JPH05186474A - ビス(ペリ−ジカルコゲン)フェナントレン、その製造法、及びそれを用いた導電性電荷移動錯体 - Google Patents

ビス(ペリ−ジカルコゲン)フェナントレン、その製造法、及びそれを用いた導電性電荷移動錯体

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JPH05186474A
JPH05186474A JP246192A JP246192A JPH05186474A JP H05186474 A JPH05186474 A JP H05186474A JP 246192 A JP246192 A JP 246192A JP 246192 A JP246192 A JP 246192A JP H05186474 A JPH05186474 A JP H05186474A
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bis
phenanthrene
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Fumio Ogura
文夫 小倉
Tetsuo Otsubo
徹夫 大坪
Yoshio Aso
芳雄 安蘇
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Osaka Soda Co Ltd
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Daiso Co Ltd
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I) 【化1】 [式中、Xはカルコゲン原子を意味する]で表わされる
ビス(ペリ−ジカルコゲン)フェナントレン、及びこれ
と電子受容体とからなる導電性電荷移動錯体である。 【効果】 高導電性の電荷移動錯体を構成する電子供与
体として作用する新規有機化合物、その製造法、及びそ
の合成中間体を提供することができる。また、本発明に
よれば、得られた化合物を電子供与体として用いた高導
電性の有機電荷移動錯体を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なビス(ペリ−ジ
カルコゲン)アントラセン、その製造法、及びその合成
中間体、並びに該ビス(ペリ−ジカルコゲン)アントラ
センを電子供与体として用いた高導電性の有機電荷移動
錯体に関する。
【0002】
【従来の技術】有機高導電性物質は、銅やアルミニウム
などの金属材料に比べて軽量であること、腐食性がない
ことなどの優れた利点をもっていることから、近年特に
注目されてきている。有機高導電性物質はまた、金属材
料に比べて豊富に存在する有機質資源を原料にして製造
できる点でも優れている。
【0003】一般に、有機物質は電気絶縁体としての性
質を有しており、これに導電性を付与するには電荷移動
錯体を形成させる手法がとられる。従来、種々の電子供
与体及び電子受容体が合成され、これらの組合せから多
数の導電性電荷移動錯体が提案されている。
【0004】その中でも、一般式(IX)
【化4】 [式中、Xはカルコゲン原子、m、nは0、1又は2を
それぞれ意味する]で表されるビス(ペリ−ジカルコゲ
ン)アントラセンは、比較的高い導電性を示す電荷移動
錯体を構成できる電子供与体であるとの報告がある(K.T
akimiya,et.al., Bull.Chem.Soc.Jap.,64,2091(1991))
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記化合物
(IX) を電子供与体とした錯体の大部分は、導電性の目
安であるσ値(S・cm−1で表わす)が1未満と低
く、満足いく導電性を示さなかった。
【0006】本発明は、上記の点に鑑み、高導電性の電
荷移動錯体を構成する電子供与体として作用する新規有
機化合物、その製造法、及びその合成中間体を提供する
ことを目的とする。
【0007】本発明のもう1つの目的は、得られた化合
物を電子供与体として用いた高導電性の有機電荷移動錯
体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、 一般式(I)
【化5】 [式中、Xはカルコゲン原子を意味する]で表わされる
