JP3462935B2 - 油入アモルファス鉄心変圧器 - Google Patents

油入アモルファス鉄心変圧器

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JP3462935B2 JP15832895A JP15832895A JP3462935B2 JP 3462935 B2 JP3462935 B2 JP 3462935B2 JP 15832895 A JP15832895 A JP 15832895A JP 15832895 A JP15832895 A JP 15832895A JP 3462935 B2 JP3462935 B2 JP 3462935B2
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泰吉 近藤
恒雄 井上
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Aichi Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アモルファス鉄心変圧
器の改良に係り、特に、アモルファス磁性合金薄帯を用
いて形成したアモルファス鉄心に組み込んだ変圧器巻線
の内部に、前記アモルファス鉄心の破片が侵入するのを
阻止して、変圧器巻線の絶縁が劣化・損傷するのを確実
に防止するようにした変圧器巻線における破片の侵入防
止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】アモルファス鉄心変圧器の鉄心材料とし
て使用するアモルファス磁性合金薄帯(以下、磁性薄帯
という)は、磁性合金の溶融体を超急冷して製造したも
ので、従前のけい素鋼帯に比べてその磁気特性を1/3
〜1/4に低減することができるため、今日、変圧器の
鉄心材料として大いに注目されるようになってきた。そ
して、前記磁性薄帯を用いて例えば、アモルファス鉄心
(巻鉄心)を製造する場合、一般にアモルファス鉄心の
一対の継鉄部のうち、一方の継鉄部にバットジョイント
やラップジョイント等の接合部を備えた所謂、1ターン
カット方式のアモルファス鉄心が今日では多く製造され
ている。しかし、前記アモルファス鉄心の鉄心材料であ
る磁性薄帯は、従前から使用しているけい素鋼帯の板厚
に比べて非常に薄く、しかも、加工歪の除去及び鉄心特
性の向上をはかるための磁場焼鈍を行うと極めて脆弱と
なり、例えば、アモルファス鉄心自体に衝撃や振動等の
外力が加わると、鉄心の一部が欠落して磁性薄帯の破片
が生じることがあった。
【0003】このため、前記磁性薄帯を用いてアモルフ
ァス鉄心を製造する場合は、例えば、特公平6−568
19号公報に記載されている方法によって製作してい
た。即ち、1ターンカット方式で矩形状に成形加工した
アモルファス鉄心を磁場焼鈍した後、この鉄心の脚鉄部
を絶縁物により被覆して補強を施してから、前記アモル
ファス鉄心の1ターン部分を形成する接合部を設けた継
鉄部側を、前記接合部の位置で外方に拡開してアモルフ
ァス鉄心自体をU字状に開放し、この状態で、アモルフ
ァス鉄心の脚鉄部にあらかじめ製作しておいた巻線を嵌
合させる等して組み付け、つづいて、前記開放した継鉄
部をその接合部において、再接合することによりアモル
ファス鉄心の組立てを行っていた。
【0004】この後、前記巻線の両端部から外方に突出
している磁性薄帯からなるアモルファス鉄心の一対の継
鉄部のそれぞれの積層端面に接着剤を塗布して薄葉の被
覆紙を貼着するか、被覆紙に接着剤を直接塗布してこれ
を貼着する等して、前記継鉄部等の角部が剥落・欠落し
て破片が生じるのを防止したアモルファス鉄心変圧器を
製作していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然るに、前記アモルフ
ァス鉄心変圧器を製作する場合においては、接合部を有
