JPH05190342A - 巻鉄心変圧器及びその製造方法 - Google Patents

巻鉄心変圧器及びその製造方法

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JPH05190342A
JPH05190342A JP4003988A JP398892A JPH05190342A JP H05190342 A JPH05190342 A JP H05190342A JP 4003988 A JP4003988 A JP 4003988A JP 398892 A JP398892 A JP 398892A JP H05190342 A JPH05190342 A JP H05190342A
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core
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昌武 平井
Kaoru Osako
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Abstract

(57)【要約】 【目的】非晶質磁性合金からなる巻鉄心を被覆する作業
を簡単にして、しかも鉄心の破片が漏れ出るのを防止す
る。 【構成】巻鉄心11の脚部を挿入し得る筒状部と、この
筒状部の両端に設けられたフランジ部とを有する鉄心カ
バー14,15を設け、これらの鉄心カバーの筒状部を
巻線12,13の窓部内に挿入しておく。巻鉄心の1つ
の継鉄部の接合部を開いて鉄心カバー14,15の筒状
部内にそれぞれ巻鉄心の脚部を挿入する。巻鉄心の接合
部を閉じた後、鉄心カバー14,15のフランジ部を折
り曲げ、折り曲げたフランジ部F1 ´,F2 ´により巻
鉄心の各継鉄部を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非晶質(アモルファ
ス)磁性合金の薄帯(ストリップ)からなる巻鉄心を用
いた巻鉄心変圧器及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】非晶質磁性合金は非常に薄い薄帯の形で
提供されるため、非晶質磁性合金により変圧器の鉄心を
構成する場合には、1つの継鉄部に接合部を有する矩形
状の巻鉄心の形をとるのが有利である。
【0003】非晶質磁性合金の薄帯からなる巻鉄心で
は、その性能を発揮させるため、矩形状に成形した後に
磁場焼鈍を行う必要があるが、非晶質磁性合金は焼鈍に
より極めて脆弱になる。そのため、非晶質磁性合金から
なる巻鉄心は非常に欠け易い状態にあり、鉄心に振動や
衝撃が加わると鉄心(特に積層面や積層面の両端のエッ
ジ部付近)が欠けてその破片が生じる。非晶質磁性合金
は導電性を有するため、万一その破片が巻線内に侵入し
たり絶縁油中を浮遊したりすると絶縁破壊を招くおそれ
がある。
【0004】そこで本発明者は先に、実願昭63−18
450号(実開平1−123315号)において、巻鉄
心の各エッジ部に沿う折り曲げ線に沿って絶縁紙を折り
曲げて形成した折り紙式の鉄心カバーにより巻鉄心を覆
うことを提案した。
【0005】この鉄心カバーを用いる場合には、例えば
図16に示したように、巻鉄心1の継鉄部1A及び1B
と対の脚部1C及び1Dの内、接合部が設けられた1つ
の継鉄部1Aを除いた他の部分、即ち脚部1C,1Dと
継鉄部1Bとから成るU字形の部分を折り紙式の鉄心カ
バー2により被覆した後、巻鉄心を巻線嵌装用治具5の
スライド板5A及び5Bの上に載せる。これらのスライ
ド板5A及び5Bはそれぞれ巻線3及び4の窓部内を貫
通した状態で設けられている。
【0006】次いで継鉄部1Aの接合部を左右に開き、
スライド板5A,5Bを滑らしながら巻鉄心の開かれた
