JP2004095561A - 導電性微粒子、電極接続構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極との接続信頼性が向上し、かつ接触抵抗値が低減された導電性微粒子を提供する。
【解決手段】導電性微粒子は、基材微粒子と、基材微粒子の表面に設けられた融点が900℃以上の内側金属層と、その内側金属層の外側に設けられた融点が350℃以下の外側金属層とを有する。導電性微粒子が対向する一対の電極間に配設されて加熱されると、導電性微粒子の外側金属層が溶融して対向電極面に固着する。そのことによって、対向電極と導電性微粒子との接触面積が増大する。一方、基材微粒子の表面には内側金属層が存在する。従って、導電性微粒子と対向電極との接続信頼性が向上し、かつ接触抵抗値が低減する。
【選択図】図1

Description

 本発明は、例えば、エレクトロニクス実装分野における微細電極間の導電接続に用いられる導電性微粒子、その微粒子によって一対の電極が導電接続された電極接続構造体、及びその製造方法に関する。
 この種の導電性微粒子として、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、フェノール樹脂等からなるプラスチック微粒子の表面に金属メッキ層を形成したものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
 しかし、このような導電性微粒子を対向する電極面の間に挟んで電極接続構造体を作製する場合には、電極面と導電性微粒子との接触面積が小さいために、電気接続が不安定であるという欠点がある。
 これら導電性微粒子を用いた場合の電極面との接触をより安定なものとするため、プラスチック微粒子の表面に低融点金属メッキ層を形成し、このメッキ層を溶融することにより、微粒子を電極に固定する方法が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
 しかし、上記特許文献3に記載された方法では、プラスチック微粒子の表面に存在しているメッキ層を溶融させることによって電極との接触を確保しているので、そのメッキ層の厚みにバラツキを生じ、接触抵抗値を常に低く保つことができないという欠点があった。そのメッキ層の厚さを予め所定以上に設けておくことも考えられるが、このような場合には、溶融時にメッキ層が広がりすぎて所望とする位置のみを導電接続できないものである。
 また、上記特許文献4に記載された方法においても、微粒子の外側に形成された第1及び第2金属層をそれぞれ溶融させることにより基板との電気接触を確保しているため、上記と同様な欠点を有していた。
特開昭62−185749号公報 特開平1−225776号公報 特開昭61−77279号公報 特開昭63−231889号公報
 本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、電極基板との接触面積を増大させることにより接触抵抗値を下げることができ、しかも、常に低い接触抵抗値を保つことができる導電性微粒子を提供することにある。
 本発明の他の目的は、上記導電性微粒子を使用して電極との接続信頼性が向上し、および接触抵抗値が低減された電極接続構造体とその製造方法を提供することにある。
 本発明によれば、微細電極間の導電接続に用いられる導電性微粒子であって、基材微粒子の表面に融点が900℃以上の内側金属層が形成され、その内側金属層の外側に融点が350℃以下の外側金属層が形成されており、160〜300℃の温度での加熱により外側金属層のみが電極に溶融固着し、該溶融固着によって低減された微細電極間の接触抵抗値が、高温側が90℃、1時間、低温側が−40℃、1時間で作動する冷熱衝撃試験を240サイクル行った後にも保たれることを特徴とする導電性微粒子が提供される。
 また、本発明によれば、上記導電性微粒子が、対向する電極の間に配設され、該導電性微粒子の外側金属層が該対向電極に溶融固着されていることを特徴とする電極接続構造体が提供される。
 さらに、本発明によれば、導電性微粒子を対向する電極の間に配設し、外側金属層の融点以上かつ900℃未満の温度に加熱することを特徴とする電極接続構造体の製造方法が提供される。
 本発明によれば以下の利点を有する。
