kg/c
m2 とする。
は、延伸途上のバブルの破袋が頻発するため、連続生産
ができなくなる。また、σMDとσTDが600kg /cm2 未満
の場合には、延伸途上のバブルが不安定になるため、フ
ィルムの厚さ精度が悪くなる。σMDとσTDは、いずれも
好ましくは、上限を1600kg/cm2 とし、下限を800kg/c
m2 とする。
【0012】この多層フィルムにおいて、Ny6層/M
XD6層/Ny6層以外の層を含んでもよいが、最上層
と最下層はNy6層とする。なお、本発明に係る二軸延
伸多層フィルム中の各層には、必要な添加剤を適宜添加
することができる。このような添加剤としては、例えば
アンチブロッキング剤(無機フィラー等)、はっ水剤
(エチレンビスステアリン酸エステル等)、滑剤(ステ
アリン酸カルシウム等)を挙げることができる。
XD6層/Ny6層以外の層を含んでもよいが、最上層
と最下層はNy6層とする。なお、本発明に係る二軸延
伸多層フィルム中の各層には、必要な添加剤を適宜添加
することができる。このような添加剤としては、例えば
アンチブロッキング剤(無機フィラー等)、はっ水剤
(エチレンビスステアリン酸エステル等)、滑剤(ステ
アリン酸カルシウム等)を挙げることができる。
【0013】
【実施例】実施例1 各押出機より、MXD6層を中間層とし、このMXD6
層の上下にNy6層が配されるように共押し出ししてチ
ューブ状フィルムに成形した後、このフィルムを水冷マ
ンドレルで急冷して直径90mm、厚さ 135μmのNy6/
MXD6/Ny6・3層原反フィルムを作製した。この
3層原反フィルム中の各層の割合は、第1層のNy6層
が40%、第2層のMXD6層が20%、第3層のNy6層
が40%である。ここで使用したNy6は、UBEナイロ
ン 1023 FD〔商品名、相対粘度ηr =3.7 、宇部興産
(株)製〕であり、またMXD6はMXナイロン 6007
〔商品名、相対粘度ηr =2.7 、三菱瓦斯化学(株)
製〕である。
層の上下にNy6層が配されるように共押し出ししてチ
ューブ状フィルムに成形した後、このフィルムを水冷マ
ンドレルで急冷して直径90mm、厚さ 135μmのNy6/
MXD6/Ny6・3層原反フィルムを作製した。この
3層原反フィルム中の各層の割合は、第1層のNy6層
が40%、第2層のMXD6層が20%、第3層のNy6層
が40%である。ここで使用したNy6は、UBEナイロ
ン 1023 FD〔商品名、相対粘度ηr =3.7 、宇部興産
(株)製〕であり、またMXD6はMXナイロン 6007
〔商品名、相対粘度ηr =2.7 、三菱瓦斯化学(株)
製〕である。
【0014】次に、図1に示すように、この原反フィル
ム11を一対のニップロール12間に送通した後、中に気体
を圧入しながら 340℃のヒータ13で加熱すると共に、延
伸開始点にエアーリング14より風量15m3 /分のエアー
15を吹き付けてバブル16に膨張させ、下流側の一対のニ
ップロール17で引き取ることにより、同時二軸延伸を行
ってNy6/MXD6/Ny6二軸延伸3層フィルム18
を得た。この延伸倍率は、フィルムの移動方向(MD)
に 3.0倍及びフィルムの幅方向(TD)に 3.2倍であっ
た。
ム11を一対のニップロール12間に送通した後、中に気体
を圧入しながら 340℃のヒータ13で加熱すると共に、延
伸開始点にエアーリング14より風量15m3 /分のエアー
15を吹き付けてバブル16に膨張させ、下流側の一対のニ
ップロール17で引き取ることにより、同時二軸延伸を行
ってNy6/MXD6/Ny6二軸延伸3層フィルム18
を得た。この延伸倍率は、フィルムの移動方向(MD)
に 3.0倍及びフィルムの幅方向(TD)に 3.2倍であっ
た。
【0015】この同時二軸延伸の際、バブル16内の圧
力、バブル16の半径、ニップロール12,17の回転数、駆
動モータの負荷、回転トルク等を特定の値に設定して、
得られるフィルムの移動方向(MD)の最大延伸応力σ
MD及びフィルムの幅方向(TD)の最大延伸応力σTDを
調整した。本実施例においては、フィルムのMD方向の
最大延伸応力σMDは1150kg/cm2 、またフィルムのTD
方向の最大延伸応力σTDは1030kg/cm2 であった。
力、バブル16の半径、ニップロール12,17の回転数、駆
動モータの負荷、回転トルク等を特定の値に設定して、
得られるフィルムの移動方向(MD)の最大延伸応力σ
MD及びフィルムの幅方向(TD)の最大延伸応力σTDを
調整した。本実施例においては、フィルムのMD方向の
最大延伸応力σMDは1150kg/cm2 、またフィルムのTD
方向の最大延伸応力σTDは1030kg/cm2 であった。
【0016】なお、これらのσMDとσTDは、下式より算
出したものである。 σMD=(F×BMD)/A F=T/r ここで、Fは延伸力で 146kg、BMDはMD方向の延伸倍