ビス(ペリ−ジカルコゲン)フェナントレンを電子供与
体として用いた有機電荷移動錯体が優れた導電性を示す
という知見を得て完成されたものである。
【0009】本明細書全体を通して、「カルコゲン原
子」なる用語は、イオウ、セレン及びテルルの各原子を
意味する。
【0010】一般式(I) で表わされるビス(ペリ−ジカ
ルコゲン)フェナントレンにおいて、カルコゲン原子と
して特に好適なものは、イオウ、セレンである。
【0011】ビス(ペリ−ジカルコゲン)フェナントレ
ン(I) の代表例は、フェナントロ[1,10−cd:8,9 −
c´d´]ビス[1,2]−ジセレノール、フェナント
ロ[1,10−cd:8,9 −c´d´]ビス[1,2]−ジ
チオールである。
【0012】一般式(I) で表わされるビス(ペリ−ジカ
ルコゲン)フェナントレンは、 一般式(II)
【化6】 [式中、Yはハロゲン原子を意味する]で表わされるフ
ェナントレン誘導体を 一般式(III) M2 2 ……(III) [式中、Mはアルカリ金属、Xはカルコゲン原子をそれ
ぞれ意味する]で表わされる化合物と反応させることに
より、製造される。
【0013】ハロゲン原子Yとしては、塩素原子又は臭
素原子が好ましい。
【0014】アルカリ金属Mとしては、カリウム原子又
はナトリウム原子が好ましい。
【0015】この反応は下記の反応式(F) で示される。
【0016】
【化7】 式(F) の反応の一方の出発物質として用いる化合物(II
I) はいかなる方法で調製したものでもよい。調製法と
しては、カリウム又はナトリウム金属とイオウ又はセレ
ン原子をジメチルホルムアミド(DMF)のような非プ
ロトン性極性溶媒中で反応させて合成するのが簡便であ
り、かつ収率も良い。
【0017】式(F) の反応において、反応溶媒として
は、DMF、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどの非プ
ロトン性極性溶媒、テトラヒドロフランその他のエーテ
ル類を用いることができるが、収率の点で前者とりわけ
DMFが好ましい。反応温度は好ましくは100〜20
0℃である。100℃以下では反応速度が遅いことがあ
る。反応時間は通常10〜100時間である。
【0018】式(F) の反応は必要に応じて塩化第二銅の
存在下に行われる。特にXがイオウ原子である場合、触
媒量の塩化第二銅を使用することにより化合物(I) の収
率が飛躍的に向上する。
【0019】生成した化合物(I) は再結晶、クロマトグ
ラフィーなどの通常の精製手段により単離することがで
きる。
【0020】式(F) の反応のもう一方の出発物質である
フェナントレン誘導体(II)もまた新規化合物であり、た
とえば、公知化合物から下記の数段階を経て合成するこ
とができる。
【0021】
【化8】 [上記各式中、Yは同一又は異なるハロゲン原子を意味
する]これらの各反応段階の内、式(A) の反応は、公知
化合物(IV)たとえば2,2−ジメチル−3,3−ジクロ
ロビフェニルをN−ブロムコハク酸イミド(NBS) とラジ
カル開始剤存在下又は光照射下に反応させて化合物(V)
を得るものである。この反応の溶媒としては、たとえば
四塩化炭素が用いられる。反応は好ましくは還流下に行
われる。
【0022】式(B) の反応は、上記化合物(V) をフェニ
ルリチウムのような有機リチウム試薬と反応させ、リチ
ウム−ハロゲン交換を行った後、分子内閉環を経て化合
物(VI)を得るものである。この反応は通常テトラヒドロ
フランのようなエーテル系溶媒中で行われ、反応温度と
しては−20〜50℃が好ましい。
【0023】式(C) の反応は、化合物(VI)においてベン
ジル位のラジカルによるハロゲン化/脱ハロゲン化水素
を行うものであり、この反応によりフェナントレン骨格
が形成される。ハロゲン化試剤としてはN−ブロムコハ
ク酸イミドが好ましく、溶媒としては四塩化炭素が好ま
しく、反応は好ましくは還流下に行われる。この条件下
では、ハロゲン化されると共に脱ハロゲン化水素された
化合物(VII) が一挙に収率よく得られる。
【0024】式(D) と式(E) の各反応は、化合物(VII)
と化合物(VIII)においてフェナントレン環の活性な二重
結合にハロゲンを付加させた後、脱ハロゲン化水素を経
て、それぞれ化合物(VIII)と化合物(II)を得る反応であ
