JP2569269Y2 - アモルファス鉄心変圧器 - Google Patents

アモルファス鉄心変圧器

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JP2569269Y2
JP2569269Y2 JP550892U JP550892U JP2569269Y2 JP 2569269 Y2 JP2569269 Y2 JP 2569269Y2 JP 550892 U JP550892 U JP 550892U JP 550892 U JP550892 U JP 550892U JP 2569269 Y2 JP2569269 Y2 JP 2569269Y2
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浩一 秋本
昌武 平井
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、アモルファス磁性合金
の薄帯(ストリップ)からなる巻鉄心を用いたアモルフ
ァス鉄心変圧器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アモルファス磁性合金は非常に薄い薄帯
の形で提供されるため、アモルファス磁性合金により変
圧器の鉄心を構成する場合には、1つの継鉄部に接合部
を有する矩形状の巻鉄心の形をとるのが有利である。
【0003】周知のように、アモルファス磁性合金の薄
帯からなる巻鉄心を用いる場合には、巻鉄心を矩形状に
成形した後に磁場焼鈍を行わないと、アモルファス磁性
合金の特質を活かすことができず、所定の性能を得るこ
とができない。ところがアモルファス磁性合金は焼鈍に
より極めて脆弱になって欠け易い状態になるため、アモ
ルファス磁性合金からなる鉄心に振動や衝撃が加わると
鉄心(特に積層面や積層面の両端のエッジ部付近)が欠
けてその破片が生じる。アモルファス磁性合金は導電性
を有するため、変圧器の運転中に万一破片が生じて巻線
内に侵入したり絶縁油中を浮遊したりすると絶縁破壊を
招くおそれがある。
【0004】そこで本考案者は先に、実願昭63−18
450号(実開平1−123315号)において、巻鉄
心の各エッジ部に沿う折り曲げ線に沿って絶縁紙を折り
曲げて形成した折り紙式の鉄心カバーにより巻鉄心を覆
うことを提案した。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】先に提案したアモルフ
ァス鉄心変圧器では、鉄心カバーが多くの絶縁紙に細分
化されていて、鉄心の各部に対して用意した多種類の絶
縁紙をそれぞれ折り曲げながら鉄心に取付けていく必要
があったため、鉄心全体を被覆する工程で多くの工数を
要し、製造能率が悪いという問題があった。また鉄心カ
バーの部品点数が多いため、製造工数が多くなることと
相俟ってコストが高くなるのを避けられなかった。
【0006】本考案の目的は、鉄心を被覆する作業を簡
単にするとともに、鉄心の破片が巻線内に侵入したり、
絶縁油中を浮遊したりするおそれをなくした巻鉄心変圧
器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、アモルファス
磁性合金の薄帯からなっていて一方の継鉄部に接合部を
有するほぼ矩形状の巻鉄心と、該巻鉄心の脚部に嵌装さ
れた巻線とからなるアモルファス鉄心変圧器に係わるも
のである。
【0008】本考案においては、巻鉄心の他方の継鉄部
と該継鉄部の両端につながる1対の脚部とからなるU字
形部分の各積層面を覆うように形成された主積層面カバ
ーと、一方の継鉄部を内側に受け入れた状態で該一方の
継鉄部を被覆する箱形の継鉄カバーとを設ける。この場
