JPH05190014A - 電極接続用導電性微球体 - Google Patents

電極接続用導電性微球体

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JPH05190014A
JPH05190014A JP200492A JP200492A JPH05190014A JP H05190014 A JPH05190014 A JP H05190014A JP 200492 A JP200492 A JP 200492A JP 200492 A JP200492 A JP 200492A JP H05190014 A JPH05190014 A JP H05190014A
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conductive
microspheres
resin
layer
metal coating
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JP200492A
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Kazuhiko Kamiyoshi
和彦 神吉
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微細な電極間を容易に接続することができ、
樹脂バインダー中に分散させても沈降分離が生じず、電
極を接続した際の接触抵抗値を低減することができ、か
つ接続信頼性の高い導電性微球体を提供する 【構成】 樹脂微球体と、該樹脂微球体の表面を形成す
る金属被覆層とからなる導電性微球体である。金属被覆
層は強磁性層と高導電性層から構成され、この金属層
は、70〜300エルステッドの保磁力と、0.5×1
5〜6×105シーメンス/cmの電気伝導度を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた保磁力と高い導
電性を有する電極接続用導電性微球体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エレクトロニクス実装分野に
おいて、微細電極間の導電接続用に導電性微球体が用い
られている。特に強磁性を有するものは、外部からの磁
場により特定方向に配向させたり、必要な場所に局在化
させることができる特徴がある。
【0003】強磁性かつ導電性を有する導電性粒子とし
て、特開昭53−147772号公報、特開昭55−1
59578号公報、特開昭62−115610号公報、
特開昭62−186413号公報に、加圧導電エラスト
マーあるいは異方導電シートを形成する際に使用される
強磁性かつ導電性の金属粒子が開示されている。また特
開平1−52303号公報、特開平1−52304号公
報、特開平1−54608号公報、特開平1−5460
9号公報に、異方導電接続材の導電材として、繊維状の
強磁性かつ導電性の材料が用いられている。
【0004】これらの強磁性かつ導電性を有する粒子ま
たは繊維は、2つの相対する微細な電極を電気的接続す
るのに有利なように、外部からの磁場により特定方向に
配向させたり、必要な場所に局在化させるために用いら
れてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記技術に
おいては、以下のような欠点を有していた。
【0006】導電性微粒子の粒径が不揃いであるた
め、このような導電性微粒子を用いて微細な電極同士を
接続することが困難である。
【0007】導電性微粒子の比重が大きいため、この
導電性微粒子を樹脂バインダー中に分散させると沈降分
離しやすい。
【0008】導電性微粒子の導電性レベルが低いた
め、この導電性微粒子を用いて電極を接続すると接触抵
抗値が高くなり、実用に適していない。
【0009】相対する電極間に導電性微粒子を挟んで
加圧すると、圧縮変形性および変形回復性に乏しいた
め、接続信頼性が不十分であった。
【0010】本発明は上記の点を解決しようとするもの
で、その目的は、微細な電極間を容易に接続することが
でき、樹脂バインダー中に分散させても沈降分離が生じ
ず、電極を接続した際の接触抵抗値を低減することがで
き、かつ接続信頼性の高い導電性微球体を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の電極接続用導電
性微球体は、樹脂微球体と、該樹脂微球体の表面に形成
される金属被覆層とからなる導電性微球体であって、該
金属被覆層が、強磁性層と高導電性層とから構成され、
70〜300エルステッドの範囲の保磁力と、かつ0.