する継鉄部側を拡開してU字状に開放したアモルファス
鉄心の脚鉄部に巻線を組み込んだ後、前記拡開した継鉄
部をその接合部において再接合する際、アモルファス鉄
心自体が磁場焼鈍によって非常に脆弱となっている関係
上、前記継鉄部の再接合時に該継鉄部が破損したり欠落
する等して磁性薄帯の破片が生じ、この破片が再接合を
行う継鉄部側と近接する巻線の軸方向の端面からその内
部に侵入したりすると、変圧器の運転中に前記破片が巻
線内部の導電部分と接触して層間短絡事故を誘発した
り、巻線自体に絶縁劣化を誘発させる等の問題があっ
た。
【0006】前記の問題を解決するために、アモルファ
ス鉄心に巻線を組み付けた後、例えば、電気掃除機を用
いて前記鉄心の周囲に飛散した破片を吸引する等して排
除することにより、破片による弊害を回避するようにし
ていたが、前記のように、一旦変圧器の巻線内に破片が
侵入すると、巻線の層間の狭隘な隙間から破片を除去す
ることは非常に困難であった。
【0007】又、前記した従来のアモルファス鉄心変圧
器の製作方法では、アモルファス鉄心の組立の都度、継
鉄部の積層端面に被覆紙を貼着していたが、被覆紙の貼
着は継鉄部の積層端面が外周部のように滑かな平坦面で
なく、凹凸状になっているので貼着は容易に行えず、そ
の結果、被覆紙の貼着作業に多くの手間と時間を要して
いた。
【0008】更に、アモルファス鉄心の組立時に生じた
破片が鉄心と巻線との間の隙間、あるいは、巻線自体の
外周等に付着していたりして残存していると、前記破片
は変圧器の運転中に絶縁油の対流作用により絶縁油中を
浮遊し、前記のように、巻線の上端面に落下してその内
部に侵入したりすると、巻線の絶縁劣化等を誘発するお
それがあった。
【0009】本発明は、前記の種々な問題点に鑑み、ア
モルファス鉄心自体を絶縁物を用いて特別な被覆工作を
施すことなく、簡単な構成によりアモルファス鉄心の破
片が巻線内に侵入するのを確実に阻止して、電気絶縁性
に優れた油入アモルファス鉄心変圧器を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、1ターンカッ
ト方式のアモルファス鉄心の脚鉄部に巻線を組み付ける
場合、前記巻線の一方の軸方向の端面、即ち、アモルフ
ァス鉄心の接合部を設けた継鉄部側と相対応する端面側
に、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂等の合成樹脂を、
巻線内に余り浸透させないように塗布して絶縁被膜層を
形成し、前記絶縁被膜層を形成した巻線をアモルファス
鉄心に組み込んで油入アモルファス鉄心変圧器を製作す
る。
【0011】なお、巻線の一方の端面に樹脂性の絶縁被
膜層を形成する場合、前記巻線に直接合成樹脂を塗布せ
ず、合成樹脂を塗布する巻線の端面側に、例えば多孔質
のメッシュの細かい網目状の絶縁物を介在させて合成樹
脂を塗布して絶縁被膜層を形成してもよい。更に、巻線
をアモルファス鉄心の脚鉄部に組み込む場合、巻線の絶
縁被膜層を形成した反対側の端面に粘着性の絶縁物を仮
接着し、巻線をアモルファス鉄心に組み込んだ後、前記
絶縁物を除去して油入アモルファス鉄心変圧器を製作す
るようにしてもよい。
【0012】その上、本発明は、油入アモルファス鉄心
変圧器の定格容量によっては、巻線の温度上昇を所定の
規格値以下に抑制することが必要となるがその場合は、
巻線の高圧あるいは低圧コイルの所要位置に、横長な絶
縁チューブと、例えば角形等棒状の絶縁棒(レール)を
用いて絶縁油が通流する油導を巻線の導電部と隔絶して
形成し、前記絶縁油が巻線内を通流できるように構成し
てもよい。
【0013】
【作用】本発明は、アモルファス鉄心の接合部を有する
継鉄部側と対応する巻線の軸方向端面に、合成樹脂製の
絶縁被膜層が事前に形成されているので、前記巻線をア
モルファス鉄心の脚鉄部に組み付けた後、前記接合部を
有する継鉄部の再接合時、その作業中にアモルファス鉄