合、巻鉄心の内周に沿って延びる主積層面カバーの内側
端部及び該巻鉄心の外周に沿って延びる主積層面カバー
の外側端部は、巻鉄心の内周面及び外周面に沿う方向に
折れ曲った形状に成形しておく。また継鉄カバーはその
一部を主積層面カバーの端部に重ね合わせるように形成
する。
【0009】上記主積層面カバー及び継鉄カバーに加え
て、更にU字形部分の外側面を覆う側面カバーを設ける
ことができる。この場合も、巻鉄心の内周に沿って延び
る主積層面カバーの内側端部は巻鉄心の内周面に沿う方
向に折れ曲った形状に成形しておく。また巻鉄心の外周
側で互いに隣り合う主積層面カバー及び側面カバーの端
部同士をU字形部分の全長に亘って互いに重ね合わせる
ように、該主積層面カバー及び側面カバーの隣り合う端
部の少なくとも一方を他方の側に折れ曲った形状に成形
しておく。更に継鉄カバーはその一部を主積層面カバー
及び側面カバーの端部に重ね合わせるように形成する。
【0010】上記の構成に加えて、更に巻鉄心の内周側
の各コーナ部で該巻鉄心の積層面と内周面とを覆うコー
ナカバーを設けることができる。
【0011】また一方の継鉄部の接合部付近の積層面に
添わせて配置された接合部積層面カバーを更に設けるこ
ともできる。
【0012】更に、一部を巻鉄心の窓部内に位置させた
状態で一方の継鉄部の接合部付近に巻き付けられた接合
部カバーを設けることもできる。
【0013】上記継鉄カバーには窓部を設けて、該窓部
を塞ぐように通油性のフィルタを取付けておくのが好ま
しい。
【0014】本考案においては、継鉄カバーを箱形に形
成するが、ここでいう「箱形」とは、接合部が設けられ
た継鉄部を内部に受け入れることができる中空部を有す
る構造を意味し、その輪郭形状が直方体、立方体等の特
定の形状を有していることを意味しない。
【0015】
【作用】上記のように構成すると、基本的には2つの主
積層面カバーと、1つの継鉄カバーとの合計3つのカバ
ーを設ければ良いため、鉄心カバーの部品点数を少なく
して、該カバーの取付け工数を少なくすることができ、
コストの低減を図ることができる。
【0016】また上記のように構成すると、予め所定の
形状に成形されたカバーを鉄心に被せて取付けることに
より鉄心を覆うことができるため、絶縁紙を鉄心に沿わ
せて折り曲げていく折り紙式のカバーを用いる場合のよ
うにカバーを取付ける際に鉄心に無理な力が加わること
がない。従って鉄心に歪みが生じて鉄心の特性が劣化す
るのを防ぐことができる。更に上記のように、隣り合う
カバーを互いに重なり合うように設けると、カバー相互
間の継ぎ目から鉄心の破片が漏れるのを防ぐことができ
る。
【0017】主積層面カバーと継鉄カバーのみを設け、
側面カバーを設けない場合には、巻鉄心のU字形部分の
側面(巻鉄心の外周面)が被覆されないが、アモルファ
ス巻鉄心の外周は一般にステンレス鋼等からなる保護ス
トリップにより被覆されていて、該巻鉄心の外周面から
破片が生じることはないため、巻鉄心の外周面の一部が
被覆されない状態にあってもなんら差支えない。また巻
鉄心の内周側には枠体が配置されているため、該巻鉄心
の内周面側から破片が生じるおそれはない。
【0018】主積層面カバーと継鉄カバーとに加えて側
面カバーを設けた場合には、巻鉄心の外周面と積層面と
を完全に被覆できるため、被覆の信頼性を更に高めるこ
とができる。
【0019】またコーナカバーを設けると、主積層面カ
バーと継鉄カバーとの境界部付近での被覆を完全にする
ことができるため、被覆の信頼性を高めることができ
る。
【0020】更に、接合部積層面カバーや接合部カバー
を設けると、鉄心の破片が生じやすい接合部付近からの
破片の漏洩の防止の完全を期することができるため、信