5×105〜6×105シーメンス/cmの範囲の電気伝
導度を有することを特徴とし、そのことにより上記課題
を達成することができる。
【0012】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。
【0013】本発明の導電性微球体は、樹脂微球体と金
属被覆層とを有している。
【0014】上記樹脂微球体を構成する樹脂としては、
合成樹脂を使用することができ、後述する導電性微球体
のK値および圧縮変形後の回復率が所望の値になるよう
な樹脂を使用することが好ましい。例えば、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ジビニルベンゼン共重合体、ジビニルベンゼン
−アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタノート共
重合体、トリアリルイソシアヌレート共重合体、ベンゾ
グアナミン共重合体等の架橋性ポリマーが挙げられ、特
にジビニルベンゼン共重合体、ジビニルベンゼン−アク
リル酸エステル共重合体、ジアリルフターレート共重合
体等の架橋性ポリマーが好ましい。上記樹脂微球体の粒
子径は、0.3〜100μmの範囲が好ましく、特に1
〜20μmが好ましい。
【0015】上記金属被覆層は、上記樹脂微球体の表面
を被覆する層であり、強磁性層と高導電性層とから構成
される。
【0016】上記強磁性層は、通常は樹脂微球体の表面
を被覆する一様の層であり、コバルト、鉄あるいはこれ
らを含む合金あるいは化合物から形成することができ、
例えば、コバルト単体、コバルト−ニッケル合金、鉄単
体、コバルト−鉄合金、コバルト−銅、コバルト−亜
鉛、マンガンフェライト、鉄フェライト、コバルトフェ
ライト、ニッケルフェライト、銅フェライト、亜鉛フェ
ライト、ストロンチニウムフェライト、マグネシューム
フェライト等が好ましく、特コバルト、コバルト−ニッ
ケル合金、フェライト類が好ましい。
【0017】上記高導電性層は、通常は樹脂微球体の表
面を被覆する一様の層であり、金、銀、銅あるいはこれ
らを主成分とする合金から形成することができる。
【0018】金属被覆層の形態は様々であることができ
る。例えば、上記樹脂微粒子の表面に上記強磁性層が形
成され、さらにその外側に上記高導電性層が形成されて
いてもよく、逆に上記樹脂微粒子の表面に上記高導電性
層が形成され、さらにその外側に上記強磁性層が形成さ
れていてもよい。
【0019】また上記強磁性層と上記高導電性層との境
界は必ずしも明瞭でなくてもよい。上記強磁性層と上記
高導電性層が混合されたゾーンがある厚みで形成されて
いてもよい。通常このゾーンの厚みは1μm以下である
ことが好ましい。また上記強磁性層と上記高導電性層が
不規則に入り組んだ構造であっても差し支えない。上記
強磁性層の厚さは0.02〜3μmの範囲にあることが
好ましい。0.02μm未満では所定の保持力が得られ
にくい。逆に3μmを超えると上記樹脂微球体と上記強
磁性層の熱膨張率の差により、上記樹脂微球体と上記金
属被覆層との密着性が低下する恐れがある。上記高導電
性層の厚さは、0.02〜3μmの範囲にあることが好
ましい。0.02μm未満では、所定の導電性が得られ
にくい。逆に3μmを超えると、上記樹脂微球体と上記
金属被覆層との密着性が低下する恐れがある。従って、
上記金属被覆層の厚さは0.2〜5μmの範囲にあるこ
とが好ましい。
【0020】上記強磁性層の形成は、典型的には、無電
解メッキ法等のメッキ法あるいはスパッタリング、イオ
ンプレーティング等の物理的蒸着によって行われる。
【0021】無電解メッキ法による強磁性層の形成工程
をコバルト−ニッケル合金メッキの場合を例にとって説
明する。この方法は、エッチング工程、アクチベーショ
ン工程、還元反応工程に分けられる。
【0022】エッチング工程は、基材の樹脂微球体の表
面に凹凸を形成させることにより、金属メッキ層の密着
性を付与するための工程であり、エッチング液として
は、例えばカセイソーダ水溶液、濃塩酸、濃硫酸、無水
クロム酸が用いられる。
【0023】アクチベーション工程は、エッチングされ
た樹脂微球体の表面に触媒層を形成されると共に、この
触媒層を活性化させるための工程である。触媒層の活性
化により、後述の還元反応工程における金属コバルトお
よびニッケルの折出が促進される。樹脂微球体の表面の
Pb2+およびSn2+からなる触媒層に濃硫酸または濃硝
酸を作用させ、Sn2+のみを溶解除去してPd2+の金属
化を行う。金属化させたパラジニウムはカセイソーダ濃
厚溶液等のパラジウム活性剤により活性化されて増感さ
れる。
【0024】還元反応工程は、触媒層が形成された樹脂
微球体の表面にさらに金属コバルト−ニッケルの合金層