率で3.0 、Aは原反フィルムの断面積で0.38cm2 、Tは
回転トルクで728kg ・cm、rはニップロールの半径で5
cmである。この延伸力Fは、ニップロールの駆動に要す
るモータの負荷を読み取り、これから回転トルクTを算
出して求めた値である。 σTD=(ΔP×R)/t
出したものである。 σMD=(F×BMD)/A F=T/r ここで、Fは延伸力で 146kg、BMDはMD方向の延伸倍
率で3.0 、Aは原反フィルムの断面積で0.38cm2 、Tは
回転トルクで728kg ・cm、rはニップロールの半径で5
cmである。この延伸力Fは、ニップロールの駆動に要す
るモータの負荷を読み取り、これから回転トルクTを算
出して求めた値である。 σTD=(ΔP×R)/t
【0017】ここで、ΔPはバブル内圧力で1001×10-4
kg/cm2 、Rはバブル半径で14.4cm、tはフィルムの厚
さで14.0×10-4cmである。このバブル内圧力ΔPは、デ
ジタルマノメータを使用して測定した値である。また、
フィルムの厚さtは、原反フィルムの厚さ/(MD延伸
倍率×TD延伸倍率)より算出した値である。σMD及び
σTDをこのように条件設定した本実施例に係る二軸延伸
3層フィルム18の製造において、24時間の連続製造を行
ったところ、延伸変形時のバブル16は横揺れなどがな
く、成形安定性が非常に良好であった。
kg/cm2 、Rはバブル半径で14.4cm、tはフィルムの厚
さで14.0×10-4cmである。このバブル内圧力ΔPは、デ
ジタルマノメータを使用して測定した値である。また、
フィルムの厚さtは、原反フィルムの厚さ/(MD延伸
倍率×TD延伸倍率)より算出した値である。σMD及び
σTDをこのように条件設定した本実施例に係る二軸延伸
3層フィルム18の製造において、24時間の連続製造を行
ったところ、延伸変形時のバブル16は横揺れなどがな
く、成形安定性が非常に良好であった。
【0018】また、得られた二軸延伸3層フィルム18に
210℃で10秒間の熱固定を施した後、ゲルボテストによ
るフィルムの耐ピンホール性を評価したところ、 500回
及び1000回のいずれの場合にもピンホールの発生が見ら
れず、耐ピンホール性が非常に良好であった。以上の結
果より、総合評価は○であった。
210℃で10秒間の熱固定を施した後、ゲルボテストによ
るフィルムの耐ピンホール性を評価したところ、 500回
及び1000回のいずれの場合にもピンホールの発生が見ら
れず、耐ピンホール性が非常に良好であった。以上の結
果より、総合評価は○であった。
【0019】実施例2〜8 上記実施例1と同様にして、実施例2〜8に係るNy6
/MXD6/Ny6二軸延伸3層フィルム18の製造を行
った。但し、3層フィルム18の層構成、MD延伸倍率と
TD延伸倍率、ヒータ3の温度については、下記の表1
に示すように条件を異ならせた。
/MXD6/Ny6二軸延伸3層フィルム18の製造を行
った。但し、3層フィルム18の層構成、MD延伸倍率と
TD延伸倍率、ヒータ3の温度については、下記の表1
に示すように条件を異ならせた。
【0020】また、同時二軸延伸の際、各実施例毎に、
フィルムのMD方向の最大延伸応力σMDとTD方向の最
大延伸応力σTDがそれぞれ600kg /cm2 以上、かつ1600
kg/cm2 以内となるように、バブル16内の圧力、バブル
16の半径、ニップロール12,17 の回転数、駆動モータの
負荷、回転トルク等を特定の値に設定した。σMD及びσ
TDをそれぞれ適当な値に条件設定した各実施例に係る二
軸延伸フィルム18の製造において、24時間の連続製造を
行い、延伸変形時のバブル16の成形安定性を観察、評価
した結果を下記の表1,2にまとめて示す。また、ゲル
ボテストによるフィルムの耐ピンホール性を評価した結
果及び総合評価も併せて示す。
フィルムのMD方向の最大延伸応力σMDとTD方向の最
大延伸応力σTDがそれぞれ600kg /cm2 以上、かつ1600
kg/cm2 以内となるように、バブル16内の圧力、バブル
16の半径、ニップロール12,17 の回転数、駆動モータの
負荷、回転トルク等を特定の値に設定した。σMD及びσ
TDをそれぞれ適当な値に条件設定した各実施例に係る二
軸延伸フィルム18の製造において、24時間の連続製造を
行い、延伸変形時のバブル16の成形安定性を観察、評価
した結果を下記の表1,2にまとめて示す。また、ゲル
ボテストによるフィルムの耐ピンホール性を評価した結
果及び総合評価も併せて示す。
【0021】比較例1〜8 上記実施例と同様にして、比較例1〜8に係るフィルム
の製造を行った。但し、比較例1〜5に係るフィルムは
実施例と同様のNy6/MXD6/Ny6・3層フィル
ム、比較例6に係るフィルムはMXD6単層フィルム、
比較例7,8に係るフィルムはNy6とMXD6のブレ