頼性を高めることができる。
【0021】また箱形の継鉄カバーに窓部を設けて、該
窓部に通油性のフィルタを設けておくと、変圧器をケー
ス内に収納して、真空注油を行う際に、絶縁油を窓部か
ら流入させることができるため、巻鉄心内への絶縁油の
含浸を良好にすることができる。
【0022】
【実施例】図1ないし図4は本考案の第1の実施例を示
したものである。図1及び図2において1はアモルファ
ス磁性合金の薄帯により形成された巻鉄心で、この巻鉄
心は、継鉄部1A及び1Bと、脚部1C及び1Dとを有
するほぼ矩形状の形状を有している。巻鉄心1は一方の
継鉄部1Aに接合部Jを有し、この接合部Jを開くこと
により脚部1C,1Dにそれぞれ巻線2,3を嵌装する
ようになっている。巻鉄心1はまた、軸線方向に相対す
る積層面S1 ,S2 と、内周面S3 及び外周面S4 とを
有している。巻鉄心の外周にはステンレス鋼からなる保
護ストリップ1a(図2参照)が1ターン巻き付けられ
る。また巻鉄心の内周には、カバーが取付けられた後、
鋼板等からなる補強枠が取付けられる。従って巻鉄心1
の積層面S1 ,S2 と、該積層面の内周側端縁部及び外
周側端縁部からは鉄心の破片が生じるが、内周面S3 及
び外周面S4 から破片が生じることはない。
【0023】変圧器を組み立てた後に巻鉄心の破片が洩
れ出るのを防止するため、巻鉄心1の破片が生じるおそ
れがある部分を、絶縁紙その他の絶縁シートからなるカ
バーにより被覆する。本考案では、巻鉄心の各部を覆う
カバーとして、鉄心の各部を覆うのに適した形状に予め
成形されたものを用いる。
【0024】本実施例においては、巻線の嵌装に先立っ
て、巻鉄心1の継鉄部1B側の各コーナ部に添わせて第
1のコーナカバー4を配置し、更に他方の継鉄部1Aと
該継鉄部の両端につながる1対の脚部1C,1Dとから
なるU字形部分の積層面S1,S2 を主積層面カバー
5,5により被覆する。
【0025】第1のコーナカバー4は、図3(A)に示
すように、略正方形状の絶縁紙4Aの1つの角部に形成
した切込み部b1 の両側の三角片401,402を折曲
げ線a1 及びa2 に沿って直角に折曲げた後、折曲げ線
a3 に沿って直角に折曲げた絶縁紙4Bを三角片40
1,402の外側に接着したものからなっている。各コ
ーナカバー4は接着剤または接着テープにより巻鉄心に
固定される。
【0026】主積層面カバー5は、巻鉄心のU字形部分
の積層面に添わせて配置されるU字形の主積層面被覆部
5aと、巻鉄心1の内周に沿って延びる主積層面被覆部
5aの内側端縁部から巻鉄心の内周面側に折れ曲った内
側折曲げ部5bと、巻鉄心の外周に沿って延びる外側端
縁部から巻鉄心の外周面側に折れ曲った外側折り曲げ部
5cとを有する形状に予め成形されている。外側折曲げ
部5cの、巻鉄心のコーナ部に沿う部分は、複数の折曲
げ片5c1,5c1,…に分割されている。これらの折曲げ
片5c1,5c1,…は最初は切り離された状態にあり、巻
鉄心の外周面に添わせて配置された後に、隣り合うもの
どうしの重合部が互いに接着されるようになっている。
【0027】各主積層面カバー5の内側折曲げ部5b及
び外側折曲げ部5cはそれぞれ巻鉄心の内周面及び外周
面に接着される。これらの折曲げ部の接着は、例えば、
各折曲げ部と巻鉄心の内周面または外周面との間に半硬
化状態の熱硬化性樹脂からなる接着剤を含浸させたプリ
プレグテープを介在させて、該プリプレグテープに含浸
された接着剤を加熱硬化することにより行うか、または
耐油性の接着テープを用いて行う。もちろん接着剤と接
着テープとを併用してもよい。
【0028】上記コーナカバー4及び主積層面カバー5
の取付けは、巻鉄心の継鉄部1Bを図示しない治具によ