を形成させる工程であり、例えば、塩化コバルト及び塩
化ニッケルを次亜リン酸ナトリウムによって還元し、コ
バルト及びニッケルを樹脂微球体の表面に析出させる。
この場合、コバルト−ニッケル合金層中のコバルトの含
有率は20〜80%の範囲が好適である。
【0025】上記高導電性層の形成は、典型的には、無
電解還元メッキ法、無電解置換メッキ法等のメッキ法あ
るいはスパッタリング、イオンプレーティング等の物理
的蒸着によって行われる。
【0026】無電解置換メッキ法による高導電性層の形
成工程を金置換メッキの場合を例にとって説明する。上
記の強磁性層としてコバルト−ニッケル合金層が形成さ
れた微球体を、シアン化金カリウム水溶液中に浸漬し、
よく攪拌しながら昇温させる。この時次式のように微球
体の表面部分のコバルト及びニッケルが溶出し、一方、
溶液中の金が取り込まれて微球体の表面に析出する。
【0027】 Co+2Au+ → Co2++2Au Ni+2Au+ → Ni2++2Au。
【0028】本発明の導電性微球体の金属被覆層の磁性
は以下のようにして測定することができる。試料を磁界
Hに置き、Hを変化させながら磁化Mを測定すると、図
1に示すようなヒステレシス曲線を描くことができる。
このヒステレシス曲線より、試料の磁性に関する特性値
として、保磁力Hs(=b−a)、残留磁化Mrおよび
飽和磁化Mmaxが得られる。保磁力Hsとは磁化をゼ
ロにするのに必要な磁界の大きさであり、磁化を保つ力
を意味している。残留磁化Mrは磁界Hがゼロの点での
磁化の大きさであり、永久磁石としての特性を意味して
いる。飽和磁化Mmaxは、一般的な意味での磁石とし
ての強さを示している。なお、磁化Mの測定は、例え
ば、理研電子(株)製の振動試料型磁力計を用いて行わ
れる。
【0029】本発明の導電性微球体は、特に保磁力の大
きさが重要な意味を持っており、導電性微球体の金属被
覆層の保磁力が70〜300エルステッドであることが
必要である。金属被覆層の保磁力が70エルステッド未
満の場合、図2に示すように、バインダー樹脂3中に導
電性微球体4を必要な部分に局在化させ、微細な凝集単
位を形成させた際に、外部磁場により局在化された導電
性微球体4の凝集単位の境界が不明瞭となり、かつ凝集
単位を細かいサイズに形成することができなくなる。逆
に金属被覆層の保磁力が300エルステッドを越える場
合、磁化を消すために大きい磁界を必要とし、制御する
ことが難しくなる。
【0030】本発明の導電性微球体の金属被覆層の導電
性は以下のようにして測定することができる。本発明の
導電性微球体の金属被覆層と同じ厚さと同じ組成の金属
被覆層を、厚さ2mm、縦50mm、横20mmの寸法
のABS樹脂製のシートの表面に形成し、これを導電性
測定用の試料とする。この金属被覆層の電気伝導度を四
深針法より測定し、例えば、抵抗率測定器K−705R
L型(共和理研製)により測定する。
【0031】本発明の導電性微球体の金属被覆層の電気
伝導度が0.5×105〜6×105シーメンス/cmで
あることが必要である。金属被覆層の電気伝導度が0.
5×105シーメンス/cm未満の場合、図2に示すよ
うに、バインダー樹脂3中に導電性微球体4を必要な部
分に局在化させ、微細な凝集単位を形成させたものを相
対する電極の間に挟んで押圧することによって、電極間
の電気的接続を行った際に、電極間の電気的接続におけ
る信頼性が低下する。逆に金属被覆層の電気伝導度が6
×105シーメンス/cmを越える場合、金属被覆層の
保磁力が著しく低下してくる問題を生ずる。
【0032】本発明の導電性微球体の硬さを、以下に定
義するK値により表す。
【0033】ランダウーリフシッツ理論物理学教程「弾
性理論」(東京図書1972年発行)42頁によれば、半径が
それぞれR、R’の二つの弾性球体の接触問題は次式に
より与えられる。
【0034】 h=F2/3[D2(1/R+1/R’)]1/3 …(1) D=(3/4)[(1−σ2)/E+(1−σ'2)/E’] …(2) ここに、hはR+R’と両球の中心間の距離の差、Fは
圧縮力、EおよびE’は二つの弾性球の弾性率、σおよ
びσ'は弾性球のポアッソン比を表す。
【0035】一方、球を剛体の板に置き換えて、かつ両
側から圧縮する場合、R’→∞、E》E’とすると、近
似的に次式が得られる。
【0036】 F=(21/2/3)(S3/2)(E・R1/2)(1−σ2) …(3) ここで、Sは圧縮変形量を表す。圧縮硬さKを次のよう
に定義する。
【0037】K=E/(1−σ2) …(4) よって、(3)式よりK値を表す式 K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2…(5) が得られる。
【0038】このK値は球体の硬さを普遍的かつ定量的