心の一部が欠落してその破片が巻線の端面側に飛散した
場合、この端面側には事前に絶縁被膜層が形成されてい
ることにより、前記破片が巻線の内部に侵入することが
全くないので、破片の侵入により巻線の絶縁が劣化・損
傷するという問題を確実に回避することができる。
【0014】更に、本発明は、巻線の軸方向の一方の端
面に絶縁被膜層を形成するだけであるため、焼鈍によっ
て脆弱となったアモルファス鉄心全体を絶縁物で被覆し
て保護する必要がないので、油入アモルファス鉄心変圧
器の製作工数を低減することが可能となり、この種変圧
器の生産性を著しく向上させることができる。
【0015】その上、定格容量の大きい油入アモルファ
ス鉄心変圧器においては、巻線の高・低圧コイルの所定
位置に油導を形成し、この油導に絶縁油を通流させるこ
とにより、巻線の温度上昇を効果的に抑制することがで
きるとともに、前記油導は横長な絶縁チューブによっ
て、このチューブと接触する巻線内の導電部が完全に包
被されているので、万一絶縁油中に浮遊する破片が油導
内を通過することがあっても、巻線の導電部と接触する
のを確実に防ぐことができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図3によ
り説明する。図1において、1はアモルファス磁性合金
薄帯(以下、磁性薄帯という)を用いて1ターンカット
方式により形成したアモルファス鉄心(巻鉄心)を示
す。このアモルファス鉄心1を製作する場合は、一般
に、例えば帯状の複数枚の磁性薄帯を重ね合わせ、これ
を1ターンカット方式のアモルファス鉄心に所望される
最内周長(X)の長さに、2πt(但し、tは重ね合わ
せた磁性薄帯の板厚である)づつ順次加算して切断する
ことにより鉄心素板を設け、この鉄心素板を両端の突合
わせ部又は、重合部が同じ継鉄部側に位置するように周
方向の長さの短いものを内側として順次巻板機により円
形に巻回積層する。そして、所定の厚さに円形鉄心を巻
回積層したら、この円形鉄心を矩形状に成形加工し、磁
場焼鈍を行って矩形状に加工された1ターンカット方式
のアモルファス鉄心1を形成する。
【0017】又、磁性薄帯を所定の厚さで円形に巻回
し、これを所定位置で切断して円形鉄心を帯状に展開
し、前記帯状に展開した鉄心素板を、その両端の突き合
わせ部が同じ継鉄部側に位置するようにして、周方向の
短いものを内側にして所定枚数ずつ順次巻板機により円
形に巻回する。このあと、前記と同様に円形鉄心を矩形
成形し、かつ、これを磁場焼鈍を行って矩形状に加工し
た1ターンカット方式のアモルファス鉄心1を形成する
方式もある。
【0018】2は前記アモルファス鉄心1の脚鉄部に組
み付けられる変圧器の巻線を示し、この巻線2は鉄心1
側に近接して低圧コイル3を、この低圧コイル3の外側
に高圧コイル4をそれぞれ同心状に巻回して形成されて
おり、この巻線2はアモルファス鉄心1の組立を行う前
にあらかじめ巻回・形成されている。5は低圧コイル3
と高圧コイル4との間を電気的に絶縁するために形成し
た絶縁層及び油導であり、この油導5は低圧コイル3の
外側に高圧コイル4を巻回する際、低圧コイル3の外周
に複数本の角形等棒状の絶縁棒(レール)6を、前記低
圧コイル3の周方向に所定の間隔を保って図3で示すよ
うに配設することにより、巻線2のアモルファス鉄心1
の窓内に位置する部分を除いてほぼコ字状に形成されて
いる。なお、絶縁棒6を介して油導5が形成される低圧
コイル3の外周面と、高圧コイル4の内周面は、ともに
巻線2の導電部が直接外部に露出しないように所要の絶
縁物で被覆されていることは言うまでもない。
【0019】そして、前記巻線2の巻回後、図1で示す
ように、低圧コイル3と高圧コイル4の各軸方向の上端
面(図2の上部側、即ち、アモルファス鉄心1の接合部
aと近接する端面)には、巻線2の各層間に例えば、熱
硬化性のエポキシ樹脂等からなる合成樹脂をハケ等を用
いて塗布することにより、絶縁被膜層7を形成する。こ