り拘束保持して、巻鉄心1を継鉄部1Aを下にして吊り
下げた状態で行う。
【0029】上記のようにして巻鉄心にコーナカバー4
及び主積層面カバー5を取付け後、巻鉄心を作業台の上
に移して継鉄部1Aの接合部Jを開き、U字形部分の内
側にU字形の枠体M1 (図4参照)をはめ込んだ後、脚
部1C及び1Dにそれぞれ巻線2及び3を嵌装する。巻
線を嵌装した後、枠体M1 の両端に別の浅いU字形の枠
体M2 を突き合わせ、接合部Jを再接合する。その後巻
鉄心の最外周に配置されている保護ストリップ1aの両
端を重ね合わせ溶接して接合部Jを閉じる。
【0030】次に巻鉄心1の継鉄部1A側の各コーナ部
に添わせて第2のコーナカバー4´を配置し、接着剤ま
たは接着テープにより巻鉄心に固定する。
【0031】第2のコーナカバー4´は、図3(B)に
示したように、切込み部b2 ないしb4 により分離され
た三角片403ないし406を折曲げ線a4 に沿って折
曲げた後、折曲げ線a4 に沿うように湾曲された絶縁紙
4B´を三角片403ないし406に外側から接着した
ものからなっている。
【0032】次に継鉄部1Aの接合部J付近の積層面に
添わせて平板状の接合部積層面カバー6を配置し、この
カバー6を接着剤または接着テープにより継鉄部1Aに
固定する。次いで巻鉄心の窓部内を通して帯状の接合部
カバー7を継鉄部1Aに1ターン巻き付け、該補助カバ
ー7の両端を重ね合わせて接着剤または接着テープによ
り接続する。
【0033】次に接合部Jが設けられた継鉄部1Aを覆
う舟底形の箱形継鉄カバー8を取付ける。継鉄カバー8
は、継鉄部1Aの相対する積層面S1 及びS2 にそれぞ
れ対向する台形状の側板部8a,8aと、継鉄部1Aの
外側面の接合部J付近に対向する底板部8bと、底板部
8bの両端から折れ曲がって側板部8a,8aの斜辺に
沿って延びる端板部8c,8cとを有し、各端板部8c
の幅方向の両端に設けられた糊代(図示せず。)が隣接
する側板部8a,8aの裏面に接着されて、予め箱形に
組み立てられている。
【0034】継鉄カバー8の各側板部8aの両端には突
出部8a1,8a1が設けられている。これらの突出部8a
1,8a1は巻線2,3の窓部内に挿入し得る大きさに形
成され、継鉄カバー8を継鉄部1Aに被せて側板部8a
を積層面S1 に沿わせた際に突出部8a1,8a1が巻線
2,3の窓部内に挿入されて、主積層面カバー5の端部
に重なり合うようになっている。また各端板部8cには
窓部8c1が設けられ、この窓部8c1を塞ぐように通油性
のフィルタ8c2が取り付けられている。フィルタ8c2は
絶縁油は通すが、鉄心の破片は通さないように十分細か
い網目を有している。
【0035】継鉄カバー8は、その側板部8aが主積層
面カバー5の端部、接合部積層面カバー6、及び接合部
カバー7に接着されるか、または接着テープにより固定
されて、巻鉄心に対して固定される。
【0036】上記のようにして組み立てられた巻鉄心変
圧器は、接合部Jが設けられた継鉄部1Aを下にした状
態で変圧器ケース内に収納されて、接合部が設けられて
いない継鉄部1Bが枠体に保持される。従って変圧器ケ
ース内では、継鉄カバー8が下端に配置される。継鉄カ
バー8は箱形に形成されているため、継鉄部1Aの積層
面から破片が生じたとしても、該破片はカバー8内に落
下し、外部には漏れない。
【0037】上記の実施例では、巻鉄心の破片が生じる
可能性がある部分が全てカバーにより被覆されるため、
変圧器の運転中に絶縁油中に破片が漏れて浮遊するのを
防ぐことができる。
【0038】また本考案では、各カバーを予め巻鉄心の
各部を覆うのに適した形状に成形しておき、各カバーを
巻鉄心に添わせて接着剤または接着テープにより固定す