継鉄部の半部1A1及び1A2と脚部1C及び1Dとをそれ
ぞれ巻線3及び4の窓部内に挿入して巻線3及び4をそ
れぞれ脚部1C及び1Dに嵌装する。その後継鉄部1A
の接合部を再接合し、該継鉄部1Aを同じく折り紙式の
鉄心カバーにより被覆して巻鉄心変圧器を完成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】先に提案した巻鉄心変
圧器では、巻線嵌装用治具の滑り板5A,5Bの上に巻
鉄心を載せてその継鉄部1Aを開いた際に無数の鉄心の
破片が生じて滑り板5A,6Aの上に落下したり、滑り
板5A,6Aの下に入り込んだりして滑り板に付着す
る。そのため、これらの破片を掃除機などにより除去し
た後に滑り板を滑らせて巻鉄心を巻線3,4の窓部内に
挿入するようにしている。
【0008】しかし、滑り板に付着した無数の細かい鉄
心の破片を完全に除去することは困難であるため、どう
しても滑り板の上また下に破片が残留した状態で巻鉄心
を巻線の窓部内に挿入する作業が行われることになり、
滑り板に付着した鉄心の破片が巻線の窓部内を通過する
際に巻線の窓部内に落下するおそれがあった。巻線内に
入り込んだ鉄心の破片は、変圧器が絶縁油中に浸漬され
た後に巻線の外部に出て絶縁油中を浮遊するため、変圧
器の絶縁を脅かすおそれがあった。
【0009】尚上記の説明では、スベリ板を有する巻線
嵌装用治具を用いて巻鉄心を巻線の窓部内に挿入する例
を示したが、他の方法により巻鉄心を巻線の窓部内に挿
入する場合にも、継鉄部を開いた際に生じた無数の鉄心
の破片を完全に除去することは困難であるため、上記と
同じような問題が生じるおそれがあった。
【0010】また先に提案した巻鉄心変圧器では、鉄心
全体を折り紙式の鉄心カバーにより被覆するため、鉄心
を被覆する作業に多くの手間が掛かるという問題があっ
た。本発明の目的は、鉄心を被覆する作業を簡単にする
とともに、鉄心の破片が巻線内に侵入したり、絶縁油中
を浮遊したりするおそれをなくした巻鉄心変圧器、及び
その製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、非晶質磁性合
金の薄帯からなっていて1つの継鉄部に接合部を有する
ほぼ矩形状の巻鉄心と、前記巻鉄心の脚部に嵌装された
巻線とを備えた巻鉄心変圧器に係わるものである。
【0012】本発明においては、巻鉄心の脚部を挿入し
得る筒状部と該筒状部の両端にそれぞれ配設されたフラ
ンジ部とを有する鉄心カバーを巻鉄心の各脚部に対して
設ける。そして巻鉄心の各脚部を該脚部に対して設けら
れた鉄心カバーの筒状部内に挿入し、各鉄心カバーの両
端のフランジ部をそれぞれの近傍に位置する巻鉄心の継
鉄部を包み込むように折り曲げて、鉄心カバーの筒状部
と折り曲げられたフランジ部とにより前記巻鉄心全体を
被覆する。巻線は鉄心カバーの筒状部の上から所定の脚
部に嵌装される。
【0013】上記鉄心カバーは、その筒状部を軸線方向
に2分割した構造とすることができる。この場合分割さ
れた2つの筒状部はそれぞれの端部同士を重ね合わせた
状態で配置する。
【0014】本発明の製造方法は、非晶質磁性合金の薄
帯からなっていて1つの継鉄部に接合部を有するほぼ矩
形状の巻鉄心の脚部に巻線を嵌装して巻鉄心変圧器を製
造する方法である。
【0015】本発明の方法においては、巻鉄心の脚部を
挿入し得る筒状部と該筒状部の両端にそれぞれ配設され
たフランジ部とを有する鉄心カバーを前記巻鉄心の各脚
部に対してそれぞれ設けておき、巻線が嵌装される脚部
に対して設けられた鉄心カバーの筒状部を該脚部に嵌装
される巻線の窓部内に挿入して該鉄心カバーの両端のフ
ランジ部をそれぞれ該巻線の巻回軸方向の両端の端面に
沿わせる工程と、巻鉄心の接合部を開いて該巻鉄心の2
つの脚部をそれぞれ対応する鉄心カバーの筒状部内に挿
入する工程と、巻鉄心の開かれた接合部を再接合する工