に表すものである。このK値を用いることにより、微細
電極間の導電接続に使用される導電性微球体の好適な硬
さを定量的かつ一義的に表すことが可能となる。
【0039】本発明の導電性微球体に使用される樹脂微
球体の、10%圧縮歪におけるK値は250〜700k
gf/mm2の範囲が好ましく、350〜550kgf
/mm2がより好ましい。この範囲内にある樹脂微球体
を用いることにより、例えば、電極接続構造体を作製す
るときに、対向電極面を導電性微球体で傷付けるような
ことがなく、また加圧プレスにより両電極間のギャップ
出しを行う際に、ギャップコントロールを容易に行うこ
とができる。
【0040】樹脂微球体の10%圧縮歪におけるK値が
700kgf/mm2を超える場合、この樹脂微球体を
使用した導電性微球体を二つの電極間に挟んで圧縮荷重
を加えても、導電性微球体は容易に変形せず、その結
果、導電性微球体と電極表面との接触面積が広がらず、
接触抵抗値を低減させることが困難となる。また、導電
性微球体を変形させるべく無理に荷重を加えると、導電
性微球体表面の金属被覆層の破れや剥れが生じたり、電
極接続構造体を作製する際に電極面に傷を付けるおそれ
がある。
【0041】樹脂微球体の10%圧縮歪におけるK値が
250kgf/mm2を下回る場合、この樹脂微球体を
使用した導電性微球体を二つの電極間に挟んで圧縮荷重
を加えると、しばしば圧縮変形が過大となるため、導電
性微球体表面の金属被覆層がこの変形に追従できなくな
り、その結果、金属被覆層の破れや剥れが発生するとい
う危険が生ずる。また、圧縮変形量が過大となって導電
性微球体が偏平すると、電極同志が直接に接触するとい
う事態が発生し、微細接続ができなくなるという問題も
生ずる。
【0042】K値の測定は、以下のようにして行われ
る。室温において、平滑表面を有する鋼板の上に樹脂微
球体を散布し、その中から1個の樹脂微球体を選ぶ。次
に、微小圧縮試験機(PCT−200型 島津製作所
製)を用いて、ダイヤモンド製の直径50μmの円柱の
平滑な端面で樹脂微球体を圧縮する。この際、圧縮荷重
を電磁力として電気的に検出し、圧縮変位を作動トラン
スによる変位として電気的に検出する。
【0043】そして、図3に示すような圧縮変位−荷重
の関係が求められる。図3から、樹脂微球体の10%圧
縮変形における荷重値、圧縮変位がそれぞれ求められ、
これらの値と(5)式とから図4に示すようなK値と圧
縮歪との関係が求められる。但し、圧縮歪は圧縮変位を
樹脂微球体の粒子径で割った値を%で表したものであ
る。
【0044】K値の測定条件は、圧縮速度としては、定
負荷速度圧縮方式で行い、毎秒の0.27grfの割合
で荷重を増加させた。最大荷重を10grfとした。ま
た測定温度は、20℃であった。
【0045】金属被覆層の厚みが増すに従って導電性微
球体のK値は増大するが、通常好適に用いられる厚みの
範囲においては、導電性微球体のK値は、樹脂微球体の
K値に対して、0〜30%増加する程度である。
【0046】ところで、導電性微球体の好適な硬さを規
定するだけでは、導電性微球体の材料力学的な性質を完
全に表現することはできない。
【0047】もう一つの重要な性質は導電性微球体の弾
性を示す値である圧縮変形後の回復性である。圧縮変形
後の回復率は、導電性微球体の弾性ないし弾塑性を定量
的且つ一義的に表すことが可能となる。本発明の導電性
微球体に使用される樹脂微球体の圧縮変形後の回復率
は、20℃において30〜80%の範囲が好ましく、特
に40〜70%が好ましい。
【0048】樹脂微球体の圧縮変形後の回復率が80%
を超える場合、この樹脂微球体を使用した導電性微粒子
を分散させた接着剤を二つの電極間に挟んで加圧接着
し、接着剤が硬化後に除圧すると、圧縮変形した導電性
微粒子は弾性回復し易いため、接着剤層が電極表面から
引き剥されるという事態が発生するおそれがある。
【0049】樹脂微球体の圧縮変形後の回復率が30%
未満の場合、この樹脂微球体を使用した導電性微粒子を
分散させた接着剤を二つの電極間に挟んで加圧接着し、
接着剤が硬化後に除圧するという方法で作製した電極接
続構造体は、冷熱繰り返しの環境下において接着剤層が
収縮と膨張を繰り返すが、導電性微粒子は圧縮変形され
たままの状態であるため、接着剤層の膨張時に電極表面
との間に間隙を生じ、接触不良を引き起こすおそれがあ
る。
【0050】樹脂微球体の圧縮変形後の回復率の測定は
以下の方法により行われる。平滑表面を有する鋼板の上
に接着性球状スペーサーを散布し、その中から1個の樹
脂微粒子を選ぶ。次に、微小圧縮試験機(PCT−20
0型 島津製作所製)を用いて、ダイヤモンド製の直径
50μmの円柱の平滑な端面で樹脂微粒子を圧縮する。
この際、圧縮荷重を電磁力として電気的に検出し、圧縮