るだけで取り付けるようにする。このようにすると、各
カバーを取付ける際に鉄心に無理な力が加わることがな
く、鉄心に大きな歪みが生じて鉄心の特性が劣化するの
を防止できる。
【0039】また上記実施例のように、継鉄カバー8に
窓部8c1を設けて、この窓部にフィルタ8c2を取り付け
ておくと、カバー内に絶縁油を浸透させることができ
る。
【0040】図5ないし図7は本考案の他の実施例を示
したもので、この実施例では、図6に示したように先ず
巻鉄心のU字形部分の外側面が側面カバー10により被
覆される。この側面カバー10は、巻鉄心のU字形部分
の外側面に添う外側面被覆部10aと、該外側面被覆部
10aの幅方向の両端から積層面S1 ,S2 に沿う方向
に折れ曲がった折曲げ部10b,10bとを有し、折曲
げ部10bの、巻鉄心のコーナ部に沿う部分は、複数の
折曲げ片10b1に分割されている。分割された折曲げ片
10b1は、積層面に沿うように配置された後に、隣り合
うものどうしの重合部が接着される。
【0041】上記側面カバー10が取付けられた後、図
7に示したようにコーナカバー4が取付けられ、更に主
積層面カバー5が取付けられる。コーナカバー4及び主
積層面カバー5は図1ないし図4に示した実施例で用い
たものと同様である。従って、巻鉄心の外周側で互いに
隣り合う主積層面カバー5及び側面カバー10の端部ど
うしは巻鉄心のU字形部分の全長に亘って互いに重なり
あった状態にある。主積層面カバー5と側面カバー10
との重合部は接着剤または接着テープにより隙間なく接
合される。その他の点は前記の実施例と同様であり、継
鉄部1Aは、接合部積層面カバー6と接合部カバー7と
により被覆されるとともに、継鉄カバー8により被覆さ
れる。
【0042】上記のように、側面カバー10を設ける
と、破片の漏洩を更に完全に防止することができるた
め、信頼性を更に高めることができる。
【0043】図5ないし図7に示した実施例において、
主積層面カバー5及び側面カバー10は、巻鉄心の外周
側で互いに隣り合うそれぞれの端部どうしが巻鉄心のU
字形部分の全長に亘って互いに重なり合うようにしてお
けば良い。従って、主積層面カバー5及び側面カバー1
0の隣り合う端部の少なくとも一方が他方の側に折れ曲
った形状に成形されていればよく、上記実施例において
主積層面カバー5の外側折曲げ部5cまたは側面カバー
10の折曲げ部10bのいずれか一方を省略しても良
い。折曲げ部10bを省略した場合、側面カバー10と
しては単純な帯状の絶縁紙を用いることができる。
【0044】図5ないし図7に示した実施例において
は、巻鉄心のU字形の部分を被覆する際に、側面カバー
10を先に取付けて、その後に主積層面カバー5を取付
けるようにしたが、主積層面カバー5を先に取付けて、
その後に側面カバー10を取り付けるようにしてもよ
い。
【0045】上記の各実施例において、コーナカバー
4、接合部積層面カバー6及び接合部カバー7はその一
部または全部を省略することができる。例えば継鉄部1
Aに対しては、接合部積層面カバー6を省略して接合部
カバー7のみを設け、該接合部カバー7の上から継鉄部
カバー8を取り付けるようにしても良い。また接合部積
層面カバー6及び接合部カバー7の双方を省略して継鉄
カバー8のみにより継鉄部1Aを覆う構造にすることも
できる。
【0046】上記の各実施例では、接合部積層面カバー
6が単に平板状の形状を有しているが、この接合部積層
面カバーの端部から巻鉄心の外周面及び内周面に沿う方
向に折れ曲った折曲げ部を形成して、該折曲げ部を巻鉄
心の内周面及び外周面に接着するようにしてもよい。
【0047】上記の実施例では、各カバーが絶縁紙から