程と、各鉄心カバーの両端のフランジ部を、それぞれの
近傍に位置する鉄心の継鉄部を包み込むように折り曲げ
て各鉄心カバーの筒状部と折り曲げられたフランジ部と
により巻鉄心を完全に被覆する工程とを行う。
【0016】
【作用】上記のように筒状部と該筒状部の両端に配設さ
れたフランジ部とを有する鉄心カバーを鉄心の各脚部に
対して設けて、該鉄心カバーにより鉄心を被覆する構造
にすると、巻鉄心の脚部は鉄心カバーの筒状部内に挿入
するだけで被覆できるため、鉄心を被覆する作業を簡単
にすることができる。また鉄心が完全に被覆されるた
め、変圧器を組み立てた後に鉄心の破片が外部に漏れ出
るのを防ぐことができる。
【0017】また上記のように鉄心カバーを巻線の窓部
内に挿入した状態で鉄心カバーの筒状部内に鉄心を挿入
するようにすると、鉄心カバーの両端のフランジ部によ
り鉄心の破片が巻線側に移動するのが阻止されるため、
巻線内に鉄心の破片が侵入するのを防ぐことができ、巻
線内から鉄心の破片が漏れ出て絶縁油中を浮遊し、絶縁
性能を低下させるのを防ぐことができる。
【0018】
【実施例】図1は本発明に係わる巻鉄心変圧器の完成図
を示したもので、この巻鉄心変圧器10は、矩形状に成
形された巻鉄心11と、巻鉄心の第1及び第2の脚部に
それぞれ嵌装された巻線12及び13とを備え、巻鉄心
11は第1及び第2の鉄心カバー14及び15により被
覆されている。
【0019】本実施例で用いている巻鉄心11は図2に
示したように、第1及び第2の継鉄部11A及び11B
と、第1及び第2の脚部11C及び11Dとを有し、第
1の継鉄部11Aに接合部Jを有している。この巻鉄心
は例えば、所定の長さの非晶質磁性合金の薄帯を所定枚
数重ね合わせたものからなる単位積層体を鉄心の内周長
に等しい外周長を有する円形の巻枠に順次巻回して積層
することにより、リング状の巻鉄心を形成した後、該リ
ング状の巻鉄心を矩形状に成形し、焼鈍することにより
製作される。
【0020】尚図2においては簡単にするため、接合部
Jが積層方向に整列しているように図示されているが、
実際には各単位積層体の両端の接合部Jが、継鉄部1A
に階段状に分布した状態で配置される。接合部の構造と
しては、各単位積層体の両端を単に突き合わせた状態で
接合する突き合わせ接合(バットジョイント)や、各単
位積層体の両端を一部重ね合わせた状態で接合する重ね
合わせ接合(ラップジョイント)が知られているが、こ
れらは既に公知であるので、その詳細な説明は省略す
る。
【0021】本実施例ではまた、巻鉄心の第1及び第2
の脚部11C,11Dに対してそれぞれ絶縁紙等の絶縁
材料からなる第1及び第2の鉄心カバー14及び15が
設けられる。これらの鉄心カバー14,15は、巻鉄心
の脚部11C,11Dをそれぞれ挿入し得る大きさの筒
状部Sと該筒状部の両端から軸線方向と直交する方向に
突出するように設けられたフランジ部F1 及びF2 とか
らなり、フランジ部F1 及びF2 はそれぞれの輪郭形状
が矩形状または正方形状を呈するように形成されてい
る。本実施例において、第1及び第2の鉄心カバー14
及び15の構造及び寸法は全く同一である。
【0022】尚各鉄心カバーの筒状部Sの外形寸法は巻
線の窓部内に挿入し得る大きさに設定され、筒状部Sの
長さは鉄心の各脚部を完全に被覆し得る長さを有するよ
うに形成されるのはもちろんである。また各フランジ部
は後記するように折り曲げられた状態で、鉄心の継鉄部
を完全に包み込むのに十分な大きさを有するように形成
されている。
【0023】尚鉄心カバーの筒状部Sは、絶縁紙等を筒
状に折り曲げてその合わせ目を接着することにより形成
できる。また筒状部Sを樹脂により形成する場合には、
該筒状部を一体成形することができる。
【0024】鉄心カバーを絶縁紙により形成する場合、
フランジ部F1 及びF2 は筒状部Sの両端に接着により