る。化合物(VIII)と化合物(II)において、ハロゲン原子
(Y)としては塩素及び臭素が好ましい。脱ハロゲン化
水素はKOHのようなアルカリ金属水酸化物の使用によ
って容易に進行する。各反応段階で得られた化合物(V)
〜(II)は抽出、クロマトグラフィー、再結晶などの通常
の方法でそれぞれ精製することができる。
【0025】フェナントレン誘導体(II)の代表例は、1,
8,9,10−テトラクロロフェナントレンである。
【0026】一般式(I) で表わされるビス(ペリ−ジカ
ルコゲン)フェナントレンは、電子供与体として作用
し、これと電子受容体とからなる導電性電荷移動錯体は
高い導電性を示す。
【0027】この電子供与体と組み合わされる電子受容
体としては、7,7,8,8 −テトラシアノキノジメタン、2,
3,5,6 −テトラフルオロ−7,7,8,8 −テトラシアノキノ
ジメタン、 2,3−ジクロロ−5,6 −ジシアノ−p−ベン
ゾキノン、クロラニル、ヘキサシアノブタジエン、ジシ
アノキノジイミン、テトラシアノエチレン、臭素及びヨ
ウ素よりなる群から選ばれた化合物又は元素が例示され
る。
【0028】上記電荷移動錯体を合成するには、有機溶
媒中で化合物(I) と電子供与体とを混合する方法が一般
的である。この方法により固体の錯体が容易に得られ
る。この際に用いる有機溶媒としては、トルエン、クロ
ロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラ
ンなどのエーテル類;酢酸エチルなどのエステル類;ア
セトニトリルのようなニトリル類;ジクロロメタンのよ
うなハロゲン化炭化水素類などが例示される。この電荷
移動錯体の合成法としては、上記方法のほか、有機溶媒
を用いずに相当量の化合物(I) と電子受容体とを乳鉢な
どでよく混合する方法も実施可能である。
【0029】こうして得られた電荷移動錯体としては、
化合物(I) と電子受容体とのモル比が1:1又は2:1
の割合であるものが通例である。
【0030】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を幾つか挙げて本発
明を具体的に説明する。
【0031】実施例1 (フェナントロ[1,10−cd:
8,9 −c´d´]ビス[1,2]−ジセレノールの合
成)
【化9】 金属ナトリウム(276mg 、12mg atom)とセレン金属
(945mg 、12mg atom)を窒素雰囲気下DMF(40m
l)中120℃で5時間加熱し、Na2 Se 2 のDMF
溶液を調製した。
【0032】この溶液に1,8,9,10−テトラクロロフェナ
ントレン(474mg 、1.5mmol )のDMF(40ml)溶液
を加え、混合液を140℃で48時間加熱した。
【0033】この反応混合物を室温まで冷却し、1夜攪
拌しつつ空気に曝して酸化した後、飽和食塩水(100
ml)中に注ぎ、析出した沈殿を濾別し水洗、乾燥した。
粗生成物を温度勾配付昇華(Gradient Sublimation)に
付し、金属状光沢を持つ黒色の固体を得た。この固体に
は目的物とセレン金属が含まれていたので、これを二硫
化炭素で抽出処理し、抽出物を同じ溶媒でシリカゲルに
よるクロマトグラフィーに付した後、同じ溶媒で再結晶
して黒色針状晶のフェナントロ[1,10−cd:8,9 −c
´d´]ビス[1,2]−ジセレノールを得た(132mg
、収率18%)。
【0034】 融点:273.0〜274.0℃(分解) MS(m/z):490 (M)(4つのSeに基く同位体パ
ターンが観測された) 1 H−NMR(二硫化炭素+アセトン−d6 ) δ:7.46(dd,J=7.9 , 0.97Hz ,2H Ar-H) 7.35(t, J=7.9Hz, 2H ,Ar-H) 8.19(dd. J=7.9 ,0.97Hz ,2H Ar-H) 元素分析: C:34.30 %、 H:1.20% (C146 Se4 としての計算値:C34.31 %、 H:
1.23%) サイクリックボルタンメトリー(vs Ag/AgC
l, WE:Pt,0.1M Bu4 + ClO4 -
ベンゾニトリル溶液) E1 1/2:0.64V, E2 1/2:1.02V実施例2 (フェナントロ[1,10−cd:8,9 −c´d
´]ビス[1,2]−ジチオールの合成)
【化10】 実施例1と同様にして、金属ナトリウム(2.5g atom 当