ンドフィルムである。そして、3層フィルムの層構成、
MD延伸倍率とTD延伸倍率、ヒータ13の温度について
は、下記の表1に示すように条件を異ならせた。また、
同時二軸延伸の際、フィルムのσMDとσTDの少なくとも
一方が前記実施例に係る範囲を外れるように、バブル内
の圧力、バブルの半径等を特定の値に設定した。
の製造を行った。但し、比較例1〜5に係るフィルムは
実施例と同様のNy6/MXD6/Ny6・3層フィル
ム、比較例6に係るフィルムはMXD6単層フィルム、
比較例7,8に係るフィルムはNy6とMXD6のブレ
ンドフィルムである。そして、3層フィルムの層構成、
MD延伸倍率とTD延伸倍率、ヒータ13の温度について
は、下記の表1に示すように条件を異ならせた。また、
同時二軸延伸の際、フィルムのσMDとσTDの少なくとも
一方が前記実施例に係る範囲を外れるように、バブル内
の圧力、バブルの半径等を特定の値に設定した。
【0022】σMD及びσTDをそれぞれ適当な値に設定し
た各比較例に係る二軸延伸フィルムの製造において、24
時間の連続製造を行い、延伸変形時のバブルの成形安定
性を観察、評価した結果を下記の表1,2に示す。ま
た、ゲルボテストによるフィルムの耐ピンホール性を評
価した結果及び総合評価も併せて示す。下記の表で、成
形安定性の欄の◎はバブルの折径変動が±1%で、バブ
ルの破袋、不安定現象(上下動、横揺れ等)が発生しな
い、○はバブルの折径変動が±3%で、バブルの破袋、
不安定現象が発生しない、×はバブルの破袋又は不安定
現象が生じるため、連続成形が困難、をそれぞれ示す。
た各比較例に係る二軸延伸フィルムの製造において、24
時間の連続製造を行い、延伸変形時のバブルの成形安定
性を観察、評価した結果を下記の表1,2に示す。ま
た、ゲルボテストによるフィルムの耐ピンホール性を評
価した結果及び総合評価も併せて示す。下記の表で、成
形安定性の欄の◎はバブルの折径変動が±1%で、バブ
ルの破袋、不安定現象(上下動、横揺れ等)が発生しな
い、○はバブルの折径変動が±3%で、バブルの破袋、
不安定現象が発生しない、×はバブルの破袋又は不安定
現象が生じるため、連続成形が困難、をそれぞれ示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】上記表1,2より、実施例1〜8によれ
ば、Ny6/MXD6/Ny6二軸延伸3層フィルムの
MD方向の最大延伸応力σMD及びTD方向の最大延伸応
力σTDが、いずれも 600〜1600kg/cm2 の範囲内にある
ため、延伸変形時のバブル16の良好な成形安定性が得ら
れることがわかる。また、σMDとσTDをそれぞれ 800〜
1600kg/cm2 の範囲内に設定した実施例1〜5,7,8
によれば、成形安定性がより良好になる。ゲルボテスト
では、 500回でのピンホールの発生はなく、1000回に至
っても0〜2,3に過ぎず、いずれの実施例に係るフィ
ルムも耐ピンホール性が良好である。
ば、Ny6/MXD6/Ny6二軸延伸3層フィルムの
MD方向の最大延伸応力σMD及びTD方向の最大延伸応
力σTDが、いずれも 600〜1600kg/cm2 の範囲内にある
ため、延伸変形時のバブル16の良好な成形安定性が得ら
れることがわかる。また、σMDとσTDをそれぞれ 800〜
1600kg/cm2 の範囲内に設定した実施例1〜5,7,8
によれば、成形安定性がより良好になる。ゲルボテスト
では、 500回でのピンホールの発生はなく、1000回に至
っても0〜2,3に過ぎず、いずれの実施例に係るフィ
ルムも耐ピンホール性が良好である。
【0026】これに対して、比較例1,2によれば、σ
MDとσTDがいずれも 600kg/cm2 未満であるため、成形
安定性と耐ピンホール性のいずれも不良であった。一
方、比較例3,4,5によれば、σMDとσTDがいずれも
1600kg/cm2 を越えているため、成形安定性が不良であ
ったが、耐ピンホール性は良好であった。また、比較例
6によれば、MXD6単層フィルムであるため、成形安
定性と耐ピンホール性のいずれも不良であった。更に、
比較例7,8によれば、Ny6とMXD6のブレンドフ
ィルムであるため、成形安定性は良好であっても、耐ピ
ンホール性は不良であった。
MDとσTDがいずれも 600kg/cm2 未満であるため、成形
安定性と耐ピンホール性のいずれも不良であった。一
方、比較例3,4,5によれば、σMDとσTDがいずれも
1600kg/cm2 を越えているため、成形安定性が不良であ
ったが、耐ピンホール性は良好であった。また、比較例
6によれば、MXD6単層フィルムであるため、成形安
定性と耐ピンホール性のいずれも不良であった。更に、
比較例7,8によれば、Ny6とMXD6のブレンドフ
ィルムであるため、成形安定性は良好であっても、耐ピ
ンホール性は不良であった。