取り付ける構造にすればよい。また鉄心カバーを樹脂の
成形品とする場合には、筒状部Sの両端にフランジ部F
1 及びF2 を一体に形成することができる。いずれの構
造による場合にも、フランジ部F1 及びF2 のそれぞれ
の内周縁全体が筒状部Sの両端の外周縁につながってい
る構造にしておくことか好ましい。
【0025】本発明においては、図4(A),(B)に
示したように、上記鉄心カバー14及び15の筒状部S
を巻線12及び13の窓部内に挿入し、筒状部Sの両端
にそれぞれ設けられたフランジ部F1 及びF2 を各巻線
の巻回軸方向の両端の端面に沿わせるように配置する。
各鉄心カバーを巻線の窓部内に挿入する際には、いずれ
かのフランジ部を変形させて筒状部と共に巻線の窓部内
に挿入する。
【0026】上記のように、巻線12,13の窓部内に
鉄心カバー14,15の筒状部Sを挿入した後、両巻線
を図5に示したように作業台上に並べて配置し、隣接す
る鉄心カバーのフランジ部F1 ,F1 同士、及びF2 ,
F2 同士を一部重ね合わせた状態で配置する。
【0027】次に図6に示したように、平行に配置され
た帯板状の滑り板5A及び5Bの一端を、取手を兼ねる
連結具5Cにより連結した構造の巻線嵌装用治具5を用
意し、該治具の滑り板5A及び5Bをそれぞれ作業台上
の巻線12,13の窓部内に挿入して各滑り板の先端部
を所定の長さだけ巻線の窓部から突出させる。
【0028】尚図示してないが、作業台の巻線12,1
3を載せる部分は、上下方向に移動し得るように成って
おり、上記のように治具5を配置した状態で巻線の窓部
内にある鉄心カバーの筒状部の底面Sa (図5参照)と
滑り板5A及び5Bの巻線から突出した部分を支える面
とがほぼ同一の平面上に位置するように巻線12,13
の高さが調整される。
【0029】上記のように、巻線12,13の窓部内を
貫通させて巻線嵌装用治具5の滑り板5A及び5Bを配
置した後、該滑り板5A及び5Bの先端部の上に巻鉄心
11を載せる。巻鉄心11の窓部内にはU字形の補強枠
16Aを嵌合させておく。
【0030】滑り板5A及び5Bの上に巻鉄心11を載
せた後、該巻鉄心11の継鉄部11Aの接合部Jを開
く。巻鉄心の接合部を開いた後、滑り板5A,5Bの上
や作業台の上に落下したり、滑り板5A,5Bと作業台
との間に入り込んだ鉄心の破片を真空掃除機等により除
去する。
【0031】次いで巻線嵌装用治具5の取手5Cを引い
て滑り板5A,5Bを移動させつつ、図7に示したよう
に左右に開いた巻鉄心の継鉄部11Aの半部11A1及び
11A2を巻線12,13の窓部内に挿入し、更に滑り板
を移動させて鉄心の脚部11C及び11Dを巻線12及
び13の窓部内に挿入していく。
【0032】このように巻鉄心を巻線12及び13の窓
部内に挿入していく過程では、鉄心カバー14,15の
フランジ部F1 及びF2 により、鉄心の破片の巻線側へ
の移動が阻止されるため、鉄心の破片が巻線内に侵入す
るのを阻止することができる。
【0033】巻線12,13を巻鉄心の脚部11C,1
1Dに完全に嵌装した後、滑り板5A,5Bを巻線の窓
部内から抜き取って図8の状態にし、巻鉄心の窓部内に
前記補強枠16Aとともに矩形状の枠体を形成する浅い
U字形の補強枠16Bを嵌合させる。次いで図9に示す
ように巻鉄心の継鉄部11Aを再接合する。
【0034】その後図10に示すように一方の鉄心カバ
ー15のフランジ部F1 ,F2 を折り曲げ、折り曲げら
れたフランジ部F1 ´及びF2 ´により継鉄部11A及
び11B(鉄心カバーの筒状部により覆われていない部
分)のほぼ半部を包み込むようにして完全に被覆する。
次いで他方の鉄心カバー14のフランジ部を折り曲げ、
折り曲げられたフランジ部F1 ´及びF2 ´により継鉄
部11A及び11Bの残りのほぼ半部を完全に被覆して
