JPH0613495B2 - 新規電子受容体及びこれを成分とする電荷移動錯体 - Google Patents
新規電子受容体及びこれを成分とする電荷移動錯体Info
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- JPH0613495B2 JPH0613495B2 JP1171720A JP17172089A JPH0613495B2 JP H0613495 B2 JPH0613495 B2 JP H0613495B2 JP 1171720 A JP1171720 A JP 1171720A JP 17172089 A JP17172089 A JP 17172089A JP H0613495 B2 JPH0613495 B2 JP H0613495B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規な電子受容体及びその中間体並びに該電子
受容体を一成分とした高導電性の有機電荷移動錯体に関
する。
受容体を一成分とした高導電性の有機電荷移動錯体に関
する。
(従来の技術) 有機高導電性物質は銅やアルミニウム等の金属材料に比
べ軽量であり、腐蝕性がないこと或いは豊富に存在する
有機資源を製造原料に使用できる等の優れた利点を有す
ることから近年特に注目されつつある。
べ軽量であり、腐蝕性がないこと或いは豊富に存在する
有機資源を製造原料に使用できる等の優れた利点を有す
ることから近年特に注目されつつある。
一般に有機物質は電気絶縁性であるが、これに導電性を
付与するには電荷移動錯体を形成させるのがよく、これ
までに種々の電子供与体と電子受容体が合成され、これ
らの組合わせから多数の導電性電荷移動錯体が提出され
ている。
付与するには電荷移動錯体を形成させるのがよく、これ
までに種々の電子供与体と電子受容体が合成され、これ
らの組合わせから多数の導電性電荷移動錯体が提出され
ている。
たとえば従来知られている典型的な電子受容体であるテ
トラシアノキノジメタン(A)のヘテロ環同族体と見做
せる下記式(B)で示される 2,5−ビス(ジシアノメチレン)−2,5−ジヒドロセレノ
フェンはグロノヴイッツ(S.Gronowitz)とアップストレ
ーム(B.Uppstrom)(Acta.Chem.Scand.,Ser.B,28,981(197
4))によって報告されたが電子受容体としては特に注目
されなかった。
トラシアノキノジメタン(A)のヘテロ環同族体と見做
せる下記式(B)で示される 2,5−ビス(ジシアノメチレン)−2,5−ジヒドロセレノ
フェンはグロノヴイッツ(S.Gronowitz)とアップストレ
ーム(B.Uppstrom)(Acta.Chem.Scand.,Ser.B,28,981(197
4))によって報告されたが電子受容体としては特に注目
されなかった。
また本発明者らは下記式(C)で示される 5,5′−ビス−(ジシアノメチレン)−5,5′−ジヒドロ
−2,2′−ビチオフェンを見出し、これとテトラチアフ
ルバレン又はテトラチオテトラセンとの電荷移動錯体が
2.2×10-4〜3.3×10-4Scm-1の電気伝導度を示すことを
見出した(J.Chem.Soc.Chem.Commun.1987,1816)。
−2,2′−ビチオフェンを見出し、これとテトラチアフ
ルバレン又はテトラチオテトラセンとの電荷移動錯体が
2.2×10-4〜3.3×10-4Scm-1の電気伝導度を示すことを
見出した(J.Chem.Soc.Chem.Commun.1987,1816)。
(発明が解決しようとする課題) テトラシアノキノジメタン(A)に対するヘテロ環同族
体のヘテロ原子としては従来技術では硫黄原子,セレン
原子が用いられてきたが、本発明ではこれら周期律表第
VIb族原子の中で最も電気陰性度の大きい酸素原子を導
入した新規な電子受容体及びその中間体を提供するこ
と,並びに該化合物を電子受容体としてこれに適切な電
子供与体を組合わせた改善された高導電性電荷移動錯体
を提供することを目的とする。
体のヘテロ原子としては従来技術では硫黄原子,セレン
原子が用いられてきたが、本発明ではこれら周期律表第
VIb族原子の中で最も電気陰性度の大きい酸素原子を導
入した新規な電子受容体及びその中間体を提供するこ
と,並びに該化合物を電子受容体としてこれに適切な電
子供与体を組合わせた改善された高導電性電荷移動錯体
を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は下記一般式(I) ((I)式中、Xは水素原子又はハロゲン原子を表わ