の絶縁被膜層7は図1で示すように、巻線2の低圧コイ
ル3の層間に挿入した絶縁詰物2a及び高圧コイル4の
層間に内在する層間絶縁紙2bの耳折2c部分が、それ
ぞれ外部から閉鎖できる程度に合成樹脂を塗布すること
により、前記巻線2の上端面のみに油導5部分を除いて
閉鎖した状態で平坦状に形成するもので、巻線2の下部
側の端面には形成しない。
【0020】次に、前記巻線2にアモルファス鉄心1を
組み込んでアモルファス鉄心変圧器Aを製作する場合に
ついて説明する。アモルファス鉄心1は前記のように、
磁場焼鈍を行って矩形状に成形加工されたアモルファス
鉄心1の接合部a(図2参照)を有する継鉄部bを、前
記接合部aの位置で拡開してアモルファス鉄心1をU字
状に開放する。この状態で、開放したアモルファス鉄心
1の継鉄部b前方に巻線2を、その絶縁被膜層7を前方
に向けて配置し、この状態で、アモルファス鉄心1の開
放した継鉄部bを、巻線2の鉄心挿入孔8に挿入し、前
記巻線2の絶縁被膜層7を形成した端面側から外方に突
出させて、アモルファス鉄心1の図示しない脚鉄部を前
記巻線2の鉄心挿入孔8に挿入する。
【0021】前記のようにして巻線2にアモルファス鉄
心1を挿入したら、接合部aを有する継鉄部b側を、前
記接合部aの位置で再接合してアモルファス鉄心1の組
立てを終える。前記継鉄部bの再接合時、この継鉄部b
と対応する巻線2の上部側端面は、絶縁被膜層7により
被覆されているので、継鉄部bの再接合時に磁性薄帯の
破片が発生した場合、その破片は絶縁被膜層7の上面に
散乱するものの、巻線2内部への侵入は前記絶縁被膜層
7の存在によって確実に阻止することができる。
【0022】又、アモルファス鉄心1を巻線2の鉄心挿
入孔8に挿入する際、巻線2の下部側(図1の下部側)
には絶縁被膜層7が形成されていないので、アモルファ
ス鉄心1の巻線2への組み込み時に生ずる衝撃によっ
て、アモルファス鉄心1から欠落した破片の一部が巻線
2の層間内に侵入することが考えられる。この場合は、
巻線2に挿入したアモルファス鉄心1を起立させ、巻線
2の上下部の端面や周面及びアモルファス鉄心1の巻線
2から露出している部分等を電気掃除機等により清掃し
て破片を除去する。
【0023】前記のようにしてアモルファス鉄心1を組
み立てたら、これを図1に2点鎖線で示すケース9内に
収容し、巻線2の低圧及び高圧コイル3、4からそれぞ
れ導出した引出線10、11を図示しないブッシングに
接続する。そして、前記ケース9内に絶縁油を定量注入
した後、ケース9にカバーを被着して油入アモルファス
鉄心変圧器(以下、アモルファス変圧器という)Aの組
立を終える。
【0024】そして、前記ケース9内に絶縁油を注入す
ると、この絶縁油中に前記電気掃除機による清掃にもか
かわらず、残存する微少な磁性薄帯の破片が浮遊するこ
とがあるものの、注油後の時間の経過とともに、前記破
片は自重(破片の比重は約7.18g/cm3 であるた
め、絶縁油の比重約0.9g/cm3 に比べて格段に重
い)によってケース9の底面に沈降して滞積されるた
め、巻線2の下部端面には絶縁被膜層を形成する必要は
全くない。
【0025】そして、アモルファス鉄心変圧器Aを運転
すると、ケース9内の絶縁油は巻線2の温度上昇につれ
て対流が生じ、巻線2に冷却作用をもたらす。しかし、
前記絶縁油の対流作用中においても、ケース9の底面に
沈降・滞積している破片は、発熱体である巻線2より下
方に位置して滞積しているので、前記磁性薄帯の破片が
絶縁油の対流によって浮遊することは全くなく、ケース
9の底面に沈積した状態で保持されるので、巻線2の絶
縁を良好に維持することができる。
【0026】このように、巻線2の下部端面側の絶縁油
はその一部が油導5を通って巻線2の上部側に流れるも
のの、前記ケース9の底面に沈降・滞積している破片
は、絶縁油中に浮遊することなくそのまま沈積されてい
るので、アモルファス鉄心変圧器Aの運転中に破片が巻