(1) 導電性微粒子と電極との接触部分に、外側金属層の溶融部が固着して導電性微粒子が電極に強固に接着するので、導電性微粒子と電極との接続信頼性が向上する。
(2) 導電性微粒子と電極との接触部分に外側金属層の溶融部が存在し、また、導電性微粒子の表面には所定厚みの内側金属層が存在するので、導電性微粒子と電極との接触抵抗値が低減される。
(3) 電極接続構造体を作製するときの熱圧着時に過大な圧力を必要としないために、電極面を傷付けることがない。
 本発明に使用される基材微粒子を形成する材料としては、有機物でも無機物でもよい。有機物としては、各種プラスチック材料を用いることができ、例えば、以下のものがあげられる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリテロラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール等の線状または架橋高分子;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレート重合体、トリアリルイソシアヌレート重合体、ベンゾグアナミン重合体等の網目構造を有する樹脂。
 これらの樹脂のうちで、特に好ましいものは、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレート重合体等の網目構造を有する樹脂である。
 無機質としては、特に限定するものではなく従来公知のものを使用することができる。
 基材微粒子の形状としては、例えば、真球状、楕円球状、円柱状のものが好ましい。真球状の場合、直径は0.1〜100μm の範囲がよく、特に好ましい直径は0.5〜50μm であり、さらに好ましい直径は1〜20μm である。楕円球状の場合、短径は0.1〜1000μmの範囲がよく、好ましい範囲は1〜100μmである。長径短径の比は1〜10の範囲であるのがよく、好ましい範囲は1〜5である。基材微粒子は球状のものが特に好ましく、また後述する圧縮試験によるK値と圧縮変形後の回復率が特定されたものが好ましい。
 本発明に使用される内側金属層は、導電性を有し、かつ融点が900℃以上のものであり、この内側金属層を形成する材料としては、例えば、金(融点:1064℃)、銀(融点:962℃)、銅(融点:1085℃)、白金(融点:1772℃)、パラジウム(融点:1554℃)、コバルト(融点:1494℃)、ニッケル(融点:1455℃)、鉄(融点:1535℃)、あるいはこれらを主成分とする合金があげられる。
 上記基材微粒子の表面に内側金属層を形成する方法としては、無電解メッキによる方法、真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法などがある。
 無電解メッキ法による金属層の形成方法を、金置換メッキの場合を例に挙げて説明すると、この方法は、以下のエッチング工程、アクチベーション工程、化学ニッケルメッキ工程及び金置換メッキ工程に分けられる。
 エッチング工程は、基材微粒子の表面に凹凸を形成させることによりメッキ層の密着性を付与するための工程であり、エッチング液としては、例えば、カセイソーダ水溶液、濃塩酸、濃硫酸または無水クロム酸が用いられる。
 アクチベーション工程は、エッチングされた基材微粒子の表面に触媒層を形成させると共に、この触媒層を活性化させるための工程である。触媒層の活性化により後述の化学ニッケルメッキ工程における金属ニッケルの析出が促進される。基材微粒子の表面のPd2+およびSn2+からなる触媒層に濃硫酸または濃塩酸を作用させ、Sn2+のみを溶解除去してPd2+の金属化を行う。金属化されたパラジウムは、カセイソーダ濃厚溶液等のパラジウム活性剤により活性化されて増感される。
 化学ニッケル工程は、触媒層が形成された基材微粒子の表面に、さらに金属ニッケル層を形成させる工程であり、例えば、塩化ニッケルを次亜リン酸ナトリウムによって還元し、ニッケルを基材微粒子の表面に析出させる。
 金置換メッキ工程では、このようにしてニッケルが被覆された基材微粒子を金シアン化カリ水溶液に入れ、昇温させながらニッケルを溶出させ、金を基材微粒子表面に析出させる。
 上記内側金属層の厚みは、0.02〜5.0μm の範囲が好ましい。厚みが0.02μmを下回ると所望の導電性が得られにくい。厚みが5.0μm を上回ると基材微粒子と内側金属層との熱膨張率の差などからこのメッキ層が剥離し易くなる。