し、nは0又は1の整数であって、nが0のときはXは
水素原子を表わす。) で表わされる化合物,及び該化合物を電子受容体とし、
他成分の電子供与体とから導かれた導電性電荷移動錯体
を提供するものである。
し、nは0又は1の整数であって、nが0のときはXは
水素原子を表わす。) で表わされる化合物,及び該化合物を電子受容体とし、
他成分の電子供与体とから導かれた導電性電荷移動錯体
を提供するものである。
更に本発明は上記(I)式化合物を製造する際の中間体
である下記式(II)で表わされる化合物を提供するもの
である。
である下記式(II)で表わされる化合物を提供するもの
である。
本発明の化合物(I)及び化合物(II)は次の様にして
合成することができる。
合成することができる。
(1)化合物(I)においてn=1の場合 i) ii) iii) 又は iv) 反応 i) 2,2′−ビフラン(II−a)を溶媒中1〜4倍モルのN
−ブロモサクシニイミドと0〜50℃で0.1〜10時間反応
させて化合物(II−b)が得られる。溶媒としてはペン
タン,ヘキサン,シクロヘキサン,ベンゼン,クロロベ
ンゼン,ブロモベンゼン,クロロホルム,ジクロロメタ
ン等が挙げられる。
−ブロモサクシニイミドと0〜50℃で0.1〜10時間反応
させて化合物(II−b)が得られる。溶媒としてはペン
タン,ヘキサン,シクロヘキサン,ベンゼン,クロロベ
ンゼン,ブロモベンゼン,クロロホルム,ジクロロメタ
ン等が挙げられる。
反応 ii) さらに化合物(II−b)を溶媒中1〜5倍モルのN−ブ
ロモサクシニイミドと60〜150℃で0.1〜40時間反応させ
て化合物(II)が得られる。溶媒としてはヘキサン,シ
クロヘキサン,ベンゼン,クロロベンゼン,ブロモベン
ゼン等が挙げられる。
ロモサクシニイミドと60〜150℃で0.1〜40時間反応させ
て化合物(II)が得られる。溶媒としてはヘキサン,シ
クロヘキサン,ベンゼン,クロロベンゼン,ブロモベン
ゼン等が挙げられる。
化合物(II)はまた(II−a)化合物を2〜8倍モルの
N−ブロモサクシニイミドと60〜150℃で0.1〜40時間反
応させても得ることができる。溶媒としてはヘキサン,
シクロヘキサン,ベンゼン,クロロベンゼン,ブロモベ
ンゼン,クロロホルム等が挙げられる。
N−ブロモサクシニイミドと60〜150℃で0.1〜40時間反
応させても得ることができる。溶媒としてはヘキサン,
シクロヘキサン,ベンゼン,クロロベンゼン,ブロモベ
ンゼン,クロロホルム等が挙げられる。
なお化合物(II)のXが塩素原子の場合は化合物(II−
b)を溶媒中1〜5倍モルのN−クロロサクシニイミド
と60〜150℃で0.1〜40時間反応させて得ることができ
る。溶媒としてはヘキサン,シクロヘキサン,ベンゼ
ン,クロロベンゼン,ブロモベンゼン,クロロホルム等
が挙げられる。
b)を溶媒中1〜5倍モルのN−クロロサクシニイミド
と60〜150℃で0.1〜40時間反応させて得ることができ
る。溶媒としてはヘキサン,シクロヘキサン,ベンゼ
ン,クロロベンゼン,ブロモベンゼン,クロロホルム等
が挙げられる。
反応 iii)iv) 化合物(II−b)又は化合物(II)を溶媒中銅又は塩化第
一銅塩の存在下,又は非存在下で1〜10倍モルのテトラ
シアノエチレンオキシドと反応させて対応する化合物
(I−a)すなわちテトラシアノ−2,2′−ビフラノキ
ノジメタン又は化合物(I−b)が得られる。溶媒とし
てはペンタン,ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭
化水素、ジクロロメタン,クロロホルム,ブロモホル
ム,トリクロロエタン,ジブロモエタン,ジブロモプロ
パン等のハロゲン化芳香族炭化水素、ジエチルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル化合
物が挙げられる。反応温度は40〜200℃が適当であり、
反応時間は0.5〜50時間が適当である。
一銅塩の存在下,又は非存在下で1〜10倍モルのテトラ
シアノエチレンオキシドと反応させて対応する化合物
(I−a)すなわちテトラシアノ−2,2′−ビフラノキ
ノジメタン又は化合物(I−b)が得られる。溶媒とし
てはペンタン,ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭
化水素、ジクロロメタン,クロロホルム,ブロモホル
ム,トリクロロエタン,ジブロモエタン,ジブロモプロ