量)とイオウ(3gatom当量)を窒素雰囲気下DMF中
120℃で5時間加熱し、Na2 2 のDMF溶液を調
製した。
【0035】この溶液に塩化第二銅(0.125 当量)を加
え、ついで1,8,9,10−テトラクロロフェナントレン(1
当量)のDMF溶液を加え、混合液を140℃で40時
間加熱した。
【0036】この反応混合物の後処理は実施例1と同様
に行い、黒色褐色針状晶のフェナントロ[1,10−cd:
8,9 −c´d´]ビス[1,2]−ジチオールを得た
(収率52%)。
【0037】 融点:256.0〜257.0℃(分解) MS(m/z):302 (M 1 H−NMR(二硫化炭素+アセトン−d6 ) δ:7.33(d, J=7.9 Hz ,2H, Ar-H) 7.39(t, J=7.9Hz, 2H ,Ar-H) 8.03(d. J=7.9 Hz ,2H ,Ar-H) 元素分析: C:55.60 %、H:1.98% (C146 4 としての計算値:C55.60 %、H:2.00
%) サイクリックボルタンメトリー(vs Ag/AgC
l, WE:Pt,0.1M Bu4 + ClO4 -
ベンゾニトリル溶液) E1 1/2:0.65V, E2 1/2:1.02V実施例3 (1,8,9,10−テトラクロロフェナントレンの合
成)
【化11】 2,2´−ジメチル−3,3´−ジクロロビフェニル
(16g、0.064 mol )とN−ブロムコハク酸イミド(2
4g、0.13mol )と四塩化炭素500mlの混合物
をタングステンランプ照射下に1時間加熱還流した。冷
却後、反応混合物から固体を濾取し、少量の四塩化炭素
で洗った。濾液と洗浄液を合わせて減圧下に濃縮し、残
渣をクロロホルムに溶解した後、ヘキサンを加えて化合
物(V) を無色の粉末として得た(24g、92%)。
【0038】 融点:122.0〜124.0℃(クロロホルム−ヘキ
サンより再結晶) MS(m/z):406 (M 1 H−NMR(四塩化炭素) δ:4.15(d, J=10 Hz ,2H,CH2 −) 4.38(d, J=10 Hz ,2H,CH2 −) 7.20〜7.47(m,6H,Ar-H) 元素分析: C:41.11 %、H:2.32% (C1410Cl2 Br2 としての計算値、C:41.12
%、H:2.46%)
【化12】 化合物(V) (20g、0.0488mol )をテトラヒド
ロフラン(200ml)に溶解し、0℃で窒素雰囲気下フ
ェニルリチウムのエーテル−シクロヘキサン溶液(1.
0M、50ml)を加え、混合物を室温で2時間攪拌し
た。氷(100g)上に反応液を注ぎ、希塩酸(1.0
M、100ml)を加えて液を酸性にした後、ベンゼン
(100ml)で3回抽出した。有機層を水洗、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後、濾過し、減圧下濃縮した。残渣
をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキ
サン−クロロホルム混液で溶出して化合物(VI) を無色
の固体として得、ヘキサンから再結晶して無色針状晶を
得た。(8.4g、収率70%) 融点:88.0〜88.5℃ MS(m/z):248(M 1 H−NMR(四塩化炭素) δ:3.01(s,4H.CH2 ) 7.15〜7.40(m,4H,Ar-H) 7.60(d.d, J=7.2 Hz ,2H ,Ar-H) 元素分析: C:67.44 %、H:4.04% (C1410Cl2 としての計算値:C67.49 %、H:4.
05%)
【化13】 化合物(VI)(7.5g、0.03mol )をブロムコハク
酸イミド(5.65g、0.032mol )と四塩化炭素
(150ml) 中で2時間加熱還流した。反応液を冷却
後、減圧下に濃縮し、残渣を熱水で洗浄し、不溶の化合
物(VII)を濾取した(7.1g、収率95%)。これを
ベンゼンから再結晶し、無色プリズム晶を得た。
【0039】 融点:221〜222.5℃ MS(m/z):246(M 1 H−NMR(重クロロホルム) δ:7.68(m,4H,Ar−H ) 8.35(s,2H、Ar−H ) 8.62(dd, J=7.2 ,2Hz ,2H ,Ar-H) 元素分析: C:68.04 %、H:3.16% (C148 Cl2 としての理論値:C68.04 %、H:3.