図1に示す巻鉄心変圧器を完成する。
【0035】上記のように鉄心カバー14,15のフラ
ンジ部F1 ,F2 を折り曲げて巻鉄心の継鉄部を被覆し
た際に、折り曲げられたフランジ部F1 ´,F2 ´の合
わせ目が十分な重なり代を以て重なり合うように、各フ
ランジ部の寸法には余裕を持たせておく。折り曲げられ
た各フランジ部の合わせ目は接着剤により接合し、重な
り代がない合わせ目が生じる場合には該合わせ目を接着
テープなどにより閉鎖するか、または重なり代が生じな
い合わせ目の隙間に接着剤を充填する等して、折り曲げ
られたフランジ部F1 ´,F2 ´の合わせ目を隙間なく
閉じる。このようにして鉄心カバー14,15の折り曲
げられたフランジ部の合わせ目を閉じた状態では、鉄心
カバー14,15が鉄心の継鉄部の部分で相互に接続さ
れて両鉄心カバーにより鉄心全体を覆う1つのカバーが
構成され、該カバー内に巻鉄心が密封され形になる。
【0036】このように、図1に示した状態では、巻鉄
心がカバー内に密封された形になるため、鉄心カバーの
内部に存在する鉄心の破片が外部に漏れ出るのが完全に
防止される。
【0037】また上記のように筒状部Sの両端にフラン
ジ部F1 ,F2 が形成された鉄心カバーを用いるように
すると、巻鉄心の各部に絶縁紙をあてがって折り曲げな
がらカバーを構成していく、折り紙式の鉄心カバーを用
いる場合に比べて、鉄心を被覆する作業をはるかに簡単
にすることができ、鉄心の組立てに要する工数を削減し
て組立作業能率を向上させることができる。
【0038】上記の実施例では、鉄心カバー14,15
の筒状部Sが鉄心の脚部の長手方向に連続するように設
けられているが、図11に示したように、鉄心カバーの
筒状部Sを軸線方向に2分割して、分割筒状部S1 及び
S2 により構成し、これらの分割筒状部S1 及びS2 の
一端にそれぞれフランジ部F1 及びF2 を設けるように
しても良い。この場合には、分割筒状部S1 及びS2 の
内法寸法を異ならせるとともに、両分割筒状部S1 及び
S2 の長さを、本来の筒状部Sの長さの1/2よりも長
くして、図12に示したように分割筒状部S1 及びS2
の端部同士を一部重ね合わせた状態で接続するようにし
ておく。この場合、分割筒状部S1 及びS2 の接続部は
接着剤により接合する。
【0039】また図13に示したように、筒状部Sの一
端にのみフランジ部F1 を取り付けておき、他方のフラ
ンジ部F2 には筒状部Sの他端に嵌合し得る短い筒状部
S´を取り付けて、図14に示したように筒状部S´を
筒状部Sの他端に嵌合させることにより、フランジ部F
2 を取り付ける構造とすることもできる。この場合も筒
状部SとS´との接続部は接着剤により隙間なく接合す
る。
【0040】図11及び図12に示した実施例または図
13及び図14に示した実施例のように鉄心カバーを構
成すると、フランジ部F1 及びF2 を変形させることな
く筒状部Sを巻線の窓部内に挿入することができる。
【0041】また上記の各実施例では、鉄心カバーの両
端に設けるフランジ部F1 及びF2を矩形状に形成した
が、鉄心の各継鉄部を包み込むのに適した他の形状、例
えば図15に示したように十字状の形状に形成すること
もできる。図15に示した例では、筒状部Sの両端に接
合した縦方向に長い矩形状のフランジ部F11及びF21
に、横方向に長い矩形状のフランジ部F12及びF22を接
着することにより、十字形のフランジ部F1 及びF2 を
構成している。この例では、フランジ部F12及びF22の
それぞれが矩形状の2枚の絶縁紙20からなっている。
各絶縁紙20はその端部に切り込みを入れることにより
形成した台形状の重なり代20aをフランジ部F11及び
F21の前面に重ね合わせ、台形状の重なり代20aの両
端側に形成された帯状の重なり代20bをフランジ部F