パン等のハロゲン化芳香族炭化水素、ジエチルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル化合
物が挙げられる。反応温度は40〜200℃が適当であり、
反応時間は0.5〜50時間が適当である。
(2)化合物(I)においてn=0の場合 vi) フラン(II−c)を上記反応i)と同様、溶媒中N−ブ
ロモサクシニイミドと反応させて化合物(II−d)が得
られる。次いで上記反応iii)と同様に、溶媒中銅又は塩
化第一銅の如き第一銅塩の存在下,又は非存在下でテト
ラシアノエチレンオキシドと反応させて化合物(I−
c)すなわちテトラシアノフラノキシジメタンが得られ
る。
ロモサクシニイミドと反応させて化合物(II−d)が得
られる。次いで上記反応iii)と同様に、溶媒中銅又は塩
化第一銅の如き第一銅塩の存在下,又は非存在下でテト
ラシアノエチレンオキシドと反応させて化合物(I−
c)すなわちテトラシアノフラノキシジメタンが得られ
る。
この様にして得られた本発明の化合物(I)はこれを電
子受容体とし、他成分からなる電子供与体と組合わせて
高電導性錯体を造ることができる。
子受容体とし、他成分からなる電子供与体と組合わせて
高電導性錯体を造ることができる。
本発明の電荷移動錯体は、一般には有機溶媒中で化合物
(I)と電子供与体とを混合することによって該錯体を
固体として合成することができる。
(I)と電子供与体とを混合することによって該錯体を
固体として合成することができる。
有機溶媒としてはベンゼン,トルエン,クロロベンゼ
ン,テトラヒドロフラン,アセトニトリル,ベンゾニト
リル,ジクロロメタン,クロロホルム,メチルアルコー
ル,エチルアルコールなどを挙げることができる。本発
明の錯体は上記方法の他、有機溶媒を用いずに相当量の
化合物(I)と電子供与体とを乳鉢等でよく混合するこ
とによっても合成することができる。本発明の電荷移動
錯体の合成に用いられる電子供与体としては各種のもの
が適用されるが、本発明においては2,2′,5,5′−テト
ラチアフルバレン,2,2′,5,5′−テトラセレナフルバ
レン,テトラメチルテトラチアフルバレン,テトラメチ
ルテトラセレナフルバレン,テトラチオメトキシテトラ
チアフルバレン,5,6,11,12−テトラチオテトラセン,
5,6,11,12−テトラセレナテトラセン,ヘキサメチレン
テトラチアフルバレン,ヘキサメチレンテトラセレナフ
ルバレン,ヘキサメチレンテトラテルラフルバレン,テ
トラフェニルビピラニリデン,N,N′−テトラメチル−
p−フェニレンジアミン,アセナフテンジテルリド,4,
5:4′,5′−ビス(エチレンジチオ)−2,2′,5,5′−
テトラチアフルバレン,ビチアピラン,テトラフェニル
ビチアピランから選ばれた電子供与体が高電導性を与え
る電子供与体成分として適当である。
ン,テトラヒドロフラン,アセトニトリル,ベンゾニト
リル,ジクロロメタン,クロロホルム,メチルアルコー
ル,エチルアルコールなどを挙げることができる。本発
明の錯体は上記方法の他、有機溶媒を用いずに相当量の
化合物(I)と電子供与体とを乳鉢等でよく混合するこ
とによっても合成することができる。本発明の電荷移動
錯体の合成に用いられる電子供与体としては各種のもの
が適用されるが、本発明においては2,2′,5,5′−テト
ラチアフルバレン,2,2′,5,5′−テトラセレナフルバ
レン,テトラメチルテトラチアフルバレン,テトラメチ
ルテトラセレナフルバレン,テトラチオメトキシテトラ
チアフルバレン,5,6,11,12−テトラチオテトラセン,
5,6,11,12−テトラセレナテトラセン,ヘキサメチレン
テトラチアフルバレン,ヘキサメチレンテトラセレナフ
ルバレン,ヘキサメチレンテトラテルラフルバレン,テ
トラフェニルビピラニリデン,N,N′−テトラメチル−
p−フェニレンジアミン,アセナフテンジテルリド,4,
5:4′,5′−ビス(エチレンジチオ)−2,2′,5,5′−
テトラチアフルバレン,ビチアピラン,テトラフェニル
ビチアピランから選ばれた電子供与体が高電導性を与え
る電子供与体成分として適当である。
本発明の電荷移動錯体は化合物(I)と電子供与体とが
モル比で1:0.5〜2の割合で構成されたものが好まし
い。
モル比で1:0.5〜2の割合で構成されたものが好まし
い。
以下本発明を実施例によって具体的に説明するが本発明
はこれら実施例に限定されるものではない。
はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 (反応i)ii)) 窒素下で、2,2′−ビフラン(II−a)990mg(7.38mmol)