 本発明に使用される外側金属層は導電性を有し、かつ融点が350℃以下のものであり、この外側金属層を形成する材料としては、例えば、インジウム(融点:157℃)、錫(融点:232℃)、鉛(融点:328℃)、錫−鉛の合金あるいはこれらを主成分とする合金等があげられる。
 内側金属層の外側に外側金属層を形成する方法としては、上記したような無電解メッキ法による方法及び機械的、物理的な方法の二つがある。後者の機械的、物理的方法としては、予め、内側金属層を形成させた微粒子と低融点金属微粒子とを混ぜ合わせた後、ハイブリダイゼーションまたはメカノフュージョン法により粒子同士の衝突あるいは剪断により外側金属層(低融点金属薄膜)を形成させる方法を採用することができる。
 外側金属層の厚みは、0.02〜5.0μm の範囲が好ましい。厚みが0.02μmを下回ると所望の導電性が得られ難い。厚みが5.0μm を上回ると、得られた導電性微粒子を二つの電極間に挟んで加熱する際、融解した外側金属層が電極表面に広がりすぎるため、好ましい異方性導電接続を妨げることになる。また、外側金属層の厚みが5μm を超える導電性微粒子では、微粒子同士の凝集が生じ易くなる不都合をも生ずる。
 本発明の電極接続構造体において使用される電極としては、ガラス板上にITO薄膜が形成された電極、ガラス板上にアルミニウム薄膜が形成された電極、プラスチックフィルム上に銅シートを貼り付けこれをエッチングして作成された電極、フィルム上に銀ペースト、カーボンブラックを印刷して作成した電極等がある。
 次に、本発明の電極接続構造体Aの一例を図面を参照して説明する。図1に示すように、電極接続構造体Aは、対向する一対の電極4、5間に上記導電性微粒子9を配設すると共に、その導電性微粒子9の外側金属層1を各電極4、5に溶融固着して構成されている。この例では、一方の電極4はITO薄膜で形成され、ガラス板6上に設けられている。他方の電極5は銅の配線パターンで形成され、ポリイミドフィルム7上に設けられている。そして、ガラス板6とポリイミドフィルム7との間には電気絶縁性のバインダー8が充填されている。
 この電極接続構造体Aを作製するには次のようにして行うことができる。
 すなわち、一方の電極4上に、絶縁性のバインダー8中に導電性微粒子9を均一に分散したものをスクリーン印刷またはディスペンサーで塗布し、あるいはバインダー8を使用せずに導電性微粒子9のみを電極4上に配置する。後者の場合、導電性微粒子9は電極4の上方位置から散布してもよく、あるいは導電性微粒子9を電荷させて静電気的に電極4上に付着させてもよい。
 次に、もう一方の電極5を上記電極4の上に重ね合わせる。この状態で両電極4、5を加圧する。ここで、加圧力としては、特に大きなものを必要としない。導電性微粒子9と電極4、5面との接触状態が保たれる程度の圧力でよい。次に、この状態で、一対の電極4、5間に導電性微粒子9が挟持された積層体を加熱する。加熱温度は、導電性微粒子9の外側金属層1の融点より高く、かつ900℃未満である温度が選ばれる。特に、160〜300℃が好ましい。加熱方法としては、プレス加熱が好ましい。加熱後、積層体が冷却して外側金属層1が固化するまでの間、加圧を持続させておくことが必要である。このようにして、図1に示すような導電性微粒子9の外側金属層1が電極4、5に溶融固着した電極接続構造体Aが得られる。
 次に、上記したK値について説明する。
 ラウンダウーリフシッツ理論物理学教程「弾性理論」(東京図書1972年発行)42頁によれば、半径がそれぞれR、R’の二つの弾性球体の接触問題は次式により与えられる。
 h=F2/3[D(1/R+1/R’)]1/3 …(1)
 D=(3/4)[(1−σ)/E+(1−σ')/E’] …(2)
 ここに、hはR+R’と両球の中心間の距離の差、Fは圧縮力、E、E’は二つの弾性球の弾性率、σ、σ'は弾性球のポアッソン比を表す。
 一方、球を剛体の板に置き換えて、かつ両側から圧縮する場合、R’→∞、E》E’とすると、近似的に次式が得られる。
 F=(21/2/3)(S3/2)(E・R1/2)(1−σ) …(3)
 ここにSは圧縮変形量を表す。この式を変形すると、容易に次式が得られる。
 K=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2 …(4)
 よって、K値を表す式:K=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2 …(5)