【0027】
【発明の効果】本発明に係る製造方法によれば、Ny6
/MXD6/Ny6系多層フィルムの二軸延伸時におけ
る良好な成形安定性が得られるため、連続生産を支障な
く行うことができる。
/MXD6/Ny6系多層フィルムの二軸延伸時におけ
る良好な成形安定性が得られるため、連続生産を支障な
く行うことができる。
【図1】本発明の実施例で使用する二軸延伸装置の概略
図である。
図である。
11 原反フィルム 13 ヒータ 14 エアーリング 16 バブル 18 二軸延伸フィルム。
Claims (1)
- 【請求項1】 チューブラー法によるNy6/MXD6
/Ny6系二軸延伸多層フィルムの製造方法において、 前記フィルムの移動方向(MD)の最大延伸応力を
σMD、フィルムの幅方向(TD)の最大延伸応力をσTD
としたとき、σMD及びσTDをそれぞれ 600kg /cm2 ≦σTD≦1600kg/cm2 600kg /cm2 ≦σMD≦1600kg/cm2 に設定したことを特徴とするNy6/MXD6/Ny6
系二軸延伸多層フィルムの製造方法。但し、前記σMDと
σTDは、それぞれ下式で表される。 σMD=(F×BMD)/A F=T/r ここで、Fは延伸力(kg)、BMDはMD方向の延伸倍
率、Aは原反フィルムの断面積(cm2 )、Tはニップロ
ールの回転トルク(kg・cm)、rはニップロールの半径
(cm)である。 σTD=(ΔP×R)/t ここで、ΔPはバブル内圧力(kg/cm2 )、Rはバブル
半径(cm)、tはフィルムの厚さ(cm)である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1018192A JPH05192995A (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | Ny6/MXD6/Ny6系二軸延伸多層フィルムの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP1018192A JPH05192995A (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | Ny6/MXD6/Ny6系二軸延伸多層フィルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05192995A true JPH05192995A (ja) | 1993-08-03 |
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ID=11743125
Family Applications (1)
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JP1018192A Pending JPH05192995A (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | Ny6/MXD6/Ny6系二軸延伸多層フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JPH05192995A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013028660A (ja) * | 2011-07-26 | 2013-02-07 | Idemitsu Unitech Co Ltd | 易裂性二軸延伸ナイロンフィルムの製造方法、および易裂性二軸延伸ナイロンフィルム |
WO2014148279A1 (ja) * | 2013-03-19 | 2014-09-25 | 出光ユニテック株式会社 | 多層延伸フィルムの製造方法および多層延伸フィルム |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5751427A (en) * | 1980-09-12 | 1982-03-26 | Toyobo Co Ltd | Preparation of polyamide laminated film |
JPH02235722A (ja) * | 1989-03-10 | 1990-09-18 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 二軸延伸ナイロン6フィルムの製造方法 |
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-
1992
- 1992-01-23 JP JP1018192A patent/JPH05192995A/ja active Pending
Patent Citations (4)
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