のベンゼン30ml溶液にN−ブロモサクシニイミド2.63g
(14.8mmol)を加えて室温で1.5時間攪拌した。これにN
−ブロモサクシニイミド2.63g(14.8mmol)を更に加えて
ゆっくり還流温度まで昇温し、そのまま2時間還流し
た。反応後冷却してからベンゼンを留去し、クロロホル
ムで抽出後クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後ヘキサンより
再結晶した化合物(II)3,3′,5,5′−テトラブロモ−
2,2′−ビフランを得た。
のベンゼン30ml溶液にN−ブロモサクシニイミド2.63g
(14.8mmol)を加えて室温で1.5時間攪拌した。これにN
−ブロモサクシニイミド2.63g(14.8mmol)を更に加えて
ゆっくり還流温度まで昇温し、そのまま2時間還流し
た。反応後冷却してからベンゼンを留去し、クロロホル
ムで抽出後クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後ヘキサンより
再結晶した化合物(II)3,3′,5,5′−テトラブロモ−
2,2′−ビフランを得た。
収量 980mg(収率30%) 融点 151〜152℃1 H−NMR(CDCl3,TMS内部規準) δ=6.43 MS(70eV.DI)m/z450(M+) 元素分析 実測値 C;21.44,H;0.45% C8H2O2Br4としての計算値 C;21.37,H;0.45% 実施例2(反応iv)) 銅粉末254mg,テトラシアノエチレンオキシド712mg(4mm
ol),3,3′,5,5′−テトラブロモ−2,2′のビフラン(I
I)450mg(1mmol),1,2−ジブロモエタン8mlを用い実施
例3と同様に反応し、化合物(I)(n=1,X=Br)
を得た。
ol),3,3′,5,5′−テトラブロモ−2,2′のビフラン(I
I)450mg(1mmol),1,2−ジブロモエタン8mlを用い実施
例3と同様に反応し、化合物(I)(n=1,X=Br)
を得た。
収量 141mg(収率38%) 融点 220℃以上 IR(KBr) νC≡N 2236cm-1 MS(70eV,DI) m/z418(M+100%) 元素分析 実測値 C;40.19,H;0.45,N;13.35% C14H2N4O2Br2としての計算値 C;40.23,H;0.48,N;13.40% サイクリックボルタメトリー (ジクロロメタン溶媒,支持電解質0.1M テトラブチルアンモニウムパークロレート,参照電極Ag
/AgCl) E1 1/2+0.08V,E2 1/2−0.12V 実施例3(反応iii)) 銅粉末475mg,テトラシアノエチレンオキシド1.03g(7.1
5mmol),1,3−ジブロモプロパン8.5mlを45分間還流し、
還流下で5,5′−ジブロモ−2,2′−ビフラン(II−b)
525mg(1.80mmol)の1,3−ジブロモプロパン溶液(6ml)を
滴下し、そのまま1.5時間還流した。反応後冷却してジ
クロロメタンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶離液ジクロロメタン)で分離した。溶媒留去後
クロロベンゼンより再結晶し化合物(I)テトラシアノ
−2,2′−ビフラノキノジメタン(n=1,X=H)が
得られた。
/AgCl) E1 1/2+0.08V,E2 1/2−0.12V 実施例3(反応iii)) 銅粉末475mg,テトラシアノエチレンオキシド1.03g(7.1
5mmol),1,3−ジブロモプロパン8.5mlを45分間還流し、
還流下で5,5′−ジブロモ−2,2′−ビフラン(II−b)
525mg(1.80mmol)の1,3−ジブロモプロパン溶液(6ml)を
滴下し、そのまま1.5時間還流した。反応後冷却してジ
クロロメタンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶離液ジクロロメタン)で分離した。溶媒留去後
クロロベンゼンより再結晶し化合物(I)テトラシアノ
−2,2′−ビフラノキノジメタン(n=1,X=H)が
得られた。
収量 54mg(収率12%) IR(KBr) νC≡N 2234cm-1 融点(分解) 265℃以上 MS(70eV,DI) m/z260(M+100%) 元素分析 実測値 C;64.62,H;1.52,N;21.37% C14H4N4O2としての計算値 C;64.62,H;1.55,N;21.53% サイクリックボルタメトリー (ジクロロメタン溶媒,支持電解質0.1M テトラブチルアンモニウムパークロレート,参照電極Ag