が得られる。
 このK値は、球体の硬さを普遍的かつ定量的に表すものである。このK値を用いることにより、基材微粒子の好適な硬さを定量的、かつ一義的に表すことが可能となる。
 10%圧縮歪におけるK値は、250kgf/mm〜700kgf/mmの範囲が好ましく、この範囲内にある基材微粒子を用いることにより、例えば、電極接続構造体を作製するときに、対向電極面を基材微粒子で傷付けるようなことがなく、また、加圧プレスにより両電極間のギャップ出しを行う際に、ギャップコントロールを容易に行うことができる。より好ましい10%圧縮歪におけるK値は、350kgf/mm〜550kgf/mmである。
 K値が700kgf/mmを超える場合、この導電性微粒子を二つの電極間に挟んで圧縮荷重を加えても、導電性微粒子は容易に変形せず、その結果、導電性微粒子と電極表面との接触面積が広がらず、接触抵抗値を低減させることが困難となる。また、導電性微粒子を変形させるべく無理に荷重を加えると、導電性微粒子表面の導電層(内側金属層や外側金属層)の破れや剥がれが生じたり、電極接続構造体を作製する際に電極面に傷を付けるおそれがある。
 K値が250kgf/mmを下回る場合、この導電性微粒子を二つの電極間に挟んで圧縮荷重を加えると、しばしば圧縮変形が過大となるため、導電性微粒子表面の導電層がこの変形に追従できなくなり、その結果、導電層の破れや剥がれが発生するという危険が生ずる。また、圧縮変形量が過大となって導電性微粒子が偏平すると、電極同士が直接に接触するという事態が発生し、微細接続ができなくなるという問題も生ずる。
 ところで、液晶表示素子等の電極接続構造体に用いられる基材微粒子の好適な硬さを規定するだけでは、好適な基材微粒子の材料力学的な性質を完全に表現することはできない。
 もう一つの重要な性質は、基材微粒子の弾性を示す値である圧縮変形後の回復率が所定範囲内にあることである。圧縮変形後の回復率を規定することによって、基材微粒子の弾性ないし弾塑性を定量的に且つ一義的に表すことが可能となるのである。本発明に使用する基材微粒子において、基材微粒子の圧縮変形後の回復率は、20℃において30%〜80%の範囲が好ましい。特に好ましい圧縮変形後の回復率は、40%〜70%の範囲である。回復率が80%を超える場合、この導電性微粒子を分散させた接着剤を二つの電極間に挟んで加圧接着し、接着剤が硬化後に除圧すると、圧縮変形した導電性微粒子は弾性回復し易いため、接着剤層が電極表面から引き剥されるという事態が発生するおそれがある。
 回復率が30%を下回る場合、この導電性微粒子を分散させた接着剤を二つの電極間に挟んで加圧接着し、接着剤が硬化後に除圧するという方法で作製した電極接続構造体は、冷熱繰り返しの環境下において、接着剤層が収縮と膨張を繰り返すが、導電性微粒子は、圧縮変形されたままの状態であるため、接着剤層の膨張時に電極表面との間に間隙を生じ、接触不良を引き起こすおそれがある。
 本発明の基材微粒子は上述したように無機質基材微粒子あるいは合成樹脂基材微粒子をともに用いることができるが、上記K値及び回復率を上記範囲内に調整することが容易に行える点で合成樹脂基材微粒子が好ましく用いられる。
 従って、基材微粒子は、K=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2〔ここに、F、Sはそれぞれ基材微粒子の10%圧縮変形における荷重値(kgf)、圧縮変位(mm)であり、Rは基材微粒子の半径(mm)である〕で定義されるKの値が10%圧縮歪において250kgf/mm〜700kgf/mmの範囲であり、かつ圧縮変形後の回復率が20℃において30%〜80%の範囲であるものが好適に使用される。
 次に、K値ならびに圧縮変形後の回復率の測定法について説明する。
(A) K値の測定方法及び条件
 (i)測定方法
 室温において、平滑表面を有する鋼板の上に基材微粒子を散布し、その中から1個の基材微粒子を選ぶ。次に、微小圧縮試験機(PCT-200型 島津製作所製)を用いて、ダイヤモンド製の直径50μm の円柱の平滑な端面で基材微粒子を圧縮する。この際、圧縮荷重を電磁力として電気的に検出し、圧縮変位を作動トランスによる変位として電気的に検出する。