11及びF21の背面に重ね合わせた状態で配置されて、各
重なり代の部分がフランジ部F11またはF21に接着され
ている。
【0042】尚本発明において各フランジ部の形成の仕
方は任意であり、例えば図15に示したようにフランジ
部F1 及びF2 を十字形に形成する場合、十字形に切り
抜かれた絶縁紙を筒状部Sの両端に接着することにより
各フランジ部を形成するようにしても良いのはもちろん
である。
【0043】尚鉄心カバーの材質は絶縁紙、樹脂等任意
であり、鉄心カバーを金属により構成することも考えら
れるが、鉄心カバー全体を金属により構成すると、その
筒状部が鉄心の脚部を囲む1ターンを構成して電流が流
れ、発熱を生じるので好ましくない。鉄心カバーの筒状
部Sのみを絶縁物により構成し、フランジ部F1 及びF
2 をアルミフォイル等の金属により構成することはでき
るが、その場合には、フランジ部を鉄心に対して絶縁す
るとともに、継鉄部を包み込むように折り曲げられたフ
ランジ部の合わせ目に絶縁物を介在させて、折り曲げら
れたフランジ部により継鉄部を囲む1ターンが形成され
ないように配慮する必要がある。
【0044】上記の実施例では、鉄心カバーにより巻鉄
心を完全に密封するとしたが、巻鉄心内に絶縁油を流通
させるために、鉄心カバー全体またはその一部を、鉄心
の破片は通さないが絶縁油は通す程度の孔を多数有する
多孔質の材料またはスクリーン状の材料により形成する
こともできる。
【0045】また鉄心カバーの各フランジ部を折り曲げ
ただけでは鉄心の継鉄部を完全に被覆することができな
い場合には、折り曲げられたフランジ部の上から更に他
のカバーを取り付けるようにしてもよい。
【0046】上記の実施例では、巻鉄心の2つの脚部に
それぞれ巻線を嵌装するようにしたが、巻鉄心の一方の
脚部にのみ巻線を嵌装する場合にも本発明を適用でき
る。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、筒状部
と該筒状部の両端に配設されたフランジ部とを有する鉄
心カバーを鉄心の各脚部に対して設けて、該鉄心カバー
により鉄心を被覆する構造にしたので、巻鉄心の各部に
絶縁物を当てがって折り曲げながら鉄心を被覆する場合
比べて、鉄心を被覆する作業を簡単にすることができ
る。また本発明によれば、鉄心が完全に被覆されるた
め、変圧器を組み立てた後に鉄心の破片が外部に漏れ出
るのを防ぐことができる。
【0048】更に本発明の製造方法によれば、鉄心カバ
ーの筒状部を巻線の窓部内に挿入し、鉄心カバーの両端
のフランジ部を巻線の両端の端面に沿わせた状態で、鉄
心カバーの筒状部内に鉄心を挿入する作業を行うので、
鉄心カバーの両端のフランジ部により鉄心の破片が巻線
側に移動するのを阻止しながら巻線の窓部に鉄心を挿入
する作業を進めることができる。従って巻線内に鉄心の
破片が侵入するのを防ぐことができ、巻線内から鉄心の
破片が漏れ出て絶縁油中を浮遊し、絶縁性能を低下させ
るのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の巻鉄心変圧器の完成状態を示
す斜視図である。
【図2】本発明の実施例で用いる巻鉄心の一例を概略的
に示した斜視図である。
【図3】本発明の実施例で用いる鉄心カバーの斜視図で
ある。
【図4】(A)は本発明の実施例において巻線の窓部内
に鉄心カバーの筒状部を挿入した状態を示した斜視図で
ある。(B)は図(A)の巻線及び鉄心カバーの縦断面
図である。
【図5】本発明の実施例において巻鉄心の脚部に嵌装す
る2つの巻線を並べた状態を示した斜視図である。
【図6】本発明の実施例において、巻鉄心を巻線嵌装用
治具の上に配置した状態を示した平面図である。
【図7】本発明の実施例において、巻鉄心を巻線嵌装用
治具の上に配置したのち該巻鉄心の継鉄部の接合部を開
いて鉄心を巻線の窓部内に挿入する過程を示した平面図