変位を作動トランスによる変位として電気的に検出す
る。そして、図5に示すように、樹脂微粒子を反転荷重
値まで圧縮した後(図5中、曲線(a)で示す)、逆に
荷重を減らしていく(図5中、曲線(b)で示す)。こ
の際、荷重と圧縮変位との関係を測定する。ただし、除
荷重における終点は荷重値ゼロではなく、0.1g以上
の原点荷重値とする。回復率は反転の点までの変位L1
と反転の点から原点荷重値を取る点までの変位差L2
比(L2/L1)を%で表した値で定義する。
【0051】圧縮変形後の回復率の測定条件は以下の通
りである。
【0052】反転荷重値 1grf 原点荷重値 0.1grf 負荷および除負荷における圧縮速度 0.27grf
/sec 測定温度 20℃。
【0053】ここで、樹脂微球体の圧縮変形後の回復率
を測定したが、導電性微球体の圧縮変形後の回復率は、
樹脂微球体の圧縮変形後の回復率とほぼ等しい値を示
す。
【0054】従って、導電性微球体の圧縮変形特性は、
樹脂微球体の圧縮変形特性に大きく依存していることが
わかる。
【0055】次に、具体的に実施例を挙げて説明する。
【0056】実施例1〜3および比較例1 テトラメチロールメタンテトラアクリレートを懸濁重合
させた後、分級して平均粒径7.53μm、標準偏差
0.23μmの樹脂微球体を得た。この樹脂微球体の1
0%圧縮歪におけるK値は460kgf/mm2、圧縮
変形後の回復率は55%であった。この樹脂微球体に、
表1に示すニッケル/コバルトの比率で、無電解ニッケ
ル/コバルト合金メッキを施した。その後、この樹脂微
球体をシアン化金カリウム溶液に浸漬し、加熱すること
により、表面に金層を形成し、導電性微球体を得た。得
られた導電性微球体の磁化特性を理研電子(株)製の振
動試料型磁力計を用いて測定した。その結果を表1に示
す。
【0057】
【表1】
【0058】表1より、実施例1〜3の導電性微球体の
磁化特性が優れていることがわかる。
【0059】また得られた導電性微球体を、図2に示す
磁場(但し、樹脂バインダーを使用しなかった)を利用
して配列させた。実施例1〜3で得られた導電性微球体
は、70μmピッチで導電性微球体の集合した部分と導
電性微球体のない部分を規則的に配列させることができ
た。しかし、比較例1で得られた導電性微球体は配列さ
せることが困難であった。
【0060】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
導電性微球体は優れた保磁力を有するため、磁場を利用
して必要なパターンに導電性微球体を配列させることが
でき、その結果、微細な電極間の導電接続を容易に行う
ことができる。また優れた導電性を有するため、微細な
電極間の接続信頼性を高めることができる。また、所望
の圧縮変形特性を有することにより、電極を接続した際
の接触抵抗値を低減することができる。従って、以下の
用途に好適に用いることができる。液晶表示素子にお
けるICとガラス配線基板とのCOG(チップオングラ
ス)接続用材料。ICと電極配線硬質基板とのCOB
(チップオンボード)接続用材料。TABにおけるイ
ンナーリード接続用材料。液晶表示素子におけるガラ
ス配線基板とフレシキブルリード線との電気的接続材
料。液晶表示素子における上下基板電極間の電気的接
続のためのトランスファー材料。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性微球体の磁界と磁化の関係を示
すヒステレシス曲線のグラフである。
【図2】本発明の導電性微球体を外部磁場を利用して配
列させる例を示す図である。
【図3】本発明の導電性微球体の荷重と圧縮変位の関係
を示すグラフである。
【図4】本発明の導電性微球体のK値と圧縮歪みとの関
係を示すグラフである。
【図5】本発明の導電性微球体の圧縮変形時の圧縮変位
と荷重と関係を示す図である。
【符号の説明】
1 磁石 2 支持シート 3 樹脂バインダー 4 導電性微球体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂微球体と、該樹脂微球体の表面に形成
    される金属被覆層とを有する導電性微球体であって、該
    金属被覆層が強磁性層と高導電性層とから構成され、7
    0〜300エルステッドの範囲の保磁力と、かつ0.5
    ×105〜6×105シーメンス/cmの範囲の電気伝導
    度を有することを特徴とする電極接続用導電性微球体。
JP200492A 1992-01-09 1992-01-09 電極接続用導電性微球体 Pending JPH05190014A (ja)

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