26%)
【化14】 化合物(VII) (7.5g、0.23mol )を四塩化炭素
(350ml)に溶かし、塩素ガスを導入しつつ還流下
に12時間加熱した。冷却後、減圧下に溶媒を留去し
た。残渣をクロロホルム−ヘキサンから再結晶し、テト
ラクロル体(8.6g、収率90%)を得た。このもの
(11g,0.034mol)と水酸化カリウム(4
g、0.07mol )をエタノール(150ml)に溶か
し、1夜加熱還流した。冷却後、析出した沈殿を濾取し
減圧下に乾燥した。この混合物をアルミナによるカラム
クロマトグラフィーに付し、塩化メチレンで溶出した
後、クロロホルム−ヘキサンから再結晶して化合物(VI
II) を得た(7.1g、収率75%)。
【0040】 融点:154.5〜156.0℃ MS(m/z):280(M 1 H−NMR(重クロロホルム) δ:7.51〜7.82(m,4H,Ar−H ) 8.34(s,1H、Ar−H ) 8.54〜8.70(m,2H,Ar-H) 元素分析: C:59.50 %、H:2.37% (C147 Cl3 としての計算値:C:59.72 %、H:
2.51%)
【化15】 上記反応と同様にして、化合物(VIII) の塩素化を行
い、ペンタクロル体を収率85%で得た。これを上記反
応と同様に脱塩化水素化し、化合物(II)を収率92%
で得た。クロロホルム−ヘキサンからの再結晶により無
色針状晶を得た。
【0041】 融点:163.0℃ MS(m/z):316(M 1 H−NMR(重クロロホルム)δ: 7.30〜7.85(m,4H,Ar−H ) 8.45(dd,J=8.2 ,2Hz,Ar−H ) 元素分析: C:53.01 %、H:2.05% (C146 Cl4 としての計算値:C:53.21 %、H:
1.91%)実施例4 (電荷移動錯体の調製) 表1に示す電子供与体と電子受容体を、それぞれ出来る
だけ少量のクロルベンゼンに加熱溶解した後、これらの
熱溶液を混合し、徐々に冷却させることにより電荷移動
錯体を調製した。これらの錯体の各種物性データを表1
に示す。比較例1〜2 文献報告されている他の電荷移動錯体の各種物性データ
を同様に表1に示す。
【表1】 *1 KBr錠でのIR吸収 *2 圧縮成形したペレットを2点法又は4点法により
室温で測定 *3 K.Takimiya, Y.Aso,T.Otsubo, and F.Ogura,Bul
l.Chem.Soc.Jpn.,64,2091(1991) TCNQ:7,7,8,8 −テトラシアノキノジメタン TCNQF4 :2,3,5,6 −テトラフルオロ−7,7,8,8 −テト
ラシアノキノジメタン TMTTA :2,3,6,7 −テトラメチル−1,4,9,10−テトラチ
オアントラセン TMTSA :2,3,6,7 −テトラメチル−1,4,9,10−テトラセ
レノアントラセン 表1から明らかなように、実施例の電荷移動錯体は比較
例のものに比べいずれも高い導電性を示すことが認めら
れる。
【0042】
【発明の効果】以上の次第で、本発明によれば、高導電
性の電荷移動錯体を構成する電子供与体として作用する
新規有機化合物、その製造法、及びその合成中間体を提
供することができる。また、本発明によれば、得られた
化合物を電子供与体として用いた高導電性の有機電荷移
動錯体を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/12 7244−5G

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 [式中、Xはカルコゲン原子を意味する]で表わされる
    ビス(ペリ−ジカルコゲン)フェナントレン。
  2. 【請求項2】一般式(II) 【化2】 [式中、Yはハロゲン原子を意味する]で表わされるフ
    ェナントレン誘導体を 一般式(III) M2 2 ……(III) [式中、Mはアルカリ金属、Xはカルコゲン原子をそれ
    ぞれ意味する]で表わされる化合物と反応させることを
    特徴とする請求項1記載のビス(ペリ−ジカルコゲン)
    フェナントレンの製造法。
  3. 【請求項3】反応を塩化第二銅の存在下に行う請求項2
    記載の製造法。
  4. 【請求項4】一般式(II) 【化3】 [式中、Yはハロゲン原子を意味する]で表わされるフ
    ェナントレン誘導体。
  5. 【請求項5】請求項1記載のビス(ペリ−ジカルコゲ
    ン)フェナントレンと電子受容体とからなる導電性電荷
    移動錯体。
  6. 【請求項6】電子受容体が7,7,8,8 −テトラシアノキノ
    ジメタン、2,3,5,6 −テトラフルオロ−7,7,8,8 −テト
    ラシアノキノジメタン、 2,3−ジクロロ−5,6 −ジシア
    ノ−p−ベンゾキノン、クロラニル、ヘキサシアノブタ
    ジエン、ジシアノキノジイミン、テトラシアノエチレ
    ン、臭素及びヨウ素よりなる群から選ばれた化合物又は
    元素である請求項5記載の導電性電荷移動錯体。
JP246192A 1992-01-09 1992-01-09 ビス(ペリ−ジカルコゲン)フェナントレン、その製造法、及びそれを用いた導電性電荷移動錯体 Withdrawn JPH05186474A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7129796B2 (en) 2003-11-25 2006-10-31 Sanyo Electric Co., Ltd. Oscillator circuit with supporting transistor for voltage sweep

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7129796B2 (en) 2003-11-25 2006-10-31 Sanyo Electric Co., Ltd. Oscillator circuit with supporting transistor for voltage sweep

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