/AgCl) E1 1/2−0.09V,E2 1/2−0.31V 実施例4 (反応vi)) 2,5−ジブロモフラン(II−d)1.82g(8.06mmol),テト
ラシアノエチレンオキシド4.64g(32.2mmol),銅粉末2.0
5gを1,3−ジブロモプロパン18mlに加えて2.5時間還流し
た。反応後冷却してジクロロメタンを加えて短時間でシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液ジクロロメ
タン)を行なった。溶媒留去後、ベンゼンより再結晶し
化合物(I)すなわちテトラシアノフラノキノジメタン
(n=0,X=H)を得た。
/AgCl) E1 1/2−0.09V,E2 1/2−0.31V 実施例4 (反応vi)) 2,5−ジブロモフラン(II−d)1.82g(8.06mmol),テト
ラシアノエチレンオキシド4.64g(32.2mmol),銅粉末2.0
5gを1,3−ジブロモプロパン18mlに加えて2.5時間還流し
た。反応後冷却してジクロロメタンを加えて短時間でシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液ジクロロメ
タン)を行なった。溶媒留去後、ベンゼンより再結晶し
化合物(I)すなわちテトラシアノフラノキノジメタン
(n=0,X=H)を得た。
収量 450mg(収率29%) 融点 184〜184.5℃1 H−NMR(アセトン−d6,TMS内部規準) δ=8.07 IR(KBr) νC≡N 2245cm-1 MS(70eV,DI) m/z194(M+) 元素分析 実測値 C;61.62,H;1.21,N;28.81% C10H2N4Oとしての計算値 C;61.86,H;1.04,N28.86% サイクリックボルタメトリー (ジクロロメタン溶媒,支持電解質0.1M テトラブチルアンモニウムパークロレート,参照電極Ag
/AgCl) E11/2+0.03V,E21/2−0.55V 実施例5 化合物(I)(n=0,X=H)13mg,2,2′,5,5′−
テトラチアフルバレン(TTF)13.7mgをそれぞれアセ
トニトリルに熱時最少量で溶かし、熱時直接混合し、こ
れをそのまま室温で3日間放置すると化合物(I)(n
=0,X=H)とTTFとの1:1錯体が析出し、これ
を取した。
/AgCl) E11/2+0.03V,E21/2−0.55V 実施例5 化合物(I)(n=0,X=H)13mg,2,2′,5,5′−
テトラチアフルバレン(TTF)13.7mgをそれぞれアセ
トニトリルに熱時最少量で溶かし、熱時直接混合し、こ
れをそのまま室温で3日間放置すると化合物(I)(n
=0,X=H)とTTFとの1:1錯体が析出し、これ
を取した。
融点 180〜190℃(分解) IR(KBr) νC≡N 2242cm-1 元素分析 実測値 C;47.38,H;1.31,N;13.64% C16H6N4OS4としての計算値 C;48.23,H;1.52,N14.06% 実施例6 化合物(I)(n=1,X=H)13mg,TTF10.2mg,
アセトニトリル溶媒を用い実施例5と同様にして化合物
(I)(n=1,X=H)とTTFとの1:1錯体を得
た。
アセトニトリル溶媒を用い実施例5と同様にして化合物
(I)(n=1,X=H)とTTFとの1:1錯体を得
た。
融点 200℃(分解) IR(KBr) νC≡N 2228cm-1 元素分析 実測値 C;51.67,H;1.70,N;11.91% C20H8N4O2S4としての計算値 C;51.71,H;1.74,N12.06% 実施例7 化合物(I)(n=1,X=Br)6mg,TTF120mg,ク
ロロベンゼン溶媒を用い混合液を−20℃で2日間放置す
ること以外は実施例5と同様にして化合物(I)(n=
1,X=Br)とTTFとの1:1錯体を得た。
ロロベンゼン溶媒を用い混合液を−20℃で2日間放置す
ること以外は実施例5と同様にして化合物(I)(n=
1,X=Br)とTTFとの1:1錯体を得た。
融点 190℃(分解) IR(KBr) νC≡N 2224cm-1 元素分析 実測値 C;38.60,H;0.92,N;8.88% C20H6N4O2S4Br2としての計算値 C;38.60,H;0.97,N9.00% 実施例8 化合物(I)(n=1,X=Br)10mg,5,6,11,12−テ
トラチオテトラセン(TTT)8.4mg,クロロベンゼン
溶媒を用い実施例5と同様にして化合物(I)(n=