線2の下部端面から低・高圧コイル3,4の層間内に侵
入して巻線2の絶縁劣化等を誘発させるという問題は全
くない。これは、アモルファス鉄心変圧器A自体が静止
状態で使用されるからに他ならない。
【0027】図4は本発明の第2実施例を示すもので、
アモルファス鉄心変圧器Bの定格容量が増加し、巻線2
の温度上昇を抑制する場合に実施した例を示すもので、
図6で示すように、巻線2の低圧コイル3と高圧コイル
4のそれぞれの径方向における所要位置に油導12、1
3を形成し、巻線2の軸方向両端面と連通させて絶縁油
の流通を良好にして巻線2の温度上昇を抑制するもので
ある。そして、前記油導12、13は図7で示すよう
に、絶縁紙または樹脂製のシートを横長なチューブ状に
加工形成した横長な絶縁チューブ14と、この絶縁チュ
ーブ14内に所定の間隔で配設した角型等棒状の絶縁棒
15とによって構成されており、前記絶縁棒15を内面
に配設した横長な絶縁チューブ14を低圧コイル3及び
高圧コイル4のそれぞれの所定位置に挿入配置して巻線
2を巻回形成することにより、巻線2の軸方向両端面を
連通させる油導12、13を形成するものである。
【0028】そして、図5で示すように、巻線2内の所
定位置に油導12,13を形成することにより、絶縁油
の流通が巻線2内において円滑に行うことができるの
で、巻線2の温度上昇を良好に抑制することが可能とな
る。又、前記油導12,13はそれぞれ横長な絶縁チュ
ーブ14によって、巻線2内の導電部と良好に隔絶する
ことができるので、万一絶縁油中に磁性薄帯の破片が浮
遊していても巻線2内に侵入することは全くない。しか
も、絶縁油は油導12,13内で温度が上昇すると、そ
のまま上方に移動し、油導12,13の下側の絶縁油が
そのまま油導12,13内に進入するのみで、油導1
2,13によって巻線2の下部端面より下方の絶縁油に
対流作用を促進させることはほとんどないため、ケース
9の底面に沈積している破片が浮遊し、これが巻線2の
下部端面の層間内に侵入して巻線2の絶縁を劣化させる
ということは全くない。
【0029】更に、本発明は、巻線2の上部端面に絶縁
被膜層7を形成する場合、巻線2の端面上に網目の細か
い多孔質の絶縁物を配設し、この網目に合成樹脂を塗布
して絶縁被膜層を形成するようにしてもよい。又、絶縁
被膜層7を有しない巻線2の下部端面には、アモルファ
ス鉄心1の組立にあたり事前に粘着性の絶縁物を貼着
し、この状態で、巻線2の鉄心挿入孔8にアモルファス
鉄心1を挿入し、このアモルファス鉄心1の組立後前記
粘着性の絶縁物を除去することにより、磁性薄帯の破片
が巻線2内に侵入するのを阻止して、アモルファス鉄心
1の組立を行うようにしてもよい。又、絶縁被膜層7は
耳折2c部分が形成されていない層間絶縁紙2bを巻線
2に用いたり、あるいは、巻線2上端面の層間に絶縁詰
物2aを挿入しない場合は、熱硬化性の合成樹脂を直接
巻線2の層間に巻線2内に浸透させない程度に塗布して
形成するようにしてもよい。更に、図3,5に示す巻線
2に設けた油導5は、油導12,13と同様に、絶縁チ
ューブ14を横長に形成したものを用いて巻線2内に形
成するようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】本発明は、巻線の上部端面に合成樹脂か
らなる絶縁被膜層が形成されているため、アモルファス
鉄心の組立中に生ずる磁性薄帯の破片や、変圧器の運転
中に絶縁油中に浮遊する磁性薄帯の破片が巻線内に侵入
するのを良好に阻止することができるので、電気絶縁性
に優れた油入アモルファス鉄心変圧器を提供することが
できる。しかも、前記磁性薄帯の破片の侵入を阻止する
絶縁被膜層は、巻線の上部端面側に形成するだけでよい
ので、従来のように、アモルファス鉄心を絶縁物等で覆
う必要がまったくないため、この種変圧器の生産性を著
しく向上させることができる。
【0031】しかも、前記巻線の上部端面のみに絶縁被