 そして、図3に示すような圧縮変位−荷重の関係が求められる。図3から、基材微粒子の10%圧縮変形における荷重値、圧縮変位がそれぞれ求められ、これらの値と(5)式とから図4に示すようなK値と圧縮歪との関係が求められる。
 但し、圧縮歪は、圧縮変位を基材微粒子の粒子径で割った値を%で表したものである。
 (ii)圧縮速度
 定負荷速度圧縮方式で行った。毎秒の0.27グラム重(grf)の割合で荷重が増加した。
 (iii)試験荷重
 最大10grfとした。
(B) 圧縮変形後の回復率の測定方法及び条件
 (i)測定方法
 室温において、平滑表面を有する鋼板の上に基材微粒子を散布し、その中から1個の基材微粒子を選ぶ。次に、微小圧縮試験機(PCT-200型 島津製作所製)を用いて、ダイヤモンド製の直径50μm の円柱の平滑な端面で基材微粒子を圧縮する。この際、圧縮荷重を電磁力として電気的に検出し、圧縮変位を作動トランスによる変位として電気的に検出する。
 そして、図5に示すように、基材微粒子を反転荷重値まで圧縮した後(図5中、曲線(a)で示す)、逆に荷重を減らしていく(図5中、曲線(b)で示す)。この際、荷重と圧縮変位との関係を測定する。ただし、除荷重における終点は荷重値ゼロではなく、0.1g以上の原点荷重値とする。回復率は、反転の点までの変位Lと反転の点から原点荷重値を取る点までの変位差Lの比(L/L)を%で表した値で定義する。
 (ii)測定条件
 反転荷重値  1grf
 原点荷重値  0.1grf
 負荷および除負荷における圧縮速度
    0.27grf/sec
 測定室温度  20℃
 本発明の基材微粒子は、着色されていてもよい。着色された基材微粒子の例は、例えば、特開昭57-189117号公報、特開昭63-89890号公報、特開平1-144021号公報、特開平1-144429号公報などに開示されており、これらに開示された着色基材微粒子を用いてもよい。
 導電性微粒子9を対向する電極4、5間に配設して、外側金属層1の融点以上900℃未満の温度で加熱すると、図1及び図2に示すように、外側金属層1は、溶融し、内側金属層2と電極4、5との接触部分の間隙を埋めるようになる。一方、内側金属層2は、融点が900℃以上と高いため、加熱時において溶融することはなく、外側金属層1が溶融した後も所定厚みの導電層が基材微粒子3表面に存在する。
 従って、導電性微粒子9と電極4、5表面との接触部の導電には、外側金属層1の溶融部1aが寄与し、導電性微粒子9の導通には、高融点の内側金属層2が寄与することになり、両電極4、5は、外側金属層1の溶融部1a、1a、内側金属層2を介して導電接続されることになる。
 このような構成の電極接続構造体においては、導電性微粒子9と電極4、5との接触面積が広がっているため、接触抵抗値は大幅に低減される。また、外側金属層1の溶融部1aは、導電性微粒子9と電極4、5との間隙を埋め、かつ電極面に密着しているため、上下二つの電極4、5は、強固に接続される。そのために、電極接続構造体のヒートサイクル試験を行う際、従来しばしば見られた電極4、5表面から導電性微粒子9が離れるような不都合が全く見られないものである。
 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
[実施例1]
 テトラメチロールメタントリアクリレートを懸濁重合させた後、分級により平均粒子径7.05μm 、標準偏差0.25μm の樹脂微粒子を得た。この樹脂微粒子の圧縮歪10%におけるK値は、475kgf/mmであり、圧縮変形後の回復率は、55%であった。
 この樹脂微粒子に、無電解ニッケルメッキを行った後、更に、その外周に無電解インジュウムメッキを行った。
 このようにして得られた導電性微粒子を分析した結果、ニッケルが20.3重量%、インジュウムが11.2重量%メッキされていた。
 次に、導電性微粒子1.0gとガラスファイバー(直径5.5μm 、平均長さ27.5μm )0.5gとを、エポキシ樹脂(吉川化工製SE-4500)75g及びその硬化剤25gに混ぜ合わせてペーストを作成した。次に、全面に30Ωの表面抵抗を有するITO膜が形成されたガラス電極上に、上記ペーストを一定厚みで塗布した後、FPC電極(電極幅100μm 、電極間幅100μm の銅電極が30本ポリイミドフィルム上に形成されたもの)を重ね合わせた。次に、この積層体をプレス機に挟み、0.2kg/cmの圧力、180℃の温度で20分間加熱圧着した。その後、プレスを冷却し、導電性微粒子の溶融したインジュウムを固化させた。