1,X=Br)とTTTとの1:1錯体を得た。
トラチオテトラセン(TTT)8.4mg,クロロベンゼン
溶媒を用い実施例5と同様にして化合物(I)(n=
1,X=Br)とTTTとの1:1錯体を得た。
融点 270℃(分解) IR(KBr) νC≡N 2203cm-1 元素分析 実測値 C;49.82,H;1.27,N;7.13% C32H10N4S4O2Br2としての計算値 C;49.88,H;1.31,N7.27% 実施例9 実施例5,6及び8で得られた1:1錯体を夫々錠剤に
圧縮成型し、これを四点法を用いて室温で電気伝導度を
測定した結果は表の通りであった。
圧縮成型し、これを四点法を用いて室温で電気伝導度を
測定した結果は表の通りであった。
(発明の効果) 本発明の化合物(I)は電荷移動錯体を構成する電子受
容体として優れており、これにより得られた電荷移動錯
体は従来のこの種の錯体に比べて非常に高い導電性を有
している。
容体として優れており、これにより得られた電荷移動錯
体は従来のこの種の錯体に比べて非常に高い導電性を有
している。
Claims (6)
- 【請求項1】下記一般式(I) ((I)式中、Xは水素原子又はハロゲン原子を表わ
し、nは0又は1の整数であって、nが0のときはXは
水素原子を表わす。) で表わされる化合物。 - 【請求項2】一般式(I)中ハロゲン原子が塩素原子;
又は臭素原子である請求項1記載の化合物。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の化合物を電子受容体
とし、他成分の電子供与体とから導かれた導電性電荷移
動錯体。 - 【請求項4】電子供与体が2,2′,5,5′−テトラチアフ
ルバレン,2,2′,5,5′−テトラセレナフルバレン,テ
トラメチルテトラチアフルバレン,テトラメチルテトラ
セレナフルバレン,テトラチオメトキシテトラチアフル
バレン,5,6,11,12−テトラチオテトラセン,5,6,11,12
−テトラセレナテトラセン,ヘキサメチレンテトラチア
フルバレン,ヘキサメチレンテトラセレナフルバレン,
ヘキサメチレンテトラテルラフルバレン,テトラフェニ
ルビピラニリデン,N,N′−テトラメチル−p−フェニ
レンジアミン,アセナフテンジテルリド,4,5:4′,
5′−ビス(エチレンジチオ)−2,2′,5,5′−テトラチ
アフルバレン,ビチアピラン,テトラフェニルビチアピ
ランから選ばれた化合物である請求項3記載の導電性電
荷移動錯体。 - 【請求項5】電子受容体と電子供与体のモル比が1:0.
5〜2である請求項3又は4記載の導電性電荷移動錯
体。 - 【請求項6】下記式(II)で表わされる化合物
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1171720A JPH0613495B2 (ja) | 1989-07-03 | 1989-07-03 | 新規電子受容体及びこれを成分とする電荷移動錯体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1171720A JPH0613495B2 (ja) | 1989-07-03 | 1989-07-03 | 新規電子受容体及びこれを成分とする電荷移動錯体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0338578A JPH0338578A (ja) | 1991-02-19 |
JPH0613495B2 true JPH0613495B2 (ja) | 1994-02-23 |
Family
ID=15928421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1171720A Expired - Lifetime JPH0613495B2 (ja) | 1989-07-03 | 1989-07-03 | 新規電子受容体及びこれを成分とする電荷移動錯体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0613495B2 (ja) |
-
1989
- 1989-07-03 JP JP1171720A patent/JPH0613495B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0338578A (ja) | 1991-02-19 |
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