膜層を設けることにより、巻線の下端部より下方に存在
する絶縁油は、対流作用が生じず常時静止の状態で滞留
しているので、絶縁油中に浮遊する磁性薄帯の破片は絶
縁被膜層上に滞留するか、ケースの底面等巻線の層間内
に侵入しない位置で浮遊したり沈積しているため、巻線
の下部端面には絶縁被膜層を特に形成する必要がない。
従って、油入アモルファス鉄心変圧器は、その製造工程
を大幅に短縮して経済的に製作できる利点もある。その
上、巻線の上部端面に絶縁被膜層を形成する際、巻線の
上部端面に網目の細かい多孔質の絶縁物を被せ、この絶
縁物の網目に合成樹脂を塗着する等して絶縁被膜層を形
成するようにしたので、合成樹脂は網目の下側に浸透す
ることが少ないため、巻線内の上部端面まで絶縁油を満
たすことが可能となり、これにより巻線の絶縁性を良好
に維持することが可能となる。
【0032】更に、定格容量の大きい油入アモルファス
鉄心変圧器においては、巻線の高・低圧コイルの所定位
置に油導を形成し、この油導に絶縁油を通流させること
により、巻線の温度上昇を効果的に抑制することができ
るとともに、前記油導は横長な絶縁チューブによって、
このチューブと接触する巻線内の導電部が完全に包被さ
れているので、万一絶縁油中に浮遊する破片が油導内を
通過することがあっても、巻線の導電部と接触するのを
確実に防ぐことが可能となり、これにより巻線の絶縁性
を長期に亘り良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油入アモルファス鉄心変圧器の要部縦
断面図である。
【図2】本発明の油入アモルファス鉄心変圧器の斜視図
である。
【図3】油入アモルファス鉄心変圧器に用いる巻線の斜
視図である。
【図4】本発明の油入アモルファス鉄心変圧器の第2実
施例を示す斜視図である。
【図5】同じく第2実施例の変圧器に使用する巻線の斜
視図である。
【図6】同じく第2実施例の変圧器の要部を縦断して示
す断面図である。
【図7】油導部分を拡大して示す斜視図である。
【符号の説明】
1 アモルファス鉄心 2 巻線 3 低圧コイル 4 高圧コイル 5,12,13 油導 7 絶縁被膜層 A 油入アモルファス鉄心変圧器 a 接合部 b 継鉄部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−74041(JP,A) 特開 昭58−35912(JP,A) 特開 平7−37740(JP,A) 特開 平6−204064(JP,A) 特開 平5−190342(JP,A) 実開 昭62−193716(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 27/32 H01F 27/24 H01F 27/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファス鉄心の脚鉄部に組み込まれ
    巻線の軸方向端面の上部側のみに網目の細かい多孔質
    の絶縁物を配設し、この絶縁物に合成樹脂を塗着して絶
    縁被膜層を形成するようにしたことを特徴とする油入
    モルファス鉄心変圧器。
  2. 【請求項2】 巻線の軸方向端面の上部側に絶縁被膜層
    を形成した前記巻線の径方向の所要位置には、横長な絶
    縁チューブとこの絶縁チューブ内に複数本配説した絶縁
    性の棒体とによって、複数の油導を巻線内の導電部と隔
    絶し、かつ、巻線の軸方向両端面と連通させて形成する
    ようにしたことを特徴とする請求項1記載の油入アモル
    ファス鉄心変圧器。
JP15832895A 1995-05-31 1995-05-31 油入アモルファス鉄心変圧器 Expired - Fee Related JP3462935B2 (ja)

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