 このようにして作製した電極接続構造体を、高温側が90℃、1時間、低温側が−40℃、1時間で作動する冷熱衝撃試験器(タバイエスペック(株)製TSV-40型)にセットして、240サイクルまで試験した。
 この電極接続構造体における、銅電極端部での隣接銅電極間の抵抗値を測定した。
 上記の信頼性試験前後での抵抗値を測定したところ、表1に示す結果が得られた。この結果より、導電性微粒子と電極との接続信頼性は、きわめて優れていることがわかった。
[実施例2]
 実施例1で使用したものと同じ樹脂微粒子に、無電解ニッケルメッキを行った後、さらにその外周に無電解錫メッキを行った。このようにして得られた導電性微粒子を分析した結果、ニッケルが22.4重量%、錫が10.3重量%メッキされていた。
 次に、この導電性微粒子を用いて実施例1と同様にしてペースト化し、このペーストを用い、250℃、5分間、0.2kg/cmで熱圧着したこと以外は実施例1と同様にして電極接続構造体を作製し、信頼性試験を実施した。
 その結果、表1に示すように、導電性微粒子と電極との接続信頼性は、きわめて優れていることがわかった。
[実施例3]
 実施例1で使用したものと同じ樹脂微粒子に、無電解ニッケルメッキを行い、ニッケルコート微粒子を作成した。次に、このニッケルコート微粒子10gに対して、平均粒径が0.3μm のハンダ微粒子を3g混ぜ合わせたものをハイブリダイザーO型機((株)奈良機械製作所製)にかけ、コーティング処理を行った。その結果、ハンダがニッケルコート微粒子の周りに均一にコートされた。得られた導電性微粒子を分析した結果、ニッケル含有率は18.0重量%、ハンダ含有率は13.8重量%であった。
 この導電性微粒子を実施例1と同様にしてペースト化し、このペーストを用い、200℃、10分間、0.2kg/cmで熱圧着したこと以外は実施例1と同様にして電極接続構造体を作製した。これについて、信頼性試験を実施した。
 その結果、表1に示すように、導電性微粒子と電極との接続信頼性は、きわめて優れていることがわかった。
[比較例1]
 無電解インジュウムメッキを行わないこと以外は、実施例1と同様にして電極接続構造体を作製し、これについて、信頼性試験を実施した。
 その結果、表1に示すように、導電性微粒子と電極との接続信頼性は、きわめて劣っていることがわかった。
[比較例2]
 ニッケルメッキのかわりに、スズメッキを行ったこと以外は、実施例1と同様にして電極接続構造体を作製し、これについて、信頼性試験を実施した。
 その結果、表1に示すように、導電性微粒子と電極との接続信頼性は、きわめて劣っていることがわかった。
Figure 2004095561
 本発明の導電性微粒子、電極接続構造体及びその製造方法は、エレクトロニクス実装分野において用いられる。
本発明の電極接続構造体の一実施例の要部断面図である。 図1の電極接続構造体の要部の拡大図である。 荷重とスペーサーの圧縮変位との関係を示すグラフである。 K値とスペーサーの圧縮歪みとの関係を示すグラフである。 スペーサーの圧縮変形後の回復率の測定方法を説明する図である。
符号の説明
1  外側金属層
1a 外側金属層の溶融部
2  内側金属層
3  基材微粒子
4  ITO電極
5  銅電極
6  ガラス基板
7  ポリイミドフィルム
8  バインダー
9  導電性微粒子

Claims (3)

  1.  微細電極間の導電接続に用いられる導電性微粒子であって、基材微粒子の表面に融点が900℃以上の内側金属層が形成され、その内側金属層の外側に融点が350℃以下の外側金属層が形成されており、160〜300℃の温度での加熱により外側金属層のみが電極に溶融固着し、該溶融固着によって低減された微細電極間の接触抵抗値が、高温側が90℃、1時間、低温側が−40℃、1時間で作動する冷熱衝撃試験を240サイクル行った後にも保たれることを特徴とする導電性微粒子。
  2.  請求項1記載の導電性微粒子が、対向する電極の間に配設され、該導電性微粒子の外側金属層が該対向電極に溶融固着されていることを特徴とする電極接続構造体。
  3.  請求項1記載の導電性微粒子を対向する電極の間に配設し、外側金属層の融点以上かつ900℃未満の温度に加熱することを特徴とする電極接続構造体の製造方法。
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