である。
【図8】巻鉄心の脚部に巻線を嵌装した後、開かれた継
鉄部を再接合する前の状態を示した平面図である。
【図9】巻鉄心の脚部に巻線を嵌装した後、開かれた継
鉄部を再接合した状態を示した斜視図である。
【図10】一方の鉄心カバーのフランジ部を折り曲げて
巻鉄心の継鉄部のほぼ半部を被覆した状態を示した斜視
図である。
【図11】本発明で用いる鉄心カバーの他の構成例を示
した斜視図である。
【図12】図11に示した鉄心カバーを巻線に装着した
状態を示した縦断面図である。
【図13】本発明で用いる鉄心カバーの更に他の構成例
を示した斜視図である。
【図14】図13の鉄心カバーを組み立てた状態を示し
た断面図である。
【図15】本発明で用いる鉄心カバーの更に他の構成例
を示した斜視図である。
【図16】従来の巻鉄心変圧器を製造する際に巻鉄心を
巻線嵌装用治具の上に配置して、巻線を嵌装する過程を
示した平面図である。
【符号の説明】
10…巻鉄心変圧器、11…巻鉄心、11A,11B…
継鉄部、11C,11D…脚部、12,13…巻線、1
4,15…鉄心カバー、S…筒状部、F1 ,F2 …フラ
ンジ部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/02 C 8019−5E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非晶質磁性合金の薄帯からなっていて1つ
    の継鉄部に接合部を有するほぼ矩形状の巻鉄心と、前記
    巻鉄心の脚部に嵌装された巻線とを備えた巻鉄心変圧器
    において、 前記巻鉄心の脚部を挿入し得る筒状部と該筒状部の両端
    にそれぞれ配設されたフランジ部とを有する鉄心カバー
    が前記巻鉄心の各脚部に対して設けられて、前記巻鉄心
    の各脚部が該脚部に対して設けられた鉄心カバーの筒状
    部内に挿入され、 各鉄心カバーの両端のフランジ部がそれぞれの近傍に位
    置する巻鉄心の継鉄部を包み込むように折り曲げられ
    て、前記鉄心カバーの筒状部と折り曲げられたフランジ
    部とにより前記巻鉄心全体が被覆され、 前記巻線は前記鉄心カバーの筒状部の上から所定の脚部
    に嵌装されていることを特徴とする巻鉄心変圧器。
  2. 【請求項2】前記鉄心カバーは筒状部が軸線方向に2分
    割された構造を有し、分割された2つの筒状部はそれぞ
    れの端部同士が重ね合わされた状態で配置されている請
    求項1に記載の巻鉄心変圧器。
  3. 【請求項3】非晶質磁性合金の薄帯からなっていて1つ
    の継鉄部に接合部を有するほぼ矩形状の巻鉄心の脚部に
    巻線を嵌装して巻鉄心変圧器を製造する巻鉄心変圧器の
    製造方法において、 前記巻鉄心の脚部を挿入し得る筒状部と該筒状部の両端
    にそれぞれ配設されたフランジ部とを有する鉄心カバー
    を前記巻鉄心の各脚部に対してそれぞれ設けておき、 巻線が嵌装される脚部に対して設けられた鉄心カバーの
    筒状部を該脚部に嵌装される巻線の窓部内に挿入して該
    鉄心カバーの両端のフランジ部をそれぞれ該巻線の巻回
    軸方向の両端の端面に沿わせる工程と、 前記巻鉄心の接合部を開いて該巻鉄心の2つの脚部をそ
    れぞれ対応する鉄心カバーの筒状部内に挿入する工程
    と、 巻鉄心の開かれた接合部を再接合する工程と、 各鉄心カバーの両端のフランジ部を、それぞれの近傍に
    位置する鉄心の継鉄部を包み込むように折り曲げて各鉄
    心カバーの筒状部と折り曲げられたフランジ部とにより
    巻鉄心を完全に被覆する工程とを行うことを特徴とする
    巻鉄心変圧器の製造方法。
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