なっているため、鉄心のコーナ部の側面に沿う湾曲部分
が複数の短冊状の折曲げ片に分割されているが、各カバ
ーを樹脂材料のような成形可能な材料により形成する場
合には、各カバーの湾曲部分を複数の折曲げ片に分割す
ることなく一体成形することができる。
【0048】また上記の実施例では、継鉄カバーの底部
が舟底形に形成されているが、この継鉄カバーを一体成
形品とする場合には、継鉄カバーの底部を、継鉄部1A
の外周面に沿って滑らかに湾曲した形状とすることもで
きる。
【0049】上記の実施例では、継鉄カバー8の側板部
8aの一部に突出部8a1を形成して、該突出部8a1を巻
線の窓部内に挿入するようにしたが、継鉄カバー8はそ
の端部が主積層面カバー5に重なり合っていればよく、
必ずしもその一部を巻線の窓部内に挿入する必要はな
い。
【0050】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、基本的
には2つの主積層面カバーと、1つの継鉄カバーとの合
計3つのカバーを設ければ良いため、鉄心カバーの部品
点数を少なくして、該カバーの取付け工数を少なくする
ことができ、コストの低減を図ることができる。
【0051】また本考案によれば、予め所定の形状に成
形されたカバーを鉄心に添わせるかまたは被せることに
より鉄心を覆うことができるため、絶縁紙を鉄心に沿わ
せて折り曲げていく折り紙式のカバーを用いる場合のよ
うにカバーを取付ける際に鉄心に無理な力が加わること
がない。従って鉄心に歪みが生じて鉄心の特性が劣化す
るのを防ぐことができる。
【0052】更に本考案では、隣り合うカバーが互い重
なり合うように設けられているため、カバー相互間の継
ぎ目から鉄心の破片が漏れるおそれをなくすことがで
き、信頼性を高めることができる。
【0053】特に請求項2に記載した考案のように、主
積層面カバーと継鉄カバーとに加えて更に側面カバーを
設けた場合には、巻鉄心の外周面と積層面とを完全に被
覆できるため、被覆の信頼性を更に高めることができ
る。
【0054】また請求項3に記載した考案のように、巻
鉄心の各コーナ部にコーナカバーを設けると、各コーナ
部での主積層面カバーと継鉄カバーとの境界部付近の被
覆を補強することができるため、被覆の信頼性を高める
ことができる。
【0055】更に、請求項4,5に記載した考案によれ
ば、接合部が設けられた積層面を覆う接合部積層面カバ
ー及び(または)接合部カバーを設けるので、鉄心の破
片が特に生じやすい接合部付近からの破片の漏洩防止の
完全を期して信頼性を高めることができる。
【0056】また請求項6に記載した考案では、継鉄カ
バーに窓部を設けて、該窓部に通油性のフィルタを取付
けたので、変圧器ケース内に変圧器を収納した後、真空
注油を行う際に継鉄カバーの窓部から絶縁油を流入させ
て巻鉄心への絶縁油の浸透を良好に行わせることができ
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の全体的な構成を示した斜視図
である。
【図2】本考案の実施例において巻鉄心のU字形部分を
主積層面カバーにより被覆した状態を示した斜視図であ
る。
【図3】(A)及び(B)はそれぞれ本考案の実施例で
用いる第1及び第2のコーナカバーの斜視図である。
【図4】本考案の実施例において変圧器を組み立てた状
態を、巻線を断面して示した正面図である。
【図5】本考案の他の実施例の全体的な構成を示した斜
視図である。
【図6】図5の実施例において巻鉄心のU字形部分に側
面カバーを取付けた状態を示した斜視図である。
【図7】図5の実施例において更に主積層面カバーを取
付けた状態を示した斜視図である。
【符号の説明】
1…巻鉄心、2,3…巻線、4…コーナカバー、5…主
積層面カバー、5c…折曲げ部、6…接合部積層面カバ
ー、7…接合部カバー、8…継鉄カバー、10…側面カ
バー、10b…折曲げ部。

Claims (6)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】アモルファス磁性合金の薄帯からなってい
    て一方の継鉄部に接合部を有するほぼ矩形状の巻鉄心
    と、該巻鉄心の脚部に嵌装された巻線とからなるアモル
    ファス鉄心変圧器において、 前記巻鉄心の他方の継鉄部と該継鉄部の両端につながる
    1対の脚部とからなるU字形部分の各積層面を覆うよう
    に形成された主積層面カバーと、 前記一方の継鉄部を内側に受け入れた状態で該一方の継
    鉄部を被覆する箱形の継鉄カバーとを具備し、 前記巻鉄心の内周に沿って延びる主積層面カバーの内側
    端部及び該巻鉄心の外周に沿って延びる主積層面カバー
    の外側端部がそれぞれ該巻鉄心の内周面及び外周面に沿
    う方向に折れ曲った形状に成形され、 前記継鉄カバーはその一部が前記主積層面カバーの端部
    に重なり合うように形成されていることを特徴とするア
    モルファス鉄心変圧器。
  2. 【請求項2】アモルファス磁性合金の薄帯からなってい
    て一方の継鉄部に接合部を有するほぼ矩形状の巻鉄心
    と、該巻鉄心の脚部に嵌装された巻線とからなるアモル
    ファス鉄心変圧器において、 前記巻鉄心の他方の継鉄部と該継鉄部の両端につながる
    1対の脚部とからなるU字形部分の各積層面を覆うよう
    に形成された主積層面カバーと、 前記U字形部分の外側面を覆うように形成された側面カ
    バーと、 前記一方の継鉄部を内側に受け入れた状態で該一方の継
    鉄部を被覆する箱形の継鉄カバーとを具備し、 前記巻鉄心の内周に沿って延びる主積層面カバーの内側
    端部は該巻鉄心の内周面に沿う方向に折れ曲った形状に
    成形され、 前記巻鉄心の外周側で互いに隣り合う前記主積層面カバ
    ー及び側面カバーの端部同士が前記U字形部分の全長に
    亘って互いに重なり合うように、該主積層面カバー及び
    側面カバーの隣り合う端部の少なくとも一方が他方の側
    に折れ曲った形状に成形され、 前記継鉄カバーはその一部が前記主積層面カバー及び側
    面カバーの端部に重なり合うように形成されていること
    を特徴とするアモルファス鉄心変圧器。
  3. 【請求項3】前記巻鉄心の内周側の各コーナ部で該巻鉄
    心の積層面と内周面とを覆う形状に成形されたコーナカ
    バーが各コーナ部に配設されていることを特徴とする請
    求項1または2のいずれかに記載のアモルファス鉄心変
    圧器。
  4. 【請求項4】前記一方の継鉄部の接合部付近の積層面に
    添わせて配置された接合部積層面カバーを更に備えてい
    ることを特徴とする請求項1,2または3のいずれか1
    つに記載のアモルファス鉄心変圧器。
  5. 【請求項5】一部を前記巻鉄心の窓部内に位置させた状
    態で前記一方の継鉄部の接合部付近に巻き付けられ接合
    部カバーが更に設けられている請求項1,2,3または
    4のいずれか1つに記載のアモルファス鉄心変圧器。
  6. 【請求項6】前記継鉄カバーは窓部を有し、該窓部を塞
    ぐように通油性のフィルタが取付けられていることを特
    徴とする請求項1,2,3または4のいずれかに記載の
    アモルファス鉄心